JP2011196773A - 金属検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検査物の移動速度に関わらず被検査物中の微小な金属を安定して高感度で検出することができる金属検出装置を提供すること。
【解決手段】被検査物Wを搬送するコンベア20と、被検査物W中の金属mを磁化する着磁部30と、被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向(矢印Bで示す)に鋭指向性を有するとともに、直交方向に複数配列された磁気センサ41a〜41e、42a〜42eを有し、着磁部30により着磁された被検査物W中の金属mの残留磁気成分を検出する検出ヘッド40と、検出ヘッド40の直交方向の少なくとも両端に配置され、検出ヘッド40の内部に直交方向から侵入するノイズを遮蔽する磁気シールド49と、検出ヘッド40の複数の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号に基づいて被検査物W中の金属mの有無を判定する判定手段53と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品等の被検査物中の金属の有無を検出する金属検出装置に関するものである。
従来、この種の金属検出装置としては、被検査物の通過によって生じる磁界の変化に基づいて食品等の被検査物中の金属の有無を検出する金属検出装置において、搬送方向に複数の検出センサを配設するとともに、これら複数の検出センサのうちの1つ以上の検出センサに対して搬送路を介して1つ以上の検出センサを配設し、被検査物の非搬送時における合成検出信号の信号レベルが最小となるように検出センサ相互間の接続状態を設定することにより、検出信号に含まれるノイズレベルを低減するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、書類を載置可能な書類載置面に多数のフラックスゲート型磁気検出素子を配置し、各フラックスゲート型磁気検出素子の検出信号に基づいて書類にステープルが付着しているか否かを高感度で判定するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−227029号公報 特開2006−189376号公報
しかしながら、従来の金属検出装置においては、特許文献1の技術では、ノイズレベルを一定程度低減することはできるが、外乱ノイズの影響で高感度化が限界であった。また、被検査物の通過によって生じる単位時間あたりの磁界の変化を検出しているため、被検査物の移動速度応じて検出感度が変動し、被検査物の移動速度が遅い場合に検出感度が低下してしまうという問題があった。
また、特許文献2の技術では、被検査物中の金属を磁化するための着磁装置を備えていないため検出感度が十分でなく、また、磁気シールドを備えていないため外乱ノイズの影響を受けてしまい、直径1mm以下の金属を検出することができないという問題があった。
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、被検査物の移動速度に関わらず被検査物中の微小な金属を安定して高感度で検出することができる金属検出装置を提供することを目的としている。
本発明に係る金属検出装置は、被検査物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される被検査物中の金属を磁化する着磁手段と、前記被検査物の搬送方向と直交する直交方向に鋭指向性を有するとともに、前記直交方向に複数配列された磁気センサを有し、前記着磁手段により着磁された被検査物中の金属の残留磁気成分を検出する検出ヘッドと、前記検出ヘッドの前記直交方向の少なくとも両端に配置され、前記検出ヘッドの内部に前記直交方向から侵入するノイズを遮蔽する遮蔽手段と、前記検出ヘッドの複数の磁気センサからの検出信号に基づいて前記被検査物中の金属の有無を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成により、鋭指向性の磁気センサを、検出方向が直交方向となるように配置するとともに、配列方向の少なくとも両端に遮蔽手段を設けたので、磁気センサが配列方向からのノイズの影響を受けることを防止することができ、被検査物中の微小な金属を高感度で検出することができる。
また、鋭指向性の磁気センサが磁界を検出する方向が、被検査物の搬送方向と直交する直交方向であるので、被検査物の搬送方向からのノイズの影響を磁気センサが受けることを防止することができ、被検査物中の微小な金属を高感度で検出することができる。
また、鋭指向性の磁気センサは、磁界を検出する方向が、被検査物の搬送方向と直交する直交方向であるので、被検査物が移動していなくても被検査物中の金属を安定して検出することができる。
したがって、被検査物の移動速度に関わらず被検査物中の微小な金属を安定して高感度で検出することができる。
