JP2610055B2 - 電気粘性流体組成物 - Google Patents

電気粘性流体組成物

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JP2610055B2
JP2610055B2 JP2010550A JP1055090A JP2610055B2 JP 2610055 B2 JP2610055 B2 JP 2610055B2 JP 2010550 A JP2010550 A JP 2010550A JP 1055090 A JP1055090 A JP 1055090A JP 2610055 B2 JP2610055 B2 JP 2610055B2
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佳延 浅子
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電気粘性流体組成物に関するものである。更
に詳しくは、比較的弱い電場を印加することによっても
大きいせん断応力を発生し、且つ発生したせん断応力の
経時安定性が非常に優れた電気粘性流体組成物に関する
ものである。
(従来の技術) 電気粘性流体とは、例えば絶縁性分散媒中に固体粒子
を分散・懸濁して得られる流体であって、そのレオロジ
ー的あるいは流れ性質が電場変化を加えることにより粘
塑性型の性質に変わる流体であり、一般に外部電場を印
加した際に粘度が著しく上昇し大きいせん断応力を誘起
する、いわゆるウィンズロー効果を示す流体として知ら
れている。このウィンズロー効果は応答性が速いという
特徴を有するため、電気粘性流体はクラッチ、ダンパ
ー、ブレーキ、ショックアブソーバー、アクチュエータ
ー等への応用が試みられている。
従来、電気粘性流体組成物としては、シリコンオイ
ル、塩化ジフェニル、トランス油等の絶縁油中に、セル
ロース、でんぷん、大豆カゼイン、シリカゲル、ポリス
チレン系イオン交換樹脂、ポリアクリル酸塩架橋体等の
固体粒子を分散させたものが知られている。
しかしながら、セルロース、でんぷんや大豆カゼイン
を分散相として用いた電気粘性流体組成物は電場を印加
した際に得られるせん断応力が小さいという問題点があ
り、ポリアクリル酸塩架橋体を分散相として用いた電気
粘性流体組成物は比較的弱い電場を印加しただけでは実
用上充分なせん断応力が誘起されないという問題点があ
った。
また、ポリスチレン系イオン交換樹脂の一つであるポ
リスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩型のイオン交換
樹脂を分散相として用いた電気粘性流体組成物は比較的
弱い電場の印加によっても大きなせん断応力が得られる
が、長期にわたってそれを維持するという経時安定性に
乏しいという問題点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来の電気粘性流体組成物が有していた上
記の問題点を解決するものである。
したがって、本発明の目的は比較的弱い電場の印加に
よっても大きなせん断応力が発生し、且つ長期にわたっ
てそれを維持するという経時安定性にも優れた電気粘性
流体組成物を提供することにある。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明は、分散相粒子を絶縁性分散媒中に分散させて
なる組成物であって、分散相粒子が、芳香族環に少なく
とも1個のアルコキシ基を有するビニル芳香族化合物
(a)とポリビニル化合物(b)を必須成分とし必要に
応じてその他のビニル化合物(c)を加えたモノマー混
合物(A)の重合架橋体(I)中に存在する芳香族環を
スルホン化することにより得られるスルホン化重合体粒
子に該粒子100重量部に対して10重量部以下の水を含有
させてなり、且つ芳香族環に少なくとも1個のアルコキ
シ基を有するビニル芳香族化合物(a)のモノマー混合
物(A)中での割合が5.0モル%以上であることを特徴
とする電気粘性流体組成物に関するものである。
本発明で用いられる分散相粒子を構成するスルホン化
重合体とは、水等の極性溶媒の存在において陽イオンを
遊離して自身はスルホン酸イオンとなるスルホン酸基を
有するものであり、水等の極性溶媒の存在において遊離
する陽イオンとしては特に制限はない。
本発明で用いられる分散相粒子の平均粒子径は0.1〜1
00μmの範囲にあることが好ましい。分散相粒子の平均
粒子径が0.1μm未満の場合には、調製された電気粘性
流体組成物に電場を印加した際に大きなせん断応力が得
られないという問題点が起こることがある。また、分散
相粒子の平均粒子径が100μmを越える場合には、調製
された電気粘性流体組成物にある一定の電場を印加した
際に得られるせん断応力値が不規則となり、安定しにく
いという問題点が起こることがある。
本発明では、芳香族環に少なくとも1個のアルコキシ
基を有するビニル芳香族化合物(a)のモノマー混合物
(A)中での割合が5.0モル%以上であることが必要で
ある。ビニル芳香族化合物(a)をモノマー混合物
(A)中5.0モル%以上の割合で使用することにより、
例えば80℃以下という温和なスルホン化条件でも、比較
的弱い電場の印加によっても大きなせん断応力を発生し
且つせん断応力の経時安定性に優れた電気粘性流体組成
物を与える分散相粒子が容易に得られる。また、ビニル
芳香族化合物(a)の割合が5.0モル%未満では、工業
的に有利なスルホン化条件ではせん断応力の経時安定性
に劣った電気粘性流体組成物しか得られない。例えば安
価な硫酸をスルホン化剤として用いる場合、重合架橋体
(I)を膨潤させる溶媒存在下に高温長時間のスルホン
化が比較的弱い電場の印加によって大きなせん断応力を
発生させるために必要となり、しかもそのような苛酷な
スルホン化条件を経由してさえ経時安定性改良効果は十
分ではない。
本発明では、モノマー混合物(A)中にポリビニル化
合物(b)が含まれることが必要であり、0.1〜50.0モ
ル%の範囲であることが好ましい。ポリビニル化合物
(b)の割合が50.0モル%を越える場合、スルホン化が
進行しにくくなったり、得られた粒子を用いた電気粘性
流体組成物に電場を印加した際に大きなせん断応力が得
られないという問題点が起こることがある。また、ポリ
ビニル化合物(b)の割合が0.1モル%未満の場合、重
合により得られた重合架橋体をスルホン化した際に粒子
同士の付着が起こるという問題点が起こることがある。
本発明で使用することのできる芳香族環に少なくとも
1個のアルコキシ基を有するビニル芳香族化合物(a)
としては、例えばメトキシスチレン、ジメトキシスチレ
ン、トリメトキシスチレン、エトキシスチレン、ジエト
キシスチレン、トリエトキシスチレン、プロピルオキシ
スチレン、ジプロピルオキシスチレン、トリプロピルオ
キシスチレン、メトキシメチルスチレン、メトキシエチ
