JPH0718770U - スキービンディングを組付けるための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スキー板上への、スキービンディングの簡単
で迅速な組付け及び取外しを可能にする装置を提供す
る。 【構成】 スキービンディングをスキー板上へ組付ける
ための固定エレメントを、バッケン又はプレート内に回
転可能に支承された軸部と、該軸部のプレート側又はバ
ッケン側の上端部に設けられたスリットを有するヘッド
と、前記軸部の反対側の下端に設けられた楕円形又は長
方形のプレート片と、から成るピンとして構成し、かつ
スキー板に前記プレート片の形状に相応する縦長孔を有
する受容部分を設け、該受容部分の前記縦長孔に挿入さ
れたピンのプレート片がピンの回動により縦長孔内の段
を形成する拡張部内に不動に締込まれ固定されるように
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スキービンディングをスキー板に組付けるための装置であって、 バッケン又はセンタリング用ピンを備えたプレート上に固定されているバッケン が固定エレメントによりスキー板の上面に取外し可能に固定されており、この場 合スキー板中に、固定エレメントの、スキービンディング若しくはプレートから 突出する端部を受容するための受容部分が設けられている形式のものに関する。

【０００２】 既にこのような形式の種々異なる装置が提案されているが、しかしこれらはい ずれも好評を博していない。例えばＤＥ−ＯＳ第２６１３３８７号明細書記載の 装置は、バッケンを支持するプレートの固定エレメントがスキー板の上面に配置 されており、従ってバッケン若しくはスキービンディングが取外されている場合 に固定エレメントが損傷を受け易い欠点を有している。

【０００３】 ＡＴ−ＰＳ第２８８９２９号の明細書導入部では、プラスチックスキー板にそ の全幅及びその全長の一部分に亙って延びている金属の補強板を設けることが既 に提案されている。この補強板にはねじ孔があり、これらのねじ孔はスキー板に ある孔と整列していてスキービンディングの固定ねじがねじはめられるようにな っている。

【０００４】 補強板が薄いと、固定ねじによる裂断の危険が生じる。しかし補強板が厚いと 、スキー板の重さが著しく増大して望ましくない。さらにこの補強板によりスキ ー板のたわみ特性にマイナスの影響がでる。

【０００５】 スキーにビンディングを取外し可能に固定するための装置のさらに別の構成が ＤＥ−ＯＳ第２８０６４０３号明細書に記載されている。この構成では、両バッ ケンの下面に若しくは一方のバッケンと不動に結合したプレートに、斜め下方へ 突出したピン若しくは条片が配置されており、これらのピン若しくは条片がスキ ー板中の相応する孔若しくは切欠き内に係合するようになっている。この場合孔 内に、ピンにばね弾性的に接触する、スリットを切った管片を設けることができ る。しかしピン自体に、孔からのピンの意図しない抜け出しを防止するばね弾性 部分を配置することも可能である。

【０００６】 この構成は、ビンディングを粗く使用した場合にピン若しくは条片が曲がり易 く、その後は孔若しくは切欠き内にもはや挿入しえなくなる欠点を有している。 ＤＥ−ＯＳ第２１０２７５７号明細書には、スキービンディング用プレートで あって、２つの鍵孔状の切欠きと１つの縦方向スリットを有するものが記載され ている。これにより、スキー板上へのプレートの一層簡単な載着が可能になって おり、ねじはたんに弛めるだけでよく、はずす必要がない。しかしスキービンデ ィングの縦方向調節にはこの装置は特に不適である。プレートの組付け前にねじ はスキー板上面から突出しており、この点は本考案が避けようとした点である。 それというのはねじは固く締込まれておらず、従って輸送中に時として紛失する ことがあるからである。

