JP3515233B2 - 直流電流センサー - Google Patents

直流電流センサー

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JP3515233B2 JP18072195A JP18072195A JP3515233B2 JP 3515233 B2 JP3515233 B2 JP 3515233B2 JP 18072195 A JP18072195 A JP 18072195A JP 18072195 A JP18072195 A JP 18072195A JP 3515233 B2 JP3515233 B2 JP 3515233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種の直流電流を使
用する機器に配設される直流電流センサーの改良に係
り、特に、電気めっきのめっきむら防止等を目的として
めっき浴中の電流密度分布を測定・調整する所謂電流密
度測定器に適する、構造が簡単で小型化が可能な直流電
流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、直流電流センサーとしてはシ
ャント抵抗方式、マグアンプ方式、磁気マルチバイブレ
ータ方式、ホール素子方式等が知られている。しかし、
これらの直流電流センサーは構造が複雑であるばかりで
はなく、微小な電流変化に対応できる構造とは言い難
く、高感度の直流電流センサーとして実用に至っていな
いのが現状である。
【0003】本願発明者は、このような現状を鑑み、先
に、構造が比較的簡単であり、微小な電流変化に対して
も優れた検出能力を有する高感度の直流電流センサーと
して、従来の方式とは全く異なる構造からなる図9に示
す如き直流電流センサーを提案した(EP 0 579
462 A、特開平6−74978号、特開平6−1
94389号、特開平6−281674号)。図9に示
す直流電流センサーは、軟質磁性材料からなる一対の筒
状体からなる励磁コア部4a,4bと、該励磁コア部4
a,4bの各々開口端隣接部を軟質磁性材料にて接続一
体化し該接続部と励磁コア部4a,4b内側面部とで形
成される検出コア部2とを有する構成からなっている。
図中1は、前記検出コア部2の空隙部に貫通配置する被
検出導線である。また、図中3a,3bは一対の検出コ
イルであり、検出コア部2の周方向の対向位置にトロイ
ダル状に巻回配置されている。さらに図中5は励磁コイ
ルであり、検出コア部2の外周に巻回配置されている。
【0004】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると、検出コア部2内に直流電流Iの
方向に対して右回りの磁場が発生し、検出コア部2内に
磁束Φ0が発生する。この時、励磁コイル5に所定の交
流電流を通電して一対の励磁コア部4a,4bに周期的
に図中α方向に変化する磁束を発生し、該励磁コア部4
a,4bを周期的に磁気的に飽和させると、検出コア部
2の周方向の一部であるコア交差部6は比透磁率μが極
めて1に近い所謂実質的な磁気的なギャップとなり、検
出コア部2内の磁束Φ0をΦ1(Φ1近似0)にまで減少
させる。
【0005】ここで、励磁コイル5に通電する交流電流
を周波数f0とし、その電流のピーク値近傍で励磁コア
部4a,4bが飽和するようにすると、励磁電流1周期
で2回励磁コア部4a,4bが飽和することとなる。し
たがって、被検出導線1に流れる直流電流Iによって検
出コア部2内に発生する磁束Φ0は、2f0で変調される
こととなり、上記の磁束Φ0の変化に伴い周波数2f0
電圧VDETが検出コイル3a,3bに発生することとな
る。被検出導線1に流れる直流電流Iの向きにかかわら
ず、いずれの場合も磁束Φ0∝直流電流I、電圧VDET
磁束Φ0との関係から電圧VDET∝直流電流Iとなり、被
検出導線1に流れる直流電流Iに比例した起電力を検出
コイル3a,3bによって検出することが可能となる。
以上に説明するように、図9に示す直流電流センサー
は、構造が比較的簡単で、しかも電磁気的にバランスの
良い構造であることから、微小な電流変化に対しても優
れた検出能力を有し、安定した高感度の測定を実現でき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9に示す直流電流セ
ンサーは、従来から知られる各種の直流電流センサーに
比べ構造が簡単で、しかも高感度の測定が可能となるこ
とから、用途範囲の拡大が達成できた。しかし、例え
ば、電気めっきのめっきむら防止等を目的としてめっき
浴中の電流密度分布を測定・調整する電流密度測定器等
に使用する場合には、上記の感度を低下させることなく
一層の小型化を達成することが必要であり、特に、検出
コアや励磁コアの形状を簡単にし、検出コイルや励磁コ
