JPH07182647A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07182647A
JPH07182647A JP34571493A JP34571493A JPH07182647A JP H07182647 A JPH07182647 A JP H07182647A JP 34571493 A JP34571493 A JP 34571493A JP 34571493 A JP34571493 A JP 34571493A JP H07182647 A JPH07182647 A JP H07182647A
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康一郎 中村
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雄二 杉谷
Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
Takao Fukami
孝夫 深見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリッティングの際の耐クラッキング性を改
善し、電磁変換特性、耐久性、耐剥離性、塗膜表面特性
に優れた磁気記録媒体を提供する。 【構成】 非磁性支持体上に磁性粉と結合剤を主体とす
る磁性層が形成されてなる磁気記録媒体である。結合剤
の成分として、アルキル基を側鎖に有する低分子ジオー
ルと脂肪族系ジカルボン酸からなる脂肪族系ポリエステ
ルジオール(A)10〜50重量%とガラス転移点が−
3℃以上の芳香族系ポリエステルジオール(B)90〜
50重量%との混合ポリエステルジオールと、ポリウレ
タン樹脂の製造原料の固形分に対して0.05〜1.0
重量%のトリオールを含む鎖延長剤と、有機ジイソシア
ネートとを反応させて得られる、損失弾性率の最大値を
示す温度が20〜60℃のポリウレタン樹脂を含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関するも
のであり、さらに詳しくは、スリッティングの際の耐ク
ラッキング性などに優れた塗布型磁気記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオテープ等のカセットケース
に入れて用いられることが多い磁気記録媒体において、
さらに長時間記録化という要望に対応するために、磁気
テープを薄くすることにより、単位カセットに収納され
る磁気テープを長くすることが行なわれている。しか
し、磁気テープを薄くすると、厚さの3乗に逆比例して
磁気テープ全体としてのスティフネス強度が低下する。
このため、従来の厚みのビデオテープ用に調整されたV
TR等で薄手ビデオテープを長時間走行使用すると、磁
気テープの走行基準面を決めるリミッターポストとの接
触、乗上げ等による磁気テープ端面の折れ、磁気面の削
れ等が発生する。これらの現象による画像のトラッキン
グ不良等のため、記録された画像又はデータは著しく損
なわれる。このような走行耐久性の悪化を防ぐため、非
磁性支持体又は磁性層の結合剤のヤング率を増加させる
ことが検討されている。前者の例としては、従来用いら
れてきたポリエチレンテレフタレートの代わりにポリエ
チレンナフタレート又はポリイミドといった基盤材料が
提案されているが、従来のポリエチレンテレフタレート
に比べ非常に高価格になる。後者では、磁気記録層の結
合剤の主成分であるポリウレタン樹脂のソフトセグメン
ト構成材としてフタル酸等を骨格とした芳香族ポリエス
テル、又はウレタン基濃度を増加することにより、損失
弾性率を上昇させ、磁気記録層のヤング率をあげる方法
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにソ
フトセグメントを高剛性化又はウレタン基濃度を増加す
ることにより損失弾性率を上昇させたポリウレタン樹脂
を用いた磁気テープでは、塗膜の柔軟性が低下し、特に
磁気テープを所定の幅にスリッティングすることによっ
て発生するクラックが、この様な高剛性ポリウレタン樹
脂を用いた高ヤング率テープで著しく発生し、記録信号
の再生出力低下、耐剥離性の低下、耐久性の低下、ドロ
ップアウトの増大、磁気ヘッドの目ずまりを起こすなど
問題が起こっている。本発明は、上記課題を解決して、
スリッティングの際の耐クラッキング性を改善し、電磁
変換特性、耐久性、耐剥離性、塗膜表面特性に優れた磁
気記録媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、特定の成分、比率からなるポリウレタン樹脂結
合剤を用いることにより、前記目的を達成しうる磁気記
録媒体が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、非磁性支持体上に磁性
粉と結合剤を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記
録媒体において、前記結合剤の成分として、アルキル基
を側鎖に有する低分子ジオールと脂肪族系ジカルボン酸
からなる脂肪族系ポリエステルジオール(A)10〜5
0重量%とガラス転移点が−3℃以上の芳香族系ポリエ
ステルジオール(B)90〜50重量%との混合ポリエ
ステルジオールと、ポリウレタン樹脂の製造原料の固形
分に対して0.05〜1.0重量%のトリオールを含む
鎖延長剤と、有機ジイソシアネートとを反応させて得ら
れる、損失弾性率の最大値を示す温度が20〜60℃の
ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする前記磁気
記録媒体である。
【0006】また本発明は、非磁性支持体上に磁性粉と
