JP3093531B2 - 直流電流センサー - Google Patents
直流電流センサーInfo
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- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F38/00—Adaptations of transformers or inductances for specific applications or functions
- H01F38/20—Instruments transformers
- H01F38/22—Instruments transformers for single phase AC
- H01F38/28—Current transformers
- H01F38/30—Constructions
- H01F2038/305—Constructions with toroidal magnetic core
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- Transformers For Measuring Instruments (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直流の漏電ブレーカ
ー等の直流電流センサーに係り、構造が比較的簡単であ
り、特に微小な電流の変化に対しても、優れた検出能力
を有し、微小電流の絶対値とともにその方向の検出をも
可能とする高感度の直流電流センサーに関する。
ー等の直流電流センサーに係り、構造が比較的簡単であ
り、特に微小な電流の変化に対しても、優れた検出能力
を有し、微小電流の絶対値とともにその方向の検出をも
可能とする高感度の直流電流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、インバーターを内蔵した電気機
器や電気自動車等、直流を使用した機器が増加している
が、これらの各種機器に組込まれている直流モータの負
荷を検知し、所要の制御を行うためのセンサーや、直流
漏電ブレーカー等に使用される直流電流センサーの必要
性が高まってきた。
器や電気自動車等、直流を使用した機器が増加している
が、これらの各種機器に組込まれている直流モータの負
荷を検知し、所要の制御を行うためのセンサーや、直流
漏電ブレーカー等に使用される直流電流センサーの必要
性が高まってきた。
【0003】交流の漏電ブレーカー等に用いられる電流
センサーとしては、カレントトランスを応用したものが
広く知られている。しかし、先に説明した直流を使用し
た機器に用いる漏電ブレーカー等にはこの構成を採用す
ることができず、従来から直流電流センサーとして知ら
れるシャント抵抗方式、マグアンプ方式、磁気マルチバ
イブレータ方式(特開昭47−1644号、特開昭53
−31176号、特開昭59−46859号)、ホール
素子方式等の採用が検討されている。
センサーとしては、カレントトランスを応用したものが
広く知られている。しかし、先に説明した直流を使用し
た機器に用いる漏電ブレーカー等にはこの構成を採用す
ることができず、従来から直流電流センサーとして知ら
れるシャント抵抗方式、マグアンプ方式、磁気マルチバ
イブレータ方式(特開昭47−1644号、特開昭53
−31176号、特開昭59−46859号)、ホール
素子方式等の採用が検討されている。
【0004】シャント抵抗方式は、被検出導線に直列に
シャント抵抗を配置し、該シャント抵抗の両端部に発生
する電位差を検出する方式である。また、マグアンプ方
式、磁気マルチバイブレータ方式は、いずれもトロイダ
ル状に検出コイルを巻回してなる軟質磁性材料のコアを
用い、そのコアの内側に被検出導線を貫通させ、該被検
出導線に流れる直流電流にて軟質磁性材料のコアを飽和
磁束密度(Bs)以内で直流偏磁させることにより、予
めコアに巻回されたコイルに交流電流を通電することに
より発生した交番磁束が正、負の方向で飽和に達する時
間にアンバランスを発生させ、その変化を前記検出コイ
ルにて検出する方式であり、前者の方式では予めコア内
に磁束変化を与えるため、コアに励磁コイルを巻回して
所定値の交流電流を通電する構成を採用するものである
が、後者の方式では検出コイルと接続する回路中の半導
体等の作用により自励発振させ、被検出電流に応じて発
振波形のデューティー比を変えて発振する構成からなっ
ている。
シャント抵抗を配置し、該シャント抵抗の両端部に発生
する電位差を検出する方式である。また、マグアンプ方
式、磁気マルチバイブレータ方式は、いずれもトロイダ
ル状に検出コイルを巻回してなる軟質磁性材料のコアを
用い、そのコアの内側に被検出導線を貫通させ、該被検
出導線に流れる直流電流にて軟質磁性材料のコアを飽和
磁束密度(Bs)以内で直流偏磁させることにより、予
めコアに巻回されたコイルに交流電流を通電することに
より発生した交番磁束が正、負の方向で飽和に達する時
間にアンバランスを発生させ、その変化を前記検出コイ
ルにて検出する方式であり、前者の方式では予めコア内
に磁束変化を与えるため、コアに励磁コイルを巻回して
所定値の交流電流を通電する構成を採用するものである
が、後者の方式では検出コイルと接続する回路中の半導
体等の作用により自励発振させ、被検出電流に応じて発
振波形のデューティー比を変えて発振する構成からなっ
ている。
【0005】さらに、ホール素子方式は、一部にホール
素子を配置する空隙部を形成してなる軟質磁性材料のコ
アに直接被検出導線をトロイダル状に巻回し、該被検出
導線に流れる直流電流の変化に基づくコア内の磁束変化
を直接ホール素子にて検知する構成からなっている。
素子を配置する空隙部を形成してなる軟質磁性材料のコ
アに直接被検出導線をトロイダル状に巻回し、該被検出
導線に流れる直流電流の変化に基づくコア内の磁束変化
を直接ホール素子にて検知する構成からなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各方式
からなる直流電流センサーは、以下の理由により直流漏
電ブレーカー等の微小な電流の変化に対応できる構成と
は言い難く、高感度の直流電流センサーとして実用に至
っていないのが現状である。すなわち、シャント抵抗方
式では、シャント抵抗自体が被検出導線を含む回路中に
電気的な抵抗として配置されるため、該回路における電
気的な損失が増大し、電気的な効率が悪いという欠点を
有している。また、上記電気抵抗の両端に発生した電位
差を検出するための検出回路が被検出導線に直接接続さ
れるため、これら検出回路と被検出導線との電気的な絶
縁が困難であり、例えば、該検出回路とマイコン制御回
路等の応用回路と直接接続することができず、汎用性に
乏しいという欠点をも有している。
からなる直流電流センサーは、以下の理由により直流漏
電ブレーカー等の微小な電流の変化に対応できる構成と
は言い難く、高感度の直流電流センサーとして実用に至
っていないのが現状である。すなわち、シャント抵抗方
式では、シャント抵抗自体が被検出導線を含む回路中に
電気的な抵抗として配置されるため、該回路における電
気的な損失が増大し、電気的な効率が悪いという欠点を
有している。また、上記電気抵抗の両端に発生した電位
差を検出するための検出回路が被検出導線に直接接続さ
れるため、これら検出回路と被検出導線との電気的な絶
縁が困難であり、例えば、該検出回路とマイコン制御回
路等の応用回路と直接接続することができず、汎用性に
乏しいという欠点をも有している。
【0007】このような欠点を有するとともに、このシ
ャント抵抗方式を漏電ブレーカーに採用するためには、
被検出導線の回路中に2つのシャント抵抗を配置するこ
とが必要となるが、各々のシャント抵抗を同一特性に揃
えることは実質的に困難であり、高精度の電位差測定を
実現することができない。しかも、各々のシャント抵抗
に接続する検出回路にて測定される電位差を比較対照し
て、わずかな漏電を検出するためには互いの検出回路を
非常に複雑な電気回路にて接続することが必要となり、
実用性の高い直流電流センサーとして提供することは困
難である。
ャント抵抗方式を漏電ブレーカーに採用するためには、
被検出導線の回路中に2つのシャント抵抗を配置するこ
とが必要となるが、各々のシャント抵抗を同一特性に揃
えることは実質的に困難であり、高精度の電位差測定を
実現することができない。しかも、各々のシャント抵抗
に接続する検出回路にて測定される電位差を比較対照し
て、わずかな漏電を検出するためには互いの検出回路を
非常に複雑な電気回路にて接続することが必要となり、
実用性の高い直流電流センサーとして提供することは困
難である。
【0008】マグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ
方式においては、検出回路と被検出導線との電気的な絶
縁が可能であるが、先に説明した通り、被検出導線に流
れる直流電流にて軟質磁性材料のコアをほぼ飽和磁束密
度(Bs)付近にまで飽和させるよう直流偏磁させるこ
とが必要である。パーマロイ等の公知の軟質磁性材料を
コアとして用いた場合、例えば、被検出導線に流れる電
流が数10mA程度の場合は、該被検出導線を軟質磁性
材料のコアに数10ターンから数100ターン以上巻回
する必要があり、本来、被検出導線の1ターン貫通を要
求される漏電ブレーカー等の直流電流センサーとして使
用することは困難であった。
方式においては、検出回路と被検出導線との電気的な絶
縁が可能であるが、先に説明した通り、被検出導線に流
れる直流電流にて軟質磁性材料のコアをほぼ飽和磁束密
度(Bs)付近にまで飽和させるよう直流偏磁させるこ
とが必要である。パーマロイ等の公知の軟質磁性材料を
コアとして用いた場合、例えば、被検出導線に流れる電
流が数10mA程度の場合は、該被検出導線を軟質磁性
材料のコアに数10ターンから数100ターン以上巻回
する必要があり、本来、被検出導線の1ターン貫通を要
求される漏電ブレーカー等の直流電流センサーとして使
用することは困難であった。
【0009】ホール素子方式においても、これらの検出
能力は、ホール素子の特性によって必然的に決定される
ことから、現在公知のホール素子を用いた場合、例え
ば、被検出導線に流れる電流が数10mA程度の場合
は、該被検出導線を軟質磁性材料のコアに数100ター
ンから数1000ターン以上巻回する必要があり、上記
のマグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ方式と同様
に、被検出導線の1ターン貫通を要求される漏電ブレー
カー等の直流電流センサーとして使用することは困難で
あった。
能力は、ホール素子の特性によって必然的に決定される
