JPH10260399A - 液晶表示装置 - Google Patents
液晶表示装置Info
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- JPH10260399A JPH10260399A JP9063197A JP6319797A JPH10260399A JP H10260399 A JPH10260399 A JP H10260399A JP 9063197 A JP9063197 A JP 9063197A JP 6319797 A JP6319797 A JP 6319797A JP H10260399 A JPH10260399 A JP H10260399A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】コスト的に有利で単純な構成でありながら、液
晶の配向不良が無く、かつ、光の散乱性の向上した、高
品位な表示効果をもつ液晶表示装置を提供する。 【解決手段】光の散乱膜と液晶を駆動するための透明電
極とをこの順で透明基板上に配設した観察者側基板と、
液晶を駆動するための駆動電極を配設した背面側基板と
を対向させ、向かい合う電極の間に液晶を挟持せしめた
液晶表示装置において、散乱膜の母材である透明樹脂中
に、該透明樹脂より高屈折率の透明粒子と、該透明樹脂
と同程度の屈折率のスペーサー粒子とを各々1種類以上
分散せしめたことを特徴とする液晶表示装置。
晶の配向不良が無く、かつ、光の散乱性の向上した、高
品位な表示効果をもつ液晶表示装置を提供する。 【解決手段】光の散乱膜と液晶を駆動するための透明電
極とをこの順で透明基板上に配設した観察者側基板と、
液晶を駆動するための駆動電極を配設した背面側基板と
を対向させ、向かい合う電極の間に液晶を挟持せしめた
液晶表示装置において、散乱膜の母材である透明樹脂中
に、該透明樹脂より高屈折率の透明粒子と、該透明樹脂
と同程度の屈折率のスペーサー粒子とを各々1種類以上
分散せしめたことを特徴とする液晶表示装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型や反射型の
液晶表示装置に係わり、光の散乱膜を設けて視野角を拡
大するとともに表示品位を向上させた液晶表示装置に関
し、その中でも特に、PDA、個人携帯情報機器向けの
液晶表示装置に関する。
液晶表示装置に係わり、光の散乱膜を設けて視野角を拡
大するとともに表示品位を向上させた液晶表示装置に関
し、その中でも特に、PDA、個人携帯情報機器向けの
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、一般に、透明電極を備
える二枚の電極板の間に液晶を挟持させて構成されるも
ので、この透明電極間に電圧を印加して液晶を駆動させ
てこの液晶を透過する光の偏光面を制御し、偏光膜によ
ってその透過または不透過を制御して画面表示するもの
である。
える二枚の電極板の間に液晶を挟持させて構成されるも
ので、この透明電極間に電圧を印加して液晶を駆動させ
てこの液晶を透過する光の偏光面を制御し、偏光膜によ
ってその透過または不透過を制御して画面表示するもの
である。
【0003】そして、このような液晶表示装置の表示に
充分な明るさを得るため、液晶表示装置の面ないし側面
に光源(ランプ)を配置したバックライト型やライトガ
イド型のランプ内蔵式の透過型液晶表示装置が広く利用
されている。
充分な明るさを得るため、液晶表示装置の面ないし側面
に光源(ランプ)を配置したバックライト型やライトガ
イド型のランプ内蔵式の透過型液晶表示装置が広く利用
されている。
【0004】この透過型液晶表示装置は、ランプによる
電力の消費が大きく、液晶表示装置以外の他の表示装置
(CRT、PDP等)と大差ない消費電力となってお
り、低消費電力でしかも携帯可能であるという液晶表示
装置本来の特徴を損なっている。
電力の消費が大きく、液晶表示装置以外の他の表示装置
(CRT、PDP等)と大差ない消費電力となってお
り、低消費電力でしかも携帯可能であるという液晶表示
装置本来の特徴を損なっている。
【0005】一方、反射型液晶表示装置は、液晶表示装
置の透過光として室内光や外光を使用するもので、ラン
プを内蔵しておらず、低消費電力の理想的な表示装置と
なっており、軽量で携帯用としても便利なものである。
置の透過光として室内光や外光を使用するもので、ラン
プを内蔵しておらず、低消費電力の理想的な表示装置と
なっており、軽量で携帯用としても便利なものである。
【0006】このような反射型液晶表示装置において
は、この表示装置を観察する観察者の位置とは反対側の
電極板(走査側電極板)の基板上の全面に一様に上記室
内光や外光を反射する金属薄膜を備えるか、あるいは反
射膜を別の基板上の全面に一様に設けて上記基板裏面に
配置することが普通である。例えば、カラー表示液晶デ
ィスプレイにおいては、上記走査側電極板の基材上に金
属反射膜を設け、この金属反射膜上に、透過光を着色す
るカラーフィルター層を介して透明電極を設けて上記走
査側電極板としていた。
は、この表示装置を観察する観察者の位置とは反対側の
電極板(走査側電極板)の基板上の全面に一様に上記室
内光や外光を反射する金属薄膜を備えるか、あるいは反
射膜を別の基板上の全面に一様に設けて上記基板裏面に
配置することが普通である。例えば、カラー表示液晶デ
ィスプレイにおいては、上記走査側電極板の基材上に金
属反射膜を設け、この金属反射膜上に、透過光を着色す
るカラーフィルター層を介して透明電極を設けて上記走
査側電極板としていた。
【0007】また、金属反射膜を、液晶駆動のための上
記電極と同一パターンに構成し、この液晶駆動用電極と
して利用する方法も提案されている。
記電極と同一パターンに構成し、この液晶駆動用電極と
