JP3371019B2 - 直流電流センサー - Google Patents

直流電流センサー

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JP3371019B2
JP3371019B2 JP22072493A JP22072493A JP3371019B2 JP 3371019 B2 JP3371019 B2 JP 3371019B2 JP 22072493 A JP22072493 A JP 22072493A JP 22072493 A JP22072493 A JP 22072493A JP 3371019 B2 JP3371019 B2 JP 3371019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直流の漏電ブレーカ
ー等に使用する直流電流センサーに係り、構造が比較的
簡単であり、特に微小な電流の変化に対しても、優れた
検出能力を有する高感度の直流電流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、インバーターを内蔵した電気機
器や電気自動車等、直流を使用した機器が増加している
が、これらの各種機器に組込まれている直流モータの負
荷を検知し、所要の制御を行うためのセンサーや、直流
漏電ブレーカー等に使用される直流電流センサーの必要
性が高まってきた。
【0003】交流の漏電ブレーカー等に用いられる電流
センサーとしては、カレントトランスを応用したものが
広く知られている。しかし、先に説明した直流を使用し
た機器に用いる漏電ブレーカー等にはこの構成を採用す
ることができず、従来から直流電流センサーとして知ら
れるシャント抵抗方式、マグアンプ方式、磁気マルチバ
イブレータ方式(特開昭47−1644号、特開昭53
−31176号、特開昭59−46859号)、ホール
素子方式等の採用が検討されている。
【0004】シャント抵抗方式は、被検出導線に直列に
シャント抵抗を配置し、該シャント抵抗の両端部に発生
する電位差を検出する方式である。また、マグアンプ方
式、磁気マルチバイブレータ方式は、いずれもトロイダ
ル状に検出コイルを巻回してなる軟質磁性材料のコアを
用い、そのコアの内側に被検出導線を貫通させ、該被検
出導線に流れる直流電流にて軟質磁性材料のコアを飽和
磁束密度(Bs)以内で直流偏磁させることにより、予
めコアに巻回されたコイルに交流電流を通電することに
より発生した交番磁束が正、負の方向で飽和に達する時
間にアンバランスを発生させ、その変化を前記検出コイ
ルにて検出する方式である。
【0005】マグアンプ方式では予めコア内に磁束変化
を与えるため、コアに励磁コイルを巻回して所定値の交
流電流を通電する構成を採用するが、磁気マルチバイブ
レータ方式では検出コイルと接続する回路中の半導体等
の作用により自励発振させ、被検出電流に応じて発振波
形のデューティー比を変えて発振する構成からなってい
る。さらに、ホール素子方式は、一部にホール素子を配
置する空隙部を形成してなる軟質磁性材料のコアに直接
被検出導線をトロイダル状に巻回し、該被検出導線に流
れる直流電流の変化に基づくコア内の磁束変化を直接ホ
ール素子にて検知する構成からなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各方式
からなる直流電流センサーは、以下の理由により直流漏
電ブレーカー等の微小な電流の変化に対応できる構成と
は言い難く、高感度の直流電流センサーとして実用に至
っていないのが現状である。すなわち、シャント抵抗方
式では、シャント抵抗自体が被検出導線を含む回路中に
電気的な抵抗として配置されるため、該回路における電
気的な損失が増大し、電気的な効率が悪いという欠点を
有している。また、上記電気抵抗の両端に発生した電位
差を検出するための検出回路が被検出導線に直接接続さ
れるため、これら検出回路と被検出導線との電気的な絶
