JP2589321Y2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2589321Y2
JP2589321Y2 JP1990023853U JP2385390U JP2589321Y2 JP 2589321 Y2 JP2589321 Y2 JP 2589321Y2 JP 1990023853 U JP1990023853 U JP 1990023853U JP 2385390 U JP2385390 U JP 2385390U JP 2589321 Y2 JP2589321 Y2 JP 2589321Y2
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光弘 曽和
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エヌオーケー株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、密封装置に係り、更に詳しくは、ショック
アブソーバ等に用いられる密封装置の改良に関する。
[従来の技術] ショックアブソーバには、従来から、内部に封入した
油が外部へ漏れることがないように、軸受部に第3図に
示すような密封装置が備えられている(実願昭63−8536
6号(実開平2−6833号)のマイクロフィルム参照)。
しかしながらこの密封装置においては、ロッド(a)
との間に所定の大きさの間隙(図示せず)が設定されて
いて密封作用または減圧作用を全く奏しない軸受である
ブッシュ(b)の油(o)側(図上下側)に、減圧作用
を奏するバッファリングが設けられるとともに、ブッシ
ュ(b)の反油(o)側(図上上側)に、密封作用を奏
するリップ状のシール(d)が設けられているために、
以下のような問題がある。
すなわち、ショックアブソーバの作動に伴って極めて
高圧となる油圧が作用したときにバッファリング(c)
がこれのみで減圧する構造であるために、バッファリン
グ(c)に多大な圧力負担がかかり、これを原因とし
て、バッファリング(c)が早期に摩耗する場合があ
る。またバッファリング(c)が摩耗すると、減圧され
ずに高圧のままシール(d)に達した油(o)をシール
(d)がこれのみで密封することになるために、今度は
シール(d)に多大な負担がかかる。
また、従来軸受部において減圧する試みが行われてい
る(実願昭62−20005号(実開昭3−128342号)マイク
ロフィルム参照)。
しかし、この種装置においては、軸受部における樹脂
バンドの軸方向両端部は凹凸にかしめ込まれ、抜けが確
実に防止される構造となっている。
従って、たとい背圧通路を設けて、樹脂バンドをピス
トンロッドに押し付ける手段を設けたとしても、樹脂バ
ンドの一部がロッド周面に尖鋭に当接することはない。
このため、樹脂バンドにおける十分なシール性は確保
できず、オイルシールへの圧力の負担を減らすことは困
難であった。また、背圧通路を設けなければならず、軸
受部の構造が複雑となっていた。
[考案が解決しようとする課題] 本考案は以上の点に鑑み、上記したショックアブソー
バ等に装着されて高圧の流体を密封する密封する密封装
置について、バッファリングおよびシールにかかる負担
を減らしてこれらの寿命を延ばし、もって優れた耐久性
を発揮することが可能な密封装置を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本考案の密封装置は、ロッ
ドを貫通したハウジングの内側に封入した流体を密封す
る密封装置において、前記ハウジングの軸孔内壁に固定
される筒状体の流体側端部から前記ロッド外周面に沿っ
て略軸線に平行に伸びる自由端を形成して前記ロッドに
密接するシールリップとなした部位を一体として備えた
樹脂製の軸受を有し、前記軸受の反流体側に外周側にバ
ックリングを嵌着したパッキン状のバッファリングを配
置し、前記バッファリングの反流体側にシールを配置
し、前記バッファリングの流体側の空間と前記ハウジン
グの内側とを連通するリリーフ通路を設けることにし
た。
[作用] 上記構成を備えた本考案の密封装置のように、軸受を
樹脂製としてこの軸受の筒状体の流体側端部にロッドに
密接するシールリップを一体成形すると、この軸受が減
圧作用を奏し、また軸受の反流体側にバッファリングを
配置すると、軸受が一次的な減圧機構として機能すると
ともにバッファリングが二次的な減圧機構として機能す
