JPH08220141A - 直流用分割型零相変流器 - Google Patents

直流用分割型零相変流器

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JPH08220141A JP7049318A JP4931895A JPH08220141A JP H08220141 A JPH08220141 A JP H08220141A JP 7049318 A JP7049318 A JP 7049318A JP 4931895 A JP4931895 A JP 4931895A JP H08220141 A JPH08220141 A JP H08220141A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単であり、被測定電線をクランプす
るために開閉を繰り返しても誤差を生じることの少ない
直流用分割型零相変流器を提供する。 【構成】 対接させると円環状となる一対のコア11
は、各々中間部にホール素子を配置する空隙15,16
を備え、周囲を外側シールド12、内側シールド13、
側面シールド14により磁気遮蔽され、コアとシールド
間にも空隙が形成されている。2個のホール素子は出力
を並列に接続して出力し、シールド、空隙を含めた漏れ
磁束出力調整用の可変抵抗器が一方又は双方のホール素
子出力に接続され機能し、被測定電線クランプのために
開閉を繰り返しても誤差や残留電流の少ない直流用分割
型零相変流器を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は比較的大きな電流を流す
電路の電流値を測定するクランプメータに関し、特に携
帯に適した構造を持つ直流用分割型零相変流器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図4に従来のクランプメータの構造例を
示す。円環状の二つのコア41、42は、それぞれ41
a,41b,及び42a,42bの接合点で分割でき、
該二つのコアには電線43をそれぞれ巻回し、両捲線は
図示のように直列に接続し、接続点をA点とし、電線4
3の両端はそれぞれ抵抗R1 ,R2 を介して発振器44
の一端に接続され、該発振器44の他端をB点とする構
成であり、前記A点とB点とは短絡片によってショート
される。抵抗R1 ,R2 の両端部、D、C端子間電圧が
本クランプメータの出力となる。
【0003】図5(a),(b)は、それぞれ、前記コ
ア部の正面図と、該正面図におけるA1ーA1断面図で
ある。円環状の二つのコア41、42は同心軸上で並列
に配置された上で、磁気的遮蔽材で形成される外側シー
ルド45、内側シールド46、そして側面シールド47
によって磁気的に遮蔽されている。
【0004】このような構造をもったクランプメータの
円環内に、接合点41a,41b,及び42a,42b
を一旦開いて被測定電線1を配置したのち、再び閉じて
該電線1に電流IDCを流した場合、発振器44の発生電
圧をE,発振周波数をfとすると、出力端子C,D間に
現れる出力電圧は電流IDCに比例するfHzの交流電圧
となる。この出力電圧を読み取って所定の換算を行うこ
とによって1次電流IDCを測定することができる。
【0005】図6は、前記とは別の従来の装置の例であ
る。この装置では円環状の一つのコア61は61a,6
1bの接合点で分割でき、該コアには電線62を巻回
し、電線62の両端は抵抗R1 、発振器63と直列に接
続される。抵抗R1 の両端の電圧が本クランプメータの
出力となる。
【0006】このような構造をもったクランプメータの
円環内に被測定電線1を配置し、該電線1に電流IDC
流した場合、発振器63の発生交流電圧によって与えら
れる励磁電流のプラス側のピーク値とマイナス側のピー
ク値の大きさの差を検出する。このような原理の閉磁路
の周囲を磁気性材でシールドして直流零相変流器として
使用している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した二つの従来の
装置のうち、前者のものでは、被測定電線を挿入時に分
割部を開き、挿入後閉じる際に、分割変流器を2個用い
ている関係上、各々の開閉後の変流器の特性に相互の差
異が生じやすく、一度開くと次の測定時に誤差が大きく
なる傾向がある。また、後者のものでは、変流器は1個
ではあるが、変流器の分割面を一度開き、次に閉じた場
合、分割面の磁気抵抗の変化によって励磁電流が変化
し、性能面に影響を与える。
【0008】さらに、両者ともに、発振器を必要とし、
該発振器は安定した周波数をもったものでなくてはなら
ず、回路が複雑となるものであった。
【0009】また、変流器の励磁に交流電圧を印加する