ことから、現在公知のホール素子を用いた場合、例え
ば、被検出導線に流れる電流が数10mA程度の場合
は、該被検出導線を軟質磁性材料のコアに数100ター
ンから数1000ターン以上巻回する必要があり、上記
のマグアンプ方式、磁気マルチバイブレータ方式と同様
に、被検出導線の1ターン貫通を要求される漏電ブレー
カー等の直流電流センサーとして使用することは困難で
あった。
【0010】この発明は、上記の問題点を解消し、構造
が比較的簡単であり、直流の漏電ブレーカー等、特に微
小な電流の変化に対しても、優れた検出能力を有し、微
小電流の絶対値とともにその向きの検出をも可能とする
高感度の直流電流センサーの提供を目的とする。
が比較的簡単であり、直流の漏電ブレーカー等、特に微
小な電流の変化に対しても、優れた検出能力を有し、微
小電流の絶対値とともにその向きの検出をも可能とする
高感度の直流電流センサーの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、検出コイル
をトロイダル状に巻回する環状の軟質磁性材料からなる
検出コアの内側に被検出導線を貫通配置し、これに直流
電流を流すと、その直流電流の方向に対して右回りの磁
場が発生し、検出コア内に磁束Φ0が発生するが、被検
出導線に流れる電流が直流であることから磁束Φ0は一
定であり、検出コイルには起電力が発生しないことに着
目し、上記検出コアの一部に磁気的なギャップを形成
し、この部分を磁性体にて開閉することで磁気スイッチ
を構成し、該磁気スイッチにて磁束Φ0を時間的に変化
(ON−OFF)させることによって検出コイルに起電
力を発生させることを検討した。
をトロイダル状に巻回する環状の軟質磁性材料からなる
検出コアの内側に被検出導線を貫通配置し、これに直流
電流を流すと、その直流電流の方向に対して右回りの磁
場が発生し、検出コア内に磁束Φ0が発生するが、被検
出導線に流れる電流が直流であることから磁束Φ0は一
定であり、検出コイルには起電力が発生しないことに着
目し、上記検出コアの一部に磁気的なギャップを形成
し、この部分を磁性体にて開閉することで磁気スイッチ
を構成し、該磁気スイッチにて磁束Φ0を時間的に変化
(ON−OFF)させることによって検出コイルに起電
力を発生させることを検討した。
【0012】さらに、発明者らは、上記の構成をより実
現性の高いものとすべく種々検討した結果、機械的な磁
気スイッチにかえて、被検出導線に流れる直流電流によ
って検出コア内に発生する周方向の磁束に対して、略直
交方向に発生する磁束によって前記検出コアの一部に周
期的に磁気的なギャップを形成する手段を配置し、実質
的に上記の磁気スイッチと同様な作用を実現することに
よって、目的が達成できることを確認した。具体的な構
成としては、検出コアの一部に、検出コアの周方向に対
して直角方向に接続して環状を形成する軟質磁性材料か
らなる励磁コアを一体的に配置するとともに、励磁コア
に励磁コイルをトロイダル状に巻回配置し、さらに該励
磁コイルに交流電流を印加することによって励磁コアを
検出コアの周方向に対して直角方向に励磁し、検出コア
と励磁コアとの直交部を周期的に磁気的に飽和させるこ
とによって、この磁気的に飽和した直交部分を実質的な
磁気的なギャップとする構成が採用できる。すなわち、
上記検出コアの磁気的に飽和した直交部分の比透磁率μ
は限りなく1に近づくことから、この磁気的に飽和した
部分が磁気的なギャップと同様な機能を果たし、検出コ
ア内の磁束Φ0が一定周期にて減少し、その磁束の変化
に伴い検出コイルに起電力を発生させることが可能とな
ったのである。
現性の高いものとすべく種々検討した結果、機械的な磁
気スイッチにかえて、被検出導線に流れる直流電流によ
って検出コア内に発生する周方向の磁束に対して、略直
交方向に発生する磁束によって前記検出コアの一部に周
期的に磁気的なギャップを形成する手段を配置し、実質
的に上記の磁気スイッチと同様な作用を実現することに
よって、目的が達成できることを確認した。具体的な構
成としては、検出コアの一部に、検出コアの周方向に対
して直角方向に接続して環状を形成する軟質磁性材料か
らなる励磁コアを一体的に配置するとともに、励磁コア
に励磁コイルをトロイダル状に巻回配置し、さらに該励
磁コイルに交流電流を印加することによって励磁コアを
検出コアの周方向に対して直角方向に励磁し、検出コア
と励磁コアとの直交部を周期的に磁気的に飽和させるこ
とによって、この磁気的に飽和した直交部分を実質的な
磁気的なギャップとする構成が採用できる。すなわち、
上記検出コアの磁気的に飽和した直交部分の比透磁率μ
は限りなく1に近づくことから、この磁気的に飽和した
部分が磁気的なギャップと同様な機能を果たし、検出コ
ア内の磁束Φ0が一定周期にて減少し、その磁束の変化
に伴い検出コイルに起電力を発生させることが可能とな
ったのである。
【0013】図2に基づいて説明すると、内側に前記被
検出導線1を貫通配置する環状の軟質磁性材料からなる
検出コア2に、検出コイル3をトロイダル状に巻回配置
するとともに、該検出コア2の一部に、検出コア2の周
方向に対して直角方向に接続して環状を形成する軟質磁
性材料からなる励磁コア4を一体的に配置してなり、か
つ該励磁コア4に励磁コイル5をトロイダル状に巻回配
置して直流電流センサーを構成し、前記励磁コイル5に
交流電流を印加することによって励磁コア4を検出コア
2の周方向に対して直角方向に励磁し、検出コア2と励
磁コア4とのコア直交部6(図中斜線部)を周期的に磁
気的に飽和させることによって、被検出導線1を流れる
直流電流Iに基づき検出コア3に発生する磁束を変調
し、検出コイルに励磁電流の2倍の周波数の起電力を出
力させることにより、被検出導線1を流れる直流電流I
を検出することが可能になったのである。
検出導線1を貫通配置する環状の軟質磁性材料からなる
検出コア2に、検出コイル3をトロイダル状に巻回配置
するとともに、該検出コア2の一部に、検出コア2の周
方向に対して直角方向に接続して環状を形成する軟質磁
性材料からなる励磁コア4を一体的に配置してなり、か
つ該励磁コア4に励磁コイル5をトロイダル状に巻回配
置して直流電流センサーを構成し、前記励磁コイル5に
交流電流を印加することによって励磁コア4を検出コア
2の周方向に対して直角方向に励磁し、検出コア2と励
磁コア4とのコア直交部6(図中斜線部)を周期的に磁
気的に飽和させることによって、被検出導線1を流れる
直流電流Iに基づき検出コア3に発生する磁束を変調
し、検出コイルに励磁電流の2倍の周波数の起電力を出
力させることにより、被検出導線1を流れる直流電流I
を検出することが可能になったのである。
【0014】さらに具体的に説明するならば、図2の構
成において、被検出導線1に直流電流Iが流れると、検
出コア2内に直流電流Iの方向に対して右回りの磁場が
発生し、検出コア内に磁束Φ0が発生する。この時、励
磁コイル5に所定の交流電流を通電して励磁コア4に周
期的に図中α方向に変化する磁束を発生し、該励磁コア
4を周期的に磁気的に飽和すると、検出コア2の周方向
の一部であるコア直交部6(図中斜線部)は比透磁率μ
rが低下し極めて1に近い所謂実質的な磁気的なギャッ
プとなり、検出コア内の磁束Φ0をΦ1にまで減少させ
る。ここで、励磁コイル5に通電する交流電流を周波数
f0とし、その電流のピーク値近傍で励磁コア4が飽和
させると、図3に被検出導線1に流れる直流電流Iがプ
ラス(+)の向き(図中上向き)の場合、図4は被検出
導線1に流れる直流電流Iがマイナス(−)の向き(図
中下向き)の場合を示すように、励磁電流1周期で2回
励磁コア4が飽和することとなる。
成において、被検出導線1に直流電流Iが流れると、検
出コア2内に直流電流Iの方向に対して右回りの磁場が
発生し、検出コア内に磁束Φ0が発生する。この時、励
磁コイル5に所定の交流電流を通電して励磁コア4に周
期的に図中α方向に変化する磁束を発生し、該励磁コア
4を周期的に磁気的に飽和すると、検出コア2の周方向
の一部であるコア直交部6(図中斜線部)は比透磁率μ
rが低下し極めて1に近い所謂実質的な磁気的なギャッ
プとなり、検出コア内の磁束Φ0をΦ1にまで減少させ
る。ここで、励磁コイル5に通電する交流電流を周波数
f0とし、その電流のピーク値近傍で励磁コア4が飽和
させると、図3に被検出導線1に流れる直流電流Iがプ
ラス(+)の向き(図中上向き)の場合、図4は被検出
導線1に流れる直流電流Iがマイナス(−)の向き(図
中下向き)の場合を示すように、励磁電流1周期で2回
励磁コア4が飽和することとなる。
【0015】図3に示すように被検出導線1に流れる直
流電流Iがプラス(+)の方向(図中上方向)の場合、
この飽和により、検出コア2に発生した被検出導線1に
流れる直流電流Iによって発生する磁束Φ0は、図3の
Bに示すように2f0の周波数でΦ1にまで減少する。す
なわち、2f0で変調されることとなる。従って、上記
磁束の変化に伴い図5のCに示すように周波数2f0の
電圧VDETが検出コイル3に発生することになる。ま
た、図4に示すように被検出導線1に流れる直流電流I
がマイナス(−)の向き(図中下向き)の場合も、直流
電流Iがプラス(+)の向き(図中上向き)の場合と実
質的に同様な作用となるが、直流電流Iの向きが反対向
きとなることから、検出コア2に発生する磁束の向きも
反対向きとなり、検出コイル3に発生する周波数2f0
の電圧VDETの位相がそれぞれ180度異なることにな
る。
流電流Iがプラス(+)の方向(図中上方向)の場合、
この飽和により、検出コア2に発生した被検出導線1に
流れる直流電流Iによって発生する磁束Φ0は、図3の
Bに示すように2f0の周波数でΦ1にまで減少する。す
なわち、2f0で変調されることとなる。従って、上記
磁束の変化に伴い図5のCに示すように周波数2f0の
電圧VDETが検出コイル3に発生することになる。ま
た、図4に示すように被検出導線1に流れる直流電流I
がマイナス(−)の向き(図中下向き)の場合も、直流
電流Iがプラス(+)の向き(図中上向き)の場合と実
質的に同様な作用となるが、直流電流Iの向きが反対向
きとなることから、検出コア2に発生する磁束の向きも
反対向きとなり、検出コイル3に発生する周波数2f0
の電圧VDETの位相がそれぞれ180度異なることにな
る。
【0016】しかし、被検出導線1に流れる直流電流I
の向きにかかわらず、いずれの場合も磁束Φ0 ∝ 直
流電流I、電圧VDET ∝ 磁束Φ0との関係から電圧V
DET∝ 直流電流Iとなり、被検出導線1に流れる直流
電流Iに比例した起電力を検出コイル3によって検出す
ることが可能となり、被検出導線1に流れる直流電流I
の絶対値を知ることができる。さらに、検出コア2と励
磁コア4とは互いに直角方向に接続されていることか
ら、基本的には励磁コア4内の励磁磁束は検出コア2側
