JPH0720104A - 超音波探触子走査装置 - Google Patents

超音波探触子走査装置

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JPH0720104A
JPH0720104A JP5162103A JP16210393A JPH0720104A JP H0720104 A JPH0720104 A JP H0720104A JP 5162103 A JP5162103 A JP 5162103A JP 16210393 A JP16210393 A JP 16210393A JP H0720104 A JPH0720104 A JP H0720104A
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arm
ultrasonic probe
rotating portion
detecting
detector
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JP5162103A
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English (en)
Inventor
Kuniharu Uchida
邦治 内田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】超音波探触子の位置を三次元的な位置座標系で
検出すると共に、探触子の首振り角度を検出しながら試
験体の三次元的な曲面形状に合わせて欠陥位置を算定す
る。 【構成】第1の回転部4上にその中心軸線と直交する方
向に伸びる軸を中心に回動する第2の回転部3を支持さ
せ、これら両回転部4,3の回転中心軸線との交点を通
って直線的に伸縮可能なアーム5を引出し、このアーム
の先端に取付けられた接触子保持具6に超音波探触子1
を回転自在に保持する構成とし、且つ第1の回転部に回
転角度を検出する回転角度検出器7及びアームの長さを
測定するためのアーム長さ検出器9を取付け、また第2
の回転部に回転角度を検出する回転角度検出器8を取付
け、さらに探触子保持具6にアームと超音波探触子を結
ぶ直線を軸として超音波探触子の首振り角度を検出する
首振角度検出器10を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造部材の超音波探傷
試験を手動探傷によって実施する際に欠陥の位置寸法を
測定して記録するための超音波探触子走査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に構造物の超音波探傷試験を行う場
合、構造部材中の欠陥位置と欠陥寸法を記録することは
重要な作業である。このため、超音波探傷試験を実施す
るにあたっては自動超音波探傷装置を用いる場合もあ
る。すなわち、この自動超音波探傷装置は超音波探触子
の走査を機械的に所定の手順に従って行うもので、試験
体の形状が比較的単純な形をしている場合に精度よく走
査できる。従って、超音波探触子の位置と方向も高い精
度で検出することができる。
【0003】しかしながら、一般に自動超音波探傷装置
は超音波探触子を遠隔駆動させるため、駆動装置の移動
や設置は容易でなく、手間のかかる作業となっている。
また、自動超音波探傷装置は各種探触子駆動用モータ及
びこれらモータを駆動させるためのプログラムシーケン
ス回路等も大規模な装置となる。
【0004】一方、このような大規模な装置を用いずに
欠陥位置並びに寸法を測定し、記録する手段として、超
音波探触子を走査具に取り付けて手動で走査することに
より、簡易に超音波探触子の位置を検知するようにした
ものが提案されている。
【0005】例えば図8(a)に示すようにX軸走査軸
102とY軸走査軸103からX−Y平面座標系を構成
した走査具に探触子101を取付け、X軸走査軸102
とY軸走査軸103により探触子101の位置を検出す
るようにしたものや、図8(b)に示すように走査ボッ
クス上に垂直軸を中心に回動可能に取付けられた支持部
材104の先端に第1のアーム106の一端をピンジョ
イント105で上下方向に回動可能に連結し、さらにこ
の第1のアーム106の他端にピンジョイント105に
より第2のアーム106を連結して走査具を構成し、こ
の走査具の第2のアーム105の先端に探触子101を
取付けて支持部材104の垂直軸を中心とする回動角度
α1と、この支持部材104の支持点を中心とする第1
のアーム106の上下方向の傾き角α2 、第1のアーム
