JPH0719972Y2 - 自動二輪車のフートレスト支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、自動二輪車のフートレスト支持装置に関す
る。

（従来の技術） 自動二輪車のフートレストは、例えば実開昭60-81187号
公報にみられるように、車体に対し緩衝材を介して防振
されるよう浮動的に取付けられている。

従来のフートレストの取付構造は、車体フレームの左右
側部に左右別々に車体フレームに片持ち式に固定された
取付軸に弾性体を嵌着してその外周の外殻部材にフート
レストブラケットを固設し、そのブラケットにフートレ
ストを倒起自在に取付けた構造となっている。

（考案が解決しようとする課題） しかして上記従来の構造によると、フートレストは左右
別々に取付けられるため、繰返し荷重が負荷されると下
方にだれてしまい、フートレストとしての機能を十分に
果し得なくなることが多い。さりとてフートレストを浮
動支持する弾性体のバネ定数を高くして荷重に耐え得る
ようにするとフートレストの浮動性が失なわれることに
なる。

一方、従来の構造では、車体フレームに片持ちで固着さ
れる取付軸に弾性体およびフートレストブラケットを介
して取付けられるため、取付軸および付帯構造物が車体
の側方に大きく突出し、乗車時に邪魔になるという問題
があった。

本考案はこれに鑑み、車体側方への突出長さを大きく必
要とせずにフートレストの十分な浮動支持ができる自動
二輪車のフートレスト支持装置を提供することを目的と
してなされたものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記従来技術の有する課題を解決するため本考案は、車
体フレームの左右を連結するように大径のパイプ材をフ
レームメンバーとして車体フレームに一体的に設け、こ
のパイプ材の両端部内に弾性体を嵌着し、この弾性体を
貫通する取付軸の両端にフートレストブラケットを不回
転に取付け、このブラケットにフートレストを設けたこ
とを特徴とする。

（作用） 弾性体は車体フレームと一体のパイプ材の端部内に嵌着
して支持されているので、車体側部に突出した位置とな
らず、邪魔にならないとともにフートレストに加わる荷
重によりフートレストがだれることがなく、車体の振動
は弾性体により吸収されてフートレストに伝わることが
防止される。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説明する。

車体フレーム１のフレームメンバーとして車体フレーム
１の左右を結合する大径のパイプ材２が車体フレーム１
に溶接等により一体的に固着され、このパイプ材２の両
端部には第１図に片側のみを示すように防振用の弾性体
３が圧入されている。この弾性体３は、ゴム、合成樹脂
等の弾性材により構成される。

前記パイプ材２には、弾性体３を含んで取付軸４が挿通
される。この取付軸４は、図示の実施例では内周に雌ネ
ジが刻設されたボス部材５を両端に有するパイプ６から
なっており、このパイプ６の端部およびボス部材５は弾
性材３にスリーブ７を介して挿通され、このボス部材５
の雌ネジにフートレストブラケット８に挿通するボルト
９が螺挿されて締着され、フートレストブラケット８を
パイプ材２に固定している。なお前記パイプ６の長さ
は、フートレストブラケット８を締着した際に弾性体３
にイニシャル荷重を発生させ得る長さとされている。

前記フートレストブラケット８には、フートレスト10が
ピボット11により水平位置と垂直位置とにわたり倒起自
在に取付けられている。このフートレスト10は倒起しな
いタイプのリジット構造であってもよい。

前記ボス部材５とフートレストブラケット８との不回転
結合は、例えば第３図に示すようにボス部材５を角軸状
に形成し、フートレストブラケット８の孔を角孔12とし
て、嵌め合せるだけで不回転的に取付けられるようにさ
れる。しかしこの不回転結合構造はこれに限らず、キ
ー、スプライン、その他の構造であってもよい。

第２図中13はエンジン、14は燃料タンク、15はシートの
位置を示す。

本考案は上記の構成であるから、フートレスト10を防振
支持するための弾性体３は車体フレーム１の左右にわた
って一体的に固着されたパイプ材２の端部内に嵌着さ
れ、この弾性体３を貫通する取付軸４によりフートレス
トブラケット８を固定するようにしているので、フート
レスト10に加わる荷重に対してはパイプ材２を通る取付
軸４により弾性体３を介して受けられ、車体フレーム１
側からの振動は弾性体３により防振されてフートレスト
10へ伝播されることが防がれる。これにより弾性体３に
十分な弾性を有するバネ定数のものを選択しても、フー
トレスト10がだれることなく浮動支持することができ、
併せて弾性体３はパイプ材２の端部内に隠蔽されるので
車体側部に大きく突出せず、取付軸４が乗車時の邪魔に
ならない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、フートレストがだ
れることがなく、十分な浮動支持ができ、またスイング
アームピボット付近を大径のパイプ材で結合されるので
車体フレームの剛性が高められ、しかも防振用の弾性体
は上記パイプ材の端部内に嵌着されるので取付軸を車体
側方に大きく突出させる必要がなく、邪魔になることが
ない。さらに弾性体の容量が大きくとれるので、弾性体
の種類として圧縮、剪断など種々のものが使用でき、そ
してフートレストはリジットタイプであっても浮動支持
が可能となるなどの種々優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部を示す断面図、第２図
は車体フレームに対する位置関係を示す側面図、第３図
は取付軸とフートレストブラケットとの不回転結合構造
例を示す分解斜視図である。 １……車体フレーム、２……パイプ材、３……弾性体、
４……取付軸、８……フートレストブラケット、10……
フートレスト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体フレームの左右を連結するように大径
   のパイプ材をフレームメンバーとして車体フレームに一
   体的に設け、このパイプ材の両端部内に弾性体を嵌着
   し、この弾性体を貫通する取付軸の両端にフートレスト
   ブラケットを不回転に取付け、このブラケットにフート
   レストを設けたことを特徴とする自動二輪車のフートレ
   スト支持装置。