JP2002116242A - 磁気検出装置 - Google Patents

磁気検出装置

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JP2002116242A
JP2002116242A JP2000309881A JP2000309881A JP2002116242A JP 2002116242 A JP2002116242 A JP 2002116242A JP 2000309881 A JP2000309881 A JP 2000309881A JP 2000309881 A JP2000309881 A JP 2000309881A JP 2002116242 A JP2002116242 A JP 2002116242A
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JP2000309881A
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Inventor
Makoto Kawakami
川上  誠
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で地磁気を除去した検出結果を得
ることができる磁気検出装置を提供する。 【解決手段】 磁気センサS1の磁気検出素子10X,
10Y,10Zの検出方向と、磁気センサS2の磁気検
出素子10x,10y,10zの検出方向とを整合させ
た状態で、磁気センサS1,S2を離隔してハウジング
H内に配する。また、磁気検出素子10X,10Y,1
0Zの検出コイルの巻方向と、磁気検出素子10x,1
0y,10zの検出コイルの巻方向とを同一とし、夫々
の磁気検出素子10X,10Y,10Z,10x,10
y,10zの内部導体、外部導体、及び端板に高周波電
流を通流する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気センサを用い
て、磁界の強さ、磁界の方向等を検出することにより磁
気を検出する磁気検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の走行支援道路システム、
心臓等の生体磁気の測定、又は鋼材等の非破壊検査等、
多くの用途に磁気検出装置が供せられており、このよう
な用途に供せられる磁気検出装置は微少な磁界の強さを
検出する必要があるため、分解能が高い磁気センサが磁
気検出装置として用いられている。
【0003】また、特に医療分野では、肺内部等にでき
た癌の内視鏡手術を可能にするために、手術前に行う細
胞検査によって癌細胞が発見された場合、患部に長さ5
mm程度の永久磁石を埋め込み、手術の際、鉗子又は内視
鏡等に取り付けた磁気検出装置により前記永久磁石を検
出し、患部の正確な位置を把握するようにした手術方法
が提案されており、このような手術方法に供せられる磁
気検出装置にも、以下に説明するような理由によって、
分解能が高い磁気センサが用いられている。
【0004】永久磁石から発生する磁界の強さ(磁束密
度)は、距離の3乗に反比例することが知られている。
図9は、永久磁石から発生する磁束密度と距離との関係
を説明するグラフである。図中、縦軸は磁束密度を示
し、横軸は永久磁石からの距離を示している。その表面
付近における磁束密度が約50mTである永久磁石の場
合、図に示すように、永久磁石からの距離が20mmの位
置における磁束密度は約0.4mTとなり、前記距離が4
0mmの位置における磁束密度は約0.07mTとなる。ま
た、前記距離が50mmの位置では、磁束密度が約0.0
4mTとなり、これは、地磁気による磁束密度と略一致す
る。
【0005】このように、永久磁石からの距離が増加す
るとともに、この永久磁石から発せられる磁界の強さは
減少し、しかも永久磁石を患部に埋め込むため、永久磁
石から離隔した位置で該永久磁石による磁気を検出しな
ければならないので、前述したような手術方法には、分
解能が高い磁気センサが磁気検出装置として用いられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如き
従来の磁気検出装置においては、前述したように、永久
磁石から発せられる磁界の強さが、永久磁石からの距離
が増加するとともに減少するため、磁気を検出する検出
位置において、この磁界が地磁気による磁界と同程度の
強さとなっている場合があり、このような場合には、磁
気検出装置によって検出した磁気が永久磁石によるもの
か、地磁気であるかを判別することが困難であるので、
正確に永久磁石による磁気を検出することが困難である
という問題があった。
【0007】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、一対の磁気センサを離隔して配し、夫々の磁気
センサの出力の差分を求めるようにすることによって、
均一磁界である地磁気等を除去した検出結果を得ること
ができ、永久磁石等から発せられる局部磁界を生じさせ
る目的の磁気のみを正確に検出することができる磁気検
出装置を提供することを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、夫々の検出方向を交
差させて配した3個の磁気検出素子によって、一対の磁
気センサを夫々構成することによって、各検出方向の磁
界の強さを検出できるため、目的の磁気による磁界の方
向によらず正確に目的の磁気を検出できる磁気検出装置
を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、両磁気センサの
夫々の磁気検出素子の検出方向を整合させることによっ
て、各検出方向についての地磁気を正確に取り除いた検
出結果を容易に得ることができ、簡単な構成で更に正確
に目的の磁気を検出することができる磁気検出装置を提
供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、小型、軽量であ
ると共に、高感度な磁気検出素子である直交フラックス
ゲート型の磁気検出素子を用いることによって、小型、
軽量であり、検出精度が高い磁気検出装置を提供するこ
とにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、直交フラックス
ゲート型の磁気検出素子としての本来の特性を損なうこ
となく、小型、軽量であると共に、更に消費電力を低減
し、高感度化を図った直交フラックスゲート型の磁気検
出素子を用いることによって、更に消費電力が低く、検
出精度が高い磁気検出装置を提供することにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、一方の磁気セン
サに含まれる磁気検出素子の検出コイルの巻方向と、他
方の磁気センサに含まれる磁気検出素子の巻方向とを各
別に定め、前記一方の磁気センサ及び前記他方の磁気セ
ンサに夫々含まれる磁気検出素子のうちで、検出方向を
夫々整合させた磁気検出素子の検出コイルを所定の接続
状態で接続し、一方の磁気センサの磁気検出素子及び他
方の磁気センサの磁気検出素子に所定の位相差の高周波
電流を与えるようにすることによって、検出方向を整合
させた磁気検出素子の出力結果の差分を容易に求めるこ
とができる磁気検出装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る磁気検出
装置は、周囲の磁界の強さに基づいて、該磁界を生じさ
せる磁気を検出する磁気検出装置において、周囲の磁界
の強さを検出する一対の磁気センサを離隔して配してあ
り、一方の磁気センサが検出する磁界の強さと、他方の
磁気センサが検出する磁界の強さとの差分を求めるよう
になしてあることを特徴とする。
【0014】第1発明に係る磁気検出装置による場合
は、一対の磁気センサを離隔して配し、夫々の磁気セン
サが検出する磁界の強さの差分を求めるようにする。例
えば、一対の磁気センサのうちの一方の近傍に永久磁石
が存在する場合、一方の磁気センサの周囲には、この永
久磁石から発せられる磁界が存在し、他方の磁気センサ
の周囲には、前記一方の磁気センサの周囲に存在する磁
界の強さに比して、磁界の強さが大幅に小さい磁界が存
在するか、又は前記永久磁石から発せられる磁界が殆ど
存在しないこととなる。また、両磁気センサの周囲に
は、地磁気による磁界が存在する。従って、一方の磁気
センサは、永久磁石から発せられる磁界と、地磁気によ
る磁界との合成磁界の強さを検出し、他方の磁気センサ
は、殆ど地磁気による磁界の強さのみを検出する。そし