106と第2のアーム106の交差角α3 を用いて探触
子101の位置を演算により求めるようにしたものがあ
る。
【0006】これらの走査具は何ずれも、走査具を設置
した面に固定された座標軸を形成し、探触子はこれらの
座標軸に対して特定な傾きを持って走査することを前提
にしている。
【0007】従って、このような構成の手動探傷による
走査具においては、探触子を移動走査させることで自動
機による機械的走査と同様な探触子位置データを得るこ
とができ、欠陥位置を算定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の探
触子位置走査具によれば、平面形状をした試験体の探傷
試験による欠陥位置を検知し、これら検知された欠陥位
置と探傷時の超音波データから欠陥の寸法を推定するよ
うにしている。
【0009】しかしながらこのような探触子走査具で
は、次に述べるような問題がある。第1に探触子走査具
は、平面状の試験体を想定しているため、曲面状の複雑
な形状の上を探触走査する場合には、探触子の位置を三
次元的に精度よく検知することができない。
【0010】第2に探傷結果については、良く知られて
いるように探触子位置だけでなく、探触子の向きも傾斜
探傷の重要な検知項目である。すなわち、試験体の欠陥
は超音波ビームの入射方向によって反射エコー高さが大
きく変化するため、探触子の首振り角度も欠陥位置の検
知には不可欠となるが、前述した従来の構成では検知で
きないと言う不都合がある。
【0011】第3に従来の図8(a)に示したような構
成の虹源走査具では、走査具ないでしか探傷範囲とし得
ず、また図8(b)に示したような走査具ではアームの
長さだけしか探傷範囲とし得ない。逆に狭隘部にこれら
の走査具を持込む場合には、走査具の寸法が制限される
ため、走査具の大きさを小さくした状態で広範囲の探傷
を行う場合には不都合が生じる。
【0012】第4に従来の走査具と走査具から探触子位
置情報を受けて処理する処理系では、走査具の設置位置
によって欠陥位置の座標系が定まってしまうため、試験
体の特定位置と方向を座標軸として取り、探傷結果の処
理を必要とする場合には、再度データの処理をし直すと
言う手間が発生する。
【0013】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、超音波探触子の位置を三次元的な
位置座標系で検出すると共に、探触子の首振り角度を検
出しながら試験体の三次元的な曲面形状に合わせて欠陥
位置を算定することを第1の目的とし、また曲面形状の
試験体上に任意の座標軸を作成して超音波データを収集
することを第2の目的とする超音波探触子走査装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような手段により超音波探触子走査装
置を構成したものである。 (1)超音波探触子の位置を検出し、試験体の内部欠陥
位置と大きさを測定する超音波探触子走査装置におい
て、固定部の上面に第1の回転部を設け、この第1の回
転部上にその中心軸線と直交する方向に伸びる軸を中心
に回動する第2の回転部を支持させ、この第2の回転部
にその回転軸線と第1の回転部4の中心軸線との交点を
通って直線的に伸縮可能なアームを引出し、このアーム
の先端に接触子保持具を取付けると共に、この接触子保
持具に超音波探触子を回転自在に保持する構成とし、且
つ第1の回転部に回転角度を検出する回転角度検出器及
びアームの長さを測定するためのアーム長さ検出器を取
付け、また第2の回転部に回転角度を検出する回転角度
検出器を取付け、さらに探触子保持具にアームと超音波
探触子を結ぶ直線を軸として超音波探触子の首振り角度
を検出する首振角度検出器を取付け、互いに直交する第
1の回転部及び第2の回転部の回転角度とアームの長さ
と超音波探触子の回転量とをそれぞれ検出して試験体の
内部欠陥位置と大きさを求めるようにしたものである。 (2)上記(1)の構成において、第2の回転部の回転
角度を検出する回転角度検出器とアームの長さを検出す
るアーム長さ検出器より出力される電気信号をスリップ
リングを介して取出すようにしたものである。 (3)上記(1)の構成において、超音波探触子とアー
ムとの結合を回転自在な構造とし、このアームの長手方
向を軸とした回転とこのアームに直交する他の二方向の
軸周りの回転軸とがアーム上に存するようにしたもので
ある。 (4)上記(1)の構成において、第2の回転部内にス
プリングによる巻取力を有するアーム巻取機構を設け、
このアーム巻取機構により巻取または引出されるアーム
