JP2006243084A - 光拡散板 - Google Patents

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和裕 小杉
Hidetoshi Yoshimura
英俊 吉村
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Abstract

【課題】 高輝度かつ高い光拡散性を維持しながら、同時に帯電防止性も付与することにより埃付着等による汚れが少ない光拡散板を提供する。
【解決手段】 スチレン系樹脂またはアクリル系樹脂100質量部に対して光拡散剤0.1〜10質量部を含有した(A)層の少なくとも一方の面に,帯電防止性を有する樹脂組成物からなる表面抵抗値が1×1012Ω以下の(B)層を積層した光拡散板。(B)層を構成する樹脂組成物は、導電性の両性イオンポリマーを含有していることが好ましい。又、(B)層を構成する樹脂組成物は、樹脂分に対して重量平均粒子径0.2μm以下の導電性充填剤を含有していることが好ましく、前記導電性充填剤が、五酸化アンチモンであることがより好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面抵抗値が低く帯電防止性に優れ、高い輝度と高い光拡散性を有する光拡散板に関する。
大型化液晶モニタは省スペース化できるという特徴もあり、従来使用されてきたブラウン管タイプのモニタに代わり急速に普及しつつある。家庭用テレビについても同様であり、大型液晶テレビの製品化が行われ、市場が急速に拡大しつつある。液晶パネルは自ら発光するものではないので、液晶パネルの背面に面状光源としてバックライトが必要である。パソコンディスプレイなどの液晶モニタのバックライトには、導光板といわれるアクリル板の側面に冷陰極管を装着したエッジライト型バックライトが用いられる。輝度向上を目的として、導光板の下面に反射シートが配され、上面に拡散シート、プリズムシートといった各種機能性シートが組み合わされ、さらにその上面に液晶パネルが置かれた構成となっている。しかしながら、大型液晶モニタや特に液晶テレビでは、エッジライト式バックライトを光源として使用した場合に輝度が不足することから、より高輝度化が可能な直下型バックライトが用いられる。直下型バックライトは白色反射板、複数本並べた冷陰極管、光拡散板、及び各種機能性シートから構成され、その上面に液晶パネルが置かれる。直下型バックライト用の光拡散板は冷陰極管の直上に設置されるため、輝度を維持したままでランプ像を見えにくくするための光拡散性が求められる。
照明看板や照明カバー、ディスプレイ用光拡散板等に用いられてきた光拡散板材料の技術をベースとして、近年液晶パネルの用途に合わせた光拡散板の開発が行われている(特許文献1〜3を参照)。これら光拡散板は光拡散板の上面に配する各種機能性シートの支持体としての役目もあり、一般には硬い樹脂から構成される。そのため樹脂へ帯電防止剤を含有させることによって帯電防止性を付与することが難しく、その結果使用時間の経過と共に埃が付着し、輝度の低下や輝度ムラを生じる問題があり、その改善が求められている。
また、直下型バックライトユニット用の光拡散板の上には、光拡散シート、プリズムシート等の機能性シートを重ね合わせて、輝度向上が図られている(例えば特許文献4参照)。しかし、生産性向上,薄型化やコストダウンの観点から、出来る限りこれらのフィルムを使用せずに高い輝度と高い光拡散性を達成できる光拡散板が望まれている。また光拡散板を介することにより透過光が黄色味を帯びることがあり、これが照明や画像の色調に悪影響を与えることもあるため、透過光の着色を抑えることを必要とされる場合がある。
特開平3−35047号公報 特開平4−41545号公報 特開2001−11277号公報 特開2003−107214号公報
本発明は、高輝度かつ高い光拡散性を維持しながら、同時に帯電防止性も付与することにより埃付着等による汚れが少ない光拡散板を提供することを課題とする。