て、両磁気センサが検出した磁界の強さの差分を求める
ことによって、地磁気による磁界を除去し、永久磁石か
ら発せられる磁界の強さのみを得ることができ、永久磁
石等から発せられる局部磁界を生じさせる目的の磁気の
みを正確に検出することができる。
【0015】以上のことから、前記他方の磁気センサの
周囲における永久磁石から発せられる磁界の磁界強度が
低い程、正確に目的の磁気を検出することができるた
め、一対の磁気センサの離隔距離は、磁気検出装置に要
求される検出精度等に応じて選定されるが、永久磁石表
面から、永久磁石表面の磁界強度の1/5〜1/10程
度の磁界強度を示す位置までの距離以上とすることが好
ましい。
【0016】第2発明に係る磁気検出装置は、第1発明
に係る磁気検出装置において、前記磁気センサは、検出
方向の磁界の強さを検出する3個の磁気検出素子を、夫
々の検出方向が互いに交差すべく配設してあり、両磁気
センサの夫々の前記検出方向を整合させ、一方の磁気セ
ンサの夫々の磁気検出素子が検出する磁界の強さと、該
夫々の磁気検出素子に対応する他方の磁気センサの夫々
の磁気検出素子が検出する磁界の強さとの差分を各別に
求めるようになしてあることを特徴とする。
【0017】第2発明に係る磁気検出装置による場合
は、一対の磁気センサを、夫々検出方向を交差させた3
個の磁気検出素子によって構成する。例えば、夫々の検
出方向を直交させることによって、検出対象の磁気によ
る磁界の方向が、何れの方向であっても、この磁気によ
る磁界の強さを検出することができる。また、3個の磁
気検出素子の夫々の出力から、磁界の方向も検出するこ
とができる。そして、このような磁気センサを、一方の
磁気センサの夫々の磁気検出素子の検出方向と、他方の
磁気センサの夫々の磁気検出素子の検出方向とを整合さ
せるようにし、検出方向が整合された2個の磁気検出素
子が夫々検出する磁界の強さの差分を求めるようにする
ことによって、一方の磁気検出素子の検出方向及び地磁
気の方向と、他方の磁気検出素子の検出方向及び地磁気
の方向との関係が略一致するため、検出結果から地磁気
による磁界の強さを除去することができ、更に正確に目
的の磁気を検出することができる。
【0018】第3発明に係る磁気検出装置は、第2発明
に係る磁気検出装置において、前記磁気検出素子は、軟
質磁性材料からなる筒状のコアの内側にこれと同軸的に
配設してある内部導体に所定周波数の高周波電流を通流
し、前記コアの外囲に巻回した検出コイルに鎖交する検
出方向の磁界の磁束を変化させ、前記検出コイルの出力
を求めて前記磁界の強さを検出するようになしてあるこ
とを特徴とする。
【0019】第3発明に係る磁気検出装置による場合
は、筒状のコア、該コアの内側に配された内部導体、及
び前記コアの外囲に巻回した検出コイルを備える直交フ
ラックスゲート型の磁気検出素子を用いる。
【0020】図10は、直交フラックスゲート型の磁気
検出素子の動作原理を説明する模式図であり、図11
は、直交フラックスゲート型の磁気検出素子にて磁界の
強さの検出を行う際の励磁電流、コアの軸心方向(検出
方向)における磁化の程度、及び検出コイルの出力電圧
夫々の波形図である。磁気検出素子を、その内部導体及
びコアの軸心線を外部磁界の方向と平行になるように配
置した場合、外部磁界の磁束は図10(a)に示す如く
コアに引き寄せられてコア内を通る磁路が形成される。
【0021】内部導体に図11に示す如き正弦波の励磁
電流IEXを流したとき、コアの周面は図10(b)に矢
符で示す如くに磁化され、励磁電流IEXが図10(a)
に示す状態から増大し、図10(b)に示す如く最大値
に達したときに、コアの磁化が飽和状態となり、外部磁
界の磁束はコアから離れて内部導体と平行となる。
【0022】この間コアの検出方向の磁化の程度は図1
1に示す如くに低下し、また検出コイルの出力(電圧)
はコアの検出方向の磁化の程度の低下率の大きい位置で
大きくなり、該磁化の程度が最小値に達したときに0と
なる。
【0023】励磁電流IEXが最大値から減少してゆき、
ゼロクロス点に達する過程で図10(c)に示す如く、
再び外部磁界の磁束はコア内を通るようになる。励磁電
流I EXの向きが逆になったとき、コアの周面は図10
(d)に矢符で示す如く周方向の逆向きに磁化され、励
磁電流IEXが減少し、負の最大値に達したとき、コアの
磁化が再び飽和状態となり、外部磁界の磁束はコアの軸
心線と平行になる。この間検出コイルの出力はコアの磁
化の程度の増加率の大きい位置で小さくなり、該磁化の
程度が最大値に達したときに再び0となる変化を繰り返
す結果、励磁電流IEXの1周期の変化に対応して2周期
分変化する。
【0024】つまり、軟質磁性材料にて形成された円筒
形のコアに励磁電流を貫通させ、周期的に周方向に励磁
することにより、コアの検出方向の磁化をスイッチング
することでコアと外部磁界との関係は図10(a)から
図10(b)、図10(b)から図10(c)、図10
(c)から図10(d)に移るが、この過程で検出コイ
ルと鎖交する磁束密度が変化することで図11に示す如
く検出コイルから外部磁界の強さに対応した出力電圧が
得られる。
【0025】このような直交フラックスゲート型の磁気
検出素子は、検出出力の直線性、温度特性、及び分解能
に優れており、また、小型、軽量であるため、磁気検出
装置自身を小型、軽量とし、また磁気検出装置の磁気検
出精度を高くすることができる。
【0026】第4発明に係る磁気検出装置は、第3発明
に係る磁気検出装置において、前記磁気検出素子は、前
記コア及び前記検出コイルの間に介装され、前記内部導
体と電気的に接続される外部導体を備えることを特徴と
する。
【0027】第4発明に係る磁気検出装置による場合
は、コア及び検出コイルの間に外部導体を介装し、外部
導体と内部導体とを電気的に接続する。図12は、第4
発明に係る磁気検出装置の磁気検出素子を示す模式図で
あり、図13は、通常の直交フラックスゲート型の磁気
検出素子を示す模式図である。図12(a)及び図13
(a)において、1は内部導体、2はコア、3は検出コ
イル、4は外部導体、5は高周波電源を示している。通
常の直交フラックスゲート型の磁気検出素子にあって
は、内部導体1を流れる励磁電流IEXによって形成され
る磁束分布は図13(b)に示す如くになる。即ち、磁
束はコア2内だけ(図中破線イで示す)でなく、コア2
の外方の空間において周方向(図中破線ロで示す)に形
成される。この結果、大部分は空間を励磁することとな
り、励磁電流IEXが多大に消費されることとなる。
【0028】更に、通常のフラックスゲート型の磁気検
出素子にあっては、検出コイル3を必須の構成とするこ
とから、前記コア2外の空間に発生する磁束(図中破線
ロ)の一部が検出コイル3を鎖交することとなり、検出
出力中に励磁信号が混入し、S/N比及び分解能が低下
する。
【0029】一方、第4発明に係る磁気検出装置の磁気
検出素子は、図12(a)に示す如く、コア2及び検出
コイル3の間に、外部導体4を介装し、外部導体4及び
内部導体1を電気的に接続してある。また、図中5は高
周波電源である。このような磁気検出素子にあっては、
図12(b)に示す如く、内部導体1を流れる励磁電流
EX及び外部導体4を流れる励磁電流IEXにより励磁磁
界はこれら内部導体1と外部導体4との間にのみ発生
し、外部の空間を磁化することが無く、コア2に磁界を
集中させることができて低電力にて無駄のない磁化を行
うことができる。
【0030】従って、第4発明に係る磁気検出装置の磁
気検出素子にあっては、励磁電流I EXの通流により形成
された磁界をコア2に集中させ得ることとなり、小さい
電力でコア2を効率良く励磁でき、また検出コイル3の
出力信号に励磁信号が混入せず、S/N比が向上する。
またコア2全体をその表面だけでなく表面及び内部に亘
って一様に励磁できるから残留磁界を生じずヒステリシ
スが無く、高い測定精度が得られる。このことにより、
磁気検出装置の消費電力を低減し、検出精度を向上させ
ることができる。
【0031】第5発明に係る磁気検出装置は、第3又は
第4発明に係る磁気検出装置において、前記一方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向と、該夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向とを同一とし、前記一方の磁気センサの夫々の磁気検
出素子が備える検出コイルの検出方向一側の端部と、該
夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの
夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの検出方向一側
の端部とを接続してあり、前記一方の磁気センサの夫々
の磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流と、該
夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの
夫々の磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流と
の位相差を略0又は略1/2周期とすべくなしてあるこ
とを特徴とする。
【0032】図14は、第5発明に係る磁気検出装置の
検出方向を整合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付
け状態を説明する模式図であり、図15は、図14に示
した磁気検出素子夫々に与える励磁電流及び夫々の出力
電圧の波形を示すグラフである。図14に示す如く、第
5発明に係る磁気検出装置では、検出方向を整合させた
2個の磁気検出素子10A,10aが夫々備える検出コ
イル3A,3aの巻方向を同一としてある。また、検出
コイル3Aの検出方向(図中矢符で示す)の一側の端部
と、検出コイル3aの前記検出方向の一側の端部とを接
続してある。
【0033】そして、このような磁気検出素子10A,
10aの内部導体1A,1a夫々に、図15に示す如
く、位相差が略0の高周波の励磁電流IEX1 及びIEX2
を通流する。励磁電流IEX1 ,IEX2 の増加と共に、コ
ア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束が減少し、この
磁束の減少を妨げるように、検出コイル3A,3aに誘
導起電力(出力電圧)が発生する。検出コイル3A,3
aの巻方向が同一であるため、検出コイル3A,3aに
夫々通流する誘導電流の向きが同一であり、夫々の誘導
起電力の向きも同一となる。
【0034】コア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束
の減少率が最大のとき、検出コイル3Aの誘導起電力は
最大となり、検出コイル3aの誘導起電力もこれと同じ
向きで最大となる。更にコア2A,2aを貫通する外部
磁界の磁束は減少し続け、コア2A,2a内から無くな
る。これに応じて、検出コイル3Aの誘導起電力は減少
し、これと同じ向きで検出コイル3aの誘導起電力も減
少して、両誘導起電力が0に到達する。
【0035】そして、励磁電流IEX1 ,IEX2 が最大値
から減少し始め、コア2A,2aを貫通する外部磁界の
磁束が増加し始める。これによって、検出コイル3Aの
誘導起電力は、この外部磁界の磁束の増加を妨げるよう
に、これまでと反対の向きで増加し始め、検出コイル3
aの誘導起電力も、同じ向きで増加し始める。更に前記
外部磁界の磁束の増加は進行し、この増加率が最大のと
きに、検出コイル3Aの誘導起電力が最大となり、検出
コイル3aの誘導起電力も同じ向きで最大となる。続い
てコア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束が増加し、
これに応じて検出コイル3A,3aの誘導起電力は減少
し、コア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束が最大と
なったとき、検出コイル3A,3aの誘導起電力は0と
なる。このように、検出コイル3A,3aの誘導起電力
は略同位相、同周期で周期的に変化する。
【0036】従って、検出コイル3A,3aに発生する
誘導電流は、夫々同一の向きで通流するが、検出コイル
3Aの検出方向一側の端部と、検出コイル3aの検出方
向一側の端部とが接続されているため、夫々の誘導起電
力は打ち消され、結果として、検出コイル3A,3aの
出力の差分が得られることとなる。これによって、簡単
な構成で、容易に検出コイル3A,3aの差分を得るこ
とができる。
【0037】第6発明に係る磁気検出装置は、第3又は
第4発明に係る磁気検出装置において、前記一方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向と、該夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向とを逆とし、前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出
素子が備える検出コイルの検出方向一側の端部と、該夫
々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの夫
々の磁気検出素子が備える検出コイルの検出方向他側の
端部とを接続してあり、前記一方の磁気センサの夫々の
磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流と、該夫
々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの夫
々の磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流との
位相差を略0又は略1/2周期とすべくなしてあること
を特徴とする。
【0038】図16は、第6発明に係る磁気検出装置の
検出方向を整合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付
け状態を説明する模式図であり、図17は、図16に示
した磁気検出素子夫々に与える励磁電流及び夫々の出力
電圧の波形を示すグラフである。図16に示す如く、第
6発明に係る磁気検出装置では、検出方向を整合させた
2個の磁気検出素子10A,10aが夫々備える検出コ
イル3A,3aの夫々の巻方向を逆としてある。また、
検出コイル3Aの検出方向(図中矢符で示す)の一側の
端部と、検出コイル3aの前記検出方向の他側の端部と
を接続してある。
【0039】そして、このような磁気検出素子10A,
10aの内部導体1A,1a夫々に、図17に示す如
く、位相差が略0の高周波の励磁電流IEX1 及びIEX2
を通流する。励磁電流IEX1 ,IEX2 の増加と共に、コ
ア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束が減少し、この
磁束の減少を妨げるように、検出コイル3A,3aに誘
導起電力(出力電圧)が発生する。検出コイル3A,3
a夫々の巻方向が逆であるため、検出コイル3A,3a
に夫々通流する誘導電流の向きが互いに逆であり、夫々
の誘導起電力の向きも反対となる。
【0040】コア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束
の減少率が最大のとき、検出コイル3Aの誘導起電力は
最大となり、検出コイル3aの誘導起電力もこれと逆向
きで最大となる。更にコア2A,2aを貫通する外部磁
界の磁束は減少し続け、コア2A,2a内から無くな
る。これに応じて、検出コイル3Aの誘導起電力は減少
し、これと逆向きで検出コイル3aの誘導起電力も減少
して、両誘導起電力が0に到達する。
【0041】そして、励磁電流IEX1 ,IEX2 が最大値
から減少し始め、コア2A,2aを貫通する外部磁界の
磁束が増加し始める。これによって、検出コイル3Aの
誘導起電力は、この外部磁界の磁束の増加を妨げるよう
に、これまでと反対の向きで増加し始め、検出コイル3
aの誘導起電力は、これと逆向きで増加し始める。更に
前記外部磁界の磁束の増加は進行し、この増加率が最大
のときに、検出コイル3Aの誘導起電力が最大となり、
検出コイル3aの誘導起電力も逆向きで最大となる。続
いてコア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束が増加
し、これに応じて検出コイル3Aの誘導起電力は減少
し、検出コイル3aの誘電起電力もまたこれと逆向きで
減少して、コア2A,2aを貫通する外部磁界の磁束が
最大となったとき、検出コイル3A,3aの誘導起電力
は0となる。このように、検出コイル3A,3aの誘導
起電力は、位相差が1/2周期となるように、略同周期
で周期的に変化する。
【0042】従って、検出コイル3A,3aに発生する
誘導電流は、夫々反対の向きで通流し、検出コイル3A
の検出方向一側の端部と、検出コイル3aの検出方向他
側の端部とが接続されているため、夫々の誘導起電力は
打ち消され、結果として、検出コイル3A,3aの出力
の差分が得られることとなる。これによって、簡単な構
