JPH07197891A - スクロール式流体機械 - Google Patents
スクロール式流体機械Info
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- JPH07197891A JPH07197891A JP5354645A JP35464593A JPH07197891A JP H07197891 A JPH07197891 A JP H07197891A JP 5354645 A JP5354645 A JP 5354645A JP 35464593 A JP35464593 A JP 35464593A JP H07197891 A JPH07197891 A JP H07197891A
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- fixed scroll
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C18/00—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C18/02—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
- F04C18/0207—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
- F04C18/0246—Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry
- F04C18/0269—Details concerning the involute wraps
- F04C18/0276—Different wall heights
Abstract
(57)【要約】
【目的】 旋回スクロールと固定スクロールに、各ラッ
プ部が熱膨張することにより、摩擦やカジリが生じるの
を防止する。 【構成】 旋回スクロール２１のラップ部２４を外周側
フラット部２５、内周側フラット部２６および傾斜部２
７から構成する。圧縮運転開始初期には、外周側フラッ
ト部２５の外周側フラット面２５Ａが相手方歯底との間
に微小なスラスト方向ギャップを介して、最外周側の圧
縮室に空気を確実に封じ込めることができる。そして、
圧縮機が暖機されたときには、吸込口から吸込まれた空
気が発生する圧縮熱により、ラップ部２４の傾斜部２７
は外周側から内周側に亘って漸次大きく熱膨張し、傾斜
部２７および内周側フラット部２６は固定スクロールの
歯底とのスラスト方向ギャップが大きく減少し、傾斜部
２７が固定スクロールとの間で形成する各圧縮室に空気
を確実に封じ込めることができるようになる。
プ部が熱膨張することにより、摩擦やカジリが生じるの
を防止する。 【構成】 旋回スクロール２１のラップ部２４を外周側
フラット部２５、内周側フラット部２６および傾斜部２
７から構成する。圧縮運転開始初期には、外周側フラッ
ト部２５の外周側フラット面２５Ａが相手方歯底との間
に微小なスラスト方向ギャップを介して、最外周側の圧
縮室に空気を確実に封じ込めることができる。そして、
圧縮機が暖機されたときには、吸込口から吸込まれた空
気が発生する圧縮熱により、ラップ部２４の傾斜部２７
は外周側から内周側に亘って漸次大きく熱膨張し、傾斜
部２７および内周側フラット部２６は固定スクロールの
歯底とのスラスト方向ギャップが大きく減少し、傾斜部
２７が固定スクロールとの間で形成する各圧縮室に空気
を確実に封じ込めることができるようになる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば空気圧縮機や真
空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関す
る。
空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】図８および図９に従来技術によるスクロ
ール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙
げて示す。
ール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙
げて示す。
【０００３】図において、１は固定スクロールを示し、
該固定スクロール１は円板状に形成された鏡板２と、該
鏡板２の上に外側から中心側に向かって渦巻き状に立設
されたラップ部３と、前記鏡板２の外周側に位置し、該
ラップ部３を囲むように筒状に形成された支持部４とか
ら構成され、ラップ部３が立設された鏡板２の表面は歯
底２Ａとなっている。そして、該固定スクロール１は、
支持部４にボルト等を介してケーシング（いずれも図示
せず）に固定されている。
該固定スクロール１は円板状に形成された鏡板２と、該
鏡板２の上に外側から中心側に向かって渦巻き状に立設
されたラップ部３と、前記鏡板２の外周側に位置し、該
ラップ部３を囲むように筒状に形成された支持部４とか
ら構成され、ラップ部３が立設された鏡板２の表面は歯
底２Ａとなっている。そして、該固定スクロール１は、
支持部４にボルト等を介してケーシング（いずれも図示
せず）に固定されている。
【０００４】５は固定スクロール１に対向して前記ケー
シング内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示
し、該旋回スクロール５は円板状の鏡板６と、前記固定
スクロール１のラップ部３と同様に、該鏡板６の表面で
ある歯底６Ａから立設された渦巻き状のラップ部７と、
前記鏡板６の背面中央に設けられたボス部８とから構成
されている。
シング内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示
し、該旋回スクロール５は円板状の鏡板６と、前記固定
スクロール１のラップ部３と同様に、該鏡板６の表面で
ある歯底６Ａから立設された渦巻き状のラップ部７と、
前記鏡板６の背面中央に設けられたボス部８とから構成
されている。
【０００５】９は駆動軸を示し、該駆動軸９はケーシン
グに回転自在に設けられ、該駆動軸９の先端には固定ス
クロール１の軸線Ｏ1 −Ｏ1 と同軸となったクランク９
Ａが設けられている。そして、該駆動軸９のクランク９
Ａには旋回軸受１０を介して前記旋回スクロール５のボ
ス部８が回転可能に取付けられている。
グに回転自在に設けられ、該駆動軸９の先端には固定ス