【０００７】 ＤＥ−ＯＳ第２３６３５６２号明細書により公知の装置では、スキー板上面上 にプレートが組付けられており、このプレートがスキー板上面から突出している 。同上明細書に記載の別の構成では、成程、スキー板中に受容部が設けられてい るが、しかし全ての実施例に、バッケンの回動若しくはバッケンのスキー板縦方 向での移動を妨げるために、固定ねじを必要とする。これらの固定ねじの使用は しかしスキービンディングの組付け及び取外しを遅らせる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、公知の構成の欠点を排除すること及び、スキー板上へのスキ ービンディングの簡単で迅速な組付け及び取外しを可能にする装置を提供するこ とにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】 この課題は本考案によれば、はじめに述べた形式のスキービンディングをスキ ー板に組付けるための装置において、固定エレメントがピンとして構成されてお り、該ピンが該ピンの、バッケン若しくはプレート内に支承されている端部に、 スリットを備えたヘッドを有しており、該ヘッドに軸部が続いており、該軸部が その下端に楕円形又は長方形のプレート片を有しており、かつ受容部分が平面図 でみて楕円形の複数の孔又は縦長孔を有しており、該孔が１つの段を有しており 、かつ該孔内にピンのプレート片を有する端部が係合せしめられることによって 解決されている。

【００１０】 請求項１記載の手段によれば、個々の固定エレメントの組み付けに工具、例え ばねじ回し又は硬貨を使用することが必要であるが、しかしこの工具は、固定エ レメントの本考案による構成に基づいて、スキービンディングの組付け及び取外 しのために、その都度たんにほぼ９０度回転させるだけでよい。従って固定エレ メントの簡単な操作が保証される。

【００１１】 請求項２記載の構成によれば、請求項１記載の本考案の構成に、バッケンをス キー板に対してスキー板縦方向で種々異なる位置に組付けることを可能にする構 成が付加されている。さらに、ラック及び係止部材の互いに向かい合った歯間で の力の伝達が、スキー板上面に対して平行な平面内において行われ、これによっ てスキー板の負荷が減少する。

【００１２】 最後に請求項３記載の構成によれば、スキー使用中大きな負荷をうける個々の 受容部分をスキー板内に不動に確実に固定することができる。

【００１３】

【実施例】

図１〜図４に示されている装置３００の構成では、スキー板３０３中に４つの 受容部分３０３ａが配置されており、これらには平面図でみて楕円形の縦長孔３ １０が形成されている。これらの縦長孔は１つの段３１０ａ（図３）を有してい る。楕円の長軸はスキー板縦方向に延びている。バッケン３０５のプレート３０ ４には孔内に４つのピン３１３があり、これらのピン３１３はスリットを有する ヘッド３１３ａと軸部３１３ｂと該軸部に設けられたほぼ楕円形のプレート片３ １３ｃから成っている。このプレート片３１３ｃの形状は縦長孔３１０の形状に 相応している。

【００１４】 組付ける場合には、まず、プレート３０４がバッケン３０５と共にスキー板３ ０３上に載着される。このさいピン３１３のプレート片３１３ｃが縦長孔３１０ 内に挿入され、次いで各プレート片３１３ｃは縦長孔３１０内の段３１０ａの下 側に達する。次いでピン３１３がねじまわしによりほぼ９０度回される。このさ いプレート片３１３ｃは段３１０ａ下側の孔壁に固く締込まれる。

【００１５】 図５〜図７の装置７００の構成は図１〜図４の装置３００の構成を、スキー板 ７０３に対してプレート７０４を縦方向に調節移動できるようにしたものである 点でさらに発展させたものである。この目的で、装置３００の構成における楕円 形の縦長孔が縦長孔７２８として製作されており、かつスキー板７０３中にさら に別の受容部分７０３ｂがあり、この受容部分内には２つのラック７２９によっ て両側が形成されている切欠き７２９ａが設けられている。この切欠き７２９ａ には、バッケン７０５を支持しているプレート７０４の下面にある、前記ラック の歯に対応する歯を有する係止部材７３０が所属している。ラック７２９は係止 部材７３０よりも長いから、バッケン７０５の組付けをスキー板７０３に対して スキー板縦方向で種々異なる位置で行うことができる。組付けはこの実施例の場 合にも、ピン７１３をほぼ９０°回すことにより、該ピンがそのプレート片７１ ３ｃにより縦長孔７２８の段７１０ａの下側へ係合し孔壁に固く締込まれること によって行われる。

