JPH10177927A - 直流電流センサー - Google Patents

直流電流センサー

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JPH10177927A
JPH10177927A JP8354454A JP35445496A JPH10177927A JP H10177927 A JPH10177927 A JP H10177927A JP 8354454 A JP8354454 A JP 8354454A JP 35445496 A JP35445496 A JP 35445496A JP H10177927 A JPH10177927 A JP H10177927A
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current
magnetic flux
detection
core
current sensor
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JP8354454A
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English (en)
Inventor
Masaaki Yamanaka
政明 山中
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気自動車等におけるバッテリーの充・放電
量の管理用センサーとして有効で、零点精度及び温度特
性に優れ、小電流から大電流までの広範囲の直流電流の
測定が可能な直流電流センサーの提供。 【解決手段】 一対の検出コイル3a,3bを矩形枠状
の軟質磁性材料からなる検出コア2の対向位置にある短
辺部にトロイダル状に巻回配置し、該検出コア2の内側
に直流電流が流れる被検出導線1を貫通配置し、被検出
導線1を流れる直流電流Iに基づき発生する検出コア2
内の磁束Φ0をスイッチングする手段として、検出コア
2の対向位置にある長辺部に4角筒状を構成する軟質磁
性材料からなる一対の励磁コア4a,4bを配置し、検
出コア2外周の周方向に励磁コイル5を巻回配置し、一
対の励磁コア4a,4bの一方側4b外周にトロイダル
状に巻回配置したフィードバックコイル9に、検出コア
2内に発生する磁束Φ0が零になるまで該磁束Φ0を打ち
消す方向の磁束Φfを発生するよう直流電流iを流し、
その電流値を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流電流を使用
する種々の機器に配置される直流電流センサーの改良に
係り、特に、電気自動車等におけるバッテリーの充・放
電量の管理用センサーとして有効であり、零点精度及び
温度特性に優れ、小電流から大電流までの広範囲の直流
電流の測定が可能な直流電流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、直流電流センサーとしては、
シャント抵抗方式、マグアンプ方式、磁気マルチバイブ
レータ方式、ホール素子方式等を採用した構成が知られ
ている。しかし、これらの直流電流センサーは、構成が
複雑であるばかりでなく、本来的に被検出導線の1ター
ン貫通を要求される漏電ブレーカー等への採用は困難で
あり、微小電流を高感度で安定して測定することは不可
能であった。本願出願人は、以上のような問題点を解決
する直流電流センサーとして、構造が比較的簡単であ
り、特に、微小な電流の変化に対しても、優れた検出能
力を有する高感度の直流電流センサーを先に提案した
(特開平6−74978号)。
【0003】例えば、図5に示すように、電気的に接続
されている一対の検出コイル3a,3bを矩形枠状の軟
質磁性材料からなる検出コア2の対向位置にある短辺部
にトロイダル状に巻回配置するとともに、該検出コア2
の内側に直流電流が流れる被検出導線1を貫通配置する
構成からなっている。さらに、被検出導線1を流れる直
流電流Iに基づき発生する検出コア2内の磁束Φ0をス
イッチングする手段として、検出コア2の対向位置にあ
る長辺部に4角筒状を構成する軟質磁性材料からなる一
対の励磁コア4a,4bを配置するとともに、検出コア
