JPH07215546A - シートの送り出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一回当りのシートの送り出し量が多く、その
給紙のサイクルタイムが短いメンテナンスの容易なシー
トの送り出し装置を提供する。 【構成】 テーブル４と、そのテーブル４に積み込まれ
た積み重ねシートＳの前面を支持するシート支持部７と
を有するシート反転台１を傾動自在に支持する。その傾
動中心となる支持軸１２をシート反転台１の上端部に設
ける。支持軸１２に補助支持部材２５を回動自在に取付
ける。補助支持部材２５をシート支持部７に延長する状
態でテーブル４上に積み重ねシートＳを載置し、シート
反転台１の傾動により積み重ねシートＳを横倒しにして
シートＳを前方の複列の搬送コンベヤ５０上に送り出
す。シート支持部７上のシートＳがシート支持部７から
送り出されると同時に、シート反転台１および補助支持
部材２５を独立して回転させ、シート積み込み状態に復
帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、高く積み重ねられた
段ボールシート等のシートを横倒しにした状態で印刷機
等のシート加工機に供給するシートの送り出し装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】高く積み重ねられた段ボールシート等の
シートを印刷機等のシート加工機に供給する場合、普
通、積み重ねられたシートを、その移送途中で横倒しに
して小バッチづつ、あるいは将棋倒し状にして前方のシ
ート加工機に送り出すようにしている。

【０００３】積み重ねられたシートを横倒しにしてシー
ト加工機に送り出すようにしたシート送り出し装置とし
て、シート反転台に設けられたテーブル上に積み重ねシ
ートを送り込み、そのシート反転台を略９０°傾動して
シートを横倒しにし、その横倒し状態のシートをシート
反転台に設けられたシート支持部で支持する状態で上記
シートを前方の搬送コンベヤに送り出すようにしたもの
が従来から知られている。

【０００４】ところで、上記シート送り出し装置におい
ては、シート反転台を傾動し、横倒しにしたシートを搬
送コンベアに送り出すと、シート支持部で支持された横
倒しのシートの全てがコンベヤ上に送り出されたのちで
ないとシート反転台を、そのテーブルが水平となる方向
に復帰回動させることができない。そして、復帰された
シート反転台のテーブル上に次の積み重ねシートを送り
込み、シートを再び横倒しにするが、その際、前方の工
程のスピードが速いと、搬送コンベヤ上に送り出された
先のシートと後続のシートとの間に大きな間隔ができ、
シートの供給不足が生じる問題がある。

【０００５】その問題点を解決するため、特開平２−２
９５８３０号公報に記載されたシート送り出し装置にお
いては、図６(イ) に示すように、シート反転台６０に設
けられたシート支持部６１の上端部にシートを支持する
補助支持部材６２をスライド自在に設け、その補助支持
部材６２の伸長方向へのスライドによって、起立状態の
シート支持部６１の高さ以上のシートＳをシート反転台
６０のテーブル６３上に送り込むことができるようにし
ている。

【０００６】また、図６(ロ) の示すように、シート反転
台６０を傾動させ、シート支持部６１を略水平とするシ
ートの送り出し状態において、全てのシートＳがシート
支持部６１からコンベヤ６４上に送り出されると、図６
(ハ) に示すように、補助支持部材６２を後退させ、かつ
シート反転台６０をシート支持部６１が起立する方向に
復帰回動させて給紙のサイクルタイムの短縮化を図るよ
うにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、スライド自
在の補助支持部材６２を有する上記シート送り出し装置
においては、紙粉の付着や紙片のかみ込み等によって補
助支持部材６２をスライド自在に支持するスライド機構
の滑りが悪くなり易く、メンテンナンスが大変であると
いう不都合がある。

【０００８】この発明の課題は、シート支持部の高さ以
上の積み重ねシートを１回当りの送り出し量とすること
ができ、かつ給紙のサイクルタイムを短くすることがで
きるメンテナンスの容易なシートの送り出し装置を提供
することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、積み重ねられたシートが載
置されるテーブルの前側に上記シートの前面を支持する
シート支持部を設けたシート反転台を傾動し、前記テー
ブルに支持されたシートを横倒しにして前方に設けられ
た複列の搬送コンベヤに送り出すシートの送り出し装置
において、前記シート反転台の上端部に設けられた支持
軸に、搬送コンベヤに割り込んで回転可能な補助支持部
材を取付け、その補助支持部材をシート反転台と共にシ
ート横倒し方向への傾動を可能とし、かつ、シート反転
台と独立して回転させる回転機構を設けた構成としてい
る。

