JP3518260B2 - 変圧器及び変圧器の直流偏磁検出素子、並びに直流偏磁評価装置 - Google Patents

変圧器及び変圧器の直流偏磁検出素子、並びに直流偏磁評価装置

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JP3518260B2 JP19359497A JP19359497A JP3518260B2 JP 3518260 B2 JP3518260 B2 JP 3518260B2 JP 19359497 A JP19359497 A JP 19359497A JP 19359497 A JP19359497 A JP 19359497A JP 3518260 B2 JP3518260 B2 JP 3518260B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変圧器の直流偏磁量
を検出する技術に係り、具体的には直流偏磁検出素子、
これを備えた変圧器及び直流偏磁評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パワーエレクトロニクス技術の進歩と相
俟って、GTO等の自己消孤形半導体素子を用いた自励
式電力変換器を電力分野に応用することが進められてい
る。一般に、自励式電力変換器を電力系統に接続する場
合、変換用変圧器を介して接続される。このような変換
用変圧器においては、電力変換器の半導体スイッチ素子
の点弧角のバラツキなどに起因して印加電圧に直流分が
重畳するため、鉄心内部を通る磁束が正負いずれかの極
性に偏る直流偏磁現象が発生する。変圧器の鉄心が直流
偏磁すると、変圧器の損失や騒音の増加を引き起こすこ
とになる。また、直流偏磁の程度によっては鉄心が磁気
飽和して巻線に過大な励磁電流が流れ、巻線に接続され
た電力変換器の半導体スイッチ素子の損傷を招く恐れが
ある。
【0003】従来、そのような変換用変圧器の直流偏磁
による鉄心の磁気飽和を未然に防止するため、鉄心の直
流偏磁量を検出し、これを打ち消すように電力変換器の
出力電圧すなわち変換用変圧器の印加電圧を調整する直
流偏磁抑制制御が行われている。鉄心の直流偏磁量を検
出する方法としては、例えば特公昭50−33213 号公報
に、変圧器の積層鉄心に直流偏磁検出素子を設置し、鉄
心中の主磁束(励磁磁束)を直接的に監視して直流偏磁量
を検出する方法が提案されている。この方法は、初期透
磁率が極めて高い磁心に検出コイルを巻き回して直流偏
磁検出素子を形成し、その直流偏磁検出素子の磁心の脚
部(両端部)を変圧器鉄心の積層鋼板に密着させて取り
付け、鉄心を通る主磁束の一部を透磁率の高い磁心に分
流させ、検出コイルに誘起される電圧を監視して直流偏
磁量を検出しようというものである。磁心は変圧器の鉄
心を形成する積層鋼板に比べて飽和磁束密度が低く、積
層鋼板より先に磁気飽和する。よって、積層鋼板中を通
る主磁束が正弦波状に変化しても、磁心に分流する磁束
(検出コイルに鎖交する磁束)は正弦波の波頭部が磁気
飽和により抑えられた台形状の正負波形となる。そのた
め、検出コイルには磁束の正負極性が変化する零点付近
で急峻なパルス状の電圧が誘起する。このパルス状電圧
が表れる時間間隔は、正側あるいは負側の直流偏磁量に
応じたものとなるから、そのパルス状電圧の時間間隔を
測定することにより直流偏磁量とその極性を検出するこ
とができるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、変圧器の鉄
心を構成する積層鋼板中を通る主磁束(励磁磁束)の磁
束密度が何らかの要因である程度高くなると、鋼板から
漏れて鋼板外部を通る主磁束(以下、漏れ主磁束とい
う)が増加する。その漏れ主磁束が従来(特公昭50−33
213 号公報)の直流偏磁検出素子の検出コイルに鎖交
し、その量が多くなると検出コイルの出力電圧に影響を
与えることになる。つまり、漏れ主磁束は鉄心中を通る
主磁束の最大値付近で大きくなり、磁心が磁気飽和して
空心状態となっている直流偏磁検出素子の検出コイルに
鎖交する。この時、本来ならば台形状の波形となるべき
検出コイルの鎖交磁束波形は、台形波の波頭中間部付近
に漏れ主磁束が重畳した波形となる。よって、検出コイ
ルには鉄心中を通る主磁束の零点付近で発生するパルス
状電圧以外に、鉄心中を通る主磁束の最大値付近でも電
圧が誘起される場合がある。この漏れ主磁束によって発
生するパルス状電圧は、漏れ主磁束の大きさによって発
生したりしなかったりするいわゆる外乱であり、パルス
状電圧の時間間隔を測定して直流偏磁量を検出する場合
の誤差要因となり、精度及び信頼性の点で問題となる。