2外周の周方向に励磁コイル5を巻回配置している。
【0004】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると検出コア2内に磁束Φ0が発生す
るが、この時、励磁コイル5に所定の交流電流(周波数
0)を流すと励磁コア4a,4b部に図中α方向に交
番磁束が発生し、該交番磁束によって検出コア2と励磁
コア4a,4bとの直交部6が磁気的に飽和され、前記
検出コア2内の磁束Φ0がスイッチングされることとな
り、周波数が励磁周波数の2倍(2f0)の交番磁束に
変調される。この磁束Φ0の変化に伴い被検出導線1を
流れる直流電流Iに比例した周波数2f0の起電力(V
DET)が検出コイル3a,3bに検出され、結果として
被検出導線1を流れる直流電流Iの絶対値を知ることが
できる。
【0005】図6に示す直流電流センサーは、励磁コイ
ル5a,5bが励磁コア4a,4bの外周側面部に巻回
配置される以外は図5に示す直流電流センサーと同様な
構成からなり、同様な作動原理によって被検出導線1を
流れる直流電流Iの絶対値を知ることができる。
【0006】図7に示す直流電流センサーは、図5及び
図6に示す直流電流センサーに比べ小型化が可能な構成
である。すなわち、円筒状検出コア2と直方体状励磁コ
ア4とを一体化し、円筒状検出コア2の対称位置に検出
コイル3a,3b,3c,3dをそれぞれトロイダル状
に巻回配置するとともに、該円筒状検出コア2の外周に
励磁コイル5を巻回配置した構成からなる。この構成に
おいても、図5に示す直流電流センサーと同様な作動原
理によって被検出導線1を流れる直流電流Iの絶対値を
知ることができる。
【0007】図8の直流電流センサーは、さらに、コア
の構成を簡単にするとともに、S/N比の高い構成を目
的として提案したものであり、検出コイル3をトロイダ
ル状に巻回配置する環状の軟質磁性材料からなる検出コ
ア2を管状となし、該検出コア2の周方向に連通する中
空部に、励磁コイル5を巻回配置した構成なる(特開平
7−198754号)。
【0008】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると検出コア2内に磁束Φ0が発生す
るが、この時、励磁コイル5に所定の励磁電流(交流電
流)を流すと検出コア2内に図中α方向の交番磁束が発
生し、該交番磁束によって検出コア2のほぼ全域が周期
的に磁気的飽和され、前記検出コア2内の磁束Φ0がス
イッチングされることとなる。この構成では、励磁コア
の役目を検出コア2が兼ねることになるが、基本的に図
5の直流電流センサーの作動原理と同様にして被検出導
線1を流れる直流電流Iの絶対値を知ることができる。
【0009】以上に説明した図5〜図8の構成からなる
直流電流センサーは、被検出導線1を流れる直流電流I
に基づき発生する検出コア内の磁束Φ0をスイッチング
する手段が、検出コア2の周方向の一部又は全部に交番
磁束による磁気的な飽和領域を形成して磁束Φ0を周期
的に遮断する構成であったが、以下に示す図9〜図11
の構成からなる直流電流センサーは、磁束Φ0をスイッ
チングする手段が異なる。
【0010】図9に示す直流電流センサーは、被検出導
線1を流れる直流電流Iに基づき発生する検出コア2内
の磁束Φ0の方向を、該磁束Φ0に対して直交する方向
(図中α方向)の交番磁束との反撥作用によって変化さ
せることで実質的に磁束Φ0を周期的に遮断し、結果と
して磁束Φ0をスイッチングする構成からなり、検出コ
イル3への起電力発生メカニズムはスイッチング手段が
異なるものの実質的に図5の直流電流センサーと同様で
ある(特開平7−55846号)。
【0011】図中3a,3bは検出コア2にトロイダル
状に巻回配置する検出コイルであり、5a,5bは検出
コア2に形成されている複数の貫通孔7を介して巻回配
置する励磁コイルである。励磁コイル5a,5bに所定
の励磁電流(交流電流)を印加することによって、図中
α方向の交番磁束を発生し、上記の説明の通り目的とす
る被検出導線1を流れる直流電流Iの絶対値を知ること
ができる。
【0012】図10に示す直流電流センサーは、検出コ
ア2を非常にシンプルな構成としたものである。すなわ