に漏洩することはなく、検出コイル3を通過しないこと
から、検出コイル3には励磁コイル5に印加する励磁電
流による起電力は発生することなく、被検出導線1に流
れる直流電流I=0の時は、VDET=0となる。また、
検出コイル3に発生する起電力VDETの周波数は2f0で
あり、励磁コイル5に印加する励磁電流の周波数f0と
異なることから、たとえ、検出コア2と励磁コア4との
形状寸法等の精度によって励磁コア4内の励磁磁束が漏
洩されて検出コイル3にて検出されても、漏れ成分はそ
の周波数がf0であることから、周波数判別フィルター
等により容易に分離できるため、高感度の直流電流セン
サーとして使用することができることを確認した。
の向きにかかわらず、いずれの場合も磁束Φ0 ∝ 直
流電流I、電圧VDET ∝ 磁束Φ0との関係から電圧V
DET∝ 直流電流Iとなり、被検出導線1に流れる直流
電流Iに比例した起電力を検出コイル3によって検出す
ることが可能となり、被検出導線1に流れる直流電流I
の絶対値を知ることができる。さらに、検出コア2と励
磁コア4とは互いに直角方向に接続されていることか
ら、基本的には励磁コア4内の励磁磁束は検出コア2側
に漏洩することはなく、検出コイル3を通過しないこと
から、検出コイル3には励磁コイル5に印加する励磁電
流による起電力は発生することなく、被検出導線1に流
れる直流電流I=0の時は、VDET=0となる。また、
検出コイル3に発生する起電力VDETの周波数は2f0で
あり、励磁コイル5に印加する励磁電流の周波数f0と
異なることから、たとえ、検出コア2と励磁コア4との
形状寸法等の精度によって励磁コア4内の励磁磁束が漏
洩されて検出コイル3にて検出されても、漏れ成分はそ
の周波数がf0であることから、周波数判別フィルター
等により容易に分離できるため、高感度の直流電流セン
サーとして使用することができることを確認した。
【0017】さらにまた、図3、図4にて説明したよう
に被検出導線1に流れる直流電流Iの向きによって検出
コイル3に発生する周波数2f0の電圧VDETの位相がそ
れぞれ180度異なることに着目し、前記励磁コイル5
に、予め発振器から励磁電流の2倍の周波数で発振され
た励磁電流の周波数を1/2分周した状態の励磁電流を
印加し、発振器の出力と検出コイルの出力との位相差を
位相比較回路にて検出することによって、被検出導線を
流れる直流電流の絶対値とともにその向きをも容易に検
出することが可能であることを確認した。すなわち、励
磁コイル5に接続する発振器から発振される励磁電流の
周波数と検出コイル3からの出力VDETの周波数とが、
ともに最終的に励磁コイル5に印加される励磁電流の2
倍の周波数2f0となることから、これらの位相差を容
易に比較することができ、被検出導線を流れる直流電流
の絶対値とともにその向きを検出することが可能となる
のである。
に被検出導線1に流れる直流電流Iの向きによって検出
コイル3に発生する周波数2f0の電圧VDETの位相がそ
れぞれ180度異なることに着目し、前記励磁コイル5
に、予め発振器から励磁電流の2倍の周波数で発振され
た励磁電流の周波数を1/2分周した状態の励磁電流を
印加し、発振器の出力と検出コイルの出力との位相差を
位相比較回路にて検出することによって、被検出導線を
流れる直流電流の絶対値とともにその向きをも容易に検
出することが可能であることを確認した。すなわち、励
磁コイル5に接続する発振器から発振される励磁電流の
周波数と検出コイル3からの出力VDETの周波数とが、
ともに最終的に励磁コイル5に印加される励磁電流の2
倍の周波数2f0となることから、これらの位相差を容
易に比較することができ、被検出導線を流れる直流電流
の絶対値とともにその向きを検出することが可能となる
のである。
【0018】以上の説明から明らかなように、この発明
は、環状の軟質磁性材料からなる検出コアの一部に検出
コアの周方向に対して励磁コアと直交接続するコア直交
部を設けて、環状の軟質磁性材料からなる励磁コアと前
記検出コアとを一体的に配置し、各コアにそれぞれトロ
イダル状に巻回して検出コイルと励磁コイルを配置した
構成からなり、検出コア内側に非接触検出する直流電流
が流れる被検出導線を貫通配置するとともに、前記励磁
コイルに、あらかじめ発振器から励磁電流の2倍の周波
数で発振された励磁電流の周波数を1/2分周し、そのこ
とにより得られた励磁電流にてコア直交部を周期的に磁
気的に飽和させる交流電流印加手段を接続し、かつ励磁
時に被検出導線を流れる直流電流に基づき検出コアに発
生する磁束を変調可能となし、検出コイルに励磁電流の
2倍の周波数の起電力を出力させ、さらに、前記発振器
の出力と検出コイルの出力との位相差を位相比較手段に
て検出し、被検出導線を流れる直流電流の絶対値ととも
にその向きを検出することを特徴とする直流電流センサ
ーである。
は、環状の軟質磁性材料からなる検出コアの一部に検出
コアの周方向に対して励磁コアと直交接続するコア直交
部を設けて、環状の軟質磁性材料からなる励磁コアと前
記検出コアとを一体的に配置し、各コアにそれぞれトロ
イダル状に巻回して検出コイルと励磁コイルを配置した
構成からなり、検出コア内側に非接触検出する直流電流
が流れる被検出導線を貫通配置するとともに、前記励磁
コイルに、あらかじめ発振器から励磁電流の2倍の周波
数で発振された励磁電流の周波数を1/2分周し、そのこ
とにより得られた励磁電流にてコア直交部を周期的に磁
気的に飽和させる交流電流印加手段を接続し、かつ励磁
時に被検出導線を流れる直流電流に基づき検出コアに発
生する磁束を変調可能となし、検出コイルに励磁電流の
2倍の周波数の起電力を出力させ、さらに、前記発振器
の出力と検出コイルの出力との位相差を位相比較手段に
て検出し、被検出導線を流れる直流電流の絶対値ととも
にその向きを検出することを特徴とする直流電流センサ
ーである。
【0019】特に、上記構成において、検出コアの一部
に形成される検出コアと励磁コアとの直交部のみを磁気
的に飽和させ、かつ該直交部以外の励磁コア部を磁気的
に未飽和とさせることによって、該未飽和部分のコアロ
ス(鉄損)を低減し、励磁コイル5に印加する励磁電流
を小さくすることができる。従って、励磁回路の構成が
比較的簡単で、センサー全体としての消費電力も低減で
き、直流電流センサーの一層の小型化が可能となること
から、小型機器等への適用範囲が広くなり、さらに励磁
コア4における温度上昇が少ないため、該励磁コア4を
構成する軟質磁性材料の磁気特性の変化が少なく、検出
コイル3における出力の温度ドリフトも低減でき、セン
サーとしての検出精度の安定性向上を達成することがで
きる。
に形成される検出コアと励磁コアとの直交部のみを磁気
的に飽和させ、かつ該直交部以外の励磁コア部を磁気的
に未飽和とさせることによって、該未飽和部分のコアロ
ス(鉄損)を低減し、励磁コイル5に印加する励磁電流
を小さくすることができる。従って、励磁回路の構成が
比較的簡単で、センサー全体としての消費電力も低減で
き、直流電流センサーの一層の小型化が可能となること
から、小型機器等への適用範囲が広くなり、さらに励磁
コア4における温度上昇が少ないため、該励磁コア4を
構成する軟質磁性材料の磁気特性の変化が少なく、検出
コイル3における出力の温度ドリフトも低減でき、セン
サーとしての検出精度の安定性向上を達成することがで
きる。
【0020】さらに、発明者らは、上記直流電流センサ
ーにおいて、検出コア2を構成する軟質磁性材料が有す
る磁気特性(保磁力)の影響に起因するものと推測され
る、微小電流領域(±50mA程度以下)における検出
コイル3での出力電圧(起電力)のヒステリシス現象に
伴う“逆転領域”(直流電流の増加に伴い出力電圧が減
少する領域、±20mA程度の範囲)の発生を防止し、
測定時の基準レベルの変動を低減した直流電流センサー
を併せて提案する。すなわち、図5に示すように、検出
コア2に接続する励磁コア4の接続部の幅dを長くする
ことによって、検出コア2の磁路長に対する励磁コア4
の接続部の幅dの比率(磁気的なギャップの比率)を大
きくし、反磁場の効果により励磁コア4の残留磁束密度
を小さくするとともに、励磁コア4に所定方向の磁束を
発生させる励磁コイル5を検出コア2の外周で、該検出
コア2の周方向に巻回することによって、励磁コイル5
による検出コア2の脱磁効果をも併せ持つ構成とし、上
記“逆転領域”の発生を実質的に零とした直流電流セン
サーを提案するものである。図中1は被検出導線であ
り、また斜線部6はコア直交部である。
ーにおいて、検出コア2を構成する軟質磁性材料が有す
る磁気特性(保磁力)の影響に起因するものと推測され
る、微小電流領域(±50mA程度以下)における検出
コイル3での出力電圧(起電力)のヒステリシス現象に
伴う“逆転領域”(直流電流の増加に伴い出力電圧が減
少する領域、±20mA程度の範囲)の発生を防止し、
測定時の基準レベルの変動を低減した直流電流センサー
を併せて提案する。すなわち、図5に示すように、検出
コア2に接続する励磁コア4の接続部の幅dを長くする
ことによって、検出コア2の磁路長に対する励磁コア4
の接続部の幅dの比率(磁気的なギャップの比率)を大
きくし、反磁場の効果により励磁コア4の残留磁束密度
を小さくするとともに、励磁コア4に所定方向の磁束を
発生させる励磁コイル5を検出コア2の外周で、該検出
コア2の周方向に巻回することによって、励磁コイル5
による検出コア2の脱磁効果をも併せ持つ構成とし、上
記“逆転領域”の発生を実質的に零とした直流電流セン
サーを提案するものである。図中1は被検出導線であ
り、また斜線部6はコア直交部である。
【0021】この構成の直流電流センサーにおいても、
図2に示す構成の直流電流センサーと同様な起電力発生
のメカニズムにて励磁コイル5に励磁電流として周波数
f0の交流電流を印加することによって、周波数2f0の
電圧VDETが検出コイル3に発生することとなるのであ
る。従って、図5に示す構成の直流電流センサーにおい
ても、前記励磁コイル5に、予め発振器から励磁電流の
2倍の周波数で発振された励磁電流の周波数を1/2分
周した状態の励磁電流を印加し、発振器の出力と検出コ
イルの出力との位相差を位相比較手段にて検出すること
によって、被検出導線を流れる直流電流の絶対値ととも
にその向きをも容易に検出することが可能となる。すな
わち、前述と同様に励磁コイル5に接続する発振器から
発振される励磁電流の周波数と検出コイル3からの出力
VDETの周波数とが、ともに最終的に励磁コイル5に印
加される励磁電流の2倍の周波数2f0となることか
ら、発振器の周波数と検出コイル3の出力VDETの周波
数が同一となるため、これらの位相差を容易に比較する
ことができ、被検出導線を流れる直流電流の絶対値とと
もにその向きを検出することが可能となるのである。