縁が困難であり、例えば、該検出回路とマイコン制御回
路等の応用回路と直接接続することができず、汎用性に
乏しいという欠点をも有している。
【0007】このような欠点を有するとともに、このシ
ャント抵抗方式を漏電ブレーカーに採用するためには、
被検出導線の回路中に2つのシャント抵抗を配置するこ
とが必要となるが、各々のシャント抵抗を同一特性に揃
えることは実質的に困難であり、高精度の電位差測定を
実現することができない。しかも、各々のシャント抵抗
に接続する検出回路にて測定される電位差を比較対照し
て、わずかな漏電を検出するためには互いの検出回路を
非常に複雑な電気回路にて接続することが必要となり、
実用性の高い直流電流センサーとして提供することは困
難である。
【0008】マグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ
方式においては、検出回路と被検出導線との電気的な絶
縁が可能であるが、先に説明した通り、被検出導線に流
れる直流電流にて軟質磁性材料のコアをほぼ飽和磁束密
度(Bs)付近にまで飽和させるよう直流偏磁させるこ
とが必要である。パーマロイ等の公知の軟質磁性材料を
コアとして用いた場合、例えば、被検出導線に流れる電
流が数10mA程度の場合は、該被検出導線を軟質磁性
材料のコアに数10ターンから数100ターン以上巻回
する必要があり、本来、被検出導線の1ターン貫通を要
求される漏電ブレーカー等の直流電流センサーとして使
用することは困難であった。
【0009】ホール素子方式においても、これらの検出
能力は、ホール素子の特性によって必然的に決定される
ことから、現在公知のホール素子を用いた場合、例え
ば、被検出導線に流れる電流が数10mA程度の場合
は、該被検出導線を軟質磁性材料のコアに数100ター
ンから数1000ターン以上巻回する必要があり、上記
のマグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ方式と同様
に、被検出導線の1ターン貫通を要求される漏電ブレー
カー等の直流電流センサーとして使用することは困難で
あった。
【0010】この発明は、上記の問題点を解消し、構造
が比較的簡単であり、直流の漏電ブレーカー等、特に微
小な電流の変化に対しても、優れた検出能力を有する高
感度の直流電流センサーの提供を目的とする。また、す
でに配線が完了している導線(被検出導線)への取付配
置が非常に簡便であり、汎用性の高い直流電流センサー
の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、検出コイル
をトロイダル状に巻回する環状の軟質磁性材料からなる
検出コアの内側に被検出導線を貫通配置し、これに直流
電流を流すと、その直流電流の方向に対して右回りの磁
場が発生し、検出コア内に磁束Φ0が発生するが、被検
出導線に流れる電流が直流であることから磁束Φ0は一
定であり、検出コイルには起電力が発生しないことに着
目し、上記検出コアの一部に磁気的なギャップを形成
し、この部分を磁性体にて開閉することで磁気スイッチ
を構成し、該磁気スイッチにて磁束Φ0を時間的に変化
(ON−OFF)させることによって検出コイルに起電
力を発生させることを検討した。
【0012】さらに、発明者らは、上記の構成をより実
現性の高いものとすべく種々検討した結果、機械的な磁
気スイッチにかえて、被検出導線に流れる直流電流によ
って検出コア内に発生する周方向の磁束に対して、略直
交方向に磁束を発生させ、後に詳述するこれら互いの磁
束の相互作用に基づいて前記周方向の磁束の方向を変化
させ、結果として検出コア内を通過する周方向の磁束量
を減少し、周方向の磁束による磁路を周期的に遮断する
ことで、実質的に上記の磁気スイッチと同様な作用を実
現することによって、目的が達成できることを確認し
た。
【0013】すなわち、この発明の直流電流センサー
は、環状の軟質磁性材料からなる検出コアと、該検出コ
