JPH07188328A - 重合体と水の分離方法 - Google Patents
重合体と水の分離方法Info
- Publication number
- JPH07188328A JPH07188328A JP32944293A JP32944293A JPH07188328A JP H07188328 A JPH07188328 A JP H07188328A JP 32944293 A JP32944293 A JP 32944293A JP 32944293 A JP32944293 A JP 32944293A JP H07188328 A JPH07188328 A JP H07188328A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- water
- surfactant
- added
- aqueous medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 重合体及び水性媒体を含む混合物に脱水助剤
として十分な量の界面活性剤(水溶性高分子は除く)を添
加した後、脱水することを特徴とする重合体と水の分離
方法。 【効果】 界面活性剤の添加なしに分離する従来の分離
方法に比べ飛躍的に付着水分量を減少することができ
る。この方法を採用することにより、製品の特性に水分
が悪影響を及ぼす場合に、品質の向上に効果が得らレ
る。また、付着水分量が多く乾燥工程をとっている場合
に乾燥工程を省略することができる、従来以上に付着水
分量を減少する場合に必要となる高性能遠心分離機の設
置投資、遠心分離時間の延長を防ぐことができる等の効
果が得られる。
として十分な量の界面活性剤(水溶性高分子は除く)を添
加した後、脱水することを特徴とする重合体と水の分離
方法。 【効果】 界面活性剤の添加なしに分離する従来の分離
方法に比べ飛躍的に付着水分量を減少することができ
る。この方法を採用することにより、製品の特性に水分
が悪影響を及ぼす場合に、品質の向上に効果が得らレ
る。また、付着水分量が多く乾燥工程をとっている場合
に乾燥工程を省略することができる、従来以上に付着水
分量を減少する場合に必要となる高性能遠心分離機の設
置投資、遠心分離時間の延長を防ぐことができる等の効
果が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体と水の分離方法
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、懸濁重合後及び乳化重合ラテック
ス塩析後の重合体と水の混合物の分離は、沈降及び濾過
現象を利用して行っている。沈降による分離は、重合体
及び水の比重差を利用して各成分を分離後、水性媒体の
み除去する方法であり、重合体と水の比重比が大きいほ
ど容易で重合体の粒子径が微細であっても可能である。
濾過による分離は、多孔性の濾過膜を使用して水性媒体
を除去する方法であり、重合体の粒子径により利用に制
限があるが重合体と水の比重差に関係なく可能である。
ス塩析後の重合体と水の混合物の分離は、沈降及び濾過
現象を利用して行っている。沈降による分離は、重合体
及び水の比重差を利用して各成分を分離後、水性媒体の
み除去する方法であり、重合体と水の比重比が大きいほ
ど容易で重合体の粒子径が微細であっても可能である。
濾過による分離は、多孔性の濾過膜を使用して水性媒体
を除去する方法であり、重合体の粒子径により利用に制
限があるが重合体と水の比重差に関係なく可能である。
【0003】沈降による分離方法と濾過による分離方法
は、重合体と水性媒体の混合物の性状等により適宜使い
分けが行われている。これらの分離方法では、脱水時間
を短縮し水性媒体の付着量を減少するため遠心分離機を
使用することも多い。沈降による脱水に使用される遠心
分離機は、装置内に付属したスクリュウコンベアーで重
合体を水性媒体中から搬送する構造となっており、重合
体が水性媒体外に移送された時点で重合体に付着してい
た水分は遠心力により重合体から除外され脱水はより完
全となる。濾過による脱水を遠心分離機で行う場合に
は、水性媒体は遠心力で絶えず、重合体から排除され、
濾過膜を通して外部に除去される。
は、重合体と水性媒体の混合物の性状等により適宜使い
分けが行われている。これらの分離方法では、脱水時間
を短縮し水性媒体の付着量を減少するため遠心分離機を
使用することも多い。沈降による脱水に使用される遠心
分離機は、装置内に付属したスクリュウコンベアーで重