をコンベックス状とし且つこのアームの移動量をアーム
に規則的に明けられた穴に噛合する歯車機構を介してア
ーム長さ検出器に伝達するようにしたものである。 (5)上記(4)の構成において、アーム巻取機構は、
アームを巻取または引出す回転中心を、第1の回転部及
び第2の回転部の互いに直交する回転軸周りの回転角度
とその交点の延長線上に引出されたアームの長さによっ
て構成される極座標系の中心位置と異なり、アームの巻
取のためのアーム曲り点が極座標原点とアームの引出し
方向の延長線上の近傍となるように構成されたものであ
る。 (6)上記(1)の構成において、第1の回転部及び第
2の回転部の回転角度を検出する回転角度検出器とアー
ム長さを検出するアーム長さ検出器及び超音波探触子の
首振り角度を検出する首振り角度検出器からの電気信号
を取込んで超音波探触子が位置する面の傾きと方向を求
め、この面の傾き方向から超音波探傷時の欠陥エコーデ
ータであるビーム路程と超音波探触子の屈折角を用いて
欠陥の三次元位置を演算して決定する信号処理手段を備
えたものである。
【0015】
【作用】上記のような構成によれば、互いに直交する二
つの回転軸周りの回転角度と、この両軸の交点から引出
されるアームを有し、これら回転角度とアームの引出し
量を検出しているので、任意な三次元構造物の検査を行
う場合に探触子位置を精度良く測定することができると
共に、狭隘部に本装置を持込んで容易に設置でき、設置
の際に試験体の形状に合わせた座標系を構成するための
装置の配置を行う必要がないので、装置を設置に対する
作業が短時間に実施することができる。
【0016】また、アームはコンベックス状であり、適
度な変形抵抗を有しているので、アームの引出し、巻取
機構に使用するスプリングの弾性力を低減でき、しかも
探触子の走査にあたっては不要な力がかからず、微妙な
走査が容易にできる。
【0017】さらに、アーム巻取機構に使用するスプリ
ングはアームの巻取時と引出し時にスプリングの反力が
生じるが、このアーム巻取機構を回転自在に支持すると
共に、アームの巻取開始時の接線方向を位置測定座標系
の原点方向と一致させているので、アームの巻取、引出
しを高速に行っても回転部が不要に偏倚することがな
く、精度の高い計測が可能である。
【0018】加えて、アームの長手方向が座標系の原点
を通るようにしているので、アームの巻取、引出し時に
回転部に不要なモーメントを作用させることなく、座標
計測精度を高くすることができる。
【0019】一方、超音波探触子を保持する保持具をア
ームの先端部に1点で互いに直交する回転軸を有するよ
うにしているので、比較的容易な演算式によって超音波
探触子の超音波ビーム入射点の三次元位置を求めること
ができる。
【0020】また、欠陥の三次元位置を知るためには、
超音波ビーム入射点の三次元位置だけでなく、超音波ビ
ームの入射方向を知る必要があるが、本装置によって超
音波ビーム入射点の三次元位置を複数点計測すること
で、超音波ビームの入射する面の傾きを知ることがで
き、アームの先端に取付けた探触子保持具の探触子首振
り角度から所望の三次元位置を演算して決定することが
できる。
【0021】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明による超音波探触子走査装置の構成
例を示す側面図、図2は同じく背面図である。図1及び
図2において、2は位置検出機構を示すもので、この位
置検出機構2は次のような構成となっている。
【0022】固定部19の上面に垂直方向に伸びる軸を
中心に回動する第1の回転部4が設けられている。ま
た、この第1の回転部4の上面には支持部材41が取付
けられ、この支持部材41に第1の回転部4の中心軸線
と直交する方向に伸びる軸を中心に回動する第2の回転
部3が回動自在に軸支されている。この場合、第2の回
転部3の回転中心位置は第1の回転部4の回転中心軸線
上で交差するような関係にしてある。
【0023】第2の回転部3にはその回転軸線と第1の
回転部4の中心軸線との交点Oを通って直線的に伸縮可
能なアーム5が引出され、このアーム5の先端に接触子
保持具6が取付けられると共に、この接触子保持具6に
超音波探触子1が回転自在に保持されている。
【0024】また、第1の回転部4には回転角度βを検
出する回転角度検出器8が取付けられ、第2の回転部3
には回転角度αを検出する回転角度検出器7が取付けら
れ、これら回転角度検出器8,7はアーム5の引出し長
さでアーム先端の三次元的位置を求めるためのものであ
る。さらに、第1の回転部4にはアーム5の長さrを測