更に、磁気センサを、検出方向が直交方向となるように配置するとともに、配列方向の少なくとも両端に遮蔽手段を設けたので、磁気センサが着磁手段の磁気の影響を受けにくくなり、着磁手段を従来よりも磁気センサに近づけて配置でき、金属検出装置を小型化することができる。
また、本発明に係る金属検出装置は、前記磁気センサが、計測する磁界に対して細長い磁路を提供するコアと、該コアに巻かれた検出コイルとを有し、前記コアの磁気モーメントが前記コアの長手方向に対して周期的に直交方向を向くように前記コアに交流電流を通電する直交型フラックスゲートセンサから構成されることを特徴とする。
この構成により、小型軽量化が可能な直交型フラックスゲートセンサから構成される鋭指向性の磁気センサを用いているので、ノイズに強い高感度の金属検出装置を構成することができる。
また、本発明に係る金属検出装置は、前記判定手段は、前記検出ヘッドの複数の磁気センサからの検出信号に基づいて前記被検査物中の金属の有無と前記直交方向の位置を判定することを特徴とする。
この構成により、直交方向に複数配列した磁気センサからの検出信号の強度を比較することにより、被検査物中の金属の有無だけでなく、被検査物中の金属の直交方向における位置を知ることができる。
また、本発明に係る金属検出装置は、前記直交型フラックスゲートセンサが、交流に直流を重畳させた基本波型直交フラックスゲートセンサであることを特徴とする。
この構成により、検出コイルに誘起する信号電圧の周波数が励磁周波数の基本波となり、回路が簡略化され、感度が増大し、コアの雑音を抑制することができる。
また、本発明に係る金属検出装置は、前記遮蔽手段と前記磁気センサとを近接して配置するとともに、前記磁気センサを、該磁気センサの配列方向に対して所定角度傾斜して配置したことを特徴とする。
この構成により、遮蔽手段の近傍で遮蔽手段に直角に吸い寄せられる金属からの磁力線に対して、磁気センサの感度を得ることができる。
本発明は、被検査物の移動速度に関わらず被検査物中の微小な金属を安定して高感度で検出することができる金属検出装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る金属検出装置の斜視図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係る金属検出装置の上面図であり、(b)は、(a)のC−C´断面図であり、(c)は、(a)のD−D´断面図である。 本発明の実施の形態に係る金属検出装置の磁気センサの回路構成図である。 (a)、(b)は、磁気センサの検出コイル部分の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る金属検出装置の磁気センサからの検出信号を示す図である。 本発明の実施の形態に係る金属検出装置の磁気センサを配列方向に対して所定角度傾斜して配置した場合を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず構成について説明する。
図1、図2に示すように、金属検出装置10は、被検査物Wを搬送路20a内で搬送するコンベア20と、被検査物W中の金属mを磁化する着磁部30と、被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向(矢印Bで示す)に鋭指向性を有するとともに、直交方向に複数配列された磁気センサ41a〜41e、42a〜42eを有し、着磁部30により着磁された被検査物W中の金属mの残留磁気の直交方向の成分を検出する検出ヘッド40と、検出ヘッド40の直交方向の両端に配置され、検出ヘッド40の内部に直交方向から侵入するノイズを遮蔽する磁気シールド49と、検出ヘッド40の複数の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号に基づいて被検査物W中の金属mの有無を判定する判定手段53と、を備えている。
被検査物Wは、例えば、包装材で包装された任意の製品、例えば包装容器内に食品を収容し、直方体形状の包装箱の表面に磁化可能な個体識別用のラベル若しくはタグ、おまけのカード等を貼付又は添付したものである。被検査物Wは、金属異物、あるいは、包装箱内に薬品と磁性インクで印刷された磁気印刷物を収納したものである。
コンベア20は、無端状のベルト21を複数対の搬送ローラ22a、22b、23aおよび23bに巻回し、そのベルト21の上走部の上面によって検出ヘッド40の入口側から出口側へと被検査物Wを搬送するようになっている。
搬送路20aの検出ヘッド40より上流側の所定位置には、搬送路20aを挟んで上下に対向する公知の着磁部30が設置されている。着磁部30は、上下方向に磁界を印加するための図示しない磁石を備えたものである。これにより、被検査物Wは、磁気検出領域45より上流側の位置で着磁部30により直流磁界を印加され、被検査物W内の金属mが所定の残留磁化レベルで磁化されるようになっている。