図2に示す構成の直流電流センサーと同様な起電力発生
のメカニズムにて励磁コイル5に励磁電流として周波数
f0の交流電流を印加することによって、周波数2f0の
電圧VDETが検出コイル3に発生することとなるのであ
る。従って、図5に示す構成の直流電流センサーにおい
ても、前記励磁コイル5に、予め発振器から励磁電流の
2倍の周波数で発振された励磁電流の周波数を1/2分
周した状態の励磁電流を印加し、発振器の出力と検出コ
イルの出力との位相差を位相比較手段にて検出すること
によって、被検出導線を流れる直流電流の絶対値ととも
にその向きをも容易に検出することが可能となる。すな
わち、前述と同様に励磁コイル5に接続する発振器から
発振される励磁電流の周波数と検出コイル3からの出力
VDETの周波数とが、ともに最終的に励磁コイル5に印
加される励磁電流の2倍の周波数2f0となることか
ら、発振器の周波数と検出コイル3の出力VDETの周波
数が同一となるため、これらの位相差を容易に比較する
ことができ、被検出導線を流れる直流電流の絶対値とと
もにその向きを検出することが可能となるのである。
【0022】以上の説明から明らかなように、この発明
は、環状の軟質磁性材料からなる検出コアの一部に検出
コアの周方向に対して励磁コアと直交接続するコア直交
部を設けて、環状の軟質磁性材料からなる励磁コアと前
記検出コアとを一体的に配置し、検出コアに検出コイル
をトロイダル状に巻回配置し、かつ検出コアの外周に該
検出コアの周方向に巻回する励磁コイルを巻回配置した
構成からなり、検出コア内側に非接触検出する直流電流
が流れる被検出導線を貫通配置するとともに、前記励磁
コイルに、あらかじめ発振器から励磁電流の2倍の周波
数で発振された励磁電流の周波数を1/2分周し、そのこ
とにより得られた励磁電流にてコア直交部を周期的に磁
気的に飽和させる交流電流印加手段を接続し、かつ励磁
時に被検出導線を流れる直流電流に基づき検出コアに発
生する磁束を変調可能となし、検出コイルに励磁電流の
2倍の周波数の起電力を出力させ、さらに、前記発振器
の出力と検出コイルの出力との位相差を位相比較手段に
て検出し、被検出導線を流れる直流電流の絶対値ととも
にその向きを検出することを特徴とする直流電流センサ
ーを併せて提案するものである。
は、環状の軟質磁性材料からなる検出コアの一部に検出
コアの周方向に対して励磁コアと直交接続するコア直交
部を設けて、環状の軟質磁性材料からなる励磁コアと前
記検出コアとを一体的に配置し、検出コアに検出コイル
をトロイダル状に巻回配置し、かつ検出コアの外周に該
検出コアの周方向に巻回する励磁コイルを巻回配置した
構成からなり、検出コア内側に非接触検出する直流電流
が流れる被検出導線を貫通配置するとともに、前記励磁
コイルに、あらかじめ発振器から励磁電流の2倍の周波
数で発振された励磁電流の周波数を1/2分周し、そのこ
とにより得られた励磁電流にてコア直交部を周期的に磁
気的に飽和させる交流電流印加手段を接続し、かつ励磁
時に被検出導線を流れる直流電流に基づき検出コアに発
生する磁束を変調可能となし、検出コイルに励磁電流の
2倍の周波数の起電力を出力させ、さらに、前記発振器
の出力と検出コイルの出力との位相差を位相比較手段に
て検出し、被検出導線を流れる直流電流の絶対値ととも
にその向きを検出することを特徴とする直流電流センサ
ーを併せて提案するものである。
【0023】特に、上記構成において、励磁コアとなる
一対の筒体を軸中心線を平行に並列し、並列する筒体の
各開口端の隣接辺部間を軟質磁性材料からなる接続板で
接続一体化して接続板及びこれと接続した筒体側面部と
で検出コアとなす構成を採用することによって直流電流
センサーとしての電磁気的のアンバランス等を低減し、
ノイズ発生の低減や、S/N比の向上等を可能とするこ
とができる。特に図6から図14に示す他の構成からな
る直流電流センサーは、上記効果を備え、安定した測定
を実現することができる効果的な構成である。すなわ
ち、図2及び図5に示す基本的の構成においては、検出
コア2に接続する励磁コア4が1つであることから、ま
た検出コイル3の位置も1箇所であることから直流電流
センサーとしての電磁気的のバランスが取り難いもので
あるが、これら励磁コア4、検出コイル3の電磁気的の
バランス配置を考慮した構成が図6から図14にて説明
する構成である。
一対の筒体を軸中心線を平行に並列し、並列する筒体の
各開口端の隣接辺部間を軟質磁性材料からなる接続板で
接続一体化して接続板及びこれと接続した筒体側面部と
で検出コアとなす構成を採用することによって直流電流
センサーとしての電磁気的のアンバランス等を低減し、
ノイズ発生の低減や、S/N比の向上等を可能とするこ
とができる。特に図6から図14に示す他の構成からな
る直流電流センサーは、上記効果を備え、安定した測定
を実現することができる効果的な構成である。すなわ
ち、図2及び図5に示す基本的の構成においては、検出
コア2に接続する励磁コア4が1つであることから、ま
た検出コイル3の位置も1箇所であることから直流電流
センサーとしての電磁気的のバランスが取り難いもので
あるが、これら励磁コア4、検出コイル3の電磁気的の
バランス配置を考慮した構成が図6から図14にて説明
する構成である。
【0024】図6において、1は被検出導線であり、矩
形枠状の検出コア2の内側中央部に貫通配置している。
この矩形枠状の検出コア2のそれぞれ対向位置にある短
辺部には一対の検出コイル3a,3bがトロイダル状に
巻回され互いに電気的に接続されている。また、それぞ
れ対向位置にある長辺部には一対の励磁コア4a,4b
が4角筒状を形成するごとく一体的に配置している。さ
らに一対の励磁コア4a,4bの各々最外周の側面部に
励磁コイル5a,5bがトロイダル状に巻回されてい
る。換言すると、励磁コア4a,4bとなる一対の角筒
体を軸中心線を平行に並列し、並列する角筒体の各開口
端の隣接辺部間を軟質磁性材料からなる接続板で接続一
体化して接続板及びこれと接続した筒体側面部、すなわ
ちコア直交部6とで矩形枠状の上記の検出コア2となし
た構成からなり、該接続板の部分にそれぞれ検出コイル
3a,3bがトロイダル状に巻回され、一対の励磁コア
4a,4bの各々最外周の側面部に励磁コイル5a,5
bがトロイダル状に巻回されている。このような構成に
おいて、被検出導線1に直流電流Iが流れると、検出コ
ア2内に直流電流Iの方向に対して右回りの磁場が発生
し、検出コア2内に磁束Φ0が発生する。この時、励磁
コイル5a,5bに所定の交流電流を通電して一対の励
磁コア4a,4bに周期的に図中α方向に変化する磁束
を発生し、該励磁コア4a,4bを周期的に磁気的に飽
和すると、矩形枠状の検出コア2の周方向の一部である
長辺部のコア直交部6は比透磁率μが極めて1に近い所
謂実質的な磁気的なギャップとなり、検出コア内の磁束
Φ0をΦ1にまで減少させる。
形枠状の検出コア2の内側中央部に貫通配置している。
この矩形枠状の検出コア2のそれぞれ対向位置にある短
辺部には一対の検出コイル3a,3bがトロイダル状に
巻回され互いに電気的に接続されている。また、それぞ
れ対向位置にある長辺部には一対の励磁コア4a,4b
が4角筒状を形成するごとく一体的に配置している。さ
らに一対の励磁コア4a,4bの各々最外周の側面部に
励磁コイル5a,5bがトロイダル状に巻回されてい
る。換言すると、励磁コア4a,4bとなる一対の角筒
体を軸中心線を平行に並列し、並列する角筒体の各開口
端の隣接辺部間を軟質磁性材料からなる接続板で接続一
体化して接続板及びこれと接続した筒体側面部、すなわ
ちコア直交部6とで矩形枠状の上記の検出コア2となし
た構成からなり、該接続板の部分にそれぞれ検出コイル
3a,3bがトロイダル状に巻回され、一対の励磁コア
4a,4bの各々最外周の側面部に励磁コイル5a,5
bがトロイダル状に巻回されている。このような構成に
おいて、被検出導線1に直流電流Iが流れると、検出コ
ア2内に直流電流Iの方向に対して右回りの磁場が発生
し、検出コア2内に磁束Φ0が発生する。この時、励磁
コイル5a,5bに所定の交流電流を通電して一対の励
磁コア4a,4bに周期的に図中α方向に変化する磁束
を発生し、該励磁コア4a,4bを周期的に磁気的に飽
和すると、矩形枠状の検出コア2の周方向の一部である
長辺部のコア直交部6は比透磁率μが極めて1に近い所
謂実質的な磁気的なギャップとなり、検出コア内の磁束
Φ0をΦ1にまで減少させる。
【0025】従って以上に示す直流電流センサーも、一
対の検出コイル3a,3bへの起電力発生のメカニズム
は図2に示す構成と同様であり、このメカニズムに基づ
く効果も同様に得られる。さらに、この構成では検出コ
ア2に接続する励磁コア4a,4bの接続部の幅dは実
質的に図中のセンサーの長さ方向の寸法Lの2倍(2
L)となることから、検出コア2の磁路長に対する励磁
コア4の接続部の幅dの比率は極めて大きくなり、図2
の構成に比べ反磁場の効果による検出コア2内の残留磁
束密度を小さくすることができ、コア材料の保磁力に起
因するヒステリシス現象を低減することができる。しか
も、直流電流センサーの全体的な構成が被検出導線1に
対して対称であることから電磁気的のバランス良く、安
定した測定を実現することが可能となる。上記の直流電
流センサーを構成する検出コア2と励磁コア4a,4b
は、所定の軟質磁性材料からなる板材を、図7に示す形
状に打ち抜き、図中の破線部で折り曲げて組立、斜線部
でスポット溶接することによって容易に一体品として得
ることができる。
対の検出コイル3a,3bへの起電力発生のメカニズム
は図2に示す構成と同様であり、このメカニズムに基づ
く効果も同様に得られる。さらに、この構成では検出コ
ア2に接続する励磁コア4a,4bの接続部の幅dは実
質的に図中のセンサーの長さ方向の寸法Lの2倍(2
L)となることから、検出コア2の磁路長に対する励磁
コア4の接続部の幅dの比率は極めて大きくなり、図2
の構成に比べ反磁場の効果による検出コア2内の残留磁
束密度を小さくすることができ、コア材料の保磁力に起
因するヒステリシス現象を低減することができる。しか
も、直流電流センサーの全体的な構成が被検出導線1に
対して対称であることから電磁気的のバランス良く、安
定した測定を実現することが可能となる。上記の直流電
流センサーを構成する検出コア2と励磁コア4a,4b
は、所定の軟質磁性材料からなる板材を、図7に示す形
状に打ち抜き、図中の破線部で折り曲げて組立、斜線部
でスポット溶接することによって容易に一体品として得
ることができる。
【0026】図8は他の構成を示すもので、一対の検出
コイル3a,3bが励磁コイル5a,5bとともに一対
の励磁コア4a,4bの外周にトロイダル状に巻回され
ている他は、図6と同様な構成からなり、基本的に図2