成で、容易に検出コイル3A,3aの差分を得ることが
できる。
【0043】第7発明に係る磁気検出装置は、第3又は
第4発明に係る磁気検出装置において、前記一方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向と、該夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向とを同一とし、前記一方の磁気センサの夫々の磁気検
出素子が備える検出コイルの検出方向一側の端部と、該
夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの
夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの検出方向他側
の端部とを接続してあり、前記一方の磁気センサの夫々
の磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流と、該
夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの
夫々の磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流と
の位相差を略1/4周期とすべくなしてあることを特徴
とする。
【0044】図18は、第7発明に係る磁気検出装置の
検出方向を整合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付
け状態を説明する模式図であり、図19は、図18に示
した磁気検出素子夫々に与える励磁電流及び夫々の出力
電圧の波形を示すグラフである。図18に示す如く、第
7発明に係る磁気検出装置では、検出方向を整合させた
2個の磁気検出素子10A,10aが夫々備える検出コ
イル3A,3aの巻方向を夫々同一としてある。また、
検出コイル3Aの検出方向(図中矢符で示す)の一側の
端部と、検出コイル3aの前記検出方向の他側の端部と
を接続してある。
【0045】そして、このような磁気検出素子10A,
10aの内部導体1A,1a夫々に、図19に示す如
く、略1/4周期の位相差を有する高周波の励磁電流I
EX1 及びIEX2 を通流する。励磁電流IEX1 の増加と共
に、コア2Aを貫通する外部磁界の磁束が減少し、この
磁束の減少を妨げるように、検出コイル3Aに誘導起電
力(出力電圧)が発生する。このとき、励磁電流IEX2
は、励磁電流IEX1 とは反対向きに検出コイル3a内を
通流している。励磁電流IEX1 の0からの増加に応じて
励磁電流IEX2 は減少し、励磁電流IEX1 が最大値とな
るとき、励磁電流IEX2 は0となる。従って、この間に
コア2a内を貫通する外部磁界の磁束は、0から増加し
ていき、励磁電流IEX2 が0のときに、コア2aを貫通
する外部磁界の磁束が最大となる。この増加を妨げるよ
うに、検出コイル3aに誘導起電力が発生する。検出コ
イル3A,3a夫々の巻方向が同一であるため、夫々の
誘導起電力の向きが反対となる。
【0046】コア2Aを貫通する外部磁界の磁束の減少
率が最大のとき、検出コイル3Aの誘導起電力は最大と
なり、このときコア2aを貫通する外部磁界の磁束の増
加率が最大となるため、検出コイル3aの誘導起電力
は、前記検出コイル3Aの誘導起電力と逆向きで最大と
なる。更にコア2Aを貫通する外部磁界の磁束は減少し
続け、コア2A内から無くなる。これに応じて、検出コ
イル3Aの誘導起電力は減少する。一方、コア2aを貫
通する外部磁界の磁束は増加し続け、最大となる。そし
て、前記検出コイル3Aの誘導起電力と逆向きで検出コ
イル3aの誘導起電力も減少して、両誘導起電力が0に
到達する。
【0047】そして、励磁電流IEX1 が最大値から減少
し始め、コア2Aを貫通する外部磁界の磁束が増加し始
める。これによって、検出コイル3Aの誘導起電力は、
この外部磁界の磁束の増加を妨げるように、これまでと
反対の向きで増加し始める。一方、励磁電流IEX2 は0
から増加し始め、コア2aを貫通する外部磁界の磁束が
減少し始める。これによって、検出コイル3aの誘導起
電力は、前記検出コイル3Aの誘導起電力と逆向きに増
加し始める。更に前記コア2Aを貫通する外部磁界の磁
束の増加は進行し、この増加率が最大のときに、検出コ
イル3Aの誘導起電力が最大となる。前記コア2aを貫
通する外部磁界の磁束の減少も進行し、この減少率が最
大のときに、検出コイル3aの誘導起電力も前記検出コ
イル3Aの誘導起電力と逆向きに最大となる。続いてコ
ア2Aを貫通する外部磁界の磁束が増加し、これに応じ
て検出コイル3Aの誘導起電力は減少し、コア2Aを貫
通する外部磁界の磁束が最大となったとき、検出コイル
3Aの誘導起電力は0となる。同時に、コア2aを貫通
する外部磁界の磁束が減少し、これに応じて検出コイル
3aの誘導起電力が検出コイル3Aの誘導起電力と逆向
きに減少して、コア2aを貫通する外部磁界の磁束が0
となったとき、検出コイル3aの誘導起電力は0とな
る。このように、検出コイル3A,3aの誘導起電力
は、位相差が1/2周期となるように、同周期で周期的
に変化する。
【0048】従って、検出コイル3A,3aに発生する
誘導電流は、夫々反対の向きで通流し、検出コイル3A
の検出方向一側の端部と、検出コイル3aの検出方向他
側の端部とが接続されているため、夫々の誘導起電力は
打ち消され、結果として、検出コイル3A,3aの出力
の差分が得られることとなる。これによって、簡単な構
成で、容易に検出コイル3A,3aの差分を得ることが
できる。
【0049】第8発明に係る磁気検出装置は、第3又は
第4発明に係る磁気検出装置において、前記一方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向と、該夫々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気
センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイルの巻方
向とを逆とし、前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出
素子が備える検出コイルの検出方向一側の端部と、該夫
々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの夫
々の磁気検出素子が備える検出コイルの検出方向一側の
端部とを接続してあり、前記一方の磁気センサの夫々の
磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流と、該夫
々の磁気検出素子に対応する前記他方の磁気センサの夫
々の磁気検出素子の内部導体に通流する高周波電流との
位相差を略1/4周期とすべくなしてあることを特徴と
する。
【0050】図20は、第8発明に係る磁気検出装置の
検出方向を整合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付
け状態を説明する模式図であり、図21は、図20に示
した磁気検出素子夫々に与える励磁電流及び夫々の出力
電圧の波形を示すグラフである。図20に示す如く、第
8発明に係る磁気検出装置では、検出方向を整合させた
2個の磁気検出素子10A,10aが夫々備える検出コ
イル3A,3aの夫々の巻方向を逆としてある。また、
検出コイル3Aの検出方向(図中矢符で示す)の一側の
端部と、検出コイル3aの前記検出方向の一側の端部と
を接続してある。
【0051】そして、このような磁気検出素子10A,
10aの内部導体1A,1a夫々に、図21に示す如
く、略1/4周期の位相差を有する高周波の励磁電流I
EX1 及びIEX2 を通流する。励磁電流IEX1 の増加と共
に、コア2Aを貫通する外部磁界の磁束が減少し、この
磁束の減少を妨げるように、検出コイル3Aに誘導起電
力(出力電圧)が発生する。このとき、励磁電流IEX2
は、励磁電流IEX1 とは反対向きに検出コイル3a内を
通流している。励磁電流IEX1 の0からの増加に応じて
励磁電流IEX2 は減少し、励磁電流IEX1 が最大値とな
るとき、励磁電流IEX2 は0となる。従って、この間に
コア2a内を貫通する外部磁界の磁束は、0から増加し
ていき、励磁電流IEX2 が0のときに、コア2aを貫通
する外部磁界の磁束が最大となる。この増加を妨げるよ
うに、検出コイル3aに誘導起電力が発生する。検出コ
イル3A,3a夫々の巻方向が逆であるため、夫々の誘
導起電力の向きが同一となる。
【0052】コア2Aを貫通する外部磁界の磁束の減少