クロール１の軸線Ｏ1 −Ｏ1 と同軸となったクランク９
Ａが設けられている。そして、該駆動軸９のクランク９
Ａには旋回軸受１０を介して前記旋回スクロール５のボ
ス部８が回転可能に取付けられている。
【０００６】ここで、旋回スクロール５は軸線Ｏ2 −Ｏ
2 が固定スクロール１の軸線Ｏ1 −Ｏ1 に対して所定距
離δだけ偏心した状態で、該旋回スクロール５のラップ
部７が固定スクロール１のラップ部３に周方向に所定角
度だけずらして重ね合わせられている。そして、該旋回
スクロール５を固定スクロール１に対して旋回運動させ
たときには各ラップ部３，７間に連続的に容積が縮小さ
れる三日月形状の複数の圧縮室１１，１１，…が画成さ
れる。
2 が固定スクロール１の軸線Ｏ1 −Ｏ1 に対して所定距
離δだけ偏心した状態で、該旋回スクロール５のラップ
部７が固定スクロール１のラップ部３に周方向に所定角
度だけずらして重ね合わせられている。そして、該旋回
スクロール５を固定スクロール１に対して旋回運動させ
たときには各ラップ部３，７間に連続的に容積が縮小さ
れる三日月形状の複数の圧縮室１１，１１，…が画成さ
れる。
【０００７】１２は固定スクロール１に形成された吸込
ポートを示し、該吸込ポート１２は最外周側の圧縮室１
１と連通するように鏡板２の外周側に穿設されている。
ポートを示し、該吸込ポート１２は最外周側の圧縮室１
１と連通するように鏡板２の外周側に穿設されている。
【０００８】１３は吐出ポートを示し、該吐出ポート１
３は最内周側の圧縮室１１と連通するように固定スクロ
ール１の鏡板２の中心部に穿設されている。
３は最内周側の圧縮室１１と連通するように固定スクロ
ール１の鏡板２の中心部に穿設されている。
【０００９】従来技術によるスクロール式空気圧縮機は
上述の如き構成を有するもので、次にその作動について
説明する。
上述の如き構成を有するもので、次にその作動について
説明する。
【００１０】まず、図示しないモータ等によって駆動軸
９を回転駆動すると、この回転は該駆動軸９のクランク
９Ａから旋回軸受１０を介して旋回スクロール５に伝え
られ、このとき、該旋回スクロール５は固定スクロール
１の軸線Ｏ1 −Ｏ1 を中心に、所定距離δの旋回半径を
もって旋回運動する。そして、この旋回運動によって各
ラップ部３，７の間に画成される圧縮室１１，１１，…
は連続的に縮小し、吸込ポート１２から吸込んだ空気を
各圧縮室１１内で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出
ポート１３から外部のエアタンク（図示せず）等に向け
て吐出する。
９を回転駆動すると、この回転は該駆動軸９のクランク
９Ａから旋回軸受１０を介して旋回スクロール５に伝え
られ、このとき、該旋回スクロール５は固定スクロール
１の軸線Ｏ1 −Ｏ1 を中心に、所定距離δの旋回半径を
もって旋回運動する。そして、この旋回運動によって各
ラップ部３，７の間に画成される圧縮室１１，１１，…
は連続的に縮小し、吸込ポート１２から吸込んだ空気を
各圧縮室１１内で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出
ポート１３から外部のエアタンク（図示せず）等に向け
て吐出する。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるものでは、固定スクロール１と旋回スクロ
ール５との間に画成される各圧縮室１１内は圧縮作用を
行うことにより圧縮熱が生じるから、この熱により各ス
クロール１，５が高温になってしまう。そして、各圧縮
室１１内の圧力は最外周側の圧縮室１１から中心側の圧
縮室１１に向けて順次圧力が高くなっていくから、各ラ
ップ部３，７には最外周側から中心側に向けて温度勾配
が生じている。
来技術によるものでは、固定スクロール１と旋回スクロ
ール５との間に画成される各圧縮室１１内は圧縮作用を
行うことにより圧縮熱が生じるから、この熱により各ス
クロール１，５が高温になってしまう。そして、各圧縮
室１１内の圧力は最外周側の圧縮室１１から中心側の圧
縮室１１に向けて順次圧力が高くなっていくから、各ラ
ップ部３，７には最外周側から中心側に向けて温度勾配
が生じている。
【００１２】即ち、中心側（最内周側）の圧縮室１１は
最外周側の圧縮室１１よりも高温になり、例えば吐出圧
力が定格運転時の吐出圧力０．８３ＭＰａに達したとき
には、各スクロール１，５の中心側の昇圧された気体の
温度は３００℃近くまで上昇することがある。そして、
この温度上昇により各ラップ部３，７は熱膨張し、特に
高温となる中央側に位置する各ラップ部３，７の内周端
側は大きく熱膨張してしまう。このため、各ラップ部
３，７の熱膨張時には各ラップ部３，７の歯先面と各鏡
板２，６の歯底２Ａ，６Ａとのスラスト方向ギャップが
組立時のギャップ寸法よりも小さくなり、各ラップ部
３，７の歯先面が各鏡板２，６の歯底２Ａ，６Ａと接触
する。さらに接触面圧が高まると互いにカジリが発生
し、各鏡板２，６や各ラップ部３，７が損傷する恐れが
あり、圧縮機としての圧縮効率、耐久性等が低下してし
まうという問題がある。
最外周側の圧縮室１１よりも高温になり、例えば吐出圧
力が定格運転時の吐出圧力０．８３ＭＰａに達したとき
には、各スクロール１，５の中心側の昇圧された気体の
温度は３００℃近くまで上昇することがある。そして、
この温度上昇により各ラップ部３，７は熱膨張し、特に
高温となる中央側に位置する各ラップ部３，７の内周端
側は大きく熱膨張してしまう。このため、各ラップ部
３，７の熱膨張時には各ラップ部３，７の歯先面と各鏡
板２，６の歯底２Ａ，６Ａとのスラスト方向ギャップが
組立時のギャップ寸法よりも小さくなり、各ラップ部
３，７の歯先面が各鏡板２，６の歯底２Ａ，６Ａと接触
する。さらに接触面圧が高まると互いにカジリが発生
し、各鏡板２，６や各ラップ部３，７が損傷する恐れが
あり、圧縮機としての圧縮効率、耐久性等が低下してし
まうという問題がある。
【００１３】そこで、このような問題を解決するため、
例えば特開昭５８−６７９０２号公報等に記載のスクロ
ール式流体機械（以下、他の従来技術という）では、旋
回スクロールまたは固定スクロールのラップ部を、鏡板
の歯底から歯先までの高さ寸法を調整し、組立状態にお
いて各ラップ部の歯先と相手方の歯底との間に最内周側
で最も大きくなるようなスラスト方向ギャップを形成す
るようにしている。
例えば特開昭５８−６７９０２号公報等に記載のスクロ
ール式流体機械（以下、他の従来技術という）では、旋
