JPH07195966A - 自動車用シートのスライダー構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用シートのスライダーをコンパクトで
安価な型で成形できる構造とする。 【構成】 スライダーをスライド方向に対して２分割さ
れた第１、第２のスライダー半部で構成し、スライダー
半部を相互に又は連結部材にて連結する。両スライダー
半部の対向側縁にはガイド縁を形成し、ガイド縁間に所
定の間隔を設けてロックプレートのガイド溝となす。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車用シートのス
ライダー構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、種々な用途に利用できる、いわゆ
るワンボックス車が注目されている。かかるワンボック
ス車においては車室内を有効に利用できるように種々な
工夫がなされている。

【０００３】例えば、リヤ側スペースの前端から後端ま
で長尺のスライドレールを延在させ、該スライドレール
にスライダーをスライド自在に支承してこれに第１、第
２の前後のリヤシートを取付け、又スライダーにロック
機構を設け、そのロックプレートをスライドレールのロ
ック穴に嵌入させてリヤシートをロック可能となし、も
ってリヤシートを折り畳んで格納して広い荷室スペース
を作る場合あるいはフルフラット化やテーブル化する場
合にシートを任意の位置に設定でき、有用性をアップさ
せた構造が提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のスラ
イダーにおいてはロック機構を設ける関係上、そのロッ
クプレートのスライドをガイドすることが要求される。

【０００５】そこで、図５(a) に示すように、スライダ
ー７にガイド溝７２を設けてロックプレート５０をスラ
イド自在に収納する構造、図５(b) に示すように、スラ
イダー７にガイドプレート７３を取付けてロックプレー
ト５０をガイドする構造が提案される。なお、図中、７
０はサポートプレート、７１はローラである。

【０００６】しかし、上述のスライダー構造(a),(b)で
はシートを搭載する程度の比較的大きなスライダー７を
一体に作製しているので、大きな成形型を必要とし、型
費が高くなるという問題が生じる。

【０００７】この発明は、かかる問題点に鑑み、成形型
をコンパクトにでき、製造コストを低減できるようにし
た新規な自動車用シートのスライダー構造を提供するこ
とを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで本発明に係る自動
車用シートのスライダー構造は、車体前後方向に延びる
スライドレールにシートをスライダーにてスライド自在
に支承してなる自動車用シートにおいて、スライダーを
スライド方向に対して２分割された第１、第２のスライ
ダー半部で構成し、第１、第２のスライダー半部を相互
に又は連結部材にて連結するようにしたことを特徴とす
る。

【０００９】スライダー半部はその一部又は全部を相互
に溶接等で連結してもよく、又連結部材で相互に連結し
てもよい。相互に連結する場合には重ねて連結してもよ
いが、端縁に凹凸形状を形成し、相互に噛合させ溶接等
で連結してもよい。

【００１０】スライダーにロック機構を搭載する場合、
第１、第２のスライダー半部の対向側縁にガイド縁を上
下方向に延びて形成し、ガイド縁間には所定の間隔を設
けてガイド溝となし、その間にロック機構のロックプレ
ートを上下方向にスライド自在に収納するのがよい。

【００１１】ロック機構はロックプレートを有するもの
であればよい。例えば、第１又は第２のスライダー半部
に略水平方向に延びる揺動アームの略中央を揺動自在に
連結し、揺動アームの一端部をロックプレートの上端部
に揺動自在に連結し、揺動アームの他端部を上下操作す
ることによってロックプレートをロック・アンロック操
作できるようにした構造が採用できる。

【００１２】

【作用及び発明の効果】本発明によれば、スライダーを
２つに分割し、これを相互に又は連結部材にて連結する
ようにしたので、小さな型で成形でき、型費用はそれほ
ど高価にはならない。

