JPH1068744A - 直流電流センサー - Google Patents

直流電流センサー

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Publication number
JPH1068744A
JPH1068744A JP8245576A JP24557696A JPH1068744A JP H1068744 A JPH1068744 A JP H1068744A JP 8245576 A JP8245576 A JP 8245576A JP 24557696 A JP24557696 A JP 24557696A JP H1068744 A JPH1068744 A JP H1068744A
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JP
Japan
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detection
current
coil
demagnetizing
detection core
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Application number
JP8245576A
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English (en)
Inventor
Makoto Kawakami
川上  誠
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状を形成する軟質磁性材料からなる検出コ
ア部と、検出コア部にトロイダル状に巻回配置される検
出コイルと、前記検出コア部の周方向の少なくとも一部
に周期的に磁気的ギャップを形成する手段とを具備する
直流電流センサーにおいて、検出コア部の軟質磁性材料
が有する保磁力の影響を防止し、数mA程度の微小電流
領域でも高感度の検出を確保する。 【解決手段】 検出コア部を構成する軟質磁性材料が有
する保磁力の影響を防止する所謂ヒステリシスを消去す
るための脱磁期間と、被検出導線に流れる直流電流の測
定期間とを別々に設定し、検出回路の電気的な飽和を防
止するため、検出コア部に被検出導線と同方向に巻回さ
せた脱磁コイルを配置し、脱磁コイルに減衰振動電流か
らなる脱磁電流を印加して検出コア部を脱磁した後に測
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種の直流電流
を使用する機器に配設される直流電流センサーの改良に
係り、特に、発・変電所の制御設備に用いられている直
流回路の地絡故障検知や太陽電池発電システムの漏電検
知等の用途に有効であり、高感度でかつ計測時間を大幅
に短縮可能とした直流電流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、直流電流センサーとしてはシ
ャント抵抗方式、マグアンプ方式、磁気マルチバイブレ
ータ方式、ホール素子方式等が知られている。しかし、
これらの直流電流センサーは構造が複雑であるばかりで
はなく、微小な電流変化に対応できる構造とは言い難
く、高感度の直流電流センサーとして実用に至っていな
いのが現状である。
【0003】本願発明者は、このような現状に鑑み、先
に、構造が比較的簡単であり、微小な電流変化に対して
も優れた検出能力を有する高感度の直流電流センサーと
して、従来の方式とは全く異なる構造からなる直流電流
センサーを提案した(特開平6−74978号、特開平
6−194389号、特開平6−281674号、特開
平7−49357号、特開平7−55846号、特開平
7−110343号、特開平7−198754号)。
【0004】すなわち、環状を形成する軟質磁性材料か
らなる検出コア部と、検出コア部にトロイダル状に巻回
配置される検出コイルと、前記検出コア部の周方向の少
なくとも一部に周期的に磁気的ギャップを形成する手段
とを具備する構成を基本構成とする直流電流センサーで
あり、該直流電流センサーを構成する検出コア部の内側
に被検出導線を貫通配置して、被検出導線に流れる直流
電流を高感度に測定することを可能としたのである。
【0005】特に、微小電流領域での検出を高感度に実
現するためには、検出コア部を構成する軟質磁性材料が
有する保磁力の影響に起因する検出コイルからの出力電
圧(出力特性)のヒステリシス現象を減少させることが
必要であり、前記検出コア部に被検出導線と同方向に巻
回させた変調コイルを配置し、該変調コイルに発生させ