ルスチレン、メトキシプロピルスチレン、エトキシメチ
ルスチレン、エトキシエチルスチレン、プロピルオキシ
メチルスチレン、プロピルオキシエチルスチレン、メト
キシジメチルスチレン、メトキシジエチルスチレン、ビ
ニルメトキシナフタレン、ビニルジメトキシナフタレ
ン、ビニルエトキシナフタレン、ビニルジエトキシナフ
タレン、ビニルメトキシメチルナフタレン、ビニルメト
キシジメチルナフタレン、ビニルジメトキシメチルナフ
タレン、ビニルメトキシエチルナフタレン、ビニルメト
キシジエチルナフタレン、ビニルジメトキシエチルナフ
タレンなどを挙げることができ、これらの中から一種ま
たは二種以上を用いることができる。
本発明で使用することのできるポリビニル化合物
(b)としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルト
ルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエチレンベンゼ
ン、ジビニルジエチルベンゼン、ジビニルプロピルベン
ゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼン、トリ
ビニルトルエン、トリビニルキシレン、トリビニルナフ
タレンなどのポリビニル芳香族炭化水素;エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド、マレイン酸ジアリル、アジピン酸ジアリルなど
のポリビニル脂肪族化合物等を挙げることができ、これ
らの中から一種または二種以上を用いることができる。
本発明におけるモノマー混合物(A)には、必要に応
じて芳香族環に少なくとも1個のアルコキシ基を有する
ビニル芳香族化合物(a)やポリビニル化合物(b)以
外のビニル化合物(c)を配合することができ、その構
成割合はモノマー混合物(A)中94.9モル%以下である
ことが好ましい。このようなその他のビニル化合物
(c)としては、例えばスチレン、ビニルナフタレン、
ビニルアントラセン、ビニルフェナントレンなどのビニ
ル芳香族炭化水素;メチルスチレン、エチルスチレン、
プロピルスチレン、ブチルスチレン、ペンチルスチレ
ン、ヘキシルスチレンなどのモノアルキルスチレン化合
物;ジメチルスチレン、ジエチルスチレン、ジプロピル
スチレン、メチルエチルスチレン、メチルプロピルスチ
レン、メチルヘキシルスチレン、エチルブチルスチレ
ン、エチルプロピルスチレン、エチルヘキシルスチレ
ン、プロピルブチルスチレンなどのジアルキルスチレン
化合物;トリメチルスチレン、トリエチルスチレン、ト
リプロピルスチレン、メチルジエチルスチレン、ジメチ
ルエチルスチレン、メチルエチルプロピルスチレン、メ
チルジプロピルスチレン、ジメチルプロピルスチレン、
エチルジプロピルスチレン、ジエチルプロピルスチレン
などのトリアルキルスチレン化合物;ビニルメチルナフ
タレン、ビニルエチルナフタレン、ビニルプロピルナフ
タレンなどのビニルモノアルキルナフタレン化合物;ビ
ニルジメチルナフタレン、ビニルジエチルナフタレン、
ビニルジプロピルナフタレン、ビニルメチルエチルナフ
タレンなどのビニルジアルキルナフタレン化合物;ビニ
ルトリメチルナフタレン、ビニルトリエチルナフタレ
ン、ビニルトリプロピルナフタレン、ビニルメチルジエ
チルナフタレン、ビニルジメチルエチルナフタレン、ビ
ニルメチルエチルプロピルナフタレンなどのビニルトリ
アルキルナフタレン化合物;フェノキシスチレン、フェ
ノキシメチルスチレン、フェノキシエチルスチレン、フ
ェノキシジメチルスチレン、フェノキシジエチルスチレ
ンなどのアリールオキシ化ビニル芳香族化合物;クロロ
スチレン、ブロモスチレンなどのハロゲン化芳香族化合
物;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、
塩化ビニル、クロロプレンなどのオレフィン系炭化水素
またはこれらのハロゲン置換体;メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カル
ボン酸のエステル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニルなどの1価のカルボン酸のビニルエステル化合物;
(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
メチロール化(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミ
ド化合物またはその誘導体;(メタ)アクリロニトリ
ル、クロトンニトリルなどの不飽和シアン化合物;(メ
タ)アリルアルコール、クロトンアルコールなどの不飽
和アルコール化合物;(メタ)アクリル酸などの不飽和
一塩基酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不
飽和二塩基酸マレイン酸モノメチルエステル、マレイン
酸モノアリルエステルなどの1価のアルコールと不飽和
二塩基酸とのモノエステル化合物等を挙げることがで
き、これらの中から一種または二種以上用いることがで
きる。
本発明で用いられる分散相粒子の形状は球状あるいは
楕円球状であることが好ましい。分散相粒子の形状が球
状あるいは楕円球状以外の形状の場合には、調製された
電気粘性流体組成物に電場を印加した際に大きなせん断
応力が得られないという問題点や電場を印加し続けた状
態での経時安定性が乏しくなるという問題点が起こるこ
とがある。
本発明においてスルホン化重合体を得る際の中間体と
して用いられる重合架橋体(I)を製造する方法として
は、得に制限はなく、既知の重合方法、例えば懸濁重合
法、乳化重合法、分散重合法、溶液重合法、塊状重合法
等の方法を挙げることができるが、球状あるいは楕円球
状の重合架橋体(I)が容易に得られるので、懸濁重合
法や乳化重合法が好ましい。
本発明で用いられる重合架橋体(I)を製造する際に
重合法として懸濁重合法を用いる場合、重合の条件に特
に制限はない。
懸濁重合の分散媒としては、通常、水などが用いられ
る。
懸濁重合の分散剤としては、通常、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体のアンモニウム塩、ベントナイト、ポ
リ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(ジアリルメチ
ルアンモニウムクロライド)などの公知のものが使用で
きる。
懸濁重合の重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾ
イル、第三級ブチルヒドロキシパーオキサイド、過酸化
クメン、過酸化ラウロイル、過酸化メチルエチルケト
ン、第三級ブチルパーフタレイト、カプロイルパーオキ