イルの巻線構成を簡単にすることが望まれている。
【0007】また、図9に示す直流電流センサーでは、
磁気的なスイッチングを行うために検出コアの周方向の
一部又は全部を磁気的に飽和することが必要となり、励
磁コイルに比較的大きな電力を供給することとなる。し
たがって、クランプメータ等の携帯用機器への使用にお
いては、必ずしも好ましい構成とは言い難い。
【0008】この発明は、上記のような現状に鑑み提案
するもので、直流電流センサーを構成する軟質磁性材料
からなるコア形状を極力簡単な形状とし、検出コイルや
励磁コイルの巻線構成をも簡単にすることによって小型
化を達成するとともに、励磁コイルへの供給電力を低減
可能とした直流電流センサーの提供を目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者は上記の目的
を達成する構成を種々検討した結果、磁気的なスイッチ
ングの方法を変えることによってコア形状を簡単な形状
にすることが可能であることを知見した。すなわち、図
9に示す直流電流センサーでは、検出コアの周方向の一
部又は全部を磁気的に飽和することによって磁気的なス
イッチングを行う構成を採用していたが、本願発明者
は、被検出導線に流れる直流電流によって発生する検出
コア部の周方向の磁場に対して、該周方向の磁場に直交
し周期的に向きが変化するの磁場を作用させることによ
って、検出コア部内での磁化方向を回転させ、実質的に
検出コア部内の周方向の磁束に変調をかけることで磁気
的なスイッチングが可能であることを確認し、結果とし
て直流電流センサーを構成する軟質磁性材料のコアを筒
状のコアのみとした構成で目的が達成できることを知見
したのである。
【0010】この発明は、上記の知見に基づき完成した
ものであり、筒状の軟質磁性材料からなり、その側面に
周方向に所定間隔毎で形成した複数の貫通孔を有する検
出コアと、前記貫通孔に互いに隣接する貫通孔内での電
流の向きが逆向きになるよう巻回配置する励磁コイル
と、前記検出コアの外周にトロイダル状に巻回配置する
検出コイルとを有することを特徴とする直流電流センサ
ーである。
【0011】また、より高性能の直流電流センサーとし
て、筒状の軟質磁性材料からなり、その側面に周方向に
所定間隔毎で形成した複数の貫通孔を有する検出コア
と、前記貫通孔に互いに隣接する貫通孔内での電流の向
きが逆向きになるよう巻回配置する励磁コイルと、これ
ら励磁コイルを巻回配置してなる検出コアを包囲する軟
質磁性材料からなるシールドケースと、該シールドケー
スの外周にトロイダル状に巻回配置する検出コイルとを
有することを特徴とする直流電流センサーを併せて提案
する。さらに、クランプメータ等の用途に望ましい構成
として、上記構成において、検出コアが周方向で分割可
能な構成であることを特徴とする直流電流センサーを提
案する。
【0012】特に、めっき浴中の電流密度分布を測定・
調整する電流密度測定器等に使用する場合には、上記の
直流電流センサー全体をめっき浴中に浸漬するため、該
直流電流センサー表面に合成樹脂等の耐腐食性保護膜を
被覆したり、合成樹脂製ケースにて包囲することが好ま
しい。
【0013】この発明の直流電流センサーにおいて、検
出コアは、後述の実施例に示す如き円筒状のパーマロイ
削り出し品に限定されることなく、要求される磁気特性
や検出コア内に貫通配置する被検出導線の本数、加工性
等を考慮して形状や材質を選定することが望ましい。例
えば、形状としては円筒状の他、楕円筒状、矩形筒状等
の構成が採用できる。また、これらの構成においても、
所定材料を削り出した一体品だけでなく、長尺の薄帯材
料を渦巻状に巻付けて筒状に形成したもの、複数の筒状
薄帯材料を同心状に積層して筒状に形成したもの等、検
出コアを構成する軟質磁性材料の形状、寸法、機械的特
性等を考慮して選定することが望ましい。
【0014】検出コアの材質としては、通常、磁気特性
や加工性等の観点からパーマロイが好ましいが、その他
ケイ素鋼板、アモルファス、電磁軟鉄、ソフトフェライ
ト等の公知の軟質磁性材料の使用が可能である。
【0015】
【作用】この発明の直流電流センサーの作用を図1から
図4に示す一実施例に基づいて説明する。図1は直流電
流センサーの部分断面平面説明図であり、図2はその部
分拡大説明図、図3は作動原理説明図、図4は励磁コイ
ルに印加する励磁電流と検出コア内における周方向の磁
束及び検出コイルの起電力(出力)との関係を示すグラ
フである。
【0016】図1及び図2において11は、パーマロイ
を削り出した一体品からなる円筒状検出コア12の内側
に貫通配置する被検出導線である。検出コア12の側面
には、周方向に所定間隔毎で複数の貫通孔13が形成さ
れている。この貫通孔13には、互いに隣接する貫通孔
13内での電流の向きが逆向きになるよう励磁コイル1