た交番磁界を検出コア部に重畳しながら被検出導線に流
れる直流電流を測定する構成の直流電流センサー(特開
平6−281674号)を提案し、目的を達成したので
ある。
【0006】例えば、図5に示す直流電流センサーは、
環状を形成する軟質磁性材料からなる検出コア部2と、
検出コア部2にトロイダル状に巻回配置される検出コイ
ル3と、前記検出コア部2の周方向の少なくとも一部に
周期的に磁気的ギャップを形成する手段である検出コア
部2の周方向に対して直交方向に接続して環状を形成す
る軟質磁性材料からなる励磁コア部4と、励磁コア部4
にトロイダル状に巻回配置される励磁コイル5と、さら
に、検出コア部2に巻回させた変調コイル43から構成
されている。図中1は、検出コア部2の内側に貫通配置
する被検出導線である。
【0007】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると、検出コア部2内に直流電流Iの
方向に対して右回りの磁場が発生し、検出コア部2内に
磁束Φ0が発生する。この時、励磁コイル5に所定の交
流電流を通電して励磁コア部4に周期的に図中α方向に
変化する磁束を発生し、該励磁コア部4を周期的に磁気
的に飽和させると、検出コア部2の周方向の一部である
コア交差部6は比透磁率μが極めて1に近い所謂実質的
な磁気的なギャップとなり、検出コア部2内の磁束Φ0
をΦ1(Φ1=近似0)にまで減少させる。
【0008】ここで、励磁コイル5に通電する交流電流
を周波数f0とし、その電流のピーク値近傍で励磁コア
部4が飽和するようにすると、励磁電流1周期で2回励
磁コア部4が飽和することとなる。すなわち、検出コア
部2の周方向の一部であるコア交差部6が飽和すること
となり、被検出導線1に流れる直流電流Iによって検出
コア部2内に発生する磁束Φ0は2f0で変調され、上記
の磁束Φ0の変化に伴い周波数2f0の電圧VDETが検出
コイル3に発生することとなる。
【0009】被検出導線1に流れる直流電流Iの向きに
かかわらず、いずれの場合も磁束Φ0∝直流電流I、電
圧VDET∝磁束Φ0との関係から電圧VDET∝直流電流I
となり、被検出導線1に流れる直流電流Iに比例した起
電力を検出コイル3によって検出することが可能とな
る。
【0010】しかし、微小電流領域での検出において
は、検出コア部2を構成する軟質磁性材料が有する保磁
力の影響に起因する検出コイルからの出力電圧(出力特
性)のヒステリシス現象に伴う逆転領域(直流電流の増
加に伴い出力電圧が減少する領域)が発生し、結果とし
て測定時の基準レベルの変動を招き、目的とする高感度
の検出を実現することができない。
【0011】図5の構成においては、上記のヒステリシ
ス現象の減少を達成するために、検出コア部2に被検出
導線1と同方向に巻回させた変調コイル43を配置し、
該変調コイル43に発生させた交番磁界を検出コア部2
に重畳しながら被検出導線1に流れる直流電流を測定す
ることによって高感度の検出を実現したのである。
【0012】すなわち、図6に示すようなBHカーブ
(ヒステリシスカーブ)を有する検出コア部2に対し
て、例えば、変調コイル43に変調交流電流を流さずに
被検出導線1に直流電流を流し、BH平面上でP点まで
達した後、直流電流を切るとA’点に戻り、さらに、こ
の状態から変調コイル43に検出コア部2の保磁力以上
の磁場を発生するのに必要な変調交流電流を流すと交流
電流波形のA→B→C→D→Eへの移行に伴い、BHカ
ーブ上でA’→B’→C’→D’→E’へ移行し、以降
同一のルート、すなわち図中の破線で示すマイナールー
プQを描くこととなる。
【0013】このマイナーループQの中心はBHカーブ
の原点Oと一致する。被検出導線1に前記とは逆向きの
直流電流を流した場合でも、同様な現象を示すことか
ら、被検出導線1に直流電流が流れている状態で、変調
コイル43に変調交流電流を流して被測定電流に変調交
流電流を重畳すると、被検出導線1の電流の向きに応じ
てマイナーループQの中心Xは図7に示すように、マイ
ナーループQの形状を維持したまま図中の破線に沿って
移動する。従って、この点(中心X)を検出することに
より、実質的にヒステリシスを消失した状態で測定を実
施することができる。実際の測定に際しては、検出回路
で重畳された変調交流電流成分を除去することで、被検
出導線1に流れている直流電流成分を容易に高感度で検
出できる。
【0014】図8に示す直流電流センサーは、基本的な
構成は図5に示す直流電流センサーと同様であり、特
に、励磁コイル5を検出コア部2の周方向に巻回配置す
ることによって、該励磁コイル5による検出コア部2の