その結果、そのような直流偏磁検出素子を電力変換シス
テムの直流偏磁評価装置に適用すると、変圧器の直流偏
磁抑制制御に失敗し、鉄心を磁気飽和に至らしめる恐れ
がある。
【0005】本発明は上記の点に鑑み、変圧器の直流偏
磁量を検出する直流偏磁検出素子の検出コイルに鎖交す
る、鉄心から漏れた主磁束の影響を排除することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、次の手
段により達成することができる。
【0007】本発明の原理は、直流偏磁検出素子の検出
コイルに外乱となる鉄心からの漏れ主磁束が鎖交しない
ようにしたものである。
【0008】具体的な手段としては、磁性材の磁心に検
出コイルを巻き回し、変圧器鉄心に配置して変圧器の直
流偏磁を検出する直流偏磁検出素子において、磁心の両
端部を変圧器鉄心を形成する積層鋼板の積層面に接して
配置し、かつ磁心の検出コイルを巻き回した部分を変圧
器鉄心の表面から一定寸法離して形成させたことを特徴
とする。その結果、変圧器鉄心をなす積層鋼板の積層面
近傍に存在する漏れ主磁束が、直流偏磁検出素子の検出
コイルに鎖交するのを防止、もしくは極小化できるか
ら、漏れ主磁束が検出コイルの出力電圧に及ぼす影響を
排除することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に基づ
いて説明する。
【0010】図1に本発明の実施形態の電力変換システ
ムの全体構成図を示し、図2に要部の詳細図を示す。図
1に示すように、変換用変圧器1の交流側巻線2は図示
していない交流系統に接続され、変換器側巻線3は半導
体スイッチ素子を用いて形成されてなる電力変換器4に
接続されている。変換用変圧器1の鉄心5は電磁鋼板を
紙面垂直方向に積層して形成されており、その鉄心5に
直流偏磁検出素子6が取り付けられている。直流偏磁検
出素子6は、例えばπ型に形成された板状の磁心7に検
出コイル8を巻回して形成されている。検出コイル8の
出力端子は演算装置9に接続されている。これら直流偏
磁検出素子6と演算装置9により、偏磁評価装置10が
構成されている。演算装置9は検出コイル8の誘起電圧
を取り込み、これに基づいて変換用変圧器1の直流偏磁
量を算出して制御装置11に出力する。制御装置11
は、入力される直流偏磁量及びその極性に基づいて電力
変換器4の半導体スイッチ素子の点弧タイミングを制御
して変換用変圧器1の直流偏磁を解消するようになって
いる。なお、直流偏磁量を算出する演算装置9の機能を
制御装置11に持たせ、演算装置9を省略しても良い。
【0011】図2は、直流偏磁検出素子6が取り付けら
れた鉄心5の部分を拡大して示した斜視図である。同図
に示すように、直流偏磁検出素子6の磁心7は例えばπ
型の板状に形成されており、その両端部7a,7bは、
鉄心5を形成する積層鋼板12の表面に密着させて取り
付けられている。そして、磁心7のうち検出コイル8が
巻き回されている部分7c(π型の中央部)は、鉄心5
の積層面外となるよう一定寸法離して形成され、検出コ
イル8が鉄心5の外部に出るよう配置している。磁心7
は、初期透磁率が極めて高い磁性材、例えば鉄・ニッケ
ル合金または非晶質磁性材(アモルファス)により形成
することが好ましい。また、図2では、直流偏磁検出素
子6の磁心7の両端部7a,7bを積層鋼板の積層隙間
内に挿入するものとして示したが、最外層の鋼板表面に
取り付けるようにしてもよい。さらに、ここでは磁心形
状をπ型とした例について説明したが、本発明では検出
コイルを巻いた部分を鉄心外に配置できれば、特に磁心
形状を限定するものではない。
【0012】このように形成される実施形態の動作につ
いて、次に説明する。
【0013】図2に示すように、変換用変圧器1の鉄心
5を形成する積層鋼板12中を通る主磁束Φ1 の一部
は、透磁率が極めて高い磁心7の端部7aに分流し、こ
の分流磁束Φ2 は磁心7のうち検出コイル8が巻き回さ
れている部位7cを経由して端部7bから積層鋼板12
中を通る主磁束Φ1 に合流する。この時、分流磁束Φ2
が検出コイル8に鎖交し、検出コイル8には電圧が誘起
される。図3の(a),(b),(c)に、積層鋼板中の
主磁束Φ1 の時間変化の波形と、磁心7に分流し検出コ
イル8に鎖交する分流磁束Φ2 の時間変化の波形と、検
出コイル8の出力電圧Vの時間変化の波形とを示す。図
示のように、主磁束Φ1 は正弦波状に変化するが、磁心
7は積層鋼板12に比べて飽和磁束密度が低く積層鋼板
12より先に磁気飽和するため、分流磁束Φ2 は図示の
ように台形波状の波形となる。従って、検出コイル8の
