JPH07198754A - 直流電流センサー - Google Patents

直流電流センサー

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JPH07198754A
JPH07198754A JP5352054A JP35205493A JPH07198754A JP H07198754 A JPH07198754 A JP H07198754A JP 5352054 A JP5352054 A JP 5352054A JP 35205493 A JP35205493 A JP 35205493A JP H07198754 A JPH07198754 A JP H07198754A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単であり、直流の漏電ブレーカー
等、特に微小な電流の変化に対しても、優れた検出能力
を有する高感度の直流電流センサーの提供。 【構成】 環状の軟質磁性材料からなる検出コア51の
内部に周方向に連通する中空部52を形成し、該中空部
52に周方向に巻回する励磁コイル53を配置するとと
もに、検出コアの外周部にトロイダル状に巻回する検出
コイル54を配置する構成にすることより、検出コア5
1を非常に生産性の良い構造とすることができ、励磁コ
イル53及び検出コイル54の効果的配置によって、検
出コア51を構成する軟質磁性材料が本質的に有する保
磁力による影響や、励磁コイル53からの漏洩磁束の影
響等を大幅に低減することが可能となり、例えば、5m
A以下程度の微小電流をも極めて高感度にて検出可能な
直流電流センサーが実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、太陽電池や燃料電池
発電システム等の直流発電を行う装置の漏電検知、発電
所・変電所や大型の工業プラント用配電盤の直流制御回
路等における漏電検知、さらに種々の直流機器における
絶縁劣化に伴う漏電検知による設備の予防保全等、広範
囲の分野にて使用される直流電流センサーの改良に係
り、構造が比較的簡単で、微小な電流の変化に対して
も、優れた検出能力を有し、しかも安定した検出が実現
できる高感度の直流電流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、直流を使用した機器が広範囲の
分野にて使用されているが、これらの各種機器を円滑に
作動させるための保守管理に際し、例えば、直流モータ
の負荷を検知し、所要の制御を行うためのセンサーや、
直流漏電ブレーカー等に使用される直流電流センサーの
必要性が高まってきた。
【0003】これらの直流電流センサーとしては、マグ
アンプ方式、磁気マルチバイブレータ方式(特開昭47
−1644号、特開昭53−31176号、特開昭59
−46859号)、ホール素子方式等からなる直流電流
センサーが知られている。
【0004】マグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ
方式は、いずれもトロイダル状に検出コイルを巻回して
なる軟質磁性材料のコアを用い、そのコアの内側に被検
出導線を貫通させ、該被検出導線に流れる直流電流にて
軟質磁性材料のコアを飽和磁束密度(Bs)以内で直流
偏磁させることにより、予めコアに巻回されたコイルに
交流電流を通電することにより発生した交番磁束が正、
負の方向で飽和に達する時間にアンバランスを発生さ
せ、その変化を前記検出コイルにて検出する方式であ
り、前者の方式では予めコア内に磁束変化を与えるた
め、コアに励磁コイルを巻回して所定値の交流電流を通
電する構成を採用するものであるが、後者の方式では検
出コイルと接続する回路中の半導体等の作用により自励
発振させ、被検出電流に応じて発振波形のデューティー
比を変えて発振する構成からなっている。
【0005】さらに、ホール素子方式は、一部にホール
素子を配置する空隙部を形成してなる軟質磁性材料のコ
アに直接被検出導線をトロイダル状に巻回し、該被検出
導線に流れる直流電流の変化に基づくコア内の磁束変化
を直接ホール素子にて検知する構成からなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各方式
からなる直流電流センサーは、以下の理由により直流漏
電ブレーカー等の微小な電流の変化に対応できる構成と
は言い難く、高感度の直流電流センサーとして実用に至
っていないのが現状である。
【0007】マグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ
方式においては、先に説明した通り、被検出導線に流れ
る直流電流にて軟質磁性材料のコアをほぼ飽和磁束密度
(Bs)付近にまで飽和させるよう直流偏磁させること
が必要であり、検出感度が低い。そのためパーマロイ等
の公知の軟質磁性材料をコアとして用いた場合、例え
ば、被検出導線に流れる電流が数10mA程度の場合
は、該被検出導線を軟質磁性材料のコアに数10ターン
から数100ターン以上巻回する必要があり、本来、被
検出導線の1ターン貫通を要求される漏電ブレーカー等
の直流電流センサーとして使用することは困難であっ
た。
【0008】ホール素子方式においても、これらの検出
能力は、ホール素子の特性によって必然的に決定される
ことから、現在公知のホール素子を用いた場合、例え
ば、被検出導線に流れる電流が数10mA程度の場合
は、該被検出導線を軟質磁性材料のコアに数100ター
ンから数1000ターン以上巻回する必要があり、上記
のマグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ方式と同様
に、被検出導線の1ターン貫通を要求される漏電ブレー
カー等の直流電流センサーとして使用することは困難で
あった。
【0009】この発明は、上記の問題点を解消し、構造
が簡単であり、直流の漏電ブレーカー等、特に微小な電
流の変化に対しても、優れた検出能力を有する高感度の
直流電流センサーの提供を目的とする。特に、直流電流
センサーを構成する検出コアの形状が簡単で生産性に優
れた高感度の直流電流センサーの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、検出コイル
をトロイダル状に巻回する環状の軟質磁性材料からなる
検出コアの内側に被検出導線を貫通配置し、これに直流
電流を流すと、その直流電流の方向に対して右回りの磁
場が発生し、検出コア内に磁束Φ0が発生するが、被検
出導線に流れる電流が直流であることから磁束Φ0は一
定であり、検出コイルには起電力が発生しないことに着
目し、上記検出コアの一部に磁気的なギャップを形成
し、この部分を磁性体にて開閉することで磁気スイッチ
を構成し、該磁気スイッチにて磁束Φ0を時間的に変化
(ON−OFF)させることによって検出コイルに起電
力を発生させることを検討した。
【0011】さらに、この発明者らは、上記の構成をよ
り実現性の高いものとすべく種々検討した結果、機械的
な磁気スイッチにかえて、被検出導線に流れる直流電流
によって検出コア内に発生する周方向の磁束に対して、
略直交方向に発生する磁束によって前記検出コアの一部
に周期的に磁気的なギャップを形成する手段を配置し、
実質的に上記の磁気スイッチと同様な作用を実現するこ
とによって、目的が達成できることを確認した。具体的
な構成としては、検出コアの一部に、検出コアの周方向
に対して直角方向に接続して環状を形成する軟質磁性材
料からなる励磁コアを一体的に配置するとともに、検出
コアに検出コイルをトロイダル状に巻回配置するととも
に、該検出コアの周方向に励磁コイルを巻回配置し、さ
らに該励磁コイルに交流電流を印加することによって励
磁コアを検出コアの周方向に対して直角方向に励磁し、
検出コアと励磁コアとの直交部を周期的に磁気的に飽和
させることによって、この磁気的に飽和した直交部分を
実質上の磁気的なギャップとする構成が採用できる。す
なわち、上記検出コアの磁気的に飽和した直交部分の比
透磁率μは限りなく1に近づくことから、この磁気的に
飽和した部分が磁気的なギャップと同様な機能を果た
し、検出コア内の磁束Φ0が一定周期にて減少し、その
磁束の変化に伴い検出コイルに起電力を発生させること
が可能となったのである。
【0012】この発明者らは、上記の基本的な構成から
なる直流電流センサーに種々の改良を加え、特に、軟質
磁性材料からなるコアの形状に着目し、該コアの形状を