ため、変流器の1次側に直流零相電圧が流れると1次側
に交流電圧が誘起される。そのために微小電流で制御を
行っている制御回路に使用する場合には問題があった。
【0010】さらに、被測定直流電流に脈流が流れてい
ると、変流器の2次側に出力となって現れ、これが検出
回路に入力して特性誤差となる。本発明は、以上述べた
ような欠点を有しない直流用分割型零相変流器を提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は本発明によ
れば、各コアの中間にそれぞれホール素子配置のための
ギャップを設け、両者を対向接続すると円環状となり閉
じた磁気回路が形成される一対のコアと、前記ギャップ
内にそれぞれ配置されるホール素子と、前記一対のコア
のそれぞれの内周、外周および側面を所定の隔離寸法を
有しつつ囲繞する磁気シールド部材と、前記ホール素子
の出力レベル調整のための可変抵抗器とからなる直流用
分割型零相変流器において、前記所定の隔離寸法は、前
記ギャップ寸法より大であり、前記各ギャップに配置さ
れたホール素子出力は並列に接続されていることにより
解決することができる。
【0012】また、上記の課題は前項において、前記ホ
ール素子の出力レベル調整のための可変抵抗器は、ホー
ル素子の中の1個に対して設けることによって解決され
る。
【0013】さらに、上記の課題は前々項において、前
記ホール素子の出力レベル調整のための可変抵抗器は、
複数のホール素子の全てに対して設けることで解決する
ことができる。
【0014】
【作用】ホール素子を配置するためコアに設けたギャッ
プの位置は、一対のコアの開閉のための分割箇所では異
なるところに設けてあるので、該ギャップを正確に維持
することができる。従って特性が安定する。
【0015】零相変流器は、1次電流からの漏れ磁束に
よって特性の良否が左右される。1次電流が流れる電線
を挿入するためには、閉じられた磁気回路を一時的に開
かなくてはならない。そのための開閉用分割箇所は開閉
ごとに磁気的結合状態が微妙に変化するが、磁束検出用
のホール素子を配置する位置は分割箇所から離れるほ
ど、開閉の影響を受けにくくなる。よって、2箇所の開
閉用分割箇所の中間点付近にギャップを設けて、ここに
ホール素子を挿入配置するようにし、しかも、コアを囲
繞する磁気シールドは、ホール素子を挿入するギャップ
の寸法よりも、コア、シールド間寸法を大として隔離し
ているので、零相電流検出用磁気回路に悪い影響を与え
ない。
【0016】さらに前記のようにホール素子の配置位置
は開閉用分割箇所の中間点付近であるので、この部分を
遮蔽する磁気シールド部においても分割のための空隙が
ない。従って充分な磁気遮蔽効果が期待できる。
【0017】ホール素子出力調整用の可変抵抗器は、出
力を並列接続される複数のホール素子相互の感度、組
立、シールド効果の微小な差異を漏れ磁束レベルで調整
可能であるため、組立、調整することによって残留特性
が良好となる。
【0018】
【実施例】図1から図3に本発明の実施例を示した。図
1は要部の正面を説明的な断面としたもので、11はコ
アであり、円環形状を2分割した形となっている。即
ち、円環形状の上下2箇所には装置開閉用として分割箇
所11a,11bを設ける。そして、前記のように分割
した一対のコアのそれぞれの中間に後述のホール素子挿
入用として空隙15,16を設ける。
【0019】12は外側シールドであり、磁気遮蔽材で
形成され、前記円環形状のコア11の外周側を遮蔽する
が、コア11同様、装置開閉用として分割箇所12a,
12bを上下2か所に備える。13は内側シールドであ
り、磁気遮蔽材で形成され、前記円環形状のコア11の
内周側を遮蔽するが、コア11同様、装置開閉用として
分割箇所13a,13bを上下2か所に備える。
【0020】図2は前記正面図の説明的な側面断面図で
あり、14は側面シールドであり、磁気遮蔽材で形成さ
れ、前記円環形状のコア11の側面側を遮蔽するが、コ
ア11同様、装置開閉用として、図示しない分割箇所を
上下2か所に備える。
【0021】このようにコア11は周囲を各シールド部
材により磁気的に遮蔽されるが、各シールドとコア11
間には、それぞれ所定の空隙を形成する。即ち、t2
コア11の側面と側面シールド14の内面までの空隙の
大きさであり、t3 は、コア11の外周面と外側シール
ド12の内面までの空隙の大きさであり、t4 はコア1
1の内周面と内側シールド13の内面までの空隙の大き
さである。また、t1は前記ホール素子挿入用として形
成した、コア11の空隙15,16の空隙寸法である。
各空隙寸法の関係はt1 ≪t2 ,t1 ≪t3 ,t1 ≪t
4 とする。
【0022】図3は本発明の直流用分割型零相変流器の