合体を水性媒体中から搬送する構造となっており、重合
体が水性媒体外に移送された時点で重合体に付着してい
た水分は遠心力により重合体から除外され脱水はより完
全となる。濾過による脱水を遠心分離機で行う場合に
は、水性媒体は遠心力で絶えず、重合体から排除され、
濾過膜を通して外部に除去される。
【0004】重合体への水性媒体の付着量が多いと、重
合体を製品として利用する場合に残存した水性媒体が製
品の品質を低下させるため乾燥工程が必要となったり、
重合体が懸濁重合で製造した樹脂粒子であり脱水後に気
流移送して篩で所望の粒子径の粒子のみ回収する場合に
は移送不良や篩分け不良を生じるため、脱水はできるだ
け十分に行う必要がある。従来、脱水をより完全にする
ため、遠心分離の回転数を上げて遠心力を増大させる、
または遠心分離時間を延長する等の方法を採用してい
た。
合体を製品として利用する場合に残存した水性媒体が製
品の品質を低下させるため乾燥工程が必要となったり、
重合体が懸濁重合で製造した樹脂粒子であり脱水後に気
流移送して篩で所望の粒子径の粒子のみ回収する場合に
は移送不良や篩分け不良を生じるため、脱水はできるだ
け十分に行う必要がある。従来、脱水をより完全にする
ため、遠心分離の回転数を上げて遠心力を増大させる、
または遠心分離時間を延長する等の方法を採用してい
た。
【0005】しかし、遠心分離の回転数を上げて遠心力
を増大させる方法では重合体と水性媒体の化学的親和性
が大きく脱水に極めて大きな遠心力を必要とする場合に
汎用の遠心分離機では能力不足で不十分な効果しか得ら
れなかったり、遠心力を増大させることにより重合体に
大きな負荷がかかり粒子に亀裂を生じて商品価値を損う
問題点があった。
を増大させる方法では重合体と水性媒体の化学的親和性
が大きく脱水に極めて大きな遠心力を必要とする場合に
汎用の遠心分離機では能力不足で不十分な効果しか得ら
れなかったり、遠心力を増大させることにより重合体に
大きな負荷がかかり粒子に亀裂を生じて商品価値を損う
問題点があった。
【0006】また、遠心分離時間を延長する方法では、
延長により水性媒体の付着量は減少するものの目標とす
る付着量には到達できなかったり、到達しても分離時間
が大幅に延長され生産効率を著しく低下させる問題点が
あった。
延長により水性媒体の付着量は減少するものの目標とす
る付着量には到達できなかったり、到達しても分離時間
が大幅に延長され生産効率を著しく低下させる問題点が
あった。
【0007】また、既存の分離装置を使用し分離条件を
変更することなく脱水性を向上させる方法としては、特
開平3−6205号公報に示されるように、重合体及び
水性媒体中に界面活性高分子を添加し脱水する方法があ
る。この方法は、ポリエチエレングルコールの脂肪酸ジ
エステル、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの
ホモポリマー、11〜15個の炭素鎖長のアルコールと
1.5モル倍のエピクロルヒドリンを反応させトリメチ
ルアミンで第四級化した反応生成物等の界面活性高分子
を0.001%から0.03%程度添加して脱水する方
法であるが、脱水した重合体に付着している水分量を1
〜25%減量できる程度に留まり、その後に実施される
乾燥工程等を省略して大きく生産効率を向上するには十
分な効果とはいえない。
変更することなく脱水性を向上させる方法としては、特
開平3−6205号公報に示されるように、重合体及び
水性媒体中に界面活性高分子を添加し脱水する方法があ
る。この方法は、ポリエチエレングルコールの脂肪酸ジ
エステル、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの
ホモポリマー、11〜15個の炭素鎖長のアルコールと
1.5モル倍のエピクロルヒドリンを反応させトリメチ
ルアミンで第四級化した反応生成物等の界面活性高分子
を0.001%から0.03%程度添加して脱水する方
法であるが、脱水した重合体に付着している水分量を1
〜25%減量できる程度に留まり、その後に実施される
乾燥工程等を省略して大きく生産効率を向上するには十
分な効果とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合体及び
水性媒体を含む混合物からの重合体の分離及び脱水を効
率良く行う方法を提供するものである。
水性媒体を含む混合物からの重合体の分離及び脱水を効
