JPS5811Y2 - パッケ−ジ型空気調和機の断熱構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱交換器内に冷水あるいは温水を流して冷房
もしくは暖房またはその両者を行うファンコイルユニッ
トにおける断熱構造の改良に関するもので、効果的な断
熱構造および配管の引き回しの改良によ°す、小形化を
はかるとともに断熱効果の向上をはかることを目的の一
つとするものである。

従来、この種のファンコイルユニットは、一般にユニッ
ト本体の側端に配管引き回しスペ、−スを設け、このス
ペースの反対側面に断熱材を貼り付ける構成が採用され
ていた。

しかしながら、このような構成は、配管スペースが断熱
空間を威すことから断熱材の貼付は作業が容易になると
いう効果を奏する反面、そのスペース分だけ大きな据付
面積を必要とする欠点を有していた。

また、このファンコイルユニットは、特に冷房時の運転
停止後において、送風機等の電気回路は停止しても熱交
換器内を連続して冷水が流れるため、熱交換器周辺の空
気が冷却されて下方に集まり、特に本体の下部通風開口
部材およびその周辺や側面下方、背面下方に露付きを生
じる等の問題があった。

一方、このファンコイルユニットの構成に類似したいわ
ゆるパッケージ型エアコンと称する縦長の空気調和機に
ついて、類似した断熱構造が見られることも考えられる
が、この種の空気調和機は底部に圧縮機を設置している
ことおよび運転停止と同時に冷媒の流れが止まることか
ら、余熱で空気が冷却されてもその冷却度合は小さくま
た圧縮機の熱で加熱されることになり、特に本体底部に
露付きを生じることがないものであった。

そのため、本体の底部にまで断熱構造および露処理構造
は採用されていないのが現状である。

本考案は、このような点に鑑み、完全な露処理構造を具
備したファンコイルユニットを提供するものである。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面を参考に説
明する。

図において、１はファンコイルユニット本体で、その概
略は脚棒２と、この脚棒２に断熱材３を介して取付けら
れた露受皿を兼ねる基板４と、前記脚棒２に取付けられ
る左右両側板５，６と、この左右両側板５，６の上端を
つなぐ天板７と、前記左右側板５，６の背面空間を閉塞
する背板８によって前面が開口した箱状に形成されてい
る。

ここで、前記脚絆２と基板４と左右両側板５，６は第５
図に示す如く、脚絆２に設けられた埋込みボルト９とナ
ツト１０により、断熱材３を介して共締め固定されてい
る。

また脚絆２の下部、基板４の底部、左右両側板５，６お
よび天板７、背板８の内面にはそれぞれ断熱材１１，１
２．１３が貼付けられ、さらに前記ナツト１０の周囲お
よび基板４のコーナ全周と、側板５，６と基板４との接
続部には、それぞれ熱伝達を押えるために断熱材１４，
１５．１６が側板５，６の端部および基板４の端部を被
うように取付けられている。

７は前記左右両側板５，６に取付けられた左右一対の支
持レール８により支持されたファンユニットで、前記レ
ール１８に前方よりねし止めされた固定金具１９により
その抜は止めがされている。

このファンユニット１７は第３図、第４図に示す如く抜
き出して上下方向を逆にすることにより、その送風方向
が逆になるように構成されている。

ここで、前記支持レール１８は第６図に示すように断熱
と防振を兼ねたゴム板１８ ａを介して左右両側板５，
６にねし止めされている。

また前記支持レール８の支持面についても同様断熱と防
振を兼ねたゴム板１８ ｂが接着等の手段によって取付
けられている。

２０は前記ファンユニット１７の下方に位置し、左右両
側板５，６側に前方よりねし止めされた電装パネルで、
前記ファンユニット１７の抜き出し、差し入れに支障が
生じない位置に取付けられている。

