JPH07218705A - 光拡散フィルム - Google Patents
光拡散フィルムInfo
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- JPH07218705A JPH07218705A JP6032039A JP3203994A JPH07218705A JP H07218705 A JPH07218705 A JP H07218705A JP 6032039 A JP6032039 A JP 6032039A JP 3203994 A JP3203994 A JP 3203994A JP H07218705 A JPH07218705 A JP H07218705A
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Abstract
で、これまでより全光線透過性及び光拡散性がハイレベ
ルでバランスがとれている、薄型のバックライト拡散フ
ィルムの提供を目的とする。 【構成】光透過性樹脂8の単体あるいは混合体100重
量部に対して該光透過性樹脂の単体あるいは混合体との
屈折率が0.01〜0.15異なり、且つ平均粒子径が
1〜50μmであるアクリル系粒子9を50〜500重
量部配合分散した組成物をポリエチレンテレフタレート
あるいはポリカーボネートのフィルム基材7の片面ない
しは両面にコーティング層10を形成し、前記基材7の
片面ないしは両面にエンボスあるいはサンドブラスト処
理面11を設け、前記組成物をコーティングした面と異
なる面に無機フィラー入りマットコーティング層12を
設ける。
Description
し、特に液晶表示のバックライト用に適する光拡散フィ
ルムに関するものである。
板としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等の光透過性樹脂の表面に凹凸を形成する
ことによって得られている。しかしながらこれらの処理
の光拡散フィルムだけでは最近の液晶表示に適したバラ
ンスのとれた光透過性、光拡散性を得ることは困難であ
った。また一方で光拡散フィルムとしてポリメチルメタ
クリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等に光拡散剤を
分散することにより得ることもなされている。光拡散剤
としては、炭酸カルシウムを用いたものとして特開昭5
0−146646号公報、特開昭60−175303号
公報、特開昭61−4762号公報、特開平3−787
01号公報が、真珠顔料を用いるものとして特開昭55
−84975が、ポリスチレン粒子を用いるものとして
特開昭56−33677が、シリコーン樹脂粒子を用い
るものとして特開平1−172801が、シリカ粒子を
用いるものとして特開平2−173701が、屈折率と
拡散剤の粒子径を特定した架橋有機ポリマーを使用する
ものとして特開昭63−291002と数多く提案され
ている。しかるに、本願で提案するアクリル粒子を光拡
散剤として使用するものは提案されていない。上記光拡
散板は主に従来のバックライトの蛍光管が液晶パネルの
直下にある直視型の液晶ディスプレイあるいは投影型の
液晶ディスプレイの光拡散板として提案されたものがほ
とんどである。前記特開平1−172801には、光拡
散剤にシリコーン樹脂粒子を用いて光透過性樹脂中に配
合分散させた組成物をフィルム基材に塗布した光拡散フ
ィルムが提案されている。
イへの要求として高輝度化、薄型化が強く望まれてお
り、薄型化への対応として、バックライトの蛍光管を液
晶パネルの直下ではなく、パネルの辺に沿って配置し、
導光板おとび反射板で均一に照らす導光板方式が増加す
る傾向にある。しかしながら、導光板方式はパネル直下
型に比べ光の利用効率が悪く暗いという欠点がある。従
って、導光板方式のバックライトに使用する光拡散フィ
ルムとしては、より一層の高輝度が要求される。しかる
に、前記従来の技術の光透過性樹脂中に光拡散剤を配合
分散させた光拡散板では、支持体が無いために厚さを一
定以下に薄くすることができないことや、輝度が低下し
てしまう等の問題が有り使用することができない。前述
の特開平1−172801に提案されているシリコーン
樹脂粒子を光拡散剤として配合分散させた組成物をフィ
ルム基材に塗布したものは光学特性や耐候性が劣るとい
う問題がある。本発明の目的は、はかかる問題点を克服
し、光透過性と光拡散性が高いレベルでバランスのとれ
た光拡散フィルムを提供することを目的とする。
せんと鋭意研究を行った結果、一定範囲の粒径を有する
アクリル系粒子を一定範囲内の適合量で光透過性樹脂中
に配合分散した組成物をフィルム基材上に塗布すること
により上記目的を達成できることを見いだした。さらに
バインダーである光透過性樹脂に光拡散フィルムの基材