して利用する方法も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、図2に
示すように、観察者側基板に光の散乱層を配設する技術
を、特開平7−28055号公報にて提案している。図
3に示す従来の技術、すなわち散乱膜25を光反射性の金
属薄膜22上に形成する技術では、液晶23を駆動するため
の透明電極29が必要である。また、図4に示す従来の技
術、すなわち、表面を粗した(例えば、樹脂ビーズを用
い、樹脂ビーズの径にて凹凸を設けた)塗膜30上に光反
射性の金属薄膜32を形成する技術でも、平坦化膜36を形
成した上に、さらに液晶33を駆動するための透明電極39
が必要になる。
示すように、観察者側基板に光の散乱層を配設する技術
を、特開平7−28055号公報にて提案している。図
3に示す従来の技術、すなわち散乱膜25を光反射性の金
属薄膜22上に形成する技術では、液晶23を駆動するため
の透明電極29が必要である。また、図4に示す従来の技
術、すなわち、表面を粗した(例えば、樹脂ビーズを用
い、樹脂ビーズの径にて凹凸を設けた)塗膜30上に光反
射性の金属薄膜32を形成する技術でも、平坦化膜36を形
成した上に、さらに液晶33を駆動するための透明電極39
が必要になる。
【0009】図2に示す、本発明者らの技術は、光反射
性の金属薄膜を反射電極2として使うことが可能なた
め、図3、図4に示した透明電極29、39が不必要とな
り、コスト的メリットが大きい。すなわち、図2の本発
明者らの技術によれば、透明電極4が観察者側基板7の
みで良く、背面側基板1に形成する必要がなくなるもの
である。なぜならば、反射電極2が反射板を兼用し、対
向側の透明電極を形成しなくてよいためである。
性の金属薄膜を反射電極2として使うことが可能なた
め、図3、図4に示した透明電極29、39が不必要とな
り、コスト的メリットが大きい。すなわち、図2の本発
明者らの技術によれば、透明電極4が観察者側基板7の
みで良く、背面側基板1に形成する必要がなくなるもの
である。なぜならば、反射電極2が反射板を兼用し、対
向側の透明電極を形成しなくてよいためである。
【0010】また、散乱膜5を、液晶セルの内面に形成
することにより、光のスイッチである液晶3との位置ズ
レ(視差)が小さくなり、高精細表示に向く構成となる
ものである。
することにより、光のスイッチである液晶3との位置ズ
レ(視差)が小さくなり、高精細表示に向く構成となる
ものである。
【0011】本発明者らが提案した技術の光の散乱膜
は、透明な樹脂に、該樹脂と屈折率の異なる透明粒子を
分散する形で塗膜することで、比較的容易に光の散乱性
を確保できるものである。しかし、光を効率良く散乱さ
せるためには、透明粒子の径は、少なくとも可視光の波
長レベルである 0.4〜1μm、もしくはそれ以上の大き
さが必要といえる。しかるに、このような大きめの透明
粒子を用いた場合、塗膜して形成する散乱膜の表面に
は、凹凸(例えば 0.3〜2μm程度)が生じてしまうも
のである。このため、透明電極を介して接触する液晶の
配向が妨げられ、液晶表示装置としての表示品位が低下
するという大きな問題が生じるものである。
は、透明な樹脂に、該樹脂と屈折率の異なる透明粒子を
分散する形で塗膜することで、比較的容易に光の散乱性
を確保できるものである。しかし、光を効率良く散乱さ
せるためには、透明粒子の径は、少なくとも可視光の波
長レベルである 0.4〜1μm、もしくはそれ以上の大き
さが必要といえる。しかるに、このような大きめの透明
粒子を用いた場合、塗膜して形成する散乱膜の表面に
は、凹凸(例えば 0.3〜2μm程度)が生じてしまうも
のである。このため、透明電極を介して接触する液晶の
配向が妨げられ、液晶表示装置としての表示品位が低下
するという大きな問題が生じるものである。
【0012】また、透明樹脂に1種類の透明粒子を分散
し塗膜しただけの散乱膜では、十分な光の散乱効果が得
られないという問題があった。
し塗膜しただけの散乱膜では、十分な光の散乱効果が得
られないという問題があった。
【0013】本発明は、このような問題点に着目してな
されたものであり、その課題とするところは、コスト的
に有利で単純な構成でありながら、液晶の配向不良が無
く、かつ、光の散乱性の向上した、高品位な表示効果を
もつ液晶表示装置を提供することにある。
されたものであり、その課題とするところは、コスト的
に有利で単純な構成でありながら、液晶の配向不良が無
く、かつ、光の散乱性の向上した、高品位な表示効果を
もつ液晶表示装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を行い、その結果、散乱膜に用
いる透明粒子として、屈折率の異なる2種類の透明粒子
を混合することで、散乱膜の散乱効果を高め得ることを
見い出したものである。また、本発明者らは、光の散乱
材としての透明粒子の屈折率は、分散母材である透明樹
脂の屈折率と差があったほうが、さらにいえば、透明粒
子の屈折率が透明樹脂の屈折率より高いほうが、高い散
乱効果を得やすいことも、合わせて見い出したものであ
る。
題を解決すべく鋭意検討を行い、その結果、散乱膜に用
いる透明粒子として、屈折率の異なる2種類の透明粒子
を混合することで、散乱膜の散乱効果を高め得ることを
見い出したものである。また、本発明者らは、光の散乱
材としての透明粒子の屈折率は、分散母材である透明樹
脂の屈折率と差があったほうが、さらにいえば、透明粒
子の屈折率が透明樹脂の屈折率より高いほうが、高い散
乱効果を得やすいことも、合わせて見い出したものであ
る。
【0015】一般に、透明樹脂の屈折率は 1.3〜 1.7の
範囲であり、より一般的には屈折率1.5程度である。こ
のため、高い散乱効果を得るべく、透明粒子と透明樹脂
との屈折率差をつけるためには、透明粒子の材料を、無
機の高屈折率材料から選択することになる。また、選択
