JPH07188550A - ポリアミド系樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物

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JPH07188550A
JPH07188550A JP33065093A JP33065093A JPH07188550A JP H07188550 A JPH07188550 A JP H07188550A JP 33065093 A JP33065093 A JP 33065093A JP 33065093 A JP33065093 A JP 33065093A JP H07188550 A JPH07188550 A JP H07188550A
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JP
Japan
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polyamide resin
resin composition
nylon
component
fiber
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JP33065093A
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English (en)
Inventor
Hajime Morikawa
一 森川
Takio Tasaka
多希雄 田坂
Kenichi Wada
憲一 和田
Ayumi Kakomoto
あゆみ 楮本
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、剛性が高く且つ耐衝撃性及び機械
的強度に優れ、再使用性又は最終処理が容易で、外観の
良好なポリアミド系樹脂組成物を提供することを目的と
する。 【構成】 本発明のポリアミド系樹脂組成物は、(A)
ナイロン6及びナイロン6,6樹脂からなる群より選ば
れる少なくとも1種のポリアミド樹脂、(B)ポリアミ
ド樹脂を構成するジアミン成分及び/又はジカルボン酸
成分が芳香族環を有する化合物である芳香族ポリアミド
樹脂、(C)α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体
で変性されたポリオレフィン樹脂及び(D)アスペクト
比が10以上100以下のセラミック系ウィスカーを含
有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド系樹脂組成
物に関するものである。更に詳しくは、本発明は剛性が
高く且つ耐衝撃性及び機械的強度に優れ、再使用性又は
最終処理が容易で、外観の良好なポリアミド系樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】近年、特に金属部品につ
いて樹脂化が盛んに行なわれている。金属部品を樹脂製
にすることにより、軽量化、防錆化による取扱性の向
上、容易な成形加工性、デザインの自由度向上、各種着
色によるファッション性の向上等の多くの利点が得られ
るため、注目を集めている。
【0003】このような樹脂化部品については、剛性、
靱性、耐熱性等の特性が要求されることから、エンジニ
アリングプラスチック、特にナイロン6樹脂、ナイロン
6,6樹脂を主体とする強化ナイロン樹脂が一般に使用
されている。しかしながら、斯かるナイロン樹脂は大気
中の水分を吸収しやすいため、寸法変化を生じやすい、
機械的性質が劣化しやすい等の欠点を有している。
【0004】斯かる欠点を改良するために、ガラス繊維
等の繊維状補強材を大量に配合したり、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂やエポキシ樹脂を併用することにより
吸湿による機械的性質の改良を図る方法が提案されてい
る(例えば特開平4−146962号公報、特開平4−
173861号公報、特開平5−98153号公報
等)。しかしながら、繊維状補強材を大量に配合する方
法では、外観が低下し、成形品表面の平滑性が劣ると共
に吸湿による物性低下が大きくなるを避け得ない。ま
た、ポリブチレンテレフタレート樹脂やエポキシ樹脂を
併用する方法も、元来相溶性の良くない樹脂を使用して
いるために機械的物性が充分でない。更に、ガラス繊維
で補強された組成物は、再使用のために粉砕等の処理を
行なうに際して粉砕機等を損傷しやすく、また再成形し
たものもガラス繊維の破損により機械的強度の低下が著
しく、加えて焼却処理を行なう際には、ガラス繊維が焼
却炉の壁に付着し、焼却炉を傷めるといった問題もあっ
た。
【0005】一方、吸湿性が低く、機械的強度、特に剛
性に優れたポリアミド樹脂としては、テレフタル酸やイ
ソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、キシリレンジア
ミン等の芳香族ジアミンを共重合させた芳香族ポリアミ
ド樹脂が知られているが、斯かるポリアミド樹脂は耐衝
撃性が低く、金属部品代替用材料として充分に満足でき
る物性を有するものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように吸湿性が低
く、機械的強度、特に剛性に優れ、表面平滑性が良好
で、再使用又は焼却処理が容易なポリアミド系樹脂組成
物が未だ開発されていないのが現状であった。本発明
は、斯かる現状を踏まえ、ナイロン6、ナイロン6,6
等のポリアミド系樹脂の、吸湿による機械的強度、特に
剛性の低下を抑え、且つ、衝撃特性に優れ、表面平滑性
が良好で、リサイクル及び焼却処理の容易な金属代替用
樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、斯かる課
題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、これら課題を
悉く解決し得る極めて優れたポリアミド系樹脂組成物を