即ち本発明は、スチレン系樹脂またはアクリル系樹脂100質量部に対して光拡散剤0.1〜10質量部を含有した(A)層の少なくとも一方の面に,帯電防止性を有する樹脂組成物からなる表面抵抗値が1×1012Ω以下の(B)層を積層した光拡散板である。(B)層を構成する樹脂組成物は、導電性の両性イオンポリマーを含有していることが好ましい。又、(B)層を構成する樹脂組成物は、樹脂分に対して重量平均粒子径0.2μm以下の導電性充填剤を含有していることが好ましく、前記導電性充填剤が、五酸化アンチモンであることがより好ましい。更に、(B)層を構成する樹脂組成物は、樹脂分の合計100質量部に対して、100〜1000質量部の透明無機粒子、または透明有機系架橋粒子を、及び/又は紫外線吸収剤0.01〜1質量部を含有していることが好ましい。又、本願発明は、(A)層の少なくとも片面に(B)層を塗工する、前記光拡散板の製造方法を含む。
本発明の光拡散板は、高い輝度と高い光拡散性という光拡散板としての良好な性能を有すると同時に、表面抵抗値が低く帯電防止性に優れており埃付着等による汚れが少ない。この光拡散板を直下型バックライト方式の液晶表示装置に用いることにより、バックライトを長期間点灯させた際の光拡散板への埃付着が少なく、輝度の低下や輝度ムラの発生を抑えることができ、良好な画像を得ることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光拡散板は、スチレン系樹脂またはアクリル系樹脂100質量部に対して光拡散剤0.1〜10質量部を含有した(A)層の少なくとも一方の面に,帯電防止性を有する樹脂組成物からなるJISK−6911に規定された方法で測定した表面抵抗値が1×1012Ω以下の(B)層を積層した光拡散板である。
本発明の光拡散板の(A)層を構成するスチレン系樹脂とは、単量体単位としてスチレンを50質量%以上含むものであり、実質的にスチレン単独の重合体であってもよいし、スチレン50質量%以上とこれと共重合可能な不飽和単量体50質量%未満とからなる共重合体であってもよい。
スチレン系樹脂のスチレンと共重合できるスチレン以外の単量体の例としては、α−メチルスチレンや4−メチルスチレンなどの置換スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類、及び、メタクリル酸、アクリル酸のような不飽和酸類等が挙げられる。
本発明の光拡散板の(A)層を構成するアクリル系樹脂とは、単量体単位としてメタクリル酸メチルを50質量%以上含むものであり、実質的にメタクリル酸メチル単独の重合体であってもよいし、メタクリル酸メチル50質量%以上とこれと共重合可能な単量体50質量%未満とからなる共重合体であってもよい。
前記(A)層に用いるアクリル系樹脂で、メタクリル酸メチルに共重合して用いることのできる単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類;メタクリル酸、アクリル酸のような不飽和酸類、及び、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれていてもよい。
(A)層に用いる光拡散剤としては、一般的に光拡散板に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、前記の樹脂成分と屈折率の異なる無機系または有機系の透明微粒子を用いることができる。例えば光拡散剤として用いることが出来る無機系の透明微粒子としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられ、これらは脂肪酸やシリコーンカップリング剤、チタネート系カップリング剤等で表面処理が施されたものであってもよい。また、光拡散剤として用いることが出来る有機系の透明微粒子としては、スチレン系架橋微粒子、アクリル系架橋微粒子、フッ素変性したアクリル系架橋微粒子やスチレン−アクリル系架橋微粒子、シリコーン系架橋微粒子等が挙げられる。
スチレン系架橋微粒子とは、少なくとも50質量%以上スチレン単量体で構成され、アクリル系架橋微粒子とは少なくとも50質量%以上がメタクリル酸メチルやメタクリル酸ブチルなどのアクリル系単量体で構成されたものである。スチレン−アクリル系架橋微粒子は少なくともスチレン系単量体、アクリル系単量体から構成されるものであれば、特に限定されるものではない。シリコーン系架橋微粒子としては、一般的にシリコーンゴムと呼称されるものや、シリコーンレジンと呼称されるものであって、常温で固体状のものが好適に用いられる。
