JPH10123180A - 直流電流センサー - Google Patents

直流電流センサー

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JPH10123180A
JPH10123180A JP8299700A JP29970096A JPH10123180A JP H10123180 A JPH10123180 A JP H10123180A JP 8299700 A JP8299700 A JP 8299700A JP 29970096 A JP29970096 A JP 29970096A JP H10123180 A JPH10123180 A JP H10123180A
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current
detection
pulse
core
magnetic flux
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JP8299700A
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English (en)
Inventor
Makoto Kawakami
川上  誠
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に簡単な検出回路を用いて被検出導線に
流れる直流電流Iの絶対値とともに直流電流Iの向きを
も測定可能で、検出コア部と検出回路部とを一体化した
ブレーカー内蔵型を実現できる汎用性の高い直流電流セ
ンサーの提供。 【解決手段】 被検出導線1に直流電流Iが流れると、
図1Aに黒矢印で示すように検出コア51の周方向に磁
束Φ0が発生し、ここで励磁コイル53にパルス電流を
印加すると、パルス電流のプラス(+)又はマイナス
(−)によって、検出コア51内に図1B及び図1Cに
黒矢印で示す方向、すなわち検出コア51の周方向に対
して直交方向に交互に変化する磁束ΦEXが発生し磁束Φ
0による磁路を周期的に遮断、すなわち、被検出導線1
に流れる直流電流Iによって検出コア51の周方向に発
生する磁束Φ0が磁束ΦEXによって変調されて検出コイ
ル54には磁束Φ0の変調に伴う電圧(起電力)VDET
印加されたパルス電流と同様パターンで出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流漏電センサ
ー等に用いられる直流電流センサーの改良に係り、特
に、無停電電源装置や太陽光発電システム等の直流回路
の漏電検出に用いられる小型で簡単な構造からなる直流
電流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、直流を使用した機器が広範囲の
分野で使用されており、それらの機器を円滑に作動制御
するための保守管理に使用される直流漏電センサー等の
必要性が高まっており、特に、直流漏電センサー等を構
成する直流電流センサーの特性向上や小型化が要望され
ている。
【0003】従来から直流電流センサーとしては、マグ
アンプ方式や磁気マルチバイブレーター方式を採用した
構成が知られている。これらの直流電流センサーは、構
造が複雑であるだけでなく、検出感度が低く通常100
mAT程度が限度である。
【0004】従って、被検出導線に流れる10mA程度
の漏電検出を可能とするためには、直流電流センサーを
構成する検出コアに被検出導線を少なくとも数10ター
ン以上巻回する必要があり、本来、被検出導線の1ター
ン貫通を要求される漏電センサー(漏電ブレーカー)等
の直流電流センサーとして使用することは困難であっ
た。
【0005】また、被検出導線を流れる直流電流による
軟質磁性材料からなる検出コアのB−Hカーブの対称性
のずれを利用して作動する構成のため、過漏電時には動
作しないという問題をも有している。
【0006】本願出願人は、先にこれらマグアンプ方式
や磁気マルチバイブレーター方式を採用した直流電流セ
ンサーの問題を解決し、直流漏電センサー等を構成する
直流電流センサーとして効果的であり、センサー全体の