に最も良く使用されるポリエチレンテレフタレートやポ
リカーボネート等のフィルムとの接着が良好で、コーテ
ィング適性や耐候性に優れ、さらにアクリル系粒子との
濡れ性や屈折率の差の制御が良好なポリエステル重合体
を使用することで光透過性、光拡散性が良好にバランス
がとれた光拡散フィルムが得られることを見いだし発明
に至ったものである。その手段は次のとおりである。 (1)本願第1の発明は、光透過性樹脂の単体あるいは
混合体100重量部に対して該光透過性樹脂の単体ある
いは混合体との屈折率が0.01〜0.15異なり、且
つ平均粒子径(ここでいう平均粒子径とは、粒子体積の
累計をプロットした積分曲線において、体積累計50%
に対応する粒子径をさすものであり、コールターカウン
ター等の装置を用いて求められる。)が1〜50μmで
あるアクリル系粒子を50〜500重量部配合分散した
組成物を基材上に片面ないしは両面にコーティング層を
構成したことを特徴とする光拡散フィルム。 (2)本願第2の発明は前記光透過性樹脂がポリエステ
ル系樹脂であることを特徴とする光拡散フィルム。 (3)本願第3の発明は、前記光透過性樹脂の単体ある
いは混合体において、該光透過性樹脂100重量部に対
して硬化剤を10重量部以下配合したことを特徴とする
光拡散フィルム。 (4)本願第4の発明は、前記光透過性樹脂の単体ある
いは混合体に前記アクリル系粒子を配合した組成物のコ
ート層において、帯電防止剤をその組成物中に練り込み
ないしは表面にコーティングしたことを特徴とする光拡
散フィルム。 (5)本願第5の発明は、前記基材の片面ないしは両面
にエンボス処理があることを特徴とする光拡散フィル
ム。 (6)本願第6の発明は、前記基材の片面ないしは両面
にサンドブラスト処理があることを特徴とする光拡散フ
ィルム。 (7)本願第7の発明は、前記基材がポリエチレンテレ
フタレートであることをを特徴とする光拡散フィルム。 (8)本願第9の発明は、前記基材がポリカーボネート
であることをを特徴とする光拡散フィルム。 (9)本願第9の発明は、前記基材において、本願第1
の発明となる組成物をコーティングした面と異なる面に
光透過性樹脂の単体ないしは混合体100重量部に無機
フィラーを0.5〜5重量部分散させた組成物をコーテ
ィングした背面コート層を構成したことを特徴とする光
拡散フィルム。 (10)本願第10の発明は、前記背面コート層におい
て、帯電防止剤を該背面コート層中に練り込みないしは
表面にコーティングしたことを特徴とする光拡散フィル
ム。
ヘイズが85%以上のバランスのとれた良好な光透過
性、光拡散性のある光拡散フィルムが得られる。
近年の液晶ディスプレー装置の概念図である。バックラ
イト蛍光管1から照射された光は導光板2とその背後に
ある反射板3で前方(図では右方向)に送られ、該導光
板2上に置かれた光拡散フィルム4により拡散されて、
2枚の偏光板5および液晶パネル6を透過する。図2は
本発明による光拡散フィルム4の断面図であり層構成を
示している。図2(a)は、基材7の片面または両面に
光透過性樹脂8にアクリル系粒子9を分散させた光拡散
層10を有する光拡散フィルムを示しており、請求項
1、2、3、4、7、8に関するものである。図2
(b)は、基材7の前記光拡散層10のない側をエンボ
スあるいはサンドブラスト処理によって荒らした場合を
示している。図2(c)は、基材7の前記光拡散層10
のない側に無機質フィラー13をバインダー樹脂14に
分散したマットコーティング層12を設けた場合を示し
ており、請求項9、10に関するものである。
は、アクリル系粒子9による光拡散層のバインダーとし
て、例えばポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ酢酸
ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ
系樹脂、セルローズ系樹脂、オルガノシロキサン系樹
脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリアリ
レート系樹脂等が使用できる。この中でも、アクリル系
粒子9との屈折率差の制御性、濡れ性や基材7との接着
性あるいは樹脂自体の耐擦傷性、耐光性、透明性などの
点から、ポリエステル系樹脂が特に望ましい。
粒子9としては、メタクリレート重合体、代表的な例と
してメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が、又
アクリレート重合体、代表的な例としてメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート等
が、芳香族ビニルモノマーとしてスチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等がさ
