JP3522804B2 - 自動二輪車の後輪制動装置 - Google Patents

自動二輪車の後輪制動装置

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JP3522804B2
JP3522804B2 JP26132593A JP26132593A JP3522804B2 JP 3522804 B2 JP3522804 B2 JP 3522804B2 JP 26132593 A JP26132593 A JP 26132593A JP 26132593 A JP26132593 A JP 26132593A JP 3522804 B2 JP3522804 B2 JP 3522804B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、車体フレームに揺動自
在に支承されたブレーキペダルに前端が連結される第1
ブレーキ力伝達部材の後端と、後輪ブレーキのブレーキ
レバーに後端が連結される第2ブレーキ力伝達部材の前
端とが連動機構を介して連結される自動二輪車の後輪制
動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、かかる制動装置は、たとえば特開
昭62−198589号公報により既に知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のものにおい
て、第1ブレーキ力伝達部材および第2ブレーキ力伝達
部材を連動させる連動機構は、車体フレームに回動可能
に支承される回動軸と、第1ブレーキ力伝達部材に連結
されるとともに回動軸の一端に固定される第1の揺動部
材と、第2ブレーキ力伝達部材に連結されるとともに回
動軸の他端に固定される第2の揺動部材とから成るもの
であり、連動機構を構成する部品点数が多くなるだけで
なく、両ブレーキ力伝達部材の一方からの入力に応じて
回動軸にねじり力が働くことになり、力の伝達効率が優
れているとは言い難い。しかも両ブレーキ力伝達部材
が、回動軸の軸線に沿ってオフセットされた位置で連動
機構に連結されるため、第1および第2ブレーキ力伝達
部材を配置する上での自由度が狭められる。 【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、伝達効率を向上させるとともに部品点数を少
なくして連動機構を構成するとともに両ブレーキ力伝達
部材の配置上の自由度を増大せた自動二輪車の後輪制動
装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、車体フレームに揺動自在に支承さ
れたブレーキペダルに前端が連結される第1ブレーキ力
伝達部材の後端と、後輪ブレーキのブレーキレバーに後
端が連結される第2ブレーキ力伝達部材の前端とが連動
機構を介して連結される自動二輪車の後輪制動装置にお
いて、車体フレームを間に挟んでその外側には、足載せ
ステップが取付けられる第1支持板が、またその内側に
は、該第1支持板とは別体に形成されてブレーキペダル
を揺動自在に支承する第2支持板がそれぞれ配置される
と共に、それら第1及び第2支持板の下部が該車体フレ
ームに共通のボルトを介して締着され、ブレーキペダル
は、該ペダルの一部が前記第1及び第2支持板間を通る
ように且つ該ペダルの第2支持板における揺動支承部が
第1支持板よりも車幅方向内側に位置するように配置
れ、連動機構は、車体フレームに回動可能に支承される
回動軸と、中間部が該回動軸の一端に固定される揺動部
材とから成り、該揺動部材の一端に第1ブレーキ力伝達
部材の後端が連結され、揺動部材の他端に第2ブレーキ
力伝達部材の前端が連結される。 【0006】 【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。 【0007】図1ないし図6は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1は自動二輪車の要部側面図、図2は図
1の2部拡大図、図3は図2の3−3線断面図、図4は
図1の4部拡大図、図5は図4の5−5線断面図、図6
は図4の6−6線拡大断面図である。 【0008】先ず図1において、自動二輪車の車体フレ
ーム10は、図示しない前輪懸架装置を支持するヘッド
バイプ(図示せず)に結合される単一のメインパイプ1
