JPH0718947Y2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は，冷蔵庫箱体の着露防止構造に関するもので
ある。

［従来の技術］ 第５図，第６図は例えば実公昭61-33509号公報に示され
た従来の冷蔵庫であり，図において，（１）は冷蔵庫本
体，（1a）はこの本体（１）の側面を形成する側板であ
り，その前縁（２）は第５図に示すように，一定巾をも
って２度折返して弾性をもたせたフランジ溝（３）を形
成するとともに，このフランジ溝（３）には放熱パイプ
（４）が密着して配設されている。（５）は係合穴で，
フランジ溝（３）に所定間隔で穿設されている。

（６）は底板で，この底板（６）はその下面に圧縮機等
の駆動部（７）や霜取水蒸発皿（８）が収納されるため
階段状に折曲され，その前縁（９）は下方へ直角に折曲
されている。（10）は化粧板で，この化粧板（10）の両
端部（11）は上記前縁（２）の厚さをにげる段部を有す
るとともに，霜取水蒸発皿（８）の取出口（12）が開設
され，さらに，下縁（13）は内方に直角に折曲し，その
端部にねじ取付孔（14）が穿設されている。なお，霜取
水蒸発皿（８）の下面には第６図に示すようにホットパ
イプ（15）が装着されている。

（16）は前金具で，上板部（17），前板部（18）および
下板部（19）とからなり，上板部（17）にはスリット
（20）が切られているとともに，やや下方に上記底板
（６）の受け部（21）がへ字状に形成されている。（2
2）は前板部（18）の側縁に折曲形成した上下のＬ字形
係止部で，上記側板（1a）のフランジ溝（３）にそう入
後，係合孔（５）に嵌入する。（23）はこの前板部（1
8）に穿設したヒンジ取付ねじ孔，（24）（25）はそれ
ぞれ下板部（19）に穿設した後金具取付孔と化粧板取付
孔である。

（26）は後金具で，この後金具（26）はＬ字形アングル
材からなり，水平部（27）と垂直部（28）とからなって
いる。（29）は水平部（27）の先端に穿設した上記前金
具（16）と連結するための連結孔，（30）は底板受部
で，垂直部（28）の途中を内方へ折曲して形成されてい
る。（31）はヒンジ，（32）は内箱，（33）は発泡ポリ
ウレタン，（54）は本体（１）の背面を形成する背板で
ある。

次に動作について説明する。側板（1a），底板（６），
化粧板（10）を結合するには，まず化粧板（10）の端部
（11）を側板（1a）のフランジ溝（３）にそう入し，つ
ぎに，前金具（16）のＬ字形係止部（22）を同様にフラ
ンジ溝（３）に圧入すると係合孔（５）に係合し，弾性
的に結合される。また，スリップ（20）には底板（６）
を圧入し，さらに，前金具（16）と化粧板（10）とをね
じ（図示せず）で固着し，かつ前金具（16）と後金具
（26）とをねじ（図示せず）で固着する。このとき，放
熱パイプ（４）は第６図に示すように，側板（1a）のフ
ランジ溝（３）から後金具（26）に沿って配設されてい
た。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の冷蔵庫は以上のように構成されているので，霜取
水蒸発皿（８）から蒸発した水蒸気が，冷蔵庫内から熱
伝導により，比較的冷やされた底板（６）に接触した場
合，特に空気の対流が悪い時など，底板（６）の下面に
着露現象を生じ，底板（６）あるいは，化粧板（10）や
前金具（16）および後金具（26）の端縁部分に錆が発生
したり，底板（６）等に付着した露が床面に滴下すると
いう課題があった。

この考案は上記のような課題を解消するためになされた
もので，霜取水蒸発皿付近の空気の対流が悪い時でも底
板の下面に着露現象を生じさせず，各板金部品の錆の発
生や，滴下した露によって底面を汚すなどの心配を不要
にできる冷蔵庫を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る冷蔵庫は，側桁に装着した底板を載置す
る補強ブロック，この補強ブロックに放熱パイプを嵌合
する凹部と，この凹部と放熱パイプとに介在する弾性部
材と，この弾性部材を凹部に固着するとともに放熱パイ
プと底板とに接触する熱伝導性テープとを設けたもので
ある。

［作用］ この考案における冷蔵庫は，放熱パイプを補強ブロック
の凹部に位置する様に配設し，補強ブロックの凹部に設
けられた弾性部材の弾性により放熱パイプが熱伝導性テ
ープに確実に接触し，放熱パイプの熱が熱伝導性テープ
を介して底板の下面に伝導されて暖められ，霜取水蒸発
皿からの水蒸気の底板下面への着露現象を防止する。

