JPH0648Y2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ．産業上の利用分野 この考案は、食器洗浄機に関し、特に食器洗浄後のすす
ぎ動作時にすすぎ水の一部で洗浄ノズルを清掃する食器
洗浄機に関するものである。

ｂ．従来の技術 第４図は従来の食器洗浄機の要部断面図であり、すすぎ
水が通るすすぎ配管１には、Ｌ字状のすすぎ管路２が逆
止弁12を介して接続されている。すすぎ管路２の端部に
はすすぎノズル３が回転自在に設けられており、このす
すぎノズル３はすすぎ水をすすぎ噴射穴４から噴射する
時の反作用により回転するようになっている。

すすぎ管路２の外周には洗浄水が通る洗浄管路５がすす
ぎ管路２と一体二重構造として設けられている。洗浄管
路５の一端部にはすすぎノズル３の上方に位置した洗浄
ノズル６が回転自在に設けられており、この洗浄ノズル
６は洗浄水を洗浄噴射穴７から噴射しその時の反作用に
より回転するようになっている。洗浄管路５の他端部に
は洗浄配管８が接続されている。

洗浄管路５には洗浄ノズル６に洗浄水を導くための洗浄
孔９が形成されている。すすぎ管路２にはすすぎノズル
３にすすぎ水を導くためのすすぎ孔10が形成されている
と共に洗浄孔９に対向して連通孔11が形成されており、
この連通孔11を通じてすすぎ管路２と洗浄管路５とを液
体連通している。

すすぎ配管１とすすぎ管路２との間には、洗浄管路５か
らの洗浄水が連通孔11を通ってすすぎ配管１内に逆流入
するのを防ぐ逆止弁12が設けられている。この逆止弁12
のすすぎ管路２側には、弁体である球体13が下流側に流
されるのを防ぐストッパ14が設けられている。ストッパ
14は第５図に示すように平板に扇状の開口部15が形成さ
れたもの、第６図に示すように半円形状の開口部16が形
成されたもの等がある。

従来の食器洗浄機は上記のように構成され、洗浄ポンプ
（図示せず）から圧送された洗剤入りの洗浄水が、洗浄
配管８、洗浄管路５、洗浄孔９を通って洗浄ノズル６内
に入り、洗浄噴射穴７から食器（図示せず）に向けた噴
射される。この時、洗浄水が洗浄噴射穴７から噴射され
るときの反作用により洗浄ノズル６には回転力が付与さ
れ、その結果洗浄ノズル６は洗浄管路５を中心に回転さ
れ、洗浄水は食器全体に噴射される。なお、洗浄水の一
部は、連通孔11、すすぎ管路２を通ってすすぎ配管１内
に逆流入しようとするが、その水圧により球体13が逆止
弁12の弁座17に圧接され、洗浄水のすすぎ配管１内への
流入は阻止される。

上述の主洗浄動作が終了した後、すすぎ水は、すすぎ配
管１、すすぎ管路２、すすぎ孔10を通ってすすぎノズル
３内に入り、すすぎ噴射穴４から食器に向けて噴射さ
れ、食器はすすぎ洗浄される。この時に球体13は、すす
ぎ配管１内を通るすすぎ水によりすすぎ管路２側に押さ
れるが、ストッパ14により阻止され、球体13がすすぎ管
路２内に流入することは阻止されている。

すすぎ水により食器がすすぎ洗浄されている時、すすぎ
水の一部は、連通孔11、洗浄噴射穴７を通って洗浄ノズ
ル６内に流入し、洗浄噴射穴７から噴射される。そし
て、洗剤、汚物等の混入した洗浄ノズル６内の洗浄水の
残液は洗浄噴射穴７から洗い流される。

ｃ．考案が解決しようとする問題点 上記のような従来の食器洗浄機においては、すすぎ洗浄
時、すすぎ配管１内ではすすぎ水の流速が大きく、すす
ぎ水は乱流になっているので、ストッパ14を圧接する球
体13は一箇所の開口部15,16に安定せず、各開口部15,16
間を不規則に運動する結果、次のような問題点があっ
た。

(1).すすぎノズル３へのすすぎ水の供給量は不安定にな
り、すすぎ噴射穴４から噴射されるすすぎ水の噴射性能
は低下し、食器に対するすすぎ効率は低下する。

(2).球体13の衝突音がすすぎ配管１内に共鳴して騒音が
発生する。

(3).球体13の衝突により球体13が損傷したり、変形し、
球体13が逆止弁12の弁体としての役割を果たさなくなる
結果、洗浄時にすすぎ配管１内に洗浄水が逆流入し、す
すぎ水に洗浄水が混入して食器のすすぎ洗浄が満足にで
きなくなると共に洗浄ノズル６への供給量が減少し、食
器に対する洗浄効率が低下する。