る。したがって軸受およびバッファリングによって二段
に亙る減圧機構が設けられて、一段目の軸受によって減
圧された流体圧が二段目のバッファリングに作用するた
め、バッファリングにかかる負担を従来より小さくする
ことが可能となる。すなわち、本考案において、密封さ
れるべき流体圧は先ず軸受で減圧され、次いでバッファ
リングで更に減圧され、この結果として極めて低圧とな
った流体がシールで密封される。またその途中、バッフ
ァリングの流体側空間に開口したリリーフ流路からハウ
ジングの内側へ戻される。
[実施例] つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。
第1図に示すように、ハウジング(11)の軸孔に軸線
方向に往復動するロッド(12)が貫挿されており、前記
軸孔の内壁に、油(o)側(図上左側)から順番に、、
樹脂製の軸受(13)、樹脂製のバッファリング(14)お
よびゴム製のシール(15)が並べられている。
軸受(13)は、四弗化エチレン樹脂(PTFE)等の摩擦
係数の比較的小さな樹脂によって成形されており、ハウ
ジング(11)の軸孔内壁に凹凸係合されてロッド(12)
を摺動自在に密接するシールリップ(17)が一体成形さ
れている。そして、このシールリップ(17)は筒状体
(16)の油(o)側端部からロッド(12)の外周面に沿
って略軸先平行に伸びる自由端を形成している。
パッキン状に成形されたバッファリングの外周側に
は、ゴム製のバックリング(18)が嵌着されている。
リップ状に成形されたシール(15)の反油(o)側
(図上右側)には、ダストシールとして機能するリップ
状の第二のシール(19)が一体成形されている。
またバッファリング(14)の油(o)側の空間(2
0)、すなわち軸受(13)とバファリング(14)の間の
空間(20)と、シール(15)の油(o)の空間(21)、
すなわちバッファリング(14)とシール(15)の間の空
間(21)とからそれぞれ、ハウジング(11)の内側へ向
けて、逆止弁(図示せず)付きのリリーフ流路(22)
(23)が設けられている。
上記構成を備えた密封装置においては、軸受(13)が
樹脂製とされてこの軸受(13)の筒状体(16)の油
(o)側端部にロッド(12)に密接するシールリップ
(17)が一体成形されているために、この軸受(13)が
減圧作用を奏し、またこの軸受(13)の反油(o)側に
外周側にバックリング(18)を嵌着したパッキン状のバ
ッファリング(14)が配置されているために、この軸受
(13)が一次的な減圧機構として機能するとともにバッ
ファリング(14)が二次的な減圧機構として機能する。
したがって軸受(13)およびバッファリング(14)によ
って二段に亙る減圧機構が設けられて、一段目の軸受
(13)によって減圧された油圧が二段目のバッファリン
グ(14)に作用するために、バッファリング(14)にか
かる負担を従来より小さくすることができ、また二段目
のバッファリング(14)によって更に減圧された油圧が
シール(15)に作用するために、アブソーバ全体として
の摺動抵抗の低減が可能となるとともに、シール(15)
にかかる負担を小さくすることができる。したがってバ
ッファリング(14)およびシール(15)の耐久性を向上
させることができる。
またバッファリング(14)の油(o)側の空間(20)
またはシール(15)の油(o)側の空間(21)に油
(o)が溜まると、この油(o)はハウジング(11)の
内側の圧力が低くなったときに機会を捉えて自動的にリ
リーフ流路(22)(23)からハウジング(11)の内側へ
戻される。したがって空間(20)(21)に高圧が蓄積さ
れることがなく、これによってもバッファリング(14)
またはシール(15)の負担を軽減することができるため
に、この点からもバッファリング(14)およびシール
(15)の耐久性を向上させることができる。
またバッファリング(14)の反油(o)側の空間(2
1)に油(o)溜まってここに畜圧現象が発生すると、
この畜圧を背後から受けて切欠部を備えたバッファリン
グ(14)が切欠部をロッド(12)に面接触させるように
傾いてロッド(12)に対する緊迫力を緩め、畜圧をバッ
ファリング(14)の油(o)側の空間(20)に逃がす作
用を奏する。したがってこれによってもシール(15)に
かかる負担を軽減することができるために、この点から
もシール(15)の耐久性を向上させることができる。