［実施例］ 以下，この考案の一実施例を図について説明する。第１
図ないし第４図において，従来の技術と同一符号は同
一，又は相当部分を示し，その詳細な説明は省略する。
図において，（1a）は冷蔵庫本体（１）の天面と両側面
を形成する門形状の側板であり，放熱パイプ（４）は第
２図に示す様にフランジ溝（３）内に密着して配設さ
れ，かつ側板（1a）にアルミテープ（34）等で固着され
ている。（35）は発泡ポリスチレン等で成形された補強
ブロックで，断面が略コ字形の側桁（36）に嵌合固定さ
れている。（37）は補強ブロック（35）の前部の側板
（1a）側に凹設した凹部で，クッション性を有する弾性
部材（38）が配設されており，この弾性部材（38）を熱
伝導性が良いアルミテープ等の熱伝導性テープ（39）
で，上面（40）及び側面（41）に貼り付けて固着してい
る。そして，側板（1a）に装着した際は，第３図に示す
様に上記放熱パイプ（４）が凹部（37）に嵌合するよう
に配設されている。

（42）は側桁（36）の前面に形成した前板部で，側縁に
は上記側板（1a）のフランジ溝（３）にそう入する段部
（43）が形成され，かつねじ穴（44）が設けられてい
る。（45）は前桁で，その端部は側板（1a）の前縁
（２）の厚さを逃げる段部（46）を有するとともに，側
桁（36）のねじ穴（44）に対応する位置に穴部（47）を
穿設している。また前桁（45）の前面は，霜取水蒸発皿
（８）の取付口（12）が開設されているとともに，取出
口（12）の上部に内側に屈曲したフランジ部（48）を形
成し，このフランジ部（48）には穴部（49）が設けられ
ている。

（50）は底板で，上記補強ブロック（35）の上面（40）
に載置され，前面には上方に屈曲したフランジ部（51）
を有し，かつ上記穴部（49）に対応するねじ穴部（52）
を有している。（53）は側板（1a）の前縁（２）に設け
られた通し穴である。

次に動作について説明する。組立手順は，まず，放熱パ
イプ（４）が第２図に示されるように，略Ｕ字状に成形
され，側板（1a）にアルミテープ（34）で固定される。
つぎに，凹部（37）にアルミテープ等での熱伝導性テー
プ（39）で弾性部材（38）を取付けた補強ブロック（3
5）を側桁（36）に嵌め込み，側桁（36）及び前桁（4
5）の端部の段部（43）及び段部（46）を側板（1a）の
フランジ溝（３）にそう入し，各々のねじ穴（44）及び
穴部（47）を合せ通し穴（53）からねじ締めすることに
より側板（1a）と側桁（36）及び前桁（45）は固定され
る。

この時，放熱パイプ（４）は第３図に締めすように，補
強ブロック（35）の凹部（37）に嵌合する位置に設けら
れ，アルミテープ等の熱伝導性テープ（39）で取付けら
れたクッション性を持った弾性部材（38）を押圧してい
る。

又，底板（50）は補強ブロック（35）の上面（40）に沿
って取付けられ，前面のフランジ部（51）を前桁（45）
に当接させ，前桁（45）のフランジ部（48）に穿設され
た穴部（49）を介し，底板（50）のねじ穴部（52）にね
じ締めすることにより組立てられる。

［考案の効果］ 以上のように，この考案によれば，側桁に装着した底板
を載置する補強ブロック，この補強ブロックに放熱パイ
プを嵌合する凹部と，この凹部と放熱パイプとに介在す
る弾性部材と，この弾性部材を凹部に固着し，かつ放熱
パイプと底板に接触する熱伝導性テープとを設けて構成
したので，放熱パイプの熱を底板に有効に伝えることが
でき，冷蔵庫内からの熱伝導により底板が冷やされるこ
とを防止できるので，底板下部の霜取水蒸発皿から蒸発
した水蒸気が底板に接触しても着露現象を生じることが
なく，錆等を発生させることのない品質の高いものが得
られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による冷蔵庫の扉を外した
状態を示す斜視図，第２図は第１図の冷蔵庫の要部を示
す分解斜視図，第３図は第１図のIII-III断面図，第４
図は第２図の補強ブロックを一部破断して示す分解斜視
図，第５図は従来の冷蔵庫の要部を示す分解斜視図，第
６図は従来の冷蔵庫を一部破断して示す側断面図であ
る。 （１）は冷蔵庫本体，（1a）は側板，（４）は放熱パイ
プ，（35）は補強ブロック，（36）は側桁，（37）は凹
部，（38）は弾性部材，（39）は熱伝導性テープ，（5
0）は底板である。 なお，図中，同一符号は同一，又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】放熱パイプを配設した冷蔵庫の両側面と天
   面を形成する門形の側板と，冷蔵庫の底部を形成する底
   板と，側板の両端部に取付けられ側桁及び前桁と，背面
   を形成する背板とにて構成する冷蔵庫において，上記側
   桁に装着した上記底板を載置する補強ブロック，この補
   強ブロックに上記放熱パイプを嵌合する凹部と，この凹
   部と放熱パイプとに介在する弾性部材と，この弾性部材
   を凹部に固着し，かつ放熱パイプと底板に接触する熱伝
   導性テープとを設けたことを特徴とする冷蔵庫。