JPH07224530A

JPH07224530A - コーナー用型枠

Info

Publication number: JPH07224530A
Application number: JP3773794A
Authority: JP
Inventors: Susumu Kamei; 進亀井
Original assignee: SHINKO KIGYO KK
Current assignee: SHINKO KIGYO KK
Priority date: 1994-02-10
Filing date: 1994-02-10
Publication date: 1995-08-22
Anticipated expiration: 2012-02-19
Also published as: JP2583825B2

Abstract

(57)【要約】【目的】軽量で十分な強度をもち、且つコーナーに当
てがって簡単に屈曲させることのできるコーナー用型枠
を合成樹脂材による一体成型品によって安価に提供す
る。【構成】合成樹脂による一体成型品であって、適当な
厚みを有する平面視長方形の面板(1)によって構成さ
れ、該面板(1)はその一面がフラットな面で形成され、
他面が隔壁を隔てた多数の凹穴(2)…によって形成され
るハニカム構造又はその類似構造で形成されており、更
に面板(1)の前記凹穴(2)…を有する面の中間部に該面板
を少なくとも凹穴(2)を有する面側に向かって略直角に
折り曲げできるように断面Ｖ字形の溝(3)が形成されて
いる構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート打設工事
等においてコーナー部分に使用される建築用型枠（土木
工事用型枠を含む）に関するもので、殊に、合成樹脂に
よる一体成型品によって形成されたコーナー用型枠に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、角部を有するコンクリート壁を
打設する時、角部の囲撓には多くの場合、２枚の型枠を
角部の角度に合わせて組みつける手段がとられている
が、大変煩雑で手間のかかる作業である。また、二つの
型枠要素を蝶番のような回動連結機構を介して連結し、
この左右の型枠要素を施工されるコンクリート壁の角部
の角度に合わせて回動させ、ボルトナットで締め付けて
固定するようにしたものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の角
度調整可能な型枠を構成する型枠要素は、硬質かつ厚手
の木質合板もしくは鋼板を面板とし、その周縁部等から
フランジ（角材を含む）やリブ（角材を含む）を立設し
て構成されている。したがって重量が相当に大で取扱が
必ずしも楽でなく、木製のものにあっては特に吸水によ
る重量増加と、吸水・乾燥の反復による早期劣化など、
耐久性にも問題があった。しかも硬化したコンクリート
の表層部が鋼板や木板に付着するから型枠撤去後のコン
クリート表面には不規則な凹凸を生じるのみならず、該
型枠表面に付着したコンクリートを次回使用の前に取り
除かねばならない。また、軽量化を意図してアルミニウ
ム材を押出し又は引抜き法により断面「ハーモニカ」形
のものとする試みも一部ではなされているが、型枠のよ
うな大寸の異形構造材を押出し又は引抜くことは決して
容易でなく、敢えてこれを実施すれば製造コストの高騰
を招くことになる。更に、アルミニウムは鋼や木材同
様、コンクリートに対し親和性があるから硬化したコン
クリートがアルミ製型枠の表面に付着する、という問題
は未解決のまま残る。加えて、個別に作成された二つの
型枠を回動連結機構を介して結合組成することも構造を
複雑化してコストアップの原因となる。

【０００４】そこで本発明は、軽量で十分な強度をも
ち、且つコーナーに当てがって簡単に屈曲させることの
できるコーナー用型枠を合成樹脂材による一体成型品に
よって提供することにより従来の諸問題を一挙に解消し
ようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発
明にあっては、合成樹脂による一体成型品であって、適
当な厚みを有する平面視長方形の面板(1)によって構成
され、該面板(1)はその一面がフラットな面で形成さ
れ、他面が隔壁を隔てた多数の凹穴(2)…によって形成
されるハニカム構造又はその類似構造で形成されてお
り、更に面板(1)がその中間部から凹穴(2)を有する面側
に向かって略直角に折り曲げできるように断面Ｖ字形の
溝(3)が形成されている構造としたものである。

【０００６】

【作用】上記のごとく構成されたコーナー用型枠は、図
５で示すように、Ｖ字形溝(3)を介して略直角に折り曲
げて施工すべきコンクリート壁の角部の囲撓に使用され
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の構成を図に示した実施例に基
ずき説明する。図１乃至図１０において、符号(1)で本
発明に係るコーナー用型枠を構成する面板を示す。この
面板(1)は短辺３００mm、長辺６００mmの長方形でその
厚みが１２mmで、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂を溶
融押出成形して形成されているが、その寸法は特定され
ない。例えば短辺３００mmに対して長辺が９００mmまた
は１２００mmで形成してもよく、その他任意の寸法で形
成することが可能である。

【０００８】面板(1)の表面(1a)は、実質的にコンクリ
ート打設面であってフラットな面で形成されており、裏
面(1b)（図面では上面となっている）は隔壁を隔てた多
数の平面視六角形の凹穴(2)…によって形成されるハニ
カム構造で構成されている。

【０００９】この凹穴(2)の孔径は、現場で型枠を組み
立てる時に使用されるホームタイの座金が陥没しない程
度の穴径で形成することが必要である。そのために該孔
径は一般的なホームタイの座径２３〜４０mmより小さい
２０mm以下で形成される。また凹穴(2)の底厚はコンク
リート打設時の圧力に十分耐えるような厚みで構成する
ことが必要であり、例えば３mm程度が好ましい。又、凹
穴(2)の底角部は丸みを持たせて形成するのがよい。こ
れにより、凹穴部の洗浄が容易となる。

