JPH07222594A - ガラクトオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

ガラクトオリゴ糖の製造方法

Info

Publication number
JPH07222594A
JPH07222594A JP1663894A JP1663894A JPH07222594A JP H07222594 A JPH07222594 A JP H07222594A JP 1663894 A JP1663894 A JP 1663894A JP 1663894 A JP1663894 A JP 1663894A JP H07222594 A JPH07222594 A JP H07222594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactulose
galactooligosaccharide
yeast
rhodotolura
lactose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1663894A
Other languages
English (en)
Inventor
Takazo Suyama
享三 須山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIYOUSHIYOKU KENKYUKAI
Original Assignee
RIYOUSHIYOKU KENKYUKAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIYOUSHIYOKU KENKYUKAI filed Critical RIYOUSHIYOKU KENKYUKAI
Priority to JP1663894A priority Critical patent/JPH07222594A/ja
Publication of JPH07222594A publication Critical patent/JPH07222594A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ラクチュロースとラクトースとの混合物に、
ロドトルラ(Rhodotolura) 属に属しラクチュロースから
式(I) で表されるガラクトオリゴ糖を生成する能力を有
する酵母またはその菌体処理物を作用させて式(I) で表
されるガラクトオリゴ糖を製造することを特徴とするガ
ラクトオリゴ糖の製造方法。 【化1】 (式中、nは1〜2の整数である) 【効果】 本発明の方法により製造される式(I) で表さ
れるガラクトオリゴ糖は、ビフィズス菌等の特定の腸内
細菌を選択的に増殖させることができるので、本発明に
より、便秘改善剤、整腸剤等の医薬品や機能性食品への
利用が期待できるガラクトオリゴ糖の製造方法を提供す
ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラクトオリゴ糖の製造
方法に関するものであり、より詳細には、ロドトルラ(R
hodotolura ) 属に属する酵母を利用してガラクトオリ
ゴ糖を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、ラクチュロースの誘導体であるガ
ラクトオリゴ糖のいくつかが、ガラクトシルラクトース
のアルカリ異性化によって得られ、同糖が多くのビフィ
ズス菌には資化されるが、大腸菌を代表とする腸内にお
ける増殖が好ましくない細菌によっては資化されにくい
ために、このようなガラクトオリゴ糖は特定の腸内菌を
選択的に増殖できることが見出されている。
【0003】このような作用を有するガラクトオリゴ糖
は、医薬原料や便性改良糖としての利用が期待されるた
め、ガラクトオリゴ糖の新規な製造方法のさらなる開発
が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は特定
の酵母を利用したガラクトオリゴ糖の新規な製造方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酵母の一
種であるロドトルラ(Rhodotolura ) 属に属する微生物
を用いる反応により数種のガラクトオリゴ糖を製造する
ことに成功し、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち、本発明は、ラクチュロースとラクトースとの混合物
に、ロドトルラ(Rhodotolura ) 属に属しラクチュロー
スから式(I) で表されるガラクトオリゴ糖を生成する能
力を有する酵母またはその菌体処理物を作用させて式
(I) で表されるガラクトオリゴ糖を製造することを特徴
とするガラクトオリゴ糖の製造方法を提供するものであ
る。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、nは1〜2の整数である) 以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、出発