回スクロールまたは固定スクロールのラップ部を、鏡板
の歯底から歯先までの高さ寸法を調整し、組立状態にお
いて各ラップ部の歯先と相手方の歯底との間に最内周側
で最も大きくなるようなスラスト方向ギャップを形成す
るようにしている。
【００１４】しかし、他の従来技術では、ラップ部の歯
先のギャップの与え方の具体的な指針については十分な
配慮がなされておらず、例えばオイルフリー空気圧縮機
に適用しようとした場合、空気圧縮機の運転開始初期に
スラスト方向ギャップを介して圧縮空気の漏れ等が生じ
たり、定格運転に達するまでに余分な時間がかかる等の
問題が予想される。
先のギャップの与え方の具体的な指針については十分な
配慮がなされておらず、例えばオイルフリー空気圧縮機
に適用しようとした場合、空気圧縮機の運転開始初期に
スラスト方向ギャップを介して圧縮空気の漏れ等が生じ
たり、定格運転に達するまでに余分な時間がかかる等の
問題が予想される。
【００１５】そこで、本発明者等は、例えば各ラップ部
３，７の歯先面に温度センサ等を埋込み、圧縮運転をお
こなうときの各ラップ部３，７の歯先面における温度分
布を測定した。そして、この実験の結果、各ラップ部
３，７の歯先における温度は図９に示す如く、最外周側
となる１巻目と最内周側の４巻目については温度分布が
ほぼ一定になり、２巻目および３巻目は曲線状に変化す
るという知見を得た。
３，７の歯先面に温度センサ等を埋込み、圧縮運転をお
こなうときの各ラップ部３，７の歯先面における温度分
布を測定した。そして、この実験の結果、各ラップ部
３，７の歯先における温度は図９に示す如く、最外周側
となる１巻目と最内周側の４巻目については温度分布が
ほぼ一定になり、２巻目および３巻目は曲線状に変化す
るという知見を得た。
【００１６】しかし、各ラップ部の高さ寸法を、図９の
温度分布に基づき熱膨張を見込んで曲線状に加工するの
は困難であり、あえて加工するとすればコスト高になる
という問題がある。
温度分布に基づき熱膨張を見込んで曲線状に加工するの
は困難であり、あえて加工するとすればコスト高になる
という問題がある。
【００１７】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は圧縮運転中にラップ部の歯先と
相手方の鏡板との間に熱膨張によるカジリ等が発生する
のを効果的に防止できると共に、ラップ部先端側の隙間
を小さくし、圧縮流体がより低圧の圧縮室へ漏れる量を
確実に低減でき、さらに生産技術面でも有利でコスト高
を招来せずに圧縮効率や耐久性を大幅に向上できるスク
ロール式流体機械を提供することを目的としている。
されたもので、本発明は圧縮運転中にラップ部の歯先と
相手方の鏡板との間に熱膨張によるカジリ等が発生する
のを効果的に防止できると共に、ラップ部先端側の隙間
を小さくし、圧縮流体がより低圧の圧縮室へ漏れる量を
確実に低減でき、さらに生産技術面でも有利でコスト高
を招来せずに圧縮効率や耐久性を大幅に向上できるスク
ロール式流体機械を提供することを目的としている。
【００１８】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１に記載の発明では、鏡板に渦巻き状のラッ
プ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロール
に対向して旋回可能に設けられ、前記固定スクロールの
ラップ部との間に複数の圧縮室を形成する渦巻き状のラ
ップ部が立設された旋回スクロールとを備えたスクロー
ル式流体機械において、前記旋回スクロールまたは固定
スクロールのうち少なくとも一方のラップ部は、相手方
歯底との間のスラスト方向ギャップが複数段階で変化す
るように形成したことを特徴としてなる構成を採用して
いる。
に、請求項１に記載の発明では、鏡板に渦巻き状のラッ
プ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロール
に対向して旋回可能に設けられ、前記固定スクロールの
ラップ部との間に複数の圧縮室を形成する渦巻き状のラ
ップ部が立設された旋回スクロールとを備えたスクロー
ル式流体機械において、前記旋回スクロールまたは固定
スクロールのうち少なくとも一方のラップ部は、相手方
歯底との間のスラスト方向ギャップが複数段階で変化す
るように形成したことを特徴としてなる構成を採用して
いる。
【００１９】また、請求項２に記載の発明では、前記ラ
ップ部の歯先を、少なくとも最外周側の１巻き部分が最
大高さ寸法をもった外周側フラット面となり、最内周側
の１巻き部分が最小高さ寸法をもった内周側フラット面
となり、該内周側フラット面と外周側フラット面との間
を傾斜面として形成している。
ップ部の歯先を、少なくとも最外周側の１巻き部分が最
大高さ寸法をもった外周側フラット面となり、最内周側
の１巻き部分が最小高さ寸法をもった内周側フラット面
となり、該内周側フラット面と外周側フラット面との間
を傾斜面として形成している。
【００２０】さらに、請求項３に記載の発明では、前記
ラップ部の歯先は、少なくとも最外周側の１巻き部分が
最大高さ寸法をもった外周側フラット面となり、該外周
側フラット面から最内周部との間にはその高さ寸法が少
なくとも２段階で減少するように第１の傾斜面と第２の
傾斜面とを形成している。
ラップ部の歯先は、少なくとも最外周側の１巻き部分が
最大高さ寸法をもった外周側フラット面となり、該外周
側フラット面から最内周部との間にはその高さ寸法が少
なくとも２段階で減少するように第１の傾斜面と第２の
傾斜面とを形成している。
【００２１】
【作用】上記構成により、請求項１の発明では、ラップ
部と相手方歯底との間のスラスト方向ギャップを、スク
ロール式流体機械の圧縮運転時におけるラップ部歯先の
温度上昇に合わせて変えることができ、ラップ部の加工
を該ラップ部の温度分布に対応させて曲線状に形成する
必要もなく、ラップ部が熱膨張したときの歯先と相手方
歯底とのスラスト方向ギャップを最外周近傍から最内周
まで、圧縮流体の漏れが発生しない程度に小さく維持す
ることができる。このため、さらに圧縮室間の漏れも低
減できるので、圧縮気としての図示効率を向上させるこ
とができる。
部と相手方歯底との間のスラスト方向ギャップを、スク
ロール式流体機械の圧縮運転時におけるラップ部歯先の
温度上昇に合わせて変えることができ、ラップ部の加工
を該ラップ部の温度分布に対応させて曲線状に形成する
必要もなく、ラップ部が熱膨張したときの歯先と相手方
歯底とのスラスト方向ギャップを最外周近傍から最内周