ち、一対の貫通孔7の近傍に発生する交番磁束によって
図9に示す直流電流センサーと同様な作動原理にて、目
的とする被検出導線1を流れる直流電流Iの絶対値を知
ることができる。図中3は検出コイル、5は励磁コイル
である。
【0013】図11に示す直流電流センサーは、被検出
導線1を流れる直流電流Iに基づき発生する検出コア2
内の周方向の磁場に、該周方向の磁場に直交し周期的に
向きが変化する磁場を作用させることで、これらの合成
磁場に基づく検出コア2内での磁化方向を回転させ、実
質的に被検出導線1を流れる直流電流Iに基づき発生す
る検出コア2内の磁束Φ0に変調をかけ磁気的なスイッ
チングを行なう構成からなる。この構成においても検出
コイル3への起電力発生メカニズムはスイッチング手段
が異なるものの実質的に図5の直流電流センサーと同様
である(特願平7−180721号)。
【0014】詳細すると、検出コア2には、該検出コア
2の側面に形成されている複数の貫通孔8内に同一貫通
孔内の電流の向きが同一で隣接貫通孔内の電流の向きが
反対向きとなるよう励磁コイル5a,5bを巻回配置す
るとともに、外周に検出コイル3をトロイダル状に巻回
配置した構成からなっている。励磁コイル5a,5bに
所定の励磁電流(交流電流)を印加することによって、
検出コア2内での磁化方向を回転させ、上記の説明の通
り目的とする被検出導線1を流れる直流電流Iの絶対値
を知ることができる。
【0015】以上に説明した図5〜図11に示す直流電
流センサーは、いずれも構造が比較的簡単であり、特
に、微小な電流の変化に対しても、優れた検出能力を有
する高感度の直流電流センサーであった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、本願出願人が先に提案した種々の構成からなる直流
電流センサーは、いずれも構造が比較的簡単であり、特
に、微小な電流の変化に対しても、優れた検出能力を有
する構造であることから、直流電流センサーの用途を大
幅に拡大することができた。
【0017】しかし、電気自動車におけるバッテリーの
充・放電量の管理用センサー等では、バッテリー充電時
の小電流から走行時の大電流までの非常に広い範囲を精
度良く測定し、時間積分後の積算誤差を極力抑えること
が要求される。しかし、検出コアを構成する軟質磁性材
料が本質的に有するB−H曲線の非線形性と磁気飽和の
ために、該コア材料の透磁率は被検出導線を流れる直流
電流Iに対して一定ではなく、要求される広範囲での電
流を高精度にて測定することは困難であった。
【0018】この発明は、上記のような現状に鑑み提案
するもので、先に本願出願人が提案した種々の構成から
なる直流電流センサーが有する本来的な長所を損なうこ
となく、特に、電気自動車等におけるバッテリーの充・
放電量の管理用センサーとして有効であり、零点精度及
び温度特性に優れ、小電流から大電流までの広範囲の直
流電流の測定が可能な直流電流センサーの提案を目的と
するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記の目的を
達成するために種々の構成を検討した結果、従来から知
られるホール素子を用いたゼロフラックス制御型直流電
流センサーが有する構成と本願出願人が先に提案した上
記に説明した種々の構成からなる直流電流センサーとを
効果的に組み合わせることにより、それぞれの直流電流
センサーが有する長所が有効に活用され、予想以上の効
果が得られることを確認した。
【0020】すなわち、従来から知られるホール素子を
用いたゼロフラックス制御型直流電流センサーは、図1
2に示すように、被検出導線11を流れる直流電流Iに
基づき発生する検出コア12内の磁束Φ0を打ち消す方
向の磁束Φfを発生し、ホール素子13の出力を実質的
に零とするフィードバックコイル14を、検出コア12
にトロイダル状に巻回配置し、該フィードバックコイル
14への印加電流を測定することによって被検出導線1
1に流れている直流電流Iを検出する構成からなるもの
である。
【0021】この構成では、測定範囲及び測定精度がホ
ール素子13の特性によって決定され、比較的広範囲の
測定が可能となるが、実際にはホール素子13のホール