極力簡単な構造とすることによって量産性に優れた構成
とするとともに、コア形状に即して励磁コイル、検出コ
イルを効果的に配置することによって検出感度の向上を
達成したのである。
【0013】すなわち、この発明は、環状の軟質磁性材
料からなる検出コアの内部に周方向に連通する中空部を
形成し、該中空部に周方向に巻回する励磁コイルを配置
するとともに、検出コアの外周部にトロイダル状に巻回
する検出コイルを配置し、かつ、検出コアの内側に非接
触検出する直流電流が流れる被検出導線を貫通配置した
ことを特徴とする直流電流センサーである。また、この
発明は、上記の構成において、コアが被検出導線を貫通
配置する際に周方向の少なくとも一ヶ所にて分割可能な
構成である直流電流センサーを併せて提案する。
【0014】
【作用】以下、この発明の直流電流センサーの作用を図
面に基づいて詳細に説明する。なお、この発明の直流電
流センサーは、先に説明したように、検出コアの一部
に、検出コアの周方向に対して直角方向に接続して環状
を形成する軟質磁性材料からなる励磁コアを一体的に配
置したコア形状を基本構造とし、種々の改良を重ねるこ
とによって完成したものであるが、その作動原理につい
ても上記の基本構造からなる直流電流センサーの場合と
実質的に同様であり、以下の説明においては、まず、上
記の基本構造からなる直流電流センサーに基づいて作動
原理を説明し、さらに、この発明を完成するに至った経
緯を説明することで、この発明の直流電流センサーが有
する特徴を一層明らかにする。
【0015】図7は、この発明の直流電流センサーの基
本的な作動原理を説明するための斜視説明図である。図
8及び図9は、この構成における励磁電流と検出コアを
通過する磁束、さらに検出コイルに発生する起電力の関
係を示している。図7において、1は環状の軟質磁性材
料からなる検出コア2の内側に貫通配置する被検出導線
である。3は該検出コア2の所定位置にトロイダル状に
巻回する検出コイルであり、被検出導線1と電気的な絶
縁を確保して所定の検出回路(図示せず)に接続する。
4は環状の軟質磁性材料からなる励磁コアであり、前記
検出コア2の周方向の一部に、該検出コア2の周方向に
対して直角方向に接続する構成を採り後述する作用によ
り、図中斜線部、すなわち検出コア2と励磁コア4のコ
ア直交部6に磁気的な飽和部を形成する。5は励磁コイ
ルであり、前記検出コア2の周方向に巻回配置してい
る。なお、図中43は、検出コア2を構成する軟質磁性
材料が有する磁気特性(保磁力)の影響に起因するもの
と推測される出力特性のヒステリシスの低減を目的に被
検出導線1と同方向に巻回配置される変調コイルであ
る。
【0016】図7の構成において、被検出導線1に直流
電流Iが流れると、検出コア2内に直流電流Iの方向に
対して右回りの磁場が発生し、検出コア内に磁束Φ0
発生する。この時、励磁コイル5に所定の交流電流を通
電して励磁コア4に周期的に図中α方向に変化する磁束
を発生し、該励磁コア4を周期的に磁気的に飽和する
と、検出コア2の周方向の一部であるコア直交部6(図
中斜線部)は比透磁率μが低下し極めて1に近い所謂実
質的な磁気的なギャップとなり、検出コア内の磁束Φ0
をΦ1にまで減少させる。ここで、励磁コイル5に通電
する交流電流を周波数f0とし、その電流のピーク値近
傍で励磁コア4が飽和するようにすると、図8に示すよ
うに被検出導線1に流れる直流電流Iがプラス(+)の
向き(図中上向き)の場合、図9に示すように被検出導
線1に流れる直流電流Iがマイナス(−)の向き(図中
下向き)の場合ともに、励磁電流1周期で2回励磁コア
4が飽和することとなる。図8に示すように被検出導線
1に流れる直流電流Iがプラス(+)の向き(図中上向
き)の場合、この飽和により、検出コア2に発生した被
検出導線1に流れる直流電流Iによって発生する磁束Φ
0は、図8のBに示すように2f0の周波数でΦ1にまで
減少する。すなわち、2f0で変調されることとなる。
従って、上記磁束の変化に伴い図8のCに示すように周
波数2f0の電圧VDETが検出コイル3に発生することに
なる。
【0017】また、図9に示すように被検出導線1に流
れる直流電流Iがマイナス(−)の向き(図中下向き)
の場合も、直流電流Iがプラス(+)の向き(図中上向
き)の場合と実質的に同様な作用となるが、直流電流I
の向きが反対となることから、検出コア2に発生する磁
束の向きも反対となり、検出コイル3に発生する周波数
2f0の電圧VDETの位相がそれぞれ180度異なること
になる。しかし、被検出導線1に流れる直流電流Iの向
きにかかわらず、いずれの場合も磁束Φ0 ∝ 直流電
流I、電圧VDET ∝ 磁束Φ0との関係から電圧VDET
∝ 直流電流Iとなり、被検出導線1に流れる直流電流
Iに比例した起電力を検出コイル3によって検出するこ
とが可能となり、被検出導線1に流れる直流電流Iの絶
対値を知ることができる。
【0018】上記構成の直流電流センサーにおいて、従
来の構成と比べ比較的簡単な構成で直流電流の検出を可
能としたが、特に微小電流領域における測定では、検出
コア2が有する保磁力の影響による検出コイル3での出
力電圧(出力特性)のヒステリシス現象によって測定時
の基準レベルが変動し、その都度その測定値が異なり正
確な値が求まらないという不都合が発生することから、
図7に示すように、検出コア2に被検出導線1と同方向
に巻回させた変調コイル43を配置した。
【0019】すなわち、上記構成の直流電流センサーで
は、励磁コイル5が検出コア2の外周に巻回配置されて
いることから、励磁コイル5に流れる励磁電流(交流電
流)によって検出コア2自身が脱磁されるが、それだけ
では十分でなく、該脱磁効果とともに、さらに、変調コ
イル43に発生させた交番磁界を検出コア2に重畳し、
コアの残留磁束による出力特性のヒステリシスを減少さ
せることが可能となるのである。したがって、変調コイ
ル43に検出コア2が有する保磁力以上の磁場を発生さ
せるのに必要な交流を流すと、コア材の保磁力に起因し
た残留磁束により発生するヒステリシス特性をなくし、
検出回路で該重畳交流成分を除去することで微小電流で
の検出感度を高めることができる。
【0020】変調コイル43は図7に示す如く、検出コ
ア2内側に被検出導線1と同方向に貫通するようにして
1ターンの変調コイル43を検出コア2に巻回配置する
他、要求される交番磁界の強度等に応じて上記と同方向
に複数ターンの変調コイル43を検出コア2に巻回配置
するものであり、特に複数ターンの場合は、実質的に検
出コイル3と同様に検出コア2にトロイダル状に巻回す
ることとなる。
【0021】また、図7からも明らかなように、変調コ
イル43は、検出コア2にトロイダル状に巻回されてい
る検出コイル3と実質的に同一場所で同一方向に巻回配
置されることから、検出コイル3にて共用化することが
できる。すなわち、本来、検出コイル3に流れる電流と
変調コイル43に流れる電流とは周波数が大きく異なる
ことから、これらを共用化した場合でも、それぞれの機
能を実現する周波数からなる電流を通過させるフィルタ
ーを適宜配置することで、容易に電気信号を分離するこ
とが可能であり、変調コイル43と検出コイル3を一体
化した構成を採用しても、出力特性のヒステリシスを減
少することができる。
【0022】さらにまた、図8、図9にて説明したよう
に被検出導線1に流れる直流電流Iの向きによって検出
コイル3に発生する周波数2f0の電圧VDETの位相がそ
れぞれ180度異なることから、前記励磁コイル5に、
予め発振器から励磁電流の2倍の周波数で発振された励
磁電流の周波数を1/2分周した状態の励磁電流を印加
し、発振器の出力と検出コイル3の出力との位相差を位
相比較回路にて検出することによって、被検出導線1を
流れる直流電流の絶対値とともにその向きをも容易に検
出することが可能である。
【0023】すなわち、励磁コイル5に接続する発振器
から発振される励磁電流の周波数と検出コイル3からの
出力VDETの周波数とが、ともに最終的に励磁コイル5
に印加される励磁電流の2倍の周波数2f0となること
から、これらの位相差を容易に比較することができ、被
検出導線1を流れる直流電流の絶対値とともにその向き
を検出することが可能となるのである。
【0024】例えば、図10に示す電気回路をそれぞれ
励磁コイル5および検出コイル3に接続することによっ
て、上記の作用を実現することができる。すなわち、図
10に示すように、励磁コイル5は交流電流印加手段1
0に接続される。交流電流印加手段10は、最終的に励