結合剤を主体とする磁性層が硬化・形成されてなる磁気
記録媒体において、前記結合剤の成分として、アルキル
基を側鎖に有する低分子ジオールと脂肪族系ジカルボン
酸からなる脂肪族系ポリエステルジオール(A)10〜
50重量%とガラス転移点が−3℃以上の芳香族系ポリ
エステルジオール(B)90〜50重量%との混合ポリ
エステルジオールと、ポリウレタン樹脂の製造原料の固
形分に対して0.05〜1.0重量%のトリオールを含
む鎖延長剤と、有機ジイソシアネートとを反応させて得
られる損失弾性率の最大値を示す温度が20〜60℃の
ポリウレタン樹脂、及び硬化剤を含有することを特徴と
する前記磁気記録媒体である。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
使用される脂肪族系ポリエステルジオール(A)とは、
アルキル基を側鎖に有する低分子ジオールと脂肪族系ジ
カルボン酸との縮合反応によって得られる末端水酸基を
有するポリエステルジオールであり、分子量500〜
5,000のものが好ましい。前記低分子ジオールとし
ては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチ
ル−1,5−ヘプタンジオール等の1種又は2種以上の
混合物を挙げることができ、分子量50〜400のもの
が好ましい。前記脂肪族系ジカルボン酸とは、芳香族ジ
カルボン酸を一部含有していてもよい脂肪族ジカルボン
酸である。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の1種又は2種
以上の混合物を挙げることができ、芳香族ジカルボン酸
の含有量は15モル%以内、特に5モル%以内であるこ
とが好ましい。
【0008】本発明に使用されるガラス転移点(Tg)
が−3℃以上の芳香族系ポリエステルジオール(B)と
は、低分子ジオールと脂肪族ジカルボン酸を一部含有し
ていてもよい芳香族ジカルボン酸との縮合反応によって
得られる末端水酸基を有するポリエステルジオールであ
り、分子量500〜5,000のものが好ましい。前記
低分子ジオールとしては、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−メチル−1,5−ヘプタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の
炭素数3〜10のグリコールの1種又は2種以上の混合
物を挙げることができ、分子量50〜400のものが好
ましい。芳香族ジカルボン酸としては、オルソフタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の1種又は2種以上
の混合物を挙げることができ、必要に応じて、アジピン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸も併用できる。
この時、脂肪族ジカルボン酸の量は30モル%以内、特
に20モル%以内が望ましい。
【0009】また、この脂肪族系ポリエステルジオール
(A)と芳香族系ポリエステルジオール(B)の重量比
は10〜50重量%対90〜50重量%、好ましくは2
0〜40重量%対80〜60重量%である。脂肪族系ポ
リエステルジオール(A)の割合が10重量%より少な
いと、磁気記録媒体生産工程においてスリッティングの
際の耐クラッキング性に悪影響を及ぼし、一方、50重
量%より多いと、保存耐久性に悪影響を及ぼす。
【0010】本発明に使用される鎖延長剤とはトリオー
ルを含む混合鎖延長剤であり、トリオール以外の鎖延長
剤としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、
2−メチル−1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シ
クロヘキサン−1,4−ジメタノール等の分子量50〜
400の炭素数3以上の低分子ジオールの1種又は2種
以上の混合物が挙げられる。本発明における鎖延長剤の
一部として用いられるトリオールとしては、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン等の1種又は2種以上の混合
物が挙げられ、ポリウレタン樹脂の製造原料の固形分に
対して0.05〜1.0重量%、好ましくは0.1〜
0.4重量%含有される。トリオールがこの範囲より少
ないと保存耐久性に悪影響を及ぼし、また多いと耐クラ
ッキング性に悪影響を及ぼす。
【0011】本発明に使用される有機ジイソシアネート
としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等の1種又は2種以上の混合物が挙
げられる。
【0012】本発明におけるポリウレタン樹脂を製造す
るに際し、混合ポリエステルジオール及び鎖延長剤と有
機ジイソシアネートとのNCO/OHモル比は0.5〜
1.1、特に0.7〜1.0の範囲が好ましい。この範
囲をはずれると本発明の目的とする優れた諸特性が得ら
れないので好ましくない。
【0013】本発明におけるポリウレタン樹脂の損失弾
性率の最大値を示す温度は20〜60℃であり、好まし
くは30〜50℃である。この範囲より低いと保存耐久
性に悪影響を及ぼし、また高いと耐クラッキング性に悪
影響を及ぼす。前記ポリウレタン樹脂は末端水酸基を有
し、その数平均分子量は5,000〜70,000、特
に7,000〜40,000が好ましい。ポリウレタン
樹脂の数平均分子量が5,000より小さいと、耐久性
が劣る。一方、数平均分子量が70,000より大きい
と、磁性粉の分散性が悪くなり塗料化が困難となる。
【0014】また、前記ポリウレタン樹脂には、スルホ
ン酸金属塩基及び/又はカルボキシル基を含有させるこ
とができ、その濃度はポリマー当たり0.001〜0.