率良く行う方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における重合体と
水の分離方法は、重合体及び水性媒体を含む混合物に脱
水助剤として界面活性剤を添加した後脱水することを特
徴とするものである。
水の分離方法は、重合体及び水性媒体を含む混合物に脱
水助剤として界面活性剤を添加した後脱水することを特
徴とするものである。
【0010】前記の混合物は、重合体と水の混合物であ
れば、特に制限はないが、懸濁重合によって得られるも
の、乳化重合によって得られるもの、乳化重合後の塩析
物等がある。ポリビニルアルコールを分散剤又は分散助
剤として使用して懸濁重合した重合体は、脱水性が悪く
付着水分が多くなるため、これに、本発明の方法を採用
することは特に効果的である。
れば、特に制限はないが、懸濁重合によって得られるも
の、乳化重合によって得られるもの、乳化重合後の塩析
物等がある。ポリビニルアルコールを分散剤又は分散助
剤として使用して懸濁重合した重合体は、脱水性が悪く
付着水分が多くなるため、これに、本発明の方法を採用
することは特に効果的である。
【0011】前記の重合体の種類は、ポリスチレン系重
合体、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アル
キル、ポリ塩化ビニル等水性媒体中での懸濁重合で製造
できるもの、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、A
S樹脂等乳化重合で製造できるものなどがある。重合体
の大きさは、特に制限はない。
合体、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アル
キル、ポリ塩化ビニル等水性媒体中での懸濁重合で製造
できるもの、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、A
S樹脂等乳化重合で製造できるものなどがある。重合体
の大きさは、特に制限はない。
【0012】界面活性剤は、固形状または液状いずれか
の状態で添加してもよいが、固形状のものは界面活性剤
が完全に溶解した水溶液として添加した方が未溶解の界
面活性剤が残らず効果も早く発現するため好ましい。
の状態で添加してもよいが、固形状のものは界面活性剤
が完全に溶解した水溶液として添加した方が未溶解の界
面活性剤が残らず効果も早く発現するため好ましい。
【0013】乳化重合体の塩析物の脱水では、塩析後の
スリラーの水性媒体中に塩析剤が残存しており界面活性
剤を添加しても一部または全量が変質してその効果がな
くなる場合には、水性媒体を排水した後適当な回数水洗
してから本方法を採用することが好ましい。
スリラーの水性媒体中に塩析剤が残存しており界面活性
剤を添加しても一部または全量が変質してその効果がな
くなる場合には、水性媒体を排水した後適当な回数水洗
してから本方法を採用することが好ましい。
【0014】脱水方法として沈降及び濾過現象を利用し
た方法等が挙げられるが、遠心力を利用する遠心分離機
を使用した方が脱水時間を短縮し付着水分量を減少でき
るため好ましい。遠心分離機としては、遠心沈降機、遠
心濾過機等がある。
た方法等が挙げられるが、遠心力を利用する遠心分離機
を使用した方が脱水時間を短縮し付着水分量を減少でき
るため好ましい。遠心分離機としては、遠心沈降機、遠
心濾過機等がある。
【0015】本発明の方法で使用する界面活性剤は、ポ
リビニルアルコール等の水溶性高分子以外のものであれ
ば特に制限はない。ポリビニルアルコール等の水溶性高
分子を使用した場合にはかえって脱水性は低下し、脱水
した重合体の付着水分量は増加する。
リビニルアルコール等の水溶性高分子以外のものであれ
ば特に制限はない。ポリビニルアルコール等の水溶性高
分子を使用した場合にはかえって脱水性は低下し、脱水
した重合体の付着水分量は増加する。
【0016】使用できる界面活性剤は陰イオン性、陽イ
オン性、非イオン性界面活性剤のいずれでもよく、例え
ばネオペレックスNo25(花王製、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ハード型)、アバネルS−30
(日本油脂製、直鎖アルキルエーテルスルホン酸ナトリ
ウム、平均分子量420)、アバネルS−70(日本油
脂製、直鎖アルキルエーテルスルホン酸ナトリウム、平
均分子量600)、トラックスH−45(日本油脂
製)、パーソフトSF(日本油脂製、アルキルサルフェ
ートのナトリウム塩)、パーソフトSF−T(日本油脂