磁コイル5に印加する励磁電流の2倍の周波数2f0
励磁電流を発振するOSC(オシレーション・サーキッ
ト、発振回路)11と、該励磁電流の周波数を1/2分
周するT−FF(トリガー・フリップ・フロップ)12
を配置しており、さらに一旦周波数を2f0からf0に分
周した交流電流をLPF(ローパスフィルター)13、
バッファーアンプ14を介して励磁コイル5に接続され
る。
【0025】被検出導線1(図7参照)に所定方向の直
流電流Iが流れると、励磁コイル5に印加される前記1
/2分周された周波数f0なる励磁電流によって、先に
説明した起電力発生のメカニズムと同様に、検出コア2
に発生する磁束を変調し、検出コイル3に被検出導線1
に流れる直流電流Iに比例した励磁電流の2倍の周波数
2f0からなる起電力を出力させることが可能となり、
被検出導線1に流れる直流電流Iの絶対値を知ることが
できるのである。被検出導線1に流れる直流電流Iの向
きにより、検出コイル3に発生する周波数2f0の電圧
DETの位相がそれぞれ180度異なることは、先に図
8、図9によって説明したとおりである。このようにし
て検出コイル3に発生した周波数2f0からなる出力
(起電力)は、図10に示す位相比較回路20に入力さ
れる。
【0026】一方、前記交流電流印加手段10を構成す
るOSC11から発振される周波数2f0からなる励磁
電流の一部は、T−FF12等を介して励磁コイル5に
接続されることなく、周波数2f0のままLPF(ロー
パスフィルター)31、フェーズシフター(移相器)3
2、シュミット・トリガー33等を介して図10に示す
位相比較回路20に入力される。なお、フェーズシフタ
ー32に用いる各構成部品の定数はfOSC=1/2πR
Cを満たす条件にて配置することが望ましい。位相比較
回路20は、該回路20に入力されるOSC11からの
出力と検出コイル3からの出力との位相差を検出し、被
検出導線1を流れる直流電流Iの向きに対応して最終的
にアナログ的にそれらの向きとともに直流電流Iの絶対
値を示す出力電圧VOUTを出力することとなる。
【0027】また、検出コイル3に、時間に対して周期
的に向きと大きさが直線的に変化する、例えば三角波状
に変化する電流を通電することによって、検出コア2内
に偏向磁場を与えることでも、被検出導線1を流れる直
流電流の絶対値とともにその向きをも容易に検出するこ
とが可能である。すなわち、被検出導線1に直流電流が
流れている状態で検出コイル3に、例えば三角波状に変
化する電流を通電すると、検出コイル3には三角波状の
電流によって発生する磁束と、被検出導線1を流れる直
流電流によって発生する磁束とが重畳されることとな
り、該検出コイル3に発生する起電力に波高制限を加え
た後、その出力を位相検波し、さらにプラス(+)側の
出力時間とマイナス(−)側の出力時間との時間比率
(デューティー比)を検出することによって被検出導線
1を流れる直流電流の絶対値とともにその向きをも検出
することができる。特に、検出コイル3に印加する上記
の電流の最大値が、検出コア2の材料が有する保磁力
(±Hc)以上の磁場を発生するに足るように設定すれ
ば、実質的に検出コア2の材料が有するヒステリシスを
要因とする出力特性のヒステリシスをも低減することも
できる。さらに、公知の種々電気回路を効果的に組み合
せることによって、図7の構成からなる直流電流センサ
ーの有する本質的な長所を一層有効に活用することが可
能となる。
【0028】さらに、上記の図7に示す構成を基本構成
として、特に検出コア及び励磁コアの構成を改良するこ
とによって、直流電流センサーとしての電磁気的のアン
バランス等を低減し、ノイズ発生の低減や、S/N比の
向上等を可能とした。例えば、図11に示す構成からな
る直流電流センサーは、上記効果を備え、安定した測定
を実現することができる効果的な構成である。すなわ
ち、図7に示す構成においては、検出コア2に接続する
励磁コア4が1つであることから、また検出コイル3、
励磁コイル5、変調コイル43の位置も1箇所であるこ
とから直流電流センサーとしての電磁気的のバランスが
取り難いものであるが、図11に示す構成の直流電流セ
ンサーは、これら励磁コア4、検出コイル3、励磁コイ
ル5、変調コイル43の電磁気的のバランス配置を考慮
して構成されている。
【0029】図11において、1は被検出導線であり、
矩形枠状の検出コア2の内側中央部に貫通配置してい
る。この矩形枠状の検出コア2のそれぞれ対向位置にあ
る長辺部には一対の励磁コア4a,4bが4角筒状を形
成するごとく一体的に配置している。さらに矩形枠状の
検出コア2の外周には、その周方向に励磁コイル5が巻
回されている。また、矩形枠状の検出コア2のそれぞれ
対向位置にある短辺部には一対の検出コイル3a,3b
がトロイダル状に巻回され互いに電気的に接続されてい
る。さらに、同様位置に一対の変調コイル43a,43
bが被検出導線1と同方向に貫通するようにして巻回配
置され所定の手段によって直列に電気的に接続されてい
る。
【0030】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると、検出コア2内に直流電流Iの方
向に対して右回りの磁場が発生し、検出コア2内に磁束
Φ0が発生する。この時、励磁コイル5に所定の交流電
流を通電して一対の励磁コア4a,4bに周期的に図中
α方向に変化する磁束を発生し、該励磁コア4a,4b
を周期的に磁気的に飽和すると、矩形枠状の検出コア2
の周方向の一部である長辺部のコア直交部6は比透磁率
μが極めて1に近い所謂実質的な磁気的なギャップとな
り、検出コア内の磁束Φ0をΦ1にまで減少させる。
【0031】従って以上に示す直流電流センサーも、一
対の検出コイル3a,3bへの起電力発生のメカニズム
は図7に示す構成と同様であり、このメカニズムに基づ
く効果も同様に得られる。さらに、この構成では、全体
的な構成が被検出導線1に対して対称であることによる
電磁気的なバランス効果だけでなく、一対の変調コイル
43a,43bの配置効果とともに、検出コア2の磁路
長に対する励磁コア4の接続部の幅d(図7参照)の比
率を大きくすることによる反磁場の効果に基づく検出コ
ア2内の残留磁束密度の低減効果を有し、コア材料の有
する保磁力の影響を一層低減することが可能となる。
【0032】図11に示す構成からなる直流電流センサ
ーによって、従来から知られるマグアンプ方式、磁気マ
ルチバイブレータ方式、ホール素子方式等からなる直流
電流センサーに比べ、構造が比較的簡単で、しかも微小
領域における電流を高感度で検出可能とする直流電流セ
ンサーの提供を可能としたが、工業的規模の量産におい
てより生産性を向上させるためには、直流電流センサー
全体の構造を一層簡単にする必要があり、特にコアの形
状を改良することが急務であった。また、図11に示す
構成では、検出コア2及び励磁コア4a,4bを構成す
る軟質磁性材料が本来的に有する磁気特性の非直線性を
原因として発生する励磁信号の第2高調波が検出コイル
3aに混入することとなり、しかも、該第2高調波と検
出信号(検出コイル3aの起電力)とが同一周波数であ
るため、これらを電気的に分別することが不可能であ
る。したがって、これ以上にS/N比の高い直流電流セ
ンサーを提供することは困難であった。
【0033】この発明の直流電流センサーは、以上に説
明した種々改良の経緯からも明らかなように、図7に示
す構成を基本構成とし、次いで図11に示す電磁気的な
バランス等を考慮した構成を発明し、さらに、図11に
示す構成の欠点を改良し、上記の問題点を解決するため
に一層の改良を加え、主としてコアの形状に工夫を施す
ことによって、すなわち、環状の軟質磁性材料からなる
検出コアの内部に周方向に連通する中空部を形成し、該
中空部に周方向に巻回する励磁コイルを配置するととも
に、検出コアの外周部にトロイダル状に巻回する検出コ
イルを配置する構成を採用することによって完成したも
のであり、具体的な構成については以下に示す実施例に
て詳細に説明する。
【0034】図1は、この発明の直流電流センサーの一
実施例を示す斜視部分断面説明図であり、図2は図1の
a−a縦断面説明図、図3は図1の部分詳細縦断面説明
図である。図中1は被検出導線であり、全体として環状
を構成する検出コア51の内側に貫通配置している。検
出コア51は、後述する複数の検出コア部材を組み合せ
ることによって内部に周方向に連通する中空部52を形
成し、所謂管状に構成される。図中53は、前記検出コ
ア51の中空部に周方向に巻回する励磁コイルであり、