まで、圧縮流体の漏れが発生しない程度に小さく維持す
ることができる。このため、さらに圧縮室間の漏れも低
減できるので、圧縮気としての図示効率を向上させるこ
とができる。
【００２２】また、請求項２に記載の発明では、最外周
側のラップ部を最大高さに形成し、その歯先をフラット
面としたから、最外周側に画成される圧縮室のシール性
をスクロール式流体機械の運転初期から高く保つことが
でき、歯先が傾斜面となる中間のラップ部が圧縮熱によ
って熱膨張するまで、最外周側の圧縮室で圧力漏れを防
止し続けることができるので、運転初期から所定吐出流
量を得ることができる。
側のラップ部を最大高さに形成し、その歯先をフラット
面としたから、最外周側に画成される圧縮室のシール性
をスクロール式流体機械の運転初期から高く保つことが
でき、歯先が傾斜面となる中間のラップ部が圧縮熱によ
って熱膨張するまで、最外周側の圧縮室で圧力漏れを防
止し続けることができるので、運転初期から所定吐出流
量を得ることができる。
【００２３】一方、最内周側のラップ部は最小高さに形
成し、その歯先をフラット面としたから、相手方の歯底
等との間で必要以上の摩擦力やカジリが発生するのを防
止でき、この部位の加工を容易にできる。
成し、その歯先をフラット面としたから、相手方の歯底
等との間で必要以上の摩擦力やカジリが発生するのを防
止でき、この部位の加工を容易にできる。
【００２４】さらに、請求項３に記載の発明では、外周
側フラット面から最内周部との間にその高さ寸法が少な
くとも２段階で減少するように、第１の傾斜面と第２の
傾斜面とを形成することにより、この第１の傾斜面と第
２の傾斜面が相手方の歯底との間になすスラスト方向ギ
ャップを、ラップ部の温度上昇による熱膨張分に対応さ
せ、比較的高温になる部分とそれ程高温とはならない部
分とに分けて異なる傾斜角で形成でき、ラップ部の加工
を容易にできると共に圧縮機の効率をさらに向上させる
ことができる。
側フラット面から最内周部との間にその高さ寸法が少な
くとも２段階で減少するように、第１の傾斜面と第２の
傾斜面とを形成することにより、この第１の傾斜面と第
２の傾斜面が相手方の歯底との間になすスラスト方向ギ
ャップを、ラップ部の温度上昇による熱膨張分に対応さ
せ、比較的高温になる部分とそれ程高温とはならない部
分とに分けて異なる傾斜角で形成でき、ラップ部の加工
を容易にできると共に圧縮機の効率をさらに向上させる
ことができる。
【００２５】
【実施例】以下、本発明の実施例を図１ないし図７に基
づいて説明する。なお、実施例では前述した従来の技術
と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略す
る。
づいて説明する。なお、実施例では前述した従来の技術
と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【００２６】まず、図１ないし図３に本発明の第１の実
施例を示す。
施例を示す。
【００２７】図中、２１は従来技術で述べた旋回スクロ
ール５に代えて固定スクロール１と組合わせて適用され
る本実施例の旋回スクロールを示し、該旋回スクロール
２１は従来技術で述べた旋回スクロール５とほぼ同様
に、鏡板２２、ボス部２３、ラップ部２４とから大略構
成されているものの、該旋回スクロール２１はラップ部
２４が後述の外周側フラット部２５、内周側フラット部
２６および傾斜部２７によって形成されている点で旋回
スクロール５とは異なる。なお、以下の説明では、雰囲
気温度が常温状態（２０℃程度）におけるスクロール部
材の形状について説明する。
ール５に代えて固定スクロール１と組合わせて適用され
る本実施例の旋回スクロールを示し、該旋回スクロール
２１は従来技術で述べた旋回スクロール５とほぼ同様
に、鏡板２２、ボス部２３、ラップ部２４とから大略構
成されているものの、該旋回スクロール２１はラップ部
２４が後述の外周側フラット部２５、内周側フラット部
２６および傾斜部２７によって形成されている点で旋回
スクロール５とは異なる。なお、以下の説明では、雰囲
気温度が常温状態（２０℃程度）におけるスクロール部
材の形状について説明する。
【００２８】２５は外周側フラット部を示し、該外周側
フラット部２５はラップ部２４のうち、最外周側の１巻
目となる部分に該当し、鏡板２２の歯底２２Ａから歯先
までの高さ寸法が最大となり、その歯先面は、平坦な外
周側フラット面２５Ａとなっている。そして、旋回スク
ロール２１を相手方の固定スクロール（図示せず）と組
合わせたときに、外周側フラット面２５Ａと固定スクロ
ールの歯底との間には最小のスラスト方向ギャップを残
して最外周側の圧縮室が形成される。
フラット部２５はラップ部２４のうち、最外周側の１巻
目となる部分に該当し、鏡板２２の歯底２２Ａから歯先
までの高さ寸法が最大となり、その歯先面は、平坦な外
周側フラット面２５Ａとなっている。そして、旋回スク
ロール２１を相手方の固定スクロール（図示せず）と組
合わせたときに、外周側フラット面２５Ａと固定スクロ
ールの歯底との間には最小のスラスト方向ギャップを残
して最外周側の圧縮室が形成される。
【００２９】２６は内周側フラット部を示し、該内周側
フラット部２６は、ラップ部２４のうち、最内周側の１
巻きまたは１巻き半前，後の部分に該当し、その高さ寸
法は最小となっている。そして、該内周側フラット部２
６の歯先面は図２，図３に示すように平坦な内周側フラ
ット面２６Ａとなり、相手方歯底との間のスラスト方向
ギャップが最大となるように形成されている。
フラット部２６は、ラップ部２４のうち、最内周側の１
巻きまたは１巻き半前，後の部分に該当し、その高さ寸
法は最小となっている。そして、該内周側フラット部２
６の歯先面は図２，図３に示すように平坦な内周側フラ
ット面２６Ａとなり、相手方歯底との間のスラスト方向
ギャップが最大となるように形成されている。
【００３０】２７は外周側フラット部２５と内周側フラ
ット部２６との間に位置する傾斜部を示し、該傾斜部２
７は外周側フラット部２５と内周側フラット部２６との
間に一定の傾斜角θをもって形成され、鏡板２２の歯底
２２Ａからラップ部２４の歯先までの高さ寸法が内周側
フラット面２６Ａに向けて直線的に減少している。ま
た、該傾斜部２７の歯先面は傾斜面２７Ａとなり、相手
方歯底とのスラスト方向ギャップは前記外周側フラット
面２５Ａと内周側フラット面２６Ａとの間で傾斜角θに
沿って漸次増大している。そして、該傾斜面２７Ａと前
記内周側フラット面２６Ａとの間には高さ寸法がステッ
