JP6098985B1 - 包装体及び包装体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な工程で対象物を包装することができ、且つ別途緩衝材等を使用することなく、運搬中の対象物に対する衝撃を緩和することができる包装体及び包装体の製造方法を提供する。【解決手段】包装体は、包装の対象物と、熱可塑性を有する材料により形成された包装材とを備え、該包装材は、対象物を被覆する被覆部と、被覆部と一体的に形成され、内部に空洞が設けられた少なくとも1つの筒部とを有する。包装体の製造方法は、チャンバ内のステージ上に支持体を載置する工程と、チャンバ内に包装の対象物を載置する工程と、熱可塑性を有する材料により形成されたシート材を加熱し、チャンバ内を排気しつつステージの上方からシート材を対象物及び支持体に被せることにより、熱可塑性を有する材料によって対象物及び支持体を被覆する工程と、ステージに対する支持体の設置面において熱可塑性を有する材料が開口している領域から支持体を取り出す工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、包装技術に関し、特に、熱可塑性材料によって対象物を包装する包装技術に関する。
近年、多様な商品陳列方法や通信販売の普及等に伴い、様々な包装技術が用いられている。例えば、透明のプラスチック材料を用いて対象物を包装する場合、外部から対象物を視認することができるという利点がある。
一例として、特許文献1には、単層又は多層の熱収縮性ポリプロピレン系フィルム及び熱シール層を有する熱収縮性発泡プラスチックシートを用いて、熱シール及び熱収縮させる包装技術が開示されている。
また、特許文献2には、台材上に載置された被包装体の外形に沿って伸展されたスキンフィルムにより被覆され、スキンフィルムが台材との接触面で接着されているとともに被覆空間内が真空脱気されてなるスキンパック包装体が開示されている。
また、特許文献3には、台ブロックの両側にヒンジを介して左右側ブロックをそれぞれ一体的に連設し、台ブロック及び左右側のブロックの内面に商品を収納する凹所を設けたプラスチック製の包装容器が開示されている。
特開平5−42967号公報 特開平5−201470号公報 特開2006−131249号公報
プラスチックフィルムを熱収縮させて対象物を直接包装した包装体を箱に入れて運搬する場合、箱の中で包装体が移動し、包装体や内部の対象物に衝撃が加わるおそれがある。そのため、従来、このような包装体と共に緩衝材を詰め込んで梱包している。しかし、この場合、包装体や箱の他に緩衝材を別途用意する必要が生じ、梱包の手間もかかってしまう。
これに対し、スキンパック包装体においては、対象物が台材に固定されているため、スキンパック包装体をそのまま箱に梱包した場合であっても、箱の中での対象物の移動を抑制することができる。しかし、スキンパック包装を行う際には、台材を用意して接着剤を塗布し、真空成形を行うなど、複数の工程が必要になるため、包装工程そのものに手間がかかってしまう。また、プラスチック製の包装容器を用いる場合には、包装容器の金型が必要になるなど、包装容器そのものの製造に手間とコストを要してしまう。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、簡単な工程で対象物を包装することができ、且つ、運搬中等における対象物への衝撃を緩和することができる包装体及び包装体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である包装体は、包装の対象物と、熱可塑性を有する材料により形成された包装材と、を備え、前記包装材は、前記対象物を被覆する被覆部と、前記被覆部と一体的に形成され、内部に空洞が設けられた少なくとも1つの筒部と、を有するものである。
上記包装体において、前記少なくとも1つの筒部は、開口する端面を有しても良い。
上記包装体において、前記包装材は、前記開口する端面の開口端と一体化されたベース部をさらに含んでも良い。
上記包装体において、前記少なくとも1つの筒部は、柱状、又は、前記開口する端面の反対側から前記開口する端面に向かって広がるテーパ状をなしても良い。
上記包装体において、前記被覆部の一部に、前記対象物が脱出不能な開口が設けられていても良い。
上記包装体において、前記少なくとも1つの筒部は、前記被覆部に設けられた前記開口の開口端において前記被覆部と接続されて前記対象物を支持する支持部を含んでも良い。
上記包装体において、前記少なくとも1つの筒部は、内部が空洞の壁状をなし、前記被覆部を囲むように設けられた壁部を含んでも良い。
上記包装体において、前記壁部の高さは、前記被覆部の端部の高さ以上であっても良い。
上記包装体において、前記少なくとも1つの筒部は、各々が内部が空洞の突起状をなし、前記被覆部を囲むように配置された複数の突起部を含んでも良い。
上記包装体において、前記複数の突起部の各々の高さは、前記被覆部の端部の高さ以上であっても良い。
上記包装体において、前記少なくとも1つの筒部は圧縮可能であっても良い。
本発明の別の態様である包装体の製造方法は、チャンバ内に設けられたステージ上に少なくとも1つの支持体を載置する工程(a)と、前記チャンバ内に包装の対象物を載置する工程(b)と、熱可塑性を有する材料によって形成されたシート材を加熱し、前記チャンバ内を排気しつつ、前記ステージの上方から前記シート材を前記対象物及び前記少なくとも1つの支持体に被せることにより、前記熱可塑性を有する材料によって前記対象物及び前記少なくとも1つの支持体を被覆する工程(c)と、前記ステージに対する前記少なくとも1つの支持体の設置面において前記熱可塑性を有する材料が開口している領域から前記少なくとも1つの支持体を取り出す工程(d)と、を含むものである。
上記包装体の製造方法において、前記少なくとも1つの支持体は、前記対象物を載置可能な支持台を含み、前記対象物は前記支持台上に載置されても良い。
上記包装体の製造方法において、前記対象物は、該対象物の表面のうち前記ステージ側を向いている領域の一部が露出するように、前記支持台上に載置されても良い。
上記包装体の製造方法において、前記少なくとも1つの支持体は、前記対象物を包囲可能な枠体を含み、前記対象物は前記枠体の内側に配置されても良い。
上記包装体の製造方法において、前記少なくとも1つの支持体は、複数の柱状部材を含み、複数の柱状部材は前記対象物を囲むように配置されても良い。
上記包装体の製造方法において、前記複数の柱状部材は、予め薄板上に固定され、該薄板に固定された状態で前記ステージ上に載置されても良い。
上記包装体の製造方法において、前記少なくとも1つの支持体は、柱状、又は、前記設置面の反対側から前記設置面に向かって広がるテーパ状をなしても良い。
本発明によれば、対象物を包装する包装材に、熱可塑性を有する材料によって形成され、対象物を被覆する被覆部と、この被覆部と同じ熱可塑性を有する材料により被覆部と一体的に形成された筒部とを設けるので、簡単な工程で対象物を包装することができ、且つ、運搬中等における対象物への衝撃を緩和することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る包装体を模式的に示す斜視図である。 図1に示す包装体の縦断面図である。 図2に示す包装体の筒部を圧縮させた状態を模式的に示す縦断面図である。 図1に示す包装体の製造に用いられる熱成形装置の概略構造を示す斜視図である。 図4に示す熱成形装置の内部構造を模式的に示す正面図である。 図4に示す固定カセットの構造を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る包装体の製造方法を示すフローチャートである。 図1に示す包装体の製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す包装体の製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための斜視図図である。 本発明の第3の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る包装体を模式的に示す斜視図である。 図14のB−B’断面図である。 図14のC−C’断面図である。 本発明の第1〜第3の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明するための断面図である。 