JP2635714B2 - 変圧器鉄心の直流偏磁検出方法 - Google Patents
変圧器鉄心の直流偏磁検出方法Info
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- JP2635714B2 JP2635714B2 JP63228408A JP22840888A JP2635714B2 JP 2635714 B2 JP2635714 B2 JP 2635714B2 JP 63228408 A JP63228408 A JP 63228408A JP 22840888 A JP22840888 A JP 22840888A JP 2635714 B2 JP2635714 B2 JP 2635714B2
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Description
【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、変圧器鉄心の直流偏磁の有無及び直流偏磁
の極性を検出する方法に関するものである。
の極性を検出する方法に関するものである。
（従来の技術） 一般に、周波数変換装置や直流送電システム用の変圧
器においては、サイリスタ点弧角のばらつき等により、
電流の正負がアンバランスになるため、わずかではある
が直流成分電流が巻線内を流れる。この直流電流によ
り、変圧器の鉄心においては第３図に示した様にその磁
束振動Ａが正負いずれかの方向に偏る、いわゆる直流偏
磁を受ける。
器においては、サイリスタ点弧角のばらつき等により、
電流の正負がアンバランスになるため、わずかではある
が直流成分電流が巻線内を流れる。この直流電流によ
り、変圧器の鉄心においては第３図に示した様にその磁
束振動Ａが正負いずれかの方向に偏る、いわゆる直流偏
磁を受ける。
（発明が解決しようとする課題） しかしながら、変圧器鉄心がこの様な直流偏磁を受け
ると、騒音、損失が増大し、また、鉄心の飽和による鉄
心周辺の金属構造材の過熱等の弊害が生じる。このた
め、変圧器には上述した様な弊害が顕著にならないよう
な施策をしておく必要があり、一般にコストが高くなる
といった欠点があった。
ると、騒音、損失が増大し、また、鉄心の飽和による鉄
心周辺の金属構造材の過熱等の弊害が生じる。このた
め、変圧器には上述した様な弊害が顕著にならないよう
な施策をしておく必要があり、一般にコストが高くなる
といった欠点があった。
そこで、この様な欠点を解消するために、変圧器鉄心
の偏磁状況を検出して、偏磁を解消する方向の直流電流
を発生するようにサイリスタを制御して、変圧器鉄心の
偏磁量を低減させる方法が種々研究されているが、現状
においては、鉄心の偏磁状況を安価で且つ精度良く測定
する方法は得られていない。
の偏磁状況を検出して、偏磁を解消する方向の直流電流
を発生するようにサイリスタを制御して、変圧器鉄心の
偏磁量を低減させる方法が種々研究されているが、現状
においては、鉄心の偏磁状況を安価で且つ精度良く測定
する方法は得られていない。
本発明は以上の欠点を解消するために提案されたもの
で、その目的は、変圧器鉄心の直流偏磁の有無及びその
極性を容易に検出することのできる変圧器鉄心の直流偏
磁検出方法を提供することにある。
で、その目的は、変圧器鉄心の直流偏磁の有無及びその
極性を容易に検出することのできる変圧器鉄心の直流偏
磁検出方法を提供することにある。
［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明の変圧器鉄心の直流偏磁検出方法は、巻線内径
よりも内側に、軸方向の磁束に鎖交する様に、コイル内
部の内径側に非線形の磁気特性を有する物質が存在しな
い透磁率が線形なサーチコイルを挿入し、直流偏磁時に
は前記サーチコイルに鎖交する磁束波形が正負非対称と
なることを利用して変圧器鉄心の直流偏磁の有無及びそ
の極性を検出することを特徴としたものである。
よりも内側に、軸方向の磁束に鎖交する様に、コイル内
部の内径側に非線形の磁気特性を有する物質が存在しな
い透磁率が線形なサーチコイルを挿入し、直流偏磁時に