構造が簡単で、特に検出コアの形状が簡単で生産性に優
れた高感度直流電流センサーを提案した(特開平7−1
98754号公報)。
【0007】図3及び図4に示す上記の高感度直流電流
センサーを構成する検出コア51は、例えば、図5Aに
示すような外側コア部材51aと図5Cに示すような内
側コア部材51cからなり、図5Bに示すように予め励
磁コイル53を巻回したコイルボビン51bを内側コア
部材51cに装着したのちこれらを外側コア部材51a
にて被包して一体化することで容易に得られる。この一
体品の検出コア51の外周部に図3及び図4に示すごと
く検出コイル54をトロイダル状に巻回することで直流
電流センサーを完成する。
【0008】また、図5A、図5Cに示すようなコア部
材は、パーマロイ等の金属材料にプレス加工や旋盤加工
等の機械加工を施すことによって容易に得ることがで
き、またソフトフェライト等をプレス成形することによ
っても容易に得ることができることから生産性に優れる
という特徴を有している。
【0009】以上に説明するような構成において、被検
出導線に直流電流Iが流れると、図8に示すように検出
コア51の周方向に磁束Φ0が発生する。この状態にお
いて励磁コイル53に所定の交流電流からなる励磁電流
を流すと検出コア51内に図8中矢印α方向、すなわち
検出コア51の周方向に対して直交方向に変化する磁束
ΦEXが発生する。この磁束ΦEXは、検出コア51の全域
を周期的に磁気的に飽和し、磁束Φ0による磁路を周期
的に遮断することとなる。
【0010】ここで励磁コイル53に通電する交流電流
の周波数をf0とし、その電流のピーク値近傍で検出コ
ア51が磁気的に飽和するようにすると、図3に示すよ
うに被検出導線1に流れる直流電流Iがプラス(+)の
向き(図3中上向き)の場合、図9Aに示すように、励
磁電流1周期で2回検出コア51が磁気的に飽和するこ
ととなる。
【0011】この飽和により、検出コア51に発生した
被検出導線1に流れる直流電流Iによって発生する磁束
Φ0は、図9Bに示すように2f0の周波数でΦ1まで減
少する。すなわち、2f0の周波数で変調されることと
なる。このような磁束の変化にともない図9Cに示すよ
うに周波数2f0の電圧(起電力)VDETが検出コイル5
4に発生することになる。
【0012】磁束Φ0∝直流電流I、電圧VDET∝磁束Φ
0との関係から電圧VDET∝直流電流Iとなり、検出コイ
ル54に発生する起電力を検出することによって、被検
出導線1に流れる直流電流Iの絶対値を知ることが可能
となる。
【0013】被検出導線1に流れる直流電流Iがマイナ
ス(−)の向き(図3中下向き)の場合も上記と同様な
作用にて直流電流Iの絶対値を知ることが可能となる
が、図10に示すように、被検出導線1に流れる直流電
流Iの向きが反対となることから、検出コア51に発生
する磁束Φ0の向きも反対となり、検出コイル54に発
生する周波数2f0の電圧VDETの位相が図9の場合と1
80度異なることとなる。
【0014】以上に詳述した本願出願人が先に提案(特
開平7−198754号公報)した直流電流センサー
は、従来のマグアンプ方式や磁気マルチバイブレーター
方式を採用した直流電流センサーに比べてセンサー全体
の構造が簡単で、しかも検出コアの形状が簡単で生産性
に優れた高感度の直流電流センサーである。しかし、励
磁電流として交流電流を使用した場合、被検出導線に流
れる直流電流Iの向きを知るためには、さらに本願出願
人が提案(特開平6−194389号公報)した位相比
較回路等を含む電子回路が必要となる。
【0015】図9及び図10にて説明したように被検出
導線に流れる直流電流Iの向きによって検出コイルに発
生する周波数2f0の電圧VDETの位相がそれぞれ180
度異なることから、前記励磁コイルに、予め発振器から
励磁電流の2倍の周波数で発振された励磁電流の周波数
を1/2分周した状態の励磁電流を印加し、発振器の出
力と検出コイルの出力との位相差を位相比較回路にて検
出することによって、被検出導線に流れる直流電流Iの
向きを検出することができる。
【0016】すなわち、励磁コイルに接続する発振器か
ら発振される励磁電流の周波数と検出コイルからの出力
