JPH0722325Y2 - 車両の横加速度演算装置 - Google Patents

車両の横加速度演算装置

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JPH0722325Y2
JPH0722325Y2 JP8150389U JP8150389U JPH0722325Y2 JP H0722325 Y2 JPH0722325 Y2 JP H0722325Y2 JP 8150389 U JP8150389 U JP 8150389U JP 8150389 U JP8150389 U JP 8150389U JP H0722325 Y2 JPH0722325 Y2 JP H0722325Y2
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lateral
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、横加速度検出器の検出値より車両の横加速
度を演算する装置に係り、とくに、横加速度検出器のオ
フセットを補正できるようにした横加速度演算装置に関
する。
〔従来の技術〕
従来の横加速度演算装置としては、例えば本出願人が提
案している特開昭63-134319号記載のものが知られてい
る。
この横加速度演算装置は、その一態様として、操舵角情
報に基づき車両に横加速度が発生していない直進状態か
否かを車両状態判定手段で判定し、この判定手段により
直進状態が判定されたときに、補正基準値設定手段が、
かかる直進状態における横加速度検出器の検出値を、横
加速度検出値の補正基準値として設定し、この設定した
補正基準値を用いて加速度補正手段が横加速度検出器の
検出値を補正するようにしている。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来の横加速度演算装置にあ
っては、操舵角検出値を用いて直進状態を判定するよう
にしていたため、舵角は中立位置に相当するものであっ
ても、車両運動に遅れがあること等を考慮すると、必然
的に、操舵角検出値の絶対値が所定基準値以下の状態を
一定時間継続したときに直進状態であると判断する構成
となり、これによって、補正基準値設定までに一定時間
を要し、しかも、舵角が中立位置であっても車両が横滑
りを生じて横加速度を検知する場合がある等のため、横
加速度のみにより車両の直進状態を見極めるのは不十分
であることから、横加速度のオフセットを相殺する補正
値の設定が粗く且つ精度の低いものとなり、これによっ
て、例えばこの横加速度値を車両の制御に用いた場合、
充分な制御精度が得られないという未解決の問題があっ
た。
本考案は、このような従来技術の未解決の問題に着目し
てなされたもので、車両の直進状態の判断を迅速に且つ
正確に行うようにし、これにより制御精度の向上を図る
ことを、その解決しようとする課題としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、本考案は第1図に示すよう
に、車体の横方向の加速度を検出する横加速度検出器を
備え、この横加速度検出器の検出値を走行状況に応じて
補正するようにした車両の横加速度演算装置において、
車速を検出する車速検出手段と、操舵角を検出する操舵
角検出手段と、前記車速検出手段及び操舵角検出手段の
検出値を2自由度車両モデルに入力して車両のヨーレー
ト及び横方向速度を推定算出する運動状態量算出手段
と、この運動状態量算出手段が算出したヨーレート及び
横方向速度並びに前記操舵角検出手段が検出した操舵角
が共に個別の閾値以内である直進状態か否かを判定する
直進判定手段と、この直進判定手段により直進状態が判
定されたときの前記横加速度検出器の検出値を補正値と
して設定する補正設定手段と、この補正値設定手段が設
定した補正値に基づき前記横加速度検出器の検出値を補
正する横加速度補正手段とを備えている。
〔作用〕
本考案においては、運動状態量算出手段が車速検出値及
び操舵角検出値を2自由度車両モデルに入力してヨーレ
ート及び横方向速度をリアルタイムで推定算出する。そ
こで、直進判定手段は、算出されたヨーレート及び横方