らに架橋性モノマーとしてはアリルメタクリレート、ト
リアリルシアヌレート等を重合させることによって得ら
れる平均粒子径1〜50μmのポリマーであり、望まし
くは平均粒子径3〜10μmのポリマーであり、これら
のアクリル系粒子9は単独もしくは2種類以上の組み合
わせで用いても良い。なお、本発明の目的を達成する範
囲内において商品価値を高めるために光安定剤、熱安定
剤、帯電防止剤、その他の添加剤を別に添加配合しても
良い。
光性、コーティング適性からポリカーボネートないしは
ポリエチレンテレフタレートを使用することが望まし
く、またバックライトの導光板2と密着するとニュート
ンリングが発生し輝度ムラの原因になる場合があるた
め、基材7の光拡散層10のある面と異なる面ないしは
両面にエンボス、サンドブラスト処理あるいは炭酸カル
シウム、シリカ等の無機質フィラー13をポリエステル
系あるいはアクリル系樹脂に分散させたマットコート層
12を設ける等で凹凸を形成し導光板2との密着を防止
することが望ましく、さらにこのマット処理により基材
7での光の反射を防止する効果があればなお良い。基材
の厚みについては取扱い易さの点から50〜200μm
が望ましい。
ル系粒子9を光透過性樹脂8に分散した組成物の基材上
へのコーティングはディピング法、カーテンフロー法、
ロールコート法、ナイフコート法等が使用できるが、前
記組成物の粘度、目的とする皮膜厚さ、基材の表面状態
等を勘案して最適なものを選んで行う。
するが、先ず本発明による光拡散フィルムの評価法につ
いて説明する。 (1)光学特性評価 幅3cm,長さ6cmのサンプルをスガ試験機(株)製
SM−5SMカラーコンピューターによって全光線透過
率及びヘイズについて測定し、従来の光拡散板より明る
い為の条件として全光線透過率は90%以上を、また導
光板上にある面内の輝度の分布を均一にする為の白イン
キのドット等が光拡散フィルムを二枚重ねた時に目立た
なくする為の条件としてヘイズについては85%以上の
ものを良品と判定した。 (2)接着性評価 基材とコーティング層との接着性の評価は碁盤目試験
(JIS K5400)を行い、さらにその上からテー
プ剥離試験を行って良否を判定した。 (3)ブロッキング評価 光拡散層と基材または背面コート層とのブロッキングの
評価は、サンプルサイズ5cm×5cmでブロッキング
試験機を使用し、圧力条件3.0Kgf/cm2 ,試験
面積3cmφ、湿温度条件40℃、90%RH,30時
間で行い、評価はブロッキングの状態を目視で判断し
た。 (4)表面及び断面観察 表面の凹凸形状及び断面形状は、日本電子(株)製走査
型電子顕微鏡JSM−5300による観察と(株)小坂
研究所三次元形状粗さ測定器SEF−10K・AY22
によって表面粗さの評価を行った。 (5)高温高湿試験 高温高湿試験はデシケーター中で調湿方法をグリセリン
調湿法(水52mlにグリセリン28ml約35%溶
液)で、設定温度60℃、設定湿度90%RH,120
0時間の試験条件でサンプル形状21cm×8cmで行
った。評価は光拡散フィルムのカール、コーティング層
の剥離等の外観を目視で、光学特性については前述した
方法により評価を行った。 (6)耐光試験 耐光試験は、スガ試験機(株)製キセノンロングライフ
ウェザーメーターWEL−25AX−HC−BEc・L
によりキセノンランプで320W/m2 ×500時間=
560000KJ/m2 、設定温度65℃、設定湿度5
0%RHの条件でサンプル形状7×12cm(照射面積
4.5cm×5.5cm)で行った。評価は、黄変度評
価法(JIS K7103)に沿ってスガ試験機(株)
製SMカラーコンピューターTM式2光路眩防止光学系
SM−5−1S−2Bで反射法により測定径φ3cmで
あて板(x,y,z=1.6,1.6,2.1)を使用
して行った。 (7)表面抵抗測定 表面抵抗値の測定は、三菱油化(株)HirestaH
T−210を使用し、測定条件25℃、55%RHで行
った。
チレンテレフタレートフィルムのヘイズの異なる帝人
(株)製O,HS,Sタイプ及びアイ・シー・アイ・ジ
ャパン(株)製MX−770,MX−516タイプを使
用した。基材の種類や厚みによる差は認められるものの
若干の差であり使用した基材は全て十分に使用に耐えう
るが、特に100μmPETフィルム帝人(株)製HS
タイプとアイ・シー・アイ・ジャパン(株)製MX−5
16タイプを使用するのが望ましい。背面のマット処理
品として実施例4、5に示したようにサンドブラスト処
理を片面に施した帝人(株)製PSタイプや片面にマッ
トコーティング層を設けた帝人(株)製ケミカルマット
フィルムを使用したが、実施例6に示したように後述す
るマットインキを帝人(株)製HSタイプにコーティン