と同様なメカニズムにより、被検出導線1に流れる直流
電流を検出することが可能となる。図9も他の構成を示
すもので、一対の励磁コイル5a,5bを、4角筒状を
形成する如く配置される一対の励磁コア4a,4bの内
側中央部に形成される励磁コイル巻回用桟8a,8bに
トロイダル状に巻回されている他は、図8と同様な構成
からなり、基本的に図2と同様なメカニズムにより、被
検出導線1に流れる直流電流を検出することが可能とな
る。特に、図9の構成においては、励磁コア4a,4b
部を予め図10に示すように断面E型に形成しておくこ
とによって、所定形状、寸法からなるボビン9に予め巻
回されている励磁コイル5a,5bを、励磁コイル巻回
用桟8a,8bに挿入した後、矩形枠状の検出コアと所
定の手段によって一体化することにより、容易に製造す
ることができる。また、図8の構成では、一対の励磁コ
イル5a,5bにて発生する磁束が励磁コア4a,4b
の外部に漏洩し、この漏洩磁束により検出コイル3a,
3bに励磁信号が混入し、特に微小電流を検出する場合
には、検出信号より混入信号のレベルのほうが大きくな
り、感度の低下を招く恐れがある。しかし、図9の構成
においては、各々励磁コイル5a,5bにて発生する磁
束が励磁コア4a,4bの外部に漏洩することなく、効
率的に作用し、検出コイル3a,3bへの悪影響が低減
される。
コイル3a,3bが励磁コイル5a,5bとともに一対
の励磁コア4a,4bの外周にトロイダル状に巻回され
ている他は、図6と同様な構成からなり、基本的に図2
と同様なメカニズムにより、被検出導線1に流れる直流
電流を検出することが可能となる。図9も他の構成を示
すもので、一対の励磁コイル5a,5bを、4角筒状を
形成する如く配置される一対の励磁コア4a,4bの内
側中央部に形成される励磁コイル巻回用桟8a,8bに
トロイダル状に巻回されている他は、図8と同様な構成
からなり、基本的に図2と同様なメカニズムにより、被
検出導線1に流れる直流電流を検出することが可能とな
る。特に、図9の構成においては、励磁コア4a,4b
部を予め図10に示すように断面E型に形成しておくこ
とによって、所定形状、寸法からなるボビン9に予め巻
回されている励磁コイル5a,5bを、励磁コイル巻回
用桟8a,8bに挿入した後、矩形枠状の検出コアと所
定の手段によって一体化することにより、容易に製造す
ることができる。また、図8の構成では、一対の励磁コ
イル5a,5bにて発生する磁束が励磁コア4a,4b
の外部に漏洩し、この漏洩磁束により検出コイル3a,
3bに励磁信号が混入し、特に微小電流を検出する場合
には、検出信号より混入信号のレベルのほうが大きくな
り、感度の低下を招く恐れがある。しかし、図9の構成
においては、各々励磁コイル5a,5bにて発生する磁
束が励磁コア4a,4bの外部に漏洩することなく、効
率的に作用し、検出コイル3a,3bへの悪影響が低減
される。
【0027】さらに、各構成において、検出コア2と励
磁コア4a,4bとの各々直交部6における磁路につい
て着目すると、図8の構成では図11のA及びBに示す
ように、基本的に1回路の磁路が、その磁束の向きが交
互に変化するように作用するが、図9の構成では、図1
2のA及びBに示すように、基本的に励磁コイル巻回用
桟8a,8bを介して2回路の磁路が、それぞれその磁
束の向きが交互に変化するように作用することから、電
磁気的なバランスが一層向上することとなる。図9の構
成を採用するに際しては、励磁コイル巻回用桟8a,8
bに磁束が集中することから、励磁コイル巻回用桟8
a,8bの厚さを予め他の部分より2倍程度に厚く設定
することが望ましい。
磁コア4a,4bとの各々直交部6における磁路につい
て着目すると、図8の構成では図11のA及びBに示す
ように、基本的に1回路の磁路が、その磁束の向きが交
互に変化するように作用するが、図9の構成では、図1
2のA及びBに示すように、基本的に励磁コイル巻回用
桟8a,8bを介して2回路の磁路が、それぞれその磁
束の向きが交互に変化するように作用することから、電
磁気的なバランスが一層向上することとなる。図9の構
成を採用するに際しては、励磁コイル巻回用桟8a,8
bに磁束が集中することから、励磁コイル巻回用桟8
a,8bの厚さを予め他の部分より2倍程度に厚く設定
することが望ましい。
【0028】また、図8の構成においては、励磁コイル
5a,5bと検出コイル3a,3bとの静電容量結合に
よる検出コイル3a,3bへの励磁信号の混入を防止す
るために、例えば、図13に示すように、励磁コイル5
a,5bと検出コイル3a,3bとの間に、電気的に接
地されているCuまたはAl等の電気伝導度の高い金属
箔70を介在することが好ましい。すなわち、励磁コイ
ル5a,5bの外周を電気的な絶縁を確保して上記の金
属箔70にて巻回被覆し、さらに該金属箔70外周に電
気的な絶縁を確保して検出コイル3a,3bを巻回す
る。ただし、金属箔70は、巻回方向において少なくと
も一ヶ所で電気的に切断(図においては、軸方向に伸長
するスリット部71を形成している)されていることが
必要である。このような構成を採用することによって、
一層高精度の検出が可能となる。
5a,5bと検出コイル3a,3bとの静電容量結合に
よる検出コイル3a,3bへの励磁信号の混入を防止す
るために、例えば、図13に示すように、励磁コイル5
a,5bと検出コイル3a,3bとの間に、電気的に接
地されているCuまたはAl等の電気伝導度の高い金属
箔70を介在することが好ましい。すなわち、励磁コイ
ル5a,5bの外周を電気的な絶縁を確保して上記の金
属箔70にて巻回被覆し、さらに該金属箔70外周に電
気的な絶縁を確保して検出コイル3a,3bを巻回す
る。ただし、金属箔70は、巻回方向において少なくと
も一ヶ所で電気的に切断(図においては、軸方向に伸長
するスリット部71を形成している)されていることが
必要である。このような構成を採用することによって、
一層高精度の検出が可能となる。
【0029】上記の構成からなる直流電流センサーと同
様な効果を得ることを目的に、図5の基本的の構成を改
良した構成を、図14の斜視説明図によって説明する。
図14において、1は被検出導線であり、矩形枠状の検
出コア2の内側中央部に貫通配置している。この矩形枠
状の検出コア2のそれぞれ対向位置にある短辺部には一
対の検出コイル3a,3bがトロイダル状に巻回され互
いに電気的に接続されている。また、それぞれ対向位置
にある長辺部には一対の励磁コア4a,4bが4角筒状
を形成するごとく一体的に配置している。さらに矩形枠
状の検出コア2の外周には、その周方向に励磁コイル5
が巻回されている。換言すると、励磁コア4a,4bと
なる一対の角筒体を軸中心線を平行に並列し、並列する
角筒体の各開口端の隣接辺部間を軟質磁性材料からなる
接続板で接続一体化して接続板及びこれと接続した筒体
側面部、すなわちコア直交部6とで矩形枠状の上記の検
出コア2となした構成からなり、該接続板の部分にそれ
ぞれ検出コイル3a,3bがトロイダル状に巻回され、
検出コア2の外周に励磁コイル5が巻回されている。
様な効果を得ることを目的に、図5の基本的の構成を改
良した構成を、図14の斜視説明図によって説明する。
図14において、1は被検出導線であり、矩形枠状の検
出コア2の内側中央部に貫通配置している。この矩形枠
状の検出コア2のそれぞれ対向位置にある短辺部には一
対の検出コイル3a,3bがトロイダル状に巻回され互
いに電気的に接続されている。また、それぞれ対向位置
にある長辺部には一対の励磁コア4a,4bが4角筒状
を形成するごとく一体的に配置している。さらに矩形枠
状の検出コア2の外周には、その周方向に励磁コイル5
が巻回されている。換言すると、励磁コア4a,4bと
なる一対の角筒体を軸中心線を平行に並列し、並列する
角筒体の各開口端の隣接辺部間を軟質磁性材料からなる
接続板で接続一体化して接続板及びこれと接続した筒体
側面部、すなわちコア直交部6とで矩形枠状の上記の検
出コア2となした構成からなり、該接続板の部分にそれ
ぞれ検出コイル3a,3bがトロイダル状に巻回され、
検出コア2の外周に励磁コイル5が巻回されている。
【0030】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると、検出コア2内に直流電流Iの方
向に対して右回りの磁場が発生し、検出コア2内に磁束
Φ0が発生する。この時、励磁コイル5に所定の交流電
流を通電して一対の励磁コア4a,4bに周期的に図中
α方向に変化する磁束を発生し、該励磁コア4a,4b
を周期的に磁気的に飽和すると、矩形枠状の検出コア2
の周方向の一部である長辺部のコア直交部6は比透磁率
μが極めて1に近い所謂実質的な磁気的なギャップとな
り、検出コア内の磁束Φ0をΦ1にまで減少させる。従っ
て、図14に示す直流電流センサーも一対の検出コイル
3a,3bへの起電力発生のメカニズムは図5に示す構
成と同様であり、このメカニズムに基づく効果も同様に
得られる。さらに、この構成では検出コア2に接続する
励磁コア4a、4bの接続部の幅dは図中のセンサーの
長さ方向の寸法Lの2倍(2L)となることから、検出
コア2の磁路長に対する励磁コア4の接続部の幅dの比
率は極めて大きくなり、反磁場の効果による検出コア2
内の残留磁束密度はより一層小さくなり、前記の“逆転
領域”の発生を大幅に低減することができる。しかも、
直流電流センサーの全体的な構成が被検出導線1に対し
て対称であることから電磁気的のバランス良く、安定し
た測定を実現することが可能となる。
直流電流Iが流れると、検出コア2内に直流電流Iの方
向に対して右回りの磁場が発生し、検出コア2内に磁束
Φ0が発生する。この時、励磁コイル5に所定の交流電
流を通電して一対の励磁コア4a,4bに周期的に図中
α方向に変化する磁束を発生し、該励磁コア4a,4b
を周期的に磁気的に飽和すると、矩形枠状の検出コア2
の周方向の一部である長辺部のコア直交部6は比透磁率
μが極めて1に近い所謂実質的な磁気的なギャップとな
り、検出コア内の磁束Φ0をΦ1にまで減少させる。従っ
て、図14に示す直流電流センサーも一対の検出コイル
3a,3bへの起電力発生のメカニズムは図5に示す構
成と同様であり、このメカニズムに基づく効果も同様に
得られる。さらに、この構成では検出コア2に接続する
励磁コア4a、4bの接続部の幅dは図中のセンサーの
長さ方向の寸法Lの2倍(2L)となることから、検出
コア2の磁路長に対する励磁コア4の接続部の幅dの比
率は極めて大きくなり、反磁場の効果による検出コア2
内の残留磁束密度はより一層小さくなり、前記の“逆転
領域”の発生を大幅に低減することができる。しかも、
直流電流センサーの全体的な構成が被検出導線1に対し
て対称であることから電磁気的のバランス良く、安定し
た測定を実現することが可能となる。