端子8a,8bに表れる出力電圧Vの波形には、分流磁
束Φ2 が急変する時点、すなわち主磁束Φ1 の零点付近
で急峻なパルスが表れる。このパルス状電圧は正負の極
性を変えて交互に表れる。このパルス状電圧の最大値と
最小値の時間間隔Δt1 ,Δt2 が積層鋼板12の直流
偏磁量に対応して変化することを利用すれば、直流偏磁
量及びその極性を検出することができる。
【0014】次に、図1の実施形態により鋼板から漏れ
た主磁束の影響を排除できることについて説明する。こ
の漏れ主磁束は鋼板中を通る主磁束Φ1 の最大値付近で
鋼板12から漏れて鋼板外部を通る磁束であり、図2中
にΦa で示す。図から明らかなように、検出コイル8を
鋼板積層面から一定寸法離して配置しているので、検出
コイル8が巻き回されている付近には漏れ主磁束Φa
存在せず、検出コイル8には漏れ主磁束Φa は鎖交しな
い。また、漏れ主磁束Φa が大きくなるのは鋼板中の主
磁束Φ1 の最大値付近であり、この時磁心7は磁気飽和
して透磁率が低下し空心に近い状態になっている。それ
故、積層鋼板の積層面間に存在する漏れ主磁束Φa は、
磁心7を磁路とせず貫通するため、やはり検出コイル8
には漏れ磁束Φa は鎖交しない。よって、本実施形態に
よれば検出コイル8には分流磁束Φ2 のみが鎖交する。
そのため、図3(c)に示すように検出コイル8の出力
電圧には漏れ主磁束Φa による電圧は誘起されない。
【0015】これに対し、従来のように、直流偏磁検出
素子6全体を鉄心5を形成する積層鋼板12の表面に密
着させて取り付けた場合は、検出コイル8に漏れ主磁束
Φaが鎖交する。その結果、図4(a),(b)に示すよ
うな影響がでる。つまり、漏れ主磁束Φa の増加が問題
になるのは主磁束Φ1 の最大値付近であり、これが無視
し得ないレベルに達すると、同図(a)の(Φ2 +Φa )
に示すように、検出コイル8に鎖交する磁束には台形波
状の波形の中央部に斜線で示した部分の磁束が加わり、
これに応じて検出コイル8の出力電圧Vには同図(a)
再下段に斜線部で示した外乱パルスが表れる。その結
果、直流偏磁量を算出する際に用いるパルスの時間間隔
Δt1 ,Δt2 を特定できず、または誤って特定する場
合が生じ、直流偏磁量を精度良く、信頼性を持って評価
することができない。そのため、変圧器の直流偏磁抑制
制御を失敗する恐れがある。なお、同図(b)は鉄心5
が直流磁束Φdcだけ直流偏磁した状態における漏れ主磁
束Φa の影響を示した各部の波形図である。
【0016】図5に、本発明に係る直流偏磁検出素子の
他の実施形態を適用した変換用変圧器の断面図を、図6
にその直流偏磁検出素子近傍の拡大図を示す。ここで
は、単相センタコア構造の鉄心5の主脚部、すなわち交
流側巻線2及び変換器側巻線3が巻き回された鉄心脚に
本発明である直流偏磁検出素子6を取り付けた場合を例
に説明する。鉄心5は紙面に垂直な方向に鋼板を積層し
て形成されている。図中に運転中の変圧器の磁束分布を
矢印で示した。鉄心5中には、図中に実線の矢印で示す
ように巻線の印加電圧の積分値に対応した主磁束Φ
1 (励磁磁束)が存在している。一方、巻線の周囲に
は、図中に波線の矢印で示すように巻線を流れる負荷電
流によって発生する、いわゆる漏れ磁束ΦL が存在して
いる。漏れ磁束ΦL の分布は変圧器の巻線構成,配置等
に依存している。このような場合、直流偏磁検出素子6
の検出コイル8に巻線の漏れ磁束ΦL が鎖交し、検出コ
イル8の出力電圧に誘起電圧成分として表れ、外乱とな
る恐れがある。
【0017】そこで、図6に示すように直流偏磁検出素
子6の磁心7は例えばπ型の板状に形成し、その両端部
7a,7bを鉄心5を構成する積層鋼板12の表面に密
着させて取り付けるようにする。そして、磁心7のうち
検出コイル8が巻き回されている部分7cは、鉄心5の
積層面外となるよう形成し検出コイル8が鉄心5の外部
に出るよう配置する。さらに、本実施形態では検出コイ
ル8は変圧器の巻線2,3の漏れ磁束ΦL の方向に直交
するように、すなわち検出コイル8の軸心が巻線の漏れ
磁束ΦL に対し直角になるように配置している。
【0018】このようにすることで、巻線2,3を流れ
る負荷電流により発生する漏れ磁束ΦL は検出コイル8
に鎖交しないから、検出コイル8には鋼板12中を通る
主磁束Φ1 から分流した磁束Φ2 以外の磁束による誘起
電圧は発生しない。これにより第1実施形態で説明した
ように図3(c)に示した出力電圧Vが得られるから、
変換用変圧器の直流偏磁評価装置またはこれを用いた電
力変換システムに適用して、変圧器の直流偏磁量を精度
良く、信頼性を持って評価でき、変圧器の直流偏磁抑制
制御を安定に行うことができる。