グした基材を使用するのがより望ましい。
として静防PETである帝人(株)製HMWタイプとア
イ・シー・アイ・ジャパン(株)製MX−539タイプ
を使用した。 光拡散層インキのバインダーは、ポリ
エステル樹脂(例えば東洋紡(株)製バイロン200)
を用いた。硬化剤は使用しない場合においても充分使用
に耐えるが、より耐スクラッチ性を向上させるためには
前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、イソシア
ネート系XEL硬化剤(ザ・インクテック(株)製)を
0〜10重量部使用することが望ましく、特に望ましく
は前記ポリエステル樹脂100重量部に対してXEL硬
化剤2.7重量部である。しかし前記ポリエステル10
0重量部に対しXEL硬化剤を10重量部以上使用する
と比較例5と実施例1の比較から全光線透過率が減少す
る傾向が認められた。
及びMRシリーズ(粒子径0.1〜90μm)と積水化
成品工業(株)製MBXシリーズ(粒子径5〜100μ
m)と総研化学(株)製MR−7HG(平均粒子径6.
0μm)を用いた時がもっとも良い結果を得、その時の
ビーズの粒度分布を表3と図4に示す。前記のポリエス
テル樹脂100重量部中アクリル系粒子を50〜500
重量部配合分散するが、比較例1、2及び実施例1、
2、3の比較から前記ポリエステル樹脂100重量部に
対して光拡散剤が50重量部以下のものではヘイズが低
下してしまい、500重量部以上のものではヘイズ、全
光線透過率が小さくなる。
50μmの範囲が望ましく、比較例3、4及び実施例1
に示すように1μm以下では全光線透過率が悪く、逆に
50μm以上ではヘイズが小さい傾向を示す。前記ポリ
エステル樹脂とアクリル粒子の屈折率は0.01〜0.
15の範囲が望ましく、屈折率差が0.15あるいは
0.01以下では光学特性が不良であった。本発明にお
いて、特に前記ポリエステル樹脂とアクリル粒子の屈折
率を調整しない場合は前記ポリエステル樹脂の屈折率が
1.55、アクリル粒子が1.49であり屈折率差は
0.06であった。
施例6、7に示すように前述の光拡散層及び後述の背面
マット層それぞれに静電防止剤を練り込みないしコーテ
ィングした。使用した静電防止剤は、日本油脂(株)製
エレガンTOF−1100TM、エレガンTOF−11
00,瀧原産業(株)製スタチサイド、松本油脂(株)
製TB−128,TB−35、花王(株)製エレクトロ
ストリッパーQNまたはEA,日本純薬(株)製ジュリ
マーSTP−502、三菱油化(株)サフトマーTM−
2000を表面抵抗値が1011〜1012Ω/□になるよ
うに添加ないしはコーティングを行った。特にエレガン
TOF−1100TMを添加量20%以下で練り込んで
使用するのが最も望ましい。またバインダーに対してビ
ーズないしはフィラーが特に多い場合は、インキの長期
保存性を高めるために沈降防止剤を添加したが特性への
添加による影響は認められなかった。
ティングはロールコート方式で行ったが特にコーティン
グ面の安定性から3本リバースコーティングが望まし
い。希釈溶剤にはトルエン/MEKを1/1の比で用
い、インキの固形分は約30〜40%に調整した。コー
ティング後、乾燥炉にて熱風乾燥した後に50℃、48
時間エージングを行いコーティング層の硬化を行った。
乾燥後のコーティング層の厚みは約20μmであるがコ
ーティング後のコーティング表面と断面を走査型電子顕
微鏡により観察するとバインダーに対するアクリル粒子
の割合(P/V比)が大きいと光拡散層中に気泡が認め
られヘイズは大きいが全光線透過率が低く輝度も低い傾
向にあり、逆にP/V比が小さいと表面の凹凸が小さく
全光線透過率は大きいがヘイズは小さく輝度も小さい傾
向にある。表面の形状はビーズとバインダーによる凹凸
が大きく表面積が大きいもので、且つ光拡散層中に気泡
が無いものほど輝度が高く良好な特性を示す。又ビーズ
はバインダーで覆われており存在しているものの方がよ
り良好な輝度を示す傾向がある。例えば表面の凹凸によ
る輝度への影響として三次元形状粗さ測定器での測定で
は輝度が大きい光拡散フィルムの表面粗さは、中心線平
均粗さRa=2μm、最大高さRt=18μm、十点平
均粗さRz=16μm、中心線山高さRp=8μmを、
又輝度の小さい光拡散フィルムでは中心線平均粗さRa
=0.2μm、最大高さRt=1.5μm、十点平均粗
さRz=1.3μm、中心線山高さRp=0.7μmを
示した。前述の表面の凹凸による輝度への影響はP/V
比だけでなくコーティング方法及び条件によっても変化
し、特に表面の亀甲模様の有無とその形状によって大き
く変化することが認められ、本発明ではインキ粘度、乾
燥条件、コーティング速度、塗工量等のコーティング条
件を最適化した。断面形状を観察すると光拡散層中のア