4が巻回配置されている。図においては、互いに隣接す
る貫通孔13への挿入向きが逆向きになるようにして全
体として右回り又は左回りに全貫通孔13を通過するよ
うに巻回配置した後、再度、全体として逆回りにて全貫
通孔13を通過するように巻回配置し、一つの貫通孔1
3内に電流の向きが同一となる2本の励磁コイル14a
(図中太実線),14b(図中太破線)が配置されるよ
うに構成されている。図中15は前記検出コア12の外
周にトロイダル状に巻回配置する検出コイルである。
【0017】このような構成において、被検出導線11
に直流電流Iが流れると、図2に示すように検出コア1
2に直流電流Iの方向に対して右回りの磁場H0(図中
白抜き矢印)が発生し、検出コア12内に磁束Φ0が発
生する。この時、励磁コイル14に所定の交流電流を通
電すると、例えば、図中矢印iで示す向きの電流が流れ
ると検出コア12に前記被検出導線11に流れる直流電
流Iによって発生する磁場H0に対して直交する向きの
磁場H(図中黒矢印)が発生し、これらの合成磁場に基
づき検出コア12内の磁化方向が回転し、磁束Φ0が変
調されることとなる。したがって、検出コイル15に
は、上記の磁束Φ0の変化に伴う検出コア12内の周方
向の磁束成分に基づく電圧VDETが発生することとな
る。
【0018】さらに、このような現象について図3及び
図4にて詳細に説明する。図3は、検出コア12に形成
される互いの貫通孔13間に発生する磁束の向きを矢印
にて模式的に表したものである。なお、励磁コイル14
及び検出コイル15の図示は省略してある(ただし、検
出コイル15については図3Aについてのみ図示)。被
検出導線11に直流電流Iが流れると、図3Aに示すよ
うに、検出コア12内に直流電流Iの方向に対して右回
りの磁場が発生し、検出コア12内に磁束Φ0が発生す
る。
【0019】この時、励磁コイル14に所定の交流電流
を通電して、検出コア12に前記被検出導線11に流れ
る直流電流Iによって発生する磁場に対して直交する向
きの磁場を発生すると、これらの合成磁場に基づき検出
コア12内の磁化方向が回転し、隣接する貫通孔13間
に発生する磁束の向きは図3Bの(↑↓)、図3Cの
(→→)、図3Dの(↑↓)に示すように変化する。励
磁電流の大きさは、被検出導線11に流れる直流電流I
によって検出コア12内の周方向に発生した磁化の向き
を回転させるに必要な電流の大きさでよく、検出コア1
2全体を磁気的に飽和させる必要はない。
【0020】すなわち、励磁コイル14への励磁電流が
最大になった時に検出コア12内の磁束の向きは周方向
と直交する向き(図3B及び図3Dにて図示)となり、
検出コア12内の周方向の磁束成分が実質的に零とな
る。また、励磁コイル14への励磁電流が最小になった
時には、被検出導線11に流れる直流電流Iによって発
生する磁場に対して直交する向きの磁場は実質的に零と
なることから、検出コア12内の周方向の磁束成分(Φ
Θ近似Φ0)も最大(図3(A)及び図3(C)にて図
示)となる。したがって、このような検出コア12内で
の磁束の変化量に相当する起電力(VDET)が検出コイ
ル15に発生することとなる。
【0021】ここで、励磁コイル14に通電する交流電
流を周波数f0とし、その電流のピーク値近傍で検出コ
ア12内の周方向の磁束成分が実質的に零となるように
すると、図4に示すように、励磁電流1周期で2回検出
コア12内の周方向の磁束成分が実質的に零となる(図
4a及び図4bにて図示)。したがって、被検出導線1
1に流れる直流電流Iによって検出コア12内に発生す
る磁束Φ0は、2f0で変調されることとなり、上記の磁
束Φ0の変化に伴い周波数2f0の電圧VDETが検出コイ
ル15に発生することとなる(図4cにて図示)。な
お、図4中のA〜Dは図3A〜Dとの関係を示してい
る。被検出導線11に流れる直流電流Iの向きにかかわ
らず、いずれの場合も磁束Φ0∝直流電流I、電圧VDET
∝磁束Φ0との関係から電圧VDET∝直流電流Iとなり、
被検出導線11に流れる直流電流Iに比例した起電力を
検出コイル15によって検出することが可能となる。
【0022】以上に説明するように、この発明の直流電
流センサーは、先に説明した図9に示す直流電流センサ
ーとは磁気的なスイッチング手段は異なるものの、検出
コイル15への起電力発生メカニズムは実質的に同様と
なり、図9に示す直流電流センサーと同等以上の高感度
の測定を実現でき、しかも構造を非常に簡単にすること
ができる。また、図9に示す直流電流センサーと検出コ
イル15への起電力発生メカニズムが実質的に同様であ
ることから、図9に示す直流電流センサーの特性を向上
させることを目的に付加される種々の機械的及び電気的
機器を同様に付設することができる。
【0023】以上の説明においては、検出コア12の側