回路図である。同図において、17は2個のホール素
子、R1 からR4 までは抵抗、VRは可変抵抗器、18
は出力端子、Bは電源である。
【0023】ホール素子17は公知のように、半導体セ
ンサとして、直交する電流と磁界の両方に直角の方向に
起電力が発生するホール効果を用いた素子であり、半導
体薄板の長さ方向に電流を流し、これに直角方向に磁界
を加えると、ホール電圧が出力されるものであるから、
電源Bの電圧を2個のホール素子17端子1、3を並列
に接続して印加する。一方、出力側端子2、4にはそれ
ぞれ抵抗R1 、R2 、R3 、R4 を直列に接続した上
で、両ホール素子17の出力を並列として取り出すよう
に構成している。また、一方のホール素子17の出力端
子2、4間には前記可変抵抗器VRが接続されている。
【0024】このように構成した本発明の分割型零相変
流器の開閉用分割箇所11a,12a,13a、および
11b,12b,13bを開いて、被測定電線(図示せ
ず)を挿入し、該電線に電流が流れることによって生じ
る磁界がホール素子17に加わるので、両ホール素子1
7の端子2、4間には出力を生じ、出力端子18にて検
出される。
【0025】可変抵抗器VRは、漏れ磁束出力調整用と
して機能し、この可変抵抗器VRは2個のホール素子1
7の相互間のバラツキ調整用としてではなく、シール
ド、空隙をも含めた漏れ磁束出力調整用として使用する
ものであり、前記実施例では、一方のホール素子17の
出力端子2、4間に設けたが、両方のホール素子17の
出力端子2、4間に設けてもよい。
【0026】図7は、端に円環状コアの中間に2個のホ
ール素子を配置しただけの従来の装置と、本発明の装置
を使用したものとの残留電流特性を比較した図である。
1次電流は直流100Aで、縦横の軸は円環内の電線の
配置角度と電流値を示し、点線Aが前者の従来のもの、
実線Bが本発明のものである。この図で理解されるよう
に、A1 点において従来最大370mAもの値を示した
残留電流が、本発明の実施例では、磁気的遮蔽の効果が
大きく、B1 点において10mA程度の残留電流とな
り、大幅に改善されていることがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来問題
があった開閉を繰り返した時の安定性や、1次電流への
交流電圧の重畳の問題が解消される。また、構造が簡単
なため、装置の製作が容易であり、コアへの捲線も不要
であるので、絶縁が容易で、仕上がり寸法も小型とな
り、携帯時軽量なものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の一実施例の説明的な正面断面図
である。
【図2】本発明の一実施例の説明的な側面断面図であ
る。
【図3】本発明の一実施例の回路図である。
【図4】従来の装置の説明図である。
【図5】従来の装置の説明図である。
【図6】従来の装置の説明図である。
【図7】本発明の装置と従来の装置との残留電流特性の
比較図である。
【符号の説明】
1 被測定電線 11 コア 11a 開閉用分割箇所 11b 開閉用分割箇所 12 外側シールド 12a 開閉用分割箇所 12b 開閉用分割箇所 13 内側シールド 13a 開閉用分割箇所 13b 開閉用分割箇所 14 側面シールド 15 空隙 16 空隙 17 ホール素子 18 出力端子 VR 可変抵抗器 B 電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各コアの中間にそれぞれホール素子配置
    のためのギャップを設け、両者を対接させると円環状と
    なり閉じた磁気回路が形成される一対のコアと、 前記ギャップ内にそれぞれ配置されるホール素子と、 前記一対のコアそれぞれの内周、外周および側面を所定
    の隔離寸法を有しつつ囲繞する磁気シールド部材と、 前記ホール素子の出力レベル調整のための可変抵抗器
    と、 からなる直流用分割型零相変流器において、 前記所定の隔離寸法は、前記ギャップ寸法より大であ
    り、前記各ギャップに配置されたホール素子の出力は並
    列に接続されていることを特徴とする直流用分割型零相
    変流器。
  2. 【請求項2】 前記ホール素子の出力レベル調整のため
    の可変抵抗器は、ホール素子の中の1個に対して設ける
    ことを特徴とする請求項1に記載の直流用分割型零相変
    流器。
  3. 【請求項3】 前記ホール素子の出力レベル調整のため
    の可変抵抗器は、双方のホール素子に対して設けること
    を特徴とする請求項1に記載の直流用分割型零相変流
    器。
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