また、図中54は、検出コア51の外周部にトロイダル
状に巻回する検出コイルである。この発明の直流電流セ
ンサーにおいては、先に図7及び図11にて示した構成
の如く、検出コアと励磁コアとの構成部分を明確に区分
することは困難であり、後述する如く、検出コア51が
図7及び図11に示す構成の検出コア2と励磁コア4の
機能をともに発現する。
【0035】以上に示す構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると、図3に示すように検出コア51
の周方向に磁束Φ0が発生することとなる。また、この
状態において、励磁コイル53に所定の励磁電流(交流
電流)を流すと、検出コア51内に図3中矢印αにて示
す方向に磁束が発生する。このα方向の磁束は、前記の
被検出導線1に流れる直流電流によって発生する周方向
の磁束Φ0に対して略直交方向に発生することとなり、
磁束Φ0による磁路を周期的に遮断することとなる。す
なわち、先に説明した図7及び図11の構成からなる直
流電流センサーと基本的に同様な起電力発生のメカニズ
ムによって、検出コイル54に目的とする出力を得るこ
とができる。
【0036】しかし、このような現象、すなわち周方向
の磁束Φ0による磁路を周期的に遮断する現象は、先に
説明した図7及び図11の構成においては、検出コア2
の一部(各々の図中6の部分)にて発生していたが、こ
の発明の直流電流センサーにおいては、検出コア51全
体において発生することとなる。したがって、励磁コイ
ル53に流す励磁電流(交流電流)による検出コア51
の脱磁効果が大幅に向上し、さらに、先に説明した変調
コイル(図7及び図11参照)との併用により、検出コ
ア51が本質的に有する保磁力の影響による出力特性の
ヒステリシスを非常に小さくすることが可能となり、微
小電流の検出に際しても高感度の測定が達成できる。す
なわち、励磁コイル53に流す励磁電流により検出コア
51の周方向と直角方向(図中α方向)に全周にわたっ
て周期的に磁気的飽和を発生させるため、周方向(図中
Φ0の方向)の残留磁束が該飽和によって消滅すること
となる。このような現象により、検出コア51として有
限の保磁力を有する材料を用いても、該材料の磁気的な
ヒステリシスの影響が非常に小さくなる利点がある。
【0037】また、励磁コイル53が検出コア51の内
部の中空部52に配置されていることから、実質的に励
磁コイル53が軟質磁性材料にて包囲されていることと
なり、該励磁コイル53に流れる励磁電流によって発生
する磁束の漏洩は非常に小さく、検出コイル54への励
磁信号の混入レベルを非常に小さくすることが可能とな
り、結果として、検出コイル54に発生する残留信号が
小さくなり、検出信号のS/N比を大幅に向上すること
ができる。
【0038】さらに、検出コア51が後述する実施例に
て示すような簡単な構成からなる検出コア部材を組立一
体化することで得られることから、例えば、これらの検
出コア部材をプレス成形等にて容易に得ることができ、
工業的規模の量産に際して、非常に効果的である。
【0039】図4は、この発明の直流電流センサーの他
の実施例を示す部分断面斜視説明図であり、検出コア5
1の形状を除いては、基本的な構成は図1に示す構成と
同様である。すなわち、図1に示す構成は検出コア51
が全体として円筒状となるが、図4に示す構成は検出コ
ア51が全体として角筒状となる。これらの構成は、直
流電流センサーの配置箇所や生産性等を考慮して、適宜
選定することができる。
【0040】この発明の直流電流センサーは、先に説明
した図1及び図4に示す構成に限定されることなく、特
許請求の範囲に記載される範囲において、種々の構成が
採用できる。例えば、図1及び図4に示す構成において
は、先の図7、図11の構成にて配置されている変調コ
イル43の配置について記載していないが、図1及び図
4に示す構成のいずれにおいても変調コイル43を配置
することによって同様な効果を得ることができ、また、
変調コイル43と検出コイル54を共用一体化した構成
を採用しても、出力特性のヒステリシスを減少すること
ができる。
【0041】また、先の図7、図11の構成と同様に被
検出導線1を流れる直流電流の絶対値とともにその向き
をも容易に検出するために、励磁コイル53に、予め発
振器から励磁電流の2倍の周波数で発振された励磁電流
の周波数を1/2分周した状態の励磁電流を印加し、発
振器の出力と検出コイルの出力との位相差を位相比較回
路にて検出する手段を採用したり、検出コイル54に、
時間に対して周期的に向きと大きさが直線的に変化す
る、例えば三角波状に変化する電流を通電し、検出コア
内に偏向磁場を与える手段を採用したりすることがで
き、さらに、公知の種々電気回路を効果的に組み合せる
ことによって、この発明の直流電流センサーの有する本
質的な長所を一層有効に活用することが可能となる。
【0042】この発明の直流電流センサーにおいて、検
出コア51を構成する環状の軟質磁性材料としては、被
検出導線に流れる電流の大きさ、すなわちセンサーに要
求される検出感度に応じて各々の軟質磁性材料の材質を
選定することが好ましい。通常、磁気特性とともに加工
性等を考慮するとパーマロイが好ましいが、その他ケイ
素鋼板、アモルファス、電磁軟鉄、ソフトフェライト等
の公知の軟質磁性材料の使用が可能であり、これらを組
み合せて用いても良い。
【0043】また、環状の軟質磁性材料とは、軟質磁性
材料が所謂リング状になっていることに限定されるもの
でなく、軟質磁性材料が電磁気的な閉回路を構成できる
ように接続されていれば良く、特に、該検出コアの内部
に周方向に連通する中空部を形成し、該中空部に周方向
に巻回する励磁コイルを配置する構成であれば、全体と
して円筒状や角筒状等、種々の構成が採用できる。先に
説明した軟質磁性材料の材質と検出コアの最終形状とを
考慮し、検出コアを構成する部材の数量や加工方法等を
選定することによって、生産性を大幅に向上することが
できる。例えば、パーマロイ等の金属材料の場合はプレ
ス加工や旋盤加工等の機械加工を組み合せて採用した
り、ソフトフェライトの場合はプレス成形等を採用する
ことによって容易に所望形状の検出コア部材を得ること
ができる。
【0044】この発明の直流電流センサーにおいて、検
出コア51における磁気的な飽和に関しては、例えば検
出コア51の全域にわたって完全なる飽和が達成されな
くとも略飽和状態にすることができれば、目的とする検
出を達成することができる。従って、前記軟質磁性材料
の材質とともに、軟質磁性材料の形状寸法、検出コイ
ル、励磁コイルの巻数等の最適条件を選定することによ
って、一層実用性の高いセンサーの提供を可能とするこ
とができる。
【0045】また、この発明の直流電流センサーの周囲
をパーマロイや無方向性ケイ素鋼板等からなるシールド
ケースにて覆うことによって、外部からの誘導ノイズの
混入を防止することが可能となり、一層安定した検出が
達成できる。
【0046】上記のいずれの構成においても、検出コア
内を貫通する被検出導体が1本に限定されるものでな
く、要求されるセンサーの大きさに応じて複数本貫通さ
せても良い。しかし、被検出導体を1本にすることによ
ってこの発明の直流電流センサーの効果を最も効果的に
発現することができる。
【0047】さらに、すでに配線が完了している導線
(被検出導線)への取付配置が非常に簡便であり、汎用
性の高い直流電流センサーの構成として、コアが被検出
導線を貫通配置する際に周方向の少なくとも一ヶ所にて
分割可能な構成である直流電流センサーを提案する。図
12に示す例は、リング状の検出コア62が2分割され
た例で、軟質磁性材料ブロックから削り出された検出コ
ア62の本体を形成する半円状検出コア部材62a,6
2b内に、1ターンの励磁コイルを形成する、例えばC
uブロック材を削り出して作製した半円状励磁コイル部
材65a,65b(ただし、65bのみ図示せず)を嵌
入し、さらに検出コア62の内周面を形成する軟質磁性
材料の半円弧状板66a,66bを当ててリング状に組
立て、さらにコア外周面に当接する結束バンド67で締
めつけるが、さらに半円状励磁コイル部材65a,65
bの一方端面には締着用突起68a,68bが設けら
れ、これを貫通するボルトで締着、また、他方端面には
コアの外側(検出コア部材62aに設けたねじ孔62c
参照)から挿通させたねじ69にて両者を締めつけるこ
とにより、一対の半円状励磁コイル部材65a,65b
の当接力を高める構成からなる。
【0048】なお、検出コア62の各々構成部材62