した透明粒子が、たとえ高屈折率であっても、あまり密
に詰めて並べると、逆に高い散乱効果を得にくくなるも
のである。
範囲であり、より一般的には屈折率1.5程度である。こ
のため、高い散乱効果を得るべく、透明粒子と透明樹脂
との屈折率差をつけるためには、透明粒子の材料を、無
機の高屈折率材料から選択することになる。また、選択
した透明粒子が、たとえ高屈折率であっても、あまり密
に詰めて並べると、逆に高い散乱効果を得にくくなるも
のである。
【0016】この点においても、本発明者らは検討を行
ったものであり、その結果、透明樹脂に透明粒子を混合
する際、透明樹脂と同程度(屈折率 1.5前後)のスペー
サー粒子を混合すれば、この問題を解決しうることを見
い出したものである。すなわち、透明粒子を分散させる
際、スペーサー粒子を混ぜることで、透明粒子間に適当
な距離をもたせることが出来、高い散乱効果を得られる
ことを見い出したものである。
ったものであり、その結果、透明樹脂に透明粒子を混合
する際、透明樹脂と同程度(屈折率 1.5前後)のスペー
サー粒子を混合すれば、この問題を解決しうることを見
い出したものである。すなわち、透明粒子を分散させる
際、スペーサー粒子を混ぜることで、透明粒子間に適当
な距離をもたせることが出来、高い散乱効果を得られる
ことを見い出したものである。
【0017】すなわち、請求項1に係わる発明は、光の
散乱膜と液晶を駆動するための透明電極とをこの順で透
明基板上に配設した観察者側基板と、液晶を駆動するた
めの駆動電極を配設した背面側基板とを対向させ、向か
い合う電極の間に液晶を挟持せしめた液晶表示装置にお
いて、散乱膜の母材である透明樹脂中に、該透明樹脂よ
り高屈折率の透明粒子と、該透明樹脂と同程度の屈折率
のスペーサー粒子とを各々1種類以上分散せしめた散乱
膜を有することを特徴とする液晶表示装置としたもので
ある。
散乱膜と液晶を駆動するための透明電極とをこの順で透
明基板上に配設した観察者側基板と、液晶を駆動するた
めの駆動電極を配設した背面側基板とを対向させ、向か
い合う電極の間に液晶を挟持せしめた液晶表示装置にお
いて、散乱膜の母材である透明樹脂中に、該透明樹脂よ
り高屈折率の透明粒子と、該透明樹脂と同程度の屈折率
のスペーサー粒子とを各々1種類以上分散せしめた散乱
膜を有することを特徴とする液晶表示装置としたもので
ある。
【0018】これにより、透明粒子の径をいたずらに大
きくすることなく、散乱膜の散乱効果を上げることがで
き、散乱膜表面の凹凸をなくし、散乱膜を平坦化するこ
とが可能となる。
きくすることなく、散乱膜の散乱効果を上げることがで
き、散乱膜表面の凹凸をなくし、散乱膜を平坦化するこ
とが可能となる。
【0019】なお、散乱膜中における、透明粒子とスペ
ーサー粒子との分量を固形比の重量比で50%程度とし、
残りを透明樹脂とする、また、透明粒子は固形比の重量
比で10〜40%程度とすることが好ましいことを、本発明
者らは経験的に得ているものである。
ーサー粒子との分量を固形比の重量比で50%程度とし、
残りを透明樹脂とする、また、透明粒子は固形比の重量
比で10〜40%程度とすることが好ましいことを、本発明
者らは経験的に得ているものである。
【0020】次いで、より光の散乱効果を上げるために
は、屈折率の異なる樹脂を併用することが好ましいとい
える。すなわち、請求項2に係わる発明は、光の散乱膜
と液晶を駆動するための透明電極とをこの順で透明基板
上に配設した観察者側基板と、液晶を駆動するための駆
動電極を配設した背面側基板とを対向させ、向かい合う
電極の間に液晶を挟持せしめた液晶表示装置において、
散乱膜が、屈折率の異なる樹脂を2層以上積層した構成
であり、かつ、積層した樹脂の少なくとも1層に、該樹
脂の屈折率と異なる1種類以上の透明粒子を分散せしめ
たことを特徴とする液晶表示装置としたものである。
は、屈折率の異なる樹脂を併用することが好ましいとい
える。すなわち、請求項2に係わる発明は、光の散乱膜
と液晶を駆動するための透明電極とをこの順で透明基板
上に配設した観察者側基板と、液晶を駆動するための駆
動電極を配設した背面側基板とを対向させ、向かい合う
電極の間に液晶を挟持せしめた液晶表示装置において、
散乱膜が、屈折率の異なる樹脂を2層以上積層した構成
であり、かつ、積層した樹脂の少なくとも1層に、該樹
脂の屈折率と異なる1種類以上の透明粒子を分散せしめ
たことを特徴とする液晶表示装置としたものである。
【0021】前述したように、透明樹脂の屈折率は、一
般的にほぼ 1.3〜 1.7の範囲にあるものである。上述し
た請求項2に係わる本発明に用いる樹脂は、透明で、か
つ、液晶プロセスに耐え得る樹脂であれば良く、上記屈
折率の範囲内にあるものから適当な組み合わせを選び、
積層して構わない。
般的にほぼ 1.3〜 1.7の範囲にあるものである。上述し
た請求項2に係わる本発明に用いる樹脂は、透明で、か
つ、液晶プロセスに耐え得る樹脂であれば良く、上記屈
折率の範囲内にあるものから適当な組み合わせを選び、
積層して構わない。
【0022】例えば、低屈折率の樹脂であれば、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(屈折率1.34)や、フッ素系アクリル樹脂(屈折率1.34
〜1.45)に代表されるフッ素系樹脂、東京応化工業
(株)製「MOF PCFシリーズ」(屈折率1.46〜1.
48)に代表される有機シリケート樹脂、あるいは、オル
ガノポリシラン樹脂や、ポリシロキサン樹脂等のシリコ
ン基を有する樹脂等が使用できる。
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(屈折率1.34)や、フッ素系アクリル樹脂(屈折率1.34
〜1.45)に代表されるフッ素系樹脂、東京応化工業
(株)製「MOF PCFシリーズ」(屈折率1.46〜1.