DETの周波数とが、ともに最終的に励磁コイルに印加
される励磁電流の2倍の周波数2f0となることから、
これらの位相差を容易に比較することができ、例えば、
位相差がない場合を被検出導線に流れる直流電流Iの向
きがプラス(+)の方向に流れていると判断し、また、
位相差が180度ある場合を被検出導線に流れる直流電
流Iの向きがマイナス(−)の方向に流れていると判断
することで、被検出導線に流れる直流電流Iの向きを検
出することが可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したような
種々の改良を重ねることによって、被検出導線に流れる
直流電流Iの絶対値とともに直流電流Iの向きをも測定
可能とする、簡単な構造で、かつ、高感度の直流電流セ
ンサーの提供を可能とした。ところが、例えば、汎用の
無停電電源装置や太陽光発電システム等の直流回路の漏
電検出に用いられる直流電流センサーとしては、交流の
ZCT(零相変流器)と同程度の大きさで、極力簡単な
検出回路(電子回路)にて漏電検出が可能となる構成が
望まれており、上記の本願出願人が提案した被検出導線
に流れる直流電流Iの絶対値とともに直流電流Iの向き
をも測定可能とする直流電流センサーの構成は、必ずし
も好ましい構成とは言い難いものであった。
【0018】すなわち、検出コア自体の大きさは、交流
のZCTと同程度とすることが可能であるが、位相比較
回路等を含む検出回路は複雑で比較的大きくなり、交流
のZCTと同様な検出コア部と検出回路部とを一体とし
たブレーカー内蔵型の構成を採用することは不可能であ
った。また、検出回路が比較的高価となることから汎用
性の観点からも望ましいものではなかった。
【0019】この発明は、以上のような問題点を解決
し、非常に簡単な検出回路を用いて被検出導線に流れる
直流電流Iの絶対値とともに直流電流Iの向きをも測定
可能とする直流電流センサーの提供を目的とするもので
ある。また、検出回路の小型化を実現することで検出コ
ア部と検出回路部とを一体としたブレーカー内蔵型の構
成を採用可能とする直流電流センサーの提供を目的とす
るものである。さらに、安価な検出回路の使用を可能と
することで、汎用性の高い直流電流センサーの提供を目
的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の目的
を達成するために種々の検討を行ない、上記の検出コア
が有する本来的な長所を損なうことなく、励磁コイルに
印加する励磁電流をパルス電流、例えば、パルス間隔が
一定でなく所定の異なる周期で異なった間隔で所定のパ
ターンを有するパルス電流とすることで、印加した該パ
ルス同時期に同様パターンで検出コイルに発生するパル
ス起電力の極性と大きさを検出することによって、外来
ノイズなどにより誤検出等を起こすことなく容易に検出
可能で、かかるパルス電流の発生並びに検出用の電気回
路は極めて簡単であることから、簡単で安価な検出回路
を使用した汎用性の高い直流電流センサーを提供できる
ことを知見し、この発明を完成したものである。
【0021】すなわち、この発明は、環状の軟質磁性材
料からなる検出コアの内部に周方向に連通する中空部を
形成し、該中空部に周方向に巻回する励磁コイルを配置
するとともに、検出コアの外周部にトロイダル状に巻回
する検出コイルを配置し、かつ、検出コアの内側に被検
出導線を貫通配置する直流電流センサーにおいて、前記
励磁コイルにパルス電流を印加し、該パルス電流によっ
て検出コアの周方向に対して直交方向の磁束を発生さ
せ、前記被検出導線に流れる直流電流によって検出コア
の周方向に発生する磁束を変調し、該磁束の変調に基づ
く前記検出コイルに発生するパルス起電力の極性と大き
さを検出することによって、被検出導線に流れる直流電
流とその向きを検出することを特徴とする直流電流セン
サーである。
【0022】また、この発明は、上記構成の直流電流セ
ンサーにおいて、励磁パルス電流が一定の周波数でない
ランダムあるいはパルス間隔を変化させて異なる特定パ
ターンの間隔を持たせて印加したパルスと同じ時期に発
生した検出パルスのみを検出して、外来ノイズなどによ
