JPH0719637U - ガススプリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダ端部に設けられるオイルシールの耐
久性向上に貢献できるガススプリングを提供する。 【構成】 シリンダ（１）の端部から突出するピストン
ロッド（２）を摺動自在に案内するガイド部材（３）と
気液密に保つためのオイルシール（４）との間に、シリ
ンダ（１）内の加圧流体（６）の圧力によってオイルシ
ール（４）が変形するのを防止するバックアップ部材
（９）をオイルシール（４）の全面にわたって介装し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガススプリングに関し、詳しくは、シリンダの端部から突出される ピストンロッドを気液密に保つためのオイルシールおよびピストンロッドを摺動 自在に案内するガイド部材を具えたガススプリングに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のガススプリングとして、そのピストンロッドが貫通される側の端部に設 けられるオイルシールの高圧時における耐久性向上を図るために、これと一体に 組合せて端部に固定されるガイド部材を金属焼結材として成形したものが米国特 許出願第３８５６２８７号に開示されている。

【０００３】 図３はこのようなガススプリングにおけるオイルシールおよび案内部材の構成 を示すもので、１はガスと共にオイルが封入されるシリンダ、２はピストンロッ ド、３はシリンダ１のピストンロッド２が貫通する端部にシリンダ１のかしめに よって固定された金属焼結材製のガイド部材、４はガイド部材３のシリンダ内側 に沿って配設されたほぼ環状をなすオイルシール、５はオイルシール４と一体の 金属製リングである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述したようなガススプリングでは、ガイド部材３が焼結成形 によって作製されるためその靭性、耐久性の向上による効果は得られるものの、 成形時に使用される金型などの関係から角部に面取り部３Ａが形成される。そこ で、シリンダ１内の流体圧が低い場合はオイルシール４が（Ａ）に示すように正 常な形状に保たれるものの、高圧になると、（Ｂ）に示すように弾性体からなる オイルシール４の内外の周囲部４Ａ，４Ｂが変形し、ガイド部材３の面取り部３ Ａに喰い込まれる虞がある。そうすると、オイルシールの周囲部４Ａ，４ｂに亀 裂が生じ易く、ガス洩れやオイル洩れの原因となり耐久性が損われるという問題 があった。

【０００５】 本考案の目的は、上記従来の問題を解決すべく、シリンダ端部のガイド部材内 面に接して設けられるオイルシールの耐久性向上に貢献できるガススプリングを 提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、一端が封止され、加圧流体が充填さ れたシリンダの他端部に設けられ、該他端部から突出されるピストンロッドを摺 動自在に案内するためのガイド部材および前記ピストンロッドと前記シリンダと の間を気液密に保つためのオイルシールを有するガススプリングにおいて、前記 ガイド部材と前記オイルシールとの間に前記加圧流体の圧力による前記オイルシ ールの変形を防止するバックアップ部材を前記ガイド部材と前記オイルシール間 の全域にわたって介装したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、シリンダ内に気液密に充填される加圧流体の圧力によってオ イルシールが変形し、その封止性が損われるのを、オイルシールとガイド部材と の間に介装したバックアップ部材によって抑止することができるもので、これに より、ガススプリング自体の延命に対しても貢献できる。

【０００８】

【実施例】

以下に、図面を参照しつつ本考案の実施例を具体的に説明する。

【０００９】 図１は本考案の一実施例を示す。ここで、６はシリンダ１内に圧入され、封止 状態に保たれるガスおよびオイルからなる流体である。７はシリンダ１内を２室 Ｃ₁ ，Ｃ₂ に画成しつつ、ピストンロッド２の抜差動作に連れて摺動するピスト ン、８はピストンロッド２およびピストン７の抜方向の動作を規制するストッパ 部である。なお、ガイド部材３およびオイルシール４については、図３に示した 従来例と変わらないが、本実施例では図２に示すように、オイルシール４とガイ ド部材３との間にリングプレート９が介装されていて、リングプレート９の外径 および内径は、図２の（Ａ）に示すようにシリンダ１の内径およびピストンロッ ド２の外径にほぼ合わせて形成されている。

【００１０】 このようにしてシリンダ１とリングプレート９との間の隙間を極力小さく保つ と共に、リングプレート９とピストンロッド２との間の隙間もピストンロッド２ の抜差動作に支障がない程度においてできるだけ小さく保つことにより、図２の （Ｂ）に示すようにシリンダ室Ｃ₂ 内のガスおよびオイルの圧力が高められた状 態にあってもオイルシール４の変形を抑制することができる。従って、オイルシ ール４が図３の（Ｂ）に示したように変形してガイド部材３の面取り部３Ａに喰 い込むこともなく、オイルシール４の周囲部に亀裂が生じて洩れの原因となるの を防止することができる。

【００１１】 なお、以上に述べた実施例ではリングプレート９をオイルシール４およびガイ ド部材３の互いに対向する面に合わせて平板状に形成したが、その外径および内 径がシリンダ１の内径およびピストンロッドの外径に対応して形成され、かつオ イルシール４およびガイド部材３間に介装されるに好適なようにこれらの面に合 わせて形成される限り、平板状でなくてもよいことはいうまでもない。また、ガ イド部材３も必ずしも焼結金属材によるものでなくてもオイルシール４の変形を 防止できることには変わりはない。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案によれば、一端が封止され、加圧流体が充填 されたシリンダの他端部に設けられ、該他端部から突出されるピストンロッドを 摺動自在に案内するためのガイド部材および前記ピストンロッドと前記シリンダ との間を気液密に保つためのオイルシールを有するガススプリングにおいて、前 記ガイド部材と前記オイルシールとの間に前記加圧流体の圧力による前記オイル シールの変形を防止するバックアップ部材を前記ガイド部材と前記オイルシール 間の全域にわたって介装したので、オイルシールの変形による亀裂の発生を防止 することができ、オイルシールの耐圧性向上と共にガススプリング自体の耐久性 を高め、その延命を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による構成を示す断面図であ
る。

【図２】図１のＡ部をシリンダ室の低圧時の状態（Ａ）
および高圧時の状態（Ｂ）でそれぞれ拡大して示す断面
図である。

【図３】従来例の構成をシリンダ室の低圧時の状態
（Ａ）および高圧時の状態（Ｂ）でそれぞれ拡大して示
す断面図である。

【符号の説明】

１ シリンダ ２ ピストンロッド ３ ガイド部材 ３Ａ 面取り部 ４ オイルシール ４Ａ，４Ｂ 周囲部 ６ ガスおよびオイル ７ ピストン ９ リングプレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端が封止され、加圧流体が充填された
   シリンダの他端部に設けられ、該他端部から突出される
   ピストンロッドを摺動自在に案内するためのガイド部材
   および前記ピストンロッドと前記シリンダとの間を気液
   密に保つためのオイルシールを有するガススプリングに
   おいて、 前記ガイド部材と前記オイルシールとの間に前記加圧流
   体の圧力による前記オイルシールの変形を防止するバッ
   クアップ部材を前記ガイド部材と前記オイルシール間の
   全域にわたって介装したことを特徴とするガススプリン
   グ。