2mmol/gが好ましい。スルホン酸金属塩基として
は、例えばSO3 Naを挙げることができ、その導入方
法としては、ポリエステルジオール(A)及び/又は
(B)の酸成分の一部として5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を使用することによりポリエステルジオール分
子中に導入する方法などが挙げられる。カルボキシル基
の導入は、ビス(2,2−ヒドロキシルメチル)プロピ
オン酸をポリエステルジオール中のジオール成分として
用いる方法又は鎖延長剤の一部として用いる方法などが
挙げられる。
【0015】更に前記ポリウレタン樹脂の製造には、必
要に応じて、触媒及び安定剤などを使用することができ
る。触媒としては、N−メチルジエタノールアミン、ト
リエチルアミン、トリエチレンジアミン等のアミン、酢
酸カリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩、ジブチル錫
ラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属化合物
などが挙げられる。安定剤として置換ベンゾトリアゾー
ル類等の紫外線に対する安定剤、フェノール誘導体など
の熱酸化に対する安定剤を配合することによって、ポリ
ウレタン樹脂の諸性能を著しく安定化させることができ
る。また、このポリウレタン樹脂を製造するにあたって
は、従来の公知の方法はいずれも採用することができ、
例えば、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等の単一ま
たは混合溶剤系で反応させる溶液反応法を用いることが
できる。
【0016】本発明の磁気記録媒体における結合剤に
は、ポリウレタン樹脂以外に、磁気記録媒体に通常用い
られている他の結合剤樹脂を併用することができる。そ
れらの例としては、通常タイプの線状ポリウレタン樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール系共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−マレイン
酸共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレン系
樹脂、繊維素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂、これらの樹脂に更にSO3 M(M
はカリウム又はナトリウム)、カルボキシル基等の親水
性極性基を導入したタイプ等が挙げられる。このように
して得られた結合剤を有機溶剤に溶解し、磁性粉末を分
散して非磁性支持体上に塗布することにより磁性層が形
成される。
【0017】本発明には必要に応じて硬化剤を用いるこ
とができる。ここで用いられる硬化剤とはイソシアネー
ト基を2個以上含む低分子ポリイソシアネートであり、
例えば、低分子ポリオールに有機ジイソシアネートを反
応させて得られた末端イソシアネート基の化合物や有機
ジイソシアネートの環状3量化合物等が挙げられる。具
体的には例えば、日本ポリウレタン工業製のコロネート
L、コロネート3041、コロネートHL等がある。こ
れらの硬化剤を結合剤樹脂100重量部に対して5〜4
0重量部加えることにより、磁性層の機械的強度、耐摩
耗性、耐熱性、耐溶剤性等を更に向上させることができ
る。
【0018】更に上記の磁性層には、前記の結合剤及び
磁性粉の他に、添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨材、
帯電防止剤、防錆剤等を併用することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例にてさらに詳しく述べ
るが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
なお、合成例、実施例及び比較例における「部」および
「%」は、特に断りのないかぎり、「重量部」及び「重
量%」を示す。 〈ポリウレタン樹脂の合成〉 合成例1 温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応容器に、数平均分
子量2,000の脂肪族系ポリエステルジオールA2
(アジピン酸と5−ナトリウムスルホイソフタル酸とネ
オペンチルグリコールからのポリエステルジオール)5
00部、数平均分子量2,000の芳香族系ポリエステ
ルジオールB3[グリコール(ネオペンチルグリコール