２１は前記電装パネル２０に取付けられた操作部で、前
記ファンユニット１７等の諸電気部品の運転および通電
を制御するものである。

２２は前記左右両側板５，６の中央骨枠２３に前方より
ねし止めされた水受皿で、ドレンホース（図示せず）を
介してその排水が基板４側へ行われる。

２４は前記水受皿２２と同様前方より骨枠２３にねし止
めされた熱交換器で、前記水受皿２２の上方に位置し、
その内部には冷水あるいは温水が流れる。

２５は前記水受皿２２の前方よりねし止めされたソケッ
ト取付は金具で、前記熱交換器２４の入口、出口各ソケ
ット（図示せず）が固定されている。

２６は前記左右両側板５．６の゛上方にねし止めされた
上方グリル、２７は前記左右両側板５，６の下方に前面
より後述する化粧板３０に嵌めこまれた下方グリルで、
着脱可能に取付けられている。

２８は前記上方グリル２６と下方グリル２７の間に介在
した化粧用前面パネルで、前記左右両側板５，６に前面
よりねし止めされている。

２９は前記下方グリル２７の内面に支持されたエアーフ
ィルタで、下方グリル２７の上端を手前に引き、上部を
開くことによって上方から抜き出し、差し入れできるよ
うに構成されている。

３０は前記下方グリル２７の下方に配設された化粧板で
、前記左右側板５，６の下方に前方よりねし止めされて
いる。

この化粧板３０は第７図に示す如く下端３０ ａが奥行
方向へ延出する如く折曲形成され、その先端は下方へ延
びている。

３１は前記化粧板３０と基板４の間に配設された前面と
いで、前記基板４の前辺部にねじ３２によってねし止め
されている。

また前記ねじ３２の先端は断熱材１５によって冷気に直
接ふれないように断熱されている。

この前面とい３１は、第７図に示すように芯金３３に断
熱性の高い発泡材３４をモールドすることにより構成さ
れている。

また前記化粧板３０の最下端はこの前面とい３１に当接
して前面とい３１と化粧板３０との間に生じる空間ａか
らの空気の侵入を防止し、さらに前面とい３１の露水を
基板４へ導く如く穴３５が設けられている。

ここでこの前面とい３１は奥行方向へ傾斜する如くねじ
３２によって強く締付けられ、同時に発泡材３４の突起
３６の加圧によってがたつき、ねじ３２のゆるみおよび
空気の洩れが防止されている。

３７は前記背板８の下方に配設された背面といで、その
下端は露水を案内することがら前記基板４上に位置する
如く折曲され、基板４と所定間隔を形成する如く左右側
板５，６にねし止めされている。

ここで、上記左右側板５，６には第５図に示す如くその
内面に断熱材１３が貼付けられ、その端部は側板５，６
の端部を包んでいる。

また前面パネル２８と化粧板３０についても同様に内面
に断熱材３８が貼付けられ、結局側板５，６と天板７と
背板８さらに背面とい３７の各連結においては必ず断熱
材１３．３８を介してねし止めされていることになり、
熱伝達はこのねじ止め部を通してのみとなる。

また支持レール１８と側板５，６の連結についてもその
間にゴム板１８ ａを介在することになり、同様に熱伝
達はそのねじ部のみを通して生じることになる。

上記構成において、冷房および暖房を行う場合は、周知
の如く熱交換器２４内に冷水あるいは温水を通すととも
にファンユニット１７を運転すればよいものである。

この場合、特にその効率をよくするために、冷房時は上
方グリル２６より冷風を吹出し、また暖房時は下方グリ
ル２７より温風を吹出すようにする。

その手段としては、前記ファンユニット１７をその上方
と下方が反転するように操作するものである。

ここで、特に冷房時、冷風がユニット本体１内を流れる
と、本体１の外部との温度差によって露付きを生じよう
とするが、本体１の内面には断断材１１．１２，１３，
１４，１５，１６．３８が貼付けられているため、熱伝
達はほとんどなく、側板５，６の外表面、天板７、背板
８の外表面に露付きが発生することもない。

また万が一部面パネル２８、背板８に露付きが生じたと
しても前面とい３１．背面とい３７によって確実に基板
４にその露が案内されるため、床面へ滴下して床面を汚
すようなこともない。