プ状に変化する段部２８が形成されている。そして、旋
回スクロール２１を相手方の固定スクロールと組合わせ
たときには、該旋回スクロール２１のラップ部２４と相
手方歯底との間のスラスト方向ギャップが、外周側フラ
ット部２５、内周側フラット部２６および傾斜部２７の
部位で３段階以上に変化し、このうち外周側フラット面
２５Ａと固定スクロールの歯底との間では最小のスラス
ト方向ギャップを残して最外周側の圧縮室が形成され
る。
ット部２６との間に位置する傾斜部を示し、該傾斜部２
７は外周側フラット部２５と内周側フラット部２６との
間に一定の傾斜角θをもって形成され、鏡板２２の歯底
２２Ａからラップ部２４の歯先までの高さ寸法が内周側
フラット面２６Ａに向けて直線的に減少している。ま
た、該傾斜部２７の歯先面は傾斜面２７Ａとなり、相手
方歯底とのスラスト方向ギャップは前記外周側フラット
面２５Ａと内周側フラット面２６Ａとの間で傾斜角θに
沿って漸次増大している。そして、該傾斜面２７Ａと前
記内周側フラット面２６Ａとの間には高さ寸法がステッ
プ状に変化する段部２８が形成されている。そして、旋
回スクロール２１を相手方の固定スクロールと組合わせ
たときには、該旋回スクロール２１のラップ部２４と相
手方歯底との間のスラスト方向ギャップが、外周側フラ
ット部２５、内周側フラット部２６および傾斜部２７の
部位で３段階以上に変化し、このうち外周側フラット面
２５Ａと固定スクロールの歯底との間では最小のスラス
ト方向ギャップを残して最外周側の圧縮室が形成され
る。
【００３１】本実施例によるスクロール式空気圧縮機は
以上に述べた構成を有するもので、次にその動作につい
て詳述する。
以上に述べた構成を有するもので、次にその動作につい
て詳述する。
【００３２】まず、圧縮運転開始初期には、旋回スクロ
ール２１のラップ部２４と固定スクロールのラップ部は
ほぼ常温の状態にある。そして、外周側フラット部２５
はその歯先面となる外周側フラット面２５Ａが相手方歯
底との間に微小なスラスト方向ギャップを介して対面し
ているから、吸込ポート側への漏れがない状態で、最外
周側の圧縮室に空気を確実に封じ込めることができる。
ール２１のラップ部２４と固定スクロールのラップ部は
ほぼ常温の状態にある。そして、外周側フラット部２５
はその歯先面となる外周側フラット面２５Ａが相手方歯
底との間に微小なスラスト方向ギャップを介して対面し
ているから、吸込ポート側への漏れがない状態で、最外
周側の圧縮室に空気を確実に封じ込めることができる。
【００３３】次に、当該圧縮機が暖機され、定格状態と
なったときには、吸込口から吸込まれた空気は、最外周
側の圧縮室から順次中央側の圧縮室に送り込まれて圧縮
され、このときに発生する圧縮熱により、ラップ部２４
は１巻目から４巻目に亘って図９に示すような温度状態
となる。そして、この状態ではラップ部２４の傾斜部２
７は内周側に向けて漸次大きく熱膨張し、内周側フラッ
ト部２６は最大の熱膨張状態となる。これにより、傾斜
部２７および内周側フラット部２６は固定スクロールの
歯底とのスラスト方向ギャップが大きく減少し、傾斜部
２７が固定スクロールとの間で形成する各圧縮室に空気
を確実に封じ込めることができると共に、これらの各圧
縮室間で圧縮された気体の漏れが生じるのを効果的に防
止でき、圧縮気としての圧縮効率を向上させることがで
きる。
なったときには、吸込口から吸込まれた空気は、最外周
側の圧縮室から順次中央側の圧縮室に送り込まれて圧縮
され、このときに発生する圧縮熱により、ラップ部２４
は１巻目から４巻目に亘って図９に示すような温度状態
となる。そして、この状態ではラップ部２４の傾斜部２
７は内周側に向けて漸次大きく熱膨張し、内周側フラッ
ト部２６は最大の熱膨張状態となる。これにより、傾斜
部２７および内周側フラット部２６は固定スクロールの
歯底とのスラスト方向ギャップが大きく減少し、傾斜部
２７が固定スクロールとの間で形成する各圧縮室に空気
を確実に封じ込めることができると共に、これらの各圧
縮室間で圧縮された気体の漏れが生じるのを効果的に防
止でき、圧縮気としての圧縮効率を向上させることがで
きる。
【００３４】また、最内周側の圧縮室は吐出ポートに連
通するため、旋回スクロール２１がいくら旋回運動をし
ても該圧縮室の圧力はあまり上昇せず、内周側フラット
面２６Ａから径方向外側の圧縮室への圧縮された気体の
漏れは生じない。このため、スラスト方向ギャップを大
きくとることができ、設計の自由度を高めることができ
る。
通するため、旋回スクロール２１がいくら旋回運動をし
ても該圧縮室の圧力はあまり上昇せず、内周側フラット
面２６Ａから径方向外側の圧縮室への圧縮された気体の
漏れは生じない。このため、スラスト方向ギャップを大
きくとることができ、設計の自由度を高めることができ
る。
【００３５】従って、内周側フラット面２６Ａを設ける
ことにより、ラップ部２４が固定スクロールの歯底との
間の摩擦力が増大したり、互いが摺動することに基づく
カジリが生じるのを防止できると共に、ラップ部の加工
を容易にすることができる。
ことにより、ラップ部２４が固定スクロールの歯底との
間の摩擦力が増大したり、互いが摺動することに基づく
カジリが生じるのを防止できると共に、ラップ部の加工
を容易にすることができる。
【００３６】かくして、本実施例によれば、圧縮運転に
より各圧縮室内に圧縮熱が発生し、旋回スクロール２１
や固定スクロールが所定の温度状態となると、ラップ部
２４の傾斜部２７および内周側フラット部２６が固定ス
クロールの歯底との間のスラスト方向ギャップを適正値
に保つことができる。この結果、圧縮効率を向上させる
ことができると共に、当該圧縮機の定格運転時にラップ
部２４等が相手方の歯底に熱膨張によって接触したり、
摩耗やカジリ等の問題が生じたりするのを確実に防止で
き、さらに、ラップ部２４の加工を簡略化でき、製造コ
ストを下げることができる。
より各圧縮室内に圧縮熱が発生し、旋回スクロール２１
や固定スクロールが所定の温度状態となると、ラップ部
２４の傾斜部２７および内周側フラット部２６が固定ス
クロールの歯底との間のスラスト方向ギャップを適正値
に保つことができる。この結果、圧縮効率を向上させる
ことができると共に、当該圧縮機の定格運転時にラップ
部２４等が相手方の歯底に熱膨張によって接触したり、
摩耗やカジリ等の問題が生じたりするのを確実に防止で
き、さらに、ラップ部２４の加工を簡略化でき、製造コ
ストを下げることができる。
【００３７】次に、図４および図５は第２の実施例を示