サイドなどの過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビスイソブチルアミド、2,2′−アゾビス(2,4−ジ
メチルマレロニトリル)、アゾビス(α−ジメチルバレ
ロニトリル)、アゾビス(α−メチルブチロニトリル)
などのアゾ化合物等を挙げることができ、これらの中か
ら一種または二種以上用いることができる。
懸濁重合の際に必要に応じて公知の乳化重合禁止剤を
使用して微粒の発生を抑えることができる。
懸濁重合は、通常、50〜100℃の範囲内の温度にて2
〜30時間程度で行われる。
懸濁重合の操作としては、例えば水および分散剤など
を仕込み、これに攪拌下に重合開始剤を溶解させたモノ
マーの混合物を加え、分散機や攪拌装置を用いて粒子径
規制を行った後、懸濁状態下に所定温度にて実施する。
本発明で用いられる重合架橋体(I)を製造する際に
乳化重合法を用いる場合、重合の条件に特に制限はな
い。
乳化重合の溶媒としては、通常、水などが用いられ
る。
乳化重合の乳化剤としては、通常、ラウリルスルホン
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリン酸エステ
ルなどの界面活性剤等の公知のものが使用できる。
乳化重合の重合開始剤としては、通常、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウムなどの公知のものが使用でき
る。
乳化重合は、通常、50〜100℃の範囲内の温度にて2
〜40時間程度で行われる。
乳化重合の操作としては、例えばシード重合法、一時
仕込重合法、モノマー添加重合法、エマルション添加重
合法等の公知の方法を用いることができる。
シード重合法を行うには、通常、まず反応容器に種粒
子、水および乳化剤等を投入し、攪拌下に均一分散状態
とした後、モノマー混合物の一部または必要に応じて全
部を添加する。次いで、所定の温度に加熱した後、重合
開始剤を添加し、反応を開始させる。更に、モノマー混
合物の残りを連続的あるいは断続的に添加し、乳化状態
下に所定温度にて実施する。
本発明における重合架橋体(I)は、ゲル型と称され
る実質的に非多孔質の重合架橋体でもよく、また、重合
の際に得られる重合架橋体に多孔性を付与する公知の多
孔質形成剤、例えば膨潤性の有機溶剤、非膨潤性の有機
溶剤、モノマーに溶解し得る線状重合体あるいはこれら
の混合物等の共存下にモノマー混合物を重合して得られ
る多孔質重合架橋体であってもよい。
本発明で用いられる分散相粒子を構成するスルホン化
重合体は、上記した重合法により得られた重合架橋体
(I)を公知の方法でスルホン化して得られる。また、
重合架橋体(I)として懸濁重合法や乳化重合法で得ら
れた粒子状のものを用いれば、スルホン化によって本発
明における分散相粒子として好適なスルホン化重合体の
粒子を容易に得ることができる。
スルホン化の反応は、無溶剤下、重合架橋体(I)に
対して非膨潤性の溶剤の存在下あるいは重合架橋体
(I)に対して膨潤性の溶剤の存在下に行うことができ
る。
重合架橋体(I)に対して非膨潤性の溶剤としては、
重合架橋体(I)を膨潤させず且つスルホン化剤に対し
て不活性な溶剤であればよく、例えばヘキサン、シクロ
ヘキサン、リグロインなどの脂肪族炭化水素などを挙げ
ることができる。
重合架橋体(I)に対して非膨潤性の溶剤としては、
重合架橋体(I)を膨潤させ且つスルホン化剤に対して
不活性な溶剤であればよく、例えばジクロロエタン、ト
リクロロエチレン、テトラクロロエタン、ニトロベンゼ
ン、プロピレンジクロライド、四塩化炭素などを挙げる
ことができる。
これらの溶剤の使用量は、重合架橋体(I)100重量
部に対して1000重量部以下の範囲内であることが好まし
い。
スルホン化剤としては、特に制限はないが、例えば硫
酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、三酸化硫黄などを挙げるこ
とができ、これらの中から一種または二種以上用いるこ
とができる。
スルホン化の反応は、反応器の材質の制限等の工業的
実用性から80℃以下で行うことが好ましく、本発明では
このような温和なスルホン化条件でもせん断応力の経時
安定性に優れた電気粘性流体組成物を与える分散相粒子
が得られる。
このように重合架橋体(I)をスルホン化して得られ
るスルホン化重合体の粒子は、スルホン化剤と分離され
た後、粒子中に残存する酸等を除去するために多量の水
で十分に洗浄するのがよい。次いで、必要に応じて中和
あるいはイオン交換等の方法によりスルホン酸基の陽イ
オンをプロトンから適当な陽イオン種に換えることがで
きる。
本発明で用いられる分散相粒子を構成するスルホン化
重合体中に存在するスルホン酸基の陽イオンとしては、
特に制限はなく、例えば水素;リチウム、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウ
ム等のアルカリ土類金属;アルミニウムなどのIIIA族金
属;スズ、鉛等のIVA族金属;亜鉛、鉄などの遷移金属
等のカチオン種、あるいはアンモニウム、有機4級アン
モニウム、ピリジニウム、グアジニウム等を挙げること
ができ、これらの中から一種または二種以上用いること
ができる。
本発明で用いられる分散相粒子は、前記したスルホン
化重合体の粒子に水を含有させることにより得られる。
本発明の電気粘性流体組成物では、分散相粒子中に微量
の水分が含まれることにより、電場を印加した際に大き
なせん断応力が誘起される。
本発明における分散相粒子中の水は、粒子100重量部
に対して10重量部以下であることが必要である。水が10
重量部を越える場合、分散相粒子同士が付着したり、あ
るいは調製された電気粘性流体組成物の絶縁性が減少す
るため、電場を印加した際に大きな電流が流れたりして
好ましくない。
本発明で使用することのできる絶縁性分散媒として
は、特に制限はなく、例えばポリジメチルシロキサン、
ポリフェニルメチルシロキサンなどのシリコンオイル;
流動パラフィン、デカン、ドデカン、メチルナフタレ
ン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、ビフェニ
ル、デカリン、部分水添されたトリフェニルなどの炭化
水素;ジフェニルエーテルなどのエーテル化合物;クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、
ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、クロロナフタレ
ン、ジクロロナフタレン、ブロモナフタレン、クロロビ
フェニル、ジクロロビフェニル、トリクロロビフェニ
ル、ブロモビフェニル、クロロジフェニルメタン、ジク
ロロジフェニルメタン、トリクロロジフェニルメタン、
ブロモジフェニルメタン、クロロデカン、ジクロロデカ
ン、トリクロロデカン、ブロモデカン、クロロドデカ