また基板４に溜った露は周短の如く排水パイプ等によっ
て室外へ排出すればよいものである。

したがって、冷房時において冷房運転が中断した場合等
は、送風は停止するが冷却水が連続して流れていること
から熱交換器２４の周囲の空気が極端に冷却されて下方
て自然流下し、特に基板４を拠点に側板５，６の下端、
背面とい３７、背板８の下端等を冷却する現象が生じる
が、本実施例においては、側板５，６の下端等を断熱材
１１．１２，１３，１４゜１５．１６で被って直接の熱
伝導を防止しているため、露付きが確実に防止できるも
のである。

また、支持レール１８、水受皿２２、熱交換器２４等は
すべてねし止めしているため、耐衝撃に対しても強いも
のである。

従来の如く熱交換器２４の配管引回しのためのスペース
を、熱交換器２４の下部に設けているため、デッドスペ
ースの有効化がはかれ、小型化がはかれるものである。

なお、上記実施例においては、左右両側板５，６および
天板７、背板８をそれぞれ別体構造として各連結部に断
熱材を弁材する構成としたが、各板５゜６．７．８を一
体化してその内面全体にあたって断熱材を貼付けた構成
としても同様の効果が得られるものである。

上記実施例より明らかなように、本考案におけるパッケ
ージ型空気調和機の断熱構造は、空気調和機本体を構成
する左右両側板、天板および背板の各内面に断熱材を設
け、さらに前記本体の底部を構成する基板を断熱材を介
して前記左右両側板の下端にねし止めし、前記左右両側
板側に断熱材を介して支持レールを取付け、この支持レ
ールに防振材を介してファンユニットを取付けるととも
に、前記本体内に、一端が前記支持レールに固定されか
つ他端が前記背板の下方に位置する背面といに固定され
た熱交換器取付部を設け、この熱交換器取付部に、冷水
・温水が流れる熱交換器を取付けたもので、本体内の熱
はほとんどが左右両側板、天板および背板の各内面に設
けた断熱材によって遮断され、また本体内と外部との熱
伝達は支持レール等を固定しているねじのみとなるため
、熱伝達率も低く、これにより左右両側板、天板等の表
面が冷却されることもないため、表面に結露水が発生し
、これが床面へ滴下して床面を汚すこともない等、種々
の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における断熱構造を具備した
パッケージ型空気調和機の正面図、第２図は同空気調和
機の分解斜視図、第３図ａ、ｌ）はそれぞれ同空気調和
機における前面パネルを取外した上吹出状態の正面図お
よび概略断面図、第４図ａ、ｌ）はそれぞれ空気調和機
の前面パネルを取りはずした下吹出し状態の正面図およ
び概略断面図、第５図は同空気調和機の要部断面図、第
６図ａ、ｂはそれぞれ同空気調和機のファンユニットの
取付は状態を示す要部正面図および側面図、第７図ａ、
ｌ）はそれぞれ同空気調和機における化粧板部の断面図
および化粧板の下端正面図である。 １・・・・・・ファンコイルユニット本体、３・・・・
・・断熱材、４・・・・・・基板、５，６・・・・・・
側板、７・・・・・・天板、８・・・・・・背板、１３
・・・・・・断熱材、１７・・・・・・ファンユニット
、１８・・・・・・支持レール、１８ ａ・・・・・・
ゴム板（防振材）、２３・・・・・・骨枠（熱交換器取
付部）、２４・・・・・・熱交換器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気調和機本体を構成する左右両側板、天板および背板
   の各内面に断熱材を設け、さらに前記本体の底部を構成
   する基板を断熱材を介して前記左右両側板の下端にねし
   止めし、前記左右両側板側に断熱材を介して支持レール
   を取付け、この支持レールに防振材を介してファンユニ
   ットを取付けるとともに、前記本体内に、一端が前記支
   持レールに固定されかつ他端が前記背板の下方に位置す
   る背面といに固定された熱交換器取付部を設け、この熱
   交換器取付部に、冷水・温水が流れる熱交換器を取付け
   たパッケージ型空気調和機の断熱構造。