JPH02229410A

JPH02229410A - 変圧器鉄心の直流偏磁検出方法

Info

Publication number: JPH02229410A
Application number: JP1048508A
Authority: JP
Inventors: Fumihiko Miyawaki; 宮脇　文彦; Motoyasu Ichikawa; 市川　元保
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1989-03-02
Filing date: 1989-03-02
Publication date: 1990-09-12

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）本発明は、変圧器鉄心の直流偏磁の有無及び直流偏磁の
極性を検出する方法に関するものである。

（従来の技術）一般に、周波数変換装置や直流送電システム用の変圧器
においては、サイリスタ点弧角のばらつき等により、電
流の正負がアンバランスになるため、わずかではあるが
直流成分電流が巻線内を流れる。この直流電流により、
変圧器の鉄心においては、第３図に示した様に、その磁
束振動Ａが正負いずれかの方向に偏る、いわゆる直流偏
磁を受ける。即ち、一般に、変圧器巻線に直流成分電流
が流れると鉄心は偏磁され、第３図に示した様に、鉄心
内の磁束Ａと励磁電流Ｂは鉄心の励磁特性曲線Ｃ（φ一
１特性）上を偏って振動する。このため、励磁電流Ｂの
振動は直流成分電流Ｄが含まれるため非対称となり、こ
の直流成分電流Ｄが外部から流れ込む電流の直流成分と
等しくなるまで鉄心は偏磁される。

この様に直流偏磁時の励磁電流Ｂの波形は、第３図に示
した様に、鉄心の励磁特性Ｃに依存して歪波になると共
に、直流偏磁と同一極性側のピーク値が大きくなり、偏
磁と逆極性側のピークは小さくなる。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、変圧器鉄心がこの様な直流偏磁を受ける
と、騒音、損失が増大し、また、鉄心の飽和による鉄心
周辺の金属構造材の過熱等の弊害が生じる。このため、
変圧器には上述した様な弊害が顕著にならないような施
策をしておく必要があり、一般にコストが高くなるとい
った欠点があった。

そこで、この様な欠点を解消するために、変圧器鉄心の
偏磁状況を検出して、偏磁を解消する方向の直流電流を
発生するようにサイリスタを制御して、変圧器鉄心の偏
磁量を低減させる方法が種々研究されているが、現状に
おいては、鉄心の偏磁状況を安価で容易に且つ精度良く
測定する方法は得られていない。

本発明は以上の欠点を解消するために提案されたもので
、その目的は、変圧器鉄心の直流偏磁の有無及びその極
性を容易に検出することのできる変圧器鉄心の直流偏磁
検出方法を提供することにある。

［発明の構成］（課題を解決するための手段）本発明の変圧器鉄心の直流偏磁検出方法は、巻線を巻装
した変圧器鉄心の主脚上面あるいは下面に、鉄心主脚の
軸方向のもれ磁束に鎖交する様に、コイル内の透磁率が
線形なサーチコイルを配設し、このサーチコイルに鎖交
する磁束波形を検出することにより、変圧器鉄心の直輩
偏磁の有無及びその極性を検出することを特徴とするも
のである。

（作用）本発明の変圧器鉄心の直流偏磁検出方法によれば、鉄心
主脚の上面あるいは下面に配設したサーチコイルによっ
て、鉄心主脚近傍のもれ磁束を監視し、直流偏磁特有の
励磁電流の変歪を検出することにより、鉄心の直流偏磁
の有無を簡単に検出することが可能となる。

（実施例）以下、本発明の一実施例を第１図乃至第３図に基づいて
具体的に説明する。

第１図及び第２図は内鉄形単相３脚鉄心変圧器に本発明
を適用した例である。即ち、タンク１内に収納された鉄
心の主脚３に巻線２が巻装され、また、鉄心主脚３の上
面の鉄心締付鋼材５ａ，５ｂには、絶縁スペーサ６を介
してサーチコイル７が前記鉄心主脚３の軸方向のもれ磁
束に鎖交するように配設されている。さらに、このサー
チコイル７の出力電圧は、リード線８により変圧器外部
に引き出され、積分回路９を介して波形判定装置１０に
接続されている。