【００１０】

【作用】上記の構成から成るシートの送り装置は、シー
ト反転台のシート支持部に補助支持部材を延長させ、シ
ート反転台のテーブル上に、積み重ね高さがシート支持
部の高さより高い積み重ねシートを載置したのち、シー
ト反転台と共に補助支持部材を傾動させ、積み重ねシー
トを横倒しにした状態でシートの送り出しを行なう。シ
ートの全てがシート支持部の端を通過すると、シート反
転台を復帰動させて、次の積み重ねシートを受け入れる
元の状態に復帰させると共に、補助支持部材は、シート
反転台と独立して回転させて、シート支持部と延長する
状態にする。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を図１乃至図５に基
づいて説明する。

【００１２】図１乃至図４に示すように、積み重ねられ
たシートＳを横倒しにして搬送するシート反転台１の前
方には、そのシート反転台１から送り出されるシートＳ
を前方に搬送する搬送コンベヤ５０が設けられている。

【００１３】シート反転台１は一対の側板２を両側に有
し、その側板２の下端部間に渡されたステー３に積み重
ねシートＳを支持するテーブル４が取付けられている。
テーブル４は櫛歯状に配置された複数の帯状板体５から
成り、各帯状板体５の上面に多数のボール６が回転自在
に取付けられている。

【００１４】上記のような帯状板体５に代えて、ローラ
コンベヤを複列に設けてテーブル４を形成してもよい。

【００１５】一対の側板２間にはテーブル４上に載置さ
れた積み重ねシートＳの前面を支持するシート支持部７
が設けられている。

【００１６】シート支持部７は、複列のベルトコンベヤ
８から成る。ベルトコンベヤ８は、一対の側板２の上部
間に設けられたヘッドプーリ９と側板２の下部間に設け
たテールプーリ１０間にエンドレスのベルト１１をかけ
渡した構成とされ、上記ヘッドプーリ９は、一対の側板
２の上端部を貫通する支持軸１２に回転自在に支持され
ている。また、テールプーリ１０は、一対の側板２の下
端部間に渡されたプーリ軸１３に回転自在に支持されて
いる。

【００１７】上記支持軸１２は一対の側板２に固定さ
れ、その側板２の両側方に位置する両端部が固定フレー
ム１４によって回転自在に支持されている。

【００１８】支持軸１２の一端部には図２に示すモータ
１５によって回転される２連の駆動スプロケット１６が
回転自在に取付けられ、その駆動スプロケット１６の回
転は、チェーン１７を介して前記一対の側板２に両端部
が支持された駆動軸１８上の従動スプロケット１９に伝
達される。また、従動スプロケット１９の回転は、クラ
ッチ２０を介して駆動軸１８に伝達される。

【００１９】駆動軸１８にはベルトコンベヤ８と同数の
スプロケット２１が固定され、各スプロケット２１とベ
ルトコンベヤ８のヘッドプーリ９に固定されたスプロケ
ット２２間にチェーン２３がかけ渡されている。このた
め、駆動軸１８が回転すると各ベルトコンベヤ８のベル
ト１１が移動する。

【００２０】前記シート反転台１は前記支持軸１２を中
心として傾動自在となり、そのシート反転台１に図１に
示す傾動用シリンダ２４が接続され、この傾動用シリン
ダ２４の作動によってシート反転台１が支持軸１２を中
心にして略９０°傾動される。

【００２１】支持軸１２には、複数の補助支持部材２５
の一端部が回転自在に支持されている。この補助支持部
材２５は、一対の側板２間に設けたベルトコンベヤ８間
および複列の搬送コンベヤ５０間において回動し得るよ
うになっている。

【００２２】各補助支持部材２５の一端部両側には、図
４に示すように、一対のディスク２６、２７が設けら
れ、一方のディスク２６は支持軸１２に固定され、他方
のディスク２７は支持軸１２に回転自在に支持されてい
る。

【００２３】固定のディスク２６には第１シリンダ２８
が取付けられ、回転自在のディスク２７には第２シリン
ダ２９が取付けられている。一方、補助支持部材２５の
一端部両側には上記各シリンダ２８、２９のピストンロ
ッド２８ａ、２９ａが係合可能な係合孔３０、３１が設
けられている。

【００２４】このため、第１シリンダ２８のピストンロ
ッド２８ａを係合孔３０に係合させ、その係合状態でシ
ート反転台１を垂直の状態から略９０°傾動させること
により、補助支持部材２５もシート反転台１と共に傾動
する。

【００２５】また、第１シリンダ２８のピストンロッド
２８ａと係合孔３０の係合を解除し、第２シリンダ２９
のピストンロッド２９ａを係合孔３１に係合させた状態
で回転自在のディスク２７を回転させることにより、そ
の回転を補助支持部材２５に伝達することができ、補助
支持部材２５をシート反転台１の傾動に関係なく単独で
回転させることができる。