【0031】図15も図5の基本的の構成を改良したこ
の発明の一実施例である直流電流センサーを示す斜視説
明図であり、特に他の実施例と比べて小型化が可能な構
成である。図15に示す直流電流センサーは、基本的に
図5や図14の構成と異なることはないが、一方向に対
向2面を開口した直方体状コアの開口方向に直交するよ
うに円筒状コアを直方体状コアに貫通配置して、上記円
筒状コアを検出コア2としかつ直方体状コアを励磁コア
4となした構成からなり、円筒状軟質磁性材料からなる
検出コア2の対称位置に(図においては4箇所)、検出
コイル3a,3b,3c,3dをそれぞれトロイダル状
に巻回配置するとともに、該検出コア2の外周に励磁コ
イル5を巻回配置し、さらに円筒状の検出コア2内に貫
通する被検出導線1を配置して直流電流センサーを構成
している。
の発明の一実施例である直流電流センサーを示す斜視説
明図であり、特に他の実施例と比べて小型化が可能な構
成である。図15に示す直流電流センサーは、基本的に
図5や図14の構成と異なることはないが、一方向に対
向2面を開口した直方体状コアの開口方向に直交するよ
うに円筒状コアを直方体状コアに貫通配置して、上記円
筒状コアを検出コア2としかつ直方体状コアを励磁コア
4となした構成からなり、円筒状軟質磁性材料からなる
検出コア2の対称位置に(図においては4箇所)、検出
コイル3a,3b,3c,3dをそれぞれトロイダル状
に巻回配置するとともに、該検出コア2の外周に励磁コ
イル5を巻回配置し、さらに円筒状の検出コア2内に貫
通する被検出導線1を配置して直流電流センサーを構成
している。
【0032】以上の図2及び図5、さらにそれらを基本
的な構成とする多くの他の構成からなる直流電流センサ
ーにおいては、いずれも検出コア2と励磁コア4との直
交部6を周期的に磁気的に飽和させることによって磁気
的なギャップを形成する構成からなり、微小な電流変化
を高感度に検出することが可能になる。特に前記励磁コ
イル5に、あらかじめ発振器から励磁電流の2倍の周波
数で発振された励磁電流の周波数を1/2分周した状態
の励磁電流を印加し、発振器の出力と検出コイルの出力
との位相差を位相比較回路にて検出することによって、
被検出導線を流れる直流電流の絶対値とともにその向き
をも容易に検出することが可能となる。
的な構成とする多くの他の構成からなる直流電流センサ
ーにおいては、いずれも検出コア2と励磁コア4との直
交部6を周期的に磁気的に飽和させることによって磁気
的なギャップを形成する構成からなり、微小な電流変化
を高感度に検出することが可能になる。特に前記励磁コ
イル5に、あらかじめ発振器から励磁電流の2倍の周波
数で発振された励磁電流の周波数を1/2分周した状態
の励磁電流を印加し、発振器の出力と検出コイルの出力
との位相差を位相比較回路にて検出することによって、
被検出導線を流れる直流電流の絶対値とともにその向き
をも容易に検出することが可能となる。
【0033】これらの直流電流センサーをインバーター
機器に組込んで使用する場合には、特に、スイッチング
ノイズの混入を防止するために、検出回路の電源ライン
にノイズフィルターを挿入することが有効であるが、図
16に示すように、上記に説明した種々の構成からなる
この発明の直流電流センサーを、パーマロイや無方向性
ケイ素鋼板等からなるシールドケース(図中51aはケ
ース本体部、51b,51cはケース蓋部である)にて
覆い、誘導ノイズの混入を防止することが望ましい。
機器に組込んで使用する場合には、特に、スイッチング
ノイズの混入を防止するために、検出回路の電源ライン
にノイズフィルターを挿入することが有効であるが、図
16に示すように、上記に説明した種々の構成からなる
この発明の直流電流センサーを、パーマロイや無方向性
ケイ素鋼板等からなるシールドケース(図中51aはケ
ース本体部、51b,51cはケース蓋部である)にて
覆い、誘導ノイズの混入を防止することが望ましい。
【0034】以上に示すこの発明の直流電流センサー
は、検出コア及び励磁コアとして環状の軟質磁性材料を
効果的に配置することによって構成されるが、被検出導
線に流れる電流の大きさ、すなわちセンサーに要求され
る検出感度に応じて各々の軟質磁性材料の材質を選定す
ることが好ましい。通常、磁気特性とともに加工性等を
考慮するとパーマロイが好ましいが、その他ケイ素鋼
板、アモルファス、電磁軟鉄、ソフトフェライト等の公
知の軟質磁性材料の使用が可能であり、これらを組み合
せて用いても良い。また、上記の直流電流センサーにお
いて、環状の軟質磁性材料とは、軟質磁性材料が所謂リ
ング状になっていることに限定されるものでなく、軟質
磁性材料が電磁気的な閉回路を構成できるように接続さ
れていれば良く、図示の如く円環状の他、楕円環状、矩
形枠状等種々の構成が採用できる。
は、検出コア及び励磁コアとして環状の軟質磁性材料を
効果的に配置することによって構成されるが、被検出導
線に流れる電流の大きさ、すなわちセンサーに要求され
る検出感度に応じて各々の軟質磁性材料の材質を選定す
ることが好ましい。通常、磁気特性とともに加工性等を
考慮するとパーマロイが好ましいが、その他ケイ素鋼
板、アモルファス、電磁軟鉄、ソフトフェライト等の公
知の軟質磁性材料の使用が可能であり、これらを組み合
せて用いても良い。また、上記の直流電流センサーにお
いて、環状の軟質磁性材料とは、軟質磁性材料が所謂リ
ング状になっていることに限定されるものでなく、軟質
磁性材料が電磁気的な閉回路を構成できるように接続さ
れていれば良く、図示の如く円環状の他、楕円環状、矩
形枠状等種々の構成が採用できる。
【0035】また、検出コア内に形成される磁気的なギ
ャップは、検出コア内の一箇所に限定されるものでな
く、複数箇所でもよく、先に説明した種々の構成に示す
如く、電磁気的なバランスを考慮して、その形成箇所を
設定することが望ましい。図2又は図5及びそれらの構
成を基本とするこの発明の直流電流センサーにおいて
は、検出コアと励磁コアのコア交差部における磁気的な
飽和に関しても、例えばコア交差部が直交せずに完全な
る飽和が達成されなくとも略飽和状態にすることができ
れば、目的とする検出を達成することができる。従っ
て、前記軟質磁性材料の材質とともに、軟質磁性材料の
形状寸法、検出コイル、励磁コイルの巻数等の最適条件
を選定することによって、一層実用性の高いセンサーの
提供を可能とすることができる。
ャップは、検出コア内の一箇所に限定されるものでな
く、複数箇所でもよく、先に説明した種々の構成に示す
如く、電磁気的なバランスを考慮して、その形成箇所を
設定することが望ましい。図2又は図5及びそれらの構
成を基本とするこの発明の直流電流センサーにおいて
は、検出コアと励磁コアのコア交差部における磁気的な
飽和に関しても、例えばコア交差部が直交せずに完全な
る飽和が達成されなくとも略飽和状態にすることができ
れば、目的とする検出を達成することができる。従っ
て、前記軟質磁性材料の材質とともに、軟質磁性材料の
形状寸法、検出コイル、励磁コイルの巻数等の最適条件
を選定することによって、一層実用性の高いセンサーの
提供を可能とすることができる。
【0036】さらに、上記のいずれの構成においても、
検出コア内を貫通する被検出導体も1本に限定されるも
のでなく、要求されるセンサーの大きさに応じて複数本
貫通させても良いが、被検出導体を1本にすることによ
ってこれらの構成からなる直流電流センサーの効果を最
も効果的に発現することができる。
検出コア内を貫通する被検出導体も1本に限定されるも
のでなく、要求されるセンサーの大きさに応じて複数本
貫通させても良いが、被検出導体を1本にすることによ
ってこれらの構成からなる直流電流センサーの効果を最
も効果的に発現することができる。
【0037】
【作用】この発明の直流電流センサーの作用を、図2に
示す最もシンプルな構成の場合において説明する。な
お、図1は電気回路の一実施例を示すものであるが、こ
の発明の直流電流センサーは、図示の電気回路構成に限
定されるものではない。図2に示す直流電流センサー
は、内側に前記被検出導線1を貫通配置する環状の軟質
磁性材料からなる検出コア2に、検出コイル3をトロイ
ダル状に巻回配置するとともに、該検出コア2の一部
に、検出コア2の周方向に対して直角方向に接続して環
状を形成する軟質磁性材料からなる励磁コア4を一体的
に配置してなり、かつ、該励磁コア4に励磁コイル5を
トロイダル状に巻回配置して直流電流センサーを構成し
ている。
示す最もシンプルな構成の場合において説明する。な
お、図1は電気回路の一実施例を示すものであるが、こ
の発明の直流電流センサーは、図示の電気回路構成に限
定されるものではない。図2に示す直流電流センサー
は、内側に前記被検出導線1を貫通配置する環状の軟質
磁性材料からなる検出コア2に、検出コイル3をトロイ
ダル状に巻回配置するとともに、該検出コア2の一部
に、検出コア2の周方向に対して直角方向に接続して環
状を形成する軟質磁性材料からなる励磁コア4を一体的
に配置してなり、かつ、該励磁コア4に励磁コイル5を
トロイダル状に巻回配置して直流電流センサーを構成し
ている。
【0038】ここで、励磁コイル5に、予め発振器から
励磁電流の2倍の周波数2f0で発振された励磁電流の
周波数を1/2分周した状態の励磁電流を印加する。す
なわち、図1に示すように、励磁コイル5は交流電流印
加手段10に接続される。交流電流印加手段10は、最
終的に励磁コイル5に印加する励磁電流の2倍の周波数
2f0の励磁電流を発振するOSC(オシレーション・
サーキット、発振回路)11と、該励磁電流の周波数を
1/2分周するT−FF(トリガー・フリップ・フロッ
プ)12を配置しており、さらに一旦周波数を2f0か
らf0に分周した交流電流をLPF(ローパスフィルタ
ー)13、バッファーアンプ14を介して励磁コイル5
に接続される。
励磁電流の2倍の周波数2f0で発振された励磁電流の
周波数を1/2分周した状態の励磁電流を印加する。す
なわち、図1に示すように、励磁コイル5は交流電流印
加手段10に接続される。交流電流印加手段10は、最
終的に励磁コイル5に印加する励磁電流の2倍の周波数
2f0の励磁電流を発振するOSC(オシレーション・
サーキット、発振回路)11と、該励磁電流の周波数を
1/2分周するT−FF(トリガー・フリップ・フロッ
プ)12を配置しており、さらに一旦周波数を2f0か
らf0に分周した交流電流をLPF(ローパスフィルタ
ー)13、バッファーアンプ14を介して励磁コイル5
に接続される。
【0039】被検出導線1(図2参照)に所定方向の直
流電流Iが流れると、励磁コイル5に印加される前記1
/2分周された周波数f0なる励磁電流によって、先に
説明した起電力発生のメカニズムと同様に、検出コア2
に発生する磁束を変調し、検出コイル3に被検出導線1