本発明の第1〜第3の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明するための断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明するための断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明するための断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。 本発明の第8の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の第8の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第8の実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。 本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための上面図である。 本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための側面図である。 本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第9の実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。 対象物の形状及びパイロンの配置を変更した例を示す斜視図である。 対象物の形状及びパイロンの配置を変更した例を示す上面図である。 対象物の形状及びパイロンの配置を変更した例を示す側面図である。 対象物の形状及びパイロンの配置を変更した例を示す断面図である。 対象物の形状及びパイロンの配置を変更した例における包装体を模式的に示す断面図である。 本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態に係る包装体及び包装体の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
また、以下の説明において参照する図面は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、及び位置関係を概略的に示しているに過ぎない。即ち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、及び位置関係のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る包装体を模式的に示す斜視図である。また、図2は、図1に示す包装体の縦断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る包装体1は、包装の対象物(以下、単に対象物という)10と、対象物10を包装する包装材20とを備える。
包装材20は、熱可塑性を有する材料(以下、熱可塑性材料という)を用いた熱成形法(真空成形法)により形成されている。熱可塑性材料としては、例えば、熱可塑性樹脂材料や、熱可塑性樹脂を含有する複合材料が挙げられる。包装材20を形成する熱可塑性材料の具体例については後述する。
図1においては、対象物10として円柱状の物体を例示しているが、対象物10の形状、寸法、材料は特に限定されず、熱可塑性材料を用いた真空成形法による被覆が可能な固形の物体であれば、あらゆるものを対象物10として包装することができる。
包装材20は、対象物10を被覆する被覆部21と、被覆部21と一体的に形成された支持部22と、被覆部21の反対側において支持部22と一体的に形成されたベース部23とを含む。被覆部21の一部には開口24が設けられ、支持部22は一端側においてこの開口24の開口端と接続されている。この開口24の径は対象物10の径よりも小さく、対象物10がこの開口24から脱出することはできない。また、ベース部23の一部には開口25が設けられ、支持部22は他端側においてこの開口25の開口端と接続されている。
被覆部21は、対象物10の表面を保護する部分である。被覆部21は、開口24を除き、対象物10の表面に密着するように形成されているので、被覆部21の外部から対象物10の形状や表面状態を視認することが可能である。
図1及び図2に示すように、支持部22は、被覆部21に被覆された対象物10を、ベース部23から浮いた状態で支持することにより対象物10を保護する筒部である。支持部22の内部の空間26は空洞(即ち筒状)であるため、支持部22を圧縮させることができる。図3は、支持部22を高さ方向において圧縮させた状態を模式的に示す縦断面図である。例えば、図2に示す対象物10に対し、図の上方から力を加えた場合、図3に示すように支持部22を圧縮させることにより、対象物10に対する衝撃を緩和することができる。また、支持部22が圧縮した状態であっても、支持部22の内部には空間26が保持されているので、支持部22がクッションとなり、やはり対象物10に対する衝撃を緩和することができる。
本実施形態においては、支持部22の形状を円筒状としているが、支持部22の形状はこれに限定されない。具体的には、支持部22の形状を、開口24、25が例えば楕円形状や多角形状等をなすような筒状としても良い。また、支持部22の形状を、開口24側に対して開口25側が広がるテーパ状としても良い。さらには、開口24と開口25は必ずしも対向している必要はなく、支持部22の形状を、開口24に対して開口25が平行移動した斜めの筒状又はテーパ状としても良い。要は、支持部22内の空間26が、該空間26に充填した物体(固形物)をほぼ変形させることなく開口25から取り出すことができるような形状(例えば柱状や所謂抜きテーパ状)であれば良い。
ベース部23は、被覆部21により被覆された対象物10及び支持部22を自立可能に支持する。このベース部23の形状及び寸法は特に限定されない。例えば、包装体1を箱等に梱包する場合、箱等の底面に合わせてベース部23をカットしても良い。また、包装体1を陳列棚等に陳列しておく場合には、陳列棚等のスペースに合わせてベース部23をカットしても良い。
なお、支持部22の機能、例えば、被覆部21に被覆された対象物10を支持する機能や対象物10への衝撃を緩和する機能のみが必要である場合には、ベース部23そのものを設けないこととしても良い。
次に、包装体1の製造方法について説明する。図4は、包装体1の製造に用いられる熱成形(真空成形)装置の概略構造を示す斜視図である。また、図5は、図4に示す熱成形装置の内部構造を模式的に示す正面図である。図6は、包装材20の材料となる熱可塑性を有するシート材SHを保持する固定カセットの構造を模式的に示す斜視図である。
ここで、本出願においては、一般的にフィルムと呼ばれる厚さ約0.20mm未満(又は約0.25mm未満)の部材と、一般的にシートと呼ばれる厚さ約0.20mm以上(又は約0.25mm以上)の部材とを区別せず、これらを総称してシート材という。
図4及び図5に示すように、熱成形装置100は、チャンバ101と、チャンバ101内に設置された加熱源102と、空気抜き孔106が穿孔されたステージ105と、ステージ105に対して加熱源102の反対側に設置された真空吸引源107とを備える。以下の説明においては、ステージ105に対して加熱源102が設けられた方向を上方、真空吸引源107が設けられた方向を下方という。
チャンバ101の寸法や形状は特に限定されず、対象物10の寸法や形状に合わせて適宜選択すれば良い。本実施形態においては、机上に載置可能な程度に小型化された略直方体状のチャンバ101を用いている。
チャンバ101の正面の一部(ステージ105の上側部分)は、開放された窓部Wとなっており、この窓部Wを通して対象物10や固定カセット120等をチャンバ101から出し入れすることができる。
窓部Wの下方のパネルには、チャンバ101内の温度を測定して表示する温度計103と、加熱源102の電源スイッチ104と、真空吸引源107の電源スイッチ108とが設けられている。
加熱源102は、例えば電熱ヒーターであり、シート材SHを加熱源102の近傍(下方)に配置した際に、このシート材SHを十分に軟化させることができる温度に制御されている。例えば、シート材SHの材料として、塩化ビニール樹脂等の汎用樹脂を用いる場合、チャンバ101内(具体的には加熱源102近傍)の雰囲気が例えば40℃〜90℃程度となるように加熱する。チャンバ101内の温度や加熱源102の設定温度は、シート材SHの材料や厚さ等に応じて適宜決定すれば良い。