見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち、本発明は、(A)ナイロン6及びナ
イロン6,6樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1
種のポリアミド樹脂、(B)ポリアミド樹脂を構成する
ジアミン成分及び/又はジカルボン酸成分が芳香族環を
有する化合物である芳香族ポリアミド樹脂、(C)α,
β−不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリ
オレフィン樹脂及び(D)アスペクト比が10以上10
0以下のセラミック系ウィスカーを含有する繊維強化ポ
リアミド系樹脂組成物に係る。
【0009】本発明の樹脂組成物に配合される(A)成
分としては、ナイロン6及びナイロン6,6樹脂から選
ばれる1種又は2種以上のポリアミド樹脂を用いること
ができる。これらは共に公知の樹脂であり、ε−カプロ
ラクタムを開環重合させたり、ヘキサメチレンジアミン
とアジピン酸とを重縮合させたり、或いはこれらを共重
合させることにより製造される。この重合に際して、少
量の添加剤や、少量の他の共重合成分を含有させてもよ
い。また、本発明で用いられるポリアミド樹脂は、少量
の添加剤や少量の他の共重合成分を含有する市販品であ
ってもよい。斯かるポリアミド樹脂の分子量としては特
に制限はなく、任意のものを使用できるが、JIS K
−6810に従い、98%硫酸中、濃度1%、温度25
℃にて測定した相対粘度が2〜5のものが好ましく使用
できる。
【0010】本発明の樹脂組成物に配合される(B)成
分は、ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分及び/又
はジカルボン酸成分が芳香族環を有する化合物である芳
香族ポリアミド樹脂である。
【0011】ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分が
芳香族環を有する化合物である芳香族ポリアミド樹脂と
しては、例えばナイロンMXD6樹脂を挙げることがで
きる。このものは、メタキシリレンジアミン単独、又は
メタキシリレンジアミン60%以上とパラキシリレンジ
アミン40%以下とのジアミン混合物と、炭素数6〜1
2のα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸、例えばアジピン酸、
セバシン酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸等
との重縮合反応によって合成されるポリアミド樹脂であ
る。斯かるポリアミド樹脂の分子量としては特に制限は
なく、任意のものを使用できるが、JIS K−681
0に従い、98%硫酸中、濃度1%、温度25℃にて測
定した相対粘度が2〜5のものが好ましく使用できる。
【0012】また、本発明の樹脂組成物の(B)成分と
して、変性ナイロン6T樹脂等の、ポリアミド樹脂を構
成するジカルボン酸成分が芳香族環を有する化合物であ
るポリアミド樹脂を用いることもできる。
【0013】変性ナイロン6T樹脂とは、ジカルボン酸
成分として主にテレフタル酸を使用し、ジアミン成分と
して主にヘキサメチレンジアミン成分を使用して重縮合
により得られるポリアミド樹脂をいう。ジカルボン酸成
分としては、テレフタル酸の他にも、イソフタル酸、2
−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフ
ェニルジカルボン酸を使用することができる。これらテ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分が全ジカルボ
ン酸成分(100モル%)中に占める割合は70モル%
を超えないようにするのが望ましい。70モル%を超え
ると、得られる樹脂組成物の物性が低下するので、好ま
しくない。テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分
の全ジカルボン酸成分中の占有率が0〜50%であるの
が特に好ましい。テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分としては、特にイソフタル酸の使用が良好であ
る。更にこれら芳香族ジカルボン酸の一部を、炭素数4
〜20、好ましくは6〜12のアルキレン基を有する脂
肪族ジカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸等で置き換えることもできる。
その際には、全ジカルボン酸成分(100モル%)中に
占める脂肪族ジカルボン酸の割合が70モル%を超えな
いようにするのが望ましい。70モル%を超えると、目
的とするポリアミド系樹脂組成物の強度が低下するため
好ましくない。脂肪族ジカルボン酸の全ジカルボン酸成
分中の占有率を50%以内とするのが特に好ましい。変
性ナイロン6T樹脂中の全ジカルボン酸成分(100モ
ル%)中のテレフタル酸成分の含有率は、30〜100
モル%、好ましくは50〜100モル%とするのがよ
い。
【0014】一方、ジアミン成分としては、ヘキサメチ
レンジアミンの他に、炭素数4〜18、好ましくは6〜
18の脂肪族アルキレンジアミン、例えば、1,4−ジ
アミノブタン、トリメチル−1,6−ジアミノヘキサ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,12−ジアミノド
デカン等の脂肪族ジアミン、又はシクロヘキサメチレン
ジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の炭
素数3〜18、好ましくは6〜18の脂環式ジアミン
を、一部併用して使用することができる。
【0015】本発明で(B)成分として用いられる変性
ナイロン6T樹脂中には、上記の各種成分の他にも少量
の、通常は全量の0〜5モル%までの範囲内で、トリメ
リット酸、ピロメリット酸等の三塩基性以上の多価カル
ボン酸成分を繰り返し単位として含んでいてもよい。
【0016】上記のような芳香族ポリアミドは、濃硫酸
中30℃の温度で測定した極限粘度〔η〕が通常は0.