は前記サーチコイルに鎖交する磁束波形が正負非対称と
なることを利用して変圧器鉄心の直流偏磁の有無及びそ
の極性を検出することを特徴としたものである。
（作用） 本発明の変圧器鉄心の直流偏磁検出方法によれば、鉄
心と巻線の間に挿入したサーチコイルによって、巻線内
径より内側の空間の磁束を検出し、この磁束波形の変化
を判定することにより、鉄心の直流偏磁の有無を簡単に
検出することが可能となる。
心と巻線の間に挿入したサーチコイルによって、巻線内
径より内側の空間の磁束を検出し、この磁束波形の変化
を判定することにより、鉄心の直流偏磁の有無を簡単に
検出することが可能となる。
（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図乃至第３図に基づい
て具体的に説明する。
て具体的に説明する。
第１図及び第２図は内鉄形変圧器に本発明を適用した
例である。即ち、外側巻線１及び内側巻線２の内径側に
位置する鉄心脚３の冷却油道４内の中央部に、コイル内
の透磁率が線形な空心のサーチコイル５が、軸方向に磁
束と鎖交するように配設されている。また、このサーチ
コイル５の出力電圧は、リード線６により変圧器外部に
引き出され、積分回路７を介して波形判定装置８に接続
されている。
例である。即ち、外側巻線１及び内側巻線２の内径側に
位置する鉄心脚３の冷却油道４内の中央部に、コイル内
の透磁率が線形な空心のサーチコイル５が、軸方向に磁
束と鎖交するように配設されている。また、このサーチ
コイル５の出力電圧は、リード線６により変圧器外部に
引き出され、積分回路７を介して波形判定装置８に接続
されている。
この様な構成を有する本実施例の直流偏磁検出方法
は、以下に述べる直流偏磁特有の現象を利用したもので
ある。即ち、一般に、変圧器巻線に直流成分電流が流れ
ると鉄心は偏磁され、第３図に示した様に、鉄心内の磁
束Ａと励磁電流Ｂは鉄心の励磁特性曲線Ｃ（φ−Ｉ特
性）上を偏って振動する。このため、励磁電流Ｂの振動
は直流成分電流Ｄが含まれるため非対称となり、この直
流成分電流Ｄが外部から流れ込む電流の直流成分と等し
くなるまで鉄心は偏磁される。
は、以下に述べる直流偏磁特有の現象を利用したもので
ある。即ち、一般に、変圧器巻線に直流成分電流が流れ
ると鉄心は偏磁され、第３図に示した様に、鉄心内の磁
束Ａと励磁電流Ｂは鉄心の励磁特性曲線Ｃ（φ−Ｉ特
性）上を偏って振動する。このため、励磁電流Ｂの振動
は直流成分電流Ｄが含まれるため非対称となり、この直
流成分電流Ｄが外部から流れ込む電流の直流成分と等し
くなるまで鉄心は偏磁される。
この様に直流偏磁された状態における鉄心の磁束Ａは
略正弦波となるが、巻線内径より内側の空間の磁束φ
は、空間の透磁率（μ０）×起磁力（巻線の巻回数Ｎ×
励磁電流I0）となる。ここで、空間の透磁率μ０及び巻
線の巻回数Ｎは一定であるため、空間の磁束φは励磁電
流I0に比例することになり、結局、空間の磁束波形は励
磁電流波形と相似形となる。
略正弦波となるが、巻線内径より内側の空間の磁束φ
は、空間の透磁率（μ０）×起磁力（巻線の巻回数Ｎ×
励磁電流I0）となる。ここで、空間の透磁率μ０及び巻
線の巻回数Ｎは一定であるため、空間の磁束φは励磁電
流I0に比例することになり、結局、空間の磁束波形は励
磁電流波形と相似形となる。
一方、直流偏磁時の励磁電流波形は、第３図に示した
様に、鉄心の励磁特性Ｃから歪波になると共に、直流偏
磁と同一極性側のピーク値が大きくなり、偏磁と逆極性
側のピークは小さくなる。
様に、鉄心の励磁特性Ｃから歪波になると共に、直流偏
磁と同一極性側のピーク値が大きくなり、偏磁と逆極性
側のピークは小さくなる。
以上の様な直流偏磁特有の現象に基づく第１図及び第
２図に示した直流偏磁検出装置においては、鉄心脚３の
冷却油道４内に挿入されたサーチコイル５には、励磁電
流波形と相似形の磁束が鎖交し、その出力電圧波形は励
磁電流波形を微分した波形となる。従って、積分回路７
を通したサーチコイルの出力電圧波形は励磁電流波形と
相似形となることから、波形判定装置８によってサーチ
コイル出力電圧の積分波形の正負各々のピーク値を比較