率が最大のとき、検出コイル3Aの誘導起電力は最大と
なり、このときコア2aを貫通する外部磁界の磁束の増
加率が最大となるため、検出コイル3aの誘導起電力
は、前記検出コイル3Aの誘導起電力と同じ向きで最大
となる。更にコア2Aを貫通する外部磁界の磁束は減少
し続け、コア2A内から無くなる。これに応じて、検出
コイル3Aの誘導起電力は減少する。一方、コア2aを
貫通する外部磁界の磁束は増加し続け、最大となる。そ
して、前記検出コイル3Aの誘導起電力と同じ向きで検
出コイル3aの誘導起電力も減少して、両誘導起電力が
0に到達する。
【0053】そして、励磁電流IEX1 が最大値から減少
し始め、コア2Aを貫通する外部磁界の磁束が増加し始
める。これによって、検出コイル3Aの誘導起電力は、
この外部磁界の磁束の増加を妨げるように、これまでと
反対の向きで増加し始める。一方、励磁電流IEX2 は0
から増加し始め、コア2aを貫通する外部磁界の磁束が
減少し始める。これによって、検出コイル3aの誘導起
電力は、前記検出コイル3Aの誘導起電力と同じ向きに
増加し始める。更に前記コア2Aを貫通する外部磁界の
磁束の増加は進行し、この増加率が最大のときに、検出
コイル3Aの誘導起電力が最大となる。前記コア2aを
貫通する外部磁界の磁束の減少も進行し、この減少率が
最大のときに、検出コイル3aの誘導起電力も前記検出
コイル3Aの誘導起電力と同じ向きに最大となる。続い
てコア2Aを貫通する外部磁界の磁束が増加し、これに
応じて検出コイル3Aの誘導起電力は減少し、コア2A
を貫通する外部磁界の磁束が最大となったとき、検出コ
イル3Aの誘導起電力は0となる。同時に、コア2aを
貫通する外部磁界の磁束が減少し、これに応じて検出コ
イル3aの誘導起電力が検出コイル3Aの誘導起電力と
同じ向きに減少して、コア2aを貫通する外部磁界の磁
束が0となったとき、検出コイル3aの誘導起電力は0
となる。このように、検出コイル3A,3aの誘導起電
力は同位相、同周期で周期的に変化する。
【0054】従って、検出コイル3A,3aに発生する
誘導電流は、夫々同一の向きで通流するが、検出コイル
3Aの検出方向一側の端部と、検出コイル3aの検出方
向一側の端部とが接続されているため、夫々の誘導起電
力は打ち消され、結果として、検出コイル3A,3aの
出力の差分が得られることとなる。これによって、簡単
な構成で、容易に検出コイル3A,3aの差分を得るこ
とができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 (実施の形態1)図1は、本発明に係る磁気検出装置の
実施の形態1の要部の構成を示す模式的斜視図である。
【0056】図1において、10は本発明に係る磁気検
出装置であり、該磁気検出装置10は、両端部に夫々磁
気センサS1,S2を備えている。磁気センサS1は、
3個の直交フラックスゲート型の磁気検出素子10X,
10Y,10Zを有しており、磁気センサS2も同様に
3個の直交フラックスゲート型の磁気検出素子10x,
10y,10zを有している。磁気センサS1の磁気検
出素子10X,10Y,10Zは、互いに直交する図中
X,Y,Z方向を夫々長手方向として配されており、こ
れと同様に、磁気センサS2の磁気検出素子10x,1
0y,10zも、前記X,Y,Z方向を夫々長手方向と
して配されている。また、磁気検出素子10X,10
Y,10Z,10x,10y,10z夫々は、外径1m
m、長さ10mmの略丸棒状をなしており、磁気検出素子
10X,10Y,10Z夫々の中心軸の交点と、磁気検
出素子10x,10y,10z夫々の中心軸の交点との
距離Lを100mmとしてある。
【0057】なお、磁気検出素子10X,10Y,10
Z,10x,10y,10zの外径及び長さ、並びに距
離Lは、前述のような寸法に限るものではなく、他の寸
法としてもよいことはいうまでもない。
【0058】また、磁気検出素子10Z,10zは、同
軸的に配してあり、磁気検出素子10X,10Y,10
Zの相対的配置位置と、磁気検出素子10x,10y,
10zの相対的配置位置とは、略同一とされている。即
ち、磁気検出素子10Xに対する磁気検出素子10Yの
相対的位置と、磁気検出素子10xに対する磁気検出素
子10yの相対的位置とは略同一であり、磁気検出素子
10Xに対する磁気検出素子10Zの相対的位置と、磁
気検出素子10xに対する磁気検出素子10zの相対的
位置とは略同一とされている。
【0059】なお、磁気検出素子10X,10xが、夫
々長手方向をX方向としており、磁気検出素子10Y,
10yが、夫々長手方向をY方向としており、磁気検出
素子10Z,10zが、夫々長手方向をZ方向としてい
れば、磁気検出素子10Z,10zを同軸上に配してい
なくてもよく、磁気検出素子10X,10Y,10Zの
相対的配置位置と、磁気検出素子10x,10y,10
zの相対的配置位置とが異なっていてもよい。
【0060】図2は、磁気検出素子10Xを示す斜視図
である。図において、1は内部導体、2はコア、3は検
出コイル、4は外部導体を示している。内部導体1は、
金属又はその他の導電性材料製であり、円柱形をなして
いる。また、外部導体4も金属又はその他の導電性材料
性であり、内径が内部導体1の直径よりも大きい円筒形
をなしている。内部導体1と外部導体4とは前者を内側
に、後者を外側にして相互の間に絶縁材料を介在させた
状態で同軸に配設され、内部導体1及び外部導体4の、
図中矢符にて示す検出方向の同じ側の一端部同士は端板
4aにて電気的に接続されている。
【0061】内部導体1の他端は、外部導体4の他端か
ら所定長外方に突き出して位置せしめられている。これ
ら内部導体1の外周面、外部導体4の内、外周面及び端
板4aの内周面には絶縁材を蒸着又はコーティングして
ある。そしてこの内部導体1と外部導体4との間に形成
されている円筒形をなす空間部内に、例えばパーマロイ
(Ni−Fe合金)、センダスト(Fe−Al−Si合
金)、ソフトフェライト等の軟質磁性材料にて円筒形に
形成したコア2が嵌挿せしめられている。
【0062】コア2の一端は端板4aの内周面に接する
位置まで挿入され、また他端は外部導体4の他端から所
定長突き出されている。このコア2と内部導体1、外部
導体4との間は密接状態とする必要はなく、適宜の遊び
があって遊動可能な状態としてもよい。外部導体4の外
周には検出コイル3が所定方向に所定回数巻回され、ま
た前記内部導体1と外部導体4との他端部間には後述す
る高周波電源5が接続されている。また、磁気検出素子
10Y,10Z,10x,10y,10zも同様の構成
としてある。
【0063】なお、内部導体1は円柱形に、コア2及び
外部導体4は円筒形に夫々形成した場合を示したが、特
にこれに限定するものではなく、例えば断面四角形、五
角形、その他の多角形としてもよいことはいうまでもな
い。
【0064】また、磁気検出素子10X,10Y,10
Z,10x,10y,10zは、夫々外部導体4及び端
板4aを備える構成としたが、これに限らず、外部導体
4及び端板4aを備えず、コア2の周囲に検出コイル3
が巻回される構成としてもよいことはいうまでもない。
【0065】図1に示すように、このような磁気検出素
子10X,10Y,10Zを有する磁気センサS1及び
磁気検出素子10x,10y,10zを有する磁気セン
サS2夫々が、円筒形状をなすハウジングH内の両端部
に配置されている。図3は、本発明に係る磁気検出装置
の実施の形態1での磁気検出素子10X,10Y,10
Z,10x,10y,10zの配置状態を示す模式的斜
視図である。図3に示す如く、X方向を検出方向とする
磁気検出素子10xの検出コイル3は、同じくX方向を
検出方向とする磁気検出素子10Xの検出コイル3の巻
方向と同一方向に巻回されている。これと同様に、磁気
検出素子10y(10z)の検出コイル3は、磁気検出
素子10Y(10Z)の検出コイル3の巻方向と同一方
向に巻回されている。また、磁気検出素子10X,10
xが、夫々の検出コイル3,3のX方向同一側の端部を
電気的に接続されており、この磁気検出素子10X,1
0xの直列回路の両端の電圧を出力として取り出すよう
になっている。同様に、磁気検出素子10Y,10y
(10Z,10z)が、夫々の検出コイル3,3のY方
向(Z方向)同一側の端部を電気的に接続されており、
この磁気検出素子10Y,10y(10Z,10z)の
直列回路の両端の電圧を出力として取り出すようになっ
ている。また、磁気センサS1の磁気検出素子10X,
10Y,10Z並びに磁気センサS2の磁気検出素子1
0x,10y,10zが夫々有する内部導体1及び外部
導体4には、高周波電源5が接続されており、磁気セン