光拡散剤は、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。光拡散剤の屈折率と(A)層を構成するスチレン系樹脂またはアクリル系樹脂との屈折率差については、その絶対値が0.02以上が好ましい。屈折率の差が0.02未満の場合、光拡散剤を含有させても光拡散の効果が十分でない。また、光拡散剤は長時間の光照射によって変色しないものが好ましい。本発明に用いる光拡散剤としては、無機系ではシリカ、有機系ではシリコーン系架橋微粒子、アクリル系架橋微粒子を特に好適に用いることができる。
これらの光拡散剤を(A)層に含有させる量はその光拡散剤の種類に依存するが、樹脂成分100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは0.3〜6質量部である。0.1質量部未満では光拡散の効果が十分で無く、10質量部を越えると光拡散効果は大きくなるが、画面全体の明るさ(輝度)が低下する。また光拡散剤は,重量平均粒子径が1μm以上10μm以下が好ましい。粒径が1μm未満の光拡散剤を使用した場合には透過光が着色しやすくなる恐れがある。また粒径が10μmを越えると,光拡散の効果を発現し難くなる場合がある。
(A)層のみの全光線透過率をTt%とし、(B)層を積層した後の全光線透過率をTt%とした場合のTt%からTt%の値を差し引いた値が1%以下となる(B)層の帯電防止層を使用することで、より輝度低下が少なく,また透過光の着色を防ぐことが出来る。なお、この値が負になると全光線透過率が上昇することになり、この場合は(B)層を設置することにより輝度が向上することもある。全光線透過率はJIS―K7105に準拠した測定方法にて測定した値を指す。この要件を満たすように帯電防止効果のある樹脂組成物を(B)層に用いることで、表面抵抗値が低く帯電防止性に優れ、且つ高い輝度を有する光拡散板を得ることが可能となる。
前記のように(B)層に帯電防止効果を持たせるには、その表面抵抗値を1×1012Ω以下とする必要があり、そのことによって本発明の重要な課題の一つである埃付着等による汚れが少ない光拡散板を得ることができる。そのような(B)層としては、一方では帯電防止性を有する両性イオンポリマーを用いることができる。又一方では、アクリル系などの樹脂分に、導電性充填剤を含有させた樹脂組成物を用いることができる。更にこの樹脂分として前記の両性イオンポリマーを用いることもできる。
(B)層の樹脂組成物に用いる両性イオンポリマーとは、いわゆるベタイン構造を有する両性共重合体樹脂を指し、たとえばN−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインと、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシルなどを共重合させたものなどがあげられる。これを単独で用いてもよいし、また、帯電防止性を損なわない表面抵抗率1×1012Ω以下の範囲において、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の光学的透明性を有する樹脂を混合してもよい。好ましい樹脂としては、耐候性を有しつつ高透明性であるアクリル系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂の2液硬化タイプのものが挙げられ、強靱な塗膜が得られるよう、架橋密度の高くなるようなOH価の大きいものが望ましい。
(B)層の樹脂分中に導電性充填剤を含有させる場合においては、充填剤として例えば、アンチモンドープの酸化錫やリンドープの酸化錫、また酸化亜鉛や酸化アンチモンなどの電子伝導性の金属酸化物微粒子を好適に用いることができるが、中でも五酸化アンチモンは、透明なバインダー樹脂に含有させた場合には透明性の低下が少なく,その結果輝度の低下が少なく好ましい。光拡散板の(B)層として用いた時に輝度低下が少ないことを考慮すると、導電性充填剤の重量平均粒子径は0.2μm以下であるものが好ましい。バインダー樹脂に導電性充填剤を適度に分散させるために、必要に応じて分散安定剤等の添加剤を含有させることが出来る。これらの例としては、シランカップリング剤などの各種カップリング剤や第3級アミン等があげられる。導電性充填剤の含有量は、帯電防止効果が得られる表面抵抗率である、1×1012Ω以下の表面抵抗値が得られる含有比率にする必要であり、その充填量は、導電性充填剤種により異なるが、一般的にバインダー樹脂100質量部に対して、導電性充填剤を50〜95質量部とすることで、輝度低下が少なく同時に帯電防止効果を得ることができる。
