JP2000180624A - カラ―フィルタ - Google Patents
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Abstract
カラー液晶表示装置を可能とするカラーフィルタを提供
する。 【解決手段】 透明基板上に光散乱層を設け、この光散
乱層上に複数色の着色パターンからなる着色層と透明電
極層をこの順序で積層してカラーフィルタとして、カラ
ーフィルタ内に光散乱機能を有する光散乱層を設けるこ
とにより、光散乱に伴う色特性の低下を確実に着色層の
色特性補正で補い、また、反射型カラー液晶表示装置に
おいてカラーフィルタ上(観測者側)に前方散乱板を配
設することを不要とする。
Description
り、特に反射型や半透過型の液晶表示装置用のカラーフ
ィルタに関する。
ラーの液晶表示装置が注目されており、このカラー液晶
表示装置は反射型と透過型とに分けられる。反射型のカ
ラー液晶表示装置は、例えば、複数の色(通常、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる着色層
(必要に応じてブラックマトリックスや平坦化層も備え
る)と透明電極層を備えたカラーフィルタと、アルミニ
ウム等の金属からなる反射電極層と薄膜トランジスタ
(TFT素子)を備えたTFTアレイ基板とを所定の間
隙をもたせて向かい合わせ、この間隙部に液晶層が形成
されるとともに、カラーフィルタ上(観測者側)には位
相差板、偏光板および前方散乱板がもうけられた構造で
ある。上記の前方散乱板は、光散乱機能を有するもので
あり、反射型液晶表示装置に入射した光に適度の散乱を
生じさせて十分な視認性を確保するために設けられてい
る。
反射型カラー液晶表示装置では、前方散乱板の存在によ
り、液晶表示装置の輝度低下、色特性低下を来すという
問題があった。これは、前方散乱板の色付きによるもの
であった。また、前方散乱板の存在により、視差(像ボ
ケ)が発生するという問題もあった。上記の輝度低下
は、前方散乱板をカラーフィルタ上(観測者側)に配設
する従来の反射型カラー液晶表示装置では避けられない
問題である。また、色特性の低下は、カラーフィルタに
おいて前方散乱板の色付きに対応した色特性の補正を行
うことにより防止することができるが、カラーフィルタ
の製造と、液晶表示装置の製造とが別工程である場合、
カラーフィルタにおける色特性の補正を適正に行うこと
は容易なことではない。
れたものであり、高輝度で色特性に優れた反射型や半透
過型のカラー液晶表示装置を可能とするカラーフィルタ
を提供することを目的とする。
るために、第1の発明は、透明基板と、該透明基板上に
設けた光散乱層と、該光散乱層上に複数色の着色パター
ンからなる着色層と透明電極層とをこの順序で積層して
備えるような構成とした。
に設けた複数色の着色パターンからなる光散乱性着色層
と、該光散乱性着色層上に設けた透明電極層とを備える
ような構成とした。
に設けた複数色の着色パターンからなる着色層と、該着
色層上に光散乱性平坦化層を介して設けた透明電極層と
を備えるような構成とした。
層した駆動素子層および反射電極層と、該反射電極層上
に光散乱層を介して設けた複数色の着色パターンからな
る着色層とを備えるような構成とした。
層した駆動素子層および反射電極層と、該反射電極層上
に設けた複数色の着色パターンからなる光散乱性着色層
とを備えるような構成とした。
層した駆動素子層、反射電極層および複数色の着色パタ
ーンからなる着色層と、該着色層上に設けた光散乱性平
坦化層とを備えるような構成とした。
イズ値が10〜90の範囲内にあるような構成とした。
する光散乱層、光散乱性着色層あるいは光散乱性平坦化
層をカラーフィルタ内に設けるので、光散乱に伴う色特
性の低下を着色層の色特性補正で確実に補うことができ
カラーフィルタ自体の色特性の低下が確実に防止され、
また、カラーフィルタ上(観測者側)に前方散乱板を配
設することを不要とする。
ついて説明する。
置内で液晶層に対して観測者側に配設されるタイプの本
発明のカラーフィルタの実施形態を示す概略縦断面図で
ある。
と、この透明基板2上に設けた光散乱層3と、光散乱層
3上に積層された着色層4、透明電極層5とを備えてお
り、着色層4は赤色着色パターン4R、緑色着色パター
ン4Gおよび青色着色パターン4Bから構成されてい
る。
板2としては、石英ガラス、パイレックスガラス、合成
石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透
明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明
なフレキシブル材を用いることができる。この中で特に
コーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素
材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性