【００１０】型枠の材料としての合成樹脂は、離型性か
つ耐久性にすぐれた適宜のもの、例えば、ポリプロピレ
ン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂あるいは
ＦＲＰなどの中から選択すればよい。

【００１１】而して本発明では、前記面板(1)の凹穴(2)
を設けた面に、面板(1)をその中間部から凹穴(2)を有す
る面側に向かって略直角に折り曲げできるように断面Ｖ
字形の溝(3)が形成されている。

【００１２】前記Ｖ字形溝(3)は、その溝壁をフラット
な状態のままでもよいが、図１〜図４に示すように溝壁
の一部を切欠して実質的なリブ(3a)…を形成するように
してもよい。これにより材料の削減と軽量化を助長す
る。

【００１３】また、図７〜図１０に示すように、前記Ｖ
字形溝(3)のリブ(3a)の１部の間隙を狭めて差込み部(3
b)を形成し、この差込み部(3b)に相対する溝壁に嵌合突
部(3c)を設けて、型枠を直角に折り曲げた時にこの嵌合
突部(3c)が差込み部(3b)に密に嵌入して型枠の直角姿勢
を仮保持できるようにしておくのがよい。この場合、図
８に示すように嵌合突部(3c)の左右側面に凸部(3d)を設
けておけば両者の嵌合強度をより高めることができよ
う。

【００１４】上記実施例では、面板(1)の裏面(1b)が隔
壁を隔てた多数の平面視六角形の凹穴(2)…によって形
成されるハニカム構造で構成された例を示したが、三角
形や四角形等の多角形、又は円形の凹穴によるハニカム
類似構造で構成することも可能である。また、実施例で
は、面板(1)の周辺部分の凹穴(2a)を規則正しい配列の
４角形で形成されていて、型枠組成時における型枠同士
の連結金具嵌込み穴を兼ねている。

【００１５】上記のごとく構成されたコーナー用型枠
は、図５で示すように、Ｖ字形溝(3)を介して略直角に
折り曲げて施工すべきコンクリート壁の内角部の囲撓に
使用される。コーナー用型枠の直角に折り曲げた内角部
分に角バタ材(4)を当がって補強し、コーナー用型枠に
隣接する部分並びに空間を隔てた反対側の面に一般の型
枠(5)…を配置してタイボルト(6)でコンクリート打設空
間を保持させた状態でコンクリート型枠が組成される。
コンクリート(7)を施工後、コーナー用型枠を剥離する
ときに、前記Ｖ字形溝(3)を直角より少し大きな角度で
形成しておけば、図６に示すように面板(1)の折曲げ片
の端縁を上方に少し持ち上げることができてコンクリー
ト面からの剥離作業が容易となる。また、面板(1)をＶ
字形溝を介して前記とは反対側に折り曲げることによっ
て、施工すべきコンクリート壁の外角部の囲撓にも使用
することができる。

【００１６】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではなく、本発明の構成要件を備
え、かつ本発明の目的を達成し、下記の効果を奏する範
囲内において適宜改変して実施できるものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明のコーナー用型枠の面板は、その
一面がフラットな面で形成され、他面が隔壁を隔てた多
数の凹穴によって形成されるハニカム構造又はその類似
構造で形成されているから軽量であるにも拘わらず強靭
で長持ちし、コンクリート打設工事における型枠の搬
送、組立て並びに分解が容易となる。しかも、合成樹脂
製の面板はコンクリートの離型性がよいため美麗なコン
クリート面を形成できると共に、付着コンクリートを剥
がすという従来の余分な作業も不要となる。殊に本発明
では、面板の凹穴を設けた面に、面板をその中間部から
凹穴を有する面側に向かって略直角に折り曲げできるよ
うに断面Ｖ字形の溝が形成されているから、このＶ字形
溝を介して型枠を簡単に折り曲げることができ、これに
よりコーナー部分を容易に囲うことができると共に、従
来のように個別に作成された二つの型枠を回動連結機構
を介して連結組成して構成されたものでなく、合成樹脂
による一体成型品で構成されたものであるから非常に安
価に提供することができるといった優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る型枠の一実施例を示す１部切欠斜
視図。

【図２】上記型枠の平面図。

【図３】図２におけるＡ−Ａ線に沿った１部の拡大断面
図。

【図４】図２におけるＢ−Ｂ線に沿った１部の拡大断面
図。

【図５】上記型枠の使用状態を示す断面図。

【図６】上記型枠の剥離時の状態を示す断面図。

【図７】本発明に係る型枠の第二実施例を示す図１同様
の斜視図。

【図８】上記第二実施例の１部の拡大平面図。

【図９】上記第二実施例の１部の拡大断面図。

【図１０】上記第二実施例の作動を示す拡大断面図。

【符号の説明】

(1) 面板 (2) 凹穴 (3) Ｖ字形溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】合成樹脂による一体成型品であって、適
当な厚みを有する平面視長方形の面板(1)によって構成
され、該面板(1)はその一面がフラットな面で形成さ
れ、他面が隔壁を隔てた多数の凹穴(2)…によって形成
されるハニカム構造又はその類似構造で形成されてお
り、更に面板(1)の前記凹穴(2)…を有する面の中間部に
該面板を少なくとも凹穴(2)を有する面側に向かって略
直角に折り曲げできるように断面Ｖ字形の溝(3)が形成
されているコーナー用型枠。