【００１６】 図示のいずれの構成においても、受容部分３０３ａ，７０３ａには大きな応力 が発生するから、各受容部分の縦方向両側面に側方リブを備えるのが有利である 。これらのリブは、図７のリブ７０３ｃで示されているような方形横断面を有す ることができる。これらはしかしまた鋸歯状横断面のリブ２０３ｄであってもよ い（図８）。

【００１７】 本考案は以上に述べられかつ図面に示された実施例に制限されるものではない 。むしろ、本考案の範囲内においては上記実施例の種々異なるバリエーションが 可能である。例えば、先端部に楕円形又は方形のプレートを有するピンの代わり に、場合によっては、平面図でみて方形のナットを有するねじボルトを用いるこ とも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例におけるプレートを下から見
た斜視図。

【図２】同上実施例におけるスキー板を上から見た斜視
図。

【図３】ピン及び受容部分を含む、組付けられたプレー
ト及びスキー板の横断面図。

【図４】ピンの斜視図。

【図５】本考案の別の一実施例におけるプレートを下か
ら見た斜視図。

【図６】図５の実施例におけるスキー板を上から見た斜
視図。

【図７】リブを有する受容部分半部の斜視図。

【図８】リブを有する受容部分の別の一実施例の横断面
図。

【符号の説明】

３００，７００ 装置、 ３０３，７０３ スキー板、
３０３ａ，７０３ａ，７０３ｂ 受容部分、 ３０
４，７０４ プレート、 ３０５，７０５ バッケン、
３１０，７２８ 縦長孔、 ３１０ａ，７１０ａ
段、 ３１３，７１３ ピン、 ３１３ａ ヘッド、
３１３ｂ 軸部、 ３１３ｃ，７１３ｃ プレート片、
７２９ ラック、 ７２９ａ 切欠き、 ７３０ 係
止部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スキービンディングをスキー板に組付け
   るための装置であって、バッケン又はセンタリング用ピ
   ンを備えたプレート上に固定されているバッケンが固定
   エレメントによりスキー板の上面に取外し可能に固定さ
   れており、この場合スキー板中に、固定エレメントの、
   スキービンディング若しくはプレートから突出する端部
   を受容するための受容部分が設けられている形式のもの
   において、固定エレメントがピン（３１３，７１３）と
   して構成されており、該ピンが該ピンの、バッケン（３
   ０５，７０５）若しくはプレート（３０４，７０４）内
   に支承されている端部に、スリットを備えたヘッド（３
   １３ａ）を有しており、該ヘッドに軸部（３１３ｂ）が
   続いており、該軸部がその下端に楕円形又は長方形のプ
   レート片（３１３ｃ，７１３ｃ）を有しており、かつ受
   容部分（３０３ａ，７０３ａ，）が平面図でみて楕円形
   の複数の孔又は縦長孔（３１０，７２８）を有してお
   り、該孔が１つの段（３１０ａ）を有しており、かつ該
   孔内にピン（３１３，７１３）のプレート片（３１３
   ｃ）を有する端部が係合せしめられることを特徴とす
   る、スキービンディングを組付けるための装置。
2. 【請求項２】スキー板（７０３）中に、縦長孔（７２
   ８）を有する受容部分（７０３ａ）の他にさらに別の受
   容部分（７０３ｂ）が設けられていて、その切欠き（７
   ２９ａ）が２つのラック（７２９）によって形成されて
   おり、かつ縦長孔（７２８）内に、プレート（７０４）
   内に回転可能に支承されているピン（７１３）が挿入さ
   れるのに対して、切欠き（７２９ａ）内には、歯を有し
   かつプレート（７０４）に固定された係止部材（７３
   ０）が嵌込まれることを特徴とする、請求項１記載のス
   キービンディングを組付けるための装置。
3. 【請求項３】各受容部分（３０３ａ，７０３ａ）がその
   外側に少なくとも２つの、互いに反対側に位置するリブ
   （２０３ｄ，７０３ｃ）を有しており、該リブがスキー
   板（３０３，７０３）の縦方向に延びていてスキー板中
   に受容部分を係止するために役立つことを特徴とする、
   請求項１又は２記載のスキービンディングを組付けるた
   めの装置。