に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無ア
ルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式
によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適して
いる。
は、反射型液晶表示装置に入射した光に適度の散乱を生
じさせて十分な視認性を確保するためのものであり、光
透過性樹脂中に光散乱作用を有する微粒子を分散させた
ものである。
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、
ポリイミド系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等を挙げるこ
とができ、屈折率、透明基板2や着色層4との密着性等
を考慮して、1種の単独で、または、2種以上の混合物
として使用することができる。
は、酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無
機物、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベン
ゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹
脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の有
機物、あるいは、これらの2種以上の混合系等の微粒子
を挙げることができる。これらの微粒子は、平均粒径が
0.1〜5.0μm、好ましくは0.1〜4.0μm、
より好ましくは0.1〜2.0μmの範囲であり、平均
粒径が0.1μm未満では、散乱効果が殆ど得られな
い。また、光散乱層3における微粒子の含有量は0.5
〜70重量%、好ましくは1.0〜50重量%の範囲で
あり、光散乱層3の厚みは0.5〜20μm、好ましく
は1.0〜10μm程度である。
十分なもとするためには、ヘイズ値[ヘイズ値=(拡散
光線透過率)/(全光線透過率)×100]を高くする
必要がある。高いヘイズ値(高にごり度)を可能とする
には、微粒子濃度や光散乱層の厚みを大きくする必要が
あるが、このとき全光線透過率および拡散光線透過率が
低下するのは好ましくない。例えば、一般的な微粒子と
して公知の酸化チタンや炭酸カルシウムを用いた場合、
微粒子濃度や光散乱層の厚みを大きくすると、粒子のも
つ遮光性が発現されて、全光線透過率が著しく低下して
しまう。本発明のカラーフィルタ1では、光散乱層3に
用いる微粒子を上述のような材料とすることにより、ヘ
イズ値を10〜90、好ましくは25〜80、より好ま
しくは40〜60の範囲、全光線透過率を30%以上、
拡散光線透過率を10%以上とすることが可能である。
尚、本発明において、ヘイズ値は東洋精機製作所(株)
製の直読ヘイズメーターを用いて測定するものである。
電着法等により形成することができ、また、各着色パタ
ーン(4R,4G,4B)も、ストライプ型、モザイク
型、トライアングル型、4画素配置型等、特に制限はな
い。
電極層5は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、および、その合金
等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法
等の一般的な成膜方法により形成することができる。こ
のような透明電極層5の厚みは0.01〜1μm、好ま
しくは0.03〜0.5μm程度である。
乱層3に色付きがあっても、着色層4の色特性補正で確
実に補うことができるので、カラーフィルタ1を使用し
て別工程で製造された反射型カラー液晶表示装置におい
ても、光散乱に伴う色特性の低下が生じることはほとん
どなく、また、カラーフィルタ1内に光散乱層3を備え
るので、カラーフィルタ上(観測者側)に従来の反射型
カラー液晶表示装置で使用されていた前方散乱板を配設
することが不要となり、高輝度の反射型カラー液晶表示
装置が可能となる。さらに、光散乱層3によって透明基
板2と着色層4との密着性をより高いものとすることが
できる。
12と、この透明基板12上に設けた光散乱性着色層1
4と、この光散乱性着色層14上に設けた透明電極層1
5とを備え、光散乱性着色層14は赤色着色パターン1
4R、緑色着色パターン14Gおよび青色着色パターン
14Bから構成されている。
基板12、透明電極層15は、上述のカラーフィルタ1
における透明基板2、透明電極層5と同様であり、説明
を省略する。
色層14は、従来の反射型カラー液晶表示装置における
着色層と同様の作用をなすとともに、反射型液晶表示装
置に入射した光に適度の散乱を生じさせて十分な視認性
を確保するためのものである。
散法、染色法、電着法等により形成される着色層中に光
散乱作用を有する微粒子を分散させたものである。光散
乱作用を有する微粒子としては、上述のカラーフィルタ
1において挙げた微粒子を使用することができる。これ
らの微粒子の光散乱性着色層14における含有量は0.