向速度と操舵角検出値とが共に閾値以内であるか否かを
チェックすることにより、直進状態を判定する。この直
進判定手段が直進状態を判定したときには、補正値設定
手段が、この判定時点の横加速度検出器の検出値をオフ
セット補正値として設定するので、横加速度補正手段
は、その設定したオフセット補正値によりオフセット分
を相殺する形で横加速度検出値を補正する。このため、
指令値演算手段が指令値を演算するために取り込む横加
速度検出値は、オフセットが正確に且つ殆どリアルタイ
ムで除かれた値となり、高性能の車両の制御が可能とな
る。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例に関わる横加速度演算装置を能
動型サスペンションに適用した例をとり、第2図乃至第
6図に基づき説明する。
第2図において、10FL〜10RRは前左〜後右車輪を示し、
12は車輪10FL〜10RRの車輪側部材を示し、14は車体側部
材を示し、16は能動型サスペンションを夫々示す。
能動型サスペンション16は、ばね上,ばね下間に各々介
装された流体圧シリンダとしての油圧シリンダ18FL〜18
RRと、この油圧シリンダ18FL〜18RRの作動圧を各々調整
する圧力制御弁20FL〜20RRと、この油圧系の油圧源22と
を有するとともに、車体の横(車幅)方向に発生する加
速度を検出する横加速度検出器24と、操舵角を検出する
操舵角検出器26と、車速を検出する車速検出器28と、各
検出器の検出信号に基づき圧力制御弁20FL〜20RRの出力
圧を個別に制御するコントローラ30とを有している。ま
た、各車輪側部材12及び車体側部材14間には、比較的低
いバネ定数であって車体の静荷重を支持するコイルスプ
リング32が配設されている。
油圧シリンダ18FL〜18RRの各々はシリンダチューブ18a
を有し、このシリンダチューブ18aには、ピストン18bに
より隔設された圧力室Lが形成されている。そして、シ
リンダチューブ18aの上端が車体側部材14に取り付けら
れ、ピストンロッド18cの下端が車輪側部材12に取り付
けられている。また、圧力室Lの各々は、絞り弁34を介
して振動吸収用のアキュムレータ36に接続される。
また、圧力制御弁20FL〜20RRの各々は、挿通孔に摺動可
能なスプールを内蔵した弁ハウジングと、スプールの一
端側に作用させたフィードバック圧と他端側に作用させ
るパイロット圧を調整可能な比例ソレノイドとを有し
た、従来周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開昭
64-74111号参照)で形成されている。3ポートの内、供
給ポート及び戻りポートは油圧配管38,40を介して油圧
源22に接続され、出力ポートは油圧配管42を介して前記
圧力制御弁20FL(〜20RR)の圧力室Lに接続されてい
る。そして、比例ソレノイドの励磁コイルに供給する電
流値でなる指令値Sを調整することにより、スプールの
位置を制御し、油圧源22から供給ポート,出力ポートを
介して油圧シリンダ18FL(〜18RR)に供給される作動
油、および油圧シリンダ18FL(〜18RR)から出力ポー
ト,戻りポートを介して油圧源22に戻る作動油を制御で
きるようになっている。
ここで、指令値Sと圧力制御弁20FL(〜20RR)の出力ポ
ートから出力される制御圧Pとの関係は、第3図に示す
ようになっている。つまり、ノズルを考慮した最小指令
値SMINのときには最低制御圧PNIMとなり、この状態から
指令値Sを増加させると、指令値Sに比例して直線的に
制御圧Pが増加し、最大指令値SMAXのときには設定ライ
ン圧に相当する最高制御圧PMAXとなる。
一方、横加速度検出器24は、車両の例えば重心位置に装
備されており、車体に作用する横(車幅)方向の横加速
度を検知して、その大きさに応じた値で且つその作用方
向に応じた正負のアナログ電圧値でなる横加速度信号RG
をコントローラ30に出力するようになっている。また、
操舵角検出器26は、ステアリングシャフトの所定位置に
装備されており、操舵角及び操舵方向を光学的に検知し
て、それらに応じた電気パルス信号でなる操舵角信号D