クリル系粒子は1〜3層程度積層して存在しているが亀
甲模様を大きくしていくと基材上にビーズの存在しない
溝の部分が生じ、さらに亀甲模様を大きくするとアクリ
ル系粒子の存在しない溝の部分が大きくなりすぎ、ヘイ
ズが減少してしまう傾向が認められた。本発明によって
得られた光拡散フィルムの視覚測定結果をエッジ型バッ
クライトを使用し輝度で示す。図3のように、本発明の
光拡散フィルムを使用すると高輝度で広い視角をもつ表
示が得られる。さらに2枚重ねて使用することによりバ
ックライト面の法線方向(図3では0°)の輝度を増加
させる集光効果が本発明の光拡散フィルムに認められ
た。
る為に導光板と接する面にマット処理があることが望ま
しい。背面マットコーティングインキはポリエステル樹
脂(例えば東洋紡(株)製バイロン200、東洋モート
ン(株)製アドコートAD335AE)を用いた。硬化
剤を使用しない場合においても充分使用に耐えるが、よ
り耐スクラッチ性を向上させる為には前記ポリエステル
樹脂100重量部に対して、イソシアネート系XEL硬
化剤(ザ・インクテック(株)製)を0〜10重量部使
用することが望ましく、特に望ましくは前記ポリエステ
ル樹脂100重量部に対してXEL硬化剤2.7重量部
である。
アロジルOK412(粒子系4μm)を使用した。前記
のポリエステル樹脂100重量部中にマイクロシリカ粒
子を0.5〜5重量部配合分散するが、前記ポリエステ
ル樹脂100重量部に対してマット剤の3重量部が特に
望ましい。コーティングはやはりロールコーティング方
式で行い特に3本リバースコーティングがコーティング
面の安定性から適している。塗工量と膜厚は全光線透過
率を下げず且つ導光板との密着を防止する程度の表面粗
さが必要で有るため、塗工量5〜0.1g/m2 、膜厚
4〜10μm程度の範囲であり望ましくは塗工量1〜
0.5g/m2 で膜厚は5μmである。また前述したよ
うに影響しない範囲で静電防止剤をこの背面マット層に
練り込みないしコーティングする方が望ましい。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :積水化成品工業(株)製MBX−8(平均粒 子径10μm) 120重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキをトルエン/メチルエチルケトン=1
/1希釈溶剤で希釈したザーンカップ♯3で20秒に調
整し3本リバース法にて基材の片面にコーティングし
た。この時乾燥時の塗工量は、11g/m2 、膜厚は2
0μmであった。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :積水化成品工業(株)製MBX−8(平均粒 子径10μm) 240重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :積水化成品工業(株)製MBX−8(平均粒 子径10μm) 70重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50%
(株)製PSタイプ背面サンドブラストマットタイプポ
リエチレンテレフタレートフィルムを使用し、サンドブ
ラストマット面と異なる面に実施例1と同様な光拡散イ
ンキ及びコーティングで光拡散層を設けた。この時乾燥
時の塗工量は、11g/m2 、膜厚は20μmであっ
た。
(株)製ケミカルマットタイプポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを使用し、そのケミカルマット面と異なる
面に実施例1と同様な光拡散インキ及びコーティングで
光拡散層を設けた。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用し、片面に実施例1と同様な光拡散インキ及び
コーティングで光拡散層を設けた。さらに上記拡散層と
異なる面に背面マット層をコーティングした。背面マッ
ト層インキの組成は以下のとおりである。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 マット剤 :日本アエロジル(株)製マイクロシリカ エロジールOK412(平均粒子径4μm) 3重量部 静電防止剤:日本油脂(株)エレガンOF−1100TM 10重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :30% 上記背面マットインキをトルエン/メチルエチルケトン
=1/1希釈溶剤で希釈率40%で希釈し3本リバース
法にて光拡散層とは異なる面にコーティングした。この
時乾燥時の塗工量は、0.7g/m2 、膜厚は5μmで
あった。この時表面抵抗値は、1010Ω/□(測定条件