5〜3.0dl/g、好ましくは0.5〜2.8dl/
g、特に好ましくは0.6〜2.5dl/gの範囲にあ
るものがよい。このような範囲の極限粘度を有する芳香
族ポリアミドを使用することにより、成形性、機械物性
及び耐熱特性が共に優れた組成物を得ることができる。
【0017】本発明で使用される(C)成分は、α,β
−不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたオレフ
ィン系樹脂である。α,β−不飽和カルボン酸又はその
誘導体としては、例えば(a)炭素数3〜12のエチレ
ン性不飽和モノ又はジカルボン酸、(b)炭素数1〜2
9のアルコールと炭素数3〜12のエチレン性不飽和モ
ノ又はジカルボン酸とのエステル、炭素数1〜29のア
ルコールと炭素数3〜12のエチレン性不飽和モノ又は
ジカルボン酸とのモノエステル又はジエステル、(c)
炭素数1〜12のエチレン性不飽和ジカルボン酸の無水
物等を挙げることができる。このようなものの具体例と
しては、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、
エチルアクリレート、アクリル酸及びメタクリル酸等、
及びマレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエス
テル、フマル酸モノエステル、マレイン及びフマル酸の
炭素数29までのアルキルモノエステル、グリシジルメ
タクリレート、グリシジルアクリレート等が挙げられ
る。
【0018】本発明の(C)成分として用いられる変性
オレフィン系重合体とは、上記のようなα,β−不飽和
カルボン酸又はその誘導体が、エチレン、プロピレン、
ブテン等のオレフィン重合体にグラフト重合又はグラフ
ト反応したものである。具体例としては、エチレン/プ
ロピレン/g−無水マレイン酸(gはグラフトを示す。
以下同じ)、エチレン/ブテン/g−無水マレイン酸、
エチレン/メチルアクリレート/メタクリル酸、エチレ
ン/酢酸ビニル/メタクリル酸、エチレン/プロピレン
/1,4−ヘキサジエン/g−無水マレイン酸、エチレ
ン/プロピレン/ノルボルナルジエン/g−無水マレイ
ン酸、エチレン/プロピレン/テトラヒドロインデン/
g−フマル酸、エチレン/グリシジルメタクリレート、
エチレン/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート、エ
チレン/プロピレン/g−テトラヒドロフルフリルメタ
クリレート、エチレン/ブテン/g−テトラフルフリル
メタクリレート、エチレン/プロピレン/g−無水マレ
イン酸/g−テトラヒドロフルフリルメタクリレート、
エチレン/ブテン/g−無水マレイン酸/g−テトラヒ
ドロフルフリルメタクリレート等のグラフト物を挙げる
ことができる。これらの中でオレフィン重合体に無水マ
レイン酸をグラフトさせたものが好ましく、特にエチレ
ンとプロピレン又はブテンとの共重合体に無水マレイン
酸をグラフトさせたものが特に好ましい。
【0019】本発明で使用される(C)成分に用いられ
る変性オレフィン系重合体中のα,β−不飽和カルボン
酸又はその誘導体の量は、特に制限されるものではない
が、オレフィン重合体に対して0.01〜1重量%の範
囲とするのが好ましい。
【0020】本発明で使用される(D)成分は、アスペ
クト比が10以上100以下のセラミック系ウィスカー
である。このようなセラミック系ウィスカーとしては、
例えば、チタン酸アルカリ金属ウィスカー、ホウ酸アル
ミニウムウィスカー、ピロホウ酸マグネシウムウィスカ
ー、酸化チタンウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、ウォ
ラストナイト、ゾノトライト等を挙げることができる。
中でも、特に補強性能、価格等よりチタン酸カリウムウ
ィスカーが好ましい。これらのセラミック系ウィスカー
は、単独で、又は2種以上を同時に配合して用いること
ができる。
【0021】本発明で使用することのできるチタン酸カ
リウムウィスカーとは、一般式K2O・nTiO2 (式
中nは2〜8の整数を示す)で示される単結晶ウィスカ
ーであり、中でもn=6の六チタン酸カリウムウィスカ
ー又はn=8の八チタン酸カリウムウィスカーであっ
て、平均繊維径0.2〜0.5μm、平均繊維長5μm
以上のものが補強効果の観点から好ましい。ここで、チ
タン酸カリウムウィスカーの平均繊維径、平均繊維長及
びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡により少なくとも
視野数5以上で、且つ1視野当り少なくとも10繊維以
上のウィスカーについて測定した結果によるものであ
る。これらのチタン酸カリウムウィスカーは単独で、も