し、その大きさが等しければ「直流偏磁なし」、また、
その大きさが異なれば「直流偏磁有り」と判定すること
ができる。また、正負いずれのピークが大きいかを判定
することにより、直流偏磁の極性も判定することができ
る。
２図に示した直流偏磁検出装置においては、鉄心脚３の
冷却油道４内に挿入されたサーチコイル５には、励磁電
流波形と相似形の磁束が鎖交し、その出力電圧波形は励
磁電流波形を微分した波形となる。従って、積分回路７
を通したサーチコイルの出力電圧波形は励磁電流波形と
相似形となることから、波形判定装置８によってサーチ
コイル出力電圧の積分波形の正負各々のピーク値を比較
し、その大きさが等しければ「直流偏磁なし」、また、
その大きさが異なれば「直流偏磁有り」と判定すること
ができる。また、正負いずれのピークが大きいかを判定
することにより、直流偏磁の極性も判定することができ
る。
以上の様に、本実施例によれば、変圧器鉄心の直流偏
磁の有無及びその極性が容易に且つ精度良く検出でき
る。また、装置も簡単であるので安価な検出装置が得ら
れる。さらに、変圧器鉄心の偏磁状況を検出し、その結
果からサイリスタを制御し、鉄心の偏磁量を低減するシ
ステムを得ることも可能となるため、変圧器に直流偏磁
に対する対策を講じる必要がなくなり、変圧器のコスト
も削減できる。
磁の有無及びその極性が容易に且つ精度良く検出でき
る。また、装置も簡単であるので安価な検出装置が得ら
れる。さらに、変圧器鉄心の偏磁状況を検出し、その結
果からサイリスタを制御し、鉄心の偏磁量を低減するシ
ステムを得ることも可能となるため、変圧器に直流偏磁
に対する対策を講じる必要がなくなり、変圧器のコスト
も削減できる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
なく、サーチコイルを鉄心と内側巻線の間に挿入しても
同様の効果が得られる。
なく、サーチコイルを鉄心と内側巻線の間に挿入しても
同様の効果が得られる。
［発明の効果］ 以上述べた様に、本発明によれば、巻線内径よりも内
側に、軸方向の磁束に鎖講する様に、コイル内の透磁率
が線形なサーチコイルを挿入するという簡単な手段によ
って、変圧器鉄心の直流偏磁の有無及びその極性を容易
に検出することのできる変圧器鉄心の直流偏磁検出方法
を得ることができる。
側に、軸方向の磁束に鎖講する様に、コイル内の透磁率
が線形なサーチコイルを挿入するという簡単な手段によ
って、変圧器鉄心の直流偏磁の有無及びその極性を容易
に検出することのできる変圧器鉄心の直流偏磁検出方法
を得ることができる。
第１図は本発明の変圧器鉄心の直流偏磁検出方法を変圧
器に適用した一実施例を示す構成図、第２図はサーチコ
イル取付部の拡大図、第３図は直流偏磁時の磁束、励磁
電流、鉄心励磁特性を示す図である。 １……外側巻線、２……内側巻線、３……鉄心脚、４…
…冷却油道、５……サーチコイル、６……リード線、７
……積分回路、８……波形判定装置、Ａ……鉄心内磁
束、Ｂ……励磁電流、Ｃ……鉄心励磁特性、Ｄ……励磁
電流の直流成分、Ｅ……鉄心偏磁量。
器に適用した一実施例を示す構成図、第２図はサーチコ
イル取付部の拡大図、第３図は直流偏磁時の磁束、励磁
電流、鉄心励磁特性を示す図である。 １……外側巻線、２……内側巻線、３……鉄心脚、４…
…冷却油道、５……サーチコイル、６……リード線、７
……積分回路、８……波形判定装置、Ａ……鉄心内磁
束、Ｂ……励磁電流、Ｃ……鉄心励磁特性、Ｄ……励磁
電流の直流成分、Ｅ……鉄心偏磁量。
Claims (1)
- 【請求項１】巻線内径よりも内側に、軸方向の磁束に鎖
交する様に、コイル内部の内径側に非線形の磁気特性を
有する物質が存在しない透磁率が線形なサーチコイルを
挿入し、直流偏磁時には前記サーチコイルに鎖交する磁
束波形が正負非対称となることを利用して変圧器鉄心の
直流偏磁の有無及びその極性を検出することを特徴とし