面に形成される各々の貫通孔13内に電流の向きが同一
となる2本の励磁コイル14a(図中太実線),14b
(図中太破線)が配置される構成にて説明したが、全体
として右回り又は左回りとなるように各々の貫通孔13
内に1本の励磁コイル(14a又は14b)のみを配置
する構成においても、この発明の目的を達成することが
できる。しかし、磁気的な効率やバランスとの観点から
は図示の構成が望ましい。また、以上の説明において
は、検出コア12の内側に被検出導線11が配置された
構成にて説明したが、被検出導線11を配置しない、例
えば、めっき浴中の電流密度分布を測定・調整する電流
密度測定器等のように該検出コア12の内側における荷
電物質の通過量の変化を測定するような構成において
も、高感度の測定を実施することが可能である。以下に
説明する他の一実施例においても同様である。
【0024】図5は、この発明の直流電流センサーの他
の一実施例を示す部分断面斜視説明図であり、図6は部
分拡大縦断面説明図である。この直流電流センサーにお
いて、検出コア12と該検出コア12の側面に形成され
た貫通孔13に配置される励磁コイル14とは、図1と
同様な構成である。これら励磁コイル14を巻回配置し
てなる検出コア12を軟質磁性材料からなるシールドケ
ース16にて包囲した後、該シールドケース16の外周
に検出コイル15をトロイダル状に巻回配置する。図中
11は被検出導線である。このような構成からなる直流
電流センサーにおいても、図1の構成からなる直流電流
センサーと同様な作動原理によって、高感度の測定を実
現することができる。
【0025】この構成においては、励磁コイル14を巻
回配置してなる検出コア12を軟質磁性材料からなるシ
ールドケース16にて包囲することによって、検出コア
12からの漏洩磁束や励磁コイル14によって発生する
磁束をシールドケース16外に漏洩させることなく、検
出コイル15への悪影響(励磁信号とその高周波の混入
等)を低減できることから、図1の構成より一層高性能
の直流電流センサーを提供することが可能となる。特
に、図示の構成においては、図6に示すように、励磁コ
イル14a,14bによってシールドケース16内に発
生する磁束の向きは、励磁コイル14aによって発生す
る磁束の向きが実線矢印イの向きとなる場合は励磁コイ
ル14bによって発生する磁束の向きは破線矢印ロの向
きとなり、互いに逆向きになることから打ち消し合い、
実質的にシールドケース16に磁場が印加されない状態
と同様となる。すなわち、シールドケース16外に磁束
が漏洩することがなくなり、検出コイル15への悪影響
が低減できる。
【0026】図7は、検出コアを周方向で分割可能な構
成としたクランプメータとして有用な構成からなるこの
発明の直流電流センサーを示す部分断面平面説明図であ
る。この構成において検出コアは、略半円状の一対の検
出コア部材12a,22からなり、各々検出コア部材1
2a,22の一方端が開閉自在になるよう他方端をクラ
ンプ部材17にて保持した構成からなっている。一対の
検出コア部材12a,22の側面に形成される各々の貫
通孔13,23内には、電流の向きが同一となる2本の
励磁コイル14a(図中太実線),14b(図中太破
線)及び24a(図中太実線),24b(図中太破線)
が巻回配置されている。さらに、検出コア部材12a,
22の外周には検出コイル15,25がトロイダル状に
巻回配置されている。
【0027】このような構成からなる直流電流センサー
においては、すでに配線が完了している被検出導線(図
示せず)を切断することなく、一対の検出コア部材12
a,22の開放端から被検出導線を検出コアの内側に配
置した後、該開放端を閉じて一体の円筒状検出コアとす
ることで、図1に示した直流電流センサーと同様な作動
原理によって被検出導線を流れる直流電流を高感度にて
測定することが可能となる。
【0028】
【実施例】本願発明の作用効果を確認するために、図1
に示す構成からなる直流電流センサーを作成した。すな
わち、削り出し一体品からなる外径18mm×内径15
mm×高さ3mmの円筒状パーマロイ(78%Ni−5
%Mo−4%Cu−bal.Fe)の側面に、周方向に
等間隔で外径1mmの貫通孔を8箇所設け、さらに、水
素ガス雰囲気にて1100°C×3時間の磁性焼鈍を施
して検出コアとした。この検出コアに、励磁コイルとし
て外径0.3mmの絹巻導線を巻回配置するとともに、
検出コイルとして外径0.1mmのホルマル線を200
ターン巻回配置して本願発明の直流電流センサーを得
た。
【0029】上記検出コアの内側に外径8mmのビニル
被覆からなる被検出導線を貫通配置し、該被検出導線に
±10mAの範囲で直流電流を増減させて流した時の検
出コイルの起電力(出力)VDETを測定し、その結果を
図8に示した。なお、励磁コイルには200Hz、0.
