JPH07227295A - 13c標識rnaおよびリボヌクレオチドの製造方法 - Google Patents

13c標識rnaおよびリボヌクレオチドの製造方法

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JPH07227295A
JPH07227295A JP1966894A JP1966894A JPH07227295A JP H07227295 A JPH07227295 A JP H07227295A JP 1966894 A JP1966894 A JP 1966894A JP 1966894 A JP1966894 A JP 1966894A JP H07227295 A JPH07227295 A JP H07227295A
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Tsutomu Okada
務 岡田
Munehiro Tejima
宗広 手島
Sumiko Tamura
寿美子 田村
Hiroaki Fukuda
裕章 福田
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 13Cで標識されたRNAおよび5′リボヌク
レオチドを安価にかつ工業的に容易に生産する方法の提
供を目的としている。 【構成】 13Cを炭素源として藻類を培養し、次いで培
養藻体より全炭素原子に占める13C原子の存在比が95
%以上であるRNA又はリボヌクレオチドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は13Cや15Nなどの安定同
位体で標識された安定同位体標識RNAおよび5′リボ
ヌクレオチドの製造方法であり、特に標識率の高い13
標識RNAおよび5′リボヌクレオチドを効率良く製造
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】安定同位体標識RNAおよび5′リボヌ
クレオチドなどの標識化合物は、最近目ざましい発展を
遂げているRNAの多次元NMRによる構造解析に不可
欠なものである。すなわち、13Cや15Nは、1Hと同様
にスピン1/2の原子核を持つために、これらの安定同
位体を有する物質は高分解能NMRの測定が可能であ
る。これらの標識化合物では1Hの化学シフトに加えて
13Cと15Nの化学シフトが利用できるようになり、多次
元NMRによる原子のシグナルの帰属の決定が容易とな
る。従ってRNAのような、わずか4種類の類似のヌク
レオチド(シチジル酸、アデニル酸、グアニル酸及びウ
リジル酸)からなり、NMRシグナルの化学シフトが極
めて狭い範囲に集中している物質の構造決定のために
は、安定同位体標識RNAは不可欠な物質である。そし
て安定同位体で標識されたRNAおよび5′リボヌクレ
オチドは、これらの測定に用いる任意の標識RNAを化
学合成または生物合成するための原料として極めて価値
ある物質である。
【0003】従来、13Cで標識されたRNAおよび5′
リボヌクレオチドの製造方法に関する報告は無かった。
しかし近時、ヌクレイックアシッドリサーチ(Nucleic
Acids Research)20巻17号4507〜4513頁および同号
4515〜4523頁(1992年)に、安定同位体で標識された炭
素源及び窒素源を用いて生育させた細菌の菌体から標識
されたRNAおよび5′ヌクレオチドを製造する方法が
発表されている。これらの発表のうち前者は炭素源とし
て、全ての炭素原子が完全に標識されたグルコース(13
6126)を用いて大腸菌を培養する方法であり、後
者は炭素源として標識されたメタノールを原料とし、メ
タノール資化性細菌を培養する方法である。一方、藻類
を利用した13C標識RNAの製造方法については、トレ
ンズ インバイオテクノロジー(Trends in biotechnolo
gy)第6巻11月号279〜282頁(1988)にその可
能性を示唆する記述はあるが、具体的な事実については
述べられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】安定同位体標識された
RNAおよび5′リボヌクレオチドの製造方法のうち、
前者の方法は炭素源として用いる13C標識グルコース(
136126)が極めて高価であり、必ずしも良い方法
ではない。一方、後者の方法は炭素源のラベル化メタノ
ールは安価であるが、揮発性が高いため通気培養が極め
て困難であり、また生育阻害性が強いため培地中のメタ
ノールの濃度を高めることができず生産性が悪い。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、13Cで標識されたRNAおよび5′リボヌクレオチ
ドを安価に、かつ工業的に容易に生産する方法の提供を
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の13C標識RNA
