JPH0719411Y2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、食器洗浄機に改良に関する。

（従来技術） この種の食器洗浄機には、洗浄室を形成する逆Ｕ字状の
外箱を洗浄機本体上に立設し、この外箱の両側に設けた
各開口部を、断面形状が略円弧状の外周板を有しこの円
弧の円周方向に沿って上下方向に回動可能に枢支した扉
により開閉し、この洗浄室の内側に逆Ｕ字状で外箱の開
口部と対応する開口部を有する遮閉箱を外箱と同様に洗
浄機本体上に立設し、この遮閉箱の内側上部に上方噴射
ノズルを設けたものがある。

（考案が解決しようとする課題） ところで、このような構成においては、各扉の外周板上
縁部に沿いそれぞれパッキングを固着するとともに、こ
れら扉の閉成時に各パッキングを外箱の各開口部の上縁
に当接させて、洗浄室内の噴射湯及び外箱の上壁内面か
らの落下水滴が各扉の上縁部と外箱の各開口部の上縁と
の間から外部へ漏れないようにしてある。しかし、各パ
ッキンと外箱の各開口部の上縁との当接のみではシール
性が十分でなく、上述のような噴射湯及び落下水滴の外
部への洩れを十分に防止することは困難であった。ま
た、各パッキンの各扉の上縁部への固着は接着剤による
接着に依存していたため作業性が悪かった。

また各扉の閉成状態において、遮閉箱の上壁と各扉の上
縁部との間には隙間が存在する。このため、遮閉箱の内
側から各開口部を通って各扉に当たって反射した噴射湯
が、食器の洗浄に伴なう汚物等のゴミと共に、前記各隙
間を通り外箱と遮閉箱の各上壁間に回り込み、その結
果、上述のゴミが遮閉箱の上壁上に堆積し不衛生であっ
た。

そこで、本考案は、以上のような問題に対処すべく、こ
の種の食器洗浄機において、洗浄室の上壁内面からの落
下水滴の外部への洩れ、或いは食器の洗浄に伴う汚物等
のゴミを含む噴射湯の洗浄室の上壁と遮閉箱の上壁の間
への回り込みを確実に防止し、またシール部材の取付け
の作業性のよい構造を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） かかる課題の解決にあたり、本考案による食器洗浄機
は、内部に洗浄湯を噴射する噴射ノズルを有し少なくと
も１つの開口部を有する洗浄室と、前記噴射ノズルを包
囲して前記洗浄室内に設けられ前記開口部と対応する開
口部が形成された遮閉箱と、断面形状の少なくとも一部
が円弧状に形成された外周板を有し前記洗浄室の両側壁
の内面に沿って前記円弧のほゞ円周方向に回動可能に設
けられて前記開口部を閉じる閉位置と前記洗浄室と前記
遮閉箱の間に収納される開位置との間で往復回動する扉
を備えた食器洗浄機において、前記洗浄室の開口部の上
縁から内方斜め上向きに伸びて同上縁から上方に伸びる
前記洗浄室の縦壁との間に溝部を形成する傾斜壁部と、
前記外周板の常に前記洗浄室内に位置する内先端部より
半径外方に突出したのち同外周板と略平行に外向きに折
曲して設けられ前記扉の閉位置において前記傾斜壁部の
先端縁の上方に位置してこれを覆う覆い部を備えたこと
を特徴とするものである。

この食器洗浄機は、前記扉の外周板の前記内先端部より
半径内方に突出して設けられ前記扉の閉位置において先
端縁が前記遮閉箱の上壁に弾性的に当接してシールする
柔軟弾性材料よりなるひれ部を更に備えることが好まし
い。

またこの食器洗浄機は、前記覆い部とひれ部を柔軟弾性
材料により一体成形し、この一体成形された覆い部とひ
れ部を前記扉の外周板の前記内先端部に形成した係止部
に挿入固定することが好ましい。