定するためのアーム長さ検出器9が取付けられている。
これら回転角度検出器8,7及びアーム長さ検出器9は
例えばエンコーダ等を用いることでその目的を達成でき
る。
【0025】さらに、アーム5の先端には探触子保持具
6が取付けられているが、アーム5の長手方向に直交す
る一つの軸の先端に超音波探触子1の探傷面が直交する
ように取付けられ、アーム5の長手方向に対する超音波
探触子ビーム入射方向が検出できるように角度検出器1
0が取付けられている。
【0026】以上により位置検出機構2が構成される次
に図3を用いて第2の回転部3についてより詳細に説明
する。図3に示すように第2の回転部3の内部にアーム
巻取機構11が設けられ、このアーム巻取機構11によ
りコンベックス状の形状を有するアーム5がスプリング
12の弾性力により巻取られ、またスプリング12の弾
性力に抗して引出し可能な構造となっている。
【0027】また、第2の回転部3のアーム引出し部1
7にはスプロケット13とガイドローラ14とが対峙さ
せて取付けられており、アーム巻取機構11より引出
し、または巻取られるアーム5は第2の回転部3の中心
を通るようにその移動経路に設けられたガイドローラ1
4によりガイドされながらアーム引出し部17のスプロ
ケット13により送込まれるようになっている。
【0028】この場合、アーム5には規則的な穴が設け
られており、この穴にスプロケット13が噛合ってい
る。また、このスプロケット13の回転量、つまりアー
ム5の移動量はスプロケット13に取付けられたタイミ
ングベルト31を介してアーム長さ検出器9に伝達され
るようになっている。さらに、アーム5はスプリング1
2の弾性力でアーム巻取機構11に層状に巻取られる
が、このアーム巻取機構11はアーム5の巻取中心が回
転部3の回転中心Oと異なる位置にあり、アーム5の巻
取開始点Aの接線方向が回転中心Oからの半径方向とほ
ぼ一致している。このため、アーム5の巻取が急激に行
われるような場合にも巻取力による反力の発生方向が回
転部3の回転中心Oに向うことになり、回転部3に不要
な力が作用することはない。
【0029】一方、第2の回転部3の軸外周部には歯車
15が取付けられ、また回転角度検出器7に取付けられ
た歯車16とを噛合させ、第2の回転部3の回転量はこ
れら歯車15,16を介して回転角度検出器7に伝達さ
れ、回転角度αが容易に測定できるようになっている。
【0030】この場合、第2の回転部3は引出されたア
ーム5がアーム引出し部17のガイドローラ14で挟み
つけられているため、アーム5を第2の回転部3の回転
軸の回りに動かすことにより回転させることができる。
【0031】さらに、この第2の回転部内にはバランス
用錘18が取付けられ、回転中心から偏心して取付けら
れているアーム巻取機構11及びアーム引出し部17な
ど都の重さのバランスを保つようにしている。したがっ
て、位置検出装置2が種々傾いた状態にしても使用する
ことができる。
【0032】次に図4を用いて第1の回転部4について
より詳細に説明する。図4に示すように第1の回転部4
は、固定部19の上面に水平状態に配置され、その垂直
方向に伸びる軸部がベアリング20により回転自在に支
承されている。また第1の回転部4の軸部の中心穴には
スリップリング21が設けられ、このスリップリング2
1を介して前述した第1の回転部の角度検出器7及びア
ーム長さ検出器9からの検出信号がそれぞれ取出される
ようになっている。
【0033】また、第2の回転部4の下面には歯車22
が取付けられ、この歯車22と噛合する歯車23を介し
て第1の回転部4の回転量が固定部19に取付けられた
回転角度検出器8に伝達され、第2の回転部3から引出
されたアーム5を第1の回転部4の回転軸の周りに移動
させたときの回転角度βが容易に検出できるようになっ
ている。
【0034】さらに、固定部19にはマグネットからな
る足24が取付けられており、この固定部19を強磁性
体の設置箇所に容易に取付可能にしてある。この場合、
マグネットによらず他の手段により取付け可能にしても
よいことは勿論である。
【0035】なお、第1の回転部4の回転軸の回りに第
2の回転部3が均一に配置されていないため、第2の回
転部3と同様に第1の回転部4の下面部にバランス用錘
25が取付けられている。この場合、第1の回転部4が
常に水平状態で使用される場合にはバランス用錘25は
不要となる。
【0036】次に図5を用いて探触子保持具6の周りに
ついてより詳細に説明する。図5に示すように超音波探
触子1は、アーム5の長手方向の軸に直交した一軸につ