5〜70重量%、好ましくは1.0〜50重量%の範囲
であり、光散乱性着色層14の厚みは、0.05〜15
μm、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは
0.5〜10μmの範囲で設定することができる。
乱性着色層14に用いる微粒子を上述のような材料とす
ることにより、ヘイズ値を10〜90、好ましくは25
〜80、より好ましくは40〜60の範囲、全光線透過
率を30%以上、拡散光線透過率を10%以上とするこ
とが可能である。
(14R,14G,14B)は、ストライプ型、モザイ
ク型、トライアングル型、4画素配置型等、特に制限は
ない。
作用を有する微粒子を分散させた光散乱性着色層14の
色特性が本来の着色層の色特性から変化しても、光分散
性着色層14の製造段階における色特性補正で確実に補
うことができ、かつ、光散乱程度を微粒子含有量の調整
により各色ごとに微妙に制御することが可能である。し
たがって、カラーフィルタ11を使用して別工程で製造
した反射型カラー液晶表示装置においても、光散乱に伴
う色特性の低下が生じることはほとんどなく、また、カ
ラーフィルタ11内に光散乱性着色層14を備えるの
で、カラーフィルタ上(観測者側)に従来の反射型カラ
ー液晶表示装置で使用されていた前方散乱板を配設する
ことが不要となり、高輝度の反射型カラー液晶表示装置
が可能となる。
板22と、この透明基板22上に積層された着色層2
4、光散乱性平坦化層26、透明電極層25とを備えて
おり、着色層24は赤色着色パターン24R、緑色着色
パターン24Gおよび青色着色パターン24Bから構成
されている。
基板22、着色層24、透明電極層25は、上述のカラ
ーフィルタ1における透明基板2、着色層4、透明電極
層5と同様であり、説明を省略する。
坦化層26は、着色層24の表面の微小な凹凸をなくし
て透明電極層形成用に平坦な面を形成するとともに、反
射型液晶表示装置に入射した光に適度の散乱を生じさせ
て十分な視認性を確保するためのものである。
クリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルエーテル系樹
脂、ポリイミド系樹脂、プロピニル系樹脂等の樹脂中に
光散乱作用を有する微粒子を分散させたものである。光
散乱作用を有する微粒子としては、上述のカラーフィル
タ1において挙げた微粒子を使用することができる。光
散乱性平坦化層26における微粒子の含有量は0.5〜
70重量%、好ましくは1.0〜50重量%の範囲であ
り、光散乱性平坦化層26の厚みは0.5〜20μm、
好ましくは1.0〜10μm程度である。
乱性平坦化層26に用いる微粒子を上述のような材料と
することにより、ヘイズ値を10〜90、好ましくは2
5〜80、より好ましくは40〜60の範囲、全光線透
過率を30%以上、拡散光線透過率を10%以上とする
ことが可能である。
散乱性平坦化層26に色付きがあっても、カラーフィル
タ21の製造段階において着色層24の色特性補正で確
実に補うことができる。このため、カラーフィルタ21
を使用して別工程で製造された反射型カラー液晶表示装
置においても、光散乱に伴う色特性の低下がほとんど生
じることがない。また、カラーフィルタ21内に光散乱
性平坦化層26を備えるので、カラーフィルタ上(観測
者側)に従来の反射型カラー液晶表示装置で使用されて
いた前方散乱板を配設することが不要となり、高輝度の
反射型カラー液晶表示装置が可能となる。さらに、光散
乱性平坦化層26を設けたことによる強度向上により、
スペーサーによるギャップ(液晶層の厚み)制御がより
容易となる。
表示装置内で液晶層に対して観測者側と反対側に配設さ
れるタイプの本発明のカラーフィルタの実施形態を示す
概略縦断面図である。
上に設けた駆動素子層33と、この駆動素子層33上に
順次積層された反射電極層34、光散乱層35、着色層
36、透明電極層38とを備えており、着色層36は赤
色着色パターン36R、緑色着色パターン36Gおよび
青色着色パターン36Bから構成され、反射電極層34
と透明電極層38は各着色パターンごとに導通してい
る。
は、各種のガラス基板、金属基板、樹脂基板、これらの
2種以上の材料からなる複合基板等を使用することがで
き、その厚みは、カラーフィルタ31の用途等を考慮し
て適宜設定することができ、例えば、0.3〜10mm
程度とすることができる。
33は、所定のパターンで形成された薄膜トランジスタ
(TFT)およびドレイン、ソース、ゲートの各電極か
らなっている。また、反射電極層34はドレイン電極に
接続された画素電極であり、絶縁層を介して駆動素子層
33上に形成され、鏡面仕上げが施されている。また、
