JPH07220259A - 磁気ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録再生側Ｉ型コア又は消去側Ｉ型コアのジ
ンバル当接面をジンバルの基準穴に当接するだけで、記
録再生ギャップをジンバルの所定位置に配置することが
できるので、互換性，信頼性に優れ、また微調整工程を
省略することができ、不良率も大幅に減少させ著しく歩
留りを向上させることができる生産性に優れた磁気ヘッ
ドの提供を目的とする。 【構成】 Ｃ型コア１，４とテーパ状に形成されたＩ型
コア２，５が接合された磁気ヘッドコアを有する磁気ヘ
ッドであって、前記Ｉ型コア２，５の長手方向に平行な
ジンバル当接面８が形成されている構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフロッピィディスクドラ
イブ（以下、ＦＤＤと略す）装置等に用いられる磁気ヘ
ッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＦＤＤ装置は高容量化が進み、特
に３．５インチＦＤＤ装置では２ＭＢの容量を越える装
置が次々と発表され、４ＭＢのＦＤＤ装置は次世代の主
流機として期待されている。

【０００３】以下に従来の磁気ヘッドについて、図面を
参照しながら説明する。図７は従来の一般的な磁気ヘッ
ドにおける磁気ヘッドコアの要部斜視図である。１は記
録再生ヘッドを構成するＣ型コア、２は記録再生ヘッド
を構成するＩ型コア、３はＣ型コア１とＩ型コア２によ
り形成される記録再生ギャップである。４は消去ヘッド
を構成するＣ型コア、５は消去ヘッドを構成するＩ型コ
ア、６はＣ型コア４とＩ型コア５により形成される消去
ギャップ、７は記録再生ヘッドと消去ヘッドとを磁気的
に分離するためのガラス，セラミック及び樹脂等からな
る非磁性体であり、これらはセラミックスライダーで挟
持され、フロッピィディスク媒体の半径方向及び円周方
向に自在運動するジルバルの所定位置に接着固定され
る。

【０００４】以上のように構成された磁気ヘッドについ
て、以下その動作を説明する。記録動作時には、消去ヘ
ッドと記録再生ヘッドがほぼ同時に動作し、まず記録再
生ヘッドに先行する消去ヘッドが、消去ギャップ６より
漏洩した直流消去磁界により媒体の磁化の向きを一様に
一方向にすることで消去を行う。次に、記録再生ヘッド
が、記録再生ギャップ３より漏洩する入力信号に応じた
交流記録磁界により、先行する消去ヘッドにより消去さ
れた媒体に所定の磁化を残留させていくことで記録を行
う。

【０００５】一方、再生動作時には、消去ヘッドは作用
せず、記録再生ヘッドにより記録された媒体の残留磁化
により発生する媒体表面磁束が、記録再生ヘッドのＣ型
コア１，Ｉ型コア２に流入することで再生が行われる。
しかし、記録再生ギャップ３と消去ギャップ６との距離
は、高記録密度化に伴い極小化され、媒体フォーマット
上の制約によりその上限値が０．２１mmと定められてい
るため、必然的に記録再生ヘッドのＩ型コア２及び消去
ヘッドのＩ型コア５を薄くする必要が生じる。このた
め、Ｉ型コア２，５が飽和し易くなり、記録再生特性及
び消去特性が劣化するという問題点を有していた。

【０００６】そこで、これらの問題点を解決するため種
々検討された結果、図８，９に示すような、記録再生ヘ
ッドのＩ型コア２及び消去ヘッドのＩ型コア５をテーパ
構造とし、両コアの断面積を大きくして記録再生ギャッ
プ３と消去ギャップ６との距離を変えることなくコア効
率を向上させ、記録再生特性及び消去特性を向上させた
磁気ヘッドが開発されている。

【０００７】図８は従来の一般的な磁気ヘッドコアのＩ
型コアをテーパ構造にした磁気ヘッドの要部斜視図であ
り、図９は従来の磁気ヘッドにおける磁気ヘッドコアの
要部側面図である。８はＩ型コア２，５にテーパ状に形
成されたジンバルに当接するためのジンバル当接面であ
る。記録再生ギャップ３はジンバルの正確な位置に配置
されなければ、アジマス損失により他のＦＤＤ装置との
互換性がとれないことになる。通常Ｉ型コア２もしくは
５のテーパ部分をジンバルの基準穴に当てつけることに
より、記録再生ギャップ３がジンバルの正確な位置に配
置されるようなアッセンブリ方法をとっている。従っ
て、非磁性体７から記録再生ギャップ３までの距離だけ
でなく、非磁性体７からＩ型コア２もしくは５のジンバ
ル当接面８までの距離も正確に加工もしくはラップされ
ていなければならない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、実際には非磁性体７から記録再生ギャップ
３までの距離を正確に出すような加工もしくはラップを
しているため、非磁性体７からジンバル当接面８までの
距離の精度が悪くなり、アジマス損失により他のＦＤＤ
装置との互換性が取れなくなるという問題点を有してい
た。また、磁気ヘッドをジンバルにアッセンブリした
時、記録再生ギャップ３がジンバルの正確な位置にこな
い場合は、光学顕微鏡で微調整する必要があり、生産工
数を増大させるとともに微調整できない場合には不良率
が増大し歩留りが悪く生産性に欠けるという問題点があ
った。