しくは2種以上を同時に、又は他のセラミック系ウィウ
カーと併用して用いることができる。
【0022】上記のチタン酸カリウムウィスカーを本発
明の樹脂組成物100重量部中に15〜50重量部配合
することにより、機械的強度、剛性、熱変形温度等の耐
熱性を大幅に向上できるうえ、非常にミクロなため、従
来使用されていたガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物
等に比べて表面平滑性等の外観及び成形加工性を大幅に
改良することができる。
【0023】更に、これらのセラミック系ウィスカーの
うち好ましいものとしては、融点又は分解点が800℃
以上、モース硬度4〜6であるものがよい。この条件を
満たすものは、一旦樹脂に練り込んだウィスカーが、再
利用時の粉砕処理時にも殆ど破損されることがないため
再生品の物性低下を抑えることができ、更には、焼却処
理を行なう際にも、焼却時にウィスカーが溶融を起こす
ことなくもとの形状のまま回収可能なため、焼却炉を傷
めることがない等、従来の強化材には見られなかった顕
著な効果が得られるためである。例えば、従来用いられ
ていたガラス繊維で強化されたポリアミド系樹脂組成物
の場合、再利用のために粉砕する際にガラス繊維の折れ
に伴う強度低下が著しく、また焼却処理時にガラス繊維
の溶融、付着等により焼却炉内壁の損傷の大きな原因と
なっていた。こうした観点から、特に好ましいものの例
としては、融点1300〜1350℃、モース硬度4程
度の6又は8チタン酸カリウムウィスカーを挙げること
ができる。
【0024】次に本発明の樹脂組成物における各成分の
配合割合について説明する。(A)+(B)+(C)/
(A)+(B)+(C)+(D)は50〜85重量%と
するのがよい。50重量%未満では、セラミックウィス
カーを破損することなく樹脂中に練り込むことが困難に
なり、85重量%を超えると金属の代替材料として用い
る際の機械的強度が充分でなくなる傾向が生ずるので、
いずれも好ましくない。
【0025】(A)/(A)+(B)+(C)は、20
〜80重量%、好ましくは45〜80重量%とするのが
よい。(A)成分が20重量%未満の場合、(A)成分
が(B)成分の成形加工性を向上させ、且つ機械物性と
のバランスをとる(強度と柔軟性を併せ持たせる)働き
を低下させるので好ましくない。一方、80重量%を超
えると、吸湿性が大きくなり、吸湿時の物性低下、寸法
変化が大きくなるため好ましくない。
【0026】(B)/(A)+(B)+(C)は、15
〜70重量%、好ましくは15〜60重量%の範囲とす
るのがよい。(B)成分が15重量%未満では、吸湿時
の物性低下、寸法変化が大きくなるので好ましくない。
また、70重量%を超えると、剛性は高まるものの脆さ
が顕れ、成形を困難にするため好ましくない。
【0027】(C)/(A)+(B)+(C)は、5〜
20重量%、好ましくは5〜15重量%とするのがよ
い。(C)成分が5重量%未満では、耐衝撃性が不足
し、また、20重量%を超えると、特に曲げ強度及び剛
性が不足するため、いずれの場合も好ましくない。
【0028】本発明で使用される上記(A)〜(D)成
分の配合に当っては、従来公知の各種方法を利用でき
る。例えば、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、
ロールニーダー、エクストルーダー等を使用して各成分
を混合することができる。特に、エクストルーダーを用
いて樹脂温度260〜320℃で溶融混練する方法がよ
り好ましい。また、混合の順序としては、特に制限はな
いが、好ましい方法としては、(1)(A)成分、
(B)成分及び(C)成分を混練後、成分(D)を混練
する方法、(2)(A)成分及び(C)成分を混練後、
(B)成分を混練し、更に(D)成分を混練する方法、
(3)(A)成分及び(C)成分を混練後、(B)成分
に(D)成分を混練したものを、更に混練する方法、
(4)(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)
成分を一括して同時に混練する方法等を挙げることがで
きる。
【0029】また、全部を溶融混練せず、ペレットブレ
ンドにより混合する方法として、(5)(A)成分及び
(C)成分を混練後、更に(D)成分を混練したもの
と、(B)成分と(D)成分とを混練したものをペレッ
トブレンドして加工に供する方法、(6)(A)成分及
び(C)成分を混練したものと、(A)成分及び(D)
成分を混練したものと、(B)成分及び(D)成分を混
練したものをペレットブレンドして加工に供する方法も
採用できる。
【0030】本発明においては、上記の成分以外に各種
添加剤を更に配合してもよい。例えば、エポキシ化合物