る誤検出を防止した直流電流センサーである。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明による直流電流センサー
の作動原理を図1及び図2に基づいて説明する。検出コ
ア部の構成は、先に図3及び図4に基づいて説明したよ
うに、環状の軟質磁性材料からなる検出コア51の内部
に周方向に連通する中空部52を形成し、該中空部52
に周方向に巻回する励磁コイル53を配置するととも
に、検出コア51の外周部にトロイダル状に巻回する検
出コイル54を配置し、かつ、検出コア51の内側に非
接触検出する直流電流が流れる被検出導線1を貫通配置
する構成からなっている。
【0024】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると、例えば、直流電流Iがプラス
(+)の向き(図中上向き)の場合、図1Aに黒矢印で
示すように検出コア51の周方向に磁束Φ0が発生す
る。この状態において励磁コイル53に図2Aに示すよ
うな波形からなるパルス電流を印加すると、パルス電流
のプラス(+)又はマイナス(−)によって、検出コア
51内に図1B及び図1Cに黒矢印で示す方向、すなわ
ち検出コア51の周方向に対して直交方向に交互に変化
する磁束ΦEXが発生する。
【0025】この磁束ΦEXはいずれも検出コア51の全
域を周期的に磁気的に飽和することとなり、磁束Φ0
よる磁路を周期的に遮断することとなる。すなわち、被
検出導線1に流れる直流電流Iによって検出コア51の
周方向に発生する磁束Φ0が磁束ΦEXによって変調さ
れ、図2Bに示すようになる。したがって、検出コイル
54には磁束Φ0の変調に伴う図2Cに示すような電圧
(起電力)VDETが出力されることになる。
【0026】また、被検出導線1に流れる直流電流Iが
マイナス(−)の向き(図中下向き)の場合にも同様な
作動原理により、検出コイル54に図2Dに示すような
電圧(起電力)VDETが出力されることになる。すなわ
ち、検出コア51に発生する磁束Φ0の向きが反対とな
ることから、検出コイル54の出力も、被検出導線1に
流れる直流電流Iがプラス(+)の向き(図中上向き)
の場合と反対の極となる。
【0027】被検出導線1に流れる直流電流Iの向きに
かかわらず、磁束Φ0∝直流電流I、電圧VDET∝磁束Φ
0との関係から電圧VDET∝直流電流Iとなり、検出コイ
ル54に発生する起電力を検出することによって、被検
出導線1に流れる直流電流Iの絶対値を知ることが可能
となる。また、検出コイル54の出力のプラス(+)又
はマイナス(−)を確認するだけで、被検出導線1に流
れる直流電流Iの向きを知ることが可能となる。
【0028】以上の説明からも明らかなように、この発
明の直流電流センサーでは、被検出導線に流れる直流電
流によって検出コアの周方向に発生する磁束を変調しう
るパルス電流を励磁コイルに印加することが可能な構成
であれば良く、パルス電流の値は必ずしも検出コアの全
域を完全に飽和しなくとも略飽和できる値であれば目的
とする検出は可能であり、またパルス電流を図2に示す
ようにプラス(+)又はマイナス(−)に交互に反転さ
せることなく同一極のみ、すなわちプラス(+)又はマ
イナス(−)のみに設定しても目的とする検出は可能で
ある。
【0029】また、パルス電流の波形も限定されない
が、図2に示すように電流の尖頭値で検出コアを飽和で
きるような略三角形状の波形からなるパルス電流が簡単
な電子回路で容易に発生させることが可能であり、構成
する電子部品の点数を減らして電子回路を小型化すると
いうの点から望ましい。
【0030】さらに、上記如く同一極のみ設定でき、電
流の尖頭値で検出コアを飽和できるような略三角形状の
波形でもよいことから、励磁パルス電流は一定の周波数
でないランダムあるいはパルス間隔を変化させた特定パ
ターンのパルスとなすことが可能で、例えば、PCM
(Pulse Code Modulation)のご
とくパルス間隔が一定でなく所定の異なる周期で異なっ
た間隔で所定のパターンを有するパルス電流とすること
で、印加した該パルスと同時期に同様パターンで検出コ
イルに発生するパルス起電力の極性と大きさを検出する
ことによって、外来ノイズによる誤検出が防止される利