48)に代表される有機シリケート樹脂、あるいは、オル
ガノポリシラン樹脂や、ポリシロキサン樹脂等のシリコ
ン基を有する樹脂等が使用できる。
【0023】また、屈折率が約 1.5〜 1.7の樹脂とし
て、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂等が使用でき、また、これらの共重
合樹脂であっても利用できる。例えば、カラーフィルタ
ーの基材や、オーバーコート材料として市販されている
アクリル系の樹脂等は、好適に利用できるものである。
さらに、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化
型樹脂を併用する樹脂であっても構わない。
て、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂等が使用でき、また、これらの共重
合樹脂であっても利用できる。例えば、カラーフィルタ
ーの基材や、オーバーコート材料として市販されている
アクリル系の樹脂等は、好適に利用できるものである。
さらに、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化
型樹脂を併用する樹脂であっても構わない。
【0024】次いでこれら透明樹脂に、光の散乱材とし
て分散させる透明粒子は、その粒径が可視光の波長と同
等以上(例えば、 0.4〜4μm程度)であることが好ま
しい。しかし、さらにいえば、透明粒子の粒径が 0.4〜
1μm付近であることが、散乱膜を薄膜化するうえで、
より好ましいといえる。また、請求項2においても、光
の散乱効果を上げるため、透明粒子の屈折率は、分散母
材である透明樹脂の屈折率と差が有るほうが、さらにい
えば、透明粒子の屈折率が透明樹脂の屈折率より高いほ
うが良いといえる。
て分散させる透明粒子は、その粒径が可視光の波長と同
等以上(例えば、 0.4〜4μm程度)であることが好ま
しい。しかし、さらにいえば、透明粒子の粒径が 0.4〜
1μm付近であることが、散乱膜を薄膜化するうえで、
より好ましいといえる。また、請求項2においても、光
の散乱効果を上げるため、透明粒子の屈折率は、分散母
材である透明樹脂の屈折率と差が有るほうが、さらにい
えば、透明粒子の屈折率が透明樹脂の屈折率より高いほ
うが良いといえる。
【0025】透明粒子を分散させた樹脂液の塗布方法と
しては、例えば、バーコーティング、ロールコーティン
グ、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ス
ピンコーティング、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の
方法が採用できる。なお、樹脂液を塗布する際の膜厚
は、上記散乱材料としての透明粒子が、1〜10個、より
好ましくは1〜4個、膜厚方向にランダムに配置する形
であれば良く、塗布膜厚そのものには、こだわる必要は
ない。この透明粒子を分散させた塗膜は、硬膜後の厚み
が、 0.5〜10μm、より好ましくは 0.5〜2μm程度で
あれば良いといえる。次いで、この塗膜上に、平坦化膜
を兼ねて膜厚 0.1〜20μmにて、より好ましくは膜厚
0.5〜4μmにて屈折率の異なる透明樹脂を積層し、2
層構成の散乱膜とするものである。
しては、例えば、バーコーティング、ロールコーティン
グ、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ス
ピンコーティング、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の
方法が採用できる。なお、樹脂液を塗布する際の膜厚
は、上記散乱材料としての透明粒子が、1〜10個、より
好ましくは1〜4個、膜厚方向にランダムに配置する形
であれば良く、塗布膜厚そのものには、こだわる必要は
ない。この透明粒子を分散させた塗膜は、硬膜後の厚み
が、 0.5〜10μm、より好ましくは 0.5〜2μm程度で
あれば良いといえる。次いで、この塗膜上に、平坦化膜
を兼ねて膜厚 0.1〜20μmにて、より好ましくは膜厚
0.5〜4μmにて屈折率の異なる透明樹脂を積層し、2
層構成の散乱膜とするものである。
【0026】偏光フィルムを用いるタイプの液晶表示装
置では、散乱材料として、偏光くずれや、偏光解消を生
じる透明粒子を用いることは、液晶表示のコントラスト
低下を招くため、好ましくない。このため、本発明者ら
が提唱する構成の液晶表示装置において、かつ、偏光フ
ィルムを用いる液晶表示装置においては、透明粒子は光
学的に等方性であることが必要であるといえる。
置では、散乱材料として、偏光くずれや、偏光解消を生
じる透明粒子を用いることは、液晶表示のコントラスト
低下を招くため、好ましくない。このため、本発明者ら
が提唱する構成の液晶表示装置において、かつ、偏光フ
ィルムを用いる液晶表示装置においては、透明粒子は光
学的に等方性であることが必要であるといえる。
【0027】すなわち、請求項3に係わる発明は、透明
粒子およびスペーサー粒子が、ともに光学的に等方性の
結晶構造を持つか、あるいは、非晶質であることを特徴
とするものである。
粒子およびスペーサー粒子が、ともに光学的に等方性の
結晶構造を持つか、あるいは、非晶質であることを特徴
とするものである。
【0028】等方性の材料として、等軸晶(立方晶)の
ようにa軸、b軸、c軸の長さが等しいもの、また、非
晶質のもの(結晶構造をとらないもの)がある。高屈折
率で、かつ等軸晶の代表的なものに、金属酸化物の中で
は酸化セリウムがある。また、酸化チタンや酸化ジルコ
ニウム等も、非晶質の酸化物として造粒すれば、使用可
能である。さらに、非晶質材料として、混合酸化物、酸
化珪素、あるいは各種ガラス粉末等が使用できる。ある
いは、樹脂の粉末、フッ化カルシウムに代表されるフッ
化物、硫化物、窒化物等の透明粒子を使用しても良い。
ようにa軸、b軸、c軸の長さが等しいもの、また、非
晶質のもの(結晶構造をとらないもの)がある。高屈折
率で、かつ等軸晶の代表的なものに、金属酸化物の中で
は酸化セリウムがある。また、酸化チタンや酸化ジルコ
ニウム等も、非晶質の酸化物として造粒すれば、使用可
能である。さらに、非晶質材料として、混合酸化物、酸
化珪素、あるいは各種ガラス粉末等が使用できる。ある
いは、樹脂の粉末、フッ化カルシウムに代表されるフッ
化物、硫化物、窒化物等の透明粒子を使用しても良い。
【0029】ここで、光学的に等方性、かつ高屈折率で
あり、また、光の波長サイズの平均粒径の透明粒子とし