等の加水分解防止剤、パラフィンワックス、脂肪酸エス
テル等の滑剤、ヒンダードフェノール、リン酸エステル
や亜リン酸エステル等の酸化防止剤、トリアジン系化合
物等の耐候性改良剤、銅系の耐熱性改良剤、各種顔料や
染料等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、シリカ、アルミ
ナ、シリカ−アルミナ系粘土鉱物、ケイ酸カルシウム、
炭酸カルシウム等の充填剤等を添加してもよい。また、
本発明の樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない
範囲で他の樹脂材料を配合することもできる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、吸湿による機械的強
度、特に剛性の低下を抑え、且つ衝撃特性に優れ、表面
平滑性が良好で、リサイクル及び焼却処理の容易な金属
代替用の、ポリアミド系樹脂組成物を得ることができ
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにするが、これらはあくまでも一実施例に過ぎず、こ
れらの実施例により本発明がなんら限定されるものでは
ない。
【0033】実施例1〜4及び比較例1〜4 市販のナイロン6樹脂(三菱化成株式会社製、ノバミッ
ド1013;ηrel:2.8)、ナイロンMXD6樹
脂(三菱ガス化学株式会社製、レニー6000;ηre
l:2.1)及びマレイン酸変性エチレン−プロピレン
共重合体(EPR)(三井石油化学工業株式会社製、N
タフマーMPO610)を表1に示す割合にてそれぞれ
タンブラーミキサーにて混合して、PCM45−30二
軸押出機(株式会社池貝製)のメインホッパーに仕込
み、一方、8−チタン酸カリウムウィスカー(大塚化学
株式会社製、ティスモ D−101;平均繊維径0.4
μm、平均繊維長14μm、アスペクト比35)、又は
ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製、ECS03T−
24;繊維径12μm、繊維長3mm、アスペクト比2
50)をサイドホッパーに仕込んで、樹脂温度260
(ナイロン6の場合)〜290℃(ナイロンMXD6の
場合)の範囲で溶融混練してペレットを作成し、110
℃で5〜6時間乾燥後、型締力75tの射出成形機にて
試験片を成形した。
【0034】得られた試験片を用いて、引張り強度、曲
げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値、表面平滑性等
の各種物性を次の試験方法にて測定した。
【0035】(試験法) 引張り強度:JIS K7113に準じて測定 曲げ強度及び曲げ弾性率:JIS K7203に準じて
測定 アイゾット衝撃値:JIS K7110に準じて測定 表面平滑値:60×90×3mmの平板を用い、JIS
B−0601に準じて触針式表面粗さ計(東京精密株
式会社製、サーフコム300B)にて表面粗さを測定
し、中心平均粗さRaを求めた。
【0036】吸湿時の曲げ強度及び曲げ弾性率は、23
℃±2℃、相対湿度65%の室内に30日間放置後の測
定値を示した。
【0037】リサイクル後の物性は、上記試験片を粉砕
機で粉砕後、粉砕物のみを使用して(100%サイク
ル)110℃で5〜6時間乾燥後射出成形して試験片を
成形し、絶乾時の曲げ強度を測定した。曲げ強度保持率
が95%以上を○、95〜90%を△、90%以下を×
と判定した。
【0038】焼却時の付着性は、磁製ルツボにペレット
を20gとり、まず電熱器で2〜3時間加熱分解後、8
00℃に設定した電気炉中に3時間放置後取り出し、強
化繊維がメルトしてルツボ壁に付着していないものを
○、メルトしてルツボ壁に付着宇しているものを×とし
た。
【0039】評価結果をまとめて、表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1より、実施例1〜4の試験片は、比較
例1の試験片と比べて、吸湿時の曲げ強度が80%以
上、曲げ弾性率が90%以上あるのに対し、比較例1の
試験片では74%、75%程度と低く、これらからナイ
ロン6とナイロンMXD6のブレンド効果が明らかであ
る。
【0042】また、実施例1〜4の試験片と比較例1や
比較例2の試験片とを対比すると、マレイン酸変性EP
Rを樹脂成分の5〜20重量%添加することによりアイ
ゾット衝撃値が大幅に向上し、比較例4の試験片(ガラ
ス繊維強化品)並みに向上することが明らかである。
【0043】また、実施例1〜4の試験片と比較例4の
試験片とを対比すると、8−チタン酸カリウム繊維を1
5〜50重量部配合したものは、表面平滑性及び外観が
良好であり、リサイクル性及び焼却時に炉を傷めない点