製、アルキルエーテルサルフェートのTEA塩)、ラピ
ゾールB−80(日本油脂製、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム)、サニゾールB−50(花王製、アルキ
ルベンジルジメチルアンモニウムクロライド)、ユニセ
ーフA−LM(日本油脂製、ポリアルキレングリコール
誘導体)、ノニオンNS−210(日本油脂製ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)が挙げられる。ア
バネルS−30,アバネルS−70、ノニオンNS−2
10が特に好ましい。
オン性、非イオン性界面活性剤のいずれでもよく、例え
ばネオペレックスNo25(花王製、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ハード型)、アバネルS−30
(日本油脂製、直鎖アルキルエーテルスルホン酸ナトリ
ウム、平均分子量420)、アバネルS−70(日本油
脂製、直鎖アルキルエーテルスルホン酸ナトリウム、平
均分子量600)、トラックスH−45(日本油脂
製)、パーソフトSF(日本油脂製、アルキルサルフェ
ートのナトリウム塩)、パーソフトSF−T(日本油脂
製、アルキルエーテルサルフェートのTEA塩)、ラピ
ゾールB−80(日本油脂製、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム)、サニゾールB−50(花王製、アルキ
ルベンジルジメチルアンモニウムクロライド)、ユニセ
ーフA−LM(日本油脂製、ポリアルキレングリコール
誘導体)、ノニオンNS−210(日本油脂製ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)が挙げられる。ア
バネルS−30,アバネルS−70、ノニオンNS−2
10が特に好ましい。
【0017】使用される界面活性剤の量は、本発明の効
果を得るのに充分な量であるが、水性媒体に対する界面
活性剤の濃度で0.01〜10重量%が好ましい。界面
活性剤の量が少なすぎると効果が小さく、多すぎると製
造コストの面から好ましくなく、更に界面活性剤が重合
体に付着して品質低下の原因となったり廃水処理が困難
になる等の問題が生じることもある。
果を得るのに充分な量であるが、水性媒体に対する界面
活性剤の濃度で0.01〜10重量%が好ましい。界面
活性剤の量が少なすぎると効果が小さく、多すぎると製
造コストの面から好ましくなく、更に界面活性剤が重合
体に付着して品質低下の原因となったり廃水処理が困難
になる等の問題が生じることもある。
【0018】懸濁重合で製造した重合体を脱水する場合
には、重合の完了した重合体・水性媒体混合物に直ちに
界面活性剤を添加してもよいし、重合体を洗浄した後新
たに水を加えそこに界面活性剤を添加してもよい。重合
の完了した重合体・水性媒体混合物に界面活性剤を添加
する場合には、懸濁重合開始時に単量体を分散させるた
めに界面活性剤を使用しているため本方法で使用する界
面活性剤の添加量は幾分減少できることもある。また、
界面活性剤の添加は、懸濁重合及び製品に悪影響を与え
なければ重合前、重合中であっても何ら問題はない。
には、重合の完了した重合体・水性媒体混合物に直ちに
界面活性剤を添加してもよいし、重合体を洗浄した後新
たに水を加えそこに界面活性剤を添加してもよい。重合
の完了した重合体・水性媒体混合物に界面活性剤を添加
する場合には、懸濁重合開始時に単量体を分散させるた
めに界面活性剤を使用しているため本方法で使用する界
面活性剤の添加量は幾分減少できることもある。また、
界面活性剤の添加は、懸濁重合及び製品に悪影響を与え
なければ重合前、重合中であっても何ら問題はない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。
説明する。
【0020】実施例1 (I)固液混合物(スチレン樹脂粒子及び水混合物)の
作製 容量3.2リットルの重合用容器に水496gとポリビ
ニルアルコール(日本合成化学製KH−20)1.24
gを加え完全に溶解した。つぎに、容器内の撹拌回転数
を270rpmに合わせ、重量平均粒子径0.25mm
のポリスチレン樹脂粒子413gを加え水性媒体中に分
散させながら85℃に昇温した(85℃のスチレン系樹
脂粒子の分散液の調製)。一方、単量体分散用容器に水
924g、ポリビニルアルコール2.31gを加え単量
体分散用媒体とした後、ベンゾイルパーオキサイド2.
