JPH07197845A - 多気筒内燃機関の失火診断装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の失火診断装置

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JPH07197845A
JPH07197845A JP5351677A JP35167793A JPH07197845A JP H07197845 A JPH07197845 A JP H07197845A JP 5351677 A JP5351677 A JP 5351677A JP 35167793 A JP35167793 A JP 35167793A JP H07197845 A JPH07197845 A JP H07197845A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気筒間の機械的バラツキ等の影響を受けるこ
となく、クランク角センサからの基準信号の周期に基づ
いて正確な失火診断を可能にする。 【構成】 燃料カット中に、学習代表気筒#1の燃焼状
態に対応する基準信号の周期のクランク角 720°におけ
る変化量ΔTINTを算出し、この変化量ΔTINTを
気筒数n=4で除算して、傾き分X=ΔTINT/4を
算出する。そして、各気筒毎に、前記クランク角 720°
の間において実際に計測された周期TINTi と、学習
代表気筒#1の最初の周期TINT0 に前記傾き分Xと
学習代表気筒#1から数えた気筒数iとの積を加算して
得た理論周期との比を算出し、この比によって気筒別補
正係数KTINTi =KTINTi =(TINT0 +i
・X)/TINTi を設定する。そして、失火判定に先
立って、実際に計測された周期TINTi を気筒別補正
係数KTINTi により補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒内燃機関の失火
診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の多気筒内燃機関の失火診断装置と
して、クランク角センサからクランク角 720°/n(n
は気筒数)毎に発生し各気筒の燃焼状態に対応する基準
信号の周期を連続して計測し、連続して計測された基準
信号の周期に基づきこれらの変動状態に応じて失火の有
無を判定するようにしたものがある(実開平5−171
72号の明細書参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに基準信号の周期の変動状態に応じて失火診断を行う
場合、各気筒の燃焼状態に対応する基準信号の周期は、
機関運転状態が一定であっても、失火の有無のみなら
ず、クランク角センサを構成するリングギア等の機械的
なバラツキの影響、電磁ピックアップ等の入力回路のバ
ラツキの影響、更には気筒間の燃焼バラツキの影響を受
けるから、これらの影響を取り除かない限り、正確な失
火診断を行うことができないという問題点があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、気筒間の機械的バラツキ等を学習して、失火診断の
精度を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、図
1に示すように構成する。すなわち、クランク角 720°
/n(nは気筒数)毎に気筒判別信号を含む基準信号を
発生する基準信号発生手段Aと、各気筒の燃焼状態に対
応する基準信号の周期を計測する周期計測手段Bと、計
測された基準信号の周期に基づいて各気筒の失火の有無
を判定する失火判定手段Cとを備える。
【0006】そして、前記周期計測手段Bと前記失火判
定手段Cとの間に、前記周期計測手段Bにより得られた
各気筒の燃焼状態に対応する基準信号の周期を各気筒毎
の補正係数により補正し、補正された周期に基づいて前
記失火判定手段Cによる判定を行わせる周期補正手段D
を設ける。そして、機関への燃料カット中であることを
検出する燃料カット検出手段Eと、燃料カット中である
ときに、多気筒のうち予め設定した学習代表気筒の燃焼
状態に対応する基準信号の周期のクランク角 720°にお
ける変化量を算出し、この変化量を気筒数で除算して、
傾き分を算出する傾き分算出手段Fと、各気筒毎に、前
記クランク角 720°の間において実際に計測された周期