(B)層には、光拡散板表面への凹凸を形成することを目的として、透明無機粒子、または透明有機系架橋粒子を含有させることが出来る。光拡散板表面に凹凸を付与することにより、光拡散板の上面に配する機能性シートと光拡散板の間に隙間が出来るためモアレ(干渉模様)の発生を抑制でき、また光拡散性の付与や輝度の向上が可能となる。また、光拡散板の上面に機能性シートを重ねることで光が黄味を帯びる傾向にあるが、(B)層の凹凸化によって光拡散性を付与した場合には、機能性シートの一つである拡散シートを使用して光を拡散させる手法と比較して、透過光が着色し難い利点がある。
(B)層に用いる透明無機粒子としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられ、これらは脂肪酸やシリコーンカップリング剤、チタネート系カップリング剤等で表面処理が施されたものであってもよい。また、透明有機系架橋粒子としては、スチレン系架橋粒子、メタクリル酸メチル系架橋粒子、メタクリル酸ブチル系架橋粒子、フッ素変性したアクリル系架橋粒子やスチレン−アクリル系架橋粒子、シリコーン系架橋粒子、ウレタン系架橋粒子等が挙げられる。
(B)層に用いる透明粒子として、重量平均粒子径が20.0〜50.0μm、好ましくは25.0〜45.0μmである形状が真球状のものが挙げられる。重量平均粒子径が、20.0μm未満となってしまうと光拡散性と光透過性のバランスを調整し難いものになってしまい、50.0μmを越えてしまうと光拡散層用樹脂溶液の調製や、塗工が難くなってしまう恐れがある。また、高い光拡散性と高光線透過率、表面の光沢を低く抑えるために真球状でなく非真球状を用いることもできる。
(B)層の樹脂組成物100質量部に対する透明粒子の含有量は、添加によって輝度をより向上させるという観点からは、使用する粒子の重量平均粒子径や(B)層の厚みよって変わるが100〜1000質量部が好ましく、より好ましくは500〜800質量部である。
(B)層の厚みは、透明粒子を含有しない場合は0.5μm〜50μm、透明粒子を含有させる場合においては、使用する樹脂粒子の重量平均粒子径や樹脂組成物に対する樹脂粒子の含有量によって異なるが1〜50μmが好ましく、より好ましくは2〜40μmである。高い光拡散性と高い輝度という両方の性能を得るには樹脂粒子が(B)層の表面から凸状に突出していると有利である。
本発明の光拡散板は、特にバックライトの冷陰極管光源に長時間晒されることにより樹脂劣化を生じやすいため、(A)層には、各種一般的な紫外線吸収剤を含有させてもよい。この紫外線吸収剤は特に限定されるものではないが、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、マロネート系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤等である。また、光照射によって発生したラジカルを補足する働きのある光安定剤を紫外線吸収剤と共に併用して含有させることもできる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。また紫外線遮蔽能を有する酸化チタン微粒子等も用いることもできる。
また(A)層には必要に応じて蛍光増白剤を含有させてもよい。
蛍光増白剤としては、ジアミノスチルベン系、イミダゾール系、クマリン系、ナフタルイミド系、オキサゾール系等が挙げられるが、安全面からオキサゾール系蛍光増白剤を用いることが望ましい。
一方で、光拡散板はバックライトを構成する冷陰極管光源により樹脂劣化されやすいことから、光拡散板の特性を害しない程度に、特にバックライトに接する側の(A)層の場合と同様に(B)層にも紫外線吸収剤や光安定剤を含有させてもよい。この紫外線吸収剤は特に限定されるものではなく、(A)層で述べたものと同様なものを用いることができる。
本発明の光拡散板を直下型バックライトに用いるときには、その厚みは1〜4mmの範囲で用いられる。