【００１３】また、スライダーを２分割タイプとなした
ので、ガイドプレートを用いることなく、スライダー半
部の対向側縁を利用してロックプレートのガイド溝を容
易に形成できる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて
詳細に説明する。図１ないし図４は本発明の一実施例に
よる自動車用シートのスライダー構造を示す。図１にお
いて、ワンボックス車の車室フロアにはリヤ側１に左右
一対の長尺スライドレール２が前端から後端にかけて前
後方向に延びて設けられ、該長尺スライドレール２には
第１、第２のリヤシート３がスライダー４によってスラ
イド自在に支承されている。

【００１５】図２に示すように、リヤシート３のシート
クッションでは略四角形状をなすクッションフレーム３
０の四隅にパイプ製脚部３１が下方に延びて固定され、
前後の脚部３０間は連結プレート３２で相互に連結さ
れ、又脚部３１の下端側には取付舌片部３１０が圧潰に
て形成されるとともに下方に傾斜され、該取付舌片部３
１０には取付穴が開設されている。

【００１６】スライダー４は正面略逆Ｌ字状をなし、下
端部の先端及び後端にはローラ４０が回転自在に取付け
られ、上端部の先端及び後端には取付ブラケット部４１
が下方に傾斜して一体に形成され、該取付ブラケット部
４１には取付穴が形成されるとともにその裏面にナット
が溶接等で固定され、該スライダー４の取付ブラケット
部４１上には脚部３１の取付舌片部３１０が載置されて
ボルト４２によって連結されている。

【００１７】スライドレール２は略四角形閉断面状をな
し、該スライドレール２の底面には長手方向に所定の間
隔をあけてロック穴２０が形成され、又スライドレール
２の上面壁中央には収納溝が長手方向全長にわたって形
成されてスライドレール２内には上記ローラ４０が収納
され、これによって第１、第２のリヤシート３は前後に
スライドしうるようになっている。

【００１８】また、スライダー４の略中央には上下方向
のガイド溝が形成されてロックプレート５０が上下スラ
イド自在に収納され、又スライダー４には揺動アーム５
１が前後方向に延びてその略中央が取付ピン５１０にて
揺動自在に取付けられ、該揺動アーム５１の後端側は連
結ピン５３にてロックプレート５０の上端部に連結さ
れ、揺動アーム５１の先端側には連携ピン５２が突設さ
れている。また、スライダー４と揺動アーム５１との間
にはロックプレート５０を下方に付勢するコイルばね５
４が張架されてロックプレート５０はスライドレール２
のロック穴２０に嵌入しうるようになっており、このよ
うにしてスライダー４をスライドレール２にロックしう
るロック機構５が構成されている。

【００１９】また、脚部３０間の連結プレート３２には
取付プレート６０がネジ６００及びボルト６０１で取付
けられ、該両プレート３２、６０間には押下げリンク６
１が収納され、該押下げリンク６１はそのガイド溝６１
０に取付プレート６０側のガイドピン６１１が収納され
て取付プレート６０に上下方向にスライド自在に支承さ
れ、該押下げリンク６１の下端はスライダー４の上端面
の長穴４５０を挿通して揺動アーム５１の連携ピン５２
と当接され連携されている。

【００２０】上記押下げリンク６１の上端にはリンク６
２の一端が取付ピン６１２によって揺動自在に連結さ
れ、該リンク６２の他端はシャフト６３端部に共回転し
うるように嵌合され、該シャフト６３はシート幅方向に
延びてシャフト受けにて取付プレート６０に揺動自在に
取付けられている。このシャフト６３には操作レバー６
４が固定され、又シャフト６３と連結プレート３２との
間には操作レバー６４を下方に揺動付勢するコイルばね
６５が張架されており、以上のようにしてロック機構５
と連携されてこれをアンロック操作する操作リンク機構
６が構成されている。

【００２１】シートの他方の脚部３１間にも同様の構造
を有するロック機構が設けられ、該ロック機構は上記シ
ャフト６３に連結されて操作レバー６４によって操作さ
れるようになっている。

