JPH072265U

JPH072265U - スキンパツク包装物

Info

Publication number: JPH072265U
Application number: JP3175593U
Authority: JP
Inventors: 慎吾木村
Original assignee: Sekisui Kasei Co Ltd
Current assignee: Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date: 1993-06-14
Filing date: 1993-06-14
Publication date: 1995-01-13

Abstract

(57)【要約】【構成】被包装物が、通気性のある発泡プラスチックか
らなる包装基材と真空成形されたフイルムとの間に真空
成形と同時に一体的に包装されることを特徴とするスキ
ンパック包装物。【効果】本考案のスキンパツク包装物によれば、被包装
物は通気性、緩衝性を有する発泡プラスチツクからなる
包装基材とフイルムとの間に密着包装されており、包装
基材の緩衝性のために、被包装物が、輸送されるとき叉
は取扱いを受けるときに発生する破損率を減少させるこ
とができる。かつ、包装基材が平滑性を有するために、
スキンパツク包装の際に多数の被包装物の配列、配置作
業性を容易にする事ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、真空包装におけるスキンパツク包装物に関するものであり、更に詳述すれば、被包装物の輸送中または取扱い中に発生する破損率を減少させる発泡プラスチックを用いたスキンパツク包装物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、スキンパツク包装において包装基材として、通気性を有する紙の台紙が使用されている。この場合上部フイルムには台紙との接着性を持たせるため、フイルムが台紙と接触する側に、例えば、ＥＶＡ（エチレン−酢酸ビニル共重合体）等のホットメルト接着層がポリエチレンフイルムにラミネ−トされたフイルム、または共押出しされたフイルムが使用されている。

【０００３】また、包装基材として、半球形独立空気室を多数個形成したプラスツクフイルム製の気泡緩衝材が用いられる場合がある。この気泡緩衝材は通常ポリエチレン系樹脂からなり、また上部フイルムも通常ポリエチレン系樹脂からなる同種の樹脂であるため、上部フイルムにホットメルト接着層は不要であり、真空成形と同時に熱溶着が可能である（実公平３−４０７２３号）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来のスキンパック包装においては、包装基材として台紙が使用される場合、真空包装前に上部フイルムは真空成形に必要な加熱軟化が行われており、また同時にホットメルト樹脂も軟化しており、真空包装時に被包装物にホットメルト樹脂が移行してしまうことがあり問題となっている。また、耐水性も悪かった。

【０００５】また、包装基材として半球形独立空気室を多数個形成したプラスツクフイルム製の気泡緩衝材が使用される場合、同質のフイルムを用いればホットメルト接着層は不要であり、熱溶着が可能であるため、真空包装時に被包装物にホットメルト樹脂が移行するということはなく、この点の問題点はない。しかし気泡緩衝材は５ｍｍ〜３０ｍｍの気泡径からなり、平滑性や外観上スキンパツク包装物の包装基材としてしては不向きである。

【０００６】本考案は、問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、緩衝性、平滑性、外観上に優れたスキンパック包装物を提供する事にある。

【０００７】

【問題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するために鋭意研究の結果なされたものであって、本考案の要旨は、被包装物が通気性のある発泡プラスチツクからなる包装基材と真空成形されたフイルムとの間に真空成形と同時に一体的に包装されることを特徴とするスキンパツク包装物である。

【０００８】

【作用】

上記の構成により、被包装物が発泡プラスチツクからなる包装基材とフイルム間に密着包装されており、被包装物の移動がない。かつ包装基材の緩衝性は被包装物の破損率を減少させ、柔軟性は輸送箱等に収納する際、包装基材を任意に変形させる事ができ、収納を容易にする事ができる。包装基材の平滑性は包装前の被包装物の配列、配置作業性を容易にする事ができる。

【０００９】

【実施例】

〔実施例１〕本考案の一実施例について図１ないし図２に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施例に係わるスキンパック包装物Ａは、図１に示される様に、下部包装基材１と上部フイルム３との間に、被包装物２が密着包装されているものである。上記の下部包装基材１としてポリエチレン発泡シ−ト（ライトロン＃５４、積水化成品工業株式会社製）の２ｍｍ厚み品の孔あき（１０ｍｍピッチ、１ｍｍ径孔あき）のカット品（サイズ縦３００ｍｍ、横４００ｍｍ）を、上部フイルム３として市販のポリエチレンフイルムの１００ミクロン厚み品を用いた。また、被包装物２として電子部品を密着固定した。スキンパック包装機として、スピ−マ− １６００Ｄ（スピ−マ−株式会社製）を用いた。下部包装基材１の上に２８ｇ／個の被包装物２を６個を並べ、上部フイルム３を、２００Ｖ、１．４ｋｗ加熱炉で１４秒加熱した。加熱軟化された上部フイルム３を、下部包装基材１の上の被包装物２の上に覆い、下部包装基材１を通じて真空引きをすると、上部フイルム３は被包装物２に沿って延ばされ、下部包装基材１と上部フイルム３とが接触する部分が溶融接着し、被包装物２を密着固定した。この場合、被包装物２は上部フイルム３と接触する部分において、上部フイルムが加熱されることによる影響、即ち、上部フイルム３によって汚されるということはなかった。上記スキン包装物Ａはスキン包装機から取り出したあと、図２に示される様に、下部包装基材１であるポリエチレン発泡シ−トの柔軟性を利用して、被包装物である電子部品を内側にして、外装箱（図示せず）に収納することができる。