が従来のガラス繊維強化品に比べて優れていることが明
らかである。
【0044】実施例5〜8及び比較例5〜7 ナイロン6樹脂(ノバミッド1013)、ナイロン6,
6(I.C.I社製、マラニールA127、ηrel:
2.7)、変性ナイロン6T樹脂(三井石油化学工業株
式会社製、アーレンS3000)及びマレイン酸変性E
PR(NタクマーMPO610)を使用し、また強化繊
維として8−チタン酸カリウムウィスカー(TISMO
D−101)、ホウ酸アルミニウムウィスカー(四国
化成工業株式会社製、アルボレックスYS3;平均繊維
径0.8μm、平均繊維長17μm、アスペクト比2
1)又はガラス繊維(ECS 03T−24)を使用
し、それぞれ表2に示す配合条件にて、樹脂温度330
〜350℃にて溶融混練してペレットを作成後、実施例
1〜4及び比較例1〜4と同様の測定を行なった。評価
結果をまとめて表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例5及び実施例8の試験片と比較例5
及び比較例6の試験片との対比から、ナイロン6、変性
ナイロン6,6及びマレイン酸変性EPRを併用する
と、絶乾時強度をそれほど低下させずに、吸湿時の物性
保持率を高め、しかもアイゾット衝撃値を大幅に向上し
得ることが明らかである。
【0047】また実施例6から、ナイロン6に代えて、
ナイロン6,6も使用可能であることがわかる。更に実
施例7から、8−チタン酸カリウムウィスカーに代え
て、ホウ酸アルミニウムウィウカーも使用可能であるこ
とがわかり、これらの結果から当業者であれば、ピロホ
ウ酸マグネシウムウィスカー、酸化チタンウィスカー、
酸化亜鉛ウィスカー、ウォラストナイト、ゾノトライト
等の他のセラミック系ウィスカーを用いても本発明の効
果を享受できることがわかる。また実施例8から強化繊
維成分の20重量%程度まではガラス繊維を併用して
も、リサイクル性及び焼却時の付着性に大きな悪影響を
及ぼさないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楮本 あゆみ 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ナイロン6及びナイロン6,6樹
    脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアミド
    樹脂、(B)ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分及
    び/又はジカルボン酸成分が芳香族環を有する化合物で
    ある芳香族ポリアミド樹脂、(C)α,β−不飽和カル
    ボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
    及び(D)アスペクト比が10以上100以下のセラミ
    ック系ウィスカーを含有する繊維強化ポリアミド系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の繊維強化ポリアミド系
    樹脂組成物であって、配合組成が(A)+(B)+
    (C)/(A)+(B)+(C)+(D)=50〜85
    重量%であり、(A)/(A)+(B)+(C)=20
    〜80重量%であり、(B)/(A)+(B)+(C)
    =15〜70重量%であり、且つ(C)/(A)+
    (B)+(C)=5〜20重量%である繊維強化ポリア
    ミド系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の繊維強化ポリアミド系
    樹脂組成物であって、(B)成分がナイロンMXD6又
    は変性ナイロン6Tである繊維強化ポリアミド系樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の繊維強化ポリアミド系
    樹脂組成物であって、(D)成分の融点又は分解点が8
    00℃以上であり、且つモース硬度が4〜6である繊維
    強化ポリアミド系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の繊維強化ポリアミド系
    樹脂組成物であって、(D)成分がチタン酸カリウムウ
    ィスカーであり、且つ該チタン酸カリウムウィスカーの
    平均繊維径が0.2〜0.5μm、平均繊維長が5μm
    以上である、六チタン酸カリウムウィスカー又は八チタ
    ン酸カリウムウィスカーである繊維強化ポリアミド系樹
    脂組成物。
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