に流れる直流電流Iに比例した励磁電流の2倍の周波数
2f0からなる起電力を出力させることが可能となり、
被検出導線1に流れる直流電流Iの絶対値を知ることが
できるのである。被検出導線1に流れる直流電流Iの向
きにより、検出コイル3に発生する周波数2f0の電圧
VDETの位相がそれぞれ180度異なることは、先に図
3、図4によって説明したとおりである。このようにし
て検出コイル3に発生した周波数2f0からなる出力
(起電力)は、図1に示す位相比較回路20に入力され
る。
流電流Iが流れると、励磁コイル5に印加される前記1
/2分周された周波数f0なる励磁電流によって、先に
説明した起電力発生のメカニズムと同様に、検出コア2
に発生する磁束を変調し、検出コイル3に被検出導線1
に流れる直流電流Iに比例した励磁電流の2倍の周波数
2f0からなる起電力を出力させることが可能となり、
被検出導線1に流れる直流電流Iの絶対値を知ることが
できるのである。被検出導線1に流れる直流電流Iの向
きにより、検出コイル3に発生する周波数2f0の電圧
VDETの位相がそれぞれ180度異なることは、先に図
3、図4によって説明したとおりである。このようにし
て検出コイル3に発生した周波数2f0からなる出力
(起電力)は、図1に示す位相比較回路20に入力され
る。
【0040】一方、前記交流電流印加手段10を構成す
るOSC11から発振される周波数2f0からなる励磁
電流の一部は、T−FF12等を介して励磁コイル5に
接続されることなく、周波数2f0のままLPF(ロー
パスフィルター)31、フェーズシフター(移相器)3
2、シュミット・トリガー33等を介して図1に示す位
相比較回路20に入力される。なお、フェーズシフター
32に用いる各構成部品の定数はfOSC=1/2πRC
を満たす条件にて配置することが望ましい。位相比較回
路20は、該回路20に入力される発振器11からの出
力と検出コイル3からの出力との位相差を検出し、被検
出導線1を流れる直流電流Iの向きに対応して最終的に
図18に示す如き出力電圧VOUTを出力することとな
る。すなわち、図3、図4より理解できるように、発振
器11からの出力と検出コイル3からの出力との位相差
がない場合は、被検出導線1を流れる直流電流Iの向き
がプラス(+)の向き(図2中上向き)に流れていると
判断し、また該位相差が180度ある場合は、被検出導
線1を流れる直流電流Iの向きがマイナス(−)の向き
(図2中下向き)に流れていると判断し、それらの向き
とともに直流電流Iの絶対値を出力することが可能とな
るのである。
るOSC11から発振される周波数2f0からなる励磁
電流の一部は、T−FF12等を介して励磁コイル5に
接続されることなく、周波数2f0のままLPF(ロー
パスフィルター)31、フェーズシフター(移相器)3
2、シュミット・トリガー33等を介して図1に示す位
相比較回路20に入力される。なお、フェーズシフター
32に用いる各構成部品の定数はfOSC=1/2πRC
を満たす条件にて配置することが望ましい。位相比較回
路20は、該回路20に入力される発振器11からの出
力と検出コイル3からの出力との位相差を検出し、被検
出導線1を流れる直流電流Iの向きに対応して最終的に
図18に示す如き出力電圧VOUTを出力することとな
る。すなわち、図3、図4より理解できるように、発振
器11からの出力と検出コイル3からの出力との位相差
がない場合は、被検出導線1を流れる直流電流Iの向き
がプラス(+)の向き(図2中上向き)に流れていると
判断し、また該位相差が180度ある場合は、被検出導
線1を流れる直流電流Iの向きがマイナス(−)の向き
(図2中下向き)に流れていると判断し、それらの向き
とともに直流電流Iの絶対値を出力することが可能とな
るのである。
【0041】特に、この発明の直流電流センサーにおい
ては、励磁コイル5に接続する発振器11から発振され
る励磁電流の周波数と検出コイル3からの出力VDETの
周波数とが、ともに最終的に励磁コイル5に印加される
励磁電流の2倍の周波数2f0となることから、これら
同周波数からなる出力の位相差は容易に比較することが
でき、図1に示す如き比較的構成が簡単な公知の位相比
較回路20にて被検出導線を流れる直流電流の向きを検
出することが可能となるのである。以上に説明したこの
発明の作用は、図2に示す構成の直流電流センサーだけ
でなく、図5、さらにこれらを改良した種々構成の直流
電流センサーにおいても同様であり、さらに各々の構成
においては、先に説明した特徴を活かした効果を実現す
ることができる。
ては、励磁コイル5に接続する発振器11から発振され
る励磁電流の周波数と検出コイル3からの出力VDETの
周波数とが、ともに最終的に励磁コイル5に印加される
励磁電流の2倍の周波数2f0となることから、これら
同周波数からなる出力の位相差は容易に比較することが
でき、図1に示す如き比較的構成が簡単な公知の位相比
較回路20にて被検出導線を流れる直流電流の向きを検
出することが可能となるのである。以上に説明したこの
発明の作用は、図2に示す構成の直流電流センサーだけ
でなく、図5、さらにこれらを改良した種々構成の直流
電流センサーにおいても同様であり、さらに各々の構成
においては、先に説明した特徴を活かした効果を実現す
ることができる。
【0042】
【実施例】パーマロイC(78%Ni−5%Mo−4%
Cu−balFe)からなる厚さ0.1mmの薄板から
所定形状に打ち抜きし、所定箇所を折り曲げて組立てた
後、スポット溶接して図14に示すコア組立体を得た。
但し、L=25mm、H=10mm、W1=30mm、
W2=10mm 上記組立体を、水素ガス雰囲気にて1100°C×3h
rの熱処理を施した後、600°C〜400°Cの間を
100°C/hrで多段の冷却処理を施す熱処理を完了
させ、直流電流センサーを得た。検出コア2の所要位置
に絶縁性の保護ビニールテープを巻回した後、検出コア
2の短辺側にそれぞれ外径0.2mmのホルマル線を2
0ターンづづ巻回して検出コイル3a,3bとし、さら
に、検出コア2の外周に外径0.5mmのホルマル線を
20ターン巻回して励磁コイル5とした。上記検出コア
2の内側に外径8mmのビニル被覆からなる被検出導線
1を貫通配置した。
Cu−balFe)からなる厚さ0.1mmの薄板から
所定形状に打ち抜きし、所定箇所を折り曲げて組立てた
後、スポット溶接して図14に示すコア組立体を得た。
但し、L=25mm、H=10mm、W1=30mm、
W2=10mm 上記組立体を、水素ガス雰囲気にて1100°C×3h
rの熱処理を施した後、600°C〜400°Cの間を
100°C/hrで多段の冷却処理を施す熱処理を完了
させ、直流電流センサーを得た。検出コア2の所要位置
に絶縁性の保護ビニールテープを巻回した後、検出コア
2の短辺側にそれぞれ外径0.2mmのホルマル線を2
0ターンづづ巻回して検出コイル3a,3bとし、さら
に、検出コア2の外周に外径0.5mmのホルマル線を
20ターン巻回して励磁コイル5とした。上記検出コア
2の内側に外径8mmのビニル被覆からなる被検出導線
1を貫通配置した。
【0043】比較例として、この発明の特徴とする最終
的に励磁コイルに印加する励磁電流の2倍の周波数から
なる励磁電流を発生させる発振器等を配置する交流電流
印加手段や位相比較回路等を配置せず、直接上記励磁コ
イル5に励磁電流としてf=9kHZ、300mAの交
流電流を印加したところ、被検出導線1に直流電流を流
さない時には、残留ノイズの影響であると思われるが、
検出コイル3(図中3aと3bの各々の合計値)にV
DET=75mVの出力が検出されたが、被検出導線1に
50mAの直流電流Iを流した時には、検出コイル3に
VDET=1Vの出力が検出された。なお、図17に示す
検出コイル3の出力電圧VDETは、所定の仕様からなる
増幅回路(図示せず)を介して出力した値である。図1
7より被検出導線1に流れる直流電流が微小領域でも電
流の増加に伴う出力の減少という現象(“逆転領域の発
生”)はなく、安定した測定が実現できることが確認さ
れる。しかし、上記比較例では被検出導線1に流れる直
流電流の向きが変わっても、出力電圧VDETは、プラス
(+)のままであり、直流電流の向きまでは検知できな
い。
的に励磁コイルに印加する励磁電流の2倍の周波数から
なる励磁電流を発生させる発振器等を配置する交流電流
印加手段や位相比較回路等を配置せず、直接上記励磁コ
イル5に励磁電流としてf=9kHZ、300mAの交
流電流を印加したところ、被検出導線1に直流電流を流
さない時には、残留ノイズの影響であると思われるが、
検出コイル3(図中3aと3bの各々の合計値)にV
DET=75mVの出力が検出されたが、被検出導線1に
50mAの直流電流Iを流した時には、検出コイル3に
VDET=1Vの出力が検出された。なお、図17に示す
検出コイル3の出力電圧VDETは、所定の仕様からなる
増幅回路(図示せず)を介して出力した値である。図1
7より被検出導線1に流れる直流電流が微小領域でも電
流の増加に伴う出力の減少という現象(“逆転領域の発
生”)はなく、安定した測定が実現できることが確認さ
れる。しかし、上記比較例では被検出導線1に流れる直
流電流の向きが変わっても、出力電圧VDETは、プラス
(+)のままであり、直流電流の向きまでは検知できな
い。
【0044】この発明の直流電流センサーとして、おの
おの励磁コイル5、検出コイル3に図1に示す回路を接
続し、最終的に励磁コイル5に印加する励磁電流の2倍
の周波数からなる励磁電流を発生させる発振器11か
ら、励磁電流としてf=18kHZ、300mAの交流
電流を流し、さらに、被検出導線1に±50mAの範囲
で直流電流Iを増減させて流した時の、位相比較回路を
経由して出力される検出コイル3(図中3aと3bの各
々の合計値)の起電力(出力)VOUTの変化を図18に
示す。なお、該出力電圧VOUTも、比較例と同様な増幅
効果を有する増幅回路を介して出力した値である。図1
8から、この発明の直流電流センサーによれば被検出導
線を流れる直流電流に基づく検出コイル3の起電力(出
力)の向きを検出することが可能であり、つまり、被検
出導線を流れる直流電流の絶対値とともに、その向きを
感度良く、安定して検出することが可能となる。
おの励磁コイル5、検出コイル3に図1に示す回路を接
続し、最終的に励磁コイル5に印加する励磁電流の2倍
の周波数からなる励磁電流を発生させる発振器11か
ら、励磁電流としてf=18kHZ、300mAの交流
電流を流し、さらに、被検出導線1に±50mAの範囲
で直流電流Iを増減させて流した時の、位相比較回路を
経由して出力される検出コイル3(図中3aと3bの各
々の合計値)の起電力(出力)VOUTの変化を図18に
示す。なお、該出力電圧VOUTも、比較例と同様な増幅