物質としてラクチュロースを用いる。ラクチュロースは
市販のものを使用することができ、粉末状、シロップ状
などのいかなる形態のものであってもよい。
【0008】また、ガラクトース供与体として、ラクト
ースを用いる。ラクトースは、市販のものを使用するこ
とができ、粉末状、シロップ状などのいかなる形態のも
のであってもよい。ラクトースはラクチュロースに対し
て、0.8〜1.2、好ましくは1:1の比率で添加するこ
とができる。ラクチュロースに作用させるロドトルラ(R
hodotolura ) 属に属する酵母は、ラクチュロースから
式(I) で表されるガラクトオリゴ糖を生成する能力を有
するものであれば何れのものでもよいが、例えばロドト
ルラ・マイニュータ(Rhodotolura minuta)が好まし
く、ロドトルラ・マイニュータIFO-879 がより好まし
い。本発明において、上記ロドトルラ(Rhodotolura )
属に属する酵母自体を使用することができるが、これに
代えて、該酵母菌体の処理物を使用することができる。
そして、この処理物としては該酵母菌体の磨砕物、ある
いは、該酵母菌体から分離した粗酵素並びに精製酵素が
あげられる。
【0009】上記のロドトルラ(Rhodotolura ) 属に属
する酵母は、反応処理に使用するに先立って、前培養す
ることが好ましい。前培養により、菌体を活性化するこ
とができ、これにより酵母菌の大量を目的とした本培養
を効率的に行うことが可能となる。前培養は、酵母用の
麦芽寒天培地中、好気的条件下で、約30℃の温度で、
3日間程度行うことができる。
【0010】前培養に続いて、Rhodotolura 属に属する
菌株を本培養する。本培養により、大量の菌体を得るこ
とができ、また、菌体の糖利用の活性を高めることがで
きる。本培養は、ホエー液体培地中で、約30℃の温度
で、8日間程度、約120r.p.m の回転速度で振盪培養
により行うことができる。ホエー液体培地を用いると、
ホエーの有効利用および乳糖資化性酵母であるRhodotol
ura minutaのラクトース資化に対する活性化の点で有利
である。上記のホエー培地には、ペプトン、酵母エキ
ス、カザミノ酸などの窒素源等を添加してもよい。この
ような物質を添加することにより、菌体の収量を高める
ことができる。
【0011】上記のような本培養の後、遠心分離により
菌体を分離し、生理食塩水、蒸留水等で洗浄して湿菌体
を得ることができる。この湿菌体を用いて、以下の酵素
反応を行うことができる。各々6〜10重量%のラクチ
ュロースとラクトースとを含有する溶液をpH約2.0〜
約8.0に調整し、望ましくは、この溶液を滅菌した後、
上記のロドトルラ属に属する酵母菌株の湿菌体10〜2
00mg(湿重量)/ml添加し、好気的条件下で、約
20〜約80℃で、約10分〜約50時間、振盪させな
がらインキュベートすることにより、反応を行うことが
できる。リン酸水素二ナトリウム−クエン酸緩衝液等を
用いて、ラクチュロースとラクトースとの混合溶液のp
Hを調整することができる。好ましくは、各々6〜10
重量%のラクチュロースとラクトースとを含有する水溶
液をpH約4.0〜約5.0に調整し、滅菌した後、上記の
Rhodotolura 属に属する菌株の湿菌体40〜160mg
(湿重量)/ml添加し、好気的条件下で、約60℃
で、約20時間、振盪させながらインキュベートするこ
とにより反応を行う。上記の条件で反応させると、目的
のガラクトオリゴ糖が高い収率で得られる他、約60℃
という高温で反応を行うことができるため、微生物の汚
染が起こりにくいという利点もある。
【0012】この反応により、ラクチュロースにガラク
トースが転移し、式(I) で表されるガラクトオリゴ糖が
生成する。また、上記の反応は、バイオリアクターを用
いて行ってもよい。バイオリアクターを用いることによ
り、目的のガラクトオリゴ糖を連続生産することが可能
となる。例えば、ロドトルラに属する酵母菌株の菌体
を、担体結合法、架橋結合法、包括法などの公知の方法
を用いて固定化して、上記のような反応を行ってもよ
い。基質であるラクチュロースとラクトースの分子量が
中位であること、固定化操作が容易であることから、担
体結合法を用いることが好ましく、また、透過性が良好
であることから、ホロファイバーに菌体を固定化するこ
とが好ましい。バイオリアクター装置の一例を図3に示
した。図3のバイオリアクター装置を用いて、例えば、
以下のような操作で反応を行うことができる。予め酵母
菌体を基質を含む0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液に懸濁
し、これをホロファイバーに固定化し、固定化菌体酵素
とした後、60℃の恒温槽中でホロファイバー内部へ基
質をマイクロチューブポンプを用いて強制的に透過さ
せ、反応を行う。
【0013】上記の反応は、菌体を沸騰水浴上で、5〜