【００２６】回動自在のディスク２７の一側にはスプロ
ケット３４が固定され、そのスプロケット３４と複列の
搬送コンベヤ５０の下方に設けられた伝動軸３５上のス
プロケット３６間にチェーン３７がかけ渡されている。
伝動軸３５にはピニオン３８が固定され、そのピニオン
３８と噛合するラック３９に回転用シリンダ４０が接続
されている。

【００２７】このため、回転用シリンダ４０を作動させ
ると、伝動軸３５が回転し、その回転は回転自在のディ
スク２７に伝達され、これらにより、補助支持部材２５
をシート反転台１と独立して回転させる回転機構４１と
されている。

【００２８】なお、垂直状態とされたシート反転台１の
シート支持部７に補助支持部材２５が延長された状態を
確実に確保するため、図３に示すように、その補助支持
部材２５の一側にストッパ片３２を設け、このストッパ
片３２に対して係止用シリンダ３３のピストンロッド３
３ａを進退自在に設け、このピストンロッド３３ａとス
トッパ片３２との当接によって補助支持部材２５の所定
位置を越える回動を阻止している。

【００２９】実施例で示すシートの送り出し装置は上記
の構造から成り、テーブル４上に積み重ねシートＳを載
置する場合は、図５(イ) に示すように、シート反転台１
のシート支持部７を略垂直の状態に保持し、そのシート
支持部７に補助支持部材２５を延長させた状態で積み重
ねシートＳをテーブル４上に送り込む。

【００３０】積み重ねシートＳがテーブル４で支持さ
れ、その積み重ねシートＳの前面がシート支持部７で支
持される状態で傾動用シリンダ２４を作動させると、支
持軸１２を中心にシート反転台１が傾動する。

【００３１】このとき、第１シリンダ２８のピストンロ
ッド２８ａは補助支持部材２５の係合孔３０に係合する
状態にある。このため、シート反転台１の傾動と共に補
助支持部材２５が傾動する。

【００３２】なお、この時、クラッチ２０を切ってお
き、シート反転台１の傾動によりベルトコンベヤ８の走
行を防止しておく。

【００３３】シート反転台１の傾動により、テーブル４
上の積み重ねシートＳは補助支持部材２５で前面が支持
される状態で傾動する。図５(ロ) に示すように、シート
反転台１が略９０°回転され、補助支持部材２５が複列
の搬送コンベヤ５０間に配置され、積み重ねシートＳが
横倒しされると、ベルトコンベヤ８が駆動し、横倒しの
積み重ねシートＳが搬送コンベヤ５０に送られる。

【００３４】積み重ねシートＳの搬送時、第１シリンダ
２８のピストンロッド２８ａは後退して係合孔３０から
離れ、一方、第２シリンダ２９のピストンロッド２９ａ
が前進して係合孔３１に係合する。

【００３５】ベルトコンベヤ８上の積み重ねシートＳの
全てがベルトコンベヤ８の排出端を通過すると、ベルト
コンベヤ８は停止し、同時に、傾動用シリンダ２４が作
動し、図５(ハ) に示すように、シート支持部７が垂直状
態とされる方向にシート反転台１を傾動させる。また、
これに先だって、回動用シリンダ４０を作動させて回転
自在のディスク２７を回転させると共に、シリンダ３３
のピストンロッド３３ａを突出させる。

【００３６】このとき、第２シリンダ２９のピストンロ
ッド２９ａは係合孔３１と係合する状態にあるため、回
動用シリンダ４０の作動によって補助支持部材２５は下
方向に向けて回動し、ストッパ片３２が突出したピスト
ンロッド３３ａに当接して停止する。

【００３７】図５(ニ) に示すように、シート反転台１が
垂直の状態とされ、補助支持部材２５がシート支持部７
に延長する状態にされると、第２シリンダ２９のピスト
ンロッド２９ａが後退して係合孔３１から外れ、同時
に、第１シリンダ２８のピストンロッド２８ａが前進し
て係合孔３０に係合する。このため、次の積み重ねシー
トＳをテーブル４上に送り込むことができ、その積み重
ねシートが搬送コンベヤ５０上に送り込まれる前までに
回動用シリンダ４０を作動させてラック３９を後退させ
る。

【００３８】このように、シート支持部７上のシートＳ
の全てがベルトコンベヤ８の排出端を通過すると同時に
シート支持部７が垂直状態となる方向にシート反転台１
を復帰動させることができると共に、補助支持部材２５
をシート反転台１の復帰動とは独立させてシート支持部
７に延長する方向に回動させることができるため、給紙
のサイクルタイムが短く、複列の搬送コンベヤ上に送り
込まれた先のシートと次に送り込まれるシート間の間隔
を小さくすることができる。