1と、エンジンE等が搭載される左、右一対のダウンチ
ューブ12とを備え、メインパイプ11は前記ヘッドパ
イプから後方に延びるにつれて下方に彎曲され、両ダウ
ンチューブ12は、後部彎曲部12aおよび前部彎曲部
12bを有して側面視略U字状に彎曲形成されて前記ヘ
ッドパイプに結合される。而してメインパイプ11の後
端は、両ダウンチューブ12の後方彎曲部12aに連結
板13をそれぞれ介して結合され、両連結板13には、
後輪14を懸架する左、右一対のスイングアーム15の
前端が枢軸16を介してそれぞれ支承される。 【0009】後輪14に装着された後輪ブレーキBはブ
レーキレバー17を備える機械式ブレーキであり、ブレ
ーキレバー17が図1の時計まわりに回動駆動されるの
に応じてブレーキ力を発揮する。 【0010】車体フレーム10には、運転者の右足で踏
込み操作されるブレーキペダル18が揺動自在に支承さ
れており、このブレーキペダル18の踏込み力は、第1
ブレーキ力伝達部材としての第1ブレーキロッド19、
連動機構20、ならびに第2ブレーキ力伝達部材として
の第2ブレーキロッド21を介して後輪ブレーキBのブ
レーキレバー17に伝達される。 【0011】図2および図3を併せて参照して、左、右
一対のダウンチューブ12のうち自動二輪車の前方に向
かって右側のダウンチューブ12の下部において、前部
彎曲部12b寄りの部分には、ダウンチューブ12より
も外側に配置される第1支持板22と、ダウンチューブ
12よりも内側に配置される第2支持板23とが固定さ
れる。第1支持板22は、自動二輪車の前後方向に沿う
略三角形の平板状に形成されるものであり、鉛直姿勢で
ダウンチューブ12の外側に配置される。また第2支持
板23は、第1支持板22の下部と平行にしてダウンチ
ューブ12よりも内方側に配置される取付板部23a
と、上方に向かうにつれて外側方位置となるように傾斜
して取付板部23aの上端に連設される傾斜板部23b
と、ダウンチューブ12のほぼ直上位置で傾斜板部23
bの上端に連設されて第1支持板22の上部と平行に配
置される支持板部23cとを有して側面視略三角形状に
形成されるものであり、第1および第2支持板22,2
3の上部は自動二輪車の前後にずれて配置されている。
而して、ダウンチューブ12には、自動二輪車の左、右
に延びる一対の円筒状であるカラー24が貫通、固着さ
れており、第1支持板22の下部ならびに第2支持板2
3の取付板部23aが各カラー24の両端部に当接され
た状態で、第1支持板22、カラー24および取付板部
23aをそれぞれ貫通するボルト25にナット26が螺
合され、それらのナット26を締付けることにより、第
1および第2支持板22,23がダウンチューブ12に
固定されることになる。 【0012】第1支持板22の上部外面側には足載せス
テップ27が取付けられる。また第2支持板23におけ
る支持板部23aの外側面側にはブレーキペダル18の
基端が揺動支承部としての支軸28により揺動自在に支
承され、該ブレーキペダル18は、その前端踏込み部1
8aが前記足載せステップ27の前方に位置するように
屈曲形成されている。また第1支持板22の内面側上部
には、ブレーキペダル18の中間部上面に当接してブレ
ーキペダル18の戻り位置を規制するストッパ29が、
その規制位置を調整可能として配設され、調整後はスト
ッパ29の位置がロックナット41で固定される。 【0013】ブレーキペダル18の基端下部には連結部
18bが設けられ、この連結部18bに第1ブレーキロ
ッド19の前端が連結ピン30を介して連結される。 【0014】このように足載せステップ27が取付けら
れる第1支持板22との間にダウンチューブ12を挟む
ようにして配置される第2支持板23に、ブレーキペダ
ル18の基端が揺動可能に支承されることにより、単一
の支持板に足載せステップが配設されるとともにブレー
キペダルの基端が揺動可能に支承されるものと比べる
と、足載せステップ27の位置に対するブレーキペダル
18の揺動支点配置上の自由度が増大するとともに、エ
ンジンEの保守、点検等を容易とするためのブレーキペ
ダル18の形状および揺動支点の位置を選択する上での
自由度が増大する。さらにブレーキペダル18の揺動支
点が第1支持板22、第2支持板23およびダウンチュ
ーブ12でガードされることになる。 【0015】図4、図5および図6を併せて参照して、
連動機構20は、車体フレーム10における一対の連結