ステージ105は、包装体1を製造する際に対象物10等が載置される台座である。ステージ105には、周縁部105bに対して中央部105aが若干高くなるように段差が設けられている。このような段差を設けることにより、包装体1を製造する際に、固定カセット120をステージ105の中央部105aの高さまで十分に引き下げることができる。また、ステージ105の中央部105aの全面には、多数の空気抜き孔106が形成されている。本実施形態においては、パンチングボードによってステージ105を作製することで、パンチングボードに設けられた小孔を空気抜き孔106として使用している。
真空吸引源107は、例えばチャンバ101の下部に内蔵させた真空ポンプ及びモーターによって構成され、ステージ105に形成された空気抜き孔106を介して、チャンバ101内を強制排気する。
チャンバ101内には、固定カセット120を支持するカセット固定枠111が、上下方向に移動可能に配置されている。カセット固定枠111は、固定カセット120を挿入させる案内溝112が設けられたコの字状の枠体である。また、チャンバ101内の四隅には、カセット固定枠111の角部の4か所を貫通するように、4本の案内ポール113が設置されている。固定カセット120は、これらの案内ポール113に沿って、ステージ105に平行な状態を維持したまま上下に移動することができる。
チャンバ101の両側面には、ガイドスリット109が設けられている。カセット固定枠111には、これらのガイドスリット109を挿通する2つのハンドル114が連結されている。これらのハンドル114をガイドスリット109に沿って上下動させることにより、加熱源102とステージ105との間においてカセット固定枠111を移動させることができる。また、ハンドル114にはストッパが設けられており、カセット固定枠111を所望の高さに一時的に固定することができる。
図6は、シート材SHを保持する固定カセット120の構造を示す斜視図である。図6に示すように、固定カセット120は、シート材SHを挟み込む第1枠体121及び第2枠体122を備える。第1枠体121及び第2枠体122には、互いに嵌め合わされる段差凹部123及び段差凸部124がそれぞれ設けられている。これらの段差凹部123の外側縁、及び、段差凸部124の外側縁は、シート材SHの外側縁にほぼ対応した大きさとなっている。
段差凹部123には、ピン状の雄刃126が所定の間隔で設けられている。また、段差凸部124の雄刃126と対向する位置には、雄刃126が嵌合可能な凹状の雌刃127が設けられている。第1枠体121の段差凹部123にシート材SHを配置して第2枠体122を被せ、第1枠体121及び第2枠体122によってシート材SHを強く挟むと、雄刃126及び雌刃127によってシート材SHの周縁部に固定取付孔SH1が穿孔される。また、これらの固定取付孔SH1に雄刃126が噛み合った状態となり、シート材SHが固定カセット120に固定される。
なお、シート材SHの固定取付孔SH1は、予め形成しておいても良い。この場合、シート材SHを第1枠体121の段差凹部123に配置する際に、固定取付孔SH1を雄刃126に嵌め込めば良い。
また、固定カセット120の構造は、図6に示すものに限定されない。例えば、第1枠体121と第2枠体122とを、1つの辺においてヒンジで連結しても良い。或いは、第1枠体121側に雌刃127を設け、第2枠体122側に雄刃126を設けても良い。
包装体1を製造する際に使用される熱成形装置の構成は、図4〜図6に示すものに限定されない。また、熱成形装置の詳細については、特許第5723043号も参照されたい。
図7は、包装体1の製造方法を示すフローチャートである。また、図8〜図10は、包装体1の製造方法を説明するための断面図である。
熱成形装置100の準備として、シート材SHを固定カセット120にセットして、予めカセット固定枠111に挿入しておく。また、カセット固定枠111を上方に引き上げ、加熱源102の直下に留まるようにストッパをかけておく。
ここで、シート材SHは、対象物10を包装する包装材20となる部材である。シート材SHの材料(熱可塑性材料)としては、加熱により軟化して成形加工可能な状態となる熱可塑性を有し、且つ、シート状又はフィルム状に成形可能な材料であれば、限定せずに用いることができる。具体例として、ポリ塩化ビニール(PVC)、アモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)等の熱可塑性樹脂(プラスチック)が挙げられる。また、発泡ポリスチレン(PSP)、発泡ポリエチレン(PEF)等により形成された発泡シートをシート材SHとして用いても良い。さらには、ポリカーボネート(PC)、アクリル等のエンジニアリングプラスチックにより形成されたシートをシート材SHとして用いることもできる。
或いは、シート材SHの材料として、熱可塑性樹脂に他の材料を分散させた複合材料を使用しても良い。分散させる材料としては、繊維やセラミックの粉体等が挙げられる。また、炭素繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料によりシート材SHを形成しても良い。このような複合材料は、炭素繊維樹脂素材、或いは炭素繊維強化樹脂(炭素繊維CFRP)とも呼ばれている。
シート材SHの厚さは特に限定されず、包装体1を作製する目的や用途、包装体1に付与したい機能、シート材SHの材料等に応じて適宜厚さを選択すれば良い。例えば、作製した包装体1を段ボール箱等に梱包して運搬する場合には、支持部22が容易に圧縮して緩衝材として機能を発揮し、且つ開梱し易いように、薄め(例えば0.05mm〜0.3mm程度)のシート材SHを用いると良い。或いは、包装体1を陳列棚等に展示しておく場合には、支持部22が自立した状態を維持できるように、厚め(例えば0.4mm〜2.0mm程度)のシート材SHを用いると良い。
また、シート材SHとしては、無色透明のシートを用いても良いし、透明若しくは不透明の色付き又は柄付きのシートを用いても良い。透明のシートを用いる場合、包装体1の外から対象物10を見ることができる。また、色付き又は柄付きのシートを用いる場合、包装体1に装飾性を付与することができる。
このようなシート材SHとしては、熱成形用や包装用として市販されている熱可塑性シートや熱収縮性フィルム等を使用しても良いし、上述した熱可塑性材料を所望の厚さに加工したシート又はフィルムを使用しても良い。
工程S10において、図8に示すように、チャンバ101内のステージ105上に支持台30を設置する。支持台30として使用可能な物体の条件については後述する。続く工程S11において、支持台30上に対象物10を載置する。
後述する。
工程S12において、チャンバ101内を加熱及び排気しながら、シート材SHを対象物10及び支持台30に被せる。詳細には、加熱源102の電源スイッチ104をオンにしてチャンバ101内を加熱し、シート材SHを軟化させる。また、真空吸引源107の電源スイッチ108をオンにして、チャンバ101内を排気する。この状態で、カセット固定枠111のストッパを外してハンドル114を引き下げることにより、対象物10及び支持台30に軟化したシート材SHを被せる。この際、シート材SHがステージ105の中央部105aに接触するまで、カセット固定枠111を十分に下方まで引き下げると良い。
それにより、軟化したシート材SHが熱収縮しつつ対象物10及び支持台30に密着し、図9に示すように、対象物10及び支持台30が熱可塑性材料SH’によって被覆される。この熱可塑性材料SH’のうち、対象物10を被覆した部分が被覆部21となり、支持台30を被覆した部分が支持部22となり、ステージ105に貼り付いた部分がベース部23となる。ここで、熱成形装置100においては、ステージ105の下方から、空気抜き孔106を介してチャンバ101を排気しているので、対象物10の上方(シート材SHが下りてくる方向)から見て影になる領域、具体的には、対象物10の裏側や、支持台30の側面や、対象物10と支持台30とが接している領域の周辺にも、熱可塑性材料SH’を密着させることができる。特に、縦断面を見たときに、対象物10と支持台30とが90度又は鋭角的に接している場合(θ≦90°)であっても、両者が接している領域27の隅まで熱可塑性材料SH’を行き渡らせることができる。
その後、加熱源102の電源スイッチ104及び真空吸引源107の電源スイッチ108をオフにして、熱可塑性材料SH’(即ち、包装材20)を硬化させ、包装材20に被覆された対象物10及び支持台30をチャンバ101から取り出す。