アにトロイダル状に巻回した検出コイルを配置した構成
からなり、検出コア内側に非接触検出する直流電流が流
れる被検出導線を貫通配置する直流電流センサーにおい
て、前記被検出導線に流れる直流電流によって前記検出
コア内に発生する周方向の磁束に対して、略直交方向の
磁束を発生すべく、前記検出コアーの一部に少なくとも
一対の貫通孔を形成し、該貫通孔を介して巻回する励磁
コイルを配置するとともに、該励磁コイルに交流電流を
通電し貫通孔周辺に磁束を発生させ、これら磁束にて前
記略直交方向の磁束を形成し、さらに、該略直交方向の
磁束の磁束密度を前記周方向の磁束の磁束密度以上とす
ることで、略直交方向磁束が形成される領域への前記周
方向磁束の侵入を制限しかつ前記周方向の磁束の方向
を変化させ一部又は全部をコア外へ排出することで
出コア内を通過する周方向の磁束を減少させ実質的に
方向の磁束による磁路を周期的に遮断する構成からなる
ことを特徴とする
【0014】
【0015】さらに、この発明の直流電流センサーの具
体的な構成として、前記被検出導線に流れる直流電流に
よって前記検出コア内に発生する周方向の磁束による磁
路を周期的に遮断するため該周方向の磁束に対して略直
交方向の磁束を発生する前記励磁コイルへの交流電流印
加手段を有し、該励磁コイルの励磁時に前記周方向の
束を変調可能となし、検出コイルに励磁電流の2倍の周
波数からなる起電力を出力させて被検出導線を流れる直
流電流を検出する構成からなる直流電流センサーを提案
する。
【0016】
【0017】またすでに配線が完了している導線(被
検出導線)への取付配置が非常に簡便であり、汎用性の
高い直流電流センサーとして、上記各々の構成におい
て、検出コアが被検出導線を貫通配置する際に周方向の
少なくとも一ヶ所にて分割可能な構成であることを特徴
とする直流電流センサーを併せて提案する。
【0018】
【作用】以下、この発明の直流電流センサーの作用を図
面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の直流
電流センサーの基本的な構造を示す斜視説明図である。
図2は、図1に示すこの発明の直流電流センサーの作動
原理を説明する、部分説明図である。図3及び図4は、
この構成における励磁電流と検出コアを通過する磁束、
さらに検出コアに発生する起電力の関係を示している。
図1において、1は環状の軟質磁性材料からなる検出コ
ア2の内側に貫通配置する被検出導線である。3a,3
bは、検出コア2の対向する側面にそれぞれトロイダル
状に巻回する検出コイルであり、被検出導線1と電気的
な絶縁を確保して所定の検出回路(図示せず)に接続す
る。5a,5bは、それぞれ前記検出コイル3a,3b
が巻回されている以外の検出コア2の対向側面に形成さ
れる複数の貫通孔4を介して巻回される励磁コイルであ
る。この構成において、被検出導線1に直流電流Iが流
れると、検出コア2内に直流電流Iの方向に対して右回
りの磁場が発生し、検出コア2内に磁束Φ0が発生す
る。このような状態において、励磁コイル5a,5bに
電流が流れていない場合は、複数の貫通孔4は検出コア
2の幅寸法に対して十分小さいため、磁束Φ 0 が検出コ
ア2の周方向へ通過するに際し実質的に磁気抵抗となら
ず、磁束Φ0が容易に通過し、検出コア2の周方向に磁
路を形成することとなる。しかし、励磁コイル5a,5
bに所定の交流電流を通電すると、検出コア2に形成さ
れた複数の貫通孔4の周辺に磁束が発生し、この磁束が
磁束Φ 0 に対する磁気抵抗として作用する。上記交流電
流の通電量が小さい場合は貫通孔4周辺に発生する磁束
の形成領域も狭く、磁気抵抗としての作用も小さい。交
流電流の通電量が大きくなるに従って、貫通孔4周辺に
発生する磁束の形成領域も拡大し、実質的に図2の破線
に示すような検出コア2の周方向の一部において幅方向
(図中上下方向)全域に作用する前記磁束Φ0と略直交
方向の磁束Φ2が形成される。被検出導線1に流れる直