と、前記クランク角720°の最初における学習代表気筒
の周期に前記傾き分と学習代表気筒から数えた気筒数と
の積を加算して得た理論周期との比を算出し、この比に
基づいて各気筒毎の補正係数を設定する補正係数設定手
段Gとを設ける。
【0007】
【作用】上記の構成においては、失火判定に先立って、
各気筒の燃焼状態に対応するものとして計測された基準
信号の周期TINTi を各気筒毎の補正係数KTINT
i により補正することにより、気筒間の機械的バラツキ
等を回避するものとする。
【0008】このため、燃料カット時に気筒間の機械的
バラツキ等を学習して、各気筒毎の補正係数KTINT
i を設定する。この学習について図5を用いて説明す
る。尚、図5は4気筒内燃機関の例で、点火順序は#1
→#3→#4→#2である。燃料カット中であるとき
に、多気筒のうち予め設定した学習代表気筒#1の燃焼
状態に対応する基準信号の周期のクランク角 720°にお
ける変化量ΔTINT=TINT4 −TINT0 を算出
し、この変化量ΔTINTを気筒数n=4で除算して、
傾き分X=ΔTINT/4を算出する。
【0009】そして、各気筒(#3,#4,#2)毎
に、前記クランク角 720°の間において実際に計測され
た周期TINTi と、前記クランク角 720°の最初にお
ける学習代表気筒#1の周期TINT0 に前記傾き分X
と学習代表気筒から数えた気筒数iとの積を加算して得
た理論周期との比を算出し、この比に基づいて各気筒毎
の補正係数KTINTi を設定する。
【0010】具体的には、次式の如くとなる。 〔#3気筒の場合〕 KTINT1 =(TINT0 +1・X)/TINT1 〔#4気筒の場合〕 KTINT2 =(TINT0 +2・X)/TINT2 〔#2気筒の場合〕 KTINT3 =(TINT0 +3・X)/TINT3
【0011】
【実施例】以下に本発明の一実施例を説明する。尚、4
気筒内燃機関で、点火順序は、#1→#3→#4→#2
とする。図2はシステム構成を示している。コントロー
ルユニット10は、マイクロコンピュータを内蔵し、各種
センサからの信号に基づいて演算処理を行い、機関1の
各気筒(#1〜#4)毎に設けられている燃料噴射弁2
及び点火コイル3の作動を制御する。
【0012】前記各種のセンサとしては、クランク角セ
ンサ11、エアフローメータ12、アイドルスイッチ13など
が設けられている。クランク角センサ11は、クランク角
180°毎の基準信号と単位クランク角(1〜2°)毎の
単位信号とを出力し、これらによりクランク角を検出し
得ると共に、機関回転数Nを検出可能である。また、基
準信号には気筒判別信号が含まれており、例えば#1気
筒に対応する基準信号のパルス幅を長くするなどして、
気筒判別を可能としてある。このクランク角センサによ
り基準信号発生手段が構成される。
【0013】エアフローメータ12は、例えば熱線式で、
吸入空気流量Qを検出可能である。アイドルスイッチ13
は、スロットル弁の全閉位置を検出してONとなる。こ
こにおいて、コントロールユニット10は、吸入空気流量
Qと機関回転数Nとに基づいて基本燃料噴射量Tp=K
・Q/N(Kは定数)を演算し、これに各種補正を施し
て最終的な燃料噴射量Ti=Tp・COEF(COFF
は各種補正係数)を定め、このTiに相当するパルス幅
の駆動パルス信号を機関回転に同期した所定のタイミン
グで各気筒の燃料噴射弁2に出力して、燃料噴射を行わ
せる。但し、減速時は、アイドルスイッチ13がONで、
かつ機関回転数Nが所定の燃料カット回転数以上である
ことをトリガとして、燃料噴射弁2への駆動パルス信号
の出力を停止し、燃料カットを行う。この燃料カット
は、機関回転数Nが所定のリカバー回転数より低くなる
か、アイドルスイッチ13がOFFとなることにより解除
される。
【0014】また、コントロールユニット10は、機関回
転数Nと基本燃料噴射量Tpとに基づいて点火時期を定
め、そのタイミングで点火コイル3の作動を制御して、
点火を行わせる。また、コントロールユニット10は、図
3〜図4に示す失火診断ルーチンに従って、各気筒の失
火の有無を判定し、所定の場合に警報ランプ等により警
報を発する。
【0015】図3〜図4の失火診断ルーチンについて、
図5をあわせて参照しつつ、説明する。本ルーチンはク
ランク角センサからの基準信号の発生に同期して実行さ