【0019】図7に、本発明に係る直流偏磁検出素子の
他の実施形態を適用した変換用変圧器の要部断面図を示
す。本実施形態は、直流偏磁検出素子を図5に示したよ
うに鉄心主脚に配置した場合に、巻線周囲の漏れ磁束を
鎖交させないよう直流偏磁検出素子を磁気シールドした
例である。すなわち、図示のように直流偏磁検出素子6
の磁心7は例えばπ形の板状に形成されており、その両
端部7a,7bは鉄心5を形成する積層鋼板12の表面
に密着させて取り付けられている。磁心7のうち、検出
コイル8が巻き回されている部分7c(π型の中央部)
は、鉄心5の積層面外となるよう一定寸法離して形成さ
れ、検出コイル8が鉄心5の外部に出るよう配置してい
る。そして、直流偏磁検出素子6は、積層鋼板12に接
する面を除いて、シールド部材14によって覆われてい
る。シールド部材14には、表面を絶縁処理した磁性体
を用いることが望ましい。また、表面を絶縁処理した
銅,アルミニウム等の非磁性の導体を用いてもよい。
【0020】このようなシールド部材14を設けること
により、変圧器の巻線を流れる負荷電流により発生する
漏れ磁束ΦL は検出コイル8に鎖交しないから、検出コ
イル8には鋼板12中を通る主磁束Φ1 から分流した磁
束Φ2 以外の磁束による電圧は誘起しない。これにより
第1実施形態で説明したように図3(c)に示した出力
電圧Vが得られるから、変換用変圧器の直流偏磁評価装
置またはこれを用いた電力変換システムに適用して、変
圧器の直流偏磁量を精度良く、信頼性を持って評価で
き、変圧器の直流偏磁抑制制御を安定に行うことができ
る。
【0021】図8に、本発明に係る直流偏磁検出素子の
他の実施形態を適用した変換用変圧器の要部断面図を示
す。本実施形態は、直流偏磁検出素子を鉄心主脚に配置
した場合に巻線の漏れ磁束によって直流偏磁検出素子に
発生する誘起電圧成分を、補償素子で検出して補償する
ことにより、外乱の影響を排除するものである。直流偏
磁検出素子6は図7と同様に形成されて積層鋼板12に
密着して取り付けられている。補償素子20は、偏磁検
出素子6の近傍に積層鋼板12に取り付けられている。
補償素子20は、磁心7と同一の形状に形成された巻枠
21に補償コイル22を巻き回して形成されている。巻
枠21は非磁性の絶縁物で形成されている。検出コイル
8と補償コイル22は巻方向が互いに逆の関係で、巻数
及びコイル断面積等は両者の出力電圧が等しくなるよう
予め所定の値に調整されている。そして、検出コイル8
と補償コイル22はそれぞれの誘起電圧を打ち消し合う
ように、端子8aと端子22bを接続し、残りの端子8
b,22aを出力端子として、直列に接続されている。
【0022】このように構成されることから、直流偏磁
検出素子6においては、主磁束Φ1の一部は積層鋼板1
2の表面に密着して設けられた磁心7に分流し、検出コ
イル8にはこの分流磁束Φ2 の大きさ及び極性に応じた
電圧が誘起される。また、検出コイル8には巻線の漏れ
磁束ΦL も鎖交するため、このΦL による電圧も誘起さ
れる。一方、補償素子20の巻枠21は非磁性材で形成
されているため、主磁束Φ1 の一部は補償素子20には
分流しない。よって、補償コイル22には巻線の漏れ磁
束ΦL のみが鎖交し、この漏れ磁束ΦL による電圧のみ
が誘起される。検出コイル8及び補償コイル22に発生
する漏れ磁束ΦL による誘起電圧成分は、大きさが同じ
で極性が互いに逆となるように予め両コイルの巻数,有
効断面積等が調整されている。それ故、両者は互いにキ
ャンセルされ、端子8bと22aに表れる出力電圧Vに
は漏れ磁束ΦL による電圧成分は含まれない。
【0023】その結果、前述した実施形態と同様に図3
(c)に示した出力電圧Vが得られるから、変換用変圧
器の直流偏磁評価装置またはこれを用いた電力変換シス
テムに適用して、変圧器の直流偏磁量を精度良く、信頼
性を持って評価でき、変圧器の直流偏磁抑制制御を安定
に行うことができる。
【0024】図9に、本発明に係る直流偏磁検出素子の
他の実施形態を適用した変換用変圧器の要部断面図を示
す。本実施形態は、直流偏磁検出素子を鉄心主脚に配置
した場合に巻線の漏れ磁束によって直流偏磁検出素子に
発生する誘起電圧成分を、補償素子で検出して補償する
ことにより外乱の影響を排除する他の例である。直流偏
磁検出素子6は図7と同様に形成されて積層鋼板12に
密着して取り付けられている。補償素子23は、偏磁検
出素子6の近傍に積層鋼板12に取り付けられている。
補償素子23は、例えば磁心7と同一の形状に形成され
た巻枠24に補償コイル25を巻き回して形成されてい
る。巻枠24は非磁性の絶縁物で形成されている。そし
