JPS6137905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来の油圧シリンダ用ロツドシールの一実施例
を第１図に示す。シリンダ内部１の作動油をシー
ルするためシリンダケーシング２とロツド３との
間に、シリンダ内部１側よりバツフアリング４、
Ｕパツキン５、ダストシール６が配置されてい
る。バツフアリング４にはシリンダ内部１の作動
油圧を緩衝さす機能や減圧する機能をもたしてい
る。Ｕパツキン５はシリンダ内部１の作動油を完
全にシールするもので、ダストシール６は外部１
１の異物等の混入を防止るものである。このよう
なロツドシールにおいて、バツフアリング４がロ
ツド３の摺動に起因する摩耗、衝撃力な圧力に起
因するはみ出し、破損等を生じ、バツフアリング
４とＵパツキン５の間の空所７にある流体の圧力
が急激に高まつてくる。これは油圧シリンダを長
時間使用しているとバツフアリング４の寿命とし
て生じる現象である。ところで、このような状態
になつててもＵパツキン５が健全であれば、シー
ル効果は十分であるが、第２図に示すように空所
７の流体の高い圧力によりＵパツキン５のヒール
部にはみ出し５１が生じ、この形状くずれが原因
し油漏れに至る不具合があつた。これを解決する
目的で、第３図に示すようにＵパツキン５に合わ
せて樹脂材等で作られているバツクアツプリング
８を挿入したものがある。これによりＵパツキン
５のヒール部のはみ出しはなくなり、第１図のも
のより寿命は長くなるが、そのうちバツクアツプ
リング８が第４図に示すようにはみ出し８１、油
漏れに至る欠点を有している。

本考案は前述の第２図、第４図に示したＵパツ
キン、バツクアツプリングのはみ出しをなくし、
油漏れ発生に至る不具合をなくすることを目的と
して考案されたものである。

本考案は、シリンダケーシングとロツドとの間
でシリンダ内部から外部に向つてバツフアリング
とＵパツキン及び該Ｕパツキンに当接する断面〓
字状のバツクアツプリングとダストシールとを順
に上記シリンダケーシングに配設されたシール装
置において、上記断面〓字状バツクアツプリング
の上記ロツドの軸線の平行方向のシリンダ外部側
端部はシリンダケーシングに隙間を有して同ケー
シングに配設されてなることを特徴とする油圧シ
リンダのシール装置に係り、バツクアツプリング
の形状を〓形にし、はみ出しを生じる可能性のあ
る部分の端面がケーシングに当らないよう隙間を
もたせた油圧シリンダのシール装置を提供しよう
とするもので、油圧シリンダに応用できるもので
ある。

本考案の油圧シリンダのシール装置の一実施例
を第５図及び第６図について説明する。第５図は
本考案の油圧シリンダのシール装置の一実施例の
説明図、第６図は本考案の一実施例のＵパツキン
とバツクアツプリングの詳細説明図を示す。１は
シリンダ内部、２はシリンダケーシング、３はロ
ツド、４はバツフアリング、５はＵリング、６は
ダストシール、７はバツフアリング４とＵリング
５の間の空所、９は断面〓字状のバツクアツプリ
ング、９１，９２，９３，９４は第６図に示すバ
ツクアツプリング９の各部、１Ｕはシリンダケー
シング２とバツクアツプリング９の９２との間の
隙間、１１は外部を示す。本考案は従来のシリン
ダケーシング２とロツド３との間でシリンダ内部
１から外部１１に向つてバツフアリング４とＵパ
ツキン５及びバツクアツプリング８とダストシー
ル６とを順に上記シリンダケーシング２に配設さ
れたシール装置において、Ｕパツキン５に当接す
るバツクアツプリング９を従来のバツクアツプリ
ング８の形状の代わりに断面〓字状に形成し、同
バツクアツプリング９のロツド３の軸線の平行方
向のシリンダ外部１１の側端部９２はシリンダケ
ーシング２に対して隙間１０を残してケーシング
２に配設されたものである。

本考案の作用を第６図について説明する。空所
７の流体の圧が高くなつた時矢印の方向にＵパツ
キン５は押しつけられるが、この力は９１で示す
部分で大半を吸収され、したがつてロツド３に接
している部分９３の軸方向への伸びは僅かとな
る。しかも隙間１０の存在のためバツクアツプリ
ング９の端部の部分９２には押し付け力が作用し
ないのである。更にバツクアツプリングの部分９
４は切り欠いてあるので、はみ出しに至るような
押し付け力は作用するわけがない。

本考案は以上の構成によりなり、バツクアツプ
リング９の断面〓字状に形成し、バツクアツプリ
ング９のロツド３の軸線の平行方向のシリンダ外
部１１側端部はシリンダケーシング２に隙間１Ｕ
を有せしめたので、はみ出しに至ることがなくな
り、これにより油漏れ発生がなく、長寿命の油圧
シリンダのシール装置となる効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の油圧シリンダのシール装置の一
実施例の説明図、第２図は第１図のＵパツキンの
はみ出しの説明図、第３図は従来の油圧シリンダ
のシール装置の他の実施例の説明図、第４図は第
３図のバツクアツプリングのはみ出しの説明図、
第５図は本考案の油圧シリンダのシール装置の一
実施例の説明図、第６図は本考案の一実施例のＵ
パツキンとバツクアツプリングの詳細説明図を示
す。 １……シリンダ内部、２……シリンダケーシン
グ、３……ロツド、４……バツクアツプリング、
５……Ｕパツキン、５１……はみ出し、６……ダ
ストシール、７……空所、１１……外部、８……
バツクアツプリング、８１……はみ出し、９……
断面〓字状のバツクアツプリング、９１，９２，
９３，９４……バツクアツプリング９の部分、１
０……バツクアツプリングとシリンダケースとの
隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダケーシングとロツドとの間でシリンダ
   内部から外部に向つてバツフアリングとＵパツキ
   ン及び該Ｕパツキンに当接する断面〓字状のバツ
   クアツプリングとダストシールとを順に上記シリ
   ンダケーシングに配設されたシール装置において
   上記断面〓字状バツクアツプリングの上記ロツド
   の軸線の平行方向のシリンダ外部側端部はシリン
   ダケーシングに隙間を有して同ケーシングに配設
   されてなることを特徴とする油圧シリンダのシー
   ル装置。