後述するような半透過型カラー液晶表示装置に用いる場
合、反射電極層34をハーフミラー型電極層や穴あき型
電極層とすることができる。この反射電極層34は、ア
ルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属薄膜で形成さ
れ、厚みは500〜10000Å、好ましくは1000
〜3000Åの範囲で設定することができる。このよう
な反射電極層34は、蒸着法、スパッタリング法、CV
D法、イオンプレーティング法等の公知の薄膜形成方法
により形成することができる。
5は、反射型液晶表示装置に入射した光に適度の散乱を
生じさせて十分な視認性を確保するためのものであり、
光透過性樹脂中に光散乱作用を有する微粒子を分散させ
たものである。
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、
ポリイミド系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等を挙げるこ
とができ、屈折率、反射電極層34や着色層36との密
着性等を考慮して、1種の単独で、または、2種以上の
混合物として使用することができる。
は、、酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の
無機物、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベ
ンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹
脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の有
機物、あるいは、これらの2種以上の混合系等の微粒子
を挙げることができる。これらの微粒子は、平均粒径が
0.1〜5.0μm、好ましくは0.1〜4.0μm、
より好ましくは0.1〜2.0μmの範囲であり、平均
粒径が0.1μm未満では、散乱効果が殆ど得られな
い。また、光散乱層35における微粒子の含有量は0.
5〜70重量%、好ましくは1.0〜50重量%の範囲
であり、光散乱層35の厚みは0.5〜20μm、好ま
しくは1.0〜10μm程度である。
乱性35に用いる微粒子を上述のような材料とすること
により、ヘイズ値を10〜90、好ましくは25〜8
0、より好ましくは40〜60の範囲、全光線透過率を
30%以上、拡散光線透過率を10%以上とすることが
可能である。
法、電着法等により形成することができ、また、各着色
パターン(36R,36G,36B)も、ストライプ
型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等、
特に制限はない。
散乱層35に色付きがあっても、着色層36の色特性補
正で確実に補うことができるので、カラーフィルタ31
を使用して別工程で製造した反射型カラー液晶表示装置
においても、色特性の低下がほとんど生じることはな
い。また、カラーフィルタ31内に光散乱層35を備え
るので、従来の反射型カラー液晶表示装置で観測者側に
配設されていた前方散乱板が不要となり、高輝度の反射
型カラー液晶表示装置が可能となる。さらに、光散乱層
35を介在させることによって反射電極層34と着色層
36との密着性をより高いものとすることができる。
上に設けた駆動素子層43と、この駆動素子層43上に
順次積層された反射電極層44、光散乱性着色層46、
透明電極層48とを備えており、光散乱性着色層46は
赤色着色パターン46R、緑色着色パターン46Gおよ
び青色着色パターン46Bから構成されている。
42、駆動素子層43、反射電極層44、透明電極層4
8は、上述のカラーフィルタ31における基板32、駆
動素子層33、反射電極層34、透明電極層38と同様
であり、説明を省略する。
色層46は、従来の反射型カラー液晶表示装置における
着色層と同様の作用をなすとともに、反射型液晶表示装
置に入射した光に適度の散乱を生じさせて十分な視認性
を確保するためのものである。
散法、染色法、電着法等により形成される着色層中に光
散乱作用を有する微粒子を分散させたものである。光散
乱作用を有する微粒子としては、上述のカラーフィルタ
31において挙げた微粒子を使用することができる。こ
の微粒子の光散乱性着色層46における含有量は0.5
〜70重量%、好ましくは1.0〜50重量%の範囲で
あり、光散乱性着色層46の厚みは、0.5〜15μ
m、好ましくは0.5〜10μmの範囲で設定すること
ができる。
乱性着色層46に用いる微粒子を上述のような材料とす
ることにより、ヘイズ値を10〜90、好ましくは25
〜80、より好ましくは40〜60の範囲、全光線透過