て入手可能なパウダー(粉末)は以外に少ないものであ
る。しかし、本発明者らは探査の結果、酸化セリウムの
パウダーがあることを見い出したものである。
あり、また、光の波長サイズの平均粒径の透明粒子とし
て入手可能なパウダー(粉末)は以外に少ないものであ
る。しかし、本発明者らは探査の結果、酸化セリウムの
パウダーがあることを見い出したものである。
【0030】すなわち、請求項4に係わる発明は、透明
粒子の一部もしくは全部が、酸化セリウムのパウダーで
あることを特徴とするものである。
粒子の一部もしくは全部が、酸化セリウムのパウダーで
あることを特徴とするものである。
【0031】本発明において、背面側基板の電極(駆動
電極)を、ITO(酸化スズと酸化インジウムの混合酸
化物)等の透明電極とすると、散乱膜の機能を利用し
て、広視野角の透過型液晶表示装置として用いることも
できる。
電極)を、ITO(酸化スズと酸化インジウムの混合酸
化物)等の透明電極とすると、散乱膜の機能を利用し
て、広視野角の透過型液晶表示装置として用いることも
できる。
【0032】しかし、本発明の主な目的は、背面側基板
の電極(駆動電極)を、光の反射率の高い反射電極とす
ることにより、簡素な構成ながら高反射率、高視野角の
反射型液晶表示装置を提供することにあり、反射型液晶
表示装置においては、反射電極の材料は、光の反射率が
高く、導電性の良い金属薄膜を用いることが好ましい。
の電極(駆動電極)を、光の反射率の高い反射電極とす
ることにより、簡素な構成ながら高反射率、高視野角の
反射型液晶表示装置を提供することにあり、反射型液晶
表示装置においては、反射電極の材料は、光の反射率が
高く、導電性の良い金属薄膜を用いることが好ましい。
【0033】すなわち、請求項5に係わる発明は、駆動
電極の構成の一部もしくは全部が、光の反射率が高く、
導電性の良い金属、すなわちアルミニウム、アルミニウ
ム合金、銀もしくは銀合金のいずれかより選ばれる材料
で構成されていることを特徴とするものである。
電極の構成の一部もしくは全部が、光の反射率が高く、
導電性の良い金属、すなわちアルミニウム、アルミニウ
ム合金、銀もしくは銀合金のいずれかより選ばれる材料
で構成されていることを特徴とするものである。
【0034】銀もしくは銀合金を透明な酸化物薄膜で挟
持する3層構成の導電膜は、銀合金薄膜(あるいは銀薄
膜)の膜厚が、例えば5〜30nm付近の薄い領域では、低
抵抗で透過率の高い透明電極となる。また、銀合金薄膜
(あるいは銀薄膜)の膜厚が、80〜 200nmあるいはこれ
以上の厚い領域では、アルミニウムを凌ぐ高反射率の反
射膜(反射電極)とすることができる。本発明には、こ
の3層構成の導電膜を使用することができるものであ
る。
持する3層構成の導電膜は、銀合金薄膜(あるいは銀薄
膜)の膜厚が、例えば5〜30nm付近の薄い領域では、低
抵抗で透過率の高い透明電極となる。また、銀合金薄膜
(あるいは銀薄膜)の膜厚が、80〜 200nmあるいはこれ
以上の厚い領域では、アルミニウムを凌ぐ高反射率の反
射膜(反射電極)とすることができる。本発明には、こ
の3層構成の導電膜を使用することができるものであ
る。
【0035】すなわち、請求項6に係わる発明は、透明
電極もしく駆動電極の、片方もしくは両方が、〔酸化物
薄膜/銀合金薄膜/酸化物薄膜〕の3層構成であること
を特徴とするものである。
電極もしく駆動電極の、片方もしくは両方が、〔酸化物
薄膜/銀合金薄膜/酸化物薄膜〕の3層構成であること
を特徴とするものである。
【0036】酸化物薄膜の主材料として、導電性の金属
酸化物、例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、
酸化ガリウム等が好適で、これらの混合物や、これらに
屈折率の高い他の金属酸化物を混ぜた混合酸化物等を用
いることができる。
酸化物、例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、
酸化ガリウム等が好適で、これらの混合物や、これらに
屈折率の高い他の金属酸化物を混ぜた混合酸化物等を用
いることができる。
【0037】次いで、酸化物薄膜で挟持される銀合金薄
膜は、銀に、銅や金、その他、重い金属元素を添加した
銀合金が好ましい。なぜならば、銀単体では、銀がマイ
グレーション(移動)しやすく信頼性に欠けるためであ
る。また、ガラス基板や酸化物薄膜との密着力を向上さ
せるため、マグネシウムやチタン、アルミ等の金属を添
加した銀合金としても良い。
膜は、銀に、銅や金、その他、重い金属元素を添加した
銀合金が好ましい。なぜならば、銀単体では、銀がマイ
グレーション(移動)しやすく信頼性に欠けるためであ
る。また、ガラス基板や酸化物薄膜との密着力を向上さ
せるため、マグネシウムやチタン、アルミ等の金属を添
加した銀合金としても良い。
【0038】上述した請求項1〜6に係わる発明におい
て、観察者側の基板材料は透明であれば良く、ガラス、
プラスチック等が利用できる。背面側の基板は、ガラス
やプラスチックフィルムの他、セラミック、金属板、偏
光フィルム等の光学素子、または、ポリシリコンやアモ
ルファスシリコン等の半導体素子を形成した基板であっ
ても良い。また、黒色、白色等、他の色に着色したもの
であっても良い。
て、観察者側の基板材料は透明であれば良く、ガラス、
プラスチック等が利用できる。背面側の基板は、ガラス
やプラスチックフィルムの他、セラミック、金属板、偏
光フィルム等の光学素子、または、ポリシリコンやアモ
ルファスシリコン等の半導体素子を形成した基板であっ
ても良い。また、黒色、白色等、他の色に着色したもの
であっても良い。
【0039】加えて、観察者側基板には、マルチカラー
やフルカラー表示のためのカラーフィルターを形成せし
めた基板であっても良く、TFT(薄膜トランジスタ)
やMIM(ダイオード素子)等のアクティブ素子を形成
しても良い。さらに、観察者側基板の外側の表面部位に
は、AG(アンチグレアー)膜、AR(反射防止)膜、
偏光フィルム、位相差フィルム、旋光補償フィルム、調
光フィルム、λ/4板、回折格子等を貼り付けしても良
い。
やフルカラー表示のためのカラーフィルターを形成せし
めた基板であっても良く、TFT(薄膜トランジスタ)
やMIM(ダイオード素子)等のアクティブ素子を形成
しても良い。さらに、観察者側基板の外側の表面部位に
は、AG(アンチグレアー)膜、AR(反射防止)膜、
偏光フィルム、位相差フィルム、旋光補償フィルム、調
光フィルム、λ/4板、回折格子等を貼り付けしても良
い。