て、検出コイル8と補償コイル25の出力電圧V1 ,V
2 は、それぞれ端子8a,8bと端子25a,25bか
ら演算装置26に入力されている。
【0025】このように構成されることから、図9の実
施形態と同様に直流偏磁検出素子6には、分流磁束Φ2
の大きさ及び極性に応じた電圧と、巻線の漏れ磁束ΦL
に応じた電圧が重畳した電圧V1 が誘起される。一方、
補償素子23には、漏れ磁束ΦL に応じた電圧V2 が誘
起される。演算装置26は、それらの電圧V1 とV2
取り込み、次式(1)により分流磁束Φ2 の大きさ及び
極性に応じた電圧Vを求める。
【0026】 V=V1 −k・V2 …(1) ここで、kは巻線の漏れ磁束Φ1 による誘起電圧成分を
完全にキャンセルするための調整係数であり、検出コイ
ル8と補償コイル25の巻数,有効断面積等の差を調整
するためのものである。
【0027】これにより、演算装置26から出力される
電圧Vには、前述した実施形態と同様に図3(c)に示
した出力電圧Vが得られるから、変換用変圧器の直流偏
磁評価装置またはこれを用いた電力変換システムに適用
して、変圧器の直流偏磁量を精度良く、信頼性を持って
評価でき、変圧器の直流偏磁抑制制御を安定に行うこと
ができる。
【0028】以上は本発明である直流偏磁検出素子を巻
線に流れる負荷電流により発生する漏れ磁束ΦL の影響
が及ぶ部位に設置する場合の例であるが、本実施形態で
は巻線の漏れ磁束ΦL の影響が及ばない部位に設置する
場合について説明する。
【0029】図10に本発明に係る直流偏磁検出素子の
設置位置の実施形態を示す。変換用変圧器1の鉄心5は
鋼板12を積層して形成されており、その鉄心5に直流
偏磁検出素子6が取り付けられている。直流偏磁検出素
子6は、例えばπ型に形成された板状の磁心7に検出コ
イル8を巻回して形成されている。磁心7の両端部7
a,7bは、鉄心5を構成する積層鋼板12の表面に密
着させて取り付けられている。そして、磁心7のうち検
出コイル8が巻き回されている部分7c(π型の中央
部)は、鉄心5の積層面外となるよう形成され、検出コ
イル8が鉄心5の外部に出るよう配置している。ここ
で、直流偏磁検出素子6の磁心7を鉄心5のうち、巻線
が巻かれていない上,下ヨークあるいは側脚部に配置
し、検出コイル8が巻線2,3に対向する鉄心面の反対
側の面に配置されるように形成する。
【0030】このようにすれば、鉄心5が巻線の漏れ磁
束ΦL に対して一種の磁気シールドの役割を果たすた
め、検出コイル8には巻線を流れる負荷電流により発生
する漏れ磁束ΦL は鎖交しないから、検出コイル8には
鋼板12中を通る主磁束Φ1 から分流した磁束Φ2 以外
の磁束による誘起電圧は発生しない。これにより、第1
実施形態で説明したように図3(c)に示した出力電圧
Vが得られるから、変換用変圧器の直流偏磁評価装置ま
たはこれを用いた電力変換システムに適用して、変圧器
の直流偏磁量を精度良く、信頼性を持って評価でき、変
圧器の直流偏磁抑制制御を安定に行うことができる。
【0031】図11に、本発明に係る直流偏磁量評価装
置の一実施形態の構成図を示す。本例は、直流偏磁検出
素子の出力に基づいて直流偏磁量を評価するようになっ
ている。図示のように、直流偏磁量評価装置は直流偏磁
検出素子6と演算装置9とから構成され、演算装置9は
直流偏磁検出素子6の出力電圧Vを所定のレベルに増幅
する増幅器30と、増幅器30の出力をアナログ/ディ
ジタル変換するA/D変換器31と、A/D変換器31
の出力信号に基づいて変圧器鉄心5の直流偏磁量を計算
する演算部32とからなる。
【0032】演算部32は、ディジタル値に変換された
直流偏磁検出素子6の出力電圧Vから図12に示すΔt
,Δtを求め、例えば、次式(2)により直流偏磁
量Φdcを求める。
【0033】 Φdc=Φmax・sin{(Δt1−Δt2)/(Δt1−Δt2)} …(2) または、図12の最下段に示した波形のように、演算部
32において、ディジタル値に変換された直流偏磁検出
素子6の出力電圧Vを積分し、これにより直流偏磁検出
素子6に鎖交する磁束波形に対応する∫Vdtの波形を求
め、その波形が零レベルと交差する点の間隔としてΔt
1 ,Δt2 を求めれば、(2)式と同様にして直流偏磁
量Φdcを求めることができる。ここで、∫Vdtの波形の
零レベルは磁心7が正負で磁気飽和することから、例え
ば最大値と最小値の中間とする。この方法は、変換用変
圧器の励磁電圧がPWM波形等の非正弦波の場合に有効
である。つまり、PWM波形等の場合、直流偏磁検出素
子の鎖交磁束には主磁束の零点付近以外でも急激な変化
があるため、主磁束の零点付近以外でもパルス状電圧が