a,62b,66a,66bと半円状励磁コイル部材6
5a,65bとの絶縁を確保するために、例えば、コイ
ル部材65a,65bの一方の突き合わせ部間に絶縁板
68cを介在させて絶縁するほか、さらにコイル部材6
5a,65bの突き合わせ部以外の表面に絶縁物を塗布
するなどの手段が採用できる。また、組み立てられた半
円状検出コアにそれぞれ検出コイル63a,63bが巻
回配置されており、励磁コイルへの通電は締着用突起6
8a,68b間で行われる。この構成において、励磁コ
イルは実質的に1ターンとなるため、該突起68a,6
8bに近接してインピーダンスマッチング用トランスを
介して励磁することによって、図1の構成と同様な作用
効果を得ることができる。図12の構成においては、励
磁コイルを構成する半円状励磁コイル部材65a,65
bの接触面積は十分大きく、目的とする励磁作用を実現
することが可能となるが、検出コア62を構成する検出
コア部材62aと62bとの接触面積が小さいため、磁
気抵抗が小さくなり難く、検出感度の低下を起こしやす
い。図12の構成をさらに改良した構成として、図13
に示す直流センサーを提案する。
【0049】図13に示す例はシリンドリカルコアを用
いて2分割型に構成した例である。検出コア70は馬蹄
形検出コア部材71,72を組み合せて楕円形にする
が、図で左側の検出コア部材71は、仕切り板で上下2
室に分けた筒体を馬蹄形にしたもので、ここでは一対の
断面コ型材と仕切り板材とで形成するが、内部には図1
3のBに示すごとき楕円状コイルを折り曲げた励磁コイ
ル部73が収納され、また他方の馬蹄形検出コア部材7
2は、溝部材と蓋用の板材とで形成する一対の薄型の検
出コア部材72a,72bを並列配置し、内部には図1
3のBに示すごとき楕円状コイルを折り曲げ、折り曲げ
部が組立時の検出コア70の外周部に位置するように形
成した励磁コイル部74が収納され、先の馬蹄形検出コ
ア部材71と突き合わせて一体化する際に、一対の検出
コア部材72a,72bでこれを挟むよう構成してあ
る。なお、検出コア部材71の一対の断面コ型材と仕切
り板材において、仕切り板材の厚みは断面コ型材の2倍
程度が望ましい。また、検出コア部材72の検出コア部
材72a,72b都の間に所定寸法からなる非磁性保持
部材(図示せず)を配置することによって、検出コア部
材71との一体化を容易にし、取扱いが一層至便とな
る。
【0050】このように、まず、励磁コイルが分割した
検出コアの各々にまたがることなく独立して巻回される
構成を採用することで、該励磁コイルを検出コアの内部
で接続して一体化する必要がなくなった。すなわち、分
割した検出コア部材71の中空部を、該コアと同一の材
料で2か所以上に仕切り、各々分割された中空部分に励
磁コイル73を巻回配置することで、図1に示す励磁コ
イル53と同様に検出コア部材71の全周にわたって周
方向及び長手方向の直角方向を周期的に磁気的に飽和さ
せることができる。また、検出コア部材72a,72b
においても、各々の中空部分に巻回配置される励磁コイ
ル74によって、前記検出コア部材71と同様に該コア
部材72a,72bの全周にわたって周期的な磁気的飽
和を実現することができる。さらに、この構成において
は、一方の検出コア部材71が他方の検出コア部材72
a,72b間に挿入挟持され、上下方向から締めつけ一
体化することによって互いの接合部における磁気的抵抗
を低減させることが可能となる。すなわち、検出コア部
材71,72の互いの重なり部分の接触面積を増大する
ことが可能となり、図12の構成に比べ、接触部の磁気
的抵抗が大幅に低減され、図1に示す一体型コアを用い
た場合と同程度の検出感度を得ることが可能となる。
【0051】以上に示す分割型直流電流センサーは、す
でに配線が完了している導線(被検出導線)への取付配
置が非常に簡便であり、汎用性の高い構成であるが、先
に説明した一体型と同等の作用効果を奏するもので、上
記の構成以外の分割のための構成も適宜採用できる。
【0052】
【実施例】 実施例1 パーマロイC(78%Ni−5%Mo−4%Cu−ba
lFe)からなるブロック材から図5のA及び図5のC
に示す検出コア部材51a及び51cを削り出し加工に
て成形した。なお、得られた各部材51a,51cの厚
みは1.0mmであった。検出コア部材51aは、検出
コア51の外筒部を構成し、検出コア部材51cは、検
出コア51の内筒部を構成する。但し、各々の概略寸法
は検出コア部材51aにおいて外径D1=20mm、内
径D2=10mm、高さH1=9mmであり、検出コア部
材51cにおいて外径D4=20mm、内径D5=10m
m、高さH3=9mmである。これらの検出コア部材5
1a及び51cは、削り出し加工後に水素ガス雰囲気に
て1100℃×3時間の熱処理を施した後、600℃〜
400℃の間を100℃/時間で多段の冷却処理を施す
熱処理を実施した。また、図5のBに示す外径D3=1
5mm、高さH3=7mmのプラスチック製ボビン51
bに外径0.2mmのエナメル線からなる励磁コイル5
3を100ターン巻回配置した後、該プラスチック製ボ
ビン51bを前記検出コア部材51cに外嵌させ、さら
に該プラスチック製ボビン51bの外周を検出コア部材
51aにて覆うようにして一体化した。すなわち、これ
ら検出コア部材51aと検出コア部材51cとで励磁コ
イル53が巻回されているプラスチック製ボビン51b
を内装する検出コア51を構成した。上記の検出コア5
1をプラスチック製ケース(図示せず)に入れて電気的
な絶縁を確保した後、該プラスチック製ケース(検出コ
ア51)の外周に外径0.1mmのエナメル線からなる
検出コイル54を図1に示すように300ターントロイ
ダル状に巻回配置するとともに、外径8mmのビニル被
覆からなる被検出導線1を検出コア51の内側に貫通配
置して図1に示すこの発明の直流電流センサーを完成し
た。
【0053】以上の構成からなるこの発明の直流電流セ
ンサーにおいて、励磁コイル53にf0=500Hz、
1Vrmsの交流信号を印加したところ励磁電流が0.
1Arms流れた。この時、被検出導線1に±5mAの
微小電流を流し、検出コイル54に発生するf=100
0Hz(f=2f0)の交流電圧を測定したところ、図
6に示す検出結果が得られた。また、図5の構成をブロ
ック材から削り出し加工を行ったため、コア厚み、すな
わち、断面積が大きく、コア内の磁束が増大して出力が
増大する効果がある。
【0054】実施例2 実施例1直流電流センサーを用い、さらに、各々励磁コ
イル53、検出コイル54に、最終的に励磁コイル53
に印加する励磁電流の2倍の周波数からなる励磁電流を
発生させる発振器等を配置する交流電流印加手段や位相
比較回路等を配置して、発振器から励磁コイル53に実
施例1と同様な励磁信号を印加するとともに、検出コイ
ル54に変調コイルの機能を実施させるため30Hz、
0.1mA(ピーク時)の正弦波交流電流を流し、さら
に、被検出導線1に±5mAの範囲で直流電流Iを増減
させて流した時の、位相比較回路を経由して出力される
検出コイル3の起電力(出力)のうち、30Hzの交流
成分をローパスフィルターで除去した後の出力変化を測
定した結果、1mAをS/N比が10以上で検出するこ
とが可能であることを確認した。
【0055】以上の測定結果からも明らかなように、こ
の発明の直流電流センサーによれば、検出コア51の構
成が非常に簡単であるにもかかわらず、往復電流による
誤差出力が非常に小さく1mAの微小電流でもS/N比
10倍以上で測定でき、極めて高感度の測定が可能であ
ることが明らかである。
【0056】実施例3 厚みが0.35mmのパーマロイC(78Ni−3.5
Mo−4.5Cu−Fe)材の板を用い、プレス成形に
て図14のA,Cに示すごとく、両者を組み合せて筒体
を形成できる内筒80及び外筒81を作製し、トリクレ
ンにて洗浄後、磁気特性を確保するための焼鈍として、
2ガス中、1100℃で3時間の熱処理し、その後6
00℃〜400℃間を100℃/hで冷却した後取り出
した。また、図14のBに示すごとく、内径25.5m
m、肉厚0.2mm、長さ7mm寸法のプラスチック製
ボビン82に0.18mm径のエナメル線を100回、
ソレノイド巻したものを作製し、市販の瞬間接着剤を含
浸させて、巻線を固め励磁コイル73とした。図14に
示すごとく、励磁コイル83の上下から内筒80及び外
筒81を挿入、嵌合させて、図15のBに示すように励
磁コイル83を内蔵した検出コア84を作製した。な
お、内筒80及び外筒81の当接部は市販の瞬間接着剤