なお、着磁部30は、検出ヘッド40により被検査物W内の金属mをより高精度で検出するために設けられたものであるが、金属検出装置10の外部で予め磁化されるなどして、被検査物W内の金属mが磁気検出に足る磁性を有するような場合には、着磁部30が設置される必要はなく、着磁部30を設けない装置構成とすることができる。
検出ヘッド40は、被検査物Wの搬送路20aを挟んで上下に対向するように配置された上側ヘッド41と下側ヘッド42とから構成されている。上側ヘッド41には、複数の磁気センサ41a〜41eが、被検査物Wの搬送方向と直交する矢印Bで示す直交方向に列設されている。また、下側ヘッド42には、複数の磁気センサ42a〜42eが、被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向にそれぞれ列設されている。
検出ヘッド40の上側ヘッド41と下側ヘッド42に挟まれた領域は、コンベア20により矢印Aの方向に搬送される被検査物Wが通過する磁気検出領域45を形成している。
検出ヘッド40の直交方向の両端には、図1、図2(a)に示すように、検出ヘッド40の内部の磁気検出領域45に直交方向から侵入するノイズを遮蔽する磁気シールド49が設けられている。図1、図2(a)では、磁気シールド49は、被検査物Wの搬送方向と直交する方向である矢印Bで示す方向(ベルト21の幅方向)の両端部を含み巻回されるように搬送路20aを囲んで設けられている。
磁気センサ41a〜41e、42a〜42eは、図2(c)に示すように、被検査物Wの搬送方向と直交する矢印Bで示す方向に鋭指向性を有している。このため、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eは、被検査物W中の金属mの磁束のうち、この直交方向の成分のみを検出することができる。本実施の形態では、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eは、図3に示す直交型フラックスゲートセンサから構成されている。
ここで、フラックスゲートセンサとは、冷却や加熱の必要がなく、静磁界から低周波の周波数帯で10pT〜地磁気レベルの磁界が計測可能な小型高感度センサである。フラックスゲートセンサにおいては、計測したい磁界に対して、細長い磁路を提供するコアと、このコアに巻かれた検出コイルがセンサヘッドの基本要素となっている。フラックスゲートセンサとしては、静磁界が計測できるようにコアの透磁率を周期的に変調する方法が異なる2つのタイプ、すなわち直交型フラックスゲートセンサと平行型フラックスゲートセンサとがある。このうち、コアの磁気モーメントがコアの長手方向に対して直交するように交流駆動し、コアの透磁率を変調するタイプのものを直交型フラックスゲートセンサと呼ぶ。直交フラックスゲートセンサの場合は、磁性ワイヤに直接交流電流を通電することにより透磁率を変調することができるため、センサヘッドの構成を簡単にできるという利点がある。また、交流励磁電流にその振幅値程度あるいはそれ以上の直流電流を重畳することにより、検出コイルに誘起する信号電圧の周波数が励磁周波数の基本波(従来のフラックスゲートセンサでは2倍周波)となり、回路が簡略化され、感度が増大し、コアの雑音が抑制される等の利点がある。(文献:電気学会マグネティックス研究会:MAG−08-133 負帰還構成にした基本波型直交フラックスゲートの動作と特性。 笹田一郎、村上雅則(九州大学))本実施の形態では、出力の線形性と感度の校正の容易化のために、U字型センサヘッドを用いた基本波型直交フラックスゲートセンサを対象として負帰還構成にする方法を採用している。また、コアの長手方向に数十〜数百kHzの交流磁界を印加して透磁率を変調するタイプのものは平行型フラックスゲートセンサと呼ばれ、平行型フラックスゲートセンサでは、変調に使用する交流励磁磁界と計測する磁界が平行または反平行であるために、通常はコアを2つ用いて交流励磁磁界を打ち消すように構成される。平行型フラックスゲートセンサでは、交流磁界を印加するための励磁コイルが必要になる。
また、金属検出装置10は、AD変換手段52、判定手段53および結果表示手段54を有する制御部50を備えている。制御部50は、具体的なハードウェア構成を図示しないが、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェース回路に加えて、不揮発性メモリとしてのEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やハードディスク等を含んで構成されており、ROMやEEPROM、ハードディスク等に格納された所定の金属検出制御プログラムに従って、検出ヘッド40からの検出信号やEEPROMに不揮発に記憶保持された判定用閾値等に基づいて、被検査物Wに金属mが混入しているか否かの判定を実行するようになっている。
磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号は、磁気センサ41a〜41e、42a〜42e毎に個別に設けられたAD変換手段52に信号線51を介してそれぞれ入力されるようになっており、被検査物Wが磁気検出領域45を通過する間、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号が、AD変換手段52においてそれぞれアナログ信号からデジタル信号に変換され、磁気センサ41a〜41e、42a〜42e毎に個別に設けられた判定手段53により予め設定された判定用閾値を参照して金属の有無が判定されるようになっている。また、判定手段53による判定結果は、結果表示手段54により表示される。
判定手段53は、検出ヘッド40の複数の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号に基づいて被検査物W中の金属mの有無を判定するだけでなく、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号の強度を比較することにより、被検査物W中の金属mの矢印Bで示す直交方向における位置を算出し、結果表示手段54に出力するようになっている。
更に、判定手段53は、上側ヘッド41の磁気センサ41a〜41eの検出信号と、下側ヘッド42の磁気センサ42a〜42eの検出信号との信号強度の違い(差または比)に基づいて、被検査物W中の金属mの矢印Hで示す上下方向における位置を算出し、結果表示手段54に出力するようになっている。
以下、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eの具体的な構成を説明する。なお、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eは、互いに同一の構成を有しているので、磁気センサ41aについて説明する。
図3に示すように、直交型フラックスゲートセンサとして構成された磁気センサ42aにおいては、入力磁界に対してそれを打ち消すコイルを検出コイル63として設け、高感度センサで残余磁界を検出し、残余磁界がほぼゼロになるようにして、入力磁界を打ち消すのに使用した電流の大きさから入力磁界の大きさを検出するゼロ位法を採用した負帰還構成となっている。ゼロ位法を採用した負帰還構成においては、ゼロ点部分のリニアリティーが良く、ダイナミックレンジが広くなるという利点がある。
センサヘッド61はU字型のアモルファス磁性ワイヤをコア62として採用しており、検出コイル63は一端を低抵抗で接地している。構造を簡単にするために検出コイル63は、負帰還コイルとしても使用している。コア62の励磁電流は、簡単のために50Ωの出力抵抗を持つ信号発生器64から直接取っている。励磁は100kHzの正弦波電圧(Vac)に必要な直流バイアス電圧(Vdc)をかけている。検出コイル63からの検出電圧は励磁周波数と同じ100kHzであるので、交流結合によって前置増幅器65に入力し、同期検波部回路66によって平行復調し、後段の平滑フィルタ(カットオフ周波数≒100Hz)で直流へ変換している。直流に変換された信号は、0Vを参照電圧とする帯域制限した誤差増幅器67で増幅して、高抵抗Rfを介して検出巻線にはキャンセルのための負帰還電流を重畳する。ここで、高抵抗Rfの抵抗値を高くする理由は、負帰還電流を高感度に電圧に変換すること、および、検出コイル63から見て帰還回路が負荷にならないようにすることである。前置増幅器65の入力側と負帰還回路側の誤差増幅器の時定数の選択は1/(C1R1)>10/(C2R2)の範囲で設定している。高抵抗Rfの両端の電圧は、図示しないボルテージフォロワーで抽出した後、引き算回路および60Hzのノッチフィルタを通して出力している。磁気センサ42aは、図4(a)または図4(b)に示すように、アモルファス線から構成されるコア62がU字型にすることにより、コア62の左右個々の脚で入力磁界と無関係に発生する磁束変化が打ち消され、オフセットが発生することを防止することができるようになっている。なお、磁気センサ42aのコア62の長さは、1.5〜3cm程度とするのが最適である。コア62を長くすると分解能を高く指向性を鋭くすることができる一方、中央部に不感体が生じてしまうためである。
次に、動作について説明する。
図5に示すように、被検査物Wが磁気検出領域45を通過すると、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号が、AD変換手段52においてそれぞれアナログ信号からデジタル信号に変換され、磁気センサ41a〜41e、42a〜42e毎に個別に設けられた判定手段53に入力される。
磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの各検出信号を、それぞれ検出信号41as〜41es、42as〜42esとすると、判定手段53は、検出信号41as〜41es、42as〜42esのそれぞれについて、判定用閾値との比較を行い、判定用閾値を超えている検出信号があれば、金属mが混入している旨の判定結果を結果表示手段54に出力する。また、判定手段53は、判定用閾値を超えている検出信号に対応する磁気センサの配置場所に金属mが混入していると判断し、被検査物W中の金属mの矢印Bで示す直交方向における位置を算出し、結果表示手段54に出力する。更に、判定手段53は、判定用閾値を超えている検出信号に対応する磁気センサの配置場所に金属mが混入していると判断し、上側ヘッド41の磁気センサ41a〜41eの検出信号41as〜41esと、下側ヘッド42の磁気センサ42a〜42eの検出信号42as〜42esとの信号強度の違い(差または比)に基づいて、被検査物W中の金属mの矢印Hで示す上下方向における位置を算出し、結果表示手段54に出力する。結果表示手段54では、判定結果を受け取ると、被検査物Wにおける金属mの混入の有無および位置を表示する。
なお、図6に示すように、磁気シールド49は、ベルト21の幅方向の両端だけではなく上下方向(図1、図2(c)に矢印Hで示す)の両端部にも配置され、搬送路を囲んで一体的に構成されている。この場合、金属mの磁化による磁力線は磁気シールド49の近傍では磁気シールド49に直角に吸い寄せられる。このため、磁気センサ41a〜41c、42a〜42cと磁気シールド49とを近接して配置する場合は、それぞれ磁気センサ41a〜41c、42a〜42cの配列方向に対して磁気センサ41a〜41c、42a〜42cを角度αもしくは−αだけ傾けて配置することにより感度を得ることができる。図6では、磁気センサ41a〜41c、42a〜42cの配列方向をベルト21の幅方向と略一致する一直線としているが、これに限定されない。
以上のように、本実施の形態に係る金属検出装置10は、被検査物Wを搬送するコンベア20と、被検査物W中の金属mを磁化する着磁部30と、被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向(矢印Bで示す)に鋭指向性を有するとともに、直交方向に複数配列された磁気センサ41a〜41e、42a〜42eを有し、着磁部30により着磁された被検査物W中の金属mの残留磁気成分を検出する検出ヘッド40と、検出ヘッド40の直交方向の少なくとも両端に配置され、検出ヘッド40の内部に直交方向から侵入するノイズを遮蔽する磁気シールド49と、検出ヘッド40の複数の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号に基づいて被検査物W中の金属mの有無を判定する判定手段53と、を備えている。
このため、鋭指向性の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eを、検出方向が直交方向となるように配置するとともに、配列方向の両端に磁気シールド49を設けたので、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eが配列方向からのノイズの影響を受けることを防止することができ、被検査物W中の微小な金属mを高感度で検出することができる。
また、鋭指向性の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eが磁界を検出する方向が、被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向であるので、被検査物Wの搬送方向からのノイズの影響を磁気センサ41a〜41e、42a〜42eが受けることを防止することができ、被検査物W中の微小な金属mを高感度で検出することができる。
また、鋭指向性の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eが磁界を検出する方向が、被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向であるので、被検査物Wが移動していなくても被検査物W中の金属mを安定して検出することができる。
したがって、被検査物Wの移動速度に関わらず被検査物W中の微小な金属mを安定して高感度で検出することができる。
更に、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eを、検出方向が直交方向となるように配置するとともに、配列方向の両端に磁気シールド49を設けたので、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eが着磁部30の磁気の影響を受けにくくなり、着磁部30を従来よりも磁気センサ41a〜41e、42a〜42eに近づけて配置でき、金属検出装置10を小型化することができる。
また、本実施の形態に係る金属検出装置10は、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eが、計測する磁界に対して細長い磁路を提供するコア62と、このコア62に巻かれた検出コイル63とを有し、コア62の磁気モーメントがコア62の長手方向に対して周期的に直交方向を向くようにコア62に交流電流とこの交流電流値より大きい直流電流とを通電する直交型フラックスゲートセンサから構成される。