30g、t−ブチルパーベンゾエート0.59gを溶解
したスチレン単量体767gを添加しホモミキサー(特
殊機化工業製、タイプ40)を用いて5850rpmで
60秒撹拌し単量体を微細に分散させ、白濁状のスチレ
ン単量体分散液を作製した(単量体油滴の粒子径10〜
100μm)。このスチレン単量体分散液のうち242
gを先に調製した85℃のスチレン系樹脂粒子の分散液
に30分間かけて等速度で添加し、添加終了後30分間
重合させた。同様の操作を7回繰り返し、結果としてス
チレン単量体分散液の全体を7回に分割してスチレン系
樹脂粒子の分散液に添加した。7回目の添加終了後、1
時間30分放置して重合を完結させた。この後、重合反
応液を冷却し、樹脂粒子が通過しない微細な目開きの絹
製袋に全量移し水性媒体を除外した後樹脂粒子のみ回収
した。この樹脂粒子と水1420gを容量3リットルの
容器に入れ、樹脂粒子を1分間撹拌洗浄した後、全内容
物を絹製袋に移す。再度、同様の操作を行いよく排水し
た後、樹脂粒子100gと水120gを300mlの容
器に入れポリスチレン樹脂粒子と水の固液混合物を作製
した。なお、樹脂粒子は、0.35〜0.50mmの粒
子径のものが99重量%であった。
作製 容量3.2リットルの重合用容器に水496gとポリビ
ニルアルコール(日本合成化学製KH−20)1.24
gを加え完全に溶解した。つぎに、容器内の撹拌回転数
を270rpmに合わせ、重量平均粒子径0.25mm
のポリスチレン樹脂粒子413gを加え水性媒体中に分
散させながら85℃に昇温した(85℃のスチレン系樹
脂粒子の分散液の調製)。一方、単量体分散用容器に水
924g、ポリビニルアルコール2.31gを加え単量
体分散用媒体とした後、ベンゾイルパーオキサイド2.
30g、t−ブチルパーベンゾエート0.59gを溶解
したスチレン単量体767gを添加しホモミキサー(特
殊機化工業製、タイプ40)を用いて5850rpmで
60秒撹拌し単量体を微細に分散させ、白濁状のスチレ
ン単量体分散液を作製した(単量体油滴の粒子径10〜
100μm)。このスチレン単量体分散液のうち242
gを先に調製した85℃のスチレン系樹脂粒子の分散液
に30分間かけて等速度で添加し、添加終了後30分間
重合させた。同様の操作を7回繰り返し、結果としてス
チレン単量体分散液の全体を7回に分割してスチレン系
樹脂粒子の分散液に添加した。7回目の添加終了後、1
時間30分放置して重合を完結させた。この後、重合反
応液を冷却し、樹脂粒子が通過しない微細な目開きの絹
製袋に全量移し水性媒体を除外した後樹脂粒子のみ回収
した。この樹脂粒子と水1420gを容量3リットルの
容器に入れ、樹脂粒子を1分間撹拌洗浄した後、全内容
物を絹製袋に移す。再度、同様の操作を行いよく排水し
た後、樹脂粒子100gと水120gを300mlの容
器に入れポリスチレン樹脂粒子と水の固液混合物を作製
した。なお、樹脂粒子は、0.35〜0.50mmの粒
子径のものが99重量%であった。
【0021】(II)固液混合物(スチレン樹脂粒子と水
混合物)の脱液 (I)の方法で作製した固液混合物220gを4つ用意
して、それぞれの混合物に花王ネオペレックスNo25
(固形分25重量%)を0.096g(界面活性剤濃度
0.02重量%)、0.241g(同0.05重量
%)、0.482g(同0.1重量%)、1.457g
(同0.3重量%)添加し完全に溶解した。次に界面活
性剤濃度の異った各固液混合物について、(I)と同様
の絹製袋に移し水性媒体を簡単に除去した後、直ちに遠
心分離機に入れ、rpmで1分間脱水を行った。脱水後
直ちにカールフィッシャー水分計で脱水ビーズの付着水
分量を測定した。
混合物)の脱液 (I)の方法で作製した固液混合物220gを4つ用意
して、それぞれの混合物に花王ネオペレックスNo25
(固形分25重量%)を0.096g(界面活性剤濃度
0.02重量%)、0.241g(同0.05重量
%)、0.482g(同0.1重量%)、1.457g
(同0.3重量%)添加し完全に溶解した。次に界面活
性剤濃度の異った各固液混合物について、(I)と同様
の絹製袋に移し水性媒体を簡単に除去した後、直ちに遠
心分離機に入れ、rpmで1分間脱水を行った。脱水後
直ちにカールフィッシャー水分計で脱水ビーズの付着水
分量を測定した。
【0022】実施例2 実施例1と同様の実験を行い、添加する界面活性剤のみ
花王サニゾールB−50(固形分50重量%)を0.1
21g(界面活性剤濃度0.05重量%)、0.241
g(同0.1重量%)、0.724g(同0.3重量
%)とした。
花王サニゾールB−50(固形分50重量%)を0.1
21g(界面活性剤濃度0.05重量%)、0.241
g(同0.1重量%)、0.724g(同0.3重量
%)とした。
【0023】実施例3〜4 実施例1と同様の実験を行い、添加する界面活性剤のみ
日本油脂アバネルS−30(固形分35重量%、実施例
3)またはアバネルS−70(固形分35重量%、実施
例4)を0.0344g(界面活性剤濃度0.01重量
%)、0.0688g(同0.02重量%)、0.17
2g(同0.05重量%)とした。
日本油脂アバネルS−30(固形分35重量%、実施例
3)またはアバネルS−70(固形分35重量%、実施
例4)を0.0344g(界面活性剤濃度0.01重量
%)、0.0688g(同0.02重量%)、0.17
2g(同0.05重量%)とした。
【0024】実施例5〜10 実施例1と同様の実験を行い、添加する界面活性剤のみ