し、本実施例の特徴は、固定スクロールは従来技術と同
一の形状とし、旋回スクロールはラップ部の歯先を、最
外周側の１巻き部分が最大高さ寸法をもった外周側フラ
ット面となり、該外周側フラット面から最内周部との間
に、その高さ寸法が２段階で減少するように第１の傾斜
面と第２の傾斜面とを形成したことにある。なお、本実
施例では前記第１の実施例で述べたのと同一の構成要素
に同一符号を付し、その説明を省略する。
し、本実施例の特徴は、固定スクロールは従来技術と同
一の形状とし、旋回スクロールはラップ部の歯先を、最
外周側の１巻き部分が最大高さ寸法をもった外周側フラ
ット面となり、該外周側フラット面から最内周部との間
に、その高さ寸法が２段階で減少するように第１の傾斜
面と第２の傾斜面とを形成したことにある。なお、本実
施例では前記第１の実施例で述べたのと同一の構成要素
に同一符号を付し、その説明を省略する。
【００３８】図中、３１は本実施例のスクロール式空気
圧縮機に用いる旋回スクロールを示し、該旋回スクロー
ル３１は前記第１の実施例で述べた旋回スクロール２１
とほぼ同様に、鏡板３２、ボス部３３、ラップ部３４と
から大略構成されているものの、該旋回スクロール３１
はラップ部３４が後述の外周側フラット部３５、第１の
傾斜部３６、第２の傾斜部３７によって形成されてい
る。なお、本実施例でも、旋回スクロール３１は組立状
態（常温状態）の形状を図示している。
圧縮機に用いる旋回スクロールを示し、該旋回スクロー
ル３１は前記第１の実施例で述べた旋回スクロール２１
とほぼ同様に、鏡板３２、ボス部３３、ラップ部３４と
から大略構成されているものの、該旋回スクロール３１
はラップ部３４が後述の外周側フラット部３５、第１の
傾斜部３６、第２の傾斜部３７によって形成されてい
る。なお、本実施例でも、旋回スクロール３１は組立状
態（常温状態）の形状を図示している。
【００３９】３５は外周側フラット部を示し、該外周側
フラット部３５は前記第１の実施例で述べた外周側フラ
ット部２５とほぼ同様に、ラップ部３４のうち、実質的
に１巻目となる部分に該当し、鏡板３２の歯底３２Ａか
ら歯先までの高さ寸法が最大となり、その歯先面は、平
坦な外周側フラット面３５Ａとなっている。そして、旋
回スクロール３１を図５に示す如く相手方の固定スクロ
ール１と組合わせたときに、外周側フラット面３５Ａと
固定スクロール１の歯底２Ａとの間には最小のスラスト
方向ギャップを残して最外周側の圧縮室１１が形成され
る。
フラット部３５は前記第１の実施例で述べた外周側フラ
ット部２５とほぼ同様に、ラップ部３４のうち、実質的
に１巻目となる部分に該当し、鏡板３２の歯底３２Ａか
ら歯先までの高さ寸法が最大となり、その歯先面は、平
坦な外周側フラット面３５Ａとなっている。そして、旋
回スクロール３１を図５に示す如く相手方の固定スクロ
ール１と組合わせたときに、外周側フラット面３５Ａと
固定スクロール１の歯底２Ａとの間には最小のスラスト
方向ギャップを残して最外周側の圧縮室１１が形成され
る。
【００４０】３６は第１の傾斜部を示し、該第１の傾斜
部３６はラップ部３４のうち、前記外周側フラット部３
５の内周端に連続し、その歯先面は、平坦な第１の傾斜
面３６Ａとなっている。そして、該第１の傾斜部３６
は、第１の傾斜面３６Ａが外周側フラット面３５Ａとの
間に一定の傾斜角θ1 をなすように１巻きまたは１巻き
半前，後に亘り巻き形成され、鏡板３２の歯底３２Ａか
ら第２の傾斜面３７Ａまでの高さ寸法が直線的に減少し
ている。
部３６はラップ部３４のうち、前記外周側フラット部３
５の内周端に連続し、その歯先面は、平坦な第１の傾斜
面３６Ａとなっている。そして、該第１の傾斜部３６
は、第１の傾斜面３６Ａが外周側フラット面３５Ａとの
間に一定の傾斜角θ1 をなすように１巻きまたは１巻き
半前，後に亘り巻き形成され、鏡板３２の歯底３２Ａか
ら第２の傾斜面３７Ａまでの高さ寸法が直線的に減少し
ている。
【００４１】３７は第２の傾斜部を示し、該第２の傾斜
部３７はラップ部３４のうち、前記第１の傾斜部３６の
内周端に連続し、その歯先面は、平坦な第２の傾斜面３
７Ａとなっている。そして、該第２の傾斜部３７は、第
２の傾斜面３７Ａが外周側フラット面３５Ａとの間に一
定の傾斜角θ2 （θ2 ＞θ1 ）をなすように１巻きまた
は１巻き半前，後に亘り巻き形成され、鏡板３２の歯底
３２Ａから第２の傾斜面３７Ａまでの高さ寸法が直線的
に減少している。
部３７はラップ部３４のうち、前記第１の傾斜部３６の
内周端に連続し、その歯先面は、平坦な第２の傾斜面３
７Ａとなっている。そして、該第２の傾斜部３７は、第
２の傾斜面３７Ａが外周側フラット面３５Ａとの間に一
定の傾斜角θ2 （θ2 ＞θ1 ）をなすように１巻きまた
は１巻き半前，後に亘り巻き形成され、鏡板３２の歯底
３２Ａから第２の傾斜面３７Ａまでの高さ寸法が直線的
に減少している。
【００４２】以上の如く構成される本実施例によって
も、前記第１の実施例で述べたのとほぼ同様の作用、効
果を奏するものの、特に本実施例では、前述の如く、旋
回スクロール３１が旋回動作をすることによって気体の
圧力が上昇しない最内周側の圧縮室１１を、第２の傾斜
部３７によって形成することにより、ラップ部３４の加
工を一層容易にすることができる。
も、前記第１の実施例で述べたのとほぼ同様の作用、効
果を奏するものの、特に本実施例では、前述の如く、旋
回スクロール３１が旋回動作をすることによって気体の
圧力が上昇しない最内周側の圧縮室１１を、第２の傾斜
部３７によって形成することにより、ラップ部３４の加
工を一層容易にすることができる。
【００４３】なお、前記各実施例では、旋回スクロール
２１（３１）のラップ部２４（３４）に外周側フラット
部２５（３５）、内周側フラット部２６および傾斜部２
７（３６，３７）を形成するものとして説明したが、本
発明はこれに限るものではなく、例えば図６に示す変形
例の如く、固定スクロール４１を鏡板４２、ラップ部４
３等から構成し、該ラップ部４３に外周側フラット部４
４、内周側フラット部４５を形成すると共に、該外周側
フラット部４４と内周側フラット部４５との間に一定の
傾斜角をもって鏡板４２の歯底４２Ａから歯先までの高
さ寸法が減少する傾斜部４６を形成し、該固定スクロー
ル４１と従来技術で述べた旋回スクロール５とを組合わ
せてもよい。
２１（３１）のラップ部２４（３４）に外周側フラット
部２５（３５）、内周側フラット部２６および傾斜部２
７（３６，３７）を形成するものとして説明したが、本