脱磁効果をも併せ持つ。この構成においても作動原理が
図5に示す直流電流センサーと同様であることから、検
出コア部2に被検出導線1と同方向に巻回させた変調コ
イル43を配置し、該変調コイル43に発生させた交番
磁界を検出コア部2に重畳しながら被検出導線1に流れ
る直流電流を測定することによって、検出コア部2を構
成する軟質磁性材料が有する保磁力の影響を低減するこ
とができる。
【0015】図9に示す直流電流センサーは、センサー
部が、環状を形成する軟質磁性材料からなる検出コア部
2と、検出コア部2の対象位置にトロイダル状に巻回配
置される一対の検出コイル3a,3bと、前記検出コア
部2の周方向に対して直交方向に接続して環状を形成す
る軟質磁性材料からなる一対の励磁コア部4a,4b
と、検出コア部2に巻回配置され該検出コア部2と各々
の励磁コア部4a,4bとの直交部6にて検出コア部2
を周方向に対して直交方向に周期的に励磁する励磁コイ
ル5とからなる。
【0016】また、図10に示す直流電流センサーは、
センサー部が、環状を形成する軟質磁性材料からなる検
出コア部2と、検出コア部2の対称位置にトロイダル状
に巻回配置される一対の検出コイル3a,3bと、前記
検出コア部2の周方向に対して直交方向に接続して環状
を形成する軟質磁性材料からなる一対の励磁コア部4
a,4bと、各々励磁コア部4a,4bの外側面部に巻
回配置され該検出コア部2と各々の励磁コア部4a,4
bとの直交部6にて検出コア部2を周方向に対して直交
方向に周期的に励磁する励磁コイル5a,5bとからな
る。
【0017】これら図9及び図10に示す直流電流セン
サーは、ともにセンサー部の全体的な構成が被検出導線
1に対して対称であることから、電磁気的なバランスが
良く、安定した測定を実現できる効果を有する。これら
の構成においても作動原理が図5に示す直流電流センサ
ーと同様であることから、検出コア部2に被検出導線1
と同方向に巻回させた変調コイル43a,43bを配置
し、該変調コイル43a,43bに発生させた交番磁界
を検出コア部2に重畳しながら被検出導線1に流れる直
流電流を測定することによって、検出コア部2を構成す
る軟質磁性材料が有する保磁力の影響を低減することが
できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、本願発明者が先に提案した直流電流センサー(特開
平6−281674号)によれば、検出コア部を構成す
る軟質磁性材料が有する保磁力の影響を防止することが
でき、微小電流領域での検出も高感度に実現することが
可能となった。しかし、被検出導線に流れる直流電流が
数mA程度の場合は、必ずしも要求される高感度の検出
を確保することは困難であった。
【0019】例えば、検出コア部を構成する軟質磁性材
料としてパーマロイC(78Ni−3.5Cu−4.5
Mo−balFe)を用い、検出コア部の周方向の長さ
(磁路長)を100mmとした図10の直流電流センサ
ーの場合、該パーマロイCの保磁力(Hc=近似0.0
1Oe)の影響を防止するためには、変調コイルに少な
くともピーク値±100mA(70mArms)程度の
変調交流電流を流しながら被検出導線に流れる直流電流
を測定することが必要となる。
【0020】従って、検出回路は±100mA相当の入
力でも電気的に飽和しないように設計する必要があり、
結果として、定格100mAの電流計で数mAを測定す
ることと同じであり、検出コイルより得た信号から、変
調交流電流に相当する信号と被測定電流に相当する信号
を容易に分離することができず、目的とする測定精度
(感度)を確保することができなくなる。
【0021】また、高感度の検出回路を使用すると、最
大許容入力が小さいため変調交流電流の信号により検出
回路が電気的に飽和してしまい、被測定電流の信号が入
力されても検出回路からの出力は飽和出力しか得られ
ず、被測定電流の信号を識別することができず、被検出
導線に流れる直流電流の測定自体が困難となる。
【0022】この発明は、上記の問題を解決することを
目的とするものであり、特に、検出コア部を構成する軟
質磁性材料が有する保磁力の影響を防止するとともに、
数mA程度の微小電流領域でも高感度の検出を確保する
ことを可能とした直流電流センサーの提供を目的とする
ものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために種々検討した結果、検出コア部を構成
する軟質磁性材料が有する保磁力の影響を防止する所謂
ヒステリシスを消去するための脱磁期間と、被検出導線
に流れる直流電流の測定期間とを別々に設定し、検出回