サS1の磁気検出素子10X,10Y,10Z夫々の内
部導体1、外部導体4、及び端板4a並びに磁気センサ
S2の磁気検出素子10x,10y,10z夫々の内部
導体1、外部導体4、及び端板4aには、同位相の高周
波電流が与えられるようになっている。
【0066】なお、磁気センサS1の磁気検出素子10
X,10Y,10Z夫々の内部導体1、外部導体4、及
び端板4a並びに磁気センサS2の磁気検出素子10
x,10y,10z夫々の内部導体1、外部導体4、及
び端板4aに、同位相の高周波電流を与える構成とした
が、磁気センサS1の磁気検出素子10X,10Y,1
0Z夫々の内部導体1、外部導体4、及び端板4aと、
磁気センサS2の磁気検出素子10x,10y,10z
夫々の内部導体1、外部導体4、及び端板4aとの夫々
に、1/2周期位相が異なる高周波電流を与えるように
してもよい。
【0067】以上の如き構成により、一方の磁気センサ
S1を検出対象の磁気に近づけたとき、磁気センサS1
の磁気検出素子10X,10Y,10Zは、X,Y,Z
方向夫々について、前記検出対象の磁気による磁界及び
地磁気による磁界が合成された磁界の強さを検出し、他
方の磁気センサS2の磁気検出素子10x,10y,1
0zは、X,Y,Z方向夫々について、地磁気による磁
界の強さを検出する。地磁気は、磁気センサS1,S2
の両方に等しく検出され、磁気検出素子10X及び10
xの出力の差分、磁気検出素子10Y及び10yの出力
の差分、並びに磁気検出素子10Z及び10zの出力の
差分を求めることにより、地磁気による磁界の強さだけ
が取り除かれた結果を得ることができる。
【0068】(実施の形態2)図4は、本発明に係る磁
気検出装置の実施の形態2での磁気検出素子10X,1
0Y,10Z,10x,10y,10zの配置状態を示
す模式的斜視図である。図に示すように、磁気検出素子
10xの検出コイル3は、磁気検出素子10Xの検出コ
イル3の巻方向と相反する方向に巻回されている。これ
と同様に、磁気検出素子10y(10z)の検出コイル
3は、磁気検出素子10Y(10Z)の検出コイル3の
巻方向と相反する方向に巻回されている。また、磁気検
出素子10Xの検出コイル3のX方向一側の端部と、磁
気検出素子10xの検出コイル3のX方向他側の端部と
が電気的に接続されており、この磁気検出素子10X,
10xの直列回路の両端の電圧を出力として取り出すよ
うになっている。同様に、磁気検出素子10Y(10
Z)の検出コイル3のY方向(Z方向)一側の端部と、
磁気検出素子10y(10z)の検出コイル3のY方向
(Z方向)他側の端部とが電気的に接続されており、こ
の磁気検出素子10Y,10y(10Z,10z)の直
列回路の両端の電圧を出力として取り出すようになって
いる。本実施の形態2に係る磁気検出装置のその他の構
成は、実施の形態1に係る磁気検出装置の構成と同様で
あるので、その説明を省略する。
【0069】以上の如き構成により、磁気検出素子10
X及び10xの出力の差分、磁気検出素子10Y及び1
0yの出力の差分、並びに磁気検出素子10Z及び10
zの出力の差分を求めることができ、地磁気による磁界
の強さだけが取り除かれた結果を得ることができる。
【0070】(実施の形態3)図5は、本発明に係る磁
気検出装置の実施の形態3での磁気検出素子10X,1
0Y,10Z,10x,10y,10zの配置状態を示
す模式的斜視図である。図に示すように、磁気検出素子
10Xの検出コイル3のX方向一側の端部と、磁気検出
素子10xの検出コイル3のX方向他側の端部とが電気
的に接続されており、この磁気検出素子10X,10x
の直列回路の両端の電圧を出力として取り出すようにな
っている。同様に、磁気検出素子10Y(10Z)の検
出コイル3のY方向(Z方向)一側の端部と、磁気検出
素子10y(10z)の検出コイル3のY方向(Z方
向)他側の端部とが電気的に接続されており、この磁気
検出素子10Y,10y(10Z,10z)の直列回路
の両端の電圧を出力として取り出すようになっている。
また、磁気センサS1の磁気検出素子10X,10Y,
10Zが夫々有する内部導体1及び外部導体4には、高
周波電源5が接続されている。一方、磁気センサS2の
磁気検出素子10x,10y,10zが夫々有する内部
導体1及び外部導体4には、高周波電源5に接続された
移相器6が接続されている。移相器6は、高周波電源5
から与えられる電流の位相を1/4周期遅らせた後出力
するようになっており、これによって磁気センサS1の
磁気検出素子10X,10Y,10Z夫々の内部導体
1、外部導体4、及び端板4aと、磁気センサS2の磁
気検出素子10x,10y,10z夫々の内部導体1、
外部導体4、及び端板4aとには、1/4周期位相が異
なる高周波電流が夫々与えられるようになっている。本
実施の形態3に係る磁気検出装置のその他の構成は、実
施の形態1に係る磁気検出装置の構成と同様であるの
で、その説明を省略する。
【0071】以上の如き構成により、磁気検出素子10
X及び10xの出力の差分、磁気検出素子10Y及び1
0yの出力の差分、並びに磁気検出素子10Z及び10
zの出力の差分を求めることができ、地磁気による磁界
の強さだけが取り除かれた結果を得ることができる。
【0072】(実施の形態4)図6は、本発明に係る磁
気検出装置の実施の形態4での磁気検出素子10X,1
0Y,10Z,10x,10y,10zの配置状態を示
す模式的斜視図である。図に示すように、磁気検出素子
10xの検出コイル3は、磁気検出素子10Xの検出コ
イル3の巻方向と相反する方向に巻回されている。これ
と同様に、磁気検出素子10y(10z)の検出コイル
3は、磁気検出素子10Y(10Z)の検出コイル3の
巻方向と相反する方向に巻回されている。また、磁気セ
ンサS1の磁気検出素子10X,10Y,10Zが夫々
有する内部導体1及び外部導体4には、高周波電源5が
接続されている。一方、磁気センサS2の磁気検出素子
10x,10y,10zが夫々有する内部導体1及び外
部導体4には、高周波電源5に接続された移相器6が接
続されている。移相器6は、高周波電源5から与えられ
る電流の位相を1/4周期遅らせた後出力するようにな
っており、これによって磁気センサS1の磁気検出素子
10X,10Y,10Z夫々の内部導体1、外部導体
4、及び端板4aと、磁気センサS2磁気検出素子10
x,10y,10z夫々の内部導体1、外部導体4、及
び端板4aとには、1/4周期位相が異なる高周波電流
が夫々与えられるようになっている。本実施の形態4に
係る磁気検出装置のその他の構成は、実施の形態1に係
る磁気検出装置の構成と同様であるので、その説明を省
略する。
【0073】以上の如き構成により、磁気検出素子10
X及び10xの出力の差分、磁気検出素子10Y及び1
0yの出力の差分、並びに磁気検出素子10Z及び10
zの出力の差分を求めることができ、地磁気による磁界
の強さだけが取り除かれた結果を得ることができる。
【0074】(実施の形態5)図7は、本発明に係る磁
気検出装置の実施の形態5の要部の構成を示す模式的斜
視図である。図に示す如く、磁気センサS1,S2は、
夫々磁気検出素子10X,10xから構成されており、
夫々の磁気検出素子10X,10xの長手方向を、共に
ハウジングHの長手方向(図中、X方向)へ渡した状態
で、磁気センサS1,S2が、ハウジングH内に配設さ
れている。また、磁気検出素子10X,10xは、夫々
のX方向同一側端部間の距離Lが、100mmとなるよう
に配置されている。
【0075】なお、夫々の磁気検出素子10X,10x
の長手方向を、ハウジングHの長手方向に一致させた構
成としたが、これに限るものではなく、磁気検出素子1
0X,10xの長手方向が平行となるように夫々の磁気
センサS1,S2を配設する構成であれば、前記長手方
向とハウジングHの長手方向とが異なる方向であっても
よいことはいうまでもない。
【0076】また、磁気検出素子10X,10x間の距
離Lを100mmとする構成について述べたが、距離Lが
他の寸法であってもよいことはいうまでもない。
【0077】図8は、本発明に係る磁気検出装置の実施
の形態5での磁気検出素子10X,10xの配置状態を
示す模式的斜視図である。図8に示す如く、磁気検出素
子10xの検出コイル3は、磁気検出素子10Xの検出
コイル3の巻方向と同一方向に巻回されている。また、
磁気検出素子10X,10xが、夫々の検出コイル3,
3のX方向同一側の端部を電気的に接続されており、こ
の磁気検出素子10X,10xの直列回路の両端の電圧
を出力として取り出すようになっている。また、磁気セ
ンサS1の磁気検出素子10X及び磁気センサS2の磁