た変圧器鉄心の直流偏磁検出方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63228408A JP2635714B2 (ja) | 1988-09-14 | 1988-09-14 | 変圧器鉄心の直流偏磁検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63228408A JP2635714B2 (ja) | 1988-09-14 | 1988-09-14 | 変圧器鉄心の直流偏磁検出方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0277663A JPH0277663A (ja) | 1990-03-16 |
| JP2635714B2 true JP2635714B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=16876001
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63228408A Expired - Fee Related JP2635714B2 (ja) | 1988-09-14 | 1988-09-14 | 変圧器鉄心の直流偏磁検出方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2635714B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07104736B2 (ja) * | 1989-01-10 | 1995-11-13 | 三菱電機株式会社 | 変圧器の直流偏磁検出方法 |
| CN102420045B (zh) * | 2010-09-28 | 2015-10-21 | 华东电力试验研究院有限公司 | 直流偏磁抑制器 |
| CN102645602A (zh) * | 2012-05-17 | 2012-08-22 | 东华大学 | 一种基于附加线圈的变压器偏磁在线检测方法 |
| JP5783191B2 (ja) | 2013-02-01 | 2015-09-24 | 株式会社デンソー | 偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置 |
| CN103439605A (zh) * | 2013-08-28 | 2013-12-11 | 国家电网公司 | 变压器直流偏磁能力的检测方法 |
| CN103576030B (zh) * | 2013-11-12 | 2016-03-30 | 国家电网公司 | 一种变压器在线监测传感器 |
| CN104237836B (zh) * | 2014-09-05 | 2018-04-27 | 北京铁道工程机电技术研究所有限公司 | 一种电压互感器直流偏磁性能的测试装置 |
| CN104753052A (zh) * | 2015-04-16 | 2015-07-01 | 河南行知专利服务有限公司 | 一种直流系统单极运行时直流偏磁抑制方法 |
| CN109212369B (zh) * | 2018-11-14 | 2020-10-09 | 国网河北省电力有限公司电力科学研究院 | 一种变压器铁心直流偏磁的检测方法及装置 |
| CN110174544B (zh) * | 2019-04-19 | 2021-02-05 | 华北电力大学（保定） | 一种变压器非对称偏磁问题的定点频域分析系统及方法 |
| CN114019286B (zh) * | 2021-11-05 | 2024-04-26 | 国网四川省电力公司经济技术研究院 | 一种变压器直流偏磁耐受能力校核现场试验方法及系统 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5927513A (ja) * | 1982-08-05 | 1984-02-14 | Herumesu Denki Kk | 変圧器 |
-
1988
- 1988-09-14 JP JP63228408A patent/JP2635714B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0277663A (ja) | 1990-03-16 |
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