発生する可能性があり、出力電圧Vの波形からΔt1
Δt2 を一義的に求めることができなくなるが、このよ
うな場合でもΔt1′,Δt2′は一義的に求まるので、
励磁電圧が歪んでいる場合であっても偏磁量を求めるこ
とができる。
【0034】なお、図12において、直流偏磁検出素子
6の出力電圧Vが十分大きい場合は、増幅器30を省略
して差し支えない。また、演算部32における直流偏磁
量の算出方法についても、上述した方法に限られるもの
ではない。
【0035】図13〜図15に、本発明に係る直流偏磁
量評価装置を適用した電力変換システムの応用例をそれ
ぞれ示す。
【0036】図1は、直流送電システムに応用した場
合の概念構成図である。図において、交直変換器41,
42は交流を直流に、あるいは直流を交流に変換する電
力変換器であり,直流送電線43を介して相互に接続さ
れるとともに、それぞれ変換用変圧器44,45を介し
て交流系統に接続されている。変換用変圧器44,45
にはそれぞれ直流偏磁評価装置46,47が接続されて
いる。直流偏磁評価装置46,47は前述した実施形態
のいずれかが適用され、それぞれ変換用変圧器44,4
5の直流偏磁量Φdcを求めて制御装置48,49に出
力するようになっている。制御装置48,49では、入
力される直流偏磁量Φdcを打ち消すように交直変換器
41,42を構成する半導体スイッチ素子の点弧タイミ
ングを修正して、交直変換器41,42に指令を送る。
これにより、変換用変圧器44,45の直流偏磁が解消
され、直流偏磁に伴う不都合を防止することができる。
【0037】図14は無効電力補償システムに応用した
場合の概念構成図である。電力変換器51は変換用変圧
器52を介して電力系統53に接続されている。また、
電力変換器51には、例えばコンデンサ等の起動用電源
54が接続されている。変換用変圧器52には直流偏磁
評価装置55が接続されている。直流偏磁評価装置55
は前述した実施形態のいずれかが適用され、変換用変圧
器52の直流偏磁量Φdcを求めて制御装置56に出力す
る。制御装置56では、入力される直流偏磁量Φdcを打
ち消すように電力変換器51を構成する半導体スイッチ
素子の点弧タイミングを修正制御する。これにより、変
換用変圧器52の直流偏磁が解消され、直流偏磁に伴う
不都合を防止して、所期の無効電力補償を安定に行うこ
とができる。
【0038】なお、図14の構成において、起動用電源
54の代わりに、電池,SMES等の電力貯蔵装置を用
いれば、電力貯蔵システムとして使用することができ、
負荷平準化に利用できる。
【0039】図15は位相調整システムに応用した場合
の概念構成図である。図において、電力変換器61は順
変換及び逆変換の機能を有し、調整用変圧器62を介し
て交流系統63に接続されるとともに、交流系統63に
直列接続された直列変圧器64に接続されている。そし
て、直列変圧器64には直流偏磁評価装置65が接続さ
れている。直流偏磁評価装置65は前述した実施形態の
いずれかが適用され、直列変圧器64の直流偏磁量Φdc
を求めて制御装置66に出力する。制御装置66では、
入力される偏磁量Φdcを打ち消すように電力変換器61
を構成する半導体スイッチ素子の点弧タイミングを修正
制御する。
【0040】このように構成される位相調整システムに
よれば、電力変換器61により直列変圧器64を介し
て、電力系統63の両端の対地電圧V11,V12に対して
任意の位相差を有する電圧Vs を電力系統63に印加
し、V11とV12の位相差を任意に調整することができ
る。そして、直流偏磁評価装置65と制御装置66の作
用により、直列変圧器64の直流偏磁が解消され、直流
偏磁に伴う不都合を防止して、所期の位相調整を安定に
行うことができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、変圧器の直流偏磁量等
を検出する直流偏磁検出素子に、積層鋼板から漏れた主
磁束及び巻線電流により発生した漏れ磁束が鎖交する際
の影響を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直流偏磁評価装置を適用してなる一実
施形態の電力変換システムの全体構成図を示す。
【図2】図1に係る直流偏磁検出素子を拡大して示した
斜視図である。
【図3】図1の実施形態における各部の動作波形図であ
る。
【図4】図3と対比するために示した従来の各部の動作
波形図である。
【図5】本発明に係る直交方式の直流偏磁検出素子の実
施形態の取り付け図である。
【図6】図5の直流偏磁検出素子近傍の拡大図である。
【図7】本発明に係るシールド方式の直流偏磁検出素子