いて超音波探触子1の探傷面26の法線方向と一致さ
せ、アーム5の長手方向に対して探傷面を含む平面上で
探触子のビーム入射方向とが交差する角度γを前述した
角度検出器10で検出できるように設けられている。
【0037】また、探触子保持具6は、さらにアーム5
の長手方向の軸に回転自在なピン継手27とこの長手方
向軸と前述した角度検出器10の設置軸とに直交し、各
軸の交点が一点となるような回転軸を有する回転自在な
ピン継手28により結合されている。
【0038】このように構成の超音波探触子走査装置で
は、固定部19の上面に第1の回転部4を設け、この第
1の回転部4上にその中心軸線と直交する方向に伸びる
軸を中心に回動する第2の回転部3を支持させ、この第
2の回転部3にその回転軸線と第1の回転部4の中心軸
線との交点Oを通って直線的に伸縮可能なアーム5を引
出し、このアーム5の先端に接触子保持具6を取付ける
と共に、この接触子保持具6に超音波探触子1を回転自
在に保持する構成とし、且つ第1の回転部4に回転角度
βを検出する回転角度検出器8及びアーム5の長さrを
測定するためのアーム長さ検出器9を取付け、また第2
の回転部3に回転角度αを検出する回転角度検出器7を
取付け、さらに探触子保持具6にアーム5と超音波探触
子1を結ぶ直線を軸として回転する回転量γを検出する
角度検出器10を取付け、互いに直交する第1の回転部
4及び第2の回転部3の回転角度β及びαとアーム5の
長さrと超音波探触子1の回転量γとをそれぞれ検出し
て三次元位置を演算することにより、試験体の欠陥位置
寸法を測定するようにしたものである。
【0039】ここで、その演算内容について述べる。い
ま、アーム5の先端位置が図6に示すようなP点位置に
あるとすれば、この先端位置Pの直交座標系における値
P ,YP ,ZP は下式によって容易に求められる。
【0040】XP =r sinα cosβ YP =r sinα sinβ ZP =r cosα さらに、これらの点から探触子の探傷面26の方向余弦
をX,Y,Z軸に対し、それぞれl,m,nとし、探触
子探傷面26とアーム5の先端P点の間隔をhとすれ
ば、探触子の超音波ビーム入射点Tの座標XT ,YT
T は下式となる。
【0041】XT =XP +l・h YT =YP +m・h ZT =ZP +n・h 一方、探触子のビーム入射方向がアーム5と探傷面上で
なす角度γを用いると、超音波ビーム路程から求められ
る超音波ビーム入射点Tから欠陥Fまでの距離bを超音
波探触器から得て超音波探触子1の試験体29への超音
波ビームの屈折角ψを知って、下式により欠陥位置X
F ,YF ,ZF を求めることができる。
【0042】XF =b[{e1 cos γ+c1 sin γ} si
n ψ+lcos ψ]+XTF =b[{e2 cos γ+c2 sin γ} sin ψ+mcos
ψ]+YTF =b[{e3 cos γ+c3 sin γ} sin ψ+ncos
ψ]+ZT 但し、c1 =(mZ1 −nY1 )/a,e1 =(X1
lp)/a c2 =(nX1 −lZ1 )/a,e2 =(Y1 −mp)
/a c3 =(lY1 −mX1 )/a,e3 =(Z1 −np)
/a a=(X1 2 +Y1 2 +Z1 21/2 p=lX1 +mY1 +nZ1 また、探傷面の方向余弦l,m,nはアーム5の先端位
置P点を同一探傷面内上で少なくとも3点あれば下式に
よって求められることは一般に明らかであり、欠陥点F
を検知した場合に欠陥点を検出した時のアーム5の先端
位置P1 点に加え、P1 点から予め定めた探傷面の平面
性を失わないと考えられる距離 d1 〜d2 の範囲内で
互いに離れたP2 及びP3 点を決定すれば、容易に達成
できる。
【0043】
【数1】
【0044】このようにして求められた欠陥点Fの座標
値は、本実施例の装置の設置位置を基準として得られる
が、実際の探傷試験においては、任意の試験体上の座標
系を設定する必要がある。
【0045】本実施例の装置によれば、図7に示すよう
に予め新座標系の原点Q0 (x1 ,y1 ,z1 )とX軸
方向の点Q1 (x2 ,y2 ,z2 )とY方向を定めるQ
2 (x3 ,y3 ,z3 )の本実施例の装置による座標を
定めることで一般の座標変換公式を用いて容易に新座標
系を設定し、欠陥点の位置を新座標系で求めることがで
きる。即ち、新座標系X´,Y´,Z´は装置の座標系
X,Y,Zによって下式で求まる。
【0046】
【数2】
【0047】従って、アーム5の長さrと、アーム5の
角度方向の値α、βと、超音波探触子保持具の回転量γ