ノイズと温度特性のために、小電流の領域で要求される
精度が確保できなかった。
【0022】しかし、本願出願人が先に提案した上記の
種々構成からなる直流電流センサーでは高精度を維持し
た広範囲の測定は不可能であっても、小電流の領域で非
常に高感度の測定が実現できることより、これらの構成
を組み合わせて用いることによって予想以上の効果が得
られることを知見し、発明を完成したのである。
【0023】この発明は、検出コイルをトロイダル状に
巻回配置する環状の軟質磁性材料からなる検出コアの内
側に直流電流が流れる被検出導線を貫通配置し、該被検
出導線を流れる直流電流に基づき発生する検出コア内の
磁束をスイッチングする手段を有する直流電流センサー
において、前記被検出導線を流れる直流電流に基づき発
生する検出コア内の磁束を打ち消す方向の磁束を発生
し、検出コイルの出力を実質的に零とするフィードバッ
クコイルを、検出コアにトロイダル状に巻回配置し、該
フィードバックコイルへの印加電流を測定することによ
って被検出導線に流れている直流電流を検出することを
特徴とする直流電流センサーである。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明の直流電流センサーにお
いて、環状の軟質磁性材料とは所謂リング状になってい
ることに限定されるものではなく、その内側に直流電流
が流れる被検出導線を貫通配置でき、該軟質磁性材料が
電磁気的に閉回路を構成できるように接続されておれば
よく、後述するスイッチング手段との関係から図示のよ
うな矩形枠状、管状、筒状等種々の構成を採用すること
ができる。
【0025】検出コアを構成する軟質磁性材料は、直流
電流センサーに要求される検出感度に応じた磁気特性
や、加工性等を考慮して選定することが必要であり、パ
ーマロイ、ケイ素鋼鈑、アモルファス、電磁軟鉄、ソフ
トフェライト等の公知の軟質磁性材料の使用が可能であ
る。
【0026】この発明において被検出導線を流れる直流
電流に基づき発生する検出コア内の磁束(Φ0)をスイ
ッチングする手段とは、先に説明したように検出コアの
周方向の一部又は全部に交番磁束による磁気的な飽和領
域を形成して磁束(Φ0)を周期的に遮断する構成、被
検出導線を流れる直流電流に基づき発生する検出コア内
の磁束(Φ0)の方向を該磁束(Φ0)に対して直交する
方向の交番磁束との反撥作用によって変化させることで
実質的に磁束(Φ0)を周期的に遮断する構成、被検出
導線を流れる直流電流に基づき発生する検出コア内の磁
束(Φ0)を検出コア内の周方向の磁場と該周方向の磁
場に直交し周期的に向きが変化する磁場との合成磁場に
て変調をかける構成等の種々の手段を含み、具体的な構
成としては、図示の検出コアと励磁コア及び励磁コイル
の配置構成等によって実現できる。
【0027】この発明の直流電流センサーの作動原理
を、図1に基づいて説明する。図1に示すこの発明の直
流電流センサーは、この発明の主たる特徴であるフィー
ドバックコイル9を配置した以外、検出コア、励磁コ
ア、検出コイル、励磁コイルの配置構成は図5に示す従
来の構成と同様である。すなわち、電気的に接続されて
いる一対の検出コイル3a,3bを矩形枠状の軟質磁性
材料からなる検出コア2の対向位置にある短辺部にトロ
イダル状に巻回配置するとともに、該検出コア2の内側
に直流電流が流れる被検出導線1を貫通配置する構成か
らなっている。
【0028】さらに、被検出導線1を流れる直流電流I
に基づき発生する検出コア2内の磁束Φ0をスイッチン
グする手段として、検出コア2の対向位置にある長辺部
に4角筒状を構成する軟質磁性材料からなる一対の励磁
コア4a,4bを配置するとともに、検出コア2外周の
周方向に励磁コイル5を巻回配置している。
【0029】図中9がフィードバックコイルであり、図
においては、一対の励磁コア4a,4bの一方側4b外
周にトロイダル状に巻回配置した構成を示しているが、
電磁気的のバランス等を考慮して両側の励磁コア4a,
4bの各々に配置することも好ましい構成である。
【0030】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると検出コア2内に磁束Φ0が発生す