の実施形態の取り付け模式図である。
【図8】本発明に係る補償方式の直流偏磁検出素子の実
施形態の取り付け模式図である。
【図9】本発明に係る補償方式の直流偏磁検出素子の他
の実施形態の取り付け模式図である。
【図10】本発明に係る直流偏磁検出素子の取り付け位
置を示した模式図である。
【図11】本発明の直流偏磁評価装置の一実施形態の全
体構成図である。
【図12】直流偏磁評価装置の動作を説明するための波
形図である。
【図13】本発明の直流偏磁評価装置を適用してなる直
流送電システムの一実施形態の概念構成図である。
【図14】本発明の直流偏磁評価装置を適用してなる無
効電力補償システムの一実施形態の概念構成図である。
【図15】本発明の直流偏磁評価装置を適用してなる位
相調整システムの一実施形態の概念構成図である。
【符号の説明】
1…変換用変圧器、4…電力変換器、5…鉄心、6…直
流偏磁検出素子、7,13,15…磁心、8…検出コイ
ル、9,26…演算装置、10…直流偏磁評価装置、1
1…制御装置、12…積層鋼板、14…シールド部材、
20,23…補償素子、21,24…巻枠、22,25
…補償コイル、30…増幅器、31…A/D変換器、3
2…演算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 達 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (56)参考文献 特開 平6−69045(JP,A) 特開 平5−312930(JP,A) 特開 平6−78564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回し、変
    圧器鉄心に配置して変圧器の直流偏磁を検出する直流偏
    磁検出素子において、 前記磁心の両端部を前記変圧器鉄心を形成する積層鋼板
    の積層面に接して配置し、かつ前記検出コイルを巻き回
    した部分を前記変圧器鉄心の表面から一定寸法離して配
    置させてなることを特徴とする変圧器の直流偏磁検出素
    子。
  2. 【請求項2】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回してな
    る直流偏磁検出素子を変圧器鉄心に配置してなる変圧器
    において、 前記直流偏磁検出素子の磁心の両端部を、前記変圧器鉄
    心を形成する積層鋼板の積層面に接して配置し、かつ前
    記検出コイルを巻き回した部分を変圧器鉄心の表面から
    一定寸法離して配置させてなることを特徴とする変圧
    器。
  3. 【請求項3】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回してな
    る直流偏磁検出素子を変圧器鉄心に配置してなる変圧器
    において、 前記直流偏磁検出素子の磁心の両端部を、前記変圧器鉄
    心を形成する積層鋼板の積層面に接して配置し、かつ前
    記検出コイルを巻き回した部分を変圧器鉄心の表面から
    一定寸法離すとともに、前記検出コイルの軸方向が変圧
    器巻線の軸方向に対して直交するよう形成してなること
    を特徴とする変圧器。
  4. 【請求項4】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回してな
    る直流偏磁検出素子を変圧器鉄心に配置してなる変圧器
    において、 前記直流偏磁検出素子の磁心の両端部を前記変圧器鉄心
    を形成する積層鋼板の積層面に接して配置し、かつ前記
    検出コイルを巻き回した部分を変圧器鉄心の表面から一
    定寸法離すとともに、該直流偏磁検出素子の周囲のうち
    前記変圧器鉄心に接する面を除いて磁性材または非磁性
    材のシールド部材で覆ってなすことを特徴とする変圧
    器。
  5. 【請求項5】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回してな
    る直流偏磁検出素子を変圧器鉄心に配置してなる変圧器
    において、 空心または非磁性材の巻枠に補償コイルを巻き回してな
    る補償素子を前記直流偏磁検出素子の近傍に配置し、前
    記検出コイルの誘起電圧から前記補償コイルの誘起電圧
    を減ずるように結線されてなることを特徴とする変圧
    器。
  6. 【請求項6】請求項1記載の直流偏磁検出素子を変圧器
    鉄心に配置してなる変圧器において、 前記直流偏磁検出素子の検出コイルを、前記変圧器鉄心
    のうち巻線に対向する鉄心面の反対側の面から一定寸法