ン、ジクロロドデカン、ブロモドデカンなどのハロゲン
化炭化水素;クロロジフェニルエーテル、ジクロロジフ
ェニルエーテル、トリクロロジフェニルエーテル、ブロ
モジフェニルエーテルなどのハロゲン化ジフェニルエー
テル化合物;ダイフロイル (ダイキン工業(株)
製)、デムナム (ダイキン工業(株)製)などのフッ
化物;フタル酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチ
ル、セバシン酸ジブチルなどのエステル化合物等を挙げ
ることができ、これらの中から一種または二種以上用い
ることができる。
本発明の電気粘性流体組成物は、前記した分散相粒子
を絶縁性分散媒中に分散させてなり、組成物中における
分散相粒子と絶縁性分散媒との比は、前者100重量部に
対して後者50〜500重量部の範囲であることが好まし
い。分散媒の量が500重量部を越える場合、調製された
電気粘性流体組成物に電場を印加した際に得られるせん
断応力が十分大きくならないことがある。また、分散媒
の量が50重量部未満の場合、調製された組成物自体の流
動性が低下して、電気粘性流体としての使用が難しくな
ることがある。
本発明では、分散相粒子の分散媒中への分散性向上や
電気粘性流体組成物の粘度調節あるいはせん断応力向上
のために、例えば界面活性剤、高分子分散剤、高分子増
粘剤等の各種添加物を組成物中に添加することができ
る。
(発明の効果) 本発明の電気粘性流体組成物は、比較的弱い外部電場
を印加した時でも大きなせん断応力が得られ且つ発生し
たせん断応力を長期にわたって維持するという経時安定
性にも非常に優れているため、クラッチ、ダンパー、ブ
レーキ、ショックアブソーバー、アクチュエーター等へ
有効に利用できる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明するが、本発明の範
囲がこれら実施例のみに限定されるものではない。
参考例1 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
16.0gを添加・溶解させた後、更に、メトキシスチレン3
00g、工業用ジビニルベンゼン(和光純薬工業(株)
製、ジビニルベンゼン55重量%、エチルスチレン35重量
%等の混合物)30gおよびアゾビスイソブチロニトリル4
gからなる混合物を加えた。その後、650rpmの攪拌速度
でフラスコ内の内容物を分散させ、70℃で13時間重合し
た。得られた固形物を濾別し、十分に水洗した後、熱風
乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状の重合体架橋
物{以下、これを重合架橋体(1)という。}305gを得
た。
参考例2 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
10.0gを添加・溶解させた後、更に、メトキシスチレン2
00g、スチレン50g、参考例1で用いたのと同じ工業用ジ
ビニルベンゼン30gおよびアゾビスイソブチロニトリル4
gからなる混合物を加えた。その後、500rpmの攪拌速度
でフラスコ内の内容物を分散させ、70℃で12時間重合し
た。得られた固形物を濾別し、十分に水洗した後、熱風
乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状の重合体架橋
物{以下、これを重合架橋体(2)という。}255gを得
た。
参考例3 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
16.0gを添加・溶解させた後、更に、メトキシスチレン3
0g、スチレン130g、メチルスチレン80g、参考例1で用
いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン60g、イソオクタ
ン300gおよびアゾビスイソブチロニトリル12gからなる
混合物を加えた。その後、分散機(回転数:5000rpm)を
用いてフラスコ内の内容物を分散させ、70℃で11時間重
合した。得られた固形物を濾別し、十分にアセトンと水
で水洗した後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥
し、球状の重合体架橋物{以下、これを重合架橋体
(3)という。}280gを得た。
参考例4 攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備え
た300mlの四つ口フラスコに水50ml、ラウリルスルホン
酸ナトリウム0.4gおよびドデカン1.0gを仕込んだ後、分
散機を用いて混合物を乳化させた。更に、水50ml、過硫
酸ナトリウム0.2g、メトキシスチレン30g、スチレン15g
および参考例1で用いたのと同じ工業用ジビニルベンゼ
ン15gを加えた後、攪拌下に50℃で8時間加熱して重合
することにより、種粒子の乳化液160mlを得た。
次いで、攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロー
トを備えた3lの四つ口フラスコに水1.2lを仕込み、先に
調製した種粒子の乳化液160mlおよびラウリルスルホン
酸ナトリウム2.8gを添加した後、攪拌下に均一分散させ
た。その後、攪拌機の転回数を250回転に保ちながら、7
0℃まで加熱し、水10mlに溶解させた過硫酸ナトリウム2
gを添加した。次いで、メトキシスチレン120g、スチレ
ン60gおよび参考例1で用いたのと同じ工業用ジビニル
ベンゼン60gからなる混合物を18時間かけて滴下した。
更に、70℃で5時間反応させた後、90℃に昇温し3時間
後に反応を終了した。
得られたラテックスの固形分を濾別し、熱風乾燥器を
用いて80℃で12時間乾燥して、球状の重合体架橋物{以
下、これを重合架橋体(4)という。}265gを得た。
参考例5 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
16.0gを添加・溶解させた後、更に、メトキシスチレン9
0g、スチレン90g、参考例1で用いたのと同じ工業用ジ
ビニルベンゼン120gおよびアゾビスイソブチロニトリル
4gからなる混合物を加えた。その後、400rpmの攪拌速度
でフラスコ内の内容物を分散させ、70℃で12時間重合し
た。得られた固形物を濾別し、十分に水洗した後、熱風
乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状の重合体架橋
物{以下、これを重合架橋体(5)という。}282gを得
た。
参考例6 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
16.0gを添加・溶解させた後、更に、ジメトキシスチレ
ン50g、スチレン150g、メチルスチレン60g、参考例1で
用いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン40gおよびアゾ
ビスイソブチロニトリル4gからなる混合物を加えた。そ
の後、670rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物を分散さ
せ、70℃で14時間重合した。得られた固形物を濾別し、
十分に水洗した後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾
燥し、球状の重合体架橋物{以下、これを重合架橋体
(6)という。}291gを得た。
参考例7 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
16.0gを添加・溶解させた後、更に、エトキシスチレン1
50g、スチレン70g、クロロスチレン50g、参考例1で用
いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン30gおよびアゾビ
スイソブチロニトリル4gからなる混合物を加えた。その
後、分散機(回転数:10,000rpm)を用いてフラスコ内の
内容物を分散させ、70℃で13時間重合した。得られた固
形物を濾別し、十分に水洗した後、熱風乾燥器を用いて
80℃で12時間乾燥し、球状の重合体架橋物{以下、これ
を重合架橋体(7)という。}287gを得た。
参考例8 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
16.0gを添加・溶解させた後、更に、メトキシメチルス
チレン170g、スチレン100g、参考例1で用いたのと同じ
工業用ジビニルベンゼン30g、ポリスチレン(和光純薬
工業(株)製、重合度:1600〜1800)30gおよびアゾビス
イソブチロニトリル4gからなる混合物を加えた。その
後、分散機(回転数:8,000rpm)を用いてフラスコ内の
内容物を分散させ、70℃で13時間重合した。得られた固
形物を濾別し、十分にアセトンと水で水洗した後、熱風
乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状の重合体架橋
物{以下、これを重合架橋体(8)という。}289gを得
た。
比較参考例1 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3lの四つ口
セパラブルフラスコに水1.2lを仕込み、ポリビニルアル
コール((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)
16.0gを添加・溶解させた後、更に、スチレン300g、参
考例1で用いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン30gお
よびアゾビスイソブチロニトリル4gからなる混合物を加
えた。その後、670rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物
を分散させ、80℃で7時間重合した。得られた固形物を
濾別し、十分に水洗した後、熱風乾燥器を用いて80℃で
12時間乾燥し、球状の比較用の重合体架橋物{以下、こ
れを比較重合架橋体(1)という。}305gを得た。
実施例1 攪拌機および温度計を備えた2lの四つ口セパラブルフ
ラスコに参考例1で得られた重合架橋体(1)50gおよ
びジクロロエタン250gを仕込み、攪拌しながら氷浴を用
いて0℃に冷却した。次いで、98重量%濃硫酸250gを添
加した後、30分間攪拌し、均一な分散液とした。次い
で、氷浴から取り外し、室温(20℃)で24時間攪拌し
て、スルホン化反応を行った。その後、反応混合物を0
℃の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセトンで洗浄し
た。
得られた固形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液14
0mlで中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空
乾燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、78gの球状の分
散相粒子{以下、これを分散相粒子(1)という。}を
得た。
得られた分散相粒子(1)の平均粒子径を粒度分布測
定装置((株)島津製作所製、SALD−1000)を用いて測
定したところ、45μmであった。分散相粒子(1)のイ
オン交換容量を中和滴定により測定したところ、3.9mg
当量/gであった。
得られた分散相粒子(1)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計(京都電子工業(株)製、MPS−3P)を用い
て測定したところ、2.4重量部であった。
得られた分散相粒子(1)30gをサームエス 900(新
日鐵化学(株)製の部分水添されたトリフェニル)70g
中に混合・分散させ、本発明の電気粘性流体組成物{以
下、これを流体組成物(1)という。}を得た。
実施例2 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた2lの四つ口
セパラブルフラスコに参考例2で得られた重合架橋体
(2)50gおよびニトロベンゼン300gを仕込み、攪拌し
ながら氷浴を用いて0℃に冷却した。次いで、クロロ硫
酸250gを滴下ロートから2時間かけて添加し、均一な分
散液とした。次いで、氷浴から取り外し、室温(20℃)
で10時間攪拌して、スルホン化反応を行った。その後、
反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセ
トンで洗浄した。
得られた固形物を10重量%水酸化リチウム水溶液100m
lで中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾
燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、78gの球状の分散
相粒子{以下、これを分散相粒子(2)という。}を得
た。
得られた分散相粒子(2)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、55μmであった。分散
相粒子(2)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、4.6mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(2)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.0重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(2)30gをブロモベンゼン70g中