にて固着した。さらに、図15のBに示す検出コア84
に歪みから保護するための図15のA,Bに示す、プラ
スチック製ケース85,86を被せてから、その外側に
変調コイルを兼ねた検出コイル87として0.18mm
径のエナメル線を300回、トロイダル巻きし、図16
に示すこの発明による直流電流センサー88を作製し
た。
【0057】作製した直流電流センサーの励磁コイルに
発振器を接続し、変調コイルを兼ねた検出コイルに共振
周波数f0=7kHz、Q=5のバンドパスフィルター
を介して広帯域交流電圧計を接続し、検出コア内には直
流電源に接続した導線を挿通配置した。励磁コイルに
3.5kHz、10Vrmsの交流信号を印加したとこ
ろ、25mArmsの電流が流れた。コアを脱磁後、出
力電圧を測定したところ、図17のP点(約10mVr
ms)を示し、貫通電力を流していくとP→Qへと出力
電圧がほぼ直線的に増加した。貫通電流I=10mAの
時、出力電圧は200mVを示した。I=1Aまで流し
た後、再び10mAにすると2〜3mVの出力電圧の増
加が認められるが、ほぼ初期値と同じ値を示した。その
後、電流を減じていくとQ→O’の軌跡をたどり、な
お、O’時の残留出力は約25mVであり、電流の向き
を逆にするとI=−1mAで最小値を取り(約10m
V)、点Rを経た後、再び増加(I=−10mAで20
0mVrms)する出力が得られた。その後、電流Iを
−10mA→+10mAに変化させると、S→O’→T
→Qの経路をたどって出力が変化した。従って、この発
明による直流電流センサーは、検出コア2の材料が有す
るヒステリシスの影響は一定で、出力特性は被検出導線
に流れる電流Iとほぼ直線的に比例することから、優れ
た直流電流の検出能力を有していることが分かる。
【0058】実施例4 実施例3と同様の方法で、3.5mm高さの紙製ボビン
に0.1mm径のエナメル線を100回巻いて励磁コイ
ルを作製し、0.25mm厚みのパーマロイC材からな
る高さ5mm、内径25mm、外径31mm寸法の検出
コアに収納して、さらにプラスチック製ケースに入れた
後、0.1mm径のエナメル線を300回巻いて変調コ
イルを兼ねた検出コイルとなして、高さ8mm、内径2
2mm、外径34mm寸法の直流電流センサーを得た。
次に、図18に示す電子回路からなる検出回路に直流電
流センサーの励磁コイル、検出コイルを接続し、検出コ
ア内には直流電源に接続した導線を挿通配置した。詳述
すると、励磁コイルには発振器Gから10kHz矩形波
が、1/2分周回路、LPF(ローパスフィルター)、
フェーズシフターPS、パワーアンプPAを経て入力さ
れ、励磁コイルに5kHz、7Vrmsの交流信号を印
加したところ、20mArmsの電流が流れた。また、
変調コイルを兼ねた検出コイルには、ファンクションジ
ェネレーターFGから10Hzの三角波が印加され、三
角波電流のピーク値は0.5mAであり、検出コイルの
出力VOUTはダイオードリミッタ、バンドパスフィルタ
ーBPF、位相検波を経て、カウンターU/D.Cに入
力され、表示器Dに数字で表示される構成である。
【0059】以下に上記構成の直流電流センサーの作動
原理を図面に基づいて説明する。図19は、被検出導線
1に電流Iが流れていない状態における検出コイルに発
生する出力に関して説明するものである。検出コイルに
周期的に向きと大きさが直線的に変化する三角波状の電
流を通電すると、検出コア内に図19のAに示す如き磁
束Φ3が発生し、検出コイルには図19のBに示す如き
起電力が発生する。図中矢印の向きは、起電力の位相を
示すもので、図19のBにおいてa〜b、b〜cの間は
それぞれ互いに180度位相が異なることを示してい
る。すなわち、この発明の動作原理を理解しやすいよう
に、図20のAに示すような位相が異なる起電力につい
て、図20のBの如く位相の向きを矢印にて示したもの
である。(図21の説明においても同様である。) 図19のBに示す如き起電力をリミッターを通過させ、
波高制限を加えると図19のCの如き出力が得られ、さ
らに、この出力を位相検波することによって図19のD
の如き出力が得られる。図19のDにおいて、プラス
(+)側の出力時間T1とマイナス(−)側の出力時間
2を測定し、これらの時間比率(デューティー比)を
検出する。被検出導線1に電流Iが流れていない状態で
は、図19のDに示す如く、上記プラス(+)側の出力
時間T1とマイナス(−)側の出力時間T2は等しく、そ
れらの差(T1-2)は0となる。
【0060】図20は、被検出導線1に電流Iが流れて
いる状態における検出コイルに発生する出力に関して説
明するものである。検出コイルに周期的に向きと大きさ
が直線的に変化する三角波状の電流を通電すると、検出
コア2内に図21のAに示す如き磁束Φ4が発生し、検
出コイルには図21のBに示す如き起電力が発生する。
すなわち、三角波状の電流によって発生する磁束Φ
3と、被検出導線1に流れる電流Iによって発生する磁
束Φ0とが重畳されることとなる(Φ4=Φ3+Φ0)。図
21のBに示す如き起電力をリミッターを通過させ、波
高制限を加えると図21のCの如き出力が得られ、さら
に、この出力を位相検波することによって図21のDの
如き出力が得られる。図21のDにおいて、プラス
(+)側の出力時間T1とマイナス(−)側の出力時間
2を測定し、これらの時間比率(デューティー比)を
検出する。被検出導線1に電流Iが流れている状態で
は、図21のDに示す如く、上記プラス(+)側の出力
時間T1がマイナス(−)側の出力時間T2より長く、そ
れらの差(T1-2)は正となる(T1-2>0)。これ
らの差(T1-2)は、被検出導線に流れる電流Iと比
例することから、予め上記の検出値と電流Iとの相関を
測定しておくことによって電流Iの絶対値を知ることが
できる。また、これらの差(T1-2)が正(T1-2
0)又は負(T1-2<0)の場合と、被検出導線に流
れる電流Iの向きとを予め確認、設定しておくことによ
って電流Iの向きをその絶対値とともに同時に検出する
ことが可能となる。さらに、検出コイルに印加する電流
の最大値が、検出コアの材料が有する保磁力(±Hc)
以上の磁場を発生するに足るように設定すれば、検出コ
ア2の材料が有するヒステリシスを要因とする出力特性
のヒステリシスを低減することができる。すなわち、図
19及び図21にて説明した作動原理に、さらに検出コ
ア2の材料が有する保磁力を考慮して検討すると、検出
コアに発生する磁束は矩形波となり、最終的に検出コイ
ルに発生する出力も同様な特性を示すこととなる。
【0061】被検出導線1に電流Iが流れていない場
合、検出コイルに三角波状の電流を通電すると、検出コ
ア2に対して図22のBにおけるH3の如き磁場が印加
されることになる。この時、検出コア2に発生する磁束
は、図22のAに示すような検出コア2の有するヒステ
リシスによって図22のCに示すように、時間の変化と
ともに磁束の向きが変化(反転)する。この場合、プラ
ス(+)側の磁束の発生時間T1と、マイナス(−)側
の磁束の発生時間T2とは等しく、それらの差(T
1-2)は0となる。一方、被検出導線1に電流Iが流
れている場合、、検出コイルに三角波状の電流を通電す
ると、検出コアに対して図22のBにおけるH4の如き
磁場が印加されることになる。この時、検出コアに発生
する磁束は、図22のAに示すような検出コアの有する
ヒステリシスによって図22Dに示すように、時間の変
化とともに磁束の向きが変化(反転)する。この場合で
は、上記プラス(+)側の磁束の発生時間T1がマイナ
ス(−)側の磁束の発生時間T2より長く、それらの差
(T1-2)は正となる(T1-2>0)。図22のC及
び図22のDに示す磁束によって検出コイルに発生する
起電力、さらにその起電力をリミッターを通過させ波高
制限を加えた後、位相検波することによって得られる出
力特性も図22のC及び図22のDに示すと同様な出力
時間特性となることは図19及び図21の説明によって
理解される。従って、検出コイルに印加する電流の最大
値が、検出コアの材料が有する保磁力以上の磁場を発生
するに足るよう設定することによって、検出コアの材料
が有するヒステリシスの影響は一定(いつも同一のヒス
テリシスループを描く)となり、また、上記の差(T1-
2)が被検出導線に流れる電流Iと比例することか
ら、最終的に得られる出力特性が直線的になることが理
解される。
【0062】前述した図18に示す検出回路を用いて上
記の差(T1-2)を測定したところ、図23のAに示
す如き特性が得られた。次にVout出力によりUP.