θをコントローラ30に出力するようになっている。さら
に、車速検出器28は、変速機の出力側の回転数を磁気的
又は光学的に検出する構造を有しており、かかる回転数
に対応した周波数の電気信号でなる車速信号DVをコント
ローラ30に出力する 前記コントローラ30は第4図に示すように、入力するア
ナログ量の横加速度検出信号RGをデジタル量に変換する
A/D変換器70と、入力する操舵角検出信号Dθ及び車速
検出信号DVの波形を整形する波形整形回路71A,71Bと、
演算処理用のマイクロコンピュータ72と、このマイクロ
コンピュータ72から出力されるデジタル量の制御信号SC
を個別にアナログ量に変換するD/A変換器73A〜73Dと、
このアナログ量の制御信号SCに応じた指令値S,…,Sを前
記圧力制御弁20FL〜20RRに個別に出力する駆動回路74A
〜74Dとを有している。
この内、マイクロコンピュータ72は、少なくともインタ
ーフェイス回路76と演算処理装置78とRAM,ROM等からな
る記憶装置80とを含んで構成され、インターフェイス回
路76はI/Oポート等から構成されている。また、演算処
理装置78は、インターフェイス回路76を介して検出信号
RG,Dθ,及びDVを読み込み、これらに基づき後述する演
算その他の処理を行う。記憶装置80は、演算処理装置78
の処理の実行に必要な所定プログラム及び固定データ等
を予め記憶しているとともに、演算処理装置78の処理結
果を記憶できる。
次に、上記実施例の動作を説明する。
車両のイグニッションスイッチがオン状態になると、コ
ントローラ30が起動し、所定のメインプログラム実行中
に、第5図及び第6図に示すタイマ割込み処理を夫々所
定時間(例えば20msec)毎に実行する。
第5図の処理を説明する。まず、同図のステップで
は、マイクロコンピュータ72の演算処理装置78は、イン
ターフェイス回路76を介して操舵角検出器26の検出信号
Dθを所定時間読み込んで、その間のパルス数から操舵
角θを算出し、その値を記憶する。次いでステップに
移行し、車速検出器28の検出信号DVを所定時間読み込ん
で、その間のパルス数から車速Vを算出し、その値を記
憶する。
次いで、演算処理装置78は、ステップ〜の処理を順
次実行する。これらの処理は、車両のヨーイングと横運
動の2自由度平面運動モデル(例えば、特開昭62-18497
1号参照)を用いて運動状態量としてのヨーレート及
び横方向速度Vyを推定算出するものである。
まず、ステップでは、ヨーレート〔rad/s〕(又はd
eg/s)を、 =∫dt …(1) の積分演算により求める。は後述の如く演算されるヨ
ー角加速度〔rad/s2〕である。(1)式の演算は具体的
には、今回の割込時のヨーレート(n)、前回の割込
時のヨーレート(n−1)、ヨー角加速度(n−
1)に対して、 (n)=(n−1)+Δt・(n−1) …
(1)′ を演算して求める。ここで、Δtは割込周期である。
次いでステップに移行し、横方向速度Vy〔m/s〕を、 Vy=∫ dt …(2) の積分演算により求める。は後述の如く演算される
横方向並進加速度〔m/s2〕である。(2)式の演算は具
体的には、今回の割込時の横方向速度Vy(n)、前回の
割込時の横方向速度Vy(n−1)、横方向並進加速度
(n−1)として、 Vy(n)=Vy(n−1)+Δt・(n−1) …
(2)′ を演算して求める。ここで、Δtは割込周期である。
次いでステップに移行し、前輪タイヤ横すべり角β
〔rad〕を、 β=(θ/N)−(Vy+LF)/V …(3) の式より演算する。ここで、θは操舵角,Nはステアリン
グギヤ比,Vyは横方向速度,LFは前輪接地点〜重心間距
離〔m〕,はヨーレート,Vは車速〔m/s〕である。
次いでステップに移行し、後輪タイヤ横すべり角β
〔rad〕を、 β=−(Vy−LR)/V …(4) の式に基づき演算する。ここで、LRは後輪接地点〜重心
間距離〔m〕である。
次いでステップに移行し、ステップの演算値β
用いて、前輪コーナリングフォースCF〔Kgf〕を、 CF=eKFβ …(5) の式に基づき演算する。ここで、eKFは前輪等価コーナ
リングパワー〔Kgf/rad〕である。
次いでステップに移行し、ステップの演算値β