路の電気的な飽和を防止する構成を採用することで目的
が達成できることを知見し、完成したものである。
【0024】すなわち、この発明は、環状を形成する軟
質磁性材料からなる検出コア部と、検出コア部にトロイ
ダル状に巻回配置される検出コイルと、前記検出コア部
の周方向の少なくとも一部に周期的に磁気的ギャップを
形成する手段とを具備するセンサー部の内側に被検出導
線を貫通配置してなる直流電流センサーにおいて、さら
に、前記検出コア部に被検出導線と同方向に巻回させた
脱磁コイルを配置し、該脱磁コイルに減衰振動電流から
なる脱磁電流を印加して検出コア部を略完全脱磁した
後、被検出導線に流れる直流電流を測定することを特徴
とする直流電流センサーである。
【0025】さらに、上記の構成において、一つのコイ
ルで検出コイルと脱磁コイルの機能を共用したことを特
徴とする直流電流センサー、及びセンサー部が、環状を
形成する軟質磁性材料からなる検出コア部と、検出コア
部にトロイダル状に巻回配置される検出コイルと、前記
検出コア部の周方向に対して直交方向に接続して環状を
形成する軟質磁性材料からなる一対の励磁コア部と、該
各々の励磁コア部または検出コア部に巻回配置され検出
コア部と各々の励磁コア部との直交部にて検出コア部を
周方向に対して直交方向に周期的に励磁する励磁コイル
とからなることを特徴とする直流電流センサーを併せて
提案する。
【0026】この発明の直流電流センサーにおいて、検
出コア部及び励磁コア部が環状を形成する軟質磁性材料
からなるとは、軟質磁性材料が所謂リング状になってい
る構成に限定されるのではなく、軟質磁性材料が電磁気
的な閉回路を構成できるように接続されていれば良く、
先に説明した図5、図8、図9、図10のように円環
状、楕円環状、矩形枠状等種々の構成が採用できる。
【0027】また、検出コア部及び励磁コア部を構成す
る軟質磁性材料としては、通常、磁気特性や加工性等の
観点からパーマロイが好ましいが、その他ケイ素鋼鈑、
アモルファス、電磁軟鉄、ソフトフェライト等の公知の
材料が使用可能である。
【0028】さらに、この発明の直流電流センサーにお
いて、検出コア部に被検出導線と同方向に脱磁コイルを
巻回配置するとは、先に説明した図5、図8、図9、図
10に示すように、検出コア部の内側に被検出導線と同
方向に貫通するようにして1ターンの脱磁コイルを巻回
配置する他、要求される減衰振動電流による脱磁磁界の
強度等に応じて上記と同方向に複数ターンの脱磁コイル
を巻回配置するものであり、特に、複数ターンの場合
は、実質的に検出コイルと同様に検出コア部にトロイダ
ル状に巻回配置することとなる。また、脱磁コイルと検
出コイルとは実質的に同一場所で同一方向に巻回配置さ
れることから、これらを共用でき、脱磁コイルと検出コ
イルを一体化した構成を採用しても、この発明の目的を
達成できる。
【0029】
【発明の実施の形態】この発明の直流電流センサーの作
用を図1、図2に示す一実施例に基づいて説明する。セ
ンサー部の構成は、先に説明した図5、図8、図9、図
10に示す構成と同様でよく、いずれの構成においても
変調コイルに代えて脱磁コイルとし、該脱磁コイルに減
衰振動電流からなる脱磁電流を印加して検出コア部を脱
磁した後、被検出導線に流れる直流電流を測定すること
によって目的が達成できる。
【0030】すなわち、図1に示すように、まず脱磁コ
イルにピーク値が検出コア部を構成する軟質磁性材料が
有する保磁力以上の減衰振動電流(図2参照)からなる
脱磁電流を印加して検出コア部を略完全脱磁する。この
時、減衰振動電流に基づく脱磁信号が検出回路に入力さ
れると検出回路が電気的に飽和してしまうため、脱磁期
間は検出回路に脱磁信号が入力されないように検出コイ
ルを検出回路から切り離しておく。脱磁コイルと検出コ
イルを共用した構成でも同様である。上記の脱磁が完了
した後に検出コイルと検出回路を接続して被検出導線に
流れる直流電流の測定する。
【0031】図2において、(イ)は検出コア部を構成
する軟質磁性材料のBHカーブ(ヒステリシスカーブ)
であり、(ロ)は脱磁コイルに印加する減衰振動電流か
らなる脱磁電流を示しており、BHカーブ(ヒステリシ
スカーブ)上の破線は減衰振動電流の変化に伴うBHカ
ーブの変化を示している。
【0032】なお、この発明において略完全脱磁とは、
必ずしも検出コアの残留磁束密度を完全に零(0)にす
る必要はなく、出力の誤差精度に影響がでない程度にま
で脱磁できていれば良く、センサーに要求される定格検
出電流によって異なる。例えば、定格検出電流が2mA
程度の場合は、脱磁後の残留磁束密度を検出コアが本来