板13のうち自動二輪車の前方に向かって右側の連結板
13に回動可能に支承される回動軸31と、中間部が該
回動軸31の一端に固定される揺動部材32とから成
る。 【0016】上記連結板13には、スイングアーム15
を支承する枢軸16と平行な軸線を有する円筒状の支持
筒33が固着され、回動軸31は、該支持筒33に回動
可能に支承される。而して回動軸31の外端には、支持
筒33の外端に係止する係合頭部31aが設けられる。
揺動部材32は、ダウンチューブ12およびスイングア
ーム15間に配置されるものであり、支持筒33の内端
から突出した回動軸31の内端に揺動部材32の中間部
が固着される。すなわち、揺動部材32の中間部には回
動軸32の内端を挿通させる孔34と、該孔34に連な
るスリット35とが設けられており、孔34に回動軸3
1内端を挿通させた状態で、揺動部材32に螺合された
ボルト36によりスリット35の幅を狭めるように締め
付けることにより揺動部材32の中間部が回動軸31の
内端に固着されることになる。しかも回動軸32の内端
外面にはセレーション37が施されており、該セレーシ
ョン37により揺動部材32の中間部の回動軸31への
固定がより強固となる。 【0017】揺動部材32の一端すなわち下端には、前
端がブレーキペダル18に連結されている第1ブレーキ
ロッド19の後端が連結ピン38を介して連結され、揺
動部材32の他端すなわち上端には、後端がブレーキレ
バー17に連結されている第2ブレーキロッド21の前
端が連結ピン39を介して連結される。 【0018】また第2ブレーキロッド21の前端および
スイングアーム15の中間部間には、ブレーキ力を緩め
る方向のばね力を発揮する戻しばね40が縮設される。 【0019】次にこの実施例の作用について説明する
と、ブレーキペダル18を踏み込んだブレーキ操作時に
は、ブレーキペダル18の揺動に応じて第1ブレーキロ
ッド19が連動機構20の揺動部材32を図1の時計ま
わりに揺動し、その揺動部材32の揺動に応じて第2ブ
レーキロッド21がブレーキレバー17を図1の時計ま
わりに回動する方向に作動して後輪ブレーキBがブレー
キ力を発揮するようになる。またブレーキペダル18を
踏込み力を解除すると、揺動部材32は戻しばね40の
ばね力によって元の位置に戻り、その揺動部材32の復
帰作動が第1ブレーキロッド19を介してブレーキペダ
ル18に伝達され、該ブレーキペダル18はストッパ2
9で規制される位置まで戻ることになる。 【0020】このような後輪制動装置において、連動機
構20は、車体フレーム10における連結板13に回動
可能に支承される回動軸31と、中間部が該回動軸31
の一端に固定される揺動部材32とから成り、揺動部材
32の一端には、前端がブレーキペダル18に連結され
ている第1ブレーキロッド19の後端が連結され、揺動
部材32の他端には、後端がブレーキレバー17に連結
されている第2ブレーキロッド21の前端が連結され
る。したがって、車体フレームに回動可能に支承される
回動軸と、ブレーキペダル18側に連結されるとともに
回動軸の一端に固定される第1の揺動部材と、ブレーキ
レバー17側に連結されるとともに回動軸の他端に固定
される第2の揺動部材とから連動機構が構成されていた
従来のもの(特開昭62−198589号公報)と比べ
ると、部品点数を低減し得るだけでなく、回動軸31に
ねじり力が働くことがないので伝達効率を向上すること
ができる。また第1および第2ブレーキロッド19,2
1を回動軸31の軸線に沿ってオフセットさせる必要が
ないので、第1および第2ブレーキロッド19,21の
配置上の自由度も増大することができる。 【0021】しかも揺動部材32が、ダウンチューブ1
2およびスイングアーム15間に配置され、外部から見
え難いので外観上も良好となる。 【0022】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。 【0023】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、連動機構
は、車体フレームに回動可能に支承される回動軸と、中
間部が該回動軸の一端に固定される揺動部材とから成
り、該揺動部材の一端に第1ブレーキ力伝達部材の後端
が連結され、揺動部材の他端に第2ブレーキ力伝達部材
の前端が連結されるので、部品点数の削減が可能となる