続く工程S13において、図10に示すように、包装材20から支持台30を取り出す。ここで、支持台30の下面、即ちステージ105への設置面は熱可塑性材料SH’に被覆されておらず開口しているため、この開口から支持台30を取り出すことができる。それにより、図1及び図2に示す包装体1が得られる。この後、必要に応じて、ベース部23の一部又はベース部23そのものをカットしても良い。
次に、支持台30として使用可能な物体の条件について説明する。支持台30は、熱成形を行う際に対象物10をステージ105から浮かせた状態で支持すると共に、包装材20における支持部22の芯になる支持体(台状の支持体)である。そのため、支持台30としては、熱成形による被覆が可能であり、且つ、対象物10を安定した状態で支持できる形状及びサイズを有する物体が用いられる。
図8に示すように、支持台30の上面31、即ち、対象物10との接触面は、図2に示す包装体1における開口24になる部分である。この開口24からの対象物10の脱出を防ぐためには、対象物10の表面のうち、開口24を含む面の方向を向いている領域の少なくとも一部が被覆部21によって覆われていれば良い。そのためには、支持台30の上面から対象物10の一部をはみ出させて、対象物10の表面のうちステージ105側を向く領域の一部を露出させれば良い。
つまり、対象物10と支持台30との接触面を含む面における少なくとも1つの方向において、対象物10の長さが支持台30の長さよりも長くなるように、支持台30の形状及びサイズを決定すれば良い。例えば図8においては、ある径方向の縦断面において、対象物10の下面の長さL1を、支持台30の上面の長さL2よりも長くしている(L1>L2)。
また、支持台30の下面32、即ち、ステージ105への設置面は、図2に示す開口25になる部分であり、包装材20から支持台30を取り出す際(工程S13参照)の出口になる。そこで、支持部22の形状(筒状)を維持したまま支持台30を取り出せるように、支持台30の形状を、柱状か、又は上面31に対して下面32が広がるテーパ状(所謂、抜きテーパ)にすることが好ましい。具体的には、図8に示すように、縦断面において、支持台30の上面31の長さL2に対して下面32の長さL3を等しくするか、長くすれば良い(L2≦L3)。
以上説明したように、本実施形態によれば、緩衝材として機能する支持部22が一体化された包装材20により対象物10を包装した包装体1を、簡単な工程で製造することができる。
また、本実施形態によれば、シート材SHのみによって対象物10を被覆するので、包装体1を開梱した際に発生する廃棄物が1種類で済む。つまり、スキンパック包装のようにフィルムと台紙とを分別する手間が生じない。
また、本実施形態によれば、ステージ105の下方から空気抜き孔106を介して排気しながら熱成形を行うので、包装材20により対象物10及び支持台30の隅々まで被覆することができる。従って、例えば、対象物10の下面が凹状に湾曲している場合や、テーパ状の支持台30を用いる場合には、対象物10の下面と支持台30の上面とが鋭角的に接することになるが(図9のθ<90°)、この場合であっても、対象物10と支持台30の接触面の周囲、特に、接触している角の領域27にも十分に包装材20を密着させることができる。
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。図12は、本発明の第2の実施形態係る包装体を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態に係る包装体の製造に用いられる熱成形装置は、第1の実施形態において説明したものと同様である。
上記第1の実施形態においては、対象物10のみを包装材20によって被覆したが、対象物10を保護するための保護材など、対象物10以外の部材を対象物10と共に包装材20によって被覆しても良い。
この場合、図11に示すように、ステージ105上に支持台30を載置し(図7の工程S10参照)、その上に、対象物10と共に被覆する部材40及び対象物10を載置する(図7の工程S11参照)。つまり、本実施形態においては、対象物10及び部材40全体が、材料シートSHにより包装する対象物となる。その後の工程S12及びS13については、第1の実施形態と同様である。それにより、図12に示す包装体2が得られる。
部材40の材料や形状については、熱成形による被覆が可能であり、且つ、被覆部21の開口24から脱出しない形状及びサイズであれば特に限定されず、用途や目的に応じて適宜選択すれば良い。例えば、部材40として発泡スチロールや発泡ウレタン等を用い、対象物10に対する保護機能をさらに強化することとしても良い。
また、対象物10と部材40との位置関係についても特に限定されない。例えば、図12に示すように、開口24側に部材40を配置する場合、部材40によって開口24を塞ぐことができるので、対象物10の露出を防ぐことが可能である。また、開口24の反対側に部材40を配置する場合、部材40及び支持部22によって対象物10を保護することができる。或いは、部材40によって対象物10全体を囲んでも良い。
(第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための斜視図である。図14は、本発明の第3の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図であり、製造工程における図13のA−A’断面の様子を示している。図15は、本発明の第3の実施形態に係る包装体を示す斜視図である。図16は、図15のB−B’断面図である。図17は、図15のC−C’断面図である。なお、本実施形態に係る包装体の製造に用いられる熱成形装置(図4〜図6参照)及び製造方法(図7参照)は、第1の実施形態において説明したものと同様である。
本実施形態においては、図13に示すように、ペンやカトラリーなどの細長い物を包装の対象物50として包装する。この場合においても、支持台60としては、チャンバ101において対象物50をステージ105から浮かせた状態で支持することでき、且つ、熱成形後に包装材から取り出すことができる物体であれば、特に限定せずに用いることができる。また、対象物50との関係についても、上述したように、対象物50と支持台60との接触面61を含む面における少なくとも1つの方向(図13の場合にはR方向)において、対象物50の長さが支持台60の長さよりも長ければ良い。
図14は、ステージ105上に載置した支持台60及び対象物50を(図7の工程S10、S11参照)、軟化させたシート材SH(熱可塑性材料SH’)によって被覆した状態を示している(同工程S12参照)。この熱可塑性材料SH’を硬化させたものである包装材70から支持台60を取り出すことにより(同工程S13参照)、図15〜図17に示す包装体3が得られる。包装体3は、対象物50と、この対象物50を包装する包装材70とを備える。このうち、包装材70は、対象物50を被覆する被覆部71と、筒状をなす支持部(筒部)72と、ベース部73とを含む。
ここで、支持台60の形状について説明する。支持台60の形状は、第1及び第2の実施形態において説明したように、支持部72から取り出し可能な形状(例えば柱状又はテーパ状)であれば構わない。図13に示すように、上下の端面に渡って貫通する貫通孔62が設けられた形状であっても良い。例えば、図13に示す支持台60は、円環柱状をなしている。この場合、図14に示すように、シート材SHにより対象物50及び支持台60を被覆する際に(工程S12参照)、貫通孔62にも軟化した熱可塑性材料SH’が入り込むので、対象物50の周囲の広い範囲を被覆することができる。つまり、包装材70から支持台60を取り出した後に形成される空間74(支持部72の内部)に対する被覆部71の開口75(図17参照)を小さくすることができる。
また、熱可塑性材料SH’が貫通孔62に入り込むことにより、支持台60の内周側面63や対象物50の下方にも包装材70の一部76、77が形成される。これらの包装材70の一部76、77も、支持台60の外周側面側に形成された支持部72と共に、対象物50を支持し、且つ緩衝材としての機能を発揮する。
図18及び図19は、本発明の第1〜第3の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明するための断面図である。上記第1〜第3の実施形態においては、包装体の製造工程において、1つの部材からなる支持台の上に対象物10を載置することとしたが、支持台は必ずしも1つの部材で構成する必要はない。
例えば、図9に示す支持台30の代わりに、図18及び図19に示すように、2つの部材30a、30bを組み合わせて支持台として用いても良い。各部材30a、30bの形状は、支持台30と同様に、熱成形後に、硬化した熱可塑性材料SH’(即ち包装材)から取り出すことができるように、柱状又はテーパ状(所謂抜きテーパ状)であれば良い。