点があり、この場合も、かかるパルス電流が簡単な電子
回路で容易に発生、検出することが可能であり、構成す
る電子部品の点数を減らして電子回路を小型化できる。
また、励磁パルス電流を間欠パルス(バースト波)など
で用いることにより、検出コアおよび電子部品の発熱を
抑制することができ、長寿命化を図ると同時に励磁電力
の低減を図ることができる。
【0031】また、予め励磁コイルに印加するパルス電
流の仕様を設定しておき、被検出導線に流れる直流電流
と検出コイルに発生するパルス起電力との相関を測定し
ておけば、検出回路としては位相比較回路等を必要とせ
ず、パルスの極性(プラス(+)又はマイナス(−)の
み)で貫通電流の向きが判別できることから、実施例に
示すごときピークホールド回路等を配置する簡単で小型
化が可能な構成にて被検出導線に流れる直流電流の絶対
値とその向きを検出することが可能となる。被検出導線
に流れる直流電流の向きを検出する必要のない用途に
は、さらに簡単な構成からなる検出回路の使用が可能と
なり、この発明の特徴を一層効果的に実現することがで
きる。
【0032】この発明の直流電流センサーは、図2にて
説明したように、励磁コイルに印加するパルス電流によ
って検出コアの周方向と直交する方向を全域に渡って周
期的に磁気的飽和することから、周方向の残留磁化が消
滅することとなり、検出コアを別手段にて脱磁すること
なく、検出コアが本来有する保磁力の影響(ヒステリシ
スの影響)を低減でき、非常に微小な電流を高感度で測
定することも可能となる。
【0033】この発明の直流電流センサーを構成する軟
質磁性材料からなる検出コアの具体的な材質は、該セン
サーに要求される検出感度や加工性等を考慮して選定す
ることが望ましい。磁気特性や加工性等の観点からパー
マロイが好ましいが、その他けい素鋼鈑、アモルファ
ス、電磁軟鉄、ソフトフェライト等公知の材料が使用可
能であり、これらを組み合わせて用いても良い。
【0034】また、環状の軟質磁性材料とは、軟質磁性
材料が所謂リング状になっていることに限定されるもの
でなく、軟質磁性材料が電磁気的な閉回路を構成できる
ように接続されていれば良く、特に、該検出コアの内部
に周方向に連通する中空部を形成し、該中空部に周方向
に巻回する励磁コイルを配置する構成であれば、全体と
して円筒状や角筒状等、種々の構成が採用できる。
【0035】すなわち、検出コアの周方向については電
磁気的な閉回路を構成できるように磁気的なギャップを
形成するような接続部を存在させないことが必要である
が、周方向に対して直交方向については磁気的なギャッ
プが形成されても、目的とする検出は可能であることか
ら、これらの磁気的なギャップを考慮して先に図5に示
したような複数の部材に分割された検出コア部材を組立
一体化する等、検出コアの材質や最終形状等を考慮し
て、最も生産性に優れた構成を選定することが望まし
い。
【0036】この発明の直流電流センサーにおいては、
励磁コイルにパルス電流を印加し、該パルス電流によっ
て検出コアの周方向に対して直交方向の磁束を発生さ
せ、前記被検出導線に流れる直流電流によって検出コア
の周方向に発生する磁束を変調できれば良く、必ずしも
検出コアの全域を完全に飽和しなくとも略飽和状態とす
れば目的とする検出が可能となることから、先に説明し
た励磁コイルに印加するパルス電流の値や波形ととも
に、検出コイルおよび励磁コイルの卷数、前記検出コア
の材質や形状寸法等を選定することで、より一層の小型
化を実現することができる。
【0037】
【実施例】厚さ0.5mmのパーマロイ(78Ni−
3.5Cu−4.5Mo−Fe)を用い、プレス加工に
て図5に示す形状からなる外側コア部材51aと内側コ
ア部材51cを作成した。これらのコア部材に所定の熱
処理を施したのち、予め励磁コイル53を巻回したコイ
ルボビン51bと一体化し、外径30mm×内径20m
m×高さ5mmの検出コア51を完成した。さらに、該
検出コア51の外周部をプラスチックケースにて包囲し
て電気的絶縁を確保し、その外周にトロイダル状に検出
コイル54を巻回配置した。
【0038】励磁コイル53は、外径0.2mmのエナ
メル線を40ターン巻回した構成であり、検出コイル5