れる。ステップ1(図にはS1と記してある。以下同
様)では、タイマの計時値を読込み、これをTINTと
する。このタイマは前回のルーチンで0スタートしたも
のであり、これにより基準信号の周期TINTが計測さ
れる。従って、この部分が周期計測手段に相当する。
【0016】ステップ2では、タイマをリセットして、
0スタートさせる。ステップ3では、気筒判別を行う。
ステップ4では、燃料カット中か否かを判定する。この
部分が燃料カット検出手段に相当する。そして、燃料カ
ット中であるときはステップ5へ進み、燃料カット中で
ないときはステップ11へ進む。
【0017】〔燃料カット中であるとき〕ステップ5で
は、気筒判別結果に従って、各気筒の燃焼状態に対応す
るものとして計測された基準信号の周期TINTi を一
時的に記憶する。すなわち、学習代表気筒を#1とする
と、#3気筒と気筒判別されたときの周期をTINT1
として記憶し、#4気筒と気筒判別されたときの周期を
TINT2 として記憶し、#2気筒と気筒判別されたと
きの周期をTINT3 として記憶し、#1気筒と気筒判
別されたときの周期をTINT4 として記憶する。ま
た、TINT4 を新たに記憶するときに前回までのTI
NT4 の値をTINT0 として記憶する。
【0018】ステップ6では、新たなTINT4 の値が
得られたか否か判定し、得られた場合にステップ7へ進
む。ステップ7では、燃料カット時の周期計測結果に基
づき、学習代表気筒#1の燃焼状態に対応する基準信号
の周期のクランク角 720°における変化量ΔTINT=
TINT4 −TINT0 を算出し、これを気筒数n=4
で除算して、傾き分Xを算出する(次式参照)。従っ
て、この部分が傾き分算出手段に相当する。
【0019】X=(TINT4 −TINT0 )/4 ステップ8では、各気筒毎に、前記クランク角 720°の
間において実際に計測された周期TINTi (i=1〜
3)と、学習代表気筒#1の周期TINT0 に前記傾き
分Xと学習代表気筒#1から数えた気筒数i(i=1〜
3)との積を加算して得た理論周期との比を算出し、こ
の比によって気筒別補正係数KTINTi (i=1〜
3)を設定する(次式参照)。従って、この部分が補正
係数設定手段に相当する。
【0020】 KTINTi =(TINT0 +i・X)/TINTi 具体的には、次の如くとなる。 #3気筒の場合: KTINT1 =(TINT0 +1・X)/TINT1 #4気筒の場合: KTINT2 =(TINT0 +2・X)/TINT2 #2気筒の場合: KTINT3 =(TINT0 +3・X)/TINT3 尚、#1気筒については、学習代表気筒であるので、K
TINT0 =KTINT4 =1であり、計算不要であ
る。
【0021】ステップ9では、機関回転数Nを読込む。
ステップ10では、各気筒毎の気筒別補正係数マップか
ら、現時点での機関回転数Nのエリアに応じた気筒別補
正係数KTINTi を読出し、次式に従って、気筒別補
正係数KTINTi を更新する。 KTINTi-new =(1/a)・KTINTi +(1−
1/a)・KTINTi-old この式において、右辺のKTINTi はステップ8で計
算した値、右辺のKTINTi-old はマップから読出し
た値、左辺のKTINTi-new はこれからマップに書込
む更新値である。
【0022】そして、更新結果を各気筒毎の気筒別補正
係数マップに書込む。 〔燃料カット中でないとき〕ステップ11では、4気筒の
場合、基準信号の周期の最新値を5個(T1〜T5)記
憶して、これらに基づいて失火判定を行うので、下記の
ように前回用いた周期を置き換える。
【0023】 T5←T4,T4←T3,T3←T2,T2←T1 ステップ12では、学習済みである(少なくとも1回の学
習が終了した)か否かを判定する。ここで、学習が全く
行われていない場合はステップ13へ進んで、最新に計測
された周期TINTi をそのままT1として、ステップ
20へ進む。1回でも学習が行われている場合は、ステッ
プ14へ進む。
【0024】ステップ14では、機関回転数Nを読込み、
エリアを判定する。ステップ15では、学習済みエリアか
否かを判定し、学習済みエリアの場合はステップ16へ進
む。ステップ16では、気筒判別されている気筒の気筒別
補正係数マップから、現時点での機関回転数Nのエリア
に応じた気筒別補正係数KTINTi を読出す。
【0025】また、未学習エリアの場合は、ステップ17