率を30%以上、拡散光線透過率を10%以上とするこ
とが可能である。
(46R,46G,46B)は、ストライプ型、モザイ
ク型、トライアングル型、4画素配置型等、特に制限は
ない。
作用を有する微粒子を分散させた光散乱性着色層46の
色特性が本来の着色層の色特性から変化しても、光分散
性着色層46の製造段階における色特性補正で確実に補
うことができ、かつ、光散乱程度を微粒子含有量の調整
により各色ごとに微妙に制御することが可能である。し
たがって、カラーフィルタ41を使用して別工程で製造
した反射型カラー液晶表示装置においても、光散乱に伴
う色特性の低下がほとんど生じることはない。また、カ
ラーフィルタ41内に光散乱性着色層46を備えるの
で、従来の反射型カラー液晶表示装置で観測者側に配設
されていた前方散乱板が不要となり、高輝度の反射型カ
ラー液晶表示装置が可能となる。
2上に設けた駆動素子層53と、この駆動素子層53上
に順次積層された反射電極層54、着色層56、光散乱
性平坦化層57および透明電極層58とを備えており、
着色層56は赤色着色パターン56R、緑色着色パター
ン56Gおよび青色着色パターン56Bから構成されて
いる。
52、駆動素子層53、反射電極層54、着色層56お
よび透明電極層58は、上述のカラーフィルタ31にお
ける基板32、駆動素子層33、反射電極層34、着色
層36および透明電極層38と同様であり、説明を省略
する。
坦化層57は、着色層56の表面の微小な凹凸をなくし
て液晶層の厚みを均一にするとともに、反射型液晶表示
装置に入射した光に適度の散乱を生じさせて十分な視認
性を確保するためのものである。この光散乱性平坦化層
57は、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビ
ニルエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、プロピニル系
樹脂等の樹脂中に光散乱作用を有する微粒子を分散させ
たものである。光散乱作用を有する微粒子としては、上
述のカラーフィルタ31において挙げた微粒子を使用す
ることができる。光散乱性平坦化層57における微粒子
の含有量は0.5〜70重量%、好ましくは1.0〜5
0重量%の範囲であり、光散乱性平坦化層57の厚みは
0.5〜20μm、好ましくは1.0〜10μm程度で
ある。
乱性平坦化層57に用いる微粒子を上述のような材料と
することにより、ヘイズ値を10〜90、好ましくは2
5〜80、より好ましくは40〜60の範囲、全光線透
過率を30%以上、拡散光線透過率を10%以上とする
ことが可能である。
散乱性平坦化層57に色付きがあっても、カラーフィル
タ51の製造段階において着色層56の色特性補正で確
実に補うことができ、カラーフィルタ51を使用した反
射型カラー液晶表示装置において光散乱に伴う色特性の
低下を生じることがない。また、カラーフィルタ51内
に光散乱性平坦化層57を備えるので、従来の反射型カ
ラー液晶表示装置で観測者側に配設されていた前方散乱
板が不要となり、高輝度の反射型カラー液晶表示装置が
可能となる。さらに、光散乱性平坦化層57を設けたこ
とによる強度向上により、スペーサーによるギャップ
(液晶層の厚み)制御がより容易となる。
4,24,36,56、光散乱性着色層14,46を構
成する各着色パターンの間に位置するようにブラックマ
トリックスを備えるものであってもよい。この場合、ブ
ラックマトリックスは遮光性樹脂、クロム等の金属によ
り形成することができる。
射型カラー液晶表示装置の例を挙げる。
ルタ1を用いた反射型カラー液晶表示装置を示す概略縦
断面図である。図7において、反射型カラー液晶表示装
置61は、観察者側に本発明のカラーフィルタ1を配設
し、このカラーフィルタ1の透明基板2上に位相差板6
2と偏光板63を備え、基板65上に駆動素子層66、
反射電極層67が形成された対向電極基板と上記カラー
フィルタ1との間に液晶層68を形成したものである。
ーフィルタ41を用いた反射型カラー液晶表示装置を示
す概略縦断面図である。図8において、反射型カラー液
晶表示装置71は、透明基板72の一方の面に透明電極
層73を備え他の面に位相差板74と偏光板75を備え
た対向基板と、本発明のカラーフィルタ41とを所定の
ギャップを介して向かい合わせ、間隙部に液晶層78を
形成したものである。この反射型カラー液晶表示装置7
1では、本発明のカラーフィルタ41が液晶層78を介
して観察者側と反対側に位置する。
反射型カラー液晶表示装置の他に半透過型カラー液晶表
示装置にも用いることができる。
反射型の各カラー液晶表示装置の長所を兼ね備えたもの
として開発されており、1つの画素の中に、透過表示部