（作用効果） このような構成の本考案によれば、扉の閉成時に、扉の
外周板の内先端部に設けた覆い部が傾斜壁部の先端部を
覆うので、洗浄室の上壁内面から液滴が落下しても、こ
の液滴は覆い部の上面に沿い溝部内に案内され、洗浄室
内の下部に戻される。従って、この液滴が扉の外周板の
内先端部と洗浄室の開口部との間から外方に洩れること
がない。

また、このような考案において、扉の外周板の内先端部
より半径内方に突出して設けられ、扉の閉位置において
先端縁が遮閉箱の上壁に弾性的に当接してシールする柔
軟弾性材料よりなるひれ部を更に設ければ、噴射ノズル
から遮閉箱の開口部を通り遮閉箱の上壁の上方へ回り込
む洗浄湯がひれ部により遮断される。従って、遮閉箱の
上壁上にゴミ等が堆積することなく衛生に保てる。

また、このような考案において、覆い部とひれ部を柔軟
弾性材料により一体成形し、この一体成形された覆い部
とひれ部を扉の外周板の内先端部に形成した係止部に挿
入固定すれば、前記各作用効果を達成し得るのは勿論の
こと、シール部材である覆い部及びひれ部の扉への取付
けは係止部への挿入のみでよいので作業性がよくなる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面により説明すると、第１
図〜第３図は本考案に係る食器洗浄機の全体構成を示し
ている。食器洗浄機は、第２図及び第３図に示すごと
く、洗浄機本体Ｂ上に洗浄室Ｒを設けて構成されてい
る。洗浄室Ｒは、逆Ｕ字状の外箱10により構成され、こ
の外箱10は、その両側壁11,12を介して洗浄機本体Ｂの
上面に立設されている。

洗浄室Ｒは、第１図〜第４図に示すごとく、外箱10によ
り形成される開口部13,14を有し、この開口部13,14は一
対の扉20,30により開閉される。これら各扉20,30は、上
下の各半部がそれぞれ円弧状及び直線状に形成された断
面形状の外周板23,33と、その両側縁から内方に延びる
一対の側板21,22,31,32を有している。扉20は、第１図
〜第４図に示すごとく、その両側板21,22が外箱10の両
側壁11,12の内面に沿うように開口部13を通して外箱10
内に挿入され、一方の側板21に固定した回転軸21aを外
箱10の一方の側壁11の軸穴11aに挿通するとともに、他
方の側板22の軸穴22a内に外箱10の他方の側壁12に固定
した支持軸12aを挿通して、外箱10に上下方向に回動可
能に組み付けられている。回転軸21a及び軸穴22aは扉20
の外周板23上半部の円弧のほゞ中心に位置しており、従
って扉20は外周板23上半部の円弧のほゞ円周方向に沿っ
て回動可能である。同様に、扉30も開口部14を通して外
箱10内に挿入され、軸穴11b及び支持軸12b等を介して、
外周板33上半部の円弧のほゞ円周方向に回動可能に組み
付けられている。これにより、各扉20,30は、開口部13,
14を閉じる閉位置と大部分が洗浄室Ｒ内に収納される開
位置（第２図参照）との間で往復回動される。

次に、各開口部13,14及び各扉20,30の上部の構造につい
て扉30側を例にとって説明すると、第１図及び第５図に
示すごとく、外箱10の開口部14の上縁には内上方に向け
傾斜して延びる傾斜壁部14aが折曲形成され、この上縁
から上方に延びる外箱10の縦壁の間に溝部を形成してい
る。扉30の外周板33の円弧状をなす上部33aは外箱10の
傾斜壁部14aに沿って移動可能である。この外周板33の
上部33aの先端となる内先端部は、開閉にかかわらず常
に洗浄室Ｒ内に位置しており、この内先端部に二叉状の
係止部34が形成されている。この係止部34は、断面クラ
ンク状の板部材34aの基部を外周板33の上部33aの下面に
溶着してなり、この板部材34aと外周板33の先端には互
いに内向きに対向して屈曲された各爪部34b,33bが形成
されている。扉20と開口部14の上部も同様に形成されて
いる。