の製造方法は、13CO213C標識化炭酸塩類及び13
標識化重炭酸塩類のうちの1種または2種以上を原料と
して藻類を培養し、次いで該藻類より全炭素原子に占め
13C原子の存在比が95%以上であるRNAを抽出す
ることを特徴としている。また本発明の13C標識リボヌ
クレオチドの製造方法は、13CO213C標識化炭酸塩
類及び13C標識化重炭酸塩類のうちの1種または2種以
上を原料として藻類を培養し、次いで該藻類より全炭素
原子に占める13C原子の存在比が95%以上である5′
リボヌクレオチドを得ることを特徴としている。本発明
13C標識RNAとリボヌクレオチドの製造方法におい
て、好ましい藻類はクロレラ属、スピルリナ属、アグメ
ネルム属のうちから選択される。また本発明の13C標識
RNAとリボヌクレオチドの製造方法においては、培養
藻体の細胞を破砕し、次いでその細胞破砕液を遠心分離
して細胞壁画分を沈澱させてリボソーム画分を含む上清
を分取し、次いで該上清を超遠心分離することによって
リボソーム画分を沈澱させ、次いで該リボソームを崩壊
し、除タンパク後の粗RNA画分をpH2.0以下の酸
性条件下に置き、沈澱した13C標識RNAを採取し、或
いはこの13C標識RNAを分解して13C標識リボヌクレ
オチドを得ることが望ましい。
【0007】
【作用】本発明の13C標識RNA及びリボヌクレオチド
の製造方法では、炭素源としては最も安価な13CO2
13C標識化炭酸塩類及び13C標識化重炭酸塩類のうちの
1種または2種以上を原料として藻類を培養し、培養し
た藻体から13C標識RNAを抽出し、或いはそのRNA
を分解、分離精製して13C標識リボヌクレオチドを生産
することにより、従来の細菌を用いた13C標識RNA及
びリボヌクレオチドの製造方法に比べて、極めて安価な
生産物を提供できる点で優れている。さらに13CO2
13C標識化炭酸塩類及び13C標識化重炭酸塩類と、それ
らを資化できる藻類とを用いる利点としては、この炭素
源−利用生物の組み合わせにおいては、高価な13Cの利
用率が極めて高いことである。すなわち13CO2資化能
のない生物は呼吸作用で排出される13CO2が再び体内
に取り込まれ、再利用される割合が極めて低く、貴重な
13Cは無駄に捨てられてしまうことになる。従って使用
した13Cに対する13C標識生産物の収率が低く、13Cの
利用率は悪い。一方、本発明の13CO213C標識化炭
酸塩類及び13C標識化重炭酸塩類と、それらを資化でき
る藻類との組み合わせにおいては、呼吸作用で排出され
13CO2が再び体内に取り込まれ、再利用されるの
で、貴重な13Cが無駄に捨てられることがない。従って
本発明の方法は、使用した13Cに対する13C標識された
生産物の収率が高く、13CO2などの使用炭素源の安価
なこととあいまって、13C標識RNA及びリボヌクレオ
チドを工業的規模で安価に生産することが可能となる。
【0008】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明に係る13C標識RNAとは、全炭素に占める13C原
子の存在比(以下13C標識率という)が95%以上であ
ることを特徴としている。この安定同位体標識RNAを
得るには、13C標識炭素源を用いて、藻類を培養し、そ
の培養藻体からRNAを抽出する。本発明に用いる13
標識炭素源としては、13CO213C標識化炭酸塩類及
13C標識化重炭酸塩類のうちの1種または2種以上で
ある。これら炭酸塩と重炭酸塩としては、ナトリウム
塩、カリウム塩またはアンモニウム塩が好適に用いられ
る。
【0009】本発明に好ましい藻類の性質としては、光
合成能が強い、増殖が速い、培養が容易である、RNA
含量が高い等の性質が挙げられる。このような条件を満
足させる藻類としては、例えばクロレラ(Chlorella)
属、スピルリナ(Spirulina)属、アグメネルム(Agmen
ellum)属の藻類が挙げられる。より具体的には、クロ
レラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ピ
レノイドサ(Chlorellapyrenoidosa)、スピルリナ・プ
ラテンシス(Spirulina platensis)、アグメネルム・ク
アドルプリカトム(Agmenellum quadruplicatum)等の
種の藻類が挙げられる。
【0010】これらの藻類の培養に使用する培地組成に
ついては、上述したように本発明においては炭素源とし
13CO213C標識化炭酸塩類及び13C標識化重炭酸
塩類のうちの1種または2種以上を用いる他は、通常の
藻類の培地組成とした培地を用いて良い。即ち窒素源と
しては、通常のアンモニウム塩、または硝酸塩を使用し
て良い。この際、生成するRNAを13Cとともに15Nで
標識化する場合には、15Nで標識化されたアンモニウム
塩または硝酸塩を使用すれば良い。その他の無機塩類を