分と反射表示部分を形成し、従来、表示原理の異なる液
晶表示モードであった透過/反射の液晶表示モードを両
立した表示モードを備えるものである。
晶表示装置を作製する場合、上述の反射電極層67をハ
ーフミラー型の電極層や穴あき型の電極層とし、本発明
のカラーフィルタ1,11,21はそのまま使用するこ
とができる。
ラー液晶表示装置を作製する場合、上述の本発明のカラ
ーフィルタ31,41,51の各反射電極層34,4
4,54をハーフミラー型の電極層や穴あき型の電極層
とする。ハーフミラー型電極層は、一部の光を透過させ
残りを反射する半透過特性を導電性薄膜自体にもたせた
ものであり、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イ
オンプレーティング法等の公知の成膜プロセスを制御す
ることにより形成できる。また、穴あき型電極層は、1
つの画素を面積的に透過部(穴あき部)と反射部に割り
振ったものであり、上記のような成膜方法により金属薄
膜を成膜した後、これをパターニングして所定の微細開
口を設けることにより形成できる。
明する。
のガラス基板(コーニング社製7059ガラス)を準備
した。このガラス基板上に下記組成の光散乱層用塗工液
をスピンコーティング法により塗布し乾燥させ、その
後、露光、現像、ポストべーク(200℃、30分)を
行い光散乱層(厚み10μm)を形成した。
感光性着色材料(富士フィルムオーリン(株)製カラー
モザイクCR−7000)をスピンコーティング法によ
り塗布し、所定のフォトマスクを介して塗布膜を露光
し、その後、現像液(富士フィルムオーリン(株)製C
D)を用いて現像し、ガラス基板を200℃に30分間
保持して着色層を硬化させ赤色の着色パターンを形成し
た。
材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクC
G−7000)および青色着色パターン用の感光性着色
材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクC
B−7000)を使用して、上記と同様にして緑色の着
色パターン、青色の着色パターンを形成し着色層とし
た。尚、この着色層形成では、上記の光散乱層の色付き
の色特性補正のために、感光性着色材料のコーティング
膜の厚さを、従来の50〜80%とした。
て透明電極(ITO)層を形成し、この透明電極層上に
ポリイミド樹脂の配向膜(厚み0.05μm)を形成し
て、図1に示されるような構造のカラーフィルタ(実施
例1)を得た。
のガラス基板(コーニング社製7059ガラス)を準備
した。このガラス基板上に、赤色着色パターン用の感光
性着色材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザ
イクCR−7000)に光散乱作用を有する微粒子とし
て平均粒径が0.7μmであるメラミンビーズを27重
量%含有させた塗工液をスピンコーティング法により塗
布し、所定のフォトマスクを介して塗布膜を露光し、そ
の後、現像液(富士フィルムオーリン(株)製CD)を
用いて現像し、ガラス基板を200℃に30分間保持し
て着色層を硬化させ赤色の着色パターンを形成した。
材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクC
G−7000)に平均粒径が3.0μmであるメラミン
ビーズを27重量%含有させた塗工液、および、青色着
色パターン用の感光性着色材料(富士フィルムオーリン
(株)製カラーモザイクCB−7000)に平均粒径が
3.0μmであるメラミンビーズを27重量%含有させ
た塗工液を使用して、上記と同様にして緑色の着色パタ
ーン、青色の着色パターンを形成し光散乱性着色層とし
た。
(ITO)層、配向膜を形成して、図2に示されるよう
な構造のカラーフィルタ(実施例2)を得た。
のガラス基板(コーニング社製7059ガラス)を準備
し、このガラス基板上に実施例1と同様にして着色層を
形成した。尚、この着色層形成では、後述する光散乱性
平坦化層の色付きの色特性補正のために、感光性着色材
料のコーティング膜の厚さを、従来の50〜80%とし
た。
坦化層用塗工液をスピンコーティング法により塗布し乾
燥させ、その後、露光、現像、ポストべーク(200
℃、30分)を行い光散乱性平坦化層(厚み10μm)
を形成した。
同様にして透明電極(ITO)層、配向膜を形成して、
図3に示されるような構造のカラーフィルタ(実施例
3)を得た。
(実施例1〜3)のガラス基板上に位相差板と偏光板を
積層した。また、厚み1.1mmのガラス基板上にTF
T駆動素子層、および、アルミニウムからなる反射電極
層を形成し、さらにポリイミド樹脂の配向膜(厚み0.
