JP3304446B2 - パッキン - Google Patents

パッキン

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JP3304446B2
JP3304446B2 JP32591592A JP32591592A JP3304446B2 JP 3304446 B2 JP3304446 B2 JP 3304446B2 JP 32591592 A JP32591592 A JP 32591592A JP 32591592 A JP32591592 A JP 32591592A JP 3304446 B2 JP3304446 B2 JP 3304446B2
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packing
groove
pressure
backup ring
face
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一雄 黒島
政吉 室井
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Nok Corp
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Nok Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パッキンに関し、特
に、パッキンのシール側に蓄圧が生起するパッキンに関
する。
【0002】
【従来の技術】この種のパッキンの例として、油圧シリ
ンダのロッドカバーに設けられるロッドパッキンがよく
知られている。この種の従来の技術としては、実開平1
−152151号に開示されたパッキンがある。その概
略の構成を図3、図4に示す。同図において、パッキン
1は油圧ジャッキのラム31の摺動用シールであり、シ
リンダカバー32のパッキン溝33に装着されている。
パッキン1は、合成ゴムや合成樹脂などからなるUパッ
キン1aと合成樹脂や金属などからなるバックアップリ
ング4とが一体になった形状のものである。Uパッキン
1aはラム31に弾性的に接してシールする円環状の内
リップ2と、パッキン溝33の底面33aに弾性的に接
してシールする円環状の外リップ部3とを有する。バッ
クアップリング4は内リップ2の低圧側に設けられてお
り、その内周面5に軸方向に延びる圧抜き溝6が円周方
向に等間隔で複数個、例えば6個設けられている。圧抜
き溝6は、例えば、内周面5の内径100mm、クリア
ランスGが約0.1mmに対して内周面5での開口幅が
3mm、深さが1mmの円弧状である。
【0003】圧抜き溝6は、吹き抜け現象を防止するた
めに設けられているものである。すなわち、圧抜き溝6
が設けられていないものでは、クリアランスGが小さ
く、また圧油の温度が低く粘度が低いなどの理由によっ
て、クリアランスGからの油の漏れ量が少ない場合に
は、内リップ2によるシール部Cにおけるラム室側A1
から空隙Eへの微小な油漏れによって、空隙Eに油が溜
まってこの圧力が上昇し、これによって内リップ2を押
し上げる力が作用してシール圧を低下させる。このシー
ル圧の低下によってシール部Cの油漏れ量が増加し、さ
らに空隙Eの圧力が上昇し、この悪循環によってついに
は内リップ2をラム31の表面から押し上げてしまい、
シール不可能となって大量の油漏れとなり、いわゆる吹
き抜け現象が発生してしまう。圧抜き溝6を設けてある
と、バックアップリング4の軸方向両側間を連通させ、
空隙Eに溜まった油を逃がして空隙Eの圧力上昇を防止
し、内リップ2によるシール圧が低下することがなく、
安定したシール性を保持することができ、吹き抜け現象
の発生する恐れがなくなるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記圧
抜き溝6を有する従来のパッキン1は、ラム室側A1に
圧力が作用した時に内リップ2側の空隙Eが消滅するよ
うに変形するので、内リップ2のシール能力が低下す
る。同時に、内リップ2より漏れた流体はバックアップ
リングに有する圧抜き溝6から流出し大きな問題とな
る。特に、高圧流体に応じバックアップリングの材質を
硬質材にすると、圧力に応じて圧抜き溝6の流通断面積
が減少するわけではないから、圧抜き溝6からの流体の