有する残留磁束密度(5000G程度)の1/1000
以下(5G程度)とすることが望ましく、又、定格検出
電流が10〜50mA程度の場合は同様に1/100以
下(50G程度以下)とすることが望ましい。
【0033】これらの条件を満足させるためには、脱磁
コイルに印加する減衰振動電流からなる脱磁電流の条件
を望ましい範囲に選定する必要があり、特に脱磁効果を
高めるためには該電流のピーク値を検出コアの有する保
磁力に対して十分大きく、周波数を小さく、さらに脱磁
時間を長くすることが望ましいが、センサー自体に要求
されている感度とともに測定時間を考慮して決定するこ
とが必要である。
【0034】脱磁後の残留磁束密度が検出コアが本来有
する残留磁束密度の1/10程度までは、通常のB−H
特性(ヒステリシス特性)の測定方法によってヒステリ
シスカーブの対称性を調べることによって確認すること
ができることから、予めこれらの測定を繰り返しておく
ことによって、減衰振動電流の最適条件を求めることが
できる。
【0035】しかし、脱磁後の残留磁束密度が検出コア
が本来有する残留磁束密度の1/10程度未満になると
上記のヒステリシスカーブの対称性にて確認することは
実質的に困難になるため、検出コアの形状寸法や本来有
する磁気特性に基づいてその値を計算にて推定し、実際
の出力誤差の影響を確認しながら減衰振動電流の最適条
件を選定することが望ましい。
【0036】以上の構成からなる直流電流センサーにお
いては、被検出導線に流れる直流電流の測定前に、検出
コア部を脱磁するに十分な減衰振動電流からなる脱磁電
流を印加できることから、ヒステリシスの影響をほぼ完
全に防止することができ、目的とする数mA程度の微小
電流領域でも高感度の検出を確保することができる。
【0037】また、この構成からなる直流電流センサー
を複数個配置し、各々のセンサーの出力を逐次切り替え
て1つの検出部にて測定する、いわゆる最も多用されて
いる多チャンネル逐次切替方式を採用した制御設備等の
構成では、各々のセンサーにおいて、被検出電流測定後
に、逐次上記の手段によって脱磁電流を印加して検出コ
アを脱磁しておけば、同一センサーにおける次の測定ま
での間に十分な脱磁が完了しており、絶えず高感度の検
出を連続して実施できるため、実用性が高く効果的な構
成であるといえる。
【0038】
【実施例】本願発明の直流電流センサーの効果を確認す
るために図9に示す構成からなる直流電流センサーを作
成した。センサー部は、0.3mmのパーマロイC(7
8Ni−3.5Cu−4.5Mo−bal Fe)薄板
を所定形状に打ち抜きし、折り曲げ加工を施し、各コア
部の寸法が、L=30mm、H=10mm、W1=30
mm、W2=5mmとなるように組立て、さらに、水素
ガス雰囲気にて1100℃で3時間の磁性焼鈍を施して
完成した。
【0039】また、励磁コイルとして検出コア部の外周
に外径0.2mmのホルマル線を50ターン巻回配置す
るとともに、脱磁コイルを共用する検出コイルとして検
出コア部の対称位置に外径0.15mmのホルマル線を
各々50ターンづつ巻回配置して互いに直列接続し、こ
れらのコイルを図3のブロック図に示す検出回路に接続
して、本願発明の直流電流センサーを完成した。被検出
導線としては、外径8mmのビニール被覆線を検出コア
部の内側に貫通配置した。励磁コイルに印加する交流電
流は、1Vrms、300Hzとした。
【0040】まず、検出コイル(脱磁コイル)に減衰振
動電流からなる脱磁電流を印加して検出コア部を脱磁し
た後、被検出導線に流れる直流電流を測定する構成の効
果を確認した。検出コイル(脱磁コイル)にピーク値が
10Vで300Hzの減衰振動電流からなる脱磁電流を
0.5秒印加して検出コア部を脱磁した後、引き続き
0.5秒で被検出導線に流れる直流電流を測定した結果
(1秒/周期)、検出回路込みの入ー出力特性は図4の
実線イに示すような測定結果を得た。
【0041】すなわち、被検出導線に流れる測定電流が
±2mAの範囲において、ヒステリシス誤差は実質的に
零(0)となり、直線性、再現性ともに極めて良好な高
感度の測定が可能であり、センサーとしての分解能が3
0μA程度であることが確認できた。
【0042】なお、パルス応答性が2秒程度であること
も確認でき、先に説明した多チャンネル逐次切替方式を
採用した制御設備構成等においても高感度の測定を、タ
イムロスを増加させることなく効率よく連続して行うこ
とが可能であることが確認できた。図4の二点鎖線ロに
て示す測定結果は、検出コイル(脱磁コイル)に脱磁電
流を印加することなく後、被検出導線に流れる直流電流