    離して配置してなることを特徴とする変圧器。
  7. 【請求項7】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回してな
    る直流偏磁検出素子を変圧器鉄心に配置し、前記検出コ
    イルに誘起される電圧に基づいて、前記変圧器鉄心内を
    通る磁束の直流偏磁量とその極性を算出する直流偏磁評
    価装置において、 前記検出コイルに、前記変圧器鉄心を形成する積層鋼板
    の積層間及び外部を通る磁束が鎖交しないように当該検
    出コイルを配置したことを特徴とする直流偏磁評価装
    置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の直流偏磁評価装置におい
    て、 前記直流偏磁検出素子の磁心の両端部が前記変圧器鉄心
    を形成する積層鋼板の積層面に接して配置され、かつ前
    記検出コイルを巻き回した部分が前記変圧器鉄心の表面
    から一定寸法離して形成されてなることを特徴とする直
    流偏磁評価装置。
  9. 【請求項9】請求項7記載の直流偏磁評価装置におい
    て、 前記直流偏磁検出素子の磁心の両端部が前記変圧器鉄心
    を形成する積層鋼板の積層面に接して配置され、かつ前
    記検出コイルを巻き回した部分が変圧器鉄心の表面から
    一定寸法離されるとともに前記検出コイルの軸方向が変
    圧器巻線の軸方向に対して直交するよう形成されてなる
    ことを特徴とする直流偏磁評価装置。
  10. 【請求項10】請求項7記載の直流偏磁評価装置におい
    て、 前記直流偏磁検出素子の磁心の両端部が前記変圧器鉄心
    を形成する積層鋼板の積層面に接して配置され、かつ前
    記検出コイルを巻き回した部分が変圧器鉄心の表面から
    一定寸法離されるとともに、該直流偏磁検出素子の周囲
    のうち前記変圧器鉄心に接する面を除いて磁性材または
    非磁性材のシールド部材で覆われてなることを特徴とす
    る直流偏磁評価装置。
  11. 【請求項11】請求項7記載の直流偏磁評価装置におい
    て、 前記直流偏磁検出素子の検出コイルが、前記変圧器鉄心
    のうち巻線に対向する鉄心面の反対側の面から一定寸法
    離して配置されてなることを特徴とする直流偏磁評価装
    置。
  12. 【請求項12】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回して
    なる直流偏磁検出素子を変圧器鉄心に配置し、前記検出
    コイルに誘起される電圧に基づいて、前記変圧器鉄心内
    を通る磁束の直流偏磁量とその極性を算出する直流偏磁
    評価装置において、 空心または非磁性材の巻枠に補償コイルを巻き回してな
    る補償素子を前記直流偏磁検出素子の近傍に配置し、前
    記検出コイルの誘起電圧から前記補償コイルの誘起電圧
    を減ずるように結線されてなることを特徴とする直流偏
    磁評価装置。
  13. 【請求項13】磁性材の磁心に検出コイルを巻き回して
    なる直流偏磁検出素子を変圧器鉄心に配置し、前記検出
    コイルに誘起される電圧に基づいて、前記変圧器鉄心内
    を通る磁束の直流偏磁量とその極性を算出する直流偏磁
    評価装置において、 空心または非磁性材の巻枠に補償コイルを巻き回してな
    る補償素子を前記直流偏磁検出素子の近傍に配置し、前
    記検出コイルと前記補償コイルの出力に基づいて前記変
    圧器鉄心の直流偏磁量を評価することを特徴とする直流
    偏磁評価装置。
  14. 【請求項14】請求項7〜13のいずれかに記載の直流
    偏磁評価装置において、 前記直流偏磁検出素子の磁心が、鉄・ニッケル合金また
    は非晶質磁性材料で形成されたことを特徴とする直流偏
    磁評価装置。
  15. 【請求項15】半導体スイッチ素子を用いてなる電力変
    換器と、該電力変換器の交流側に接続される変換用変圧
    器と、該変換用変圧器の偏磁を評価する直流偏磁評価装
    置と、該直流偏磁評価装置の評価に基づいて前記変換用
    変圧器の直流偏磁を打ち消すように前記電力変換器を制
    御する直流偏磁抑制制御手段とを備えてなる電力変換シ
    ステムにおいて、 前記直流偏磁評価装置が請求項7〜13のいずれかに記
    載の直流偏磁評価装置であることを特徴とする電力変換
    システム。
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