漏れが大きくなる。本発明は、上記の問題を解決するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の手段は、嵌合し
て相対移動する二部材の一方部材の周面に設けられたパ
ッキン取付溝に収容されて、高圧側に流体用シールのリ
ップ部を有するパッキン本体の低圧側の周面に形成され
た段部に環状のバックアップリングを接合したパッキン
において、前記バックアップリングの両端面に一端が少
なくとも前記他方部材側に開口する端面溝を有すると共
に、前記端面溝を互いに連通する流通路を有し、前記流
通路と高圧側に位置する端面溝とが連結する部位を、前
記パッキンのバックアップリング取り付け段部の軸方向
端面の範囲内に存在させることを特徴とする。
【0006】前記他方部材に接する前記リップ部の高圧
側端部を除く接触面にシート状のフッ素樹脂層を形成す
るのがよい。
【0007】
【作用】本発明のパッキンは、高圧側に流体圧力が強く
作用すればするほどパッキン本体の一部が端面溝にくい
込み、端面溝の流路断面積を縮小する。その結果、一時
的にリップ部より漏洩した流体は空隙にたまり、空隙が
減少してリップ部が摺動部材より離反するように変形す
るのを効果的に防止する。同時に、空隙に蓄圧した流体
圧力が作動流体圧力に近づけば、端面溝へくい込んだパ
ッキン本体の一部を押し分けて減圧することができる。
その結果、シールのリップ部は原形状態を保持し蓄圧に
より変形されるのが防止される。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図1、図2を用いて説明
する。この実施例は、油圧シリンダのピストンロッド2
1が貫通しているロッドカバー22にパッキン溝20を
設けてその溝に収容したロッドパッキン10である。ロ
ッドパッキン10はリップパッキン11と、バックアッ
プリング14とからなり、リップパッキン11はニトリ
ルゴム製であり、高圧側に、つまりシリンダの圧力室2
3の側に内リップ部12及び外リップ部13を有し、こ
れと反対の低圧側に、つまり外界24の側の内周の段部
にフッ素樹脂製のバックアップリング14を備えており
いる。そして、内リップ部12の内周面にはフッ素樹脂
のシート状の層16を設けてある。このフッ素樹脂層1
6は内リップ部12の高圧側端部内周面とバックアップ
リング14の高圧側端面に近接した部分の内周面とを避
けて設けてあり、この部分の内径は低圧側でロッド21
の周面から少し離れて空隙Eを形成している平行部16
aと高圧側に向かって縮小したテーパ部16bからなっ
ている。
【0009】バックアップリング14は、周方向に等間
隔で複数個の軸方向連通溝15を設けるとともにその連
通溝15の両端に続いてバックアップリング14の両端
面にバックアップリングの内孔に達する端面溝17、1
8を設けてある。なお、連通溝15は軸方向に貫通する
連通孔でもよい。これらの溝15、17、18はいずれ
も幅が4mm、深さが0.5mm程度であり、溝断面形
状における溝開口縁の角部および溝底隅角部は図示して
いないが半径1mm未満の円弧としてある。
【0010】このロッドパッキン10は、装着状態にお
いて外リップ部13の外周が溝20の底に押圧接触して
おり、内リップ部12のフッ素樹脂層16のテーパ部1
6b内周面及び圧力室側の端部のゴム部内周面がロッド
21の外周に押圧接触している。この状態で圧力室23
の圧力が上昇すると その圧力がパッキンに作用し、パ
ッキン全体がパッキン溝20内で低圧側へ押されると共
に、外リップ部13がさらに溝20の底へ押圧され内リ
ップ部12もロッド21への押圧力が大きくなる。同時
に端面溝18に対抗しているパッキン本体の部分が端面
溝18へ向かって押し付けられ、弾性変形して入り込
む。これにより空隙Eに連通している端面溝18、連通
溝15、端面溝17で構成され外界側に連通している
の流路は絞られる。その結果、内リップ部12より微小
量づつ漏洩した流体は、空隙E内に蓄圧するが、圧力室
23側の作動流体圧に近づけば、端面溝18内に入り込
んだパッキン本体の一部を押圧して流出する。従って、
内リップ部12をロッド21より離間させるような吹き
抜け現象を惹起しない。同時に、空隙内は圧力室23側
よりも低圧ではあるが蓄圧状態になるから、空隙Eは極
端に狭められず、内リップ部12が異常に変形するのを
防止する。また、圧力作用状態でリップパッキン11の
ゴム部が溝15、18に繰り返し押圧されたとき、溝開