尚、軸受(13)およびバッファリング(14)による二
段の減圧機構によって油圧が充分に低められたときに
は、第2図に示すように、大気側(図上右側)を向いた
第二のシール(19)のみでこの低圧の油(o)側の空間
(20)に開口した一本だけで良い。
[考案の効果] 本考案は、以下の効果を奏する。
すなわち、上記構成を備えた本考案の密封装置におい
ては、軸受が樹脂製とされてこの軸受の筒状体の流体側
端部にロッドに密接するシールリップが一体成形されて
いるために、この軸受が減圧作用を奏し、またこの軸受
の流体側に外周側にバックリングを嵌着したパッキン状
のバッファリングが配置されているために、軸受が一次
的な減圧機構として機能するとともにバッファリングが
二次的な減圧機構として機能する。したがって軸受およ
びバッファリングによって二段に亙る減圧機構が設けら
れて、一段目の軸受によって減圧された油圧が二段目の
バッファリングに作用するために、バッファリングにか
かる負担を従来より小さくすることができ、また二段目
のバッファリングによって更に減圧された流体圧がシー
ルに作用するために、アブソーバ全体としての摺動抵抗
の低減が可能となるとともに、シールにかかる負担を小
さくすることができる。したがってバッファリングおよ
びシールの耐久性を向上させることができる。
またバッファリングの流体側の空間に流体が溜まる
と、この流体はハウジングの内側の圧力が低くなったと
きに機会を捉えて自動的にリリーフ流路からハウジング
の内側へ戻される。したがって空間に高圧が蓄積される
ことがなく、これによってもバッファリングの負担を軽
減することができるために、この点からもバッファリン
グの耐久性を向上させることができる。
またバッファリングの反流体側の空間に流体溜まって
ここに畜圧現象が発生すると、この畜圧を背後から受け
てバッファリング傾いてロッドに対する緊迫力を緩め、
畜圧をバッファリングの流体側の空間に逃がす作用を奏
する。したがってこれによってもシールにかかる負担を
軽減することができるために、この点からもシールの耐
久性を向上させることができる。
したがって以上述べたところから、ショックアブソー
バ等に装着されて高圧の流体を密封する密封装置につい
て、バッファリングおよびシールにかかる負担を減らし
てこれらの寿命を延ばし、もって優れた耐久性を発揮す
る密封装置を提供することができる。更に、本考案のシ
ールリップは、筒状体の流体側端部からロッド外周面に
沿って略軸線に平行に伸びる自由端を形成する構成とし
ているため、背圧通路のような特別の手段を設けなくて
も、自由端外周面に作用する流体圧によって、ロッド外
周面に対する十分なシール面圧が得られる。
このため、バッファリングに対する圧力負担を確実に
軽減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第一実施例に係る密封装置の半裁断面
図、第2図は本考案の第二実施例に係る密封装置の半裁
断面図、第3図は従来例に係る密封装置の半裁断面図で
ある。 (11)……ハウジング、(12)ロッド、(13)……軸受 (14)……バッファリング、(15)(19)……シール、
(16)……筒状体 (17)……シールリップ、(18)……バックアップリン
グ、(20)(21)……空間 (22)(23)……リリーフ流路

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロッド(12)を貫挿したハウジング(11)
    の内側に封入した流体(0)を密封する密封装置におい
    て、 前記ハウジング(11)の軸孔内壁に固定される筒状体
    (16)の流体(0)側端部から前記ロッド(12)外周面
    に沿って略軸線に平行に伸びる自由端を形成して前記ロ
    ッド(12)に密接するシールリップ(17)となした部位
    を一体として備えた樹脂製の軸受(13)を有し、 前記軸受(13)の反流体側に外周側にバックリング(1
    8)を嵌着したパッキン状のバッファリング(14)を配
    置し、 前記バッファリング(14)の反流体側にシール(15)
    (19)を配置し、 前記バッファリング(14)の流体側の空間(20)と前記
    ハウジング(11)の内側とを連通するリリーフ通路(2
    2)を設けたことを特徴とする密封装置。
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