【0040】また、本発明の液晶表示装置に使用可能な
液晶は、TN、STN、HANの他、垂直配向の液晶、
IPSと呼称される水平配向の液晶、BTN、GH、強
誘電、反強誘電、ディスコティック、ゲストホスト、高
分子分散型、および壁構造型の液晶等、いずれを用いて
も良い。
液晶は、TN、STN、HANの他、垂直配向の液晶、
IPSと呼称される水平配向の液晶、BTN、GH、強
誘電、反強誘電、ディスコティック、ゲストホスト、高
分子分散型、および壁構造型の液晶等、いずれを用いて
も良い。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を、以
下の実施例に記す。 <実施例1>(実施例1)に係わる液晶表示装置は、図
1に示すように、光の散乱膜15と透明電極14とが積層さ
れた観察者側基板16と、透明基板11の上に光の反射電極
12(駆動電極)が配設された背面側基板19とによって、
液晶13が挟持された構成である。透明基板17の上には、
AR兼用AG膜、偏光板、および旋光補償位相差フィル
ム等からなる偏光フィルム18が形成されている。
下の実施例に記す。 <実施例1>(実施例1)に係わる液晶表示装置は、図
1に示すように、光の散乱膜15と透明電極14とが積層さ
れた観察者側基板16と、透明基板11の上に光の反射電極
12(駆動電極)が配設された背面側基板19とによって、
液晶13が挟持された構成である。透明基板17の上には、
AR兼用AG膜、偏光板、および旋光補償位相差フィル
ム等からなる偏光フィルム18が形成されている。
【0042】散乱膜15は、透明粒子として平均粒径 0.7
μmのCeO2 (酸化セリウム)パウダーを固形比の重
量比で20%、スペーサー粒子としてSiO2 (酸化珪
素)パウダー(平均粒径 0.6μm、屈折率 1.5)を固形
比の重量比で20%、残りを透明樹脂(屈折率1.51のアク
リル系樹脂)とし、膜厚約 1.5μmで、透明基板17上に
形成したものである。散乱膜15上にはさらに、Ce
O2 、SiO2 パウダーを含まない透明樹脂(屈折率1.
41のフッ素系アクリル樹脂)のみにて膜厚約 1.5μmの
平坦化膜46を形成した。すなわち、散乱膜15と平坦化膜
46とを合わせて、膜厚約3μmの2層構成の散乱膜とし
てある。散乱膜は、スピンコーターにて塗布し、オーブ
ンで硬膜したものである。
μmのCeO2 (酸化セリウム)パウダーを固形比の重
量比で20%、スペーサー粒子としてSiO2 (酸化珪
素)パウダー(平均粒径 0.6μm、屈折率 1.5)を固形
比の重量比で20%、残りを透明樹脂(屈折率1.51のアク
リル系樹脂)とし、膜厚約 1.5μmで、透明基板17上に
形成したものである。散乱膜15上にはさらに、Ce
O2 、SiO2 パウダーを含まない透明樹脂(屈折率1.
41のフッ素系アクリル樹脂)のみにて膜厚約 1.5μmの
平坦化膜46を形成した。すなわち、散乱膜15と平坦化膜
46とを合わせて、膜厚約3μmの2層構成の散乱膜とし
てある。散乱膜は、スピンコーターにて塗布し、オーブ
ンで硬膜したものである。
【0043】そして、透明電極14は、膜厚 250nmのIT
O(酸化インジウムと酸化スズの混合酸化物)にて、幅
100μm、ピッチ 110μmのストライプパターン状に形
成している。反射電極12は、幅 320μm、ピッチ 330μ
mのストライプパターン状とし、透明電極14と直交する
方向にパターン形成されている。また、反射電極12は3
層構成としている。すなわち、上側(液晶13と接する
側)を膜厚75nmの透明酸化物薄膜、下側(基板11と接す
る側)を膜厚20nmの透明酸化物薄膜としており、上下の
透明酸化物薄膜にて、膜厚 150nmの銀合金薄膜を挟持し
た3層構成である。
O(酸化インジウムと酸化スズの混合酸化物)にて、幅
100μm、ピッチ 110μmのストライプパターン状に形
成している。反射電極12は、幅 320μm、ピッチ 330μ
mのストライプパターン状とし、透明電極14と直交する
方向にパターン形成されている。また、反射電極12は3
層構成としている。すなわち、上側(液晶13と接する
側)を膜厚75nmの透明酸化物薄膜、下側(基板11と接す
る側)を膜厚20nmの透明酸化物薄膜としており、上下の
透明酸化物薄膜にて、膜厚 150nmの銀合金薄膜を挟持し
た3層構成である。
【0044】透明酸化物薄膜は、酸化セリウムを金属元
素換算(酸素原子をノーカウントとする)の原子パーセ
ント(at%)で20at%含む、酸化インジウムとの混合酸
化物であり、その透明酸化物薄膜の屈折率は約 2.2であ
った。また、銀合金薄膜の組成は、Au(金)を 2at
%、Cu(銅)を 1.0at%含む銀合金とした。
素換算(酸素原子をノーカウントとする)の原子パーセ
ント(at%)で20at%含む、酸化インジウムとの混合酸
化物であり、その透明酸化物薄膜の屈折率は約 2.2であ
った。また、銀合金薄膜の組成は、Au(金)を 2at
%、Cu(銅)を 1.0at%含む銀合金とした。
【0045】上述した当(実施例1)に記した液晶表示
装置を、実際に駆動させて表示品位を確認したところ、
コントラスト値は約8、反射率は20%を超え、目視レベ
ルでは新聞紙に近い良好な表示品位が確認できた。ま
た、当(実施例1)の反射電極12の面積抵抗値は、 0.2
〜 0.3Ω/□と極めて低い抵抗値であった。
装置を、実際に駆動させて表示品位を確認したところ、
コントラスト値は約8、反射率は20%を超え、目視レベ
ルでは新聞紙に近い良好な表示品位が確認できた。ま
た、当(実施例1)の反射電極12の面積抵抗値は、 0.2
〜 0.3Ω/□と極めて低い抵抗値であった。
【0046】変角光度計を用いて、当(実施例1)の液
晶セルの光散乱性を測定した結果を、以下の(表1)に
示す。なお、液晶セルの裏面にAl(アルミ)反射板を
貼り付けした、従来の反射型パネルの光散乱性の測定結
果の一例、および、当(実施例1)の液晶セルとの比較
のため、スペーサー粒子(SiO2 )を混ぜず、CeO
2 パウダーのみを重量比で25%分散させた散乱膜とした
以外は、上記(実施例1)と同様とした液晶セルで得ら
れた光散乱性の測定結果を、(表1)中に合わせて記し
ている。なお、いずれの測定においても、光の正反射を
拾わないよう、あおり角度 5°(被検査体を 5°傾けた
状態)にて測定したものである。また、変角光度計の光
は、平行度 0.5°以内の平行光を用い、さらにレファラ
ンスは、上述したAl反射板を貼り付けした従来の反射
型パネルをあおり角度0°にした(傾きを掛けない)と