4は、外径0.1mmのエナメル線を1200ターン巻
回した構成からなる。さらに、励磁コイル53は図6
(A)に示すような矩形発振回路に簡単な微分回路を接
続した発振回路に接続し、検出コイル54は図6Bに示
すような簡単なピークホールド回路からなる検出回路に
接続して、直流電流センサーを完成した。なお、被検出
導線1として外径8mmのビニール被覆線を用い、前記
検出コア51の内側に貫通配置し、該被検出導線1に所
定の直流電流Iを流した時の検出コイル54からの出力
を測定して、この発明の効果を確認した。
【0039】以上の構成において、励磁コイル53に図
2Aに示す波形からなる尖頭値が2Vで周波数3.1k
Hzのパルス電流を印加したところ、被検出導線1に流
れる直流電流Iが図1中上向きのプラス(+)の向きに
流れた時に、検出コイル54にて図2Cに示すような尖
頭値がマイナス(−)側のパルス起電力VDETを検出す
ることができ、また、被検出導線1に流れる直流電流I
が図1中下向きのマイナス(−)の向きに流れた時に、
検出コイル54にて図2Dに示すような尖頭値がプラス
(+)側のパルス起電力VDETを検出することができ、
図7の結果を得た。すなわち、検出コイル54に発生す
るパルス起電力の極性を検知することによって容易に被
検出導線1に流れる直流電流Iの向きを検出することが
できた。
【0040】
【発明の効果】この発明の直流電流センサーは、環状の
軟質磁性材料からなる検出コアの内部に周方向に連通す
る中空部を形成し、該中空部に周方向に巻回する励磁コ
イルを配置するとともに、検出コアの外周部にトロイダ
ル状に巻回する検出コイルを配置し、かつ、検出コアの
内側に被検出導線を貫通配置する構成が有する長所を最
大限に活かし、特に、励磁コイルに印加する励磁電流を
パルス電流とすることで、非常に簡単な検出回路を用い
て被検出導線に流れる直流電流Iの絶対値とともに直流
電流Iの向きをも測定可能とすることを実現した。その
結果、検出回路の小型化を実現し、検出コア部と検出回
路部とを一体としたブレーカー内蔵型の構成を採用可能
とするとともに、安価な検出回路の使用を可能とするこ
とで、汎用性の高い直流電流センサーの提供を実現した
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】A,B,Cはこの発明による直流電流センサー
の作動原理を示す直流電流センサーの一部破断斜視説明
図である。
【図2】この発明の直流電流センサー構成における励磁
コアに印加された励磁電力の周波数と検出コアを通過す
る磁束、検出コイルの起電力との関係を示すグラフであ
り、Aは励磁電流の時間的変位、Bは検出コアを通過す
る磁束の時間的変位、CとDは検出コイルの起電力と時
間的変位の関係を示す。
【図3】この発明による直流電流センサーの一部破断斜
視説明図である。
【図4】図3のa−a線における縦断説明図である。
【図5】この発明による直流電流センサーの検出コアの
一部破断説明図であり、Aは外側コア部材、Bはコイル
ボビン、Cは内側コア部材を示す。
【図6】この発明による直流電流センサーに用いた電気
回路図であり、Aは発振回路、Bは検出回路である。
【図7】実施例の直流電流センサーにおける被検出導線
に流れる直流電流と検出コイルのパルス起電力との関係
を示すグラフである。
【図8】図3の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図9】図3の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【符号の説明】
1 被検出導線 51 検出コア 51a 外側コア部材 51b コイルボビン 51c 内側コア部材 52 中空部 53 励磁コイル 54 検出コイル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】A,B,Cはこの発明による直流電流センサー
の作動原理を示す直流電流センサーの一部破断斜視説明
図である。
【図2】この発明の直流電流センサー構成における励磁
コアに印加された励磁電力の周波数と検出コアを通過す
る磁束、検出コイルの起電力との関係を示すグラフであ