用いて、後輪コ−ナリングフォースCR〔Kgf〕を、 CR=KRβ …(6) の式に基づき演算する。ここで、KRは後輪コーナリング
パワー〔Kgf/rad〕である。
次いでステップに移行し、ステップの演算値CFを用
いて、ヨー角加速度〔rad/s2〕を、 =(2LFCF−2LRCR)/IZ …(7) の式に基づき演算する。ここで、IZはヨー慣性〔Kgf・
m・s2〕である。このステップでの演算値は前記
(1)′式中の(n−1)に対応する値となる。
次いでステップに移行し、ステップの演算値CRを用
いて、横方向並進加速度〔m/s2〕を、 =(2CF+2CR−MV)M …(8) の式に基づき演算する。ここで、Mは車両重量〔Kgf・s
2/m〕である。このステップでの演算値は前記
(2)′式中の(n−1)に対応する値となる。
次いでステップにおいて、ステップ,で求めたヨ
ーレト,横方向速度Vy及びステップで求めた操舵角
θに基づき車両が直進状態から否かを判断する。この判
断は、具体的には、||≦a且つ|Vy|≦b且つ|θ
|≦cであるか否かによって行う。ここで、a,b,cは直
進状態を弁別し得る正の閾値であって予め設定されてい
る。そこで、ヨーレート,横方向速度Vy,及び操舵角
θの何れも設定値以内であるときには、直進状態である
としてステップ,に移行する。
このステップでは、演算処理装置78はインターフェイ
ス回路76を介して横加速度検出器24の検出信号RGを読み
込み、ステップではステップで読み込んだ値RGの絶
対値|RG|≦dか否かを判断する。ここで、dは、正の基
準値であって、横加速度検出器24が走行に伴って通常と
り得る値の上限値に設定されており、このステップの
判断は、横加速度検出器24が故障などにより異常値を出
力し、これに基づく誤った補正を排除しようとするもの
である。
そこで、ステップにおいて、「YES」,即ち横加速度
検出器24に異常等が生じていないとしたときには、ステ
ップに移行し、横加速度検出器24の検出信号RGをラッ
チし、その値を横加速度検出値Rgとして記憶した後、ス
テップに移行する。
また、前記ステップにおいて「NO」の判断,即ちヨー
レート,横方向速度Vy,及び操舵角θの内、少なくと
も一つが閾値を越えて直進状態でないとされるときに
は、補正値の更新に適さないとして、直接ステップに
移る。さらに、ステップにおいて「NO」の判断,即ち
直進状態であるが、横加速度検出器24が異常状態である
とするときには、その検出値を取り込まないとして、同
様にステップに移行する。
ステップでは、記憶した横加速度検出値Rgの値が正で
あるか否かを判断し、正であるときには、ステップに
おいて補正値RGAに「−Rg」をセットし、負又は零であ
るときには、ステップにおいて補正値はRGAに「+R
g」をセットし、この後メインプログラムに戻る。
したがって、以上の処理を一定時間Δt毎に繰り返すこ
とにより、車両の直進状態がほぼリアルタイムで判定さ
れ、その時点の横加速度検出器24の検出値がオフセット
量を相殺できる補正値として設定されるとともに、その
設定値が直進状態の判定毎に随時更新される。また、直
進状態の判定に関しては、従来のように操舵角のみに依
存する場合とは異なり、ヨーレート及び横方向速度を加
味して、これら3つの各々の直進条件の論理積をとって
総合判定しているため、横風,路面傾斜等の外乱に起因
して検出サレル横加速度を、補正値として取り込むこと
がなく、補正値設定の精度が格段に向上している。
続いて第6図の指令値演算処理を説明する。同図のステ
ップでは、演算処理装置は、インターフェイス回路76
を介してその時点の横加速度検出信号RGを読み込む。次
いでステップでは、前述した第5図の処理により設定
されている補正値RGAを記憶装置80の所定記憶領域から
読み出す。
次いでステップに移行し、検出された横加速度信号RG
のオフセットを相殺するために、RGY=RG+RGAの補正演
算を行う。これにより、オフセット量が正であれば負の
補正値「−RGA」により,またオフセット量が負であれ
ば正の補正値「+RGA」により、オフセット量の相殺が
なされる。また、横加速度検出器24にオフセット量が無
いときには、第5図の処理による補正値RGA=0になっ