25℃、55%RH)であった。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :積水化成品工業(株)製MBX−8(平均粒 子径10μm) 120重量部 静電防止剤:日本油脂(株)製エレガンTOF−1100 TM 10重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。この時乾燥時の塗工量は、11g/
m2 、膜厚は20μmであった。また表面抵抗は、10
10Ω/□(測定条件25℃、55%RH)であった。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :総研化学(株)製MR−7HG(平均粒 子径6.0μm) 120重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :積水化成品工業(株)製MBX−8(平均粒 子径10μm) 500重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :積水化成品工業(株)製MBX−8(平均粒 子径10μm) 50重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :総研化学(株)製MR−1400(平均粒 子径1μm) 120重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :総研化学(株)製MR−60G(平均粒 子径50μm) 120重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。
(株)製HSタイプポリエチレンテレフタレートフィル
ムを使用した。光拡散インキの組成は以下のとおりであ
る。 バインダー:東洋紡(株)製バイロン200ポリエステル 樹脂 100重量部 光拡散剤 :総研化学(株)製MR−7HG(平均粒 子径6.0μm) 120重量部 希釈溶剤 :トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部 固形分 :50% 硬化剤 :ザ・インクテック(株)製XEL硬化剤 イソシアネート樹脂 10重量部 上記光拡散インキを実施例1と同様に基材の片面にコー
ティングした。
ての実施条件および光学特性等を表1、表2で総括す
る。
子径10μm)の粒度分布
散性が高いレベルで、バランスのとれた光拡散フィルム
を得ることが出来、液晶表示のバックライト用として効
果的であり、液晶表示の高輝度化をもたらすことができ
る。
粒度分布
Claims (10)
- 【請求項1】 光透過性樹脂の単体あるいは混合体10
0重量部に対して該光透過性樹脂の単体あるいは混合体
との屈折率が0.01〜0.15の範囲で異なり、且つ
平均粒子径が1〜50μmであるアクリル系粒子を50
〜500重量部配合分散した組成物を基材上に片面ない
しは両面にコーティング層を構成したことを特徴とする
光拡散フィルム。 - 【請求項2】 前記光透過性樹脂がポリエステル系樹脂
であることを特徴とする請求項1記載の光拡散フィル
ム。 - 【請求項3】 前記光透過性樹脂の単体あるいは混合体
100重量部に対して硬化剤を10重量部以下配合した
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3記載の
光拡散フィルム。 - 【請求項4】 前記光透過性樹脂の単体あるいは混合体
に前記アクリル系粒子を配合した組成物のコート層にお
いて、帯電防止剤をその組成物中に練り込みないしは表
面にコーティングしたことを特徴とする請求項1、請求
項2記載の光拡散フィルム。 - 【請求項5】 前記基材の片面ないしは両面にエンボス
処理があることを特徴とする請求項1記載の光拡散フィ
ルム。 - 【請求項6】 前記基材の片面ないしは両面にサンドブ
ラスト処理があることを特徴とする請求項1記載の光拡
散フィルム。 - 【請求項7】 前記基材がポリエチレンテレフタレート
であることを特徴とする請求項1記載の光拡散フィル
ム。 - 【請求項8】 前記基材がポリカーボネートであること
を特徴とする請求項1記載の光拡散フィルム。 - 【請求項9】 請求項1記載の組成物をコーティングし
た面と異なる前記基材面に光透過性樹脂の単体ないしは
混合体100重両部に無機フィラーを0.5〜5重両部
を分散させた組成物をコーティングした背面コート層を
構成したことを特徴とする請求項1記載の光拡散フィル
ム。 - 【請求項10】 前記背面コート層において、帯電防止
剤を該背面コート層中に練り込みないしは表面にコーテ
ィングしたことを特徴とする請求項1、請求項9記載の
光拡散フィルム。
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