流電流Iに基づく磁束Φ0と、励磁コイル5a,5bに
流れる交流電流に基づく磁束Φ2は、互いに方向が直交
し、かつ磁束Φ 2 の磁束密度が磁束Φ 0 の磁束密度以上
磁束Φ0 磁束密度≦磁束Φ2 磁束密度)となると実
質的に磁束Φ0が検出コア2内を直進することができな
くなる。すなわち、磁力線は交差できないという基本法
則に基づき、磁束Φ 0 は前記略直交方向の磁束Φ 2 が形成
されている領域へは浸入できなくなる。さらに、磁束Φ
0 は、被検出導線に流れる直流電流による磁界と励磁コ
イルに流れる交流電流による磁界との相互作用によりそ
の方向を検出コア2の幅方向に変化させ、その一部又は
全部がコア外へ排出される。従って、結果として該部分
にて検出コア内を通過する周方向の磁束が減少し、実質
的に検出コア2の周方向に形成する磁路を遮断する磁気
的なギャップを周期的に形成することとなる。
【0019】すなわち、励磁コイル5に所定の交流電流
を通電して検出コア2内に図中α方向に変化する磁束Φ
2を形成すると、複数の貫通孔4の周辺において、検出
コア内を通過する磁束Φ0はΦ1にまで減少し、実質的に
磁気的なギャップを形成することとなる。ここで、励磁
コイル5に通電する交流電流を周波数f0とし、その電
流のピーク値近傍で被検出導線1に流れる直流電流Iに
基づく磁束Φ0と励磁コイル5a,5bに流れる交流電
流に基づく磁束Φ2との各々磁束密度がほぼ同程度にな
るようにすると、図3に示すように被検出導線1に流れ
る直流電流Iがプラス(+)の向き(図中上向き)の場
合、図4に示すように被検出導線1に流れる直流電流I
がマイナス(−)の向き(図中下向き)の場合ともに、
励磁電流1周期で2回磁束Φ0と磁束Φ2との磁束密度が
ほぼ同程度となる。図3に示すように被検出導線1に流
れる直流電流Iがプラス(+)の向き(図中上向き)の
場合、この磁束Φ2の作用により、検出コア2に発生し
た被検出導線1に流れる直流電流Iによって発生する磁
束Φ0は、図3のBに示すように2f0の周波数でΦ1
まで減少する。すなわち、2f0で変調されることとな
る。従って、上記磁束の変化に伴い図3のCに示すよう
に周波数2f0の電圧VDETが検出コイル3に発生するこ
とになる。
【0020】また、図4に示すように被検出導線1に流
れる直流電流Iがマイナス(−)の向き(図中下向き)
の場合も、直流電流Iがプラス(+)の向き(図中上向
き)の場合と実質的に同様な作用となるが、直流電流I
の向きが反対となることから、検出コア2に発生する磁
束の向きも反対となり、検出コイル3に発生する周波数
2f0の電圧VDETの位相がそれぞれ180度異なること
になる。しかし、被検出導線1に流れる直流電流Iの向
きにかかわらず、いずれの場合も磁束Φ0∝直流電流
I、電圧VDET∝磁束Φ0との関係から電圧VDET∝直流
電流Iとなり、被検出導線1に流れる直流電流Iに比例
した起電力を検出コイル3によって検出することが可能
となり、被検出導線1に流れる直流電流Iの絶対値を知
ることができる。
【0021】さらに、励磁コイル5a,5bによって発
生する磁束Φ2の方向は、被検出導線1に流れる直流電
流Iによって発生する磁束Φ0と互いに直角方向である
ことから、基本的には磁束Φ2は検出コイル3a,3b
を通過しないことから、検出コイル3a,3bには励磁
コイル5a,5bに印加する励磁電流による起電力は発
生することなく、被検出導線1に流れる直流電流I=0
の時は、VDET=0となる。また、検出コイル3a,3
bに発生する起電力VDETの周波数は2f0であり、励磁
コイル5a,5bに印加する励磁電流の周波数f0と異
なることから、たとえ、検出コア2に形成される貫通孔
4の形状、寸法等の精度によって励磁磁束が漏洩して検
出コイル3a,3bにて検出されても、漏れ成分はその
周波数がf0であることから、周波数判別フィルター等
により容易に分離できるため、高感度の直流電流センサ
ーとして使用することができることを確認した。
【0022】図5に示す直流電流センサーは、この発明