ているので、補正演算ではRGY=RGとなる。
次いで、演算処理装置78はステップ〜の処理を順次
行う。ステップでは、ステップで補正された横加速
度信号の値RGに基づき、予め格納されているマップを参
照する等して、横加速度GYを演算する。また、ステップ
では、各圧力制御弁20FL〜20RRに対する指令値Sを、
S=K・GY+SNの演算を行って求める。ここで、Kはア
ンチロール制御に対する制御ゲインである。SNは車高値
維持のための指令値成分であるが、必ずしも中立指令値
SNでなくてもよい。なお、かかる指令値演算における姿
勢制御項「K・GY」は、左右の圧力制御弁20FL,20RL
び20FR,20RRに対しては相互に逆相であって姿勢変化に
抗する作動力を発揮できる方向に演算される。
さらに、ステップでは、ステップの演算値S,…,Sに
対応した制御信号SCを個別に出力する。この各制御信号
SCは、D/A変換器73A〜73Dにてアナログ量に各々変換さ
れ、駆動回路74A〜74Dから圧力制御弁20FL〜20RRの励磁
コイルに演算された指令値S,…,Sとして各々出力され
る。これによって、圧力制御弁の制御圧Pが指令値Sに
比例して個別に制御される。
次に、全体動作を説明する。
いま、車両が平坦な凹凸の無い良路を一定速度で直進走
行し、ロールを生じていないものとする。この直進状態
は、前述した第5図の処理によって迅速に且つ一定時間
毎に判定され、その時点の横加速度検出器24のオフセッ
ト量を相殺できる補正値RGAが更新設定されている。そ
こで、読み込んだ横加速度検出信号RGにオフセットがあ
り、零でないとしても、そのオフセット量が補正され
て、結局、横加速度検出信号RG=0となる(第6図ステ
ップ〜参照)。このため、横加速度GY=0となり、
演算される各指令値S=SNとなって、圧力制御弁20FL
20RRは油圧シリンダ18FL〜18RRの圧力室Lに中立圧P
N(第3図参照)を出力する。これによって、油圧シリ
ンダ18FL〜18RRは中立圧PNに応じた力を発生させて、車
体は所定車高値のフラットな姿勢に保持される。
一方、前述した定速直進走行状態から、操舵を行って旋
回状態に移行すると、車体に旋回状態に応じた横(車
幅)方向の加速度が発生し、その慣性力によって車体外
輪側が沈み込むロールが発生しようとする。このとき、
コントローラ30における第5図の処理では、少なくとも
操舵角θが閾値±cを越えるので、直進状態ではないと
判定され、補正値RGAの更新は中断され、最後の更新値
がそのまま保持される。そこで、コントローラ30では、
最後の更新値RGAを用いてオフセットの補正を行い、そ
の補正された横加速度GYに比例したK・GY(≠0)を含
む指令値S,…,Sの演算が実施され、圧力制御がなされ
る。これにより、外輪側の油圧シリンダ18FL,18RL(又
は18FR,18RR)の作動圧が高められ、反対に内輪側の油
圧シリンダ18FR,18RR(18FL,18RL)の作動圧が下げら
れ、車体にはロールに抗するアンチロールモーメントが
事前に発生し、外輪側の車体沈み込み及び内輪側の車体
の浮き上がりが防止され、ほぼフラットな車体姿勢が維
持される。
さらに、走行中、操舵は行っていないものの、路面傾斜
や横風等の外乱によって横加速度GYが検出されるような
場合にも、そのような外乱が大きくなるとヨーレート
や横方向速度Vyが閾値±a又は±bを越えるので、第5
図の処理によって直進とはみなされない。このため、こ
のようなときには、補正値RGAの更新は中断される。
以上の実施例において、操舵角検出器26,波形整形回路7
1A及び第5図ステップの処理が操舵角検出手段を構成
し、車速検出器28,波形整形回路71B及び同図ステップ
の処理が車速検出手段を構成し、同図ステップ〜の
処理が運動状態量算出手段に対応し、同図ステップの
処理が直進判定手段に対応し、同図ステップ〜の処
理が補正値設定手段に対応し、A/D変換器70及び第6図
ステップ〜の処理が横加速度補正手段を構成し、同
図ステップ〜の処理及びA/D変換器73A〜73D,駆動回
路74A〜74Dが指令値演算手段を構成している。
なお、前記実施例における第5図ステップの判断は、