口縁の角部に押圧されるが、僅かではあるが丸みがあ
り、特に溝が浅いために、損傷するには至らない。また
ロッド21が矢印aまたはb方向に摺動するとき、フッ
素樹脂層16の存在は摺動抵抗の軽減作用がある。な
お、このフッ素樹脂層は場合によっては省略してもよ
く、その場合は他のゴム部分と同じ材質で形成する。
た、連通溝15に代えて軸方向にバックアップリングを
貫通する連通孔とする場合は、必然的に前記絞り作用が
有効でなければならないから、連通孔と端面溝18との
連結部位は、パッキン本体の部分が弾性変形して入り込
むことが可能な範囲、つまりパッキンのバックアップリ
ング取付け段部の軸方向端面の範囲内になる。
【0011】上述の実施例は、ロッドカバーの内周面に
パッキン溝を設けてパッキンを収容した構成で、バック
アップリングをパッキンの内周の段部に有する例である
が、逆にピストンのように外周面にパッキン溝を設けて
パッキンを収容した構成では、パッキンの外周の段部に
バックアップリングを有するものとなり、段部面側に端
面溝と連通路とを形成する。図1の断面の端面のみを引
用すると、22がピストン、21がシリンダの場合であ
る。
【0012】
【発明の効果】本発明のパッキンは、バックアップリン
グのパッキンの段部面と接合する端面に端面溝を有して
他方の端面に連通する流通路を有するから、パッキンに
圧力流体が作用すると、パッキン本体の一部が端面溝内
に弾性変形して入り込み、この端面溝により構成される
流通路を圧力に応答して絞ることができる。従って、リ
ップ部より微小量漏れた流体をバックアップリングとリ
ップ部のシール面との間の空隙に蓄圧することができ
る。その結果、パッキンに高圧流体が作用してもリップ
部が対向する摺動部材に全面接触してシール面のシール
効果が低下するのを効果的に防止することができる。同
時にこのリップ部側の一部が摺動部材に引き寄せられて
バックアップリングと摺動部材との間隙に入り込むのも
防止し、むしれ損傷を効果的に防止することが期待でき
る。更に、空隙内の蓄圧が作動流体圧に近づけば、その
圧力により端面溝に入り込んでいる本体を押し広げるこ
とができるから、リップ部より逆流する、いわゆる吹き
抜け現象を効果的に防止する。従って、本発明のパッキ
ンは、シール能力に優れ、吹き抜け現象が惹起する時点
でこの現象を防止し、大気側への最小の流体漏洩に抑え
ることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の概略の構造を示す軸線に沿
う方向の断面部分拡大図である。
【図2】同実施例のバックアップリングを高圧側(図1
の右方)から軸方向に見た概略正面図である。
【図3】従来のロッドパッキンの構造の一例を示す軸線
に沿う方向の断面部分拡大図である。
【図4】同従来のパッキンの低圧側(図3の右方)から
軸方向に見た概略正面図である。
【符号の説明】
10 ロッドパッキン 11 リップパッキン 12 内リップ部 13 外リップ部 14 バックアップリング 15 軸方向連通溝 17 端面溝 18 端面溝 20 パッキン溝 21 ロッド 22 ロッドカバー 23 圧力室側(高圧側) 24 外界側(低圧側) E 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/32 F15B 15/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵌合して相対移動する二部材の一方部材
    の周面に設けられたパッキン取付溝に収容されて、高圧
    側に流体用シールのリップ部を有するパッキン本体の低
    圧側の周面に形成された段部に環状のバックアップリン
    グを接合したパッキンにおいて、前記バックアップリン
    グの両端面に一端が少なくとも前記他方部材側に開口す
    る端面溝を有すると共に、前記端面溝を互いに連通する
    流通路を有し、前記流通路と高圧側に位置する端面溝と
    が連結する部位を、前記パッキンのバックアップリング
    取り付け段部の軸方向端面の範囲内に存在させること
    特徴とするパッキン。
JP32591592A 1992-11-10 1992-11-10 パッキン Expired - Lifetime JP3304446B2 (ja)

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