20分間加熱することにより、また、菌体にメタノール
を添加することにより、停止させることができる。生成
したガラクトオリゴ糖は、常法に従って、分離および精
製することができる。例えば、反応液にエタノールを添
加して除タンパクを行った後、デカンテーションによっ
て得られる上澄液、または、遠心分離により反応液から
菌体を除去した上澄液から、イオン交換樹脂またはゲル
濾過剤によるカラムクロマトグラフ法、活性炭吸着等に
よりガラクトオリゴ糖を分離および精製することができ
る。あるいはまた、さらに、ANALYTICAL BIOCHEMISTRY
162, 325-329 (1987) に記載のアニリン反応を利用した
ガラクトオリゴ糖の精製方法を用いてもよい。簡単に説
明すると、上記のような上澄液に、糖の含量以上の量の
アニリンおよび酢酸を添加し、80〜100℃で30〜
90分間反応させた後、分液ロート中で水層を酢酸エチ
ルで洗浄する。アルドースはアニリンと反応してシッフ
塩基を形成し、有機溶媒に可溶となるので、酢酸エチル
層に移動するが、ケトースは反応速度が遅いために水層
中に残る。従って、ケトースである式(I) で表されるガ
ラクトオリゴ糖は水層中に残る。水層から酢酸エチルを
蒸発させた後、活性炭を加えて攪拌し、濾過する。濾液
に少量のリン酸二水素ナトリウムを添加して弱アルカリ
性とし、濾液の1/50〜1/10の量の陽イオン交換
樹脂を添加し攪拌した後、濾過により陽イオン交換樹脂
を除き、濾液を酢酸エチルで洗浄して、ガラクトオリゴ
糖を含む水溶液を得ることができる。得られた溶液か
ら、結合しているガラクトースの数が異なるガラクトオ
リゴ糖を高純度で分離精製することができる。
【0014】上記のようにして、o−β−D−ガラクト
ピラノシル−(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノ
シル−(1→4)−D−フラクトース(式(I) 中、nは
1である)およびo−β−D−ガラクトピラノシル−
(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−
D−フラクトース(式(I) 中、nは2である)を得るこ
とができる。これらは、以下のような理化学的性質を有
していることから、上記の物質であることが確認でき
る。 〈o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−o−
β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−フラク
トースの理化学的性質〉 分子量:504 溶解性:水に可溶性であるが、ベンゼン、クロロホル
ム、アセトンに難溶である。
【0015】呈色反応:硝酸銀反応 陰性(−) アンスロン硫酸反応 陽性(+) ニンヒドリン反応 陰性(−) ビュレット反応 陰性(−) 物質の色:乾燥、粉末化したものはいずれも白色を呈す
る。
【0016】NMR:100MHz 13C−NMR JEOL JNM GSX-400または270(日本電子社製) で測定し
た。溶媒はD2O を用い、化学シフトは内部標準物質とし
てTNS に対するppm 値で示した。結果を図1に示す。下
方の標準品(特開昭63−246389に記載の方法に
よって、β−1,4結合ガラクトシルラクトースのアル
カリ異性化によって作製した)のスペクトルと比較し
て、本発明の方法により製造できる三糖のスペクトル
は、73.9ppm に還元末端フルクトース残基のアノマー
由来のシグナルピークの欠落はあるが、シグナルパター
ンは良く一致している。 〈o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−o−
β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−o−β−D
−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクトース
の理化学的性質〉 分子量:666 溶解性:水に可溶性であるが、ベンゼン、クロロホル
ム、アセトンに難溶である。
【0017】呈色反応:硝酸銀反応 陰性(−) アンスロン硫酸反応 陽性(+) ニンヒドリン反応 陰性(−) ビュレット反応 陰性(−) 物質の色:乾燥、粉末化したものはいずれも白色を呈す
る。
【0018】NMR:100MHz 13C−NMR 結果を図2に示す。下方の標準品(特開昭63−246
389に記載の方法において、β−1,4結合ガラクト
シルラクトースに代えて、o−β−D−ガラクトピラノ
シル−(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−
(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−D−グルコースのアルカリ異性化によって作製し
た)のスペクトルと比較して、本発明の方法により製造
できる四糖のスペクトルは、シグナルパターンが良く一