【００１０】なお上記の包装基材は、用途に合わせて適宜変更すればよく、特に限定はしない。架橋あるいは非架橋のポリエチレン発泡体が最適であるが、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、その他のプラスチック発泡体が可能である。また、フイルムはポリエチレンフイルムが最適であるが、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、その他のプラスチックフイルムが可能である。

【００１１】包装基材とフイルムとは、同じ性質のプラスチツクどうしであれば真空成形と同時に溶融接着することができ、被包装物への接着剤の移行のしないもの、ないしはその影響の少ないものについては逐次対応が可能である。また、包装基材とフイルムとは他素材との複合品でも良く、厚みも２５〜３００ミクロンで適宜選定すると良い。

【００１２】〔実施例２〕下部包装基材に、ポリエチレン発泡シ−ト（ライトロン＃５６、積水化成品工業株式会社製）３ｍｍ厚み品の孔あき（１０ｍｍピッチ、１ｍｍ径孔あき）のカット品（サイズ縦３００ｍｍ、横４００ｍｍ）を、上部フイルムとして市販のポリエチレンフイルムの２００ミクロン厚み品を用いた。また、被包装物としてモーターを密着固定した。スキンパック包装機として、スピ−マ−１６００Ｄ（スピ−マ−株式会社製）を用いた。下部包装基材の上に１ｋｇ／個の被包装物を１個を置き、上部フイルムを、２００Ｖ、１．４ｋｗ加熱炉で３０秒加熱した。加熱軟化された上部フイルムを、下部包装基材上の被包装物の上に覆い、下部包装基材を通じて真空引きをすると、上部フイルムは被包装物に沿って延ばされ、下部包装基材と上部フイルムとが接触する部分が溶融接着し、被包装物を密着固定した。この場合、被包装物は上部フイルムと接触する部分において、上部フイルムが加熱されることによる影響、即ち、上部フイルムによって汚されるということはなかった。上記スキン包装物はスキン包装機から取り出したあと、下部包装基材であるポリエチレン発泡シ−トの柔軟性を利用して、被包装物であるモーターを内側にして、外装箱に収納することができる。

【００１３】〔比較例１〕実施例１における下部包装基材を、５２０ｇ／m2のクラフト紙（サイズ縦３００ｍｍ、横４００ｍｍ）とした以外は実施例１と同様の操作を行った。この場合、下部包装基材であるクラフト紙と上部ポリエチレンフイルムとの溶融接着はなく、容易に剥離した。

【００１４】

【考案の効果】

上記したように、本考案のスキンパツク包装物によれば、被包装物は通気性、緩衝性を有する発泡プラスチツクからなる包装基材とフイルムとの間に密着包装されており、包装基材の緩衝性のために、被包装物が、輸送されるとき叉は取扱いを受けるときに発生する破損率を減少させることができる。かつ、包装基材が平滑性を有するために、スキンパツク包装の際に多数の被包装物の配列、配置作業性を容易にする事ができる。

【００１５】また、スキンパツク包装は被包装物の形にかかわらないので、被包装物が多品種にわたるときに有効であるが、包装基材としてポリエチレン発泡シート等の柔軟性のあるものを用いると、その柔軟性を利用して被包装物を内側にして外装箱に収納することができる。この場合は、とくに被包装物が電子部品など耐衝撃性の小さいものなどに有効である。

【００１６】また、本考案では、通気性のある発泡プラスチツクからなる包装基材を用いているので、フイルムの真空成形により極めて簡易に包装物とすることができる。したがって、本考案のスキンパック包装物は、各種の物品、商品に広く使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のスキンパツク包装物の一例を示す一部
の拡大断面図である。

【図２】本考案のスキンパツク包装物を外装箱に収納し
たときの形状の一例を示す一部の拡大断面図である。

【符号の説明】

Ａ・・・・スキンパツク包装物１・・・・下部包装基材２・・・・被包装物３・・・・上部フイルム

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】被包装物が、通気性のある発泡プラスチツ
クからなる包装基材と真空成形されたフイルムとの間に
真空成形と同時に一体的に包装されることを特徴とする
スキンパツク包装物。