05μm)を形成して対向電極基板とし、この対向電極
基板とカラーフィルタの各配向膜を対向させ、ネマティ
ック液晶層(厚み5.0μm)を設けて反射型カラー液
晶表示装置を作製した。
のガラス基板(コーニング社製7059ガラス)を準備
し、このガラス基板上にTFT駆動素子層、および、ア
ルミニウムからなる反射電極層を形成した。次いで、反
射電極層上に実施例1と同組成の光散乱層用塗工液をス
ピンコーティング法により塗布し乾燥させ、その後、露
光、現像、ポストべーク(200℃、30分)を行い光
散乱層(厚み8.0μm)を形成した。
着色層を形成した。尚、この着色層形成では、光散乱層
の色付きの色特性補正のために、感光性着色材料のコー
ティング膜の厚さを、従来の50〜80%とした。
を形成し、さらにポリイミド樹脂の配向膜(厚み0.0
5μm)を形成して、図4に示されるような構造のカラ
ーフィルタ(実施例4)を得た。 (実施例5)基板として、厚み1.1mmのガラス基板
(コーニング社製7059ガラス)を準備し、このガラ
ス基板上にTFT駆動素子層、および、アルミニウムか
らなる反射電極層を形成した。
ン用の感光性着色材料(富士フィルムオーリン(株)製
カラーモザイクCR−7000)に光散乱作用を有する
微粒子として平均粒径が0.7μmであるメラミンビー
ズを27重量%含有させた塗工液をスピンコーティング
法により塗布し、所定のフォトマスクを介して塗布膜を
露光し、その後、現像液(富士フィルムオーリン(株)
製CD)を用いて現像し、ガラス基板を200℃に30
分間保持して着色層を硬化させ赤色の着色パターンを形
成した。
材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクC
G−7000)に平均粒径が0.7μmであるメラミン
ビーズを27重量%含有させた塗工液、および、青色着
色パターン用の感光性着色材料(富士フィルムオーリン
(株)製カラーモザイクCB−7000)に平均粒径が
0.7μmであるメラミンビーズを27重量%含有させ
た塗工液を使用して、上記と同様にして緑色の着色パタ
ーン、青色の着色パターンを形成し光散乱性着色層とし
た。
様にして透明電極層を形成し、さらに配向膜を形成し
て、図5に示されるような構造のカラーフィルタ(実施
例5)を得た。
のガラス基板(コーニング社製7059ガラス)を準備
し、このガラス基板上にTFT駆動素子層、および、ア
ルミニウムからなる反射電極層を形成した。
して着色層を形成した。尚、この着色層形成では、後述
する光散乱性平坦層の色付きの色特性補正のために、感
光性着色材料のコーティング膜の厚さを、従来の50〜
80%とした。
乱性平坦化層用塗工液をスピンコーティング法により塗
布し乾燥させ、その後、露光、現像、ポストべーク(2
00℃、30分)を行い光散乱性平坦化層(厚み8.0
μm)を形成した。
同様に透明電極層を形成し、さらに配向膜を形成して、
図6に示されるような構造のカラーフィルタ(実施例
6)を得た。
方の面に透明電極(ITO)層を形成し、さらにポリイ
ミド樹脂の配向膜(厚み0.05μm)を形成し、ガラ
ス基板の他の面に位相差板と偏光板を積層して対向基板
を形成した。この対向基板と上述のように作製した各カ
ラーフィルタ(実施例4〜6)の配向膜を対向させ、ネ
マティック液晶層(厚み5.0μm)を設けて反射型カ
ラー液晶表示装置を作製した。
例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。そして、
このカラーフィルタ(比較例)のガラス基板上に位相差
板と前方散乱層を内蔵した偏光板(日東電工(株)製A
GS1)を積層した。また、厚み1.1mmのガラス基
板上にTFT駆動素子層、アルミニウムからなる反射電
極層を形成し、さらにポリイミド樹脂の配向膜(厚み
0.05μm)を形成して対向電極基板とし、この対向
電極基板の配向膜とカラーフィルタの配向膜を対向さ
せ、ネマティック液晶層(厚み5.0μm)を設けて反
射型カラー液晶表示装置を作製した。
施例1〜6)と比較のカラーフィルタ(比較例)をそれ
ぞれ用いた各反射型カラー液晶表示装置の表示画像の輝