【０００９】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、記録再生側Ｉ型コア又は消去側Ｉ型コアのジンバル
当接面をジンバルの基準穴に当接するだけで、記録再生
ギャップをジンバルの所定位置に配置することができる
ので、互換性，信頼性に優れ、また微調整工程を省略す
ることができ、不良率も大幅に減少させ著しく歩留りを
向上させることができる生産性に優れた磁気ヘッドを提
供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の磁気ヘッドは、Ｃ型コアとテーパ状に形成さ
れたＩ型コアが接合された磁気ヘッドコアを有する磁気
ヘッドであって、前記Ｉ型コアの長手方向に平行なジン
バル当接面が形成された構成を有している。

【００１１】ここで、ジンバル当接面はＩ型コアのジン
バルの基準穴が当接する部分にＩ型コアの長手方向と平
行に形成されていればよく、Ｉ型コアのテーパ部に段差
状や凹状又は凸状に形成してもよい。ジンバルの基準穴
が当接する部分のみを平行に形成することで、コアの断
面積を大きくでき、コア効率を向上させることができ
る。

【００１２】

【作用】この構成によって、記録再生側Ｉ型コア又は消
去側Ｉ型コアにＩ型コアの長手方向に平行なジンバル当
接面が形成されているので、ジンバルの基準穴にこのジ
ンバル当接面に当接するだけで、記録再生ギャップをジ
ンバルの所定位置に配置することができ、他のＦＤＤ装
置との互換性を向上させることができ、また、光学顕微
鏡等で微調整工程をする必要がないので、生産性を向上
させることができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図１は本発明の一実施例における
磁気ヘッドの磁気ヘッドコアの要部斜視図であり、図２
は本発明の一実施例における磁気ヘッドの磁気ヘッドコ
アの要部側面図である。１はＣ型コア、２はＩ型コア、
３は記録再生ギャップ、４はＣ型コア、５はＩ型コア、
６は消去ギャップ、７は非磁性体であり、これらは従来
例と同様なものなので同一の符号を付し説明を省略す
る。８はＩ型コア２及びＩ型コア５のテーパ部の一部を
Ｉ型コア２，５の長手方向と平行に加工されたジンバル
当接面である。ここで、非磁性体７から記録再生ギャッ
プ３までの距離は所定位置で仕上がっているため、ジン
バル当接面８は非磁性体７からの寸法がある一定の値と
なるように加工されている。即ち、ジンバル当接面８を
ジンバルの基準穴に当てつけることにより、記録再生ギ
ャップ３がジンバルの所定位置に配置されるような寸法
でＩ型コア２及び５が加工されている。

【００１４】以上のように構成された本発明の磁気ヘッ
ドについて、以下その動作について説明する。記録動作
時には、消去ヘッドと記録再生ヘッドがほぼ同時に動作
し、まず記録再生ヘッドに先行する消去ヘッドが、消去
ギャップ６より漏洩した直流消去磁界により媒体の磁化
の向きを一様に一方向にすることで消去を行う。

【００１５】次に記録再生ヘッドが、記録再生ギャップ
３より漏洩する入力信号に応じた交流記録磁界により、
先行する消去磁気ヘッドにより消去された媒体に所定の
磁化を残留させていくことで記録を行う。

【００１６】一方、再生動作時には、消去ヘッドは作用
せず、前記記録再生ヘッドにより記録された媒体の残留
磁化により発生する媒体表面磁束が、記録再生ヘッドの
Ｃ型コア１，Ｉ型コア２に流入することで再生が行われ
る。

【００１７】以上のように構成された磁気ヘッドについ
て、以下、その製造方法を説明する。図３は本発明の一
実施例における磁気ヘッドの磁気ヘッドコアのスライダ
ー取付工程を示す要部斜視図であり、図４は本発明の一
実施例における磁気ヘッドのジンバル取付工程を示す要
部断面図であり、図５は本発明の一実施例における磁気
ヘッドの磁気ヘッドコアをジンバルの基準穴に当接した
状態の底面図である。９，１０はセラミックス製のスラ
イダー、１１はジンバル、１２はジンバル１１に形成さ
れた基準穴である。