の他の実施例を示す斜視説明図であり、図1の構成に比
べ非常にシンプルな構成からなる。図5において、1は
環状の軟質磁性材料からなる検出コア2の内側に貫通配
置する被検出導線である。3は、検出コア2の周方向の
一部にトロイダル状に巻回する検出コイルであり、被検
出導線1と電気的な絶縁を確保して所定の検出回路(図
示せず)に接続する。5は、前記検出コイル3が巻回さ
れていない部分に形成される一対の貫通孔4を介して巻
回される励磁コイルである。この構成において、被検出
導線1に直流電流Iが流れると、検出コア2内に直流電
流Iの方向に対して右回りの磁場が発生し、検出コア2
内に磁束Φ0が発生する。このような状態において、励
磁コイル5に所定の交流電流を通電すると、検出コア2
に形成された一対の貫通孔4の周辺に磁束Φ2が発生
し、図1の構成からなる直流電流センサーと同様な作用
によって磁束Φ0が検出コア2内を直進することができ
なくなり、結果として該部分にて検出コア2の周方向に
形成する磁路を遮断する磁気的なギャップを周期的に形
成することとなる。
【0023】すなわち、図5に示す直流電流センサーに
おいても、検出コイル3への起電力発生のメカニズムは
図1に示す構成の直流電流センサーと同様であり、この
メカニズムに基づく効果も同様に得られる。この構成か
らなる直流電流センサーは、検出コア2に配置する検出
コイル3及び励磁コイル5が一ヶ所のみに配置されるこ
とから、全体的な構成が被検出導線1に対して対称でな
く直流電流センサーとしての電磁気的のバランスが必ず
しも良好ではない。したがって、図1に示す構成の直流
電流センサーと比べ出力特性の精度や安定性の点では若
干低下するが、特に、環状の軟質磁性材料からなる検出
コア2が、所定の厚さに圧延加工された軟質磁性材料板
を単に偏平リング状にプレス打ち抜きすることによって
容易に得ることができることから、量産性に富み安価な
直流電流センサーの提供を可能とする。
【0024】以上に説明した直流電流センサーでは、い
ずれの構成においても容易に検出導線1に流れる直流電
流の検出を可能とするが、被検出導線1を貫通配置する
検出コア2が一体品にて形成されていることから、すで
に配線が完了している導線(被検出導線1)への取付配
置は非常に煩雑な作業となり、特に、使用中の導線への
取付配置は全く不可能であり、また、導線の切断・接続
が困難な配線部への取付配置も実質的に不可能である。
この発明は、さらに上記の問題点を解決する構成からな
る直流電流センサーを併せて提案する。すなわち、上記
の構成からなる直流電流センサーにおいて、予め、検出
コアを周方向の少なくとも一ヶ所で分割可能な構成とし
ておくことによって、被検出導線の周囲をこれらの分割
された個々の検出コアにて囲い、実質的にこれらの検出
コアの内側に被検出導線を切断することなく貫通配置し
た後、個々の検出コアを一体化することによって、先に
説明した種々の構成からなる直流電流センサーの本来有
する長所を阻害することなく、有効に発現することが可
能となるのである。
【0025】この検出コアを分割可能にした構成は、被
検出導線に流れる直流電流によって検出コアの周方向に
発生する磁束に対して、略直交方向に磁束を発生させ、
これら互いの磁束に基づき図1の構成からなる直流電流
センサーと同様な作用によって検出コアの一部に周期的
に磁気的なギャップを形成する手段を有する構成であれ
ば、以上に説明した構成からなる直流電流センサーに限
定されることなく、目的とする作用、効果を得ることが
できる。また、この検出コアを分割可能にした構成は、
該検出コアが周方向の少なくとも一ヶ所で分割可能な構
成であれば、分割数、分割構成等は後述する実施例に限
定されるものではないが、通常、構成に基づく電気的な
安定性や、被検出導線を貫通配置した後の一体化作業等
を考慮すると、実施例に示す如く、分割後の検出コアが
実質的に同形状になるよう一対に分割するのが好まし
い。