発明はこれに限るものではなく、例えば図６に示す変形
例の如く、固定スクロール４１を鏡板４２、ラップ部４
３等から構成し、該ラップ部４３に外周側フラット部４
４、内周側フラット部４５を形成すると共に、該外周側
フラット部４４と内周側フラット部４５との間に一定の
傾斜角をもって鏡板４２の歯底４２Ａから歯先までの高
さ寸法が減少する傾斜部４６を形成し、該固定スクロー
ル４１と従来技術で述べた旋回スクロール５とを組合わ
せてもよい。
【００４４】また、図７に示す他の変形例の如く、前記
固定スクロール４１と第２の実施例で用いた旋回スクロ
ール３１とを組合わせてもよく、さらに固定スクロール
４１と第１の実施例で用いた旋回スクロール２１とを組
合わせてもよい。
固定スクロール４１と第２の実施例で用いた旋回スクロ
ール３１とを組合わせてもよく、さらに固定スクロール
４１と第１の実施例で用いた旋回スクロール２１とを組
合わせてもよい。
【００４５】さらに、スクロール式流体機械としてスク
ロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、例えば真
空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用することができ
る。
ロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、例えば真
空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用することができ
る。
【００４６】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項１の発明によ
れば、旋回スクロールまたは固定スクロールのうち少な
くとも一方のラップ部は、相手方歯底との間のスラスト
方向ギャップが複数段階で変化するように形成したか
ら、ラップ部と相手方歯底との間のスラスト方向ギャッ
プを、スクロール式流体機械の圧縮運転時におけるラッ
プ部歯先の温度上昇に合わせて変えることができ、ラッ
プ部の加工を該ラップ部の温度分布に対応させて曲線状
に形成する必要もなく、ラップ部が熱膨張したときの歯
先と相手方歯底とのスラスト方向ギャップを適正に保つ
ことができ、ラップ部の加工に困難を要さずにして、該
ラップ部が熱膨張したときの歯底とラップ部間のスラス
ト方向ギャップを小さくすることができ、圧縮流体の漏
れを防げると同時に、スクロール部材のカジリの発生を
防止できる。
れば、旋回スクロールまたは固定スクロールのうち少な
くとも一方のラップ部は、相手方歯底との間のスラスト
方向ギャップが複数段階で変化するように形成したか
ら、ラップ部と相手方歯底との間のスラスト方向ギャッ
プを、スクロール式流体機械の圧縮運転時におけるラッ
プ部歯先の温度上昇に合わせて変えることができ、ラッ
プ部の加工を該ラップ部の温度分布に対応させて曲線状
に形成する必要もなく、ラップ部が熱膨張したときの歯
先と相手方歯底とのスラスト方向ギャップを適正に保つ
ことができ、ラップ部の加工に困難を要さずにして、該
ラップ部が熱膨張したときの歯底とラップ部間のスラス
ト方向ギャップを小さくすることができ、圧縮流体の漏
れを防げると同時に、スクロール部材のカジリの発生を
防止できる。
【００４７】また、請求項２の発明によれば、前記ラッ
プ部の歯先を、少なくとも最外周側の１巻き部分が最大
高さ寸法をもった外周側フラット面となり、最内周側の
１巻き部分が最小高さ寸法をもった内周側フラット面と
なり、該内周側フラット面と外周側フラット面との間を
傾斜面として形成したから、最外周側に画成される圧縮
室のシール性をスクロール式流体機械の運転初期から高
く保つことができ、歯先が傾斜面となる中間のラップ部
が圧縮熱によって熱膨張するまで、最外周側の圧縮室で
圧縮された気体の漏れを防止し続けることができる。
プ部の歯先を、少なくとも最外周側の１巻き部分が最大
高さ寸法をもった外周側フラット面となり、最内周側の
１巻き部分が最小高さ寸法をもった内周側フラット面と
なり、該内周側フラット面と外周側フラット面との間を
傾斜面として形成したから、最外周側に画成される圧縮
室のシール性をスクロール式流体機械の運転初期から高
く保つことができ、歯先が傾斜面となる中間のラップ部
が圧縮熱によって熱膨張するまで、最外周側の圧縮室で
圧縮された気体の漏れを防止し続けることができる。
【００４８】一方、最内周側のラップ部は最小高さに形
成し、その歯先をフラット面としたから、相手方の歯底
等との間の摩擦力が増大したり、互いが摺動し合うこと
に基づくカジリの発生を防止でき、この部位の加工を容
易にできる。
成し、その歯先をフラット面としたから、相手方の歯底
等との間の摩擦力が増大したり、互いが摺動し合うこと
に基づくカジリの発生を防止でき、この部位の加工を容
易にできる。
【００４９】さらに、請求項３の発明によれば、前記ラ
ップ部の歯先は、少なくとも最外周側の１巻き部分が最
大高さ寸法をもった外周側フラット面となり、該外周側
フラット面から最内周部との間にはその高さ寸法が少な
くとも２段階で減少するように第１の傾斜面と第２の傾
斜面とを形成したから、この第１の傾斜面と第２の傾斜
面が相手方の歯底との間になすスラスト方向ギャップ
を、ラップ部の温度上昇による熱膨張分に対応させ、比
較的高温になる部分とそれ程高温とはならない部分とに
分けて異なる傾斜角で形成でき、ラップ部の加工を容易
にできる。
ップ部の歯先は、少なくとも最外周側の１巻き部分が最
大高さ寸法をもった外周側フラット面となり、該外周側
フラット面から最内周部との間にはその高さ寸法が少な
くとも２段階で減少するように第１の傾斜面と第２の傾
斜面とを形成したから、この第１の傾斜面と第２の傾斜
面が相手方の歯底との間になすスラスト方向ギャップ
を、ラップ部の温度上昇による熱膨張分に対応させ、比
較的高温になる部分とそれ程高温とはならない部分とに
分けて異なる傾斜角で形成でき、ラップ部の加工を容易
にできる。
【００５０】かくして、本発明によれば、スクロール式
流体機械のラップ部の歯先と相手方の鏡板との間に熱膨
張によるカジリ等が発生するのを効果的に防止でき、圧
縮された気体の漏れ等の発生を確実に低減でき、圧縮効
率や耐久性を大幅に向上でき、コストダウンを図ること
ができる。
流体機械のラップ部の歯先と相手方の鏡板との間に熱膨
張によるカジリ等が発生するのを効果的に防止でき、圧
縮された気体の漏れ等の発生を確実に低減でき、圧縮効
率や耐久性を大幅に向上でき、コストダウンを図ること