【００２２】また、取付プレート６０には略逆Ｌ字状を
なす第２リンク６６が揺動自在にピン連結され、該第２
リンク６６の上端には長穴６６０が形成されこれに上記
取付ピン６１２が挿通されてリンク６１に共連結され、
又第２リンク６６の下端には操作ワイヤー６６１が連結
されて該操作ワイヤー６６１はシート後方に延設されて
おり、こうしてシート後方からもロック機構５をアンロ
ック操作できるようになっている。

【００２３】ここで、スライダー４は図４に示すよう
に、長手方向に２分割された第１、第２のスライダー半
部４５、４６から構成され、該第１、第２のスライダー
半部４５、４６は上面を上側サポートプレート４７、下
縁を下側サポートプレート４８にて連結されている。こ
の第１、第２のスライダー半部４５、４６の対向する側
縁は上下方向に延びるガイド縁４５１、４６１となって
いて両者間には所定の間隔があけられ、ロックプレート
５０を上下スライド自在に収納するガイド溝が形成され
ている。なお、第２のスライダー半部４６にも長穴４５
０と同じ長穴４６０が形成されてスライダー４がリヤシ
ート３の左右で共通に使用できなるようになっている。

【００２４】リヤシート３を座席使用範囲Ａ内の所望の
位置にスライドさせると、ロックプレート５０がロック
穴２０に嵌入し、リヤシート３がロックされ、走行中に
リヤシート３が不意に動くことはないので、安心して着
座できる。

【００２５】リヤシート３を他の位置にスライドさせる
場合、操作レバー６４を上方に揺動させると、押下げリ
ンク６１が下方にスライドされて揺動アーム５１を揺動
させ、ロックプレート５０がロック穴２０から引上げら
れてリヤシート３のロックが解除され、リヤシート３を
前後にスライドさせることができる。

【００２６】本実施例のスライダー構造では、スライダ
ー４を第１、第２のスライダー半部４５、４６に２分割
し、これをサポートプレート４７、４８で連結するよう
にしたので、第１、第２のスライダー半部４５、４６は
小さな成形型で成形でき、型費用はそれほど高価にはな
らない。

【００２７】また、スライダー４を２分割タイプとした
ので、スライダー半部４５、４６の対向側縁４５１、４
６１を利用してロックプレート５０のガイド溝を容易に
形成でき、ガイドプレート等は廃止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例によるスライダー構造を備
える自動車用シートを示す概略図である。

【図２】 図１の一部拡大図である。

【図３】 図１の一部分解斜視図である。

【図４】 上記スライダー構造を示す斜視図である。

【図５】 発明が解決しようとする課題を説明するため
の斜視図である。

【符号の説明】 ２…スライドレール ３…リヤシート ４…スライダー ４５…第１スライダー半部 ４５１…ガイド縁 ４６…第２スライダー半部 ４６１…ガイド縁 ５…ロック機構 ５０… ロックプレート ５１…揺動アーム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体前後方向に延びるスライドレールに
   シートをスライダーにてスライド自在に支承してなる自
   動車用シートにおいて、 上記スライダーがスライド方向に対して２分割された第
   １、第２のスライダー半部で構成され、該第１、第２の
   スライダー半部が相互に又は連結部材にて連結されてい
   ることを特徴とする自動車用シートのスライダー構造。
2. 【請求項２】 上記第１、第２のスライダー半部の対向
   側縁にはガイド縁が上下方向に延びて形成され、該ガイ
   ド縁間には所定の間隔が設けられてロック機構のロック
   プレートを上下方向にスライド自在に収納するガイド溝
   となっている請求項１記載の自動車用シートのスライダ
   ー構造。
3. 【請求項３】 上記ロック機構が、第１又は第２のスラ
   イダー半部に略水平方向に延びる揺動アームの略中央を
   揺動自在に、該揺動アームの一端部をロックプレートの
   上端部に揺動自在に各々連結し、揺動アームの他端部の
   上下操作にてロックプレートをロック・アンロック操作
   可能となした請求項２記載の自動車用シートのスライダ
   ー構造。