各部材30a、30bは、互いに接触させてステージ105上に載置しても良いし、図18及び図19に示すように、隙間を開けてステージ105上に載置しても良い。後者の場合、2つの部材30a、30bの隙間において露出している対象物10の下面にも熱可塑性材料SH’を回り込ませることができる。また、部材30a、30bの間隔や対象物10に部材30a、30bを当接させる位置を適宜調節することもできる。
(第4の実施形態)
図20及び図21は、本発明の第4の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。上記第1〜第3の実施形態においては、熱成形により対象物等を被覆する際に、対象物の一部を支持台の上面からはみ出させることにより、対象物の表面のうちステージ側を向く領域(例えば下面)の一部を露出させた。しかし、対象物そのものが所謂アンダーカット形状をなしている場合には、支持台の上面内に対象物を載置しても良い。ここで、アンダーカット形状とは、成形加工において、開放された方向のみにおいては離型することができない形状のことをいう。本実施形態では、対象物を支持台に載置した状態において、対象物の表面のうちステージ105側を向いている領域が露出している場合、当該対象物はアンダーカット形状をなすといえる。
例えば図20に示すように、断面形状が逆テーパ状をなす対象物80を支持台30上に載置すると、対象物80の底面81が支持台30の上面に当接し、ステージ105側を向く斜面82が露出した状態となる。つまり、この向きで対象物80を載置した場合、対象物80はアンダーカット形状ということになる。この状態で熱成形装置100(図4参照)により熱成形を行うと、対象物80の表面のうち支持台30との接触面81を除く領域全体が熱可塑性材料SH’によって覆われる。
その後、図21に示すように、硬化した熱可塑性材料SH’(包装材20’)から支持台30を取り出すと、対象物80及び包装材20’を備える包装体4が得られる。この包装材20’においては、対象物80を被覆する被覆部21’の一部、即ち接触面81であった領域に開口24’が形成される。ベース部23が略水平になるように包装体4を載置すると、対象物80は自重により図の下方向に力がかかった状態になる。しかし、対象物80は斜面82を覆う熱可塑性材料SH’により支持されているため、対象物80が開口24’から脱落するおそれはない。
このように、熱成形装置100を用いることにより、接触面81を除く対象物80の表面の隅々まで熱可塑性材料SH’を行き渡らせることができるので、対象物80が所謂アンダーカット形状をなす場合には、支持台30との位置関係を考慮することなく、簡単に包装体4を製造することが可能となる。
本実施形態を適用可能な対象物の形状としては、対象物80のような逆テーパ状に限定されない。例えば、断面が円形や楕円形状をなす形状、ひょうたん型、表面の一部に抜け防止用の凹凸が設けられた形状など、種々の形状が挙げられる。また、図1に示す円柱状の対象物10も、湾曲した側面を支持台30の上面31に向ければアンダーカット形状となる。
(第5の実施形態)
図22は、本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法を示すフローチャートである。図23及び図24は、本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための模式図である。本実施形態に係る包装体の製造方法においては、上記第1の実施形態と同様に熱成形装置100(図4〜図6参照)が用いられ、材料としても、第1の実施形態と同様に熱可塑性を有するシート材SHが用いられる。
また、本実施形態においては、図23に示すように、円柱状をなす物体を包装の対象物200として包装する場合を説明するが、対象物200の形状、寸法、材料は特に限定されず、熱可塑性材料を用いた真空成形法による被覆が可能な固形の物体であれば、あらゆるものを対象物200として包装することができる。
まず、工程S20において、図23に示すように、チャンバ101内のステージ105(図4参照)上に支持台(台状の支持体)210を設置する。支持台210として使用可能な物体の条件は、第1の実施形態と同様である。続く工程S21において、支持台210上に対象物200を載置する。
続く工程S22において、対象物200の周囲に枠体220を配置する。枠体220は、対象物200及び支持台210を配置可能な貫通孔221が内側に設けられた枠状をなす支持体である。枠体220として使用可能な物体の条件については後述する。
なお、枠体220を配置する工程S22の順序は工程S21の後に限定されない。例えば、枠体220をステージ105上に載置した後で、枠体220の内側に支持台210及び対象物200を載置しても良い。或いは、まず支持台210をステージ105上に載置し、この支持台210を囲むように枠体220を配置し、その後で支持台210上に対象物200を載置しても良い。
続く工程S23において、チャンバ101内を加熱及び排気しながら、シート材SHを対象物200、支持台210、及び枠体220に被せる。詳細には、第1の実施形態において説明したのと同様に、チャンバ101内を加熱してカセット固定枠111に取り付けたシート材SHを軟化させると共に、チャンバ101内を排気する。この状態で、カセット固定枠111を下方まで引き下げる。それにより、軟化したシート材SHが熱収縮しつつ対象物200、支持台210、及び枠体220に密着し、対象物200並びに支持台210及び枠体220のうちステージ105への設置面211、222を除く領域が熱可塑性材料SH’によって被覆される。図24は、図21のD−D’断面において対象物200、支持台210、及び枠体220が熱可塑性材料SH’によって被覆された状態を示している。その後、加熱源102の電源スイッチ104及び真空吸引源107の電源スイッチ108をオフにして熱可塑性材料SH’を硬化させる。この硬化した熱可塑性材料SH’が、対象物200の包装材となる。
続く工程S24において、硬化した熱可塑性材料SH’(包装材)から支持台210及び枠体220を取り出す。上述したように、支持台210及び枠体220のうちステージ105への設置面211、222は熱可塑性材料SH’に覆われておらず開口しているため、この開口部分から支持台210及び枠体220を取り出すことができる。それにより、図25に示す包装体5が得られる。
包装体5は、対象物200と、この対象物200を包装する包装材201とを備える。このうち、包装材201は、対象物200を被覆する被覆部202と、支持台210を被覆していた部分である支持部203と、枠体220を被覆していた部分である壁部204と、ステージ105に貼り付いていた部分であるベース部205とを含む。これらの各部は一体的に形成されている。なお、ベース部205のうち、壁部204の外周側に形成された部分については、工程S24の後で一部又は全部をカットしても良い。
支持部203は、内部が空洞の台状をなす筒部であり、被覆部202に被覆された対象物200をベース部205から浮いた状態で支持する。包装体5に対して図の上方向又は下方向から力が加わった場合には、支持部203が圧縮されてクッションとなり、対象物200への衝撃を緩和することができる。
壁部204は、内部が空洞の壁状をなす筒部であり、支持部203に支持された対象物200の側方を囲むように設けられている。包装体5に対して側方から力が加わった場合には、壁部204が圧縮されてクッションとなり、対象物200に衝撃が加わるのを防ぎ、或いは対象物200への衝撃を緩和することができる。
壁部204の高さ(ベース部205から壁部204の上端部206までの距離)は、被覆部202の上端部207と同じか、又は該上端部207よりも高くすることが好ましい。それにより、壁部204が支えとなって、壁部204の側方だけでなく、壁部204の上方からの衝撃に対して対象物200を保護することが可能となる。例えば、包装体5を段ボール箱等に収納して運搬する際に、段ボール箱等の内部で包装体5が上下左右に動いたとしても、被覆部202に被覆された対象物200が段ボール箱等の内壁に衝突するのを防ぐことができる。