本発明の光拡散板は全光線透過率60%以上、曇価が90%以上、好ましくは、全光線透過率70%以上、曇価95%以上である。全光線透過率が60%未満では輝度が低下し、また曇価が90%未満となると光拡散性が不十分となり、冷陰極管直上部が明るく、冷陰極管の間に相当する部分が暗くなってしまう輝度ムラがみられるようになるため、直下型バックライトに用いる光拡散板として望ましくない。
本発明の光拡散板は、まず(A)層について一般的なキャスト重合法又は押出成形法で作製することができるが、押出成形法で作製する方がコスト的に好ましい。押出成形法で作製する場合は、例えば、必要な成分が配合された樹脂を一軸または二軸の押出機を用いて溶融混練し、ダイスを介して、ロールユニットを用いて冷却固化して作製することができる。
(B)層は、(A)層基材上にバーコーター法やエアドクター法、ブレードコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、ダイレクトロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法、コンマコート法、カーテンフローコート等の各種方法により塗工することで形成出来る。
(B)層を形成するのは、図1に示すように(A)層のどちらか一方の片面上であっても良いし、図2に示すように(A)層の両面に設けることで2種3層構成とすることもできる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(A)層として、押出機(スクリュー径90mm、一軸、ベント付き)、ダイ:Tダイ、リップ幅1000mm、リップ開度3mm。ポリシングロール3本からなる押出設備を用いた。表1に示した配合比の樹脂と光拡散剤の混合物を用いて、前記の設備により、厚さ2mmの単層の光拡散板を作製した。
ここで使用した樹脂および光拡散剤、紫外線吸収剤,光安定剤は、次のとおりである。
GPPS樹脂:スチレン樹脂(東洋スチレン社製;商品名 トーヨースチロールHRM−2)
MS樹脂1:メタクリル酸メチル/スチレン=22/78(質量比)のランダム共重合体(電気化学工業社製)
MS樹脂2:メタクリル酸メチル/スチレン=58/42(質量比)のランダム共重合体(電気化学工業社製)
光拡散剤1:シリコーン系架橋微粒子(重量平均粒径2μm;信越化学工業社製;商品名 KMP590)
光拡散剤2:メタクリル酸メチル架橋微粒子(重量平均粒径8μm;積水化成品工業社製;商品名 テクポリマーMBX8)
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名 チヌビン329)
光安定剤:ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名 チヌビン770)
(B)層形成に用いた樹脂溶液1〜3及び透明粒子を以下に示した。
樹脂溶液1: 導電性の両性イオンポリマーとして,メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタインとメタクリル酸アルキルの共重合体30質量%をエタノール70質量%に混合した,樹脂分30質量%の溶液(大阪有機化学工業社製;商品名 RAMレジン1000)
樹脂溶液2: 五酸化アンチモン20質量%をイソプロパノール80質量%に分散させた溶液(触媒化成工業社製;商品名 ELCOM DE-1003SBV)の合計100質量部に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製;商品名 PET-30)5質量部、ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名 イルガキュア651)0.5質量部、ヒンダートアミン系光安定剤(クラリアントジャパン社製;商品名 SANDUVOR3053)0.075質量部、ポリエーテル変性シリコーン(ビックケミー社製;商品名 BYK−306)0.272質量部を含有した,樹脂分4.7質量%の混合溶液
樹脂溶液3: 市販の導電剤(コルコート社製;商品名 SP-2001)100質量部とメタノール300質量部からなる混合溶液
透明粒子:メタクリル酸メチル系架橋粒子(平均粒径30μm;積水化成品工業社製;商品名 テクポリマーMBX30)
(実施例1〜7)
(A)層としてGPPS樹脂またはMS樹脂に、紫外線吸収剤、光安定剤、及び光拡散剤1または光拡散剤2を用いて、前記の押出設備にて厚さ2mmの単層板を作製した。(配合比:表1参照)