効果を有する増幅回路を介して出力した値である。図1
8から、この発明の直流電流センサーによれば被検出導
線を流れる直流電流に基づく検出コイル3の起電力(出
力)の向きを検出することが可能であり、つまり、被検
出導線を流れる直流電流の絶対値とともに、その向きを
感度良く、安定して検出することが可能となる。
【0045】
【発明の効果】この発明の直流電流センサーは、微小な
電流の変化に対しても、優れた検出能力を有することか
ら、直流の漏電ブレーカー等に使用した際には、検出コ
ア内に貫通配置する被検出導体をコアに巻回せず、1本
貫通させるだけでも要求される高感度の検出が達成で
き、構造が比較的簡単で直流電流センサーの小型化を可
能とする。また、被検出導線を流れる直流電流の絶対値
だけでなく、その向きをも検知することができることか
ら、該直流電流の向きによって正転←→逆転、往←→復
等の制御が必要な技術分野、例えば、直流モーターを使
用したアクチュエーターの制御等において、より有効に
活用できる。
電流の変化に対しても、優れた検出能力を有することか
ら、直流の漏電ブレーカー等に使用した際には、検出コ
ア内に貫通配置する被検出導体をコアに巻回せず、1本
貫通させるだけでも要求される高感度の検出が達成で
き、構造が比較的簡単で直流電流センサーの小型化を可
能とする。また、被検出導線を流れる直流電流の絶対値
だけでなく、その向きをも検知することができることか
ら、該直流電流の向きによって正転←→逆転、往←→復
等の制御が必要な技術分野、例えば、直流モーターを使
用したアクチュエーターの制御等において、より有効に
活用できる。
【図1】この発明の直流電流センサーに接続する電気回
路の一実施例の概要を示す説明図である。
路の一実施例の概要を示す説明図である。
【図2】この発明の直流電流センサーの一実施例の概要
を示す斜視説明図である。
を示す斜視説明図である。
【図3】図2の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図4】図2の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図5】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す斜視説明図である。
要を示す斜視説明図である。
【図6】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す斜視説明図である。
要を示す斜視説明図である。
【図7】図6に示す直流電流センサー構成におけるコア
組立体を得るための展開説明図である。
組立体を得るための展開説明図である。
【図8】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す斜視説明図である。
要を示す斜視説明図である。
【図9】この発明の直流電流センサーの他の実施例の概
要を示す斜視説明図である。
要を示す斜視説明図である。
【図10】図9に示す直流電流センサーの部分説明図で
ある。
ある。
【図11】A及びBは、図8に示す直流電流センサーの
励磁コイルによって発生する磁路の詳細説明図である。
励磁コイルによって発生する磁路の詳細説明図である。
【図12】A及びBは、図9に示す直流電流センサーの
励磁コイルによって発生する磁路の詳細説明図である。
励磁コイルによって発生する磁路の詳細説明図である。
【図13】図8の直流電流センサーにおける励磁コイル
と検出コイルとの静電容量結合を防止する高電気伝導度
金属箔の配置構成を説明する一部断面説明図である。こ
の発明の直流電流センサーの他の実施例を示す斜視説明
図である。
と検出コイルとの静電容量結合を防止する高電気伝導度
金属箔の配置構成を説明する一部断面説明図である。こ
の発明の直流電流センサーの他の実施例を示す斜視説明
図である。
【図14】この発明の直流電流センサーの他の実施例の
概要を示す斜視説明図である。
概要を示す斜視説明図である。
【図15】この発明の直流電流センサーの他の実施例の
概要を示す斜視説明図である。
概要を示す斜視説明図である。
【図16】この発明の直流電流センサーに採用するシー
ルドケースの一実施例を示す斜視説明図である。
ルドケースの一実施例を示す斜視説明図である。
【図17】比較例である直流電流センサーにおける被検
出導線1に流れる直流電流(微小領域)と出力との関係
を示す線グラフである。
出導線1に流れる直流電流(微小領域)と出力との関係
を示す線グラフである。
【図18】この発明である直流電流センサーにおける被
検出導線1に流れる直流電流(微小領域)と出力との関
係を示す線グラフである。
検出導線1に流れる直流電流(微小領域)と出力との関
係を示す線グラフである。
1 被検出導線 2 検出コア 3,3a,3b 検出コイル 4,4a,4b 励磁コア 5 励磁コイル 6 コア直交部 10 交流電流印加手段 11 OSC 12 T−FF 13,31 LPF 14 バッファーアンプ 20 位相比較回路 32 フェーズシフター 33 シュミット・トリガー 51a ケース本体 51b,51c ケース蓋部 70 金属箔 71 スリット部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 15/18 H01F 38/20 - 38/40
Claims (3)
- 【請求項1】 環状の軟質磁性材料からなる検出コアの
一部に検出コアの周方向に対して励磁コアと直交接続す
るコア直交部を設けて、環状の軟質磁性材料からなる励
磁コアと前記検出コアとを一体的に配置し、各コアにそ
れぞれトロイダル状に巻回して検出コイルと励磁コイル
を配置した構成からなり、検出コア内側に非接触検出す
る直流電流が流れる被検出導線を貫通配置するととも
に、予め発振器から励磁電流の2倍の周波数で発振され
た励磁電流の周波数を1/2分周し、そのことにより得ら
れた励磁電流にてコア直交部を周期的に磁気的に飽和さ
せる交流電流印加手段を前記励磁コイルに接続し、励磁
時に被検出導線を流れる直流電流に基づき検出コアに発
生する磁束を変調する変調手段と、前記発振器の出力と
励磁電流の2倍の周波数の起電力が出力される検出コイ
ルの出力との位相差を検出する位相比較手段を有し、被
検出導線を流れる直流電流の絶対値とその向きの検出を
可能にしたことを特徴とする直流電流センサー。 - 【請求項2】 環状の軟質磁性材料からなる検出コアの
一部に検出コアの周方向に対して励磁コアと直交接続す
るコア直交部を設けて、環状の軟質磁性材料からなる励
磁コアと前記検出コアとを一体的に配置し、検出コアに
検出コイルをトロイダル状に巻回配置し、かつ検出コア
の外周に該検出コアの周方向に巻回する励磁コイルを巻
回配置した構成からなり、検出コア内側に非接触検出す
る直流電流が流れる被検出導線を貫通配置するととも
に、予め発振器から励磁電流の2倍の周波数で発振され
た励磁電流の周波数を1/2分周し、そのことにより得ら
れた励磁電流にてコア直交部を周期的に磁気的に飽和さ
せる交流電流印加手段を前記励磁コイルに接続し、励磁
時に被検出導線を流れる直流電流に基づき検出コアに発
生する磁束を変調する変調手段と、前記発振器の出力と
励磁電流の2倍の周波数の起電力が出力される検出コイ
ルの出力との位相差を検出する位相比較手段を有し、被
検出導線を流れる直流電流の絶対値とその向きの検出を
可能にしたことを特徴とする直流電流センサー。 - 【請求項3】 励磁コアとなる一対の筒体を軸中心線を
平行に並列し、並列する筒体の各開口端の隣接辺部間を
軟質磁性材料からなる接続板で接続一体化して接続板及
びこれと接続した筒体側面部とで検出コアとなしたこと
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の直流電流センサ
ー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05220723A JP3093531B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-08-11 | 直流電流センサー |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32236392 | 1992-11-05 | ||
| JP4-322363 | 1992-11-05 | ||
| JP05220723A JP3093531B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-08-11 | 直流電流センサー |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06194389A JPH06194389A (ja) | 1994-07-15 |
| JP3093531B2 true JP3093531B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=26523882
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05220723A Expired - Fee Related JP3093531B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-08-11 | 直流電流センサー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3093531B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3286431B2 (ja) | 1993-10-12 | 2002-05-27 | 住友特殊金属株式会社 | 直流電流センサー |
| JP3286446B2 (ja) | 1993-12-29 | 2002-05-27 | 住友特殊金属株式会社 | 直流電流センサー |
-
1993
- 1993-08-11 JP JP05220723A patent/JP3093531B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3286431B2 (ja) | 1993-10-12 | 2002-05-27 | 住友特殊金属株式会社 | 直流電流センサー |
| JP3286446B2 (ja) | 1993-12-29 | 2002-05-27 | 住友特殊金属株式会社 | 直流電流センサー |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06194389A (ja) | 1994-07-15 |
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