DOWN COUNTERを動作させ、15kHzのパ
ルスを印加して、T1−T2をパルスカウント数により読
み取った場合の読み値と貫通電流の関係を図23のBに
示す。図23に示すように1mA以下もほぼ直線的に出
力され、誤差は±0.1mAとなり、微小電流での計測
精度が優れていることが分かる。
【0063】
【発明の効果】この発明の直流電流センサーは、環状の
軟質磁性材料からなる検出コアの内部に周方向に連通す
る中空部を形成し、該中空部に周方向に巻回する励磁コ
イルを配置するとともに、検出コアの外周部にトロイダ
ル状に巻回する検出コイルを配置する構成にすることよ
り、検出コアを非常に生産性の良い構造とすることがで
きる。また、検出コアの構造とともに、それに伴う励磁
コイル及び検出コイルの効果的配置によって、検出コア
を構成する軟質磁性材料が本質的に有する保磁力による
影響や、励磁コイルからの漏洩磁束の影響等を大幅に低
減することが可能となり、例えば、5mA以下程度の微
小電流をも極めて高感度にて検出可能な直流電流センサ
ーの提供が実現できた。したがって、直流の漏電ブレー
カー等に使用した際には、検出コア内に被検出導体を1
本貫通させるだけでも要求される高感度の検出が達成で
きるとともに、構造が簡単であることから直流電流セン
サーの小型化を可能とし、さらに、被検出導線を流れる
直流電流の絶対値だけでなく、その向きをも検知するこ
とができることから、用途範囲を一層拡大することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の直流電流センサーの一実施例の概要
を示す部分断面斜視説明図である。
【図2】図1の直流電流センサーのa−a縦断面説明図
である。
【図3】図1の直流電流センサーの部分縦断面詳細説明
図である。
【図4】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す部分断面斜視説明図である。
【図5】図1の直流電流センサーの検出コアを構成する
検出コア部材と励磁コイルを巻回配置するコイルボビン
の縦断面説明図である。
【図6】図1の直流電流センサーにおける被検出導線1
に流れる直流電流(微小領域)と出力との関係を示す線
グラフである。
【図7】この発明の直流電流センサーを発明するに至る
までに発明した直流電流センサーの概要を示す斜視説明
図である。
【図8】図7の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図9】図7の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図10】図7の直流電流センサーに接続する電気回路
の一実施例である。
【図11】この発明の直流電流センサーを発明するに至
るまでに発明した他の直流電流センサーの概要を示す斜
視説明図である。
【図12】Aはこの発明による分割型の直流電流センサ
ーの分解斜視説明図であり、Bは上面説明図である。
【図13】この発明による分割型の直流電流センサーの
分解斜視説明図であり、Aはコア、Bは励磁コイル、C
は全体をそれぞれ示す。
【図14】A,B,Cはこの発明による直流電流センサ
ーの分解斜視説明図である。
【図15】A,B,Cはこの発明による直流電流センサ
ーの分解斜視説明図である。
【図16】この発明の直流電流センサーの外観を示す斜
視説明図である。
【図17】この発明の直流電流センサーにおける超微小
領域での被検出電流と出力との関係を示す線グラフであ
る。
【図18】A,Bはこの発明の直流電流センサーに接続
する電気回路の一実施例の概要を示す説明図である。
【図19】検出コイルの出力のデューティー比(プラス
(+)の向きとマイナス(−)の向きの時間比率)の変
化を示すグラフである。
【図20】図19における検出コイルの起電力の表示方
法を定義する説明図である。
【図21】検出コイルの出力のデューティー比の変化を
示すグラフである。
【図22】検出コアにおける磁束のデューティー比の変
化を示すグラフである。
【図23】Aは実施例における差(T1-2)と電流と
の関係を示すグラフであり、BはT1−T2をパルスカウ
ント数により読み取った場合の読み値と貫通電流との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 被検出導線 2,51,62 検出コア 3,3a,3b,54 検出コイル 4,4a,4b 励磁コア 5,53 励磁コイル 6 直交部 10 交流電流印加手段 11 OSC 12 T−FF 13,31 LPF 14 バッファーアンプ 20 位相比較回路 32 フェーズシフター 33 シュミット・トリガー 43,43a,43b 変調コイル 51a,51c 検出コア部材 51b ボビン 52 中空部 62 検出コア 62a,62b 検出コア部材 63 検出コイル 65a,65b 励磁コイル部材 66a,66b 半円弧状板 67 結束バンド 68a,68b 締着用突起 69 ねじ 70 検出コア 71,72 馬蹄形検出コア部材 72a,72b 検出コア部材 73,74 励磁コイル部 80 内筒 81 外筒 82 ボビン 83 励磁コイル 84 検出コア 85,86 ケース 87 検出コイル 88 直流電流センサー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】図13に示す例はシリンドリカルコアを用
いて2分割型に構成した例である。検出コア70は馬蹄
形検出コア部材71,72を組み合せて楕円形にする
が、図で左側の馬蹄形検出コア部材71は、一対の馬蹄
形筒体を厚さ方向に積層一体化してなる一体型検出コア
部材であり、図においては仕切り板で上下2室に分けた
筒体を馬蹄形にしたもので、ここでは一対の断面コ型材
と仕切り板材とで形成するが、内部には図13のBに示
すごとき楕円状コイルを折り曲げた励磁コイル部73が
収納されている。また、他方の馬蹄形検出コア部材72
は、一対の馬蹄形筒体を所定の空隙を形成して配置する
分離型検出コア部材であり、図においては、断面コ型の
溝部材と蓋用の板材とで形成する一対の薄型の検出コア
部材72a,72bを並列配置し、内部には図13のB
に示すごとき楕円状コイルを折り曲げ、折り曲げ部が組
立時の検出コア70の外周部に位置するように形成した
励磁コイル部74が収納され、先の馬蹄形検出コア部材
71と突き合わせて一体化する際に、一対の検出コア部
材72a,72bでこれを挟むよう構成してある。図中
75は、前記一体型検出コア部材71の外周にトロイダ
ル状に巻回された検出コイル部、76は、前記分離型検
出コア部材72の外周にトロイダル状に巻回された検出
コイル部である。なお、馬蹄形検出コア部材71の一対
の断面コ型材と仕切り板材において、仕切り板材の厚み
は断面コ型材の2倍程度が望ましい。また、馬蹄形検出
コア部材72の検出コア部材72a,72bの間に所
定寸法からなる非磁性保持部材(図示せず)を配置する
ことによって、検出コア部材71との一体化を容易に
し、取扱いが一層至便となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【実施例】 実施例1 パーマロイC(78%Ni−5%Mo−4%Cu−ba
lFe)からなるブロック材から図5のA及び図5のC
に示す検出コア部材51a及び51cを削り出し加工に
て成形した。なお、得られた各部材51a,51cの厚
みは1.0mmであった。検出コア部材51aは、有底
円筒状からなり底部中央部に貫通孔を有して検出コア5
1の外筒部を構成し、検出コア部材51cは、円筒状の
一方端部外周に鍔部を有して検出コア51の内筒部を構
成する。但し、各々の概略寸法は検出コア部材51aに
おいて外径D1=20mm、内径D2=10mm、高さH
1=9mmであり、検出コア部材51cにおいて外径D4
=20mm、内径D5=10mm、高さH3=9mmであ
る。これらの検出コア部材51a及び51cは、削り出
し加工後に水素ガス雰囲気にて1100℃×3時間の熱
処理を施した後、600℃〜400℃の間を100℃/
時間で多段の冷却処理を施す熱処理を実施した。また、
図5のBに示す外径D3=15mm、高さH3=7mmの
プラスチック製ボビン51bに外径0.2mmのエナメ
ル線からなる励磁コイル53を100ターン巻回配置し
た後、該プラスチック製ボビン51bを前記検出コア部
材51cに外嵌させ、さらに該プラスチック製ボビン5
1bの外周を検出コア部材51aにて覆うようにして一
体化した。すなわち、これら検出コア部材51aと検出
コア部材51cとで励磁コイル53が巻回されているプ
ラスチック製ボビン51bを内装する検出コア51を構
成した。上記の検出コア51をプラスチック製ケース
(図示せず)に入れて電気的な絶縁を確保した後、該プ
ラスチック製ケース(検出コア51)の外周に外径0.