へ進んで近接する学習済みエリアのデータを読出し、こ
れに機関回転数Nに対し反比例する係数K1を掛けて、
計算により気筒別補正係数KTINTi を設定する。ス
テップ18では、最新に計測された基準信号の周期TIN
i を気筒別補正係数KTINTi により補正して、補
正された周期HTINTi を得る(次式参照)。従っ
て、この部分が周期補正手段に相当する。
【0026】 HTINTi =TINTi ×KTINTi ステップ19では、補正された周期HTINTi をT1と
して、ステップ20へ進む。ステップ20では、基準信号の
周期の最新の5個の値(T1〜T5)から、次式に従っ
て、失火判定値MISAを計算する。尚、T1は現在気
筒判別されている失火判定対象気筒の現在の周期を示
し、T5はその気筒の1サイクル前の周期を示す。
【0027】MISA=〔3×(T4−T5)+(T4
−T1)〕/T53 ステップ21では、失火判定値MISAを基準値SLと比
較し、MISA≧SLの場合にステップ22へ進んで失火
と判定する。従って、ステップ20〜22の部分が失火判定
手段に相当する。尚、失火判定用の基準値SLは機関回
転数Nと基本燃料噴射量Tpとをパラメータとするマッ
プにより、これらに応じて設定するのが望ましい。
【0028】また、失火判定値としては、前記のMIS
Aの代わりに下記のMISBを用いることができる。 MISB=〔2×(T3−T5)+2×(T3−T
1)〕/T53 また、このMISBについて、最新値を3個(MISB
1〜MISB3)を記憶しておき、失火判定値として、
下記のMISCを用いてもよい。
【0029】MISC=MISB2−MISB3 これらの失火判定値についても、MISB≧所定値、M
ISC≧所定値の場合に失火と判定する。また、失火と
判定した場合は、失火気筒を判別することはもちろん、
その連続回数等に応じて警報等を発するようにする。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、気
筒間の機械的バラツキ、センサ入力回路のバラツキ、気
筒間の燃焼バラツキ等の影響を受けることなく、正確な
失火診断が可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施例を示すシステム図
【図3】 失火診断ルーチンのフローチャート(その
1)
【図4】 失火診断ルーチンのフローチャート(その
2)
【図5】 燃料カット時の基準信号の周期の変化の様子
を示す図
【符号の説明】
1 機関 2 燃料噴射弁 3 点火コイル 10 コントロールユニット 11 クランク角センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランク角 720°/n(nは気筒数)毎に
    気筒判別信号を含む基準信号を発生する基準信号発生手
    段と、各気筒の燃焼状態に対応する基準信号の周期を計
    測する周期計測手段と、計測された基準信号の周期に基
    づいて各気筒の失火の有無を判定する失火判定手段とを
    備える多気筒内燃機関の失火診断装置において、 前記周期計測手段と前記失火判定手段との間に、前記周
    期計測手段により得られた各気筒の燃焼状態に対応する
    基準信号の周期を各気筒毎の補正係数により補正し、補
    正された周期に基づいて前記失火判定手段による判定を
    行わせる周期補正手段を設ける一方、 機関への燃料カット中であることを検出する燃料カット
    検出手段と、 燃料カット中であるときに、多気筒のうち予め設定した
    学習代表気筒の燃焼状態に対応する基準信号の周期のク
    ランク角 720°における変化量を算出し、この変化量を
    気筒数で除算して、傾き分を算出する傾き分算出手段
    と、 各気筒毎に、前記クランク角 720°の間において実際に
    計測された周期と、前記クランク角 720°の最初におけ
    る学習代表気筒の周期に前記傾き分と学習代表気筒から
    数えた気筒数との積を加算して得た理論周期との比を算
    出し、この比に基づいて各気筒毎の補正係数を設定する
    補正係数設定手段と、 を設けたことを特徴とする多気筒内燃機関の失火診断装
    置。
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