を電気信号として図示しないコンピュータに取込み、試
験体上表面に任意の座標系を形成し、超音波探傷データ
を用いて欠陥位置F ,YF ,ZF を算定することができ
る。
【0048】このように本実施例では、互いに直交する
二つの回転軸周りの回転角度と、この両軸の交点から引
出されるアームを有し、これら回転角度とアームの引出
し量を検出しているので、任意な三次元構造物の検査を
行う場合に探触子位置を精度良く測定することができる
と共に、狭隘部に本装置を持込んで容易に設置でき、設
置の際に試験体の形状に合わせた座標系を構成するため
の装置の配置を行う必要がないので、装置を設置に対す
る作業が短時間に実施することができる。
【0049】また、アームはコンベックス状であり、適
度な変形抵抗を有しているので、アームの引出し、巻取
機構に使用するスプリングの弾性力を低減でき、しかも
探触子の走査にあたっては不要な力がかからず、微妙な
走査が容易にできる。
【0050】このようなアーム巻取機構に使用するスプ
リングはアームの巻取時と引出し時にスプリングの反力
が生じるが、本装置ではこのアーム巻取機構をピン継手
で回転自在に支持すると共に、アームの巻取開始時の接
線方向を位置測定座標系の原点方向と一致させているた
め、アームの巻取、引出しを高速に行っても回転部が不
要に偏倚することがなく、精度の高い計測が可能であ
る。
【0051】さらに、アームの長手方向が座標系の原点
を通るようにしているので、アームの巻取、引出し時に
回転部に不要なモーメントを作用させることなく、座標
計測精度を高くすることができる。
【0052】なお、本装置の回転部に取付けられたアー
ム引出し量及び回転角度を検出する検出器の電気信号を
スリップリングを介して取出されるので、装置の回転動
作時に信号線を固定しておいても装置の動きが滑らであ
り、位置測定精度を上げることができる。
【0053】一方、超音波探触子を保持する保持具をア
ームの先端部に1点で互いに直交する回転軸を有するよ
うにしているので、比較的容易な演算式によって超音波
探触子の超音波ビーム入射点の三次元位置を求めること
ができる。
【0054】また、欠陥の三次元位置を知るためには、
超音波ビーム入射点の三次元位置だけでなく、超音波ビ
ームの入射方向を知る必要があるが、本装置によって超
音波ビーム入射点の三次元位置を複数点計測すること
で、超音波ビームの入射する面の傾きを知ることがで
き、アームの先端に取付けた探触子保持具の探触子首振
り角度から所望の三次元位置を演算して決定することが
できる。
【0055】なお、上記実施例ではアーム5としてコン
ベックス状の形状を有するものを使用したが、より変形
し易い一般的に使用されているタイミングベルトを使用
しても十分効果を発揮することができる。この場合、ア
ームを直線状に張って維持するため、コンベックス状の
ものに比べて巻取時の弾性力が強くなるため、探触子の
操作性が若干低下する。
【0056】また、上記実施例では巻取時スプリングに
よってアーム巻取開始点の接線方向を第2の回転部4の
回転方向とほぼ一致させたが、探触子の走査速度が比較
的ゆっくりであれば半径方向との一致がされていなくて
も機構としての効果を十分発揮できる。
【0057】さらに、上記実施例では探触子保持具とし
てアームの長手方向を軸とする回転自在のピン継手を用
いたが、アームが容易にねじれる構造のものであれば、
ピン継手でなくても十分高い精度でアーム先端の座標点
を求めることができる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、超音
波探触子の位置を三次元的な位置座標系で検出すると共
に、探触子の首振り角度を検出しながら試験体の三次元
的な曲面形状に合わせて欠陥位置を算定することがで
き、また曲面形状の試験体上に任意の座標軸を作成して
超音波データを収集することができる超音波探触子走査
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波探触子走査装置の一実施例
を示す側面図。
【図2】同実施例の背面図。
【図3】同実施例における第2の回転部の構成を詳細に
示す図。
【図4】同実施例における第1の回転部の構成を詳細に
示す図。
【図5】同実施例における探触子保持具の構成を詳細に
示す図。
【図6】同実施例において、探触子位置を測定する方法
の説明図。
【図7】同実施例において、探触位置を求めるための座
標系の説明図。
【図8】従来の探触子走査具を示す構成図。
【符号の説明】
1……超音波探触子、2……位置検出機構、3……第2