次に、枠体220として使用可能な物体の条件について説明する。上述したように、枠体220は、包装材201における壁部204の芯型になる支持体である。そのため、枠体220としては、熱成形による被覆が可能であり、且つ、熱成形後に包装材201から取り出すことができるように、柱状又はテーパ状(所謂抜きテーパ)をなす物体が用いられる。また、枠体220の高さは、チャンバ101のステージ105上に配置した際に、支持台210上に載置した対象物200の上端部と同じか、対象物200の上端部よりも高くなるようにする。
以上説明したように、本発明の第5の実施形態によれば、支持台210及び対象物200の周囲に枠体220を配置して熱成形を行うので、壁部204を有する包装材201を形成することができる。従って、上下方向及び側方からの衝撃に対して対象物200を保護可能な包装体5を実現することことができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明する。図26及び図27は、本変形例を説明するための断面図である。このうち、図26は、対象物200(図23参照)の長手方向と直交する断面を示す。また、図27は、対象物200の長手方向と平行な断面を示す。
本変形例においては、上記支持台210及び枠体220の代わりに、支持体230を用いて熱成形を行う。この支持体230は、対象物200を載置する台座231と、対象物200の周囲を囲む枠部232と、両者を連結する底部233とを備える。底部233の高さは、台座231の上面よりも低くする。それにより、図27に示すように、対象物200の一部が台座231からはみ出るように対象物200を載置することができ、対象物200の下側の面についても一部、熱可塑性材料SH’によって覆うことが可能となる。
(第6の実施形態)
図28は、本発明の第6の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。図29は、本実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態に係る包装体の製造方法においても、上記第1の実施形態と同様に熱成形装置100(図4〜図6参照)と熱可塑性を有するシート材SHとが用いられる。
上記第1〜第5の実施形態においては、熱成形により対象物等を被覆する際、支持台上に対象物を載置することとしたが、例えば図20に示す対象物80や、図23に示す対象物200のように、対象物が所謂アンダーカット形状をなす場合には、支持台を省略しても良い。
この場合、チャンバ101内のステージ105上に対象物200を直接載置し、対象物200を囲むように枠体220をステージ105上に配置する。この状態で、チャンバ内を加熱及び排気しながら、軟化したシート材SH(熱可塑性材料SH’)を対象物200及び枠体220に被せる。そして、熱可塑性材料SH’が硬化した後、熱可塑性材料SH’から枠体220を取り出す。それにより、図29に示す包装体6が得られる。
包装体6は、対象物200と、この対象物200を包装する包装材240を備える。このうち、包装材240は、対象物200を被覆する被覆部241と、枠体220を被覆していた部分である壁部242と、ステージ105に貼り付いていた部分であるベース部243とを含む。これらの各部は一体的に形成されている。なお、ベース部243のうち、壁部242の外周側に形成された部分については、一部又は全部をカットしても良い。壁部242の構造及び機能は、第5の実施形態における壁部204と同様である。
本実施形態によれば、少なくとも側方からの衝撃に対して対象物200を保護することができる包装体6を簡単な工程で製造することが可能となる。また、壁部242の高さを、対象物200を被覆する被覆部241の上端部以上とすることにより、壁部242が支えとなって、壁部242の上方からの衝撃に対して対象物200を保護することも可能となる。
(第7の実施形態)
図30は、本発明の第7の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための断面図である。図31は、本実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態に係る包装体の製造方法においても、上記第1の実施形態と同様に熱成形装置100(図4〜図6参照)が用いられ、材料としても、第1の実施形態と同様に熱可塑性を有するシート材SHが用いられる。
例えば図20に示す対象物80や、図23に示す対象物200のように、対象物が所謂アンダーカット形状をなす場合、図30に示す支持体250を用いて熱成形を行っても良い。支持体250は、枠部251と、枠部251の内側に設けられた底部252とを備える。
この場合、チャンバ101内のステージ105上に支持体250を載置し、枠部251の内側に設けられた凹部253内に対象物200を載置して熱成形を行う。それにより、チャンバ101内で露出している対象物200及び支持体250の表面が軟化したシート材SH(熱可塑性材料SH’)に被覆される。この熱可塑性材料SH’が硬化した後、支持体250を取り出すことにより、図31に示す包装体7が得られる。
包装体7は、対象物200と、この対象物200を包装する包装材260とを備える。このうち、包装材260は、対象物200を被覆する被覆部261と、枠部251を被覆していた部分である壁部262と、底部252の上面に貼り付いていた部分である上げ底部263と、ステージ105に貼り付いていた部分であるベース部264とを含む。これらの各部は一体的に形成されている。なお、ベース部264については、一部又は全部をカットしても良い。壁部262の構造及び機能は、第5の実施形態における壁部204と同様である。
上げ底部263は、対象物200をベース部264から浮いた状態で支持している。そのため、包装体7を段ボール箱等に収納して運搬する場合であっても、段ボール箱等に対する衝撃が対象物200に直接伝わるのを抑制することができる。
(第8の実施形態)
図32及び図33は、本発明の第8の実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための模式図である。図34は、本実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。本実施形態においては、図32に示すように、溝状の凹部が設けられた支持台を用いて包装体を製造する。本実施形態に係る包装体の製造方法においても、上記第1の実施形態と同様に熱成形装置100(図4〜図6参照)が用いられ、材料としても、第1の実施形態と同様に熱可塑性を有するシート材SHが用いられる。また、包装体の製造工程は、図7に示すものと同様である。
図32は、本実施形態において用いられる支持台270に対象物200を載置した状態を示す斜視図である。図33は、図32のE−E’断面において対象物200及び支持台270が熱可塑性材料SH’によって被覆された状態を示す断面図である。図32及び図33に示すように、支持台270は、下段271、中段272、及び上段273からなる3段構造を有している。このうち、上段273の一部を溝状に加工(掘削加工等)することにより、凹部274が形成されている。また、下段271、中段272、及び上段273の外周側面には、所謂抜きテーパ状の凹凸が設けられている。
凹部274の幅w及び長さLは、対象物200を凹部274内に挿入して安定して保持できる程度であれば良い。図32においては、対象物200の一部を凹部274からはみ出させているが、対象物が所謂アンダーカット形状をなす場合には、対象物の全体を凹部274内に収めても良い。また、凹部274の高さh(凹部274の深さ)は、少なくとも対象物200の上端部と同じ高さとし、好ましくは対象物200よりも高くする。
熱成形を行う際には、チャンバ101内のステージ105上に支持台270を載置し、さらに、凹部274に対象物200を載置する。この状態で、チャンバ内を加熱及び排気しながら、軟化したシート材SH(熱可塑性材料SH’)を対象物200及び支持台270に被せる。そして、熱可塑性材料SH’が硬化した後、支持台270を熱可塑性材料SH’から取り出す。それにより、図34に示す包装体8が得られる。
包装体8は、対象物200と、この対象物を包装する包装材280とを備える。このうち、包装材280は、対象物200を被覆する被覆部281と、支持台270を覆っていた部分である支持部282と、ステージ105に貼り付いていた部分であるベース部283とを含む。これらの各部は一体的に形成されている。なお、ベース部283については一部又は全部をカットしても良い。
支持部282は、内部が空洞の筒部であり、支持台270の下段271、中段272、及び上段273の形状に応じた3段構造を有している。このように、支持部282を複数段の構造とすることで、包装体8に外部から力が加わった際のクッション機能を向上させることができる。