に混合・分散させ、本発明の電気粘性流体組成物{以
下、これを流体組成物(2)という。}を得た。
実施例3 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた2lの四つ口
セパラブルフラスコに参考例3で得られた重合架橋体
(3)50gおよびヘキサン500gを仕込み、攪拌しながら
氷浴を用いて0℃に冷却した。次いで、クロロ硫酸200g
を滴下ロートから2時間かけて添加し、均一な分散液と
した。次いで、氷浴から取り外し、室温(20℃)で24時
間攪拌して、スルホン化反応を行った。その後、反応混
合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセトンで
洗浄した。
得られた固形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液12
0mlで中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空
乾燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、74gの球状の分
散相粒子{以下、これを分散相粒子(3)という。}を
得た。
得られた分散相粒子(3)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、10μmであった。分散
相粒子(3)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、3.8mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(3)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.5重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(3)30gを信越シリコーンオイ
KF96−20CS(信越化学工業(株)製のジメチルシリ
コンオイル)70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘
性流体組成物{以下、これを流体組成物(3)とい
う。}を得た。
実施例4 攪拌機および温度計を備えた1の四つ口セパラブル
フラスコに参考例3で得られた重合架橋体(3)50gお
よび98重量%濃硫酸500gを仕込んだ後、30分間攪拌し、
均一な分散液とした。次いで、フラスコ内の内容物を70
℃まで昇温し、同温度にて24時間加熱・攪拌して、スル
ホン化反応を行った。その後、反応混合物を0℃の水中
に注ぎ、濾別した後、水洗した。
得られた固形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液11
0mlで中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空
乾燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、73gの球状の分
散相粒子{以下、これを分散相粒子(4)という。}を
得た。
得られた分散相粒子(4)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、10μmであった。分散
相粒子(4)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、3.6mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(4)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.6重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(4)30gをサームエス 300(新
日鐵化学(株)製のビフェニルとジフェニルエーテルの
混合物)70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘性流
体組成物{以下、これを流体組成物(4)という。}を
得た。
実施例5 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた2lの四つ口
セパラブルフラスコに参考例4で得られた重合架橋体
(4)50gおよびテトラクロロエタン250gを仕込み、攪
拌しながら氷浴を用いて0℃に冷却した。次いで、クロ
ロ硫酸300gを滴下ロートから2時間かけて添加し、均一
な分散液とした。次いで、氷浴から取り外し、室温(20
℃)で20時間攪拌して、スルホン化反応を行った。その
後、反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水と
アセトンで洗浄した。
得られた固形物を10重量%水酸化カリウム水溶液210m
lで中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾
燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、88gの球状の分散
相粒子{以下、これを分散相粒子(5)という。}を得
た。
得られた分散相粒子(5)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、5μmであった。分散
相粒子(5)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、4.0mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(5)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.1重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(5)30gを1,2,4−トリクロロベ
ンゼン70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘性流体
組成物{以下、これを流体組成物(5)という。}を得
た。
実施例6 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた2lの四つ口
セパラブルフラスコに参考例5で得られた重合架橋体
(5)50gおよびジクロロエタン200gを仕込み、攪拌し
ながら氷浴を用いて0℃に冷却した。次いで、クロロ硫
酸300gを滴下ロートから2時間かけて添加し、均一な分
散液とした。次いで、氷浴から取り外し、室温(20℃)
で20時間攪拌して、スルホン化反応を行った。その後、