主体とする培地成分については、燐酸、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、亜
鉛、銅、硫黄、ホウ素等の栄養成分を適宜含有する既存
の培地を使用して良い。藻類の培養において、培地のp
H、培養温度等は、個々の藻株により異なるので、個々
の藻株に適した条件を用いる必要がある。また光の照射
条件については特に限定されず、通常の蛍光灯を使用し
て良く、好ましくは照度1000〜10000Lux程
度とされる。培養時間は藻体量、藻体中のRNA含有量
等を考慮して決められるが、通常は2日から15日間程
度とする。培養終了後、藻体を遠心分離して集め、脱塩
水で洗浄し、これをRNAの抽出に用いる。
【0011】藻体からRNAを抽出するには、藻体の細
胞壁を超音波、ガラスビーズによる磨砕、セルラーゼ等
の細胞壁溶解酵素等を用いて破壊し、この細胞破砕液を
遠心分離して沈澱した細胞壁画分を捨て上清を集める。
この上清から超遠心分離器を用いてリボソーム画分を集
める。この際の超遠心分離の条件は通常10万Gから2
0万Gで2時間から5時間程度とされる。こうして集め
た沈澱に含まれるリボソームから通常SDS(ドデシル
硫酸ナトリウム(界面活性剤))処理やフェノール処理
によりRNAを分離精製するが、藻類の場合、この画分
には多量の炭水化物が含有され、純度の高いRNAが得
られない。そこで本発明者らは、種々の方法を検討した
結果、SDS処理によりリボソームを崩壊し、フェノー
ル処理などにより除タンパクしたこの粗RNA画分を酸
性条件下で処理することによりRNAを沈澱せしめ、混
在する炭水化物から分離し、純度の高いRNAを取得で
きることを見出した。RNAを沈澱させる酸性条件とし
ては通常pH2以下、好ましくはpH1.5程度であ
り、またここで用いる酸としては、トリクロル酢酸、過
塩素酸、塩酸等が適当である。リボソーム画分をSDS
処理、フェノール処理をした粗RNA画分をこのような
酸性条件下且つ低温下に置き、RNAを沈澱せしめた
後、遠心分離によりRNAが濃縮された沈澱を集め、エ
タノール等の有機溶媒で沈澱を洗浄して、さらに真空乾
燥してRNAを得る。また、RNAに共存するDNAを
除く必要がある場合には、細胞壁破壊時にDNA分解酵
素を作用せしめ、共存するDNAのみを分解しても良
い。
【0012】抽出精製したRNAより、5′リボヌクレ
オチド、即ち、5′シチジル酸(CMPと略記する)、
5′アデニル酸(AMPと略記する)、5′グアニル酸
(GMPと略記する)及び5′ウリジル酸(UMPと略
記する)を製造するためには、通常は酵素リボヌクレア
ーゼによる加水分解を行い、精製した4種類の5′リボ
ヌクレオチドをイオン交換樹脂を用いたカラムクロマト
グラフィー等によって分画、分取することにより得られ
る。
【0013】
【実施例】
(実施例1)下記の組成のSOTの培地を基本とする培
地を用い、スピルリナ・プラテンシス IAM M−13
5株を培養した。 (NaHCO3 16.8g/l) K2HPO4 0.5 NaNO3 2.5 K2SO4 1.0 NaCl 1.0 MgSO4・7H2O 0.2 CaCl2・2H2O 0.04 FeSO4・7H2O 0.01 EDTA・Na2 0.008 A−5溶液 1ml (A−5溶液の組成は、H3BO3 2.85g/l、Mn
Cl2・4H2O 1.81g/l、ZnSO4・7H2O 0.
22g/l、CuSO4・5H2O 0.08g/l、Mo
3 0.015g/l) 上記SOTの培地において13C標識化重炭酸ナトリウム
(NaH13CO3)を用いた前培養培地100mlを含
む500ml培養フラスコで30℃、16時間明期−8
時間暗期の光周期条件下で上記藻株を10日間培養し
た。炭素源を含まないSOT培地3リットルを、光照射装置
およびマグネチックスターラー付き培養装置(5リットル
容)に入れ、これに前培養液を種母として添加した。本
培養に先立って、培養装置の気相をN2で置換した後、
13CO2を培養装置内に導入し、培地のpHを8.8と
し、密閉系で培養を開始した。培地のpHは、pH電極
でモニターし、13CO2が藻によって資化され、培地の
pHが9.2以上になると電磁弁が開いて、ボンベより
13CO2が供給され、培地のpHが8.8以下になると電
磁弁が閉じ、13CO2の供給が止まるような13CO2供給
方式を採用し、10W蛍光灯12本の連続照射条件下
で、30℃10日間培養を行った。
【0014】培養終了後、培養液を5000Gで15分
間遠心分離し、藻体を集め、これを水で3回洗浄した。
得られた湿潤藻体は42g(乾燥重量7.5g)であっ
た。なお、この培養で消費された13CO2は8.2gであ
った。次に、この湿潤藻体12.3gを、乾燥重量とし
て40mg/mlになるように、50mMのトリス緩衝
液(pH7.5,KCl 30mM,MgCl2 10m
M,NaN3 1mM,グリセロール10重量%を含む)
に懸濁させた。続いて、β−メルカプトエタノール0.