【0026】以下図6の斜視説明図に基づいて詳細に説
明する。図6の斜視説明図に示すこの発明の一実施例
は、基本的な構成は先に説明した図1の構成からなる直
流電流センサーと同様である。すなわち、1は被検出導
線であり、環状(矩形枠状)の検出コア2の内側中央部
に貫通配置している。ただし、この構成においては、検
出コア2はそれぞれ一対に分割されており、該一対のく
字型検出コア部2a,2bの先端には、取付部6a,6
bが形成されており、被検出導線1を所定位置に配置し
た後、ねじ7にて一体化したものである。3a,3b
は、検出コア2の対向する側面にそれぞれトロイダル状
に巻回する検出コイルであり、被検出導線1と電気的な
絶縁を確保して所定の検出回路(図示せず)に接続す
る。5a,5bは、それぞれ前記検出コイル3a,3b
が巻回されている以外の検出コア2の対向側面に形成さ
れる複数の貫通孔4を介して巻回される励磁コイルであ
る。これらの検出コイル3a,3b及び励磁コイル5
a,5bは、図示のようにそれぞれ分割可能な一対のく
字型検出コア部2a,2bに一対づつ配置されている。
以上に示す検出コアが分割可能に配置されるこの発明の
直流電流センサーにおいても、一対の検出コイル3a,
3bへの起電力発生のメカニズムは図1に示す構成と同
様であり、このメカニズムに基づく効果も同様に得られ
る。図7の斜視説明図にて示す他の実施例では、図6の
構成からなる直流電流センサーと基本的な構成、超電力
発生のメカニズムは同様であるが、検出コア2の分割箇
所が異なる。すなわち、一対のコ字型検出コア部2a,
2bの各々先端部に形成された取付部6a,6bを被検
出導線1を配置した後、ねじ7にて一体化する構成であ
り、特に、各々検出コア部2a,2bにそれぞれ、検出
コイル3a,3a’及び3b,3b’を配置することか
ら、図6の構成に比べ、より一層電気的バランスが良
く、安定した検出が可能となる。図8の斜視説明図にて
示す一実施例は図5の構成を基本的な構成とするもの
で、環状の検出コア2を一対のC字型検出コア部2a,
2bにて構成するもので各々先端部6a,6bをねじ7
にて一体化してなる。なお、各々検出コア部2a,2b
には、あらかじめ励磁コイル5a,5b検出コイル3
a,3a’,3b,3b’が配置されている。すなわ
ち、一対のC字型検出コア部2a,2bに被検出導線1
を配置した後、ねじ7にて一体化することによって、図
5の構成からなる直流電流センサーと同様なメカニズム
にて、各検出コイル3a,3a’,3b,3b’に起電
力を発生することが可能となる。
【0027】以上に示す検出コアが分割可能に配置され
る構成を含むこの発明の直流電流センサーは、いずれの
構成においても検出コアとして環状の軟質磁性材料を必
須とするが、被検出導線に流れる電流の大きさ、すなわ
ちセンサーに要求される検出感度等に応じて種々の軟質
磁性材料の材質を選定することが好ましい。通常、磁気
特性とともに加工性等を考慮するとパーマロイが好まし
いが、その他ケイ素鋼板、アモルファス、電磁軟鉄、ソ
フトフェライト等の公知の軟質磁性材料の使用が可能で
あり、これらを組み合せて用いても良い。また、上記の
直流電流センサーにおいて、環状の軟質磁性材料とは、
軟質磁性材料が所謂リング状になっていることに限定さ
れるものでなく、軟質磁性材料が電磁気的な閉回路を構
成できるように接続されていれば良く、図示の如く円環
状の他、楕円環状、矩形枠状、偏平リング状等種々の構
成が採用できる。
【0028】また、検出コア内に形成される磁気的なギ
ャップは、検出コア内の一箇所に限定されるものでな
く、複数箇所でもよく、先に説明した種々の構成に示す
如く、電磁気的なバランスを考慮して、その形成箇所を
設定することが望ましい。すなわち、貫通孔の形成箇
所、数量、寸法等とともに、目的とする検出コア内の周
方向に形成される磁路を遮断可能な磁束が発生するよう
励磁コイルの巻数等を要求される諸特性に応じて選定す
ることが望ましい。さらに、前記軟質磁性材料の材質と