反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセ
トンで洗浄した。
得られた固形物をピリジン30gで中和した後、水で十
分に洗浄した。次いで、真空乾燥機を用いて、80℃で10
時間乾燥し、101gの球状の分散相粒子{以下、これを分
散相粒子(6)という。}を得た。
得られた分散相粒子(6)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、75μmであった。分散
相粒子(6)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、3.4mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(6)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.2重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(6)30gを流動パラフィン70g中
に混合・分散させ、本発明の電気粘性流体組成物{以
下、これを流体組成物(6)という。}を得た。
実施例7 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた2lの四つ口
セパラブルフラスコに参考例6で得られた重合架橋体
(6)50gおよびジクロロエタン250gを仕込み、攪拌し
ながら氷浴を用いて0℃に冷却した。次いで、クロロ硫
酸250gを滴下ロートから2時間かけて添加し、均一な分
散液とした。次いで、氷浴から取り外し、室温(20℃)
で15時間攪拌して、スルホン化反応を行った。その後、
反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセ
トンで洗浄した。
得られた固形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液16
0mlで中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空
乾燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、85gの球状の分
散相粒子{以下、これを分散相粒子(7)という。}を
得た。
得られた分散相粒子(7)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、40μmであった。分散
相粒子(7)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、4.3mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(7)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.3重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(7)30gを信越シリコーンオイ
KF96−50CS(信越化学工業(株)製のジメチルシリ
コンオイル)70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘
性流体組成物{以下、これを流体組成物(7)とい
う。}を得た。
実施例8 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた2lの四つ口
セパラブルフラスコに参考例7で得られた重合架橋体
(7)50gおよびニトロベンゼン200gを仕込み、攪拌し
ながら氷浴を用いて0℃に冷却した。次いで、クロロ硫
酸300gを滴下ロートから2時間かけて添加し、均一な分
散液とした。次いで、氷浴から取り外し、室温(20℃)
で12時間攪拌して、スルホン化反応を行った。その後、
反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセ
トンで洗浄した。
得られた固形物を10重量%水酸化カリウム水溶液で20
0mlで中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空
乾燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、88gの球状の分
散相粒子{以下、これを分散相粒子(8)という。}を
得た。
得られた分散相粒子(8)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、5μmであった。分散
相粒子(8)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、3.8mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(8)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.0重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(8)30gをサームエス 900(新
日鐵化学(株)製の部分水添されたトリフェニル)70g
中に混合・分散させ、本発明の電気粘性流体組成物{以
下、これを流体組成物(8)という。}を得た。
実施例9 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた2lの四つ口
セパラブルフラスコに参考例8で得られた重合架橋体
(8)50gおよびテトラクロロエタン250gを仕込み、攪
拌しながら氷浴を用いて0℃に冷却した。次いで、98重
量%濃硫酸200gを添加した後、30分間攪拌し、均一な分
散液とした。次いで、氷浴から取り外し、70℃にて20時
間加熱・攪拌して、スルホン化反応を行った。その後、
反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセ
トンで洗浄した。
得られた固形物を10重量%水酸化リチウム水溶液70ml
で中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥
機を用いて、80℃で10時間乾燥し、69gの球状の分散相
粒子{以下、これを分散相粒子(9)という。}を得
た。
得られた分散相粒子(9)の平均粒子径を粒度分布測
定装置を用いて測定したところ、8μmであった。分散
相粒子(9)のイオン交換容量を中和滴定により測定し
たところ、3.7mg当量/gであった。
得られた分散相粒子(9)中の含水量をカールフィシ
ャー水分計を用いて測定したところ、2.3重量部であっ
た。
得られた分散相粒子(9)30gをブロモベンゼン70g中
に混合・分散させ、本発明の電気粘性流体組成物{以
下、これを流体組成物(9)という。}を得た。
比較例1 攪拌機および温度計を備えた2lの四つ口セパラブルフ