り、Aは励磁電流の時間的変位、Bは検出コアを通過す
る磁束の時間的変位、CとDは検出コイルの起電力と時
間的変位の関係を示す。
【図3】この発明による直流電流センサーの一部破断斜
視説明図である。
【図4】図3のa−a線における縦断説明図である。
【図5】この発明による直流電流センサーの検出コアの
一部破断説明図であり、Aは外側コア部材、Bはコイル
ボビン、Cは内側コア部材を示す。
【図6】この発明による直流電流センサーに用いた電気
回路図であり、Aは発振回路、Bは検出回路である。
【図7】実施例の直流電流センサーにおける被検出導線
に流れる直流電流と検出コイルのパルス起電力との関係
を示すグラフである。
【図8】図3の直流電流センサーにおける励磁電流の通
電時の磁束を示す要部縦断斜視説明図である。
【図9】図3の直流電流センサー構成における印加され
た周波数との関係を示すグラフであり、Aは周波数と励
磁電流、Bは周波数と検出コアを通過する磁束、Cは周
波数と検出コイルの起電力との関係を示す。
【図10】図3の直流電流センサー構成(直流電流Iが
図3中下向きの場合)における印加された周波数との関
係を示すグラフであり、Aは周波数と励磁電流、Bは周
波数と検出コアを通過する磁束、Cは周波数と検出コイ
ルの起電力との関係を示す。
【符号の説明】 1 被検出導線 51 検出コア 51a 外側コア部材 51b コイルボビン 51c 内側コア部材 52 中空部 53 励磁コイル 54 検出コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の軟質磁性材料からなる検出コアの
    内部に周方向に連通する中空部を形成し、該中空部に周
    方向に巻回する励磁コイルを配置するとともに、検出コ
    アの外周部にトロイダル状に巻回する検出コイルを配置
    し、かつ、検出コアの内側に被検出導線を貫通配置する
    直流電流センサーにおいて、前記励磁コイルにパルス電
    流を印加し、該パルス電流によって検出コアの周方向に
    対して直交方向の磁束を発生させ、前記被検出導線に流
    れる直流電流によって検出コアの周方向に発生する磁束
    を変調し、該磁束の変調に基づく前記検出コイルに発生
    するパルス起電力の極性と大きさを検出することによっ
    て、被検出導線に流れる直流電流とその向きを検出する
    ことを特徴とする直流電流センサー。
  2. 【請求項2】 請求項1において、励磁パルス電流が一
    定の周波数でないランダムあるいはパルス間隔を変化さ
    せて異なる特定パターンの間隔を持たせて印加したパル
    スと同じ時期に発生した検出パルスのみを検出して、外
    来ノイズなどによる誤検出を防止した直流電流センサ
    ー。
JP8299700A 1996-10-23 1996-10-23 直流電流センサー Pending JPH10123180A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013160549A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Takashi Tadatsu 直交励磁型電流センサ
CN109347083A (zh) * 2018-12-05 2019-02-15 贵州电网有限责任公司 一种直流配电系统分布式发电电路结构

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013160549A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Takashi Tadatsu 直交励磁型電流センサ
CN109347083A (zh) * 2018-12-05 2019-02-15 贵州电网有限责任公司 一种直流配电系统分布式发电电路结构
CN109347083B (zh) * 2018-12-05 2023-08-18 贵州电网有限责任公司 一种直流配电系统分布式发电电路结构

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