の回転部、4……第1の回転部、5……アーム、6……
探触子保持具、7,8……回転角度検出器、9……アー
ム長さ検出器、10……回転量検出器、11……巻取機
構、12……スプリング、13,15,16……歯車、
14……ガイドローラ、17……アーム引出し部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波探触子の位置を検出し、試験体の
    内部欠陥位置と大きさを測定する超音波探触子走査装置
    において、固定部の上面に第1の回転部を設け、この第
    1の回転部上にその中心軸線と直交する方向に伸びる軸
    を中心に回動する第2の回転部を支持させ、この第2の
    回転部にその回転軸線と第1の回転部の中心軸線との交
    点を通って直線的に伸縮可能なアームを引出し、このア
    ームの先端に接触子保持具を取付けると共に、この接触
    子保持具に超音波探触子を回転自在に保持する構成と
    し、且つ第1の回転部に回転角度を検出する回転角度検
    出器及びアームの長さを測定するためのアーム長さ検出
    器を取付け、また第2の回転部に回転角度を検出する回
    転角度検出器を取付け、さらに探触子保持具にアームと
    超音波探触子を結ぶ直線を軸として超音波探触子の首振
    り角度を検出する首振角度検出器を取付け、互いに直交
    する第1の回転部及び第2の回転部の回転角度とアーム
    の長さと超音波探触子の回転量とをそれぞれ検出して試
    験体の内部欠陥位置と大きさを求めることを特徴とする
    超音波探触子走査装置。
  2. 【請求項2】 第2の回転部の回転角度を検出する回転
    角度検出器とアームの長さを検出するアーム長さ検出器
    より出力される電気信号をスリップリングを介して取出
    すことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子走査
    装置。
  3. 【請求項3】 超音波探触子とアームとの結合を回転自
    在な構造とし、このアームの長手方向を軸とした回転と
    このアームに直交する他の二方向の軸周りの回転軸とが
    アーム上にあることを特徴とする請求項1に記載の超音
    波探触子走査装置。
  4. 【請求項4】 第2の回転部内にスプリングによる巻取
    力を有するアーム巻取機構を設け、このアーム巻取機構
    により巻取または引出されるアームをコンベックス状と
    し且つこのアームの移動量をアームに規則的に明けられ
    た穴に噛合する歯車機構を介してアーム長さ検出器に伝
    達するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の超
    音波探触子走査装置。
  5. 【請求項5】 アーム巻取機構は、アームを巻取または
    引出す回転中心を、第1の回転部及び第2の回転部の互
    いに直交する回転軸周りの回転角度とその交点の延長線
    上に引出されたアームの長さによって構成される極座標
    系の中心位置と異なり、アームの巻取のためのアーム曲
    り点が極座標原点とアームの引出し方向の延長線上の近
    傍となるように構成された請求項4に記載の超音波探触
    子走査装置。
  6. 【請求項6】 第1の回転部及び第2の回転部の回転角
    度を検出する回転角度検出器とアーム長さを検出するア
    ーム長さ検出器及び超音波探触子の首振り角度を検出す
    る首振り角度検出器からの電気信号を取込んで超音波探
    触子が位置する面の傾きと方向を求め、この面の傾き方
    向から超音波探傷時の欠陥エコーデータであるビーム路
    程と超音波探触子の屈折角を用いて欠陥の三次元位置を
    演算して決定する信号処理手段を備えたことを特徴する
    請求項1に記載の記載の超音波探触子走査装置。
JP5162103A 1993-06-30 1993-06-30 超音波探触子走査装置 Pending JPH0720104A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010276604A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 General Electric Co <Ge> 自動位置合わせプローブアセンブリを有する非破壊検査システム
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