きの、視野角0°の光度を 100%として測定したもので
ある。
晶セルの光散乱性を測定した結果を、以下の(表1)に
示す。なお、液晶セルの裏面にAl(アルミ)反射板を
貼り付けした、従来の反射型パネルの光散乱性の測定結
果の一例、および、当(実施例1)の液晶セルとの比較
のため、スペーサー粒子(SiO2 )を混ぜず、CeO
2 パウダーのみを重量比で25%分散させた散乱膜とした
以外は、上記(実施例1)と同様とした液晶セルで得ら
れた光散乱性の測定結果を、(表1)中に合わせて記し
ている。なお、いずれの測定においても、光の正反射を
拾わないよう、あおり角度 5°(被検査体を 5°傾けた
状態)にて測定したものである。また、変角光度計の光
は、平行度 0.5°以内の平行光を用い、さらにレファラ
ンスは、上述したAl反射板を貼り付けした従来の反射
型パネルをあおり角度0°にした(傾きを掛けない)と
きの、視野角0°の光度を 100%として測定したもので
ある。
【0047】
【表1】
【0048】上記の(表1)に示すように、本発明によ
る(実施例1)では、各視野角で得られる光度の数値が
高く、光散乱性が良好であることが分かる。
る(実施例1)では、各視野角で得られる光度の数値が
高く、光散乱性が良好であることが分かる。
【0049】<実施例2>当(実施例2)は、散乱膜に
用いる樹脂と屈折率に差がある樹脂で形成した平坦化膜
による、散乱性向上の効果を示すものである。(実施例
2)においては、散乱材(透明粒子)であるCeO
2 (酸化セリウム)の含有割合を変えた4種類の散乱膜
とし、各散乱膜上に、平坦化膜として屈折率約 1.4のフ
ッ素系アクリル樹脂を塗布形成したものと、塗布形成し
ないものとを各々作製し、計8種類の試料としたもので
ある。次いで、(実施例1)同様に、各試料を用いて液
晶セル化した後、変角光度計により各液晶セルの光の散
乱性を測定したものである。この測定結果を以下の(表
2)に記す。なお、当(実施例2)に用いた液晶材料の
屈折率は約 1.5であり、また、散乱膜のスペーサー粒子
の含有割合は約20%とし、上記(実施例1)と同様に、
被測定物を 5°傾けて測定した。
用いる樹脂と屈折率に差がある樹脂で形成した平坦化膜
による、散乱性向上の効果を示すものである。(実施例
2)においては、散乱材(透明粒子)であるCeO
2 (酸化セリウム)の含有割合を変えた4種類の散乱膜
とし、各散乱膜上に、平坦化膜として屈折率約 1.4のフ
ッ素系アクリル樹脂を塗布形成したものと、塗布形成し
ないものとを各々作製し、計8種類の試料としたもので
ある。次いで、(実施例1)同様に、各試料を用いて液
晶セル化した後、変角光度計により各液晶セルの光の散
乱性を測定したものである。この測定結果を以下の(表
2)に記す。なお、当(実施例2)に用いた液晶材料の
屈折率は約 1.5であり、また、散乱膜のスペーサー粒子
の含有割合は約20%とし、上記(実施例1)と同様に、
被測定物を 5°傾けて測定した。
【0050】
【表2】
【0051】上記の(表2)に示すように、散乱膜が、
屈折率 1.5の液晶と直接に接する構成よりも、屈折率に
差のある平坦化膜(当実施例では屈折率 1.4の樹脂)を
挿入した構成の方が、得られた光度の数値が高く、散乱
性が向上している。
屈折率 1.5の液晶と直接に接する構成よりも、屈折率に
差のある平坦化膜(当実施例では屈折率 1.4の樹脂)を
挿入した構成の方が、得られた光度の数値が高く、散乱
性が向上している。
【0052】測定に用いた散乱膜単体の厚みは、ほぼ
1.0〜 2.0μmの範囲となるよう設定し、また、散乱膜
と平坦化膜との合計の厚みは 2.0〜 3.0μm程度とした
ものである。なお、本発明者らは、CeO2 の透明粒子
を用いた散乱膜の偏光解消(偏光くずれ)は、 1.5μm
前後の膜厚の散乱膜で 0.2%以下と、反射型LCDにと
ってほぼ問題の無いことを確認している。
1.0〜 2.0μmの範囲となるよう設定し、また、散乱膜
と平坦化膜との合計の厚みは 2.0〜 3.0μm程度とした
ものである。なお、本発明者らは、CeO2 の透明粒子
を用いた散乱膜の偏光解消(偏光くずれ)は、 1.5μm
前後の膜厚の散乱膜で 0.2%以下と、反射型LCDにと
ってほぼ問題の無いことを確認している。
【0053】なお、透明粒子は、その屈折率を調整する
ことにより、光の散乱性や集光性を調整することができ
るといえる。
ことにより、光の散乱性や集光性を調整することができ
るといえる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、高い光の散乱性を持つ
散乱膜を、スピンコートのような極めて簡便な方法で提
供できるため、反射型液晶表示装置向けに市販されてい
るグレーティング(回折格子)等より低コストとなり、
かつ、散乱膜を液晶セルに内填できる。このため、画像
のボケの発生の無い、極めて高品位の液晶表示を可能と
した液晶表示装置が得られる。また、散乱膜を、反射電
極と別付けできるため、反射電極の低抵抗を活用でき、
広視野の液晶表示装置が得られる。
散乱膜を、スピンコートのような極めて簡便な方法で提
供できるため、反射型液晶表示装置向けに市販されてい
るグレーティング(回折格子)等より低コストとなり、
かつ、散乱膜を液晶セルに内填できる。このため、画像
のボケの発生の無い、極めて高品位の液晶表示を可能と
した液晶表示装置が得られる。また、散乱膜を、反射電
極と別付けできるため、反射電極の低抵抗を活用でき、
広視野の液晶表示装置が得られる。
【0055】さらに、本発明によれば、屈折率差のある
樹脂にて平坦化膜を形成するため、液晶の配向に支障が
生じず、高品位の液晶表示が可能となる。すなわち、本
発明によれば、光の散乱性、反射率が高く、コントラス
ト値の高い高品位の液晶表示が可能な液晶表示装置を低
コストで提供できるといえ、実用上優れているといえ
る。
樹脂にて平坦化膜を形成するため、液晶の配向に支障が
生じず、高品位の液晶表示が可能となる。すなわち、本
発明によれば、光の散乱性、反射率が高く、コントラス
ト値の高い高品位の液晶表示が可能な液晶表示装置を低
コストで提供できるといえ、実用上優れているといえ
る。
【0056】
【図1】本発明の液晶表示装置の一実施例の断面を示す
説明図。
説明図。
【図2】本発明の液晶表示装置の一実施例の要部を示す
説明図。
説明図。
【図3】散乱膜を反射電極上に積層した従来の反射型液
晶表示装置の例を示す断面図。
晶表示装置の例を示す断面図。
【図4】凹凸による表面散乱を用いた従来の反射型液晶
表示装置の例を示す断面図。