るが、この時、励磁コイル5に所定の交流電流(周波数
0)を流すと励磁コア4a,4b部に図中α方向に交
番磁束が発生し、該交番磁束によって検出コア2と励磁
コア4a,4bとの直交部6が磁気的に飽和され、前記
検出コア2内の磁束Φ0がスイッチングされることとな
り、周波数が励磁周波数の2倍(2f0)の交番磁束に
変調される。この磁束Φ0の変化に伴い被検出導線1を
流れる直流電流Iに比例した周波数2f0の起電力(V
DET)が検出コイル3a,3bに検出される。
【0031】この状態において、検出コイル3a,3b
に検出される起電力(VDET)が零になるまで、すなわ
ち、検出コア2内に発生する磁束Φ0が零になるまで該
磁束Φ0を打ち消す方向の磁束Φfを発生するようフィー
ドバックコイル9に所定の直流電流iを流し、その電流
値を測定することで、結果として被検出導線1を流れる
直流電流Iの絶対値を知ることができる(i=I/Nf
Nf:フィードバックコイル9の卷数)。
【0032】以上に示すように、この発明の直流電流セ
ンサーでは、検出コア2内に発生する磁束Φ0が実質的
に零の状態で測定を実施することから、検出コア2の磁
気的特性の最も安定した領域を用いることとなり、検出
コア2として高透磁率で低保磁力の軟質磁性材料を選定
することで、小電流から大電流までの広範囲において零
点精度の確保とともに、コア材料の磁気特性の温度変化
に起因した直流電流センサーの温度特性をも大幅に改善
することが可能となった。
【0033】さらに、従来のホール素子を用いたゼロフ
ラックス制御型直流電流センサーでは、ホール素子を配
置する部分が検出コアとしては磁気的なギャップとな
り、コアの磁気抵抗が高く、被測定電流により検出コア
内に発生する磁束が少なかった。
【0034】この発明の直流電流センサーでは、検出コ
ア2が完全な閉磁路となり、コアの磁気抵抗が低く、被
測定電流により検出コア内に発生する磁束が多く、変換
効率が高い等の効果を有することが確認できた。また、
地磁気などの等外部からのノイズに対しても強く、安定
性の観点からも、有効な構成であることが確認できた。
【0035】この発明の直流電流センサーの構成を図5
の構成にフィードバックコイル9を配置した構成からな
る図1にて説明したが、先に従来構成として示した図5
以外の図6〜図11のいずれの構成においてもフィード
バックコイル9を配置することによって、図1の構成と
同様な効果を得ることができる。
【0036】
【実施例】本発明の効果を確認するために、図1に示す
直流電流センサーを作成した。検出コア2は厚さ0.3
5mmのパーマロイC(78%Ni−5%Mo−4%C
u−balFe)を用いて組み立てた。励磁コア部4
a,4bを含む全体寸法は幅W1=27mm(励磁コア
部材4a,4bの幅W2=6mm)、長さL=25m
m、高さH=7mmであった。これらに所定の熱処理を
施して検出コア2を完成した。
【0037】さらに、これらの検出コア2に電気的な絶
縁を確保して、検出コイル3a,3b、励磁コイル5及
びフィードバックコイル9を巻回配置した。検出コイル
3a,3bは、それぞれ外径0.18mmのエナメル線
を60ターン巻回し(全体として120ターン)、ま
た、励磁コイル5は外径0.18mmのホルマル線を3
0ターン巻回し、フィードバックコイル9は外径3.0
mmのホルマル線を4000ターン巻回した構成からな
る。
【0038】検出コア2内に外径16mmのビニル被覆
からなる被検出導線1を貫通配置するとともに、先に検
出コア2に独立して巻回配置した検出コイル3a,3b
を所定の方法にて電気的に接続し、これらの検出コイ
ル、励磁コイル、及びフィードバックコイルを所定の電
子回路を接続して、本発明の直流電流センサーを完成し
た。なお、励磁コイル5a,5bに印加する励磁電流は
f=4kHz、100mArmsの交流電流とした。
【0039】ここで、被検出導線1に±400Aの範囲
で直流電流を流した場合の、この発明の直流電流センサ
ーにおける入・出力特性を図2及び図3に示す。図2よ
り広範囲でリニアの特性が得られ、また、図3より従来
のホール素子を用いたゼロフラックス制御型直流電流セ
ンサーで問題となっている小電流領域(図3においては