致している。
【0019】式(I) で表されるガラクトオリゴ糖は、ビ
フィズス菌等の特定の腸内細菌を選択的に増殖させるこ
とができるので、便秘改善剤、整腸剤等の医薬品や機能
性食品への利用が期待できる。以下、本発明を実施例に
より具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定
されることはない。
【0020】
【実施例】
〔実施例1〕ラクチュロースとラクトースの混合物
(1:1)を用いたガラクトオリゴ糖の製法。麦芽寒天
培地(日水製薬)で培養し、5℃冷蔵庫中で保存してあ
ったRhodotolura 属のRhodotorula minuta IFO-879を、
同じ麦芽寒天培地で30℃、3日間前培養した。
【0021】脱塩ホエーパウダー(明治乳業から入手)
に水道水を加え5%の濃度とし、これに1N塩酸を添加
してpH5に調整した。この溶液を沸騰水中で20分加熱し
た後、静置し、沈澱したホエータンパクを除去した。こ
れに0.5%ペプトンを加えて、5%ホエー液体培地とし
た。前培養した菌体一白菌耳を1Lの前記液体培地に接
種し、8日間、30℃で振盪培養(120r.p.m.)した。
【0022】5%ホエー液体培地で培養した後、高速冷
凍遠心機(HITACHI SCR20B)を用いて、培養液を10℃、
7000 r.p.m.で、10分間遠心し、沈殿した菌体を回収し
た。回収した菌体に滅菌生理食塩水を添加し、上記と同
じ高速冷凍機を用いて遠心することにより、菌体を洗浄
する処理を2回繰り返した。このようにして得られた湿
菌体を酵素源として以下の反応に使用した。
【0023】湿菌体14.7gにラクトース/ラクチュロー
ス(1:1)(但し、ラクトースは和光純薬一級のもの
を使用し、ラクチュロースは森永乳業から入手した)の
混合基質を16%含有する0.1Mクエン酸−リン酸水素二
ナトリウム緩衝液(pH5)100ml を加えて、60℃で46時
間インキュベートした。菌体沈澱による酵素反応の低下
を防ぐため、スターラーによる反応液の攪拌を行なっ
た。反応停止は、10分間沸水浴上で加熱して酵素を失活
させることにより行なった。培養液の一部をメタノール
と水の混合溶媒(1:1v/v)で適当な濃度に希釈し
た溶液を、市販の薄層プレート(pre-coated Silica Ge
l 60 aluminum sheets; Merk) にスポットし、続いて展
開溶媒(酢酸エチル:酢酸:水=2:1:1)で展開し
た。展開後、ドライヤーで薄層プレートから溶媒を蒸発
させ、5%硫酸−メタノールを噴霧し、120℃で数分
間加熱することにより発色させたところ、単糖類、三糖
類、四糖類および五糖類の糖の生成が確認できた。ま
た、発色させた薄層プレートをコピーし、予め面積計算
を行うように設定したDIGITIZER(GRAPHTEC KD4300)でコ
ピー上の糖スポットを忠実にトレースし、計算された面
積値を換算することにより糖の生成量を算出したとこ
ろ、当初のラクチュロースとラクトースの重量を100
%としたとき、単糖類29%、三糖類28%、四糖類7
%、および五糖類1%であった。
【0024】次いで、高速冷凍遠心機を用いて、残りの
培養液を15℃、7000r.p.m.で、10分間遠心して菌体を除
去し、上澄液を得た。この上澄液をロータリーエバポレ
ーターにより濃縮し、5倍量のエタノールを加え、静置
し、除タンパクを行なった。次いで、デカンテーション
によって、上澄液を得、これを再度濃縮した後、30ml蒸
留水を加え、試料溶液とした。
【0025】上記の試料溶液60mlに、アニリン10mlおよ
び酢酸6ml(モル比1/1)を加え、沸水浴上で1時間
反応させた後、分液ロート中で水層を酢酸エチルで3回
洗浄した。上記と同様にしてTLCで糖の存在を確認し
た後、エバポレーターで水層から酢酸エチルを蒸発さ
せ、次いで活性炭を薬匙大一匙加え、1時間攪拌した。
続いて、濾過を行い、5mlの濾液にリン酸二水素ナトリ
ウム薬匙小一匙加えて弱アルカリ性とした後、陽イオン
交換樹脂( 商品名:Dowex-X2, H+ form、 Dow Chemical
Co.)を薬匙小一匙加えて攪拌した後、酢酸エチルで洗浄
を行ない精製した。
【0026】上記のようにアニリン処理した5mlの試料
溶液を濾紙(Whatman 3MMCHR 40×40cm)にバンド状に
スポットし、続いて展開溶媒(酢酸エチル:酢酸:水=
2:1:1)を用い、展開槽内で三重展開した。展開
後、ケトースに特異的発色試薬のジメドン溶液を噴霧
し、 120℃で10分間加熱発色させたところ、4個のスポ
ットが得られた。次に濾紙を各スポット毎に細片に切断
し、蒸留水で一夜抽出し、抽出液を濾過した後、濾液を
濃縮した。
【0027】その結果、190mg(収率14%)のo
−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−o−β−
D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクトー
スおよび40mg(収率3%)のo−β−D−ガラクト
ピラノシル−(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノ
シル−(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−
(1→4)−D−フラクトースが得られた。尚、各生成
糖の構造解析は、JEO;JUN GSX-400または270 (日本電
子)を用いた13C−NMRにより行った。o−β−D−
ガラクトピラノシル−(1→4)−o−β−D−ガラク
トピラノシル−(1→4)−D−フラクトースおよびo
−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−o−β−
D−ガラクトピラノシル−(1→4)−o−β−D−ガ
ラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクトースの13
C−NMRスペクトルは、それぞれ、図1および2の上
方に示した。
【0028】〔実施例2〕バイオリアクターを用いたガ
ラクトオリゴ糖の製法。図3に示す装置を用いて、ガラ
クトオリゴ糖の製造を行った。実施例1と同様の方法で
得られた湿菌体53.5gを、8%ラクトース(和光純薬一
級)と8%ラクチュロース(森永乳業から入手)とを含
むpH5の0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液400ml に懸濁さ
せた後、菌体懸濁液を医療用の赤血球除去用のディスポ
ホロファイバー(Duo-Flux-HF, CD Medical)に添加する
ことにより、菌体を該ファイバーに固定化した。60℃の
恒温槽中において、マイクロチューブポンプ(EYELA)を
用い、ホロファイバー内部に8%ラクトースと8%ラク
チュロースとを含むpH5の0.1Mクエン酸−リン酸緩衝
液を流速毎分0.83mlで強制的に透過させることにより、
14時間反応を行なった。反応液をTLCで分析したとこ
ろ、三転移糖が16g(収率25%)および四転移糖が
4g(収率6%)生成していることが確認された。この
結果は、本発明により、バイオリアクターシステムによ
るガラクトオリゴ糖の連続生産が可能であることを証明
している。連続生産が可能となることにより、ガラクト
オリゴ糖の大量生産、供給が可能になり、医薬原料、食
品用途へのより一層の拡大が行なわれることが期待でき
る。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法により製造される式(I) で
表されるガラクトオリゴ糖は、ビフィズス菌等の特定の
腸内細菌を選択的に増殖させることができるので、本発
明により、便秘改善剤、整腸剤等の医薬品や機能性食品
への利用が期待できるガラクトオリゴ糖を提供すること
ができた。また、本発明により、上記のようなガラクト
オリゴ糖の新規な製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、o−β−D−ガラクトピラノシル−
(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−D−フラクトースの13C−NMRスペクトルを示
す図である。上方には、本発明の方法により製造された
上記の三糖のスペクトルを、下方には、上記の三糖の標
準品のスペクトルを示した。
【図2】図2は、o−β−D−ガラクトピラノシル−
(1→4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−o−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−
D−フラクトースの13C−NMRスペクトルを示す図で
ある。上方には、本発明の方法により製造された上記の
四糖のスペクトルを、下方には、上記の四糖の標準品の
スペクトルを示した。
【図3】図3は、本発明の製造方法に用いることができ
るバイオリアクター装置の概念図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクチュロースとラクトースとの混合物
    に、ロドトルラ(Rhodotolura ) 属に属しラクチュロー
    スから式(I) で表されるガラクトオリゴ糖を生成する能
    力を有する酵母またはその菌体処理物を作用させて式
    (I) で表されるガラクトオリゴ糖を製造することを特徴
    とするガラクトオリゴ糖の製造方法。 【化1】 (式中、nは1〜2の整数である)
  2. 【請求項2】 ロドトルラ(Rhodotolura ) 属に属する
    酵母が ロドトルラ・マイニュータ(Rhodotolura minu
    ta)である、請求項1記載のガラクトオリゴ糖の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ロドトルラ・マイニュータ(Rhodotolur