【００１８】まず、記録再生ヘッドのＣ型コア１，消去
ヘッドのＣ型コア４及び記録再生ヘッドのＩ型コア２，
非磁性体７，消去ヘッドのＩ型コア５からなるコア足３
本をジンバルの基準穴１２に挿入する。

【００１９】次に、記録再生ヘッドのＣ型コア１，消去
ヘッドのＣ型コア４の側面をジンバル１１の基準穴１２
の壁面に当て付け、Ｙ方向の位置を決定する。

【００２０】更に、上記状態のまま、Ｘ方向に磁気ヘッ
ドをずらし、ジンバル１１の基準穴１２にジンバル当接
面８を当て付け、接着剤で固定する。

【００２１】以上説明したような方法であれば、光学顕
微鏡等を用いることなくジンバル１１の所定位置に磁気
ヘッドのギャップを配置させることができる。

【００２２】以上のように本実施例によれば、テーパ部
を有するＩ型コアの記録再生ギャップ側及び消去ギャッ
プ側にＩ型コアの長手方向と平行なジンバル当接面を備
えることにより、記録再生ギャップをジンバルの所定位
置に正しく配置することができ、互換性、信頼性に優れ
るとともに、微調整工程を省略でき歩留り、及び生産性
を向上させることができる。

【００２３】尚、本実施例において、ジンバル当接面８
はＩ型コアのテーパ部の端部に平行に形成したが、図６
（ａ）〜（ｃ）に示すように段差状，凹状，又は凸状に
形成してもよい。図６（ａ）は本発明の一実施例におけ
る磁気ヘッドのジンバル当接面が段差状に形成された磁
気ヘッドの要部断面図であり、図６（ｂ）は本発明の一
実施例における磁気ヘッドのジンバル当接面が凸状に形
成された磁気ヘッドの要部断面図であり、図６（ｃ）は
本発明の一実施例における磁気ヘッドのジンバル当接面
が凹状に形成された磁気ヘッドの要部断面図である。８
ｂ，８ｃ，８ｄはジンバル当接面であり、これらはいず
れもＩ型コアの長手方向に平行に形成されている。

【００２４】

【発明の効果】以上の本発明は、テーパ構造を持つ記録
再生側Ｉ型コア及び消去側Ｉ型コアに、Ｉ型コアの長手
方向に平行なジンバル当接面を設けることにより、この
シンバル当接面をジンバルの基準穴に当て付けるだけ
で、記録再生ギャップをジンバルの所定位置に正確に配
置することができるため、信頼性，互換性に優れた磁気
ヘッド及び光学顕微鏡での微調整工程を省略することが
でき、不良率も大幅に減少させ著しく歩留りを向上させ
ることができる生産性に優れた磁気ヘッドを実現できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における磁気ヘッドの磁気ヘ
ッドコアの要部斜視図

【図２】本発明の一実施例における磁気ヘッドの磁気ヘ
ッドコアの要部側面図

【図３】本発明の一実施例における磁気ヘッドの磁気ヘ
ッドコアのスライダー取付工程を示す要部斜視図

【図４】本発明の一実施例における磁気ヘッドのジンバ
ル取付工程を示す要部断面図

【図５】本発明の一実施例における磁気ヘッドの磁気ヘ
ッドコアをジンバルの基準穴に当接した状態の底面図

【図６】（ａ）は本発明の一実施例における磁気ヘッド
のジンバル当接面が段差状に形成された磁気ヘッドの要
部断面図 （ｂ）は本発明の一実施例における磁気ヘッドのジンバ
ル当接面が凸状に形成された磁気ヘッドの要部断面図 （ｃ）は本発明の一実施例における磁気ヘッドのジンバ
ル当接面が凹状に形成された磁気ヘッドの要部断面図

【図７】従来の一般的な磁気ヘッドにおける磁気ヘッド
コアの要部斜視図

【図８】従来の一般的な磁気ヘッドにおける磁気ヘッド
コアのＩ型コアをテーパ構造とした要部斜視図

【図９】従来の磁気ヘッドにおける磁気ヘッドコアの要
部側面図

【符号の説明】

１，４ Ｃ型コア ２，５ Ｉ型コア ３ 記録再生ギャップ ６ 消去ギャップ ７ 非磁性体 ８，８ｂ，８ｃ，８ｄ ジンバル当接面 ９，１０ スライダー １１ ジンバル １２ 基準穴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｃ型コアとテーパ状に形成されたＩ型コア
   が接合された磁気ヘッドコアを有する磁気ヘッドであっ
   て、前記Ｉ型コアの長手方向に平行なジンバル当接面が
   形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。