この単層板の表面に、予め用意しておいた上記配合の(B)層の樹脂溶液,あるいは樹脂溶液1の100質量部に対して透明粒子を200質量部を含有させた混合溶液,あるいは樹脂溶液2の100質量部に対して透明粒子を40質量部を含有させた混合溶液をバーコーターでウエット厚さが60μmになるように塗布し、その後乾燥して、(A)層に(B)層を積層した帯電防止性を有する光拡散板を作製した。
(比較例1〜3)
GPPS樹脂またはMS樹脂に光拡散剤1または光拡散剤2と、紫外線吸収剤、光安定剤を含有させ、前記の押出設備にて厚さ2mmからなる単層板を作製した。(配合比は表2参照)
(比較例4)
前記、押出機(スクリュー径90mm、一軸、ベント付き)、ダイ:Tダイ、リップ幅1000mm、リップ開度3mm、ロール:ポリシングロール3本、縦型からなる押出設備において、2種3層分配のフィードブロックを設置し、表2に示した配合比のMS樹脂1と光拡散剤1の混合物、表層に低分子量の帯電防止剤を含有する層を全厚みに対して約5%(100μm)を(B)層として(A)層の両側に設置し、厚さ2mmの2種3層の光拡散板を作製した。ここで、両側に設置した表層の組成は以下のとおりである。
MS樹脂2:100質量部、帯電防止剤;ラウリルジエタノールアミン系(花王社製 商品名エレクトロストリッパーEA)3質量部、紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 商品名チヌビン329)0.2質量部、光安定剤:ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 商品名チヌビン770)0.2質量部
実施例及び比較例のサンプルを用いて以下の様に評価した。評価結果を表1、および表2に示す。
(1)表面抵抗率測定
JIS−K6911に規定された方法にて、三菱化学社製ハイレスタUP MCP−HT45を用いて印加電圧500Vにて表面抵抗率を測定した。測定面は(B)層の面とした。
(2)輝度・色度測定
26インチサイズの光拡散板を直下型バックライトユニットに組み込み、トプコン社製色彩輝度計BM−7にて輝度・色度測定(測定距離100cm、測定角0.1°)を実施した。測定はバックライト中央部の15cm角部分について行った。
(3)全光線透過率測定
日本電色工業社製 濁度計NDH2000を用いて測定した。表には(A)層のみの全光線透過率をTt%、(B)層を積層後の全光線透過率をTt%とした場合のTt%、Tt%の差分(Tt−Tt)の値を示す。
Figure 2006243084



Figure 2006243084


図1は本発明の光拡散板の一例 図2は本発明の光拡散板の一例
符号の説明
1、(A)層
2、(B)層
3、樹脂組成物
4、透明粒子

Claims (7)

  1. スチレン系樹脂またはアクリル系樹脂100質量部に対して光拡散剤0.1〜10質量部を含有した(A)層の少なくとも一方の面に,帯電防止性を有する樹脂組成物からなる表面抵抗値が1×1012Ω以下の(B)層を積層した光拡散板。
  2. (B)層を構成する樹脂組成物が、導電性の両性イオンポリマーを含有している請求項1に記載の光拡散板。
  3. (B)層を構成する樹脂組成物が、樹脂分に対して重量平均粒子径0.2μm以下の導電性充填剤を含有している請求項1又は請求項2に記載の光拡散板。
  4. 前記導電性充填剤が、五酸化アンチモンである請求項3に記載の光拡散板。
  5. (B)層を構成する樹脂組成物が、樹脂分の合計100質量部に対して、100〜1000質量部の透明無機粒子、または透明有機系架橋粒子を含有している請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散板。
  6. (A)層が、樹脂分100質量部に対し紫外線吸収剤0.01〜1質量部を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散板。
  7. (A)層の少なくとも片面に(B)層を塗工する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光拡散板の製造方法。
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