    a minuta)がロドトルラ・マイニュータ IFO 879であ
    る、請求項2記載のガラクトオリゴ糖の製造方法。
JP1663894A 1994-02-10 1994-02-10 ガラクトオリゴ糖の製造方法 Pending JPH07222594A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1663894A JPH07222594A (ja) 1994-02-10 1994-02-10 ガラクトオリゴ糖の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1663894A JPH07222594A (ja) 1994-02-10 1994-02-10 ガラクトオリゴ糖の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07222594A true JPH07222594A (ja) 1995-08-22

Family

ID=11921910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1663894A Pending JPH07222594A (ja) 1994-02-10 1994-02-10 ガラクトオリゴ糖の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07222594A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012115390A3 (ko) * 2011-02-23 2012-12-06 건국대학교 산학협력단 셀로비오스 2-에피머레이즈 또는 엔아세틸 글루코사민 2-에피머레이즈를 이용한 유당으로부터 락툴로스의 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012115390A3 (ko) * 2011-02-23 2012-12-06 건국대학교 산학협력단 셀로비오스 2-에피머레이즈 또는 엔아세틸 글루코사민 2-에피머레이즈를 이용한 유당으로부터 락툴로스의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5953834B2 (ja) ビフイズス菌増殖促進物質
JP2852206B2 (ja) 液状食品素材の製造方法
JPS59140894A (ja) 1―0―α―D―グルコピラノシド―D―フルクトースの製造方法
IE51455B1 (en) A process for the production of isomaltulose(6-0-alpha-d-glucopyranosido-d-fructose)using imobilized microorganisms
KR20050105933A (ko) 디프룩토오스-디안히드리드 ⅲ 의 정제 방법
JPH07222594A (ja) ガラクトオリゴ糖の製造方法
US20240102062A1 (en) Method for producing tagatose by immobilized multi-enzyme system
JP3252927B2 (ja) レバンサッカラーゼ酵素、その製造方法、それを産生する微生物およびそれを含む組成物
JPH02252701A (ja) 新規環状イヌロオリゴ糖およびその製造法
JPH06284896A (ja) ポリフェノール配糖体の製造法
JP2749217B2 (ja) トレハルロースおよびパラチノースの製造法
JPS6120268B2 (ja)
JPH0253033B2 (ja)
JPH01174395A (ja) 固定化酵素膜を用いたフラクトオリゴ糖を含有する甘味料の製造法
JPH04200386A (ja) β―フラクトフラノシダーゼ及びその製造方法
KR860000373B1 (ko) 소르비톨(Sorbitol)과 만니톨(Mannitol)을 함유한 감미료(甘味料)의 제조법
JP2664586B2 (ja) ポリフェノール配糖体合成能を有する酵素
JPH0481432B2 (ja)
JP2927845B2 (ja) オリゴ糖組成物及びその製造法
JP2806969B2 (ja) ビフィドバクテリウム菌の増殖促進性組成物及びその製造法
JPH11155564A (ja) β−DFAの製造方法および使用酵素
JPH07274991A (ja) デキストランの製造法
JPS601879B2 (ja) 固定化酵素による反応物の製造方法
JP3883658B2 (ja) 新規フラクタンおよびその製造方法
KR100362520B1 (ko) 베타-시클로덱스트린 가수분해효소를 생산하는 신균주 및이를 이용한 콜레스테롤의 생산방법

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02