1Armsの正弦波交流電流を印加し、また、検出コイ
ルの起電力(出力)VDETは、400Hz、Q=10の
バンドパスフィルターを通過した後の値で示している。
図8より、この発明の直流電流センサーによれば、10
mA程度の微小電流でも高感度の測定が可能であること
が分かる。
【0030】
【発明の効果】この発明は、被検出導線に流れる直流電
流によって発生する検出コア部の周方向の磁場に対し
て、該周方向の磁場に直交し周期的に向きが変化するの
磁場を作用させることによって、検出コア部内での磁化
方向を回転させ、実質的に検出コア部内の周方向の磁束
に変調をかけることで磁気的なスイッチングを実施する
構成を採用することで、直流電流センサーを構成する軟
質磁性材料のコアを筒状のコアのみとした非常に簡単な
構成とすることを可能とした。その結果、検出コイルや
励磁コイルの巻線構成を簡単にすることも可能となり、
高感度の測定を実現するとともに直流電流センサー自体
の小型化をも達成することができる。したがって、電気
めっきのめっきむら防止等を目的としてめっき浴中の電
流密度分布を測定・調整する電流密度測定器等への使用
も可能となり、直流電流センサーの用途を一層拡大する
こととなった。また、検出コア内における磁化の向きを
回転するために、励磁コイルに供給する電力も比較的少
なくてすむことからクランプメータ等の携帯用機器への
使用が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の直流電流センサーの一実施例を示す
部分断面平面説明図である。
【図2】図1に示すこの発明の直流電流センサーの部分
拡大説明図である。
【図3】A〜Dはこの発明の直流電流センサーの作動原
理説明図である。
【図4】a〜cはそれぞれこの発明の直流電流センサー
の励磁コイルに印加する励磁電流と検出コア内における
周方向の磁束及び検出コイルの起電力(出力)との関係
を示すグラフである。
【図5】この発明の直流電流センサーの他の一実施例を
示す部分断面斜視説明図である。
【図6】図5に示すこの発明の直流電流センサーの部分
拡大縦断面説明図である。
【図7】この発明の直流電流センサーの他の一実施例を
示す部分断面平面説明図である。
【図8】図1に示すこの発明の直流電流センサーに基づ
く実測データを示すグラフである。
【図9】発明者が先に提案した直流電流センサーの斜視
説明図である。
【符号の説明】
1,11 被検出導線 2 検出コア部 3a,3b 検出コイル 4a,4b 励磁コア部 5 励磁コイル 12 円筒状検出コア 12a,22 検出コア部材 13,23 貫通孔 14,14a,14b,24a,24b 励磁コイル 15,25 検出コイル 16 シールドケース

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の軟質磁性材料からなり、その側面
    に周方向に所定間隔毎で形成した複数の貫通孔を有する
    検出コアと、前記貫通孔に互いに隣接する貫通孔内での
    電流の向きが逆向きになるよう巻回配置する励磁コイル
    と、前記検出コアの外周にトロイダル状に巻回配置する
    検出コイルとを有することを特徴とする直流電流センサ
    ー。
  2. 【請求項2】 筒状の軟質磁性材料からなり、その側面
    に周方向に所定間隔毎で形成した複数の貫通孔を有する
    検出コアと、前記貫通孔に互いに隣接する貫通孔内での
    電流の向きが逆向きになるよう巻回配置する励磁コイル
    と、これら励磁コイルを巻回配置してなる検出コアを包
    囲する軟質磁性材料からなるシールドケースと、該シー
    ルドケースの外周にトロイダル状に巻回配置する検出コ
    イルとを有することを特徴とする直流電流センサー。
  3. 【請求項3】 検出コアが周方向で分割可能な構成であ
    ることを特徴とする請求項1及び請求項2の直流電流セ
    ンサー。
JP18072195A 1995-06-23 1995-06-23 直流電流センサー Expired - Fee Related JP3515233B2 (ja)

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