支持部282の各段の外周側面は、下段271、中段272、及び上段273の外周側面形状に応じた凹凸状をなしている。このように、外周側面に凹凸を設けることで、各段の強度を高めることができると共に、装飾性を付与することもできる。
被覆部281の両側には、内部が空洞の壁部284が設けられている。これにより、対象物200に対して図の上下方向及び左右方向から加わる衝撃を緩和することが可能となる。
(第9の実施形態)
図35は、本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法を示すフローチャートである。図36〜図39は、本実施形態に係る包装体の製造方法を説明するための模式図である。このうち、図36は、本実施形態において用いられる支持体及び対象物を示す斜視図であり、図37は同上面図であり、図38は同側面図である。また、図39は、支持体及び対象物を熱可塑性材料によって被覆した状態を示す断面図である。図40は、本実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る包装体の製造方法においても、上記第1の実施形態と同様に熱成形装置100(図4〜図6参照)が用いられ、材料としても、第1の実施形態と同様に熱可塑性を有するシート材SHが用いられる。
なお、本実施形態においては、図36及び図37に示すように、十字の立体形状をなす対象物300を包装する場合を説明するが、対象物300の形状、寸法、材料は特に限定されず、熱成形による被覆が可能な固形の物体であれば、あらゆるものを対象物300として包装することができる。
ここで、上記第5〜第7の実施形態に係る包装体においては、側方からの衝撃に対して対象物を保護する枠状の壁部を、対象物を囲むように設けた。しかし、壁部は必ずしも連続的に設ける必要はない。即ち、複数の壁状又は柱状の突起を対象物の周囲に形成し、これらの突起によって対象物を保護することとしても良い。
まず、工程S30において、チャンバ101内のステージ105上に複数のパイロン(柱状部材)310を配置する。各パイロン310は、後述する熱成形工程において熱可塑性材料SH’の芯型になる支持体であり、熱成形による被覆が可能であり、且つ硬化した熱可塑性材料SH’から取り出すことができるように柱状又はテーパ状(所謂抜きテーパ)をなす物体が用いられる。複数のパイロン310は、ステージ105上に直接配置しても良いし、図36〜図38に示すように、複数の貫通孔312が形成された薄板311上に複数のパイロン310を固定し、この薄板311ごとパイロン310をステージ105上に載置しても良い。パイロン310をステージ105上に直接配置する場合、単に載置するだけでも良いし、パイロン310の裏側に突起設け、この突起を空気抜き孔106に挿入することによりパイロン310の転倒を防止することとしても良いし、上記突起を空気抜き孔106に嵌合させることによりパイロン310をステージ105に取り外し可能に固定することとしても良い。要するに、安定した状態でパイロン310をステージ105上に配置することができれば良い。また、薄板311を用いる場合、薄板311にパイロン310を固定する方法は特に限定されず、溶接、接着、締結、嵌合、螺合等、種々の方法を用いることができる。なお、薄板311に貫通孔312を設けるのは、熱成形の際に、ステージ105の空気抜き孔106及び貫通孔312を介してチャンバ101内を排気するためである。
ここで、パイロン(柱状部材)310の形状は、図36に示す円錐台形状に限定されない。例えば、上端面と下端面の形状及び寸法が等しい柱状(円柱状、角柱状等)であっても良いし、斜柱状であっても良いし、円錐形状、角錐形状、角錐台形状等であっても良い。また、パイロン310の先端形状についても、図36に示す平面状に限定されず、尖っていても良いし、丸くても良い。
続く工程S31において、複数のパイロン310の間に支持台320を配置する。支持台320は、第1の実施形態における支持台30と同様に、熱成形による被覆が可能であり、且つ硬化した熱可塑性材料SH’から取り出すことができるように柱状又はテーパ状(所謂抜きテーパ)をなす物体が用いられる。対象物300が所謂アンダーカット形状をなす場合には、支持台320は対象物300を安定して支持することができれば良い。一方、対象物300がアンダーカット形状でない場合には、対象物300の一部が支持台320の上面からはみ出た状態で対象物300を支持可能な支持台320が用いられる。
続く工程S32において、支持台320上に対象物300を載置する。
なお、複数のパイロン310、支持台320、及び対象物300を配置する順序は、工程S30〜S32の順に限定されない。例えば、支持台320及び対象物300をチャンバ101内に載置した後で、支持台320の周囲に複数のパイロン310を並べても良い。或いは、予め薄板311上に複数のパイロン310及び支持台320を固定しておき、これらを同時にチャンバ101内に載置した後で、支持台320上に対象物300を載置しても良い。
続く工程S33において、チャンバ101内を加熱及び排気しながら、シート材SHを対象物300、複数のパイロン310、及び支持台320に被せる。それにより、軟化したシート材SHが熱収縮しつつ対象物300、複数のパイロン310、及び支持台320に密着し、対象物300と、複数のパイロン310及び支持台320のうちのステージ105への設置面を除く領域が熱可塑性材料SH’によって被覆される。図39は、図37のF−F’断面における対象物300、複数のパイロン310、及び支持台320を熱可塑性材料SH’によって被覆した状態を拡大して示している。この硬化した熱可塑性材料SH’が、対象物300の包装材となる。
続く工程S34において、硬化した熱可塑性材料SH’(包装材)から複数のパイロン310及び支持台320を取り出す。なお、薄板311を用いた場合には、薄板311ごとパイロン310を取り出す。それにより、図40に示す包装体9が得られる。
包装体9は、対象物300と、この対象物300を包装する包装材330とを備える。
このうち、包装材330は、対象物300を被覆する被覆部331と、支持台320を被覆していた部分である支持部332と、複数のパイロン310をそれぞれ被覆していた部分である複数の突起部333と、ステージ105又は薄板311に貼り付いていた部分であるベース部334とを含む。これらの各部は一体的に形成されている。なお、突起部333よりも外周側に位置するベース部334については、一部又は全部をカットしても良い。
支持部332は、内部が空洞の台状をなす筒部であり、被覆部331に被覆された対象物300をベース部334から浮いた状態で支持する。また、各突起部333は、内部が空洞の突起状をなす筒部であり、被覆部331に被覆された対象物300の側方を囲むように設けられている。各突起部333に側方から力が加わった際には、突起部333が圧縮されて対象物300への衝撃を緩和する。
ここで、図38に示すように、パイロン310の高さは、少なくとも支持台320上に載置された対象物300の上端部と同程度にする。好ましくは、対象物300の上端部よりもパイロン310の上端部が高くなるようにすると良い。それにより、包装体9の側方だけでなく、上方から力が加わった場合でも対象物300を保護することが可能となる。
また、複数のパイロン310の配置は特に限定されないが、好ましくは、図37に示すように、対象物300及び支持台320の外周に沿って複数のパイロン310を配置すると良い。それにより、包装体9において対象物300の側方を広く突起部333によって囲むことができ、対象物300に対する保護機能を向上させることが可能となる。
なお、本発明の第9の実施形態においては、対象物300を支持台320上に載置して熱成形を行うこととしたが、対象物300が所謂アンダーカット形状をなす場合には、対象物300を薄板311上に直接載置して熱成形を行っても良い。
図41〜図45は、図36〜図40に対して対象物の形状及びパイロンの配置を変更した例を示す模式図である。このうち、図41は、対象物340、支持台350、及びパイロン310の配置を示す斜視図であり、図42は同上面図であり、図43は同側面図である。なお、図43においては、図42に対して対象物340、支持台350、及びパイロン310を拡大して示している。図41及び図42に示すように、本例においては、対象物340の外周に沿ってパイロン310を粗く並べると共に、図43に示すように、側方から見た際に対象物340ができるだけ隠れるように、複数のパイロン310を列ごとに互い違いに並べている。