ができる。
【図１】本発明の第１の実施例で用いられる旋回スクロ
ールの正面図である。
ールの正面図である。
【図２】図１中の矢示 II − II 方向の断面図である。
【図３】図２に示す旋回スクロールの要部拡大図であ
る。
る。
【図４】本発明の第２の実施例で用いられる旋回スクロ
ールの要部拡大断面図である。
ールの要部拡大断面図である。
【図５】図４による旋回スクロールを固定スクロールに
組合わせた状態を示す要部拡大図である。
組合わせた状態を示す要部拡大図である。
【図６】本発明の実施例の変形例を示す図５と同様の要
部拡大断面図である。
部拡大断面図である。
【図７】他の変形例を示す図５と同様の要部拡大断面図
である。
である。
【図８】従来技術によるスクロール式空気圧縮機の要部
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図９】従来技術によるスクロール式空気圧縮機のラッ
プ部の温度分布を示す特性線図である。
プ部の温度分布を示す特性線図である。
１，４１ 固定スクロール ２１，３１ 旋回スクロール ２２Ａ，３２Ａ，４２Ａ 歯底 ２４，３４，４３ ラップ部 ２５，３５，４４ 外周側フラット部 ２５Ａ，３５Ａ 外周側フラット面 ２６，４５ 内周側フラット部 ２６Ａ 内周側フラット面 ２７，４６ 傾斜部 ２７Ａ 傾斜面 ３６ 第１の傾斜部 ３６Ａ 第１の傾斜面 ３７ 第２の傾斜部 ３７Ａ 第２の傾斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 隆 神奈川県川崎市川崎区富士見１丁目６番３ 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 坂本 晋 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内
Claims (3)
- 【請求項１】 鏡板に渦巻き状のラップ部が立設された
固定スクロールと、該固定スクロールに対向して旋回可
能に設けられ、前記固定スクロールのラップ部との間に
複数の圧縮室を形成する渦巻き状のラップ部が立設され
た旋回スクロールとを備えたスクロール式流体機械にお
いて、前記旋回スクロールまたは固定スクロールのうち
少なくとも一方のラップ部は、相手方歯底との間のスラ
スト方向ギャップが複数段階で変化するように形成した
ことを特徴とするスクロール式流体機械。 - 【請求項２】 前記ラップ部の歯先は、少なくとも最外
周側の１巻き部分が最大高さ寸法をもった外周側フラッ
ト面となり、最内周側の１巻き部分が最小高さ寸法をも
った内周側フラット面となり、該内周側フラット面と外
周側フラット面との間を傾斜面として形成してなる請求
項１に記載のスクロール式流体機械。 - 【請求項３】 前記ラップ部の歯先は、少なくとも最外
周側の１巻き部分が最大高さ寸法をもった外周側フラッ
ト面となり、該外周側フラット面から最内周部との間に
はその高さ寸法が少なくとも２段階で減少するように第
１の傾斜面と第２の傾斜面とを形成してなる請求項１に
記載のスクロール式流体機械。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5354645A JP3046486B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | スクロール式流体機械 |
| US08/364,111 US5496161A (en) | 1993-12-28 | 1994-12-27 | Scroll fluid apparatus having an inclined wrap surface |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5354645A JP3046486B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | スクロール式流体機械 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07197891A true JPH07197891A (ja) | 1995-08-01 |
| JP3046486B2 JP3046486B2 (ja) | 2000-05-29 |
Family
ID=18438951
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5354645A Expired - Lifetime JP3046486B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | スクロール式流体機械 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5496161A (ja) |
| JP (1) | JP3046486B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008081906A1 (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-10 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | スクロール圧縮機 |
| JP2010196688A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Denso Corp | スクロール型コンプレッサ |
| JP2019035399A (ja) * | 2018-04-09 | 2019-03-07 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | スクロール流体機械 |
| CN111742142A (zh) * | 2018-02-21 | 2020-10-02 | 三菱重工制冷空调系统株式会社 | 涡旋流体机械 |
| JP2021076070A (ja) * | 2019-11-11 | 2021-05-20 | パナソニックＩｐマネジメント株式会社 | スクロール圧縮機 |
Families Citing this family (32)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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