だけでなく、回動軸にねじり力が作用することを回避し
て伝達効率を向上させることができ、しかも回動軸の軸
線に沿って両ブレーキ力伝達部材をオフセットさせる必
要がないので両ブレーキ力伝達部材の配置上の自由度を
増大することができる。 【0024】また特に車体フレームを間に挟んでその外
側には、足載せステップが取付けられる第1支持板が、
またその内側には、該第1支持板とは別体に形成されて
ブレーキペダルを揺動自在に支承する第2支持板がそれ
ぞれ配置されると共に、それら第1及び第2支持板の下
部が該車体フレームに共通のボルトを介して締着され、
ブレーキペダルは、該ペダルの一部が前記第1及び第2
支持板間を通るように且つ該ペダルの第2支持板におけ
る揺動支承部が第1支持板よりも車幅方向内側に位置す
るように配置されるので、ブレーキペダル及びその揺動
支承部を、下側の車体フレームとその外側・内側の第1
・第2支持板とを利用して効果的に保護することがで
き、またステップ支持用の第1支持板とペダル支持用の
第2支持板とを別部品としてもその両者を共通のボルト
で車体フレームに共締めできるため、その両支持板及び
車体フレームがブレーキペダル及びその揺動支承部に対
する保護手段に兼用される効果とも相俟って、装置の構
造簡素化を図ることができる。しかも、共通の支持板に
足載せステップを取付け且つブレーキペダルを支承する
構造と比べて、足載せステップの取付位置およびブレー
キペダルの揺動支点位置の設定自由度を大幅に増大させ
ることができるから、例えば、ユーザの好みや機種変更
等に応じて足載せステップ位置を変更する場合でもその
対応が簡便でコスト増も極力抑えることができる
【図面の簡単な説明】 【図1】自動二輪車の要部側面図である。 【図2】図1の2部拡大図である。 【図3】図2の3−3線断面図である。 【図4】図1の4部拡大図である。 【図5】図4の5−5線断面図である。 【図6】図4の6−6線拡大断面図である。 【符号の説明】 10 車体フレーム 17 ブレーキレバー 18 ブレーキペダル 19 第1ブレーキ力伝達部材としての第1ブレー
キロッド 20 連動機構 21 第2ブレーキ力伝達部材としての第2ブレー
キロッド 22 第1支持板 23 第2支持板25 ボルト 27 足載せステップ 28 揺動支承部としての支軸 31 回動軸 32 揺動部材 B 後輪ブレーキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63L 3/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車体フレーム(10)に揺動自在に支承
    されたブレーキペダル(18)に前端が連結される第1
    ブレーキ力伝達部材(19)の後端と、後輪ブレーキ
    (B)のブレーキレバー(17)に後端が連結される第
    2ブレーキ力伝達部材(21)の前端とが連動機構(2
    0)を介して連結される自動二輪車の後輪制動装置にお
    いて、 車体フレーム(10)を間に挟んでその外側には、足載
    せステップ(27)が取付けられる第1支持板(22)
    が、またその内側には、該第1支持板(22)とは別体
    に形成されてブレーキペダル(18)を揺動自在に支承
    する第2支持板(23)がそれぞれ配置されると共に、
    それら第1及び第2支持板(22,23)の下部が該車
    体フレーム(10)に共通のボルト(25)を介して締
    着され、 ブレーキペダル(18)は、該ペダル(18)の一部が
    前記第1及び第2支持板(22,23)間を通るように
    且つ該ペダル(18)の第2支持板(23)における揺
    動支承部(28)が第1支持板(22)よりも車幅方向
    内側に位置するように配置 され、 連動機構(20)は、車体フレーム(10)に回動可能
    に支承される回動軸(31)と、中間部が該回動軸(3
    1)の一端に固定される揺動部材(32)とから成り、
    該揺動部材(32)の一端に第1ブレーキ力伝達部材
    (19)の後端が連結され、揺動部材(32)の他端に
    第2ブレーキ力伝達部材(21)の前端が連結されるこ
    とを特徴とする、自動二輪車の後輪制動装置。
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