第7図(第5図と同一の処理には同一ステップ番号を付
す)のステップ′のように行ってもよい。即ち、ステ
ップで直進か否かを判断し、ステップで横加速度検
出信号RGを読み込み、ステップ′では、信号値RGは
「Rg±d」以内か否かをもって横加速度検出器24の異常
状態を判断するものである。このようにすることによ
り、異常状態検出の閾値が「Rg+d」,「Rg−d」とな
って、常にオフセット量Rgを中心にした±dの閾値とな
るから、温度ドリフトや経時変化で大きく変化するオフ
セットに対してもオフセットキャンセルが可能になる。
なおまた、本考案の車両の横加速度演算装置は、前記各
実施例の如く油圧シリンダを用いた能動型サスペンショ
ンに適用する場合に限定されるものではなく、例えば空
気圧シリンダを用いた能動型サスペンションや横加速度
をパラメータとして用いる四輪操舵装置などに適用する
構成であってもよい。また、前記各実施例ではコントー
ラにマイクロコンピュータを搭載させて構成したが、ア
ナログ電子回路で構成することもできる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案では、車速及び操舵角の
検出値を2自由度車両モデルに入力して車両のヨーレー
ト及び横方向速度を推定算出し、この算出したヨーレー
ト及び横方向速度並びに操舵角が共に個別の閾値以内で
ある直進状態か否かを判定し、直進状態が判定されたと
きの横加速度検出器の検出値を補正値として設定し、こ
の設定した補正値に基づき横加速度検出器の検出値を補
正するとしたため、従来のように一定時間の間、操舵角
を監視して直進状態を判断した後、補正値を設定する場
合とは異なり、車両の直進状態をより正確に判断でき、
且つ、補正値をほぼ瞬時値として得ることができ、これ
によって、横加速度検出器の検出値のオフセット補正,
即ちオフセットキャンセルの精度が著しく向上し、強い
ては車両制御の高精度化に寄与するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のクレーム対応図、第2図は本考案の一
実施例を示す概略構成図、第3図は圧力制御弁に対する
指令値と出力される制御圧との関係を示すグラフ、第4
図はコントローラの一例を示すブロック図、第5図及び
第6図はコントローラにおいて実行される処理手順の一
例を示す概略フローチャート、第7図は第6図の処理に
対するその他の例を示す部分的なフローチャートであ
る。 図中、10FL〜10RRは車輪、12は車輪側部材、14は車体側
部材、16は能動型サスペンション、18FL〜18RRは前左〜
後右油圧シリンダ、20FL〜20RRは前左〜後右圧力制御
弁、24は横加速度検出器、26は操舵角検出器、28は車速
検出器、70はA/D変換器、71A,71Bは波形整形回路、72は
マイクロコンピュータ、73A〜73DはD/A変換器、74A〜74
Dは駆動回路である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体の横方向の加速度を検出する横加速度
    検出器を備え、この横加速度検出器の検出値を走行状況
    に応じて補正するようにした車両の横加速度演算装置に
    おいて、 車速を検出する車速検出手段と、操舵角を検出する操舵
    角検出手段と、前記車速検出手段及び操舵角検出手段の
    検出値を2自由度車両モデルに入力して車両のヨーレー
    ト及び横方向速度を推定算出する運動状態量算出手段
    と、この運動状態量算出手段が算出したヨーレート及び
    横方向速度並びに前記操舵角検出手段が検出した操舵角
    が共に個別の閾値以内である直進状態か否かを判定する
    直進判定手段と、この直進判定手段により直進状態が判
    定されたときの前記横加速度検出器の検出値を補正値と
    して設定する補正値設定手段と、この補正値設定手段が
    設定した補正値に基づき前記横加速度検出器の検出値を
    補正する横加速度補正手段とを備えたことを特徴とする
    車両の横加速度演算装置。
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