図44は、図42のG−G’断面における対象物340、複数のパイロン310、及び支持台350を熱可塑性材料SH’によって被覆した状態を拡大して示している。この硬化した熱可塑性材料SH’からパイロン310及び支持台350(薄板311を用いた場合には、並びに薄板311)を取り出すことにより、図45に示す包装体9’が得られる。
このように、本実施形態によれば、パイロン310の位置を調節することにより、対象物300、340の形状や大きさに応じた位置に筒状の突起部を形成することができる。
図46は、本発明の第9の実施形態に係る包装体の製造方法の変形例を説明するための模式図である。パイロン310を予め薄板に固定しておく場合、図46に例示するように、パイロン310が嵌合可能な複数の貫通孔361が設けられた薄板360を用いても良い。パイロン310は単に貫通孔361に嵌め込むだけでも良いし、パイロン310の底面近傍の外周側面及び貫通孔361の内周側面にねじを切り、両者を螺合させることとしても良い。パイロン310を固定する貫通孔361は、対象物及び支持台の位置を考慮して選択する。なお、この場合には、熱成形の際に、パイロン310が嵌め込まれていない貫通孔361及びステージ105に形成された空気抜き孔106を介して、チャンバ101内が排気される。
本発明は、上記第1〜第9の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、第1〜第9の実施形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、第1〜第9の実施形態及び変形例に示した全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成しても良いし、第1〜第9の実施形態及び変形例に示した構成要素を適宜組み合わせて形成しても良い。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、9’…包装体
10、50、80、200、300、340…対象物
20、70、201、240、260、280、330、380…包装材
21、71、202、241、261、281、331、381…被覆部
22、72、203、282、332、382…支持部
23、73、205、243、264、283、334、384…ベース部
24、24’25、75…開口
26、74…空間
27…領域
30、60、210、270、320、350…支持台
30a、30b、40…部材
31…上面
32…下面
61、81…接触面
62…貫通孔
63…内周側面
76、77…包装材の一部
82…斜面
100…熱成形装置
101…チャンバ
102…加熱源
103…温度計
104、108…電源スイッチ
105…ステージ
105a…中央部
105b…周縁部
106…空気抜き孔
107…真空吸引源
109…ガイドスリット
111…カセット固定枠
112…案内溝
113…案内ポール
114…ハンドル
120…固定カセット
121…第1枠体
122…第2枠体
123…段差凹部
124…段差凸部
126…雄刃
127…雌刃
204、242、262、284…壁部
206、207…上端部
211、222…設置面
220…枠体
221…貫通孔
230、250…支持体
231…台座
232、251…枠部
233、252…底部
253…凹部
263…上げ底部
271…下段
272…中段
273…上段
274…凹部
310…パイロン
311、360…薄板
312、361…貫通孔
333、383…突起部
361…円盤部
362…矩形部
SH…シート材
SH’…熱可塑性材料
SH1…固定取付孔




Claims (15)

  1. 包装の対象物と、
    熱可塑性を有する材料により形成された包装材と、
    を備え、
    前記包装材は、
    前記対象物を被覆する被覆部と、
    前記被覆部と一体的に形成され、内部に空洞が設けられた少なくとも1つの筒部と、
    を有し、
    前記被覆部の一部に、前記対象物が脱出不能な開口が設けられ、
    前記少なくとも1つの筒部は、前記被覆部に設けられた前記開口の開口端において前記被覆部と接続されて前記対象物を支持する支持部を含
    前記支持部は、支持台上に前記対象物を載置し、熱成形によって、加熱された前記熱可塑性を有する材料により前記対象物及び前記支持台を含む支持体を被覆した後、前記熱可塑性を有する材料から前記支持台を含む支持体を取り出すことによって形成されている、包装体。
  2. 包装の対象物と、
    熱可塑性を有する材料により形成された包装材と、
    を備え、
    前記包装材は、
    前記対象物を被覆する被覆部と、
    前記被覆部と一体的に形成され、内部に空洞が設けられた少なくとも1つの筒部と、
    を有し、
    前記少なくとも1つの筒部は、内部が空洞の壁状をなし、前記被覆部を囲むように設けられた壁部を含む、包装体。
  3. 包装の対象物と、
    熱可塑性を有する材料により形成された包装材と、
    を備え、
    前記包装材は、
    前記対象物を被覆する被覆部と、
    前記被覆部と一体的に形成され、内部に空洞が設けられた少なくとも1つの筒部と、
    を有し、
    前記少なくとも1つの筒部は、各々が内部が空洞の突起状をなし、前記被覆部を囲むように配置された複数の突起部を含む、包装体。
  4. 前記被覆部の一部に、前記対象物が脱出不能な開口が設けられ
    前記少なくとも1つの筒部は、前記被覆部に設けられた前記開口の開口端において前記被覆部と接続されて前記対象物を支持する支持部を含む、請求項2又は3に記載の包装体。
  5. 包装の対象物と、
    熱可塑性を有する材料により形成された包装材と、
    を備え、
    前記包装材は、
    前記対象物を被覆する被覆部と、
    前記被覆部と一体的に形成され、内部に空洞が設けられた少なくとも1つの筒部と、
    を有し、
    前記少なくとも1つの筒部は、開口する端面を有する、包装体。
  6. 前記少なくとも1つの筒部は、開口する端面を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の包装体。
  7. 前記包装材は、前記開口する端面の開口端と一体化されたベース部をさらに含む、請求項又はに記載の包装体。
  8. 前記少なくとも1つの筒部は、柱状、又は、前記開口する端面の反対側から前記開口する端面に向かって広がるテーパ状をなす、請求項のいずれか1項に記載の包装体。
  9. ステージ上に少なくとも1つの支持体を載置する工程(a)と、
    前記ステージ上に、直接又は前記少なくとも1つの支持体のうちの少なくともいずれかを介して、包装の対象物を載置する工程(b)と、
    熱可塑性を有する材料によって形成されたシート材を加熱し、前記ステージの下方から排気しながら前記シート材を前記対象物及び前記少なくとも1つの支持体に被せることにより、前記熱可塑性を有する材料によって前記対象物及び前記少なくとも1つの支持体を被覆する工程(c)と、
    前記対象物及び前記少なくとも1つの支持体を被覆している前記熱可塑性を有する材料から前記少なくとも1つの支持体を取り出す工程(d)と、
    を含む包装体の製造方法。
  10. 前記少なくとも1つの支持体は、前記対象物を載置可能な支持台を含み、
    前記対象物は前記支持台上に載置される、
    請求項に記載の包装体の製造方法。
  11. 前記対象物は、該対象物の表面のうち前記ステージ側を向いている領域の一部が露出するように、前記支持台上に載置される、請求項1に記載の包装体の製造方法。
  12. 前記少なくとも1つの支持体は、前記対象物を包囲可能な枠体を含み、
    前記対象物は前記枠体の内側に配置される、
    請求項〜1のいずれか1項に記載の包装体の製造方法。
  13. 前記少なくとも1つの支持体は、複数の柱状部材を含み、
    前記複数の柱状部材は前記対象物を囲むように配置される、
    請求項〜1のいずれか1項に記載の包装体の製造方法。
  14. 前記複数の柱状部材は、予め薄板上に固定され、該薄板に固定された状態で前記ステージ上に載置される、請求項1に記載の包装体の製造方法。
  15. 前記少なくとも1つの支持体は、柱状、又は、前記設置面の反対側から前記設置面に向かって広がるテーパ状をなす、請求項〜1のいずれか1項に記載の包装体の製造方法。
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