この様な構成を有する本実施例の直流偏磁検出方法にお
いては、鉄心主脚３の上面に配設されたサーチコイル７
には、励磁電流波形とほぼ相似形のもれ磁束が鎖交し、
その出力電圧波形は励磁電流波形を微分した形にほぼ等
しい。従って、積分回路９を通したサーチコイルの出力
電圧波形は励磁電流波形とほぼ相似形となることから、
波形判定装置１０によってサーチコイル出力電圧の積分
波形の正負各々のピーク値を比較し、その大きさが等し
ければ「直流偏磁なし」、また、その大きさが異なれば
「直流偏磁有り」と判定することができる。また、正負
いずれのピークが大きいかを判定することにより、直流
偏磁の極性も判定することができる。

なお、上記の様に鉄心主脚近傍のもれ磁束波形を監視す
ることにより、直流偏磁の有無を検出することができる
のは、以下に述べる現象に基づいている。即ち、一般に
変圧器の巻線内径より内側の空間の磁束φは、空間の透
磁率（μＯ）Ｘ起磁力（巻線の巻回数Ｎｘ励磁電流ＩＯ
）Ｘ空間の断面積（Ｓ）となるが、鉄心主脚近傍のもれ
磁束もほぼこれに比例するといえる。ここで、空間の透
磁率μ０１巻線の巻回数Ｎ及び空間の断面積Ｓは一定で
あることより、鉄心主脚近傍のもれ磁束波形は、励磁電
流波形にほぼ比例した波形となる。

以上の様に、本実施例によれば、変圧器鉄心の直流偏磁
の有無及びその極性が容易に且つ精度良く検出できる。

また、装置も簡単であるので安価な検出装置が得られる
。さらに、変圧器鉄心の偏磁状況を検出し、その結果か
らサイリスタを制御し、鉄心の偏磁量を低減するシステ
ムを得ることも可能となるため、変圧器に直流偏磁に対
する対策を講じる必要がなくなり、変圧器のコストも削
減できる。

なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
く、サーチコイルを鉄心主脚の下面に配置しても同様の
効果が得られる。また、サーチコイルも一般の絶縁被覆
線に限らず、例えば、プリント基板形のものを用い、接
着剤で直接鉄心面に貼りつける等、その取付け方法は特
に限定されない。

［発明の効果〕以上述べた様に、本発明によれば、変圧器鉄心の主脚上
面あるいは下面に、鉄心主脚の軸方向のもれ磁束に鎖交
する様に、コイル内の透磁率が線形なサーチコイルを配
設し、このサーチコイルに鎖交する磁束波形を検出する
という簡単な手段によって、変圧器鉄心の直流偏磁の有
無及びその極性を容易に検出することのできる変圧器鉄
心の直流偏磁検出方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の変圧器鉄心の直流偏磁検出方法の一実
施例を示す斜視図、第２図はサーチコイルの取付け例を
示す要部拡大斜視図、第３図は直流偏磁時の鉄心内磁束
、励磁電流、鉄心励磁特性を示す図である。１・・・タンク、２・・・巻線、３・・・鉄心主脚、４
・・・鉄心側脚、５・・・鉄心締付鋼材、６・・・絶縁
スペーサ、７・・・サーチコイル、８・・・リード線、
９・・・積分回路、１０・・・波形判定装置、Ａ・・・
鉄心内磁束、Ｂ・・・励磁電流、Ｃ・・・鉄心励磁特性
、Ｄ・・・励磁電流の直流成分、Ｅ・・・鉄心偏磁量。

Claims

【特許請求の範囲】

巻線を巻装した変圧器鉄心の主脚上面あるいは下面に、
鉄心主脚の軸方向のもれ磁束に鎖交する様に、コイル内
の透磁率が線形なサーチコイルを配設し、このサーチコ
イルに鎖交する磁束波形を検出することにより、変圧器
鉄心の直流偏磁の有無及びその極性を検出することを特
徴とした変圧器鉄心の直流偏磁検出方法。