トラックスH−45(実施例5)、パーソフトSF(実
施例6)、パーソフトSF−T(実施例7)、ラピゾー
ルB−80(実施例8)、ユニセーフA−LM(実施例
9)、ノニオンNS−210(実施例10)に変更し、
界面活性剤濃度が0.05重量%になるようにした。
トラックスH−45(実施例5)、パーソフトSF(実
施例6)、パーソフトSF−T(実施例7)、ラピゾー
ルB−80(実施例8)、ユニセーフA−LM(実施例
9)、ノニオンNS−210(実施例10)に変更し、
界面活性剤濃度が0.05重量%になるようにした。
【0025】比較例1 界面活性剤を添加せず、その他は実施例1と同様の実験
を行った。
を行った。
【0026】使用した界面活性剤の種類及び成分を表1
に、実施例1〜10及び比較例1の結果を表2に示す。
に、実施例1〜10及び比較例1の結果を表2に示す。
【0027】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 表1 界面活性剤の種類及び成分 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 界面活性剤 種類 成分 ──────────────────────────────────── ネオペレックスNo25 陰イオン性 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ ム(ハ−ド型) サニゾールB−50 陽イオン性 アルキルベンゼンジメチルアンモニウ ムクロライド アバネル−30 陰イオン性 直鎖アルキルエーテルスルホン酸ナト リウム(平均分子量420) アバネルS−70 陰イオン性 直鎖アルキルエーテルスルホン酸ナト リウム(平均分子量600) トラックスH−45 陰イオン性 パーソフトSF 陰イオン性 アルキルサルフェート(Na塩) パーソフトSF−T 陰イオン性 アルキルエ−テルサルフェート(TE A塩) ラピゾールB−80 陰イオン性 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム ユニセーフA−LM 非イオン性 ポリアルキレングリコール誘導体 ノニオンNS−210 非イオン性 ポリオキシエチレンノニルフェニルエ ーテル ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0028】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 表2 付着水分率:%(付着水分の減少量:%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 界 面 活 性 剤 の 量(重量%) 0.01 0.02 0.05 0.1 0.3 ──────────────────────────────────── 実施例1 − 2.5 2.4 0.1 0.1(96) 実施例2 − − 2.1 0.4 0.1(96) 実施例3 1.2 0.1 0.1(96) − − 実施例4 1.4 0.1 0.1(96) − − 実施例5 − − 0.1(44) − − 実施例6 − − 0.8(68) − − 実施例7 − − 0.9(64) − − 実施例8 − − 0.8(68) − − 実施例9 − − 0.7(72) − − 実施例10 − − 0.1(96) − − 比較例1 界面活性剤使用せず付着水分率2.5% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 表2中、括弧のない数値は、脱水した重合体の付着水分
率(%)を示す。脱水した重合体の付着水分量(%)
は、(付着水分量/脱水した重合体の重量)×100で
求める。また、括弧内の数値は、付着水分の減少量
(%)を示す。付着水分の減少量(%)は、〔(界面活
性剤を添加しない重合体の付着水分量−界面活性剤を添
加した重合体の付着水分量)/(界面活性剤を添加しな
い重合体の付着水分量)〕×100で求める。
率(%)を示す。脱水した重合体の付着水分量(%)
は、(付着水分量/脱水した重合体の重量)×100で
求める。また、括弧内の数値は、付着水分の減少量
(%)を示す。付着水分の減少量(%)は、〔(界面活
性剤を添加しない重合体の付着水分量−界面活性剤を添
加した重合体の付着水分量)/(界面活性剤を添加しな
い重合体の付着水分量)〕×100で求める。
【0029】
【発明の効果】請求項1〜5における重合体及び水性媒
体を含む混合物中に界面活性剤を添加した後、脱水する
ことを特徴とする重合体と水の分離方法により、界面活
性剤の添加なしに分離する従来の分離方法に比べ飛躍的
に付着水分量を減少することができる。この方法を採用
することにより、製品の特性に水分が悪影響を及ぼす場
合に、品質の向上に効果が得らレる。また、付着水分量
が多く乾燥工程をとっている場合に乾燥工程を省略する
ことができる、従来以上に付着水分量を減少する場合に
必要となる高性能遠心分離機の設置投資、遠心分離時間
の延長を防ぐことができる等の効果が得られる。
体を含む混合物中に界面活性剤を添加した後、脱水する
ことを特徴とする重合体と水の分離方法により、界面活
性剤の添加なしに分離する従来の分離方法に比べ飛躍的
に付着水分量を減少することができる。この方法を採用
することにより、製品の特性に水分が悪影響を及ぼす場
合に、品質の向上に効果が得らレる。また、付着水分量
が多く乾燥工程をとっている場合に乾燥工程を省略する