この考案は、かかる問題点を解決するためになされたも
ので、高いすすぎ効率、洗浄効率が維持されると共に騒
音の発生しない食器洗浄機を得ることを目的とする。

ｄ．問題点を解決するための手段 この考案に係る食器洗浄機は、すすぎ配管と水を噴射し
その時の反作用により回転するすすぎノズルとの間に設
けられ、すすぎノズルに水を供給するすすぎ管と；洗浄
配管と水を噴射しその時の反作用により回転する洗浄ノ
ズルとの間に前記すすぎ管路を囲んで設けられている洗
浄管路と；前記すすぎ管路に形成され、すすぎ管路内と
洗浄管路内とを液体連通する連通孔と；この連通孔の上
流側に設けられ、前記洗浄管路からの水が連通孔を通っ
て上流側に逆流するのを防ぐ逆止弁と；この逆止弁の下
流側に設けられ、逆止弁の弁体が下流側に流されるのを
防ぐと共に弁体を保持するストッパとを備え、このスト
ッパ21の外周部には半径中心方向に指向し先端部が下流
側に折曲された舌片22が複数個所定間隔を置いて設けら
れているものである。

ｅ．作用 この考案においては、水がすすぎ配管、すすぎ管路を通
ってすすぎノズ内に入り、そこから食器に向けて噴射さ
れる時、弁体は、下流側に流されることをストッパによ
り阻止されると共にストッパに保持される。

ｆ．実施例 以下、この考案の実施例を図について説明する。第１図
ないし第３図はこの考案の一実施例を示すもので、第４
図ないし第６図と同一または相当部分は同一符号を付
し、その説明は省略する。

図において、逆止弁20の下流側には球体13が下流側に流
されるのを防ぐためのリング状のストッパ21が設けられ
ている。ストッパ21の外周部には半径中心方向に指向し
先端部が下流側に折曲された舌片22が複数箇所定間隔を
置いて設けられている。そして、すすぎ洗浄時、球体13
はすすぎ水の水圧によりストッパ21に圧接されると共に
舌片22により保持されるようになっている。

このように構成された食器洗浄機においては、洗浄ポン
プ（図示せず）から圧送された洗剤入りの洗浄水が、洗
浄配管８、洗浄管路５、洗浄孔９を通って洗浄ノズル６
内に入り、洗浄噴射穴７から食器（図示せず）に向けた
噴射される時には、球体13は連通孔11からすすぎ管路２
内に流入した洗浄水の水圧により逆止弁20の弁座17に圧
接され、洗浄水がすすぎ配管１内に流入することはない
（第１図参照）。

主洗浄動作が終了した後、すすぎ水は、すすぎ配管１、
すすぎ管路２、すすぎ孔10を通ってすすぎノズル３内に
入り、すすぎ噴射穴４から食器に向けて噴射され、食器
はすすぎ洗浄される。この時球体13は、すすぎ配管１内
を通るすすぎ水によりすすぎ管路２側に押されるが、ス
トッパ21によりすすぎ管路２内に流入することが阻止さ
れると共に舌片22によりストッパ21の中心部に移動する
ことなく保持される（第２図参照）。

なお、弁体として球体13について説明したが、勿論この
形状に限定されるものではなく、例えば円柱状のもので
もよい。さらに、ストッパはさい断円錐状のケースの周
壁面に複数個の開口部を形成したものでもよい。

ｇ．考案の効果 以上説明したように、この考案によれば、逆止弁20の弁
体が下流側に流されるのを防ぐと共に弁体を保持するス
トッパ21を逆止弁20の下流側に設けたので、次のような
効果がある。

(1).弁体はストッパ21に確実に保持されるので、すすぎ
ノズルには水が安定して供給され、高い洗浄効率が維持
される。

(2).弁体の移動は規制されるので、弁体の衝突音の発生
が防止されると共に、送液ポンプの負荷変動による無理
な運転が防止され、ポンプを長期にわたって使用するこ
とができる。

(3).弁体の衝突による損傷、変形がなくなる結果、逆止
弁20は長期にわたってその役割を果たすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部断面図、第２図
は第１図の別の使用態様を示す要部断面図、第３図は第
１図のストッパの斜視図、第４図は従来の食器洗浄機の
一例を示す要部断面図、第５図は第４図のストッパの正
面図、第６図は従来のストッパの他の例を示す正面図で
ある。 １・・すすぎ配管 ２・・すすぎ管路 ３・・すすぎノズル ５・・洗浄管路 ６・・洗浄ノズル ８・・洗浄配管 13・・球体 20・・逆止弁 21・・ストッパ なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】すすぎ配管(1)と水を噴射しその時の反作
   用により回転するすすぎノズル(3)との間に設けられ、
   すすぎノズル(3)に水を供給するすすぎ管路(2)と、 洗浄配管(8)と水を噴射しその時の反作用により回転す
   る洗浄ノズル(6)との間に前記すすぎ管路(2)を囲んで設
   けられている洗浄管路(5)と、 前記すすぎ管路(2)に形成され、すすぎ管路(2)内と洗浄
   管路(5)内とを液体連通する連通孔(11)と、 この連通孔(11)の上流側に設けられ、前記洗浄管路(5)
   からの水が連通孔(11)を通って上流側に逆流するのを防
   ぐ逆止弁(20)と、 この逆止弁(20)の下流側に設けられ、逆止弁(20)の弁体
   が下流側に流されるのを防ぐと共に弁体を保持するスト
   ッパ(21)とを備え、 前記ストッパ(21)の外周部には半径中心方向に指向し先
   端部が下流側に折曲された舌片(22)が複数個所定間隔を
   置いて設けられている ことを特徴とする食器洗浄機。
2. 【請求項２】弁体は球体(13)である実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の食器洗浄機。