ラスコにジクロロエタン250gを仕込み、攪拌しながら氷
浴を用いて0℃に冷却した。次いで、98重量%濃硫酸25
0g、比較参考例1で得られた比較重合架橋体(1)50g
を添加した後、30分間攪拌し、均一な分散液体とした。
次いで、氷浴から取り出し、室温(20℃)で24時間攪拌
して、スルホン化反応を行った。その後、反応混合物を
0℃の水中に注ぎ、濾別・水洗した。
得られた固形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液30
mlで中和した後、十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機
を用いて、80℃で10時間乾燥し、51gの球状の比較用の
分散相粒子{以下、これを比較分散相粒子(1)とい
う。}を得た。
得られた比較分散相粒子(1)の平均粒子径を粒度分
布測定装置を用いて測定したところ、45μmであった。
比較分散相粒子(1)のイオン交換容量を中和滴定によ
り測定したところ、0.9mg当量/gであった。
得られた比較分散相粒子(1)中の含水量をカールフ
ィシャー水分計を用いて測定したところ、1.1重量部で
あった。
得られた比較分散相粒子(1)30gをサームエス 900
(新日鐵化学(株)製の部分水添されたトリフェニル)
70g中に混合・分散させ、比較用の電気粘性流体組成物
{以下、これを比較流体組成物(1)という。}を得
た。
比較例2 攪拌機および温度計を備えた2lの四つ口セパラブルフ
ラスコにジクロロエタン250gを仕込み、攪拌しながら氷
浴を用いて0℃に冷却した。次いで、98重量%濃硫酸25
0g、比較参考例1で得られた比較重合架橋体(1)50g
を添加した後、30分間攪拌し、均一な分散液体とした。
次いで、フラスコ内の内容物を80℃まで昇温し、同温度
にて24時間加熱・攪拌して、スルホン化反応を行った。
その後、反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別・水洗し
た。
得られた固形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液17
0mlで中和した後、十分に洗浄した。次いで、真空乾燥
機を用いて、80℃で10時間乾燥し、87gの球状の比較用
の分散相粒子{以下、これを比較分散相粒子(2)とい
う。}を得た。
得られた比較分散相粒子(2)の平均粒子径を粒度分
布測定装置を用いて測定したところ、45μmであった。
比較分散相粒子(2)のイオン交換容量を中和滴定によ
り測定したところ、4.4mg当量/gであった。
得られた比較分散相粒子(2)中の含水量をカールフ
ィシャー水分計を用いて測定したところ、2.7重量部で
あった。
得られた比較分散相粒子(2)30gをサームエス 900
(新日鐵化学(株)製の部分水添されたトリフェニル)
70g中に混合・分散させ、比較用の電気粘性流体組成物
{以下、これを比較流体組成物(2)という。}を得
た。
比較例3 ポリスチレンスルホン酸ナトリウムイオン型イオン交
換樹脂であるアンバーライト IR−124(東京有機化学
工業(株)製)を150℃で3時間乾燥後、粉砕・分級し
て、不定形の比較用の分散相粒子{以下、これを比較分
散相粒子(3)という。}を得た。
得られた比較分散相粒子(3)の平均粒子径を粒度分
布測定装置を用いて測定したところ、45μmであった。
比較分散相粒子(3)のイオン交換量を中和滴定により
測定したところ、4.4mg当量/gであった。
得られた比較分散相粒子(3)中の含水量をカールフ
ィシャー水分計を用いて測定したところ、2.8重量部で
あった。
得られた比較分散相粒子(2)30gをサームエス 900
(新日鐵化学(株)製の部分水添されたトリフェニル)
70g中に混合・分散させ、比較用の電気粘性流体組成物
{以下、これを比較流体組成物(3)という。}を得
た。
実施例10 実施例1〜9および比較例1〜3で得られた流体組成
物(1)〜(9)および比較流体組成物(1)〜(3)
の各々を共軸電場付二重円筒形回転粘度計に入れ、内/
外筒間隙1.0mm、せん断速度400s-1、温度25℃の条件で
交流の外部電場4000V/mm(周波数:60Hz)を印加した時
のせん断応力値(初期値)およびその際に流れる電流密
度(初期値)を測定した。さらに、4000V/mmの外部電場
を印加した状態で、粘度計を25℃にて5日間連続運転を
行った後のせん断応力値(5日後値)および電流密度
(5日後値)を測定し、流体組成物の経時安定性を調べ
た。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明で得られた流体組
成物(1)〜(9)は、比較的弱い電場の印加によって
も大きなせん断応力が得られ、かつその経時安定性も優
れていた。
一方、比較流体組成物(1)は、比較的弱い電場の印
加では有意なせん断応力が得られなかった。比較流体組
成物(2)は、比較的弱い電場の印加によっても大きな
せん断応力が得られたが、その経時安定性が悪かった。
また、比較流体組成物(3)は比較的弱い電場の印加で
は大きなせん断応力が得られず、かつその経時安定性が
悪かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16D 35/00 C08F 12/00 // C08F 12/00 F16D 35/00 (C10M 161/00 125:14 145:04 151:02) C10N 20:06 40:14 60:10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散相粒子を絶縁性分散媒中に分散させて
    なる組成物であって、分散相粒子が、芳香族環に少なく
    とも1個のアルコキシ基を有するビニル芳香族化合物
    (a)とポリビニル化合物(b)を必須成分とし必要に
    応じてその他のビニル化合物(c)を加えたモノマー混
    合物(A)の重合架橋体(I)中に存在する芳香族環を
    スルホン化することにより得られるスルホン化重合体粒
    子に該粒子100重量部に対して10重量部以下の水を含有
    させてなり、且つ芳香族環に少なくとも1個のアルコキ
    シ基を有するビニル芳香族化合物(a)のモノマー混合
    物(A)中での割合が5.0モル%以上であることを特徴
    とする電気粘性流体組成物。
  2. 【請求項2】分散相粒子の平均粒子径が0.1〜100μmの
    範囲にある請求項1記載の電気粘性流体組成物。
  3. 【請求項3】分散相粒子と絶縁性分散媒との比が、前者
    100重量部に対して後者50〜500重量部の範囲である請求
    項1また2記載の電気粘性流体組成物。
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