1重量%を加え、氷冷のもと20kHzの超音波で15
分間処理を行い細胞壁を破壊した。
【0015】細胞壁破壊後の標識藻の懸濁液を8000
Gにて20分間遠心分離し、細胞壁画分を沈澱させて除
き、リボソームを含む上清を回収した。回収した上清に
1/3容量の2M KCl溶液を加え、約10万Gにて3時
間、超遠心分離を行い、沈澱(リボソーム画分)を得
た。この沈澱を酢酸緩衝液(CH3COONa 50m
M,(CH3COO)2Mg10mM,pH7.4)に溶
かし、1/10容量の5%SDSを加えて攪拌後、等量
の水飽和フェノールを加えて1時間振とうした。続い
て、約1万Gにて20分間遠心分離し、フェノール層と
水層とに分離し、その水層を回収した。この操作をもう
一度繰り返した後、水層に等量のクロロホルムを加え、
攪拌後3000Gにて15分間遠心分離し、水層とクロ
ロホルム層に分離した後、水層を回収した。同じ操作を
もう一度繰返し行うことによりフェノールを除去した。
フェノール除去後の水層に1/10容量の1.3M CH3
OOKを加えた後、10%トリクロロ酢酸を等量加えて
氷冷した。氷冷後、約1万Gにて10分間遠心分離し、
標識RNAを沈澱させた。沈澱した標識RNAを99%
エタノールで2回洗浄し、真空乾燥することにより、純
度約60%の標識RNAが80mg得られた。得られた
RNAを元素分析計により成分中の炭素分を二酸化炭素
ガスとし、このガスを質量分析計で測定した結果、この
RNAの13Cの標識化率は約96%であった。
【0016】(実施例2)先の実施例1で得られたRN
A 50mgを0.1mM ZnCl2を含む50mM酢酸
緩衝液(pH5.5)15mlに溶解し、37℃に加温
し、ここにリボヌクレアーゼP1(生化学工業(株)
製)をRNAmg当り0.3単位となるように添加し
た。この分解反応はTLCでモニターし、2時間後に反
応が完結したら0.5mM EDTAを添加し、さらに2
分間90℃に加熱して酵素を失活させた。この反応後の
溶液を2倍に希釈し、10mM HClで平衡化させた
陰イオン交換樹脂AG−1×4(200-400メッシュ;Bio
Rad社製)を充填したカラム(2.0×64cm)にかけ、
10mM HCl 2容と10mM HCl+1M NaC
l1容の濃度勾配溶出法により5′リボヌクレオチドを
溶出し、15ml毎に分画し、波長260nmで吸光度
をモニターしながら、CMP,AMP,GMP,UMP
画分を分取した。次に、これらの個々の5′リボヌクレ
オチド画分を集め、DEAEセファデックスA−25
(Pharmacia社製)カラムを用いて脱塩した。これらの
処理により最終的に取得した5′リボヌクレオチド量
は、CMPが12mg、AMPが11mg、GMPが1
4mg、UMPが8mgであった。得られたCMPを元
素分析計により炭素分を二酸化炭素ガスに変換し、それ
らのガスを質量分析計で測定した結果、CMPの13Cの
標識化率は約96%であった。
【0017】クロレラ・ブルガリス IAM C−531
株の培養を下記組成の培地を用いて行った。 K2HPO4 0.1g/L KH2PO4 0.075 NaNO3 2.5 K2SO4 1.0 NaCl 1.0 MgSO4・7H2O 0.5 CaCl2・2H2O 0.04 FeSO4・7H2O 0.01 EDTA・Na2 0.008 A−5溶液 1ml 上記無機塩培地500mlを入れた、光照射装置及びマ
グネチックスターラー付き培養装置(1リットル容)に、密
閉系で13CO2通気を行い、25℃で5日間前培養し
た。この前培養液を種母として、3リットルの上記無機塩培
地を含む5リットル容培養装置に接種し、13CO2の供給に
より培地のpHを7.5から8.0の範囲に調節しながら
培養した。25℃で6日間培養した後、実施例1と同様
に藻体を集め、44g(乾燥重量7.9g)の藻体を得
た。なお、この培養で消費された13CO2は8.0gであ
った。次に、この湿潤藻体10gを実施例1と同様の組
成の液に懸濁し、次いでβ−メルカプトエタノール1g
/Lを加え、冷却下で、細胞破砕装置ダイノ-ミル(Wil
ly A. Bachofen社製、商標名;Dyno-Mill)で藻体を破
砕した。この細胞破砕液から実施例1と同様の方法でR
NA抽出を行い、純度約60%の標識RNA72mgを
得た。また、得られたRNAの13C標識化率は約96%