第１図、第４図及び第５図に示すごとく、係止部34に沿
ってシール部材40が組み付けられている。このシール部
材40は柔軟性ゴム等の柔軟弾性材料よりなる押出成形品
で、その断面形状は、中央帯部41と、その外面より突出
される矢形状突部43と、中央帯部41の上縁から外向きに
Ｌ字状に屈曲されて中央帯部41と共に覆い部42を形成す
る突部と、中央帯部41の下縁から下方に延びて次第に厚
さが減少するひれ部44よりなっている。このシール部材
40は、矢形状突部43を係止部23,34に挿入することによ
り各扉20,30の外周板23,33の各内先端部に抜止め固定さ
れる。第１図及び第５図に示すごとく、扉30により開口
部14を閉じた状態では、覆い部42は開口部14の傾斜壁部
14aの先端縁の上方を覆っている。同様に、扉20に設け
たシール部材50の覆い部52も、閉じた状態では開口部13
の傾斜壁部13a（図示省略）の先端縁の上方を覆ってい
る。

第１図及び第３図に示すごとく、外箱10及び扉20,30の
内側には、逆Ｕ字状の遮閉箱60が洗浄機本体Ｂ上に立設
され、この遮閉箱60の両側には外箱10の開口部13,14と
対応する開口部が形成されている。両扉20,30の閉成さ
れた状態では、遮閉箱60の上壁61の一方の縁部61a（一
方の開口部の上側）の上面には、シール部材40のひれ部
44の下縁が全長にわたり弾性的に接触（第５図参照）し
ており、上壁61の他方の縁部の上面には、シール部材50
にシール部材40と同様に形成したひれ部54の下縁が全長
にわたり弾性的に接触している。遮閉箱60の内側には、
第１図、第２図及び第３図に示すごとく、上下各一対の
噴射ノズル70,80が互いに対向して設けられており、こ
れら各一対の噴射ノズル70,80は、下側に設けた洗浄タ
ンクBa内の湯を図示しない食器に向けて噴射するように
なっている。

洗浄室Ｒの側壁11の上方隅角部には、引張コイルバネ90
の上端部91が係止され、一方その下端部92は、扉20の側
板21の回転軸21aに嵌合キー止めしたアーム93の先端部
にフック95を介して係止されている。これにより、引張
コイルバネ90は、扉20の開動作を助勢する役割を果た
す。なお、アーム93は、扉20の閉成時に、噴射停止用マ
イクロスイッチ94を開いて、噴射ノズル70,80を作動可
能とする。また、扉30のための引張コイルバネ及びアー
ムも、側壁11の反対側に、引張コイルバネ90、アーム93
と同様に組み付けられている。

前述のように、各扉20,30を閉成した状態では、第１図
及び第５図に示すように、各扉20,30は開口部13,14を閉
じると共に、覆い部42,52は開口部13,14の傾斜壁部13a,
14aの先端縁の上方を覆い、閉成した状態では、第２図
に示すように、各扉20,30の取手付近を除く大部分は外
箱10と遮閉箱60の間に収納される。

以上のように構成した本実施例において、両扉20,30を
閉じた状態において、食器洗浄機を洗浄またはすすぎ動
作させて、上下各一対の噴射ノズル70,80から遮閉箱60
内に洗浄湯が噴射されて食器の洗浄またはすすぎを行
う。この状態では、傾斜壁部13a,14aの先端縁の上方は
シール部材50,40の覆い部52,42,により覆われているの
で、外箱10の上壁下面に付着した液滴が落下しても、こ
の液滴は覆い部52,42の上面に沿って外箱10の傾斜壁部1
3a,14a上（即ち溝部内）及び遮閉箱60の上壁に案内され
て洗浄室Ｒ内の下部に戻される。従って、外箱10の上壁
下面から落下した液滴が、傾斜壁部13a,14aと扉20,30の
上部23a,33aとの間から洗浄室Ｒの外方へ洩れることは
ない。