気検出素子10xが夫々有する内部導体1及び外部導体
4には、高周波電源5が接続されており、磁気センサS
1の磁気検出素子10Xの内部導体1、外部導体4、及
び端板4a並びに磁気センサS2の磁気検出素子10x
の内部導体1、外部導体4、及び端板4aには、同位相
の高周波電流が与えられるようになっている。本実施の
形態5に係る磁気検出装置のその他の構成は、実施の形
態1に係る磁気検出装置の構成と同様であるので、その
説明を省略する。
【0078】なお、磁気センサS1の磁気検出素子10
Xの内部導体1、外部導体4、及び端板4a並びに磁気
センサS2の磁気検出素子10xの内部導体1、外部導
体4、及び端板4aに、同位相の高周波電流を与える構
成としたが、磁気センサS1の磁気検出素子10Xの内
部導体1、外部導体4、及び端板4aと、磁気センサS
2の磁気検出素子10xの内部導体1、外部導体4、及
び端板4aとの夫々に、1/2周期位相が異なる高周波
電流を与えるようにしてもよい。
【0079】また、磁気検出素子10X,10x夫々の
検出コイル3,3の巻方向を同一方向とし、夫々の検出
コイル3,3のX方向同一側の端部同士を接続し、磁気
検出素子10Xの内部導体1、外部導体4、及び端板4
a、並びに磁気検出素子10xの内部導体1、外部導体
4、及び端板4aの夫々に同位相の高周波電流を与える
構成としたが、これに限るものではなく、磁気検出素子
10X,10xの検出コイル3,3の巻方向を相反する
方向とし、一方の検出コイル3のX方向一側の端部と他
方の検出コイル3のX方向他側の端部とを接続し、磁気
検出素子10Xの内部導体1、外部導体4、及び端板4
a、並びに磁気検出素子10xの内部導体1、外部導体
4、及び端板4aの夫々に同位相の高周波電流を与える
構成としてもよいし、磁気検出素子10X,10x夫々
の検出コイル3,3の巻方向を同一方向とし、一方の検
出コイル3のX方向一側の端部と他方の検出コイル3の
X方向他側の端部とを接続し、磁気検出素子10Xの内
部導体1、外部導体4、及び端板4a、並びに磁気検出
素子10xの内部導体1、外部導体4、及び端板4aの
夫々に1/4周期位相が異なる高周波電流を与える構成
としてもよいし、磁気検出素子10X,10xの検出コ
イル3,3の巻方向を相反する方向とし、夫々の検出コ
イル3,3のX方向同一側の端部同士を接続し、磁気検
出素子10Xの内部導体1、外部導体4、及び端板4
a、並びに磁気検出素子10xの内部導体1、外部導体
4、及び端板4aの夫々に1/4周期位相が異なる高周
波電流を与える構成としてもよい。
【0080】以上の如き構成により、磁気検出素子10
X及び10xの出力の差分を求めることができ、地磁気
による磁界の強さだけが取り除かれた結果を得ることが
できる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述した如く、第1発明に係る磁気
検出装置による場合は、一対の磁気センサを離隔して配
し、一方の磁気センサに、永久磁石から発せられる磁界
と、地磁気による磁界との合成磁界の強さを検出させ、
他方の磁気センサに、殆ど地磁気による磁界の強さのみ
を検出させて、夫々の磁気センサが検出する磁界の強さ
の差分を求めるようにするので、地磁気による磁界を除
去し、永久磁石から発せられる磁界の強さのみを得るこ
とができ、永久磁石等から発せられる局部磁界を生じさ
せる目的の磁気のみを正確に検出することができる。
【0082】第2発明に係る磁気検出装置による場合
は、一対の磁気センサを、夫々検出方向を交差させた3
個の磁気検出素子によって構成することによって、各検
出方向の磁界の強さを検出することができ、またこのよ
うな磁気センサを、一方の磁気センサの夫々の磁気検出
素子の検出方向と、他方の磁気センサの夫々の磁気検出
素子の検出方向とを整合させるようにし、検出方向が整
合された2個の磁気検出素子が夫々検出する磁界の強さ
の差分を求めるようにすることによって、一方の磁気検
出素子の検出方向及び地磁気の方向と、他方の磁気検出
素子の検出方向及び地磁気の方向との関係が略一致する
ため、検出結果から地磁気による磁界の強さを除去する
ことができ、更に正確に目的の磁気を検出することがで
きる。
【0083】第3発明に係る磁気検出装置による場合
は、筒状のコア、該コアの内側に配された内部導体、及
び前記コアの外囲に巻回した検出コイルを備え、検出出
力の直線性、温度特性、及び分解能に優れており、ま
た、小型、軽量である直交フラックスゲート型の磁気検
出素子を用いるため、磁気検出装置自身を小型、軽量と
し、また磁気検出装置の磁気検出精度を高くすることが
できる。
【0084】第4発明に係る磁気検出装置による場合
は、コア及び検出コイルの間に外部導体を介装し、外部
導体と内部導体とを電気的に接続した直交フラックスゲ
ート型の磁気検出素子を用いることにより、小さい電力
で磁気検出素子のコアを効率良く励磁し、また検出コイ
ルの出力信号に励磁信号を混入させず、S/N比を向上
させ、また残留磁界を生じさせず磁気検出素子のヒステ
リシスを無くすることができるため、磁気検出装置の消
費電力を低減し、検出精度を向上させることができる。
【0085】第5発明に係る磁気検出装置による場合
は、検出方向を整合させた2個の磁気検出素子の検出コ
イルの巻方向を同一とし、夫々の検出コイルの検出方向
一側の端部同士を接続し、両者の内部導体に位相差が略
0又は略1/2周期の高周波電流を通流させるようにす
ることによって、簡単な構成で、これらの磁気検出装置
の出力の差分を容易に得ることができる。
【0086】第6発明に係る磁気検出装置による場合
は、検出方向を整合させた2個の磁気検出素子の検出コ
イルの巻方向を逆とし、一方の検出コイルの検出方向一
側の端部と、他方の検出コイルの検出方向他側の端部と
を接続し、両者の内部導体に位相差が略0又は略1/2
周期の高周波電流を通流させるようにすることによっ
て、簡単な構成で、これらの磁気検出装置の出力の差分
を容易に得ることができる。
【0087】第7発明に係る磁気検出装置による場合
は、検出方向を整合させた2個の磁気検出素子の検出コ
イルの巻方向を同一とし、一方の検出コイルの検出方向
一側の端部と、他方の検出コイルの検出方向他側の端部
とを接続し、両者の内部導体に位相差が略1/4周期の
高周波電流を通流させるようにすることによって、簡単
な構成で、これらの磁気検出装置の出力の差分を容易に
得ることができる。
【0088】第8発明に係る磁気検出装置による場合
は、検出方向を整合させた2個の磁気検出素子の検出コ
イルの巻方向を逆とし、夫々の検出コイルの検出方向一
側の端部同士を接続し、両者の内部導体に位相差が略1
/4周期の高周波電流を通流させるようにすることによ
って、簡単な構成で、これらの磁気検出装置の出力の差
分を容易に得ることができる等本発明は優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気検出装置の実施の形態1の要
部の構成を示す模式的斜視図である。
【図2】磁気検出素子を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る磁気検出装置の実施の形態1での
磁気検出素子の配置状態を示す模式的斜視図である。
【図4】本発明に係る磁気検出装置の実施の形態2での
磁気検出素子の配置状態を示す模式的斜視図である。
【図5】本発明に係る磁気検出装置の実施の形態3での
磁気検出素子の配置状態を示す模式的斜視図である。
【図6】本発明に係る磁気検出装置の実施の形態4での
磁気検出素子の配置状態を示す模式的斜視図である。
【図7】本発明に係る磁気検出装置の実施の形態5の要
部の構成を示す模式的斜視図である。
【図8】本発明に係る磁気検出装置の実施の形態5での
磁気検出素子の配置状態を示す模式的斜視図である。
【図9】永久磁石から発生する磁束密度と距離との関係
を説明するグラフである。
【図10】直交フラックスゲート型の磁気検出素子の動
作原理を説明する模式図である。
【図11】直交フラックスゲート型の磁気検出素子にて
磁界の強さの検出を行う際の励磁電流、コアの軸心方向
における磁化の程度、及び検出コイルの出力電圧夫々の
波形図である。
【図12】第4発明に係る磁気検出装置の磁気検出素子
を示す模式図である。
【図13】通常の直交フラックスゲート型の磁気検出素
子を示す模式図である。
【図14】第5発明に係る磁気検出装置の検出方向を整
合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付け状態を説明
する模式図である。