であった。
【0018】(実施例4)実施例3で得られたRNA5
0mgを用い、実施例2と同様の方法で、5′リボヌク
レオチドへの酵素分解、および各ヌクレオチドのカラム
クロマトグラフィーによる分離、分取を行った。最終的
に取得した5′リボヌクレオチド量は、CMPが9m
g、AMPが12mg、GMPが13mg、UMPが1
1mgであった。得られた5′リボヌクレオチドのうち
AMPについて元素分析計により炭素分を二酸化炭素ガ
スに変換し、このガスを質量分析計で測定した結果、A
MPの13C標識化率は約96%であった。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の13C標識
RNAおよびリボヌクレオチドの製造方法は、13
213C標識化炭酸塩類及び13C標識化重炭酸塩類の
うちの1種または2種以上を炭素源として藻類を培養
し、培養した酵母菌体から13C標識RNAを抽出し、或
いはそのRNAを分解、分離精製して13C標識リボヌク
レオチドを生産することにより、従来の細菌を用いた安
定同位体標識RNAやリボヌクレオチドの製造方法に比
べ、使用した13Cに対する13C標識された生産物の収率
が高く、13CO2などの使用炭素源の安価なこととあい
まって、13C標識RNA及びリボヌクレオチドを工業的
規模で安価に生産することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 裕章 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式会 社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 13CO213C標識化炭酸塩類及び13
    標識化重炭酸塩類のうちの1種または2種以上を炭素源
    として藻類を培養し、次いで該藻類より全炭素原子に占
    める13C原子の存在比が95%以上であるRNAを抽出
    することを特徴とする13C標識RNAの製造方法。
  2. 【請求項2】 藻類がクロレラ属、スピルリナ属、アグ
    メネルム属のうちから選択されることを特徴とする請求
    項1記載の13C標識RNAの製造方法。
  3. 【請求項3】 培養した藻類からRNAを抽出する工程
    が、培養藻体の細胞を破砕し、次いでその細胞破砕液を
    遠心分離して細胞壁画分を沈澱させてリボソーム画分を
    含む上清を分取し、次いで該上清を超遠心分離すること
    によってリボソーム画分を沈澱させ、次いで該リボソー
    ムを崩壊し、除タンパクした後の粗RNA画分をpH
    2.0以下の酸性条件下に置き、沈澱した13C標識RN
    Aを採取することを備えたことを特徴とする請求項1又
    は2記載の13C標識RNAの製造方法。
  4. 【請求項4】 13CO213C標識化炭酸塩類及び13
    標識化重炭酸塩類のうちの1種または2種以上を炭素源
    として藻類を培養し、次いで該藻類より全炭素原子に占
    める13C原子の存在比が95%以上である5′リボヌク
    レオチドを得ることを特徴とする13C標識リボヌクレオ
    チドの製造方法。
  5. 【請求項5】 藻類がクロレラ属、スピルリナ属、アグ
    メネルム属のうちから選択されることを特徴とする請求
    項4記載の13C標識リボヌクレオチドの製造方法。
  6. 【請求項6】 培養した藻類から5′リボヌクレオチド
    を得る工程が、培養藻体の細胞を破砕し、次いでその細
    胞破砕液を遠心分離して細胞壁画分を沈澱させてリボソ
    ーム画分を含む上清を分取し、次いで該上清を超遠心分
    離することによってリボソーム画分を沈澱させ、次いで
    該リボソームを崩壊し、除タンパクした後の粗RNA画
    分をpH2.0以下の酸性条件下に置き、沈澱した13
    標識RNAを採取し、次いでこのRNAを分解して13
    標識リボヌクレオチドを得ることを備えたことを特徴と
    する請求項4又は5記載の13C標識リボヌクレオチドの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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