また、この状態では、両シール部材40,50の各ひれ部44,
54が上述のように遮閉箱60の開口部上の上壁61上面に接
触しているので、遮閉箱60両側の開口部を通って噴出し
た洗浄湯が両扉20,30から反射して上方に回り込もうと
しても、この洗浄湯は両ひれ部44,54により確実に阻止
されて外箱10の上壁と遮閉箱60の上壁との間に流入する
ことはない。従って、上述のように回り込もうとする洗
浄湯にゴミが含まれていても、このゴミも同様に各ひれ
部44,54により阻止される。その結果、遮閉箱60の上壁6
1上にゴミが堆積することもなく常に衛生な状態を維持
できる。

また、各シール部材40,50は各扉20,30の二叉状の係止部
24,34に挿入するだけでよいので、作業性がよい。な
お、各シール部材40,50が柔軟性ゴム材料からなるた
め、消音効果を有効に発揮するとともに、他の構成部品
の加工寸法に多少ばらつきがあっても、各シール部材4
0,50の機能に支障をきたすことはなく、品質滴に安定す
る。また、各シール部材40,50は押出成形されているた
め、低コストを維持できる。

なお、本考案の実施にあたっては、覆い部42,52は、柔
軟性ゴム材料のシール部材40,50と一体成形する代わり
に、扉20,30の外周板23,33の内先端部から半径外方に突
出した後外周板23,33と略平行に外向きに折曲して形成
してもよい。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案に係る食器洗浄機の洗浄室の要部破断正
面図、第２図は同食器洗浄機の斜視図、第３図は同断面
図、第４図は外箱と扉の分解斜視図、及び第５図は洗浄
室の要部破断図である。 符号の説明 10……外箱、11,12……側壁、13,14……開口部、14a…
…傾斜壁部、20,30……扉、23,33……外周板、24,34…
…係止部、42,52……覆い部、44,54……ひれ部、60……
遮閉箱、61……上壁、70,80……噴射ノズル、Ｒ……洗
浄室。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に洗浄湯を噴射する噴射ノズルを有し
   少なくとも１つの開口部を有する洗浄室と、前記噴射ノ
   ズルを包囲して前記洗浄室内に設けられ前記開口部と対
   応する開口部が形成された遮閉箱と、断面形状の少なく
   とも一部が円弧状に形成された外周板を有し前記洗浄室
   の両側壁の内面に沿って前記円弧のほゞ円周方向に回動
   可能に設けられて前記開口部を閉じる閉位置と前記洗浄
   室と前記遮閉箱の間に収納される開位置との間で往復回
   動する扉を備えた食器洗浄機において、前記洗浄室の開
   口部の上縁から内方斜め上向きに伸びて同上縁から上方
   に伸びる前記洗浄室の縦壁との間に溝部を形成する傾斜
   壁部と、前記外周板の常に前記洗浄室内に位置する内先
   端部より半径外方に突出したのち同外周板と略平行に外
   向きに折曲して設けられ前記扉の閉位置において前記傾
   斜壁部の先端縁の上方に位置してこれを覆う覆い部を備
   えたことを特徴とする食器洗浄機。
2. 【請求項２】前記扉の外周板の前記内先端部より半径内
   方に突出して設けられ前記扉の閉位置において先端縁が
   前記遮閉箱の上壁に弾性的に当接してシールする柔軟弾
   性材料よりなるひれ部を更に備えてなる請求項１に記載
   の食器洗浄機。
3. 【請求項３】前記覆い部とひれ部を柔軟弾性材料により
   一体成形し、この一体成形された覆い部とひれ部を前記
   扉の外周板の前記内先端部に形成した係止部に挿入固定
   してなる請求項２に記載の食器洗浄機。