度を下記の方法で測定して、結果を下記の表1に示し
た。輝度の測定方法 輝度計(トプコン(株)製BM7)を正面に設置し、光
源入射角度を15°、20°、30°、45°と変化さ
せて反射率(正面輝度)を測定した。
〜3)と比較のカラーフィルタ(比較例)のヘイズ値、
全光線透過率、拡散光線透過率を東洋精機製作所(株)
製直読ヘイズメーターで測定して、結果を下記の表1に
示した。
例1〜6)を用いた各反射型カラー液晶表示装置は、い
ずれも高輝度で、かつ、視野角度の広い画像表示が可能
であり、本発明のカラーフィルタ(実施例1〜3)は、
いずれもヘイズ値、全光線透過率および拡散光線透過率
が高いものであった。また、視差(像ボケ)の発生はみ
られなかった。
較例)は、視野角度が狭く、ヘイズ値、全光線透過率、
拡散光線透過率が低く、このカラーフィルタを用いた反
射型カラー液晶表示装置の表示画像は、輝度の低下がみ
られ、視差(像ボケ)発生による画像品質の低下が明ら
かであり、また、視野角度も狭いものであった。
ラーフィルタ内に光散乱機能を有する光散乱層、光散乱
性着色層あるいは光散乱性平坦化層を備えているので、
反射型カラー液晶表示装置においてカラーフィルタ上
(観測者側)に従来の前方散乱板を配設することが不要
となり、かつ、前方散乱板を付加することに伴う輝度お
よび色特性の低下をカラーフィルタ自体において着色層
の色特性補正で確実に補うことができるので、カラーフ
ィルタ製造とは別の工程で製造された反射型カラー液晶
表示装置においても、表示画像は輝度が高く色特性に優
れたものとなる。また、従来の前方散乱板を付加するこ
とに伴う視差(像ボケ)が解消されるので、高画質の液
晶表示装置が可能となる。さらに、光散乱層上に着色層
を設けた場合には、特に色補正が行い易く、また、光散
乱性着色層を設けた場合には、光散乱層と着色層とを一
括して形成できるので製造工程の簡略化が可能であり、
また、光散乱性平坦化層を設けた場合には、保護層、平
坦化膜としての機能も付加することができる。さらに、
反射電極層を備えた本発明のカラーフィルタでは、反射
電極層をハーフミラー型の電極層や穴あき型の電極層と
することにより、半透過型カラー液晶表示装置にも使用
が可能となる。
略縦断面図である。
概略縦断面図である。
概略縦断面図である。
概略縦断面図である。
概略縦断面図である。
概略縦断面図である。
液晶表示装置の一例を示す概略縦断面図である。
液晶表示装置の他の例を示す概略縦断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 透明基板と、該透明基板上に設けた光散
乱層と、該光散乱層上に複数色の着色パターンからなる
着色層と透明電極層とをこの順序で積層して備えること
を特徴とするカラーフィルタ。 - 【請求項2】 透明基板と、該透明基板上に設けた複数
色の着色パターンからなる光散乱性着色層と、該光散乱
性着色層上に設けた透明電極層とを備えることを特徴と
するカラーフィルタ。 - 【請求項3】 透明基板と、該透明基板上に設けた複数
色の着色パターンからなる着色層と、該着色層上に光散
乱性平坦化層を介して設けた透明電極層とを備えること
を特徴とするカラーフィルタ。 - 【請求項4】 基板と、該基板上に順次積層した駆動素
子層および反射電極層と、該反射電極層上に光散乱層を
介して設けた複数色の着色パターンからなる着色層とを
備えることを特徴とするカラーフィルタ。 - 【請求項5】 基板と、該基板上に順次積層した駆動素
子層および反射電極層と、該反射電極層上に設けた複数
色の着色パターンからなる光散乱性着色層とを備えるこ
とを特徴とするカラーフィルタ。 - 【請求項6】 基板と、該基板上に順次積層した駆動素
子層、反射電極層および複数色の着色パターンからなる
着色層と、該着色層上に設けた光散乱性平坦化層とを備
えることを特徴とするカラーフィルタ。 - 【請求項7】 ヘイズ値が10〜90の範囲内にあるこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載のカラーフ
ィルタ。
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