を測定したものである。
【0043】
【発明の効果】上記の実施例からも明らかなように、本
願発明の直流電流センサーにおいては、脱磁コイルに所
定の減衰振動電流からなる脱磁電流を効果的に印加する
ことによって、検出コア部を構成する軟質磁性材料が有
する保磁力の影響を防止して高感度の測定を実現するこ
とが可能となり、直流電流センサーの用途を一層拡大す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直流電流センサーの測定方法の
概略を示す線グラフであり、(a)は脱磁電流と時間
(測定に要する1周期)との関係を示し、(b)は計測
出力と該時間の関係を示す線グラフである。
【図2】この発明による直流電流センサーの測定方法に
用いる脱磁電流と軟質磁性材料の残留磁束密度とを対比
して示す線グラフであり、(イ)はBHカーブ、(ロ)
は脱磁電流と時間との関係を示す。
【図3】この発明による直流電流センサーの測定方法に
用いる測定装置の回路図である。
【図4】貫通電流(測定電流)と出力電圧との関係を示
すグラフである。
【図5】この発明の直流センサーの基本構成を示す斜視
説明図である。
【図6】変調コイルに変調交流電流を流さず被検出導線
に直流電流を流してコアが励磁された後、該直流電流を
切りその後変調コイルに交流電流を流してマイナールー
プを形成した状態を示す線グラフである。
【図7】被検出導線に直流電流が流れている状態で、変
調コイルに変調交流電流を流して被測定電流に変調用交
流電流を重畳した場合のマイナーループの中心点の移動
状態を示す線グラフである。
【図8】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す斜視説明図である。
【図9】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す斜視説明図である。
【図10】この発明の直流電流センサーの他の実施例の
概要を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
1 被検出導線 2 検出コア 3,3a,3b 検出コイル 4,4a,4b 励磁コア 5,5a,5b 励磁コイル 6 コア直交部 43,43a,43b 変調コイル(脱磁コイル)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状を形成する軟質磁性材料からなる検
    出コア部と、検出コア部にトロイダル状に巻回配置され
    る検出コイルと、前記検出コア部の周方向の少なくとも
    一部に周期的に磁気的ギャップを形成する手段とを具備
    するセンサー部の内側に被検出導線を貫通配置してなる
    直流電流センサーにおいて、さらに、前記検出コア部に
    被検出導線と同方向に巻回させた脱磁コイルを配置し、
    該脱磁コイルに減衰振動電流からなる脱磁電流を印加し
    て検出コア部を略完全脱磁した後、被検出導線に流れる
    直流電流を測定することを特徴とする直流電流センサ
    ー。
  2. 【請求項2】 請求項1において、一つのコイルで検出
    コイルと脱磁コイルの機能を共用した直流電流センサ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項1において、センサー部が、環状
    を形成する軟質磁性材料からなる検出コア部と、検出コ
    ア部にトロイダル状に巻回配置される検出コイルと、前
    記検出コア部の周方向に対して直交方向に接続して環状
    を形成する軟質磁性材料からなる一対の励磁コア部と、
    該各々の励磁コア部または検出コア部に巻回配置され検
    出コア部と各々の励磁コア部との直交部にて検出コア部
    を周方向に対して直交方向に周期的に励磁する励磁コイ
    ルとからなる直流電流センサー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016188790A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 株式会社タムラ製作所 電流検出器
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CN114414878A (zh) * 2022-01-25 2022-04-29 深圳市艾华迪技术有限公司 一种双激磁自动退饱和闭环磁通门电流传感器电路

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