表示装置の例を示す断面図。
1、11、21、31 基板 17、27、37 基板 2、12 反射電極 3、13、23、33 液晶 4、14、24、29、34、39 透明電極 5、15、25 散乱膜 26、36、46 平坦化膜 7、16 観察者側基板 18、28、38 偏光フィルム 19 背面側基板 9 後方散乱光 10 前方散乱光 22、32 金属薄膜 30 塗膜
Claims (6)
- 【請求項1】光の散乱膜と液晶を駆動するための透明電
極とをこの順で透明基板上に配設した観察者側基板と、
液晶を駆動するための駆動電極を配設した背面側基板と
を対向させ、向かい合う電極の間に液晶を挟持せしめた
液晶表示装置において、散乱膜の母材である透明樹脂中
に、該透明樹脂より高屈折率の透明粒子と、該透明樹脂
と同程度の屈折率のスペーサー粒子とを各々1種類以上
分散せしめたことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】光の散乱膜と液晶を駆動するための透明電
極とをこの順で透明基板上に配設した観察者側基板と、
液晶を駆動するための駆動電極を配設した背面側基板と
を対向させ、向かい合う電極の間に液晶を挟持せしめた
液晶表示装置において、散乱膜が、屈折率の異なる樹脂
を2層以上積層した構成であり、かつ、積層した樹脂の
少なくとも1層に、該樹脂の屈折率と異なる1種類以上
の透明粒子を分散せしめたことを特徴とする液晶表示装
置。 - 【請求項3】透明粒子およびスペーサー粒子が、光学的
に等方性の結晶構造を持つか、あるいは、非晶質である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装
置。 - 【請求項4】透明粒子の一部もしくは全部が、酸化セリ
ウムのパウダーであることを特徴とする請求項1、2ま
たは3に記載の液晶表示装置。 - 【請求項5】駆動電極の構成の一部もしくは全部が、ア
ルミニウム、アルミ合金、銀もしくは銀合金のいずれか
より選ばれる材料で構成されていることを特徴とする請
求項1、2、3または4に記載の液晶表示装置。 - 【請求項6】透明電極もしくは駆動電極の少なくとも一
方が、〔酸化物薄膜/銀合金薄膜/酸化物薄膜〕の3層
構成であることを特徴とする請求項1、2、3、4また
は5に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9063197A JPH10260399A (ja) | 1997-03-17 | 1997-03-17 | 液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9063197A JPH10260399A (ja) | 1997-03-17 | 1997-03-17 | 液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10260399A true JPH10260399A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13222262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9063197A Pending JPH10260399A (ja) | 1997-03-17 | 1997-03-17 | 液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10260399A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000180624A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-06-30 | Dainippon Printing Co Ltd | カラ―フィルタ |
WO2000048039A1 (fr) * | 1999-02-15 | 2000-08-17 | Citizen Watch Co., Ltd. | Afficheur a cristaux liquides |
JP2003035898A (ja) * | 2001-07-24 | 2003-02-07 | Toshiba Corp | 平面表示素子及び平面表示素子の製造方法 |
KR100381077B1 (ko) * | 2000-03-14 | 2003-04-23 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 액정 표시 장치 및 전자 기기 |
-
1997
- 1997-03-17 JP JP9063197A patent/JPH10260399A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000180624A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-06-30 | Dainippon Printing Co Ltd | カラ―フィルタ |
WO2000048039A1 (fr) * | 1999-02-15 | 2000-08-17 | Citizen Watch Co., Ltd. | Afficheur a cristaux liquides |
US6552767B1 (en) | 1999-02-15 | 2003-04-22 | Citizen Watch Co., Ltd. | Liquid-crystal display |
JP3612024B2 (ja) * | 1999-02-15 | 2005-01-19 | シチズン時計株式会社 | 液晶表示装置 |
KR100381077B1 (ko) * | 2000-03-14 | 2003-04-23 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 액정 표시 장치 및 전자 기기 |
US6611305B2 (en) | 2000-03-14 | 2003-08-26 | Seiko Epson Corporation | Liquid crystal display device and electronic apparatus |
JP2003035898A (ja) * | 2001-07-24 | 2003-02-07 | Toshiba Corp | 平面表示素子及び平面表示素子の製造方法 |
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