ともに、軟質磁性材料の形状寸法、検出コイルの巻数等
の最適条件を選定することによって、一層実用性の高い
センサーの提供を可能とすることができる。
【0029】さらに、上記のいずれの構成においても、
検出コア内を貫通する被検出導体も1本に限定されるも
のでなく、要求されるセンサーの大きさに応じて複数本
貫通させても良いが、被検出導体を1本にすることによ
ってこれらの構成からなる直流電流センサーの効果を最
も効果的に発現することができる。
【0030】さらに、これらの直流電流センサーの実用
性を高めるために、電流の方向性を検知する手段を付加
したり、コア自体が有するヒステリシスに起因する出力
特性のヒステリシスを一層低減させる手段を付加したり
することによって、この直流電流センサーの用途を一層
拡大することが可能となる。また、これらの直流電流セ
ンサーをインバーター機器に組込んで使用する場合に
は、特に、スイッチングノイズの混入を防止するため
に、検出回路の電源ラインにノイズフィルターを挿入す
ることが有効であるが、種々の構成からなるこの発明の
直流電流センサーを、パーマロイや無方向性ケイ素鋼板
等からなるシールドケース(図示せず)にて覆い、誘導
ノイズの混入を防止することが望ましい。
【0031】
【実施例】
実施例1 パーマロイC(78%Ni−5%Mo−4%Cu−ba
lFe)からなる厚さ0.35mmの薄板から図1に示
す形状からなる環状(矩形枠状)の検出コア材を得た。
但し、W=15mm、H=15mm、L=20mmであ
る。また、貫通孔4は内径1mmとし、それぞれ周方向
の磁路を遮断する箇所毎(図においては2箇所)に各々
6個の貫通孔を3個づづ並列して対向するように形成し
た。さらに、上記の検出コア材を、水素ガス雰囲気にて
1100℃×3hrの熱処理を施した後、600℃〜4
00℃の間を100℃/hrで多段の冷却処理を施す熱
処理を完了させ、この発明の直流電流センサーを構成す
る検出コア2を得た。上記コア検出2に絶縁性の保護ビ
ニールテープを巻回した後、外径0.3mmのホルマル
線をそれぞれ40ターンづづ巻回して検出コイル3a,
3bとした。また、貫通孔4を介して外径0.4mmの
ホルマル線をそれぞれ巻回して励磁コイル5a,5bと
した。さらに、上記検出コア2の内側に外径9.0mm
のビニール被覆からなる被検出導線1を貫通配置した。
上記励磁コイル5a,5bに励磁電流としてf=5.2
5kHz、300mAの交流電流を印加したところ、被
検出導線1に直流電流を流さない時には、残留ノイズの
影響であると思われるが、検出コイル3(図中3aと3
bの各々の合計値)にVDET=0.5mVの出力が検出
されたが、被検出導線1に50mAの直流電流Iを流し
た時には、検出コイル3にVDET=5mVの出力が検出
され、この発明の直流電流センサーが実用性に優れてい
ることを確認できた。
【0032】実施例2 実施例1の直流電流センサーにおいて、被検出導線に±
100mAの範囲で直流電流Iを増減させて流した時
に、検出コイルに出力される起電力(出力)VDETの変
化を図9に示す。また、図7に示す検出コア2を分割可
能とした構成においても、ほぼ同様な検出が可能である
ことを確認した。
【0033】
【発明の効果】この発明の直流電流センサーは、微小な
電流の変化に対しても、優れた検出能力を有することか
ら、直流の漏電ブレーカー等に使用した際には、検出コ
ア内に貫通配置する被検出導体をコアに巻回せず、1本
貫通させるだけでも要求される直流電流の検出が達成で
き、構造が比較的簡単であり、安価な直流電流センサー
の提供を可能とする。また、励磁コイルに入力する励磁
電力が比較的小さくても目的とする検出が可能であり、
検出回路等の小型化が可能であり、しいては直流電流セ
ンサー全体の小型化が達成できる。さらに、直流電流セ
ンサーを構成する検出コアが、周方向の少なくとも一ヶ
所にて分割可能に構成されている場合は、予め配線が完
了している被検出導線への取付配置が非常に簡便とな