【００３９】実施例では、シート支持部７を複列のベル
トコンベヤ８で形成し、そのベルトコンベヤ８の移動に
よってシートＳを複列の搬送コンベヤ５０上に送り出す
ようにしたが、上記ベルトコンベヤ８に代えて、シート
支持部を板体とし、そのシート支持部で支持されたシー
トを支持部に沿って移動するキッカーにより送り出すよ
うにしてもよい。

【００４０】また、図５(ロ) に示すシートＳの送り出し
を開始すると同時に、補助支持部材２５をシート支持部
７のベルトコンベヤ８間に納まる位置まで回動させるよ
うにしてもよい。シートＳの送り出し開始と同時に補助
支持部材２５を回動させることにより、シートＳの送り
出し完了後の補助支持部材２５の復帰動作を短時間で行
なうことができる。

【００４１】さらに、実施例では、単一の支持軸１２に
よりシート反転台１を傾動自在に支持すると共に、補助
支持部材２５を回動自在に支持したが、補助支持部材２
５をシート反転台１の上端部に設けた支持軸で支持する
と共に、シート反転台１の一対の側板２のそれぞれ外側
に一対の突軸を設け、その一対の突軸を固定フレーム１
４で支持して、シート反転台１の傾動中心と、補助支持
部材２５の回転中心を相違させてもよい。また、上記一
対の突軸に代えて、一対の側板２を貫通する支持軸でシ
ート反転台１を傾動自在に支持してもよい。この場合、
シート反転台１の傾動中心となる支持軸と、補助支持部
材２５の回転中心となる支持軸との間に、補助支持部材
２５の長さより長い間隔をあけて、補助支持部材２５の
回動時に、その補助支持部材２５がシート反転台１を支
持する支持軸に干渉しないようにしておく。

【００４２】また、シートの送り出し完了後、補助支持
部材２５を一旦搬送コンベヤ５０の下方に向けて回動さ
せると共に、シート反転台１をシート支持部７が起立す
る方向に復帰動させたのち、補助支持部材２５を上記と
逆方向に回動させて元の位置に復帰させるようにしても
よい。

【００４３】なお、この場合の回転機構４１として、補
助支持部材２５を支持軸に固定し、その支持軸にピニオ
ンを固定し、このピニオンに噛合するラックをシリンダ
により往復動させて補助支持部材２５を正逆方向に回転
させるようにしたものを採用することができる。

【００４４】

【発明の効果】以上のように、この発明に係るシートの
送り出し装置においては、シート反転台の上部に設けた
支持軸に補助支持部材を取付けたことにより、上記補助
支持部材をシート支持部に延長させることができ、積み
重ね高さが垂直状態とされたシート支持部の高さ以上の
シートの送り出しを可能とすることができる。

【００４５】また、略水平とされたシート支持部上のシ
ートがシート支持部を通過すると同時に、シート反転台
および補助支持部材をシートの積み込み状態まで復帰さ
せることができるため、給紙のサイクルタイムの短縮化
を図ることができる。

【００４６】さらに、補助支持部材を支持軸を中心とし
て回動させる構造を採用したので、給紙の付着等によっ
て補助支持部材の動きが阻害されるという不都合の発生
はなく、補助支持部材を常に円滑に作動させることがで
き、メンテナンスが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るシートの送り出し装置の一実施
例を示す正面図

【図２】同上の縦断装置

【図３】同上の一部分を示す平面図

【図４】図１のIV−IV線に沿った断面図

【図５】(イ) 、(ロ) 、(ハ) 、(ニ) は同上装置の作動状態
を段階的に示す概略図

【図６】(イ) 、(ロ) 、(ハ) 、(ニ) は従来の送り出し装置
の作動状態を段階的に示す概略図

【符号の説明】

１ シート反転台 ４ テーブル ７ シート支持部 １２ 支持軸 ２５ 補助支持部材 ４１ 回転機構 ５０ 搬送コンベヤ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 積み重ねられたシートが載置されるテー
   ブルの前側に上記シートの前面を支持するシート支持部
   を設けたシート反転台を傾動し、前記テーブルで支持さ
   れたシートを横倒しにして前方に設けられた搬送コンベ
   ヤに送り出すシートの送り出し装置において、前記シー
   ト反転台の上端部に設けられた支持軸に、搬送コンベヤ
   に割り込んで回転可能な補助支持部材を取付け、その補
   助支持部材をシート反転台と共にシート横倒し方向への
   傾動を可能とし、かつ、補助支持部材をシート反転台と
   独立して回転させる回転機構を設けたことを特徴とする
   シートの送り出し装置。