このため、小型軽量化が可能な直交型フラックスゲートセンサから構成される鋭指向性の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eを用いているので、磁気センサ41a〜41e、42a〜42e自身が外部からの振動によりノイズを発生することを防止することができる。
また、本実施の形態に係る金属検出装置10は、判定手段53が、検出ヘッド40の複数の磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号に基づいて被検査物W中の金属mの有無と直交方向の位置を判定する。
このため、直交方向に複数配列した磁気センサ41a〜41e、42a〜42eからの検出信号の強度を比較することにより、被検査物W中の金属mの有無だけでなく、被検査物W中の金属mの直交方向における位置を知ることができる。
また、本実施の形態に係る金属検出装置10は、磁気センサ41a〜41e、42a〜42eとして、交流に直流を重畳させた基本波型直交フラックスゲートセンサを用いたことを特徴とする。
このため、検出コイルに誘起する信号電圧の周波数が励磁周波数の基本波(従来のフラックスゲートセンサでは2倍周波)となり、回路が簡略化され、感度が増大し、コアの雑音を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る金属検出装置10は、磁気シールド49と磁気センサ41a〜41c、42a〜42cとを近接して配置するとともに、磁気センサ41a〜41c、42a〜42cを、磁気センサ41a〜41c、42a〜42cの配列方向に対して所定角度傾斜して配置したことを特徴とする。
このため、磁気シールド49の近傍で磁気シールド49に直角に吸い寄せられる金属mからの磁力線に対して、磁気センサ41a〜41c、42a〜42cの感度を得ることができる。
また、金属mと磁気センサ41a〜41c、42a〜42cの距離が離れていても磁束が磁気シールド49に吸い寄せられるので効率よく磁気を検出することができる。
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、搬送路20a上の被検査物Wの位置を図示しない公知の投受光器等により光学的に検知して、検出ヘッド40への被検査物Wの搬入タイミングを算出することにより、矢印Aで示す搬送方向における被検査物W内の金属mの位置を求めることができる。
以上のように、本発明に係る金属検出装置は、被検査物の移動速度に関わらず被検査物中の微小な金属を安定して高感度で検出することができるという効果を有し、食品等の被検査物中の金属の有無を検出する金属検出装置として有用である。
10 金属検出装置
20 コンベア(搬送手段)
21 ベルト
30 着磁部(着磁手段)
40 検出ヘッド
41 上側ヘッド
41a〜41e、42a〜42e 磁気センサ
42 下側ヘッド
45 磁気検出領域
49 磁気シールド(遮蔽手段)
50 制御部
51 信号線
52 AD変換手段
53 判定手段
54 結果表示手段
62 コア
63 検出コイル
64 信号発生器
65 前置増幅器
66 同期検波部回路
67 誤差増幅器
m 金属
W 被検査物

Claims (5)

  1. 被検査物を搬送路内で搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される被検査物中の金属を磁化する着磁手段と、
    前記被検査物の搬送方向と直交する直交方向に鋭指向性を有するとともに、前記直交方向に複数配列された磁気センサを有し、前記着磁手段により着磁された被検査物中の金属の残留磁気成分を検出する検出ヘッドと、
    前記検出ヘッドの前記直交方向の少なくとも両端に配置され、前記検出ヘッドの内部に前記直交方向から侵入するノイズを遮蔽する遮蔽手段と、
    前記検出ヘッドの複数の磁気センサからの検出信号に基づいて前記被検査物中の金属の有無を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする金属検出装置。
  2. 前記磁気センサが、計測する磁界に対して細長い磁路を提供するコアと、該コアに巻かれた検出コイルとを有し、前記コアの磁気モーメントが前記コアの長手方向に対して周期的に直交方向を向くように前記コアに交流電流を通電する直交型フラックスゲートセンサから構成されることを特徴とする請求項1に記載の金属検出装置。
  3. 前記判定手段は、前記検出ヘッドの複数の磁気センサからの検出信号に基づいて前記被検査物中の金属の有無と前記直交方向の位置を判定することを特徴とする請求項1に記載の金属検出装置。
  4. 前記直交型フラックスゲートセンサが、交流に直流を重畳させた基本波型直交フラックスゲートセンサであることを特徴とする請求項2に記載の金属検出装置。
  5. 前記遮蔽手段と前記磁気センサとを近接して配置するとともに、前記磁気センサを、該磁気センサの配列方向に対して所定角度傾斜して配置したことを特徴とする請求項1に記載の金属検出装置。
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