ことができる、従来以上に付着水分量を減少する場合に
必要となる高性能遠心分離機の設置投資、遠心分離時間
の延長を防ぐことができる等の効果が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 重合体及び水性媒体を含む混合物に脱水
助剤として界面活性剤を添加した後、脱水することを特
徴とする重合体と水の分離方法。 - 【請求項2】 混合物が懸濁重合の反応液である請求項
1記載の重合体と水の分離方法。 - 【請求項3】 混合物が乳化重合体の塩析液である請求
項1記載の重合体と水の分離方法。 - 【請求項4】 界面活性剤が水溶性高分子以外の界面活
性剤である請求項1〜3のいずれかに記載の重合体と水
の分離方法。 - 【請求項5】 遠心力を利用して脱水する請求項1〜4
のいずれかに記載の重合体と水の分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32944293A JPH07188328A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 重合体と水の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32944293A JPH07188328A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 重合体と水の分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188328A true JPH07188328A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18221423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32944293A Pending JPH07188328A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 重合体と水の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07188328A (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP32944293A patent/JPH07188328A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4569991A (en) | Production of thermoplastic resin | |
KR20090045307A (ko) | 중합체 미립자의 제조 방법 | |
JPH08267075A (ja) | 凝集助剤として新規ハイソリッド重合体組成物を使用する方法 | |
JP2890387B2 (ja) | 顆粒状重合体の製造方法 | |
JP2809583B2 (ja) | 新規固形分高含有非水性ポリマー組成物及びその製法 | |
JPS6121736A (ja) | 混合ベツドイオン交換樹脂再生用の分離用不活性ビーズ | |
HUT77549A (hu) | Eljárás víz/olaj polimer készítményekből a víz eltávolítására és embrióképződést elősegítő folyadékkészítmény | |
JPH07188328A (ja) | 重合体と水の分離方法 | |
EP0057408B1 (en) | Process for producing graft copolymer | |
US6110995A (en) | Process for preparing novel high solids non-aqueous polymer compositions | |
US2595831A (en) | Process for disintegrating conglomerates of polymer particles | |
US5698044A (en) | Removal of adhesive from polyester film with criticality in surfactant use | |
JPS6010041B2 (ja) | ゴム状重合体の取得法 | |
JPH07228608A (ja) | ポリマー微粒子の製造方法 | |
JPH0240086B2 (ja) | Netsukasoseijushinoseizohoho | |
JP3115674B2 (ja) | 電気粘性流体組成物の製造方法 | |
JP2610055B2 (ja) | 電気粘性流体組成物 | |
JP4279901B2 (ja) | 自由流動性強酸性カチオン交換体の製造方法 | |
JPH02173003A (ja) | 多孔性ポリマー粒子の製造方法 | |
JP4656965B2 (ja) | 樹脂粉粒体の製造方法 | |
JP2004143267A (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
JPWO2007007837A1 (ja) | 樹脂粉粒体の製造方法 | |
JPS61176615A (ja) | 塩化ビニル樹脂の回収方法 | |
JP3709056B2 (ja) | 高分子微粒子の製造方法 | |
JP2667546B2 (ja) | 電気粘性流体組成物 |