/2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
/シクロヘキサンジメタノール=9/4/7モル比)と
フタル酸(テレフタル酸/イソフタル酸=1/1モル
比)からのポリエステルジオール]1,500部、ネオ
ペンチルグリコール50部、2,2−ジメチロールプロ
ピオン酸16部、トリメチロールプロパン4部、及びシ
クロヘキサノン1,673部を仕込み、50℃で混合し
たのち、ウレタン化触媒としてジオクチル錫ジラウレー
ト0.3部と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート384部を加え、80℃にて反応させた。反応が進
行するにつれて粘度が上昇するので、適時、シクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン及びトルエンにて希釈し、
赤外スペクトルでイソシアネート基のピークが消滅した
のを確認し、均一透明な液体を得た。このポリウレタン
樹脂溶液1は、固形分25.0%、粘度400cP/2
5℃、数平均分子量33,000であった。合成したポ
リウレタン樹脂1の組成及び特性を表3に示す。
【0020】合成例2〜21 上記合成例1と同様な方法で、表1に示す脂肪族系ポリ
エステルジオール(A)、表2に示す芳香族系ポリエス
テルジオール(B)、及び鎖延長剤の種類と量を変え
て、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと反
応させ、各ポリウレタン樹脂溶液を合成した。上記合成
例で得られたポリウレタン樹脂の組成を表3〜表6に示
す。なお、ウレタン化触媒および溶剤については合成例
1と同じであるので、表3〜表6中にはそれらの記載を
省略した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】表2に記載のガラス転移点(Tg)は、セ
イコー電子工業製の熱分析用機器[型式SSC−500
0(ステーション)、DSC−200(分析モジュール
部)]を用いて、10℃/minの昇温速度でJIS
K7121に準じて測定した。表3〜表6において、損
失弾性率(E″)は、ポリウレタン樹脂溶液を用いて乾
燥膜厚100μmとなるように離型紙上に塗布し、60
℃×30分間+120℃×120分間+室温×1週間乾
燥させた試料を、レオバイブロン(東洋ボールドウィン
製)を用いて周波数:35Hz、昇温速度:2℃/mi
nの条件で測定し、損失弾性率(E″)の最大値を示す
温度を求めた。
【0028】〈磁性塗料の調製及び磁性塗膜の評価〉 実施例1 合成例1で得られたポリウレタン樹脂溶液1を用いて、
下記の割合で配合し、サンドグラインドミル(五十嵐機
械製)で5時間分散して得られた磁性塗料に、硬化剤と
してコロネートL(日本ポリウレタン工業製)を固形分
換算でポリウレタン樹脂100部に対して20部加え、
更に1時間混合してから、厚さ15μmのポリエチレン
テレフタレートのベースフィルム上に乾燥塗膜5μmに
なるように塗布し、直ちに磁場をかけ80℃で3分間乾
燥しカレンダー処理後、更に50℃で24時間キュア
し、磁気フィルムを得た。 配合 Co−γ−Fe23 (BET数38m2 /g) 100部 ポリウレタン樹脂(固形分換算) 25部 メチルエチルケトン 110部 トルエン 110部 シクロヘキサノン 73部 得られた磁気フィルムの光沢度、角型比、走行及び保存
耐久性、耐クラッキング性、及び耐剥離性を評価した。
その結果を表7に示す。
【0029】実施例2〜14、比較例1〜7 実施例1で用いたポリウレタン樹脂溶液1の代わりに、
合成例2〜21で得られたポリウレタン樹脂溶液2〜2
1を用いて、実施例1と同様の処方で、磁気フィルムの
光沢度、角型比、走行及び保存耐久性、耐クラッキング
性、及び耐剥離性を評価した。その結果を表7〜表9に
示す。
【0030】評価方法 (1)光沢度:得られた磁気フィルムの磁性面を光沢計
(スガ試験機製)を用いて、入射角45度、反射角45
度における反射率を測定した。 (2)角型比:得られた磁気フィルムの磁気変換特性
は、振動試料型磁力計VSM−3KA型(東栄工業製)
を用いて測定した。 (3)走行耐久性:VHS方式VTRを用い+5℃での
100パス走行後のテープダメージを目視により判断し
た。本項目における記号は以下の通りである。 ○:良好 ×:テープ折れあり (4)保存耐久性:磁気フィルムを60℃×95%RH
×4週間保存後ソックスレー抽出試験(沸騰メチルエチ
ルケトンで5時間抽出)による結合剤の抽出量を測定
し、結合剤の抽出