【図15】図14に示した磁気検出素子夫々に与える励
磁電流及び夫々の出力電圧の波形を示すグラフである。
【図16】第6発明に係る磁気検出装置の検出方向を整
合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付け状態を説明
する模式図である。
【図17】図16に示した磁気検出素子夫々に与える励
磁電流及び夫々の出力電圧の波形を示すグラフである。
【図18】第7発明に係る磁気検出装置の検出方向を整
合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付け状態を説明
する模式図である。
【図19】図18に示した磁気検出素子夫々に与える励
磁電流及び夫々の出力電圧の波形を示すグラフである。
【図20】第8発明に係る磁気検出装置の検出方向を整
合させた2個の磁気検出素子夫々の取り付け状態を説明
する模式図である。
【図21】図20に示した磁気検出素子夫々に与える励
磁電流及び夫々の出力電圧の波形を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内部導体 2 コア 3 検出コイル 4 外部導体 5 高周波電源 6 移相器 10X,10Y,10Z,10x,10y,10z 磁
気検出素子 S1,S2 磁気センサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲の磁界の強さに基づいて、該磁界を
    生じさせる磁気を検出する磁気検出装置において、 周囲の磁界の強さを検出する一対の磁気センサを離隔し
    て配してあり、一方の磁気センサが検出する磁界の強さ
    と、他方の磁気センサが検出する磁界の強さとの差分を
    求めるようになしてあることを特徴とする磁気検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記磁気センサは、検出方向の磁界の強
    さを検出する3個の磁気検出素子を、夫々の検出方向が
    互いに交差すべく配設してあり、両磁気センサの夫々の
    前記検出方向を整合させ、一方の磁気センサの夫々の磁
    気検出素子が検出する磁界の強さと、該夫々の磁気検出
    素子に対応する他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子
    が検出する磁界の強さとの差分を各別に求めるようにな
    してあることを特徴とする請求項1記載の磁気検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記磁気検出素子は、軟質磁性材料から
    なる筒状のコアの内側にこれと同軸的に配設してある内
    部導体に所定周波数の高周波電流を通流し、前記コアの
    外囲に巻回した検出コイルに鎖交する検出方向の磁界の
    磁束を変化させ、前記検出コイルの出力を求めて前記磁
    界の強さを検出するようになしてあることを特徴とする
    請求項2記載の磁気検出装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気検出素子は、前記コア及び前記
    検出コイルの間に介装され、前記内部導体と電気的に接
    続される外部導体を備えることを特徴とする請求項3記
    載の磁気検出装置。
  5. 【請求項5】 前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向と、該夫々の磁気検出
    素子に対応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向とを同一とし、前記一
    方の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイ
    ルの検出方向一側の端部と、該夫々の磁気検出素子に対
    応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備
    える検出コイルの検出方向一側の端部とを接続してあ
    り、前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の内部
    導体に通流する高周波電流と、該夫々の磁気検出素子に
    対応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の
    内部導体に通流する高周波電流との位相差を略0又は略
    1/2周期とすべくなしてあることを特徴とする請求項
    3又は4記載の磁気検出装置。
  6. 【請求項6】 前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向と、該夫々の磁気検出
    素子に対応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向とを逆とし、前記一方
    の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイル
    の検出方向一側の端部と、該夫々の磁気検出素子に対応
    する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備え
    る検出コイルの検出方向他側の端部とを接続してあり、
    前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の内部導体
    に通流する高周波電流と、該夫々の磁気検出素子に対応
    する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の内部
    導体に通流する高周波電流との位相差を略0又は略1/
    2周期とすべくなしてあることを特徴とする請求項3又
    は4記載の磁気検出装置。
  7. 【請求項7】 前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向と、該夫々の磁気検出
    素子に対応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向とを同一とし、前記一
    方の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイ
    ルの検出方向一側の端部と、該夫々の磁気検出素子に対
    応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備
    える検出コイルの検出方向他側の端部とを接続してあ
    り、前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の内部
    導体に通流する高周波電流と、該夫々の磁気検出素子に
    対応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の
    内部導体に通流する高周波電流との位相差を略1/4周
    期とすべくなしてあることを特徴とする請求項3又は4
    記載の磁気検出装置。
  8. 【請求項8】 前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向と、該夫々の磁気検出
    素子に対応する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出
    素子が備える検出コイルの巻方向とを逆とし、前記一方
    の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備える検出コイル
    の検出方向一側の端部と、該夫々の磁気検出素子に対応
    する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子が備え
    る検出コイルの検出方向一側の端部とを接続してあり、
    前記一方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の内部導体
    に通流する高周波電流と、該夫々の磁気検出素子に対応
    する前記他方の磁気センサの夫々の磁気検出素子の内部
    導体に通流する高周波電流との位相差を略1/4周期と
    すべくなしてあることを特徴とする請求項3又は4記載
    の磁気検出装置。
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