り、直流電流センサーの用途を一層拡大することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の直流電流センサーの一実施例を示す
斜視説明図である。
【図2】図1に示す直流電流センサーの作動原理を説明
する部分説明図である。
【図3】図1に示す直流電流センサー構成における励磁
コアに印加された励磁電力の周波数と検出コアを通過す
る磁束、検出コイルの起電力との関係を示すグラフであ
り、Aは励磁電流の時間的変位、Bは検出コアを通過す
る磁束の時間的変位、Cは検出コイルの起電力と時間的
変位の関係を示す。
【図4】図1に示す直流電流センサー構成における励磁
コアに印加された励磁電力の周波数と検出コアを通過す
る磁束、検出コイルの起電力との関係を示すグラフであ
り、Aは励磁電流の時間的変位、Bは検出コアを通過す
る磁束の時間的変位、Cは検出コイルの起電力と時間的
変位の関係を示す。
【図5】この発明の直流電流センサーの他の実施例を示
す斜視説明図である。
【図6】この発明による分割型の直流電流センサーの実
施例を示す斜視説明図である。
【図7】この発明による分割型の直流電流センサーの他
の実施例を示す斜視説明図である。
【図8】この発明による分割型の直流電流センサーの他
の実施例を示す斜視説明図である。
【図9】図1示すこの発明の直流電流センサーにおける
被検出導線1に流れる直流電流と出力との関係を示す線
グラフである。
【符号の説明】 1 被検出導線 2 検出コア 3,3a,3a’,3b,3b’ 検出コイル 4 貫通孔 5,5a,5b 励磁コイル 6a,6b 取付部 7 ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 19/00 G01R 15/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の軟質磁性材料からなる検出コア
    と、該検出コアにトロイダル状に巻回した検出コイルを
    配置した構成からなり、検出コア内側に非接触検出する
    直流電流が流れる被検出導線を貫通配置する直流電流セ
    ンサーにおいて、前記被検出導線に流れる直流電流によ
    って前記検出コア内に発生する周方向の磁束に対して、
    略直交方向の磁束を発生すべく、前記検出コアーの一部
    に少なくとも一対の貫通孔を形成し、該貫通孔を介して
    巻回する励磁コイルを配置するとともに、該励磁コイル
    に交流電流を通電し貫通孔周辺に磁束を発生させ、これ
    ら磁束にて前記略直交方向の磁束を形成し、さらに、該
    略直交方向の磁束の磁束密度を前記周方向の磁束の磁束
    密度以上とすることで、略直交方向磁束が形成される領
    域への前記周方向磁束の侵入を制限しかつ前記周方向
    の磁束の方向を変化させ一部又は全部をコア外へ排出す
    ることで検出コア内を通過する周方向の磁束を減少さ
    せ実質的に周方向の磁束による磁路を周期的に遮断する
    構成からなることを特徴とする直流電流センサー。
  2. 【請求項2】 前記被検出導線に流れる直流電流によっ
    て前記検出コア内に発生する周方向の磁束による磁路を
    周期的に遮断するため該周方向の磁束に対して略直交方
    向の磁束を発生する前記励磁コイルへの交流電流印加手
    段を有し、該励磁コイルの励磁時に前記周方向の磁束を
    変調可能となし、検出コイルに励磁電流の2倍の周波数
    からなる起電力を出力させて被検出導線を流れる直流電
    流を検出する構成からなる請求項に記載の直流電流セ
    ンサー。
  3. 【請求項3】 検出コアが被検出導線を貫通配置する際
    に周方向の少なくとも一ヶ所にて分割可能な構成である
    ことを特徴とする請求項1に記載の直流電流センサー。
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