1mmのエナメル線からなる検出コイル54を図1に示
すように300ターントロイダル状に巻回配置するとと
もに、外径8mmのビニル被覆からなる被検出導線1を
検出コア51の内側に貫通配置して図1に示すこの発明
の直流電流センサーを完成した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】実施例3 厚みが0.35mmのパーマロイC(78Ni−3.5
Mo−4.5Cu−Fe)材の板を用い、プレス成形に
て図14のA,Cに示すごとく、一方端部を外側または
内側に湾曲成形した両者を組み合せて筒体を形成できる
内筒80及び外筒81を作製し、トリクレンにて洗浄
後、磁気特性を確保するための焼鈍として、H2ガス
中、1100℃で3時間の熱処理し、その後600℃〜
400℃間を100℃/hで冷却した後取り出した。ま
た、図14のBに示すごとく、内径25.5mm、肉厚
0.2mm、長さ7mm寸法のプラスチック製ボビン8
2に0.18mm径のエナメル線を100回、ソレノイ
ド巻したものを作製し、市販の瞬間接着剤を含浸させ
て、巻線を固め励磁コイル83とした。図14に示すご
とく、励磁コイル83の上下から内筒80及び外筒81
を挿入、嵌合させて、図15のBに示すように励磁コイ
ル83を内蔵した検出コア84を作製した。なお、内筒
80及び外筒81の当接部は市販の瞬間接着剤にて固着
した。さらに、図15のBに示す検出コア84に歪みか
ら保護するための図15のA,Bに示す、プラスチック
製ケース85,86を被せてから、その外側に変調コイ
ルを兼ねた検出コイル87として0.18mm径のエナ
メル線を300回、トロイダル巻きし、図16に示すこ
の発明による直流電流センサー88を作製した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】以下に上記構成の直流電流センサーの作動
原理を図面に基づいて説明する。図19は、被検出導線
1に電流Iが流れていない状態における検出コイルに発
生する出力に関して説明するものである。検出コイルに
周期的に向きと大きさが直線的に変化する三角波状の電
流を通電すると、検出コア内に図19のAに示す如き磁
束Φ3が発生し、検出コイルには図19のBに示す如き
起電力が発生する。図中矢印の向きは、起電力の位相を
示すもので、図19のBにおいてa〜b、b〜cの間は
それぞれ互いに180度位相が異なることを示してい
る。すなわち、この発明の動作原理を理解しやすいよう
に、図20のAに示すような位相が異なる起電力につい
て、図20のBの如く位相の向きを矢印にて示したもの
である。(図21の説明においても同様である。) 図19のBに示す如き起電力をリミッターを通過させ、
波高制限を加えると図19のCの如き出力が得られ、さ
らに、この出力を位相検波することによって図19のD
の如き出力が得られる。図19のDにおいて、プラス
(+)側の出力時間T1とマイナス(−)側の出力時間
2を測定し、これらの時間比率(デューティー比)を
検出する。被検出導線1に電流Iが流れていない状態で
は、図19のDに示す如く、上記プラス(+)側の出力
時間T1とマイナス(−)側の出力時間T2は等しく、そ
れらの差(1 −T2 )は0となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】図20は、被検出導線1に電流Iが流れて
いる状態における検出コイルに発生する出力に関して説
明するものである。検出コイルに周期的に向きと大きさ
が直線的に変化する三角波状の電流を通電すると、検出
コア2内に図21のAに示す如き磁束Φ4が発生し、検
出コイルには図21のBに示す如き起電力が発生する。
すなわち、三角波状の電流によって発生する磁束Φ
3と、被検出導線1に流れる電流Iによって発生する磁
束Φ0とが重畳されることとなる(Φ4=Φ3+Φ0)。図
21のBに示す如き起電力をリミッターを通過させ、波
高制限を加えると図21のCの如き出力が得られ、さら
に、この出力を位相検波することによって図21のDの
如き出力が得られる。図21のDにおいて、プラス
(+)側の出力時間T1とマイナス(−)側の出力時間
2を測定し、これらの時間比率(デューティー比)を
検出する。被検出導線1に電流Iが流れている状態で
は、図21のDに示す如く、上記プラス(+)側の出力
時間T1がマイナス(−)側の出力時間T2より長く、そ
れらの差(1 −T2 )は正となる(1 −T2 >0)。こ
れらの差(1 −T2 )は、被検出導線に流れる電流Iと
比例することから、予め上記の検出値と電流Iとの相関
を測定しておくことによって電流Iの絶対値を知ること
ができる。また、これらの差(1 −T2 )が正(1
2 >0)又は負(1 −T2 <0)の場合と、被検出導
線に流れる電流Iの向きとを予め確認、設定しておくこ
とによって電流Iの向きをその絶対値とともに同時に検
出することが可能となる。さらに、検出コイルに印加す
る電流の最大値が、検出コアの材料が有する保磁力(±
Hc)以上の磁場を発生するに足るように設定すれば、
検出コア2の材料が有するヒステリシスを要因とする出
力特性のヒステリシスを低減することができる。すなわ
ち、図19及び図21にて説明した作動原理に、さらに
検出コア2の材料が有する保磁力を考慮して検討する
と、検出コアに発生する磁束は矩形波となり、最終的に
検出コイルに発生する出力も同様な特性を示すこととな
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】被検出導線1に電流Iが流れていない場
合、検出コイルに三角波状の電流を通電すると、検出コ
ア2に対して図22のBにおけるH3の如き磁場が印加
されることになる。この時、検出コア2に発生する磁束
は、図22のAに示すような検出コア2の有するヒステ
リシスによって図22のCに示すように、時間の変化と
ともに磁束の向きが変化(反転)する。この場合、プラ
ス(+)側の磁束の発生時間T1と、マイナス(−)側
の磁束の発生時間T2とは等しく、それらの差(1 −T
2 )は0となる。一方、被検出導線1に電流Iが流れて
いる場合、、検出コイルに三角波状の電流を通電する
と、検出コアに対して図22のBにおけるH4の如き磁
場が印加されることになる。この時、検出コアに発生す
る磁束は、図22のAに示すような検出コアの有するヒ
ステリシスによって図22Dに示すように、時間の変化
とともに磁束の向きが変化(反転)する。この場合で
は、上記プラス(+)側の磁束の発生時間T1がマイナ
ス(−)側の磁束の発生時間T2より長く、それらの差
1 −T2 )は正となる(1 −T2 >0)。図22のC
及び図22のDに示す磁束によって検出コイルに発生す
る起電力、さらにその起電力をリミッターを通過させ波
高制限を加えた後、位相検波することによっ得られる出
力特性も図22のC及び図22のDに示すと同様な出力
時間特性となることは図19及び図21の説明によって
理解される。従って、検出コイルに印加する電流の最大
値が、検出コアの材料が有する保磁力以上の磁場を発生
するに足るよう設定することによって、検出コアの材料
が有するヒステリシスの影響は一定(いつも同一のヒス
テリシスループを描く)となり、また、上記の差(1
−T2 )が被検出導線に流れる電流Iと比例することか
ら、最終的に得られる出力特性が直線的になることが理
解される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】前述した図18に示す検出回路を用いて上
記の差(1 −T2 )を測定したところ、図23のAに示
す如き特性が得られた。次にVout出力によりUP.
DOWN COUNTERを動作させ、15kHzのパ
ルスを印加して、T1−T2をパルスカウント数により読
み取った場合の読み値と貫通電流の関係を図23のBに
示す。図23に示すように1mA以下もほぼ直線的に出
力され、誤差は±0.1mAとなり、微小電流での計測
精度が優れていることが分かる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の直流電流センサーの一実施例の概要
を示す部分断面斜視説明図である。
【図2】図1の直流電流センサーのa−a縦断面説明図
である。
【図3】図1の直流電流センサーの部分縦断面詳細説明
図である。
【図4】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す部分断面斜視説明図である。
【図5】図1の直流電流センサーの検出コアを構成する
検出コア部材と励磁コイルを巻回配置するコイルボビン
の縦断面説明図である。
【図6】図1の直流電流センサーにおける被検出導線1
に流れる直流電流(微小領域)と出力との関係を示す線
グラフである。
【図7】この発明の直流電流センサーを発明するに至る
までに発明した直流電流センサーの概要を示す斜視説明
図である。
【図8】図7の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図9】図7の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図10】図7の直流電流センサーに接続する電気回路
の一実施例である。
【図11】この発明の直流電流センサーを発明するに至
るまでに発明した他の直流電流センサーの概要を示す斜
視説明図である。
【図12】Aはこの発明による分割型の直流電流センサ
ーの分解斜視説明図であり、Bは上面説明図である。
【図13】この発明による分割型の直流電流センサーの
分解斜視説明図であり、Aはコア、Bは励磁コイル、C
は全体をそれぞれ示す。
【図14】A,B,Cはこの発明による直流電流センサ
ーの分解斜視説明図である。
【図15】A,B,Cはこの発明による直流電流センサ
ーの分解斜視説明図である。
【図16】この発明の直流電流センサーの外観を示す斜
視説明図である。
【図17】この発明の直流電流センサーにおける超微小
領域での被検出電流と出力との関係を示す線グラフであ
る。
【図18】A,Bはこの発明の直流電流センサーに接続
する電気回路の一実施例の概要を示す説明図である。
【図19】検出コイルの出力のデューティー比(プラス
(+)の向きとマイナス(−)の向きの時間比率)の変
化を示すグラフである。
【図20】図19における検出コイルの起電力の表示方
法を定義する説明図である。
【図21】検出コイルの出力のデューティー比の変化を
示すグラフである。
【図22】検出コアにおける磁束のデューティー比の変
化を示すグラフである。
【図23】Aは実施例における差(1 −T2 )と電流と
の関係を示すグラフであり、BはT1−T2をパルスカウ
ント数により読み取った場合の読み値と貫通電流との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 被検出導線 2,51,62 検出コア 3,3a,3b,54 検出コイル 4,4a,4b 励磁コア 5,53 励磁コイル 6 直交部 10 交流電流印加手段 11 OSC 12 T−FF 13,31 LPF 14 バッファーアンプ 20 位相比較回路 32 フェーズシフター 33 シュミット・トリガー 43,43a,43b 変調コイル 51a,51c 検出コア部材 51b ボビン 52 中空部 62 検出コア 62a,62b 検出コア部材 63 検出コイル 65a,65b 励磁コイル部材 66a,66b 半円弧状板 67 結束バンド 68a,68b 締着用突起 69 ねじ 70 検出コア 71,72 馬蹄形検出コア部材 72a,72b 検出コア部材 73,74 励磁コイル部75,76 検出コイル部 80 内筒 81 外筒 82 ボビン 83 励磁コイル 84 検出コア 85,86 ケース 87 検出コイル 88 直流電流センサー
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の軟質磁性材料からなる検出コアの
    内部に周方向に連通する中空部を形成し、該中空部に周
    方向に巻回する励磁コイルを配置するとともに、検出コ
    アの外周部にトロイダル状に巻回する検出コイルを配置
    し、かつ、検出コアの内側に非接触検出する直流電流が
    流れる被検出導線を貫通配置したことを特徴とする直流
    電流センサー。
  2. 【請求項2】 コアが被検出導線を貫通配置する際に周
    方向の少なくとも一ヶ所にて分割可能な構成であること
    を特徴とする請求項1に記載の直流電流センサー。
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