±4Aの範囲)でもヒステリシスがほとんど無い高精度
の測定が可能であることが確認できた。
【0040】図4は、被検出導線1に所定電流(0.2
A,0.6A,1A)を流した時の、この発明の直流電
流センサーにおける温度特性(−40℃〜+100℃の
範囲)を示すが、図より明らかなようにほとんどフラッ
トで温度変化に関係なく安定した測定が可能であること
が確認できた。
【0041】
【発明の効果】以上に示すように、この発明の直流電流
センサーにおいては、従来から知られるホール素子を用
いたゼロフラックス制御型直流電流センサーと本願出願
人が先に提案した種々の構成からなる直流電流センサー
とを効果的に組み合わせることにより、それぞれの直流
電流センサーの有する長所が有効に活用され、小電流か
ら大電流までの広範囲の直流電流を高精度にて測定する
ことが可能となった。
【0042】特に、従来から知られるホール素子を用い
たゼロフラックス制御型直流電流センサーの欠点であ
る、小電流の領域での精度、温度特性等を解決するとと
もに、本願出願人が先に提案した種々の構成からなる直
流電流センサーが本質的に有する検出コアを構成する軟
質磁性材料のB−H曲線の非線形性や透磁率による誤差
要因等を解決し、目的とする特性を実現する直流電流セ
ンサーの提供を可能とした。
【0043】以上に示すような特徴を有することから、
この発明の直流電流センサーは、特に、電気自動車等に
おけるバッテリーの充・放電量の管理用センサーとして
有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の直流電流センサーの構成を示す斜視
説明図である。
【図2】被測定電流と出力電流との関係を示すグラフで
ある。
【図3】被測定電流と出力電流との関係を示すグラフで
ある。
【図4】測定温度と出力電流との関係を示すグラフであ
る。
【図5】従来の直流電流センサーの構成を示す斜視説明
図である。
【図6】従来の直流電流センサーの構成を示す斜視説明
図である。
【図7】従来の直流電流センサーの構成を示す斜視説明
図である。
【図8】従来の直流電流センサーの構成を示す斜視説明
図である。
【図9】従来の直流電流センサーの構成を示す斜視説明
図である。
【図10】従来の直流電流センサーの構成を示す斜視説
明図である。
【図11】従来の直流電流センサーの構成を示す斜視説
明図である。
【図12】従来のホール素子を用いたゼロフラックス制
御型直流電流センサーの作動原理を示す斜視説明図であ
る。
【符号の説明】
1 被検出導線 2 検出コア 3,3a,3b,3c,3d 検出コイル 4,4a,4b 励磁コア 5,5a,5b 励磁コイル 6 直交部 7,8 貫通孔 9 フィードバックコイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出コイルをトロイダル状に巻回配置す
    る環状の軟質磁性材料からなる検出コアの内側に直流電
    流が流れる被検出導線を貫通配置し、該被検出導線を流
    れる直流電流に基づき発生する検出コア内の磁束をスイ
    ッチングする手段を有する直流電流センサーにおいて、
    前記被検出導線を流れる直流電流に基づき発生する検出
    コア内の磁束を打ち消す方向の磁束を発生し、検出コイ
    ルの出力を実質的に零とするフィードバックコイルを、
    検出コアにトロイダル状に巻回配置し、該フィードバッ
    クコイルへの印加電流を測定することによって被検出導
    線に流れている直流電流を検出することを特徴とする直
    流電流センサー。
JP8354454A 1996-12-18 1996-12-18 直流電流センサー Pending JPH10177927A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7106047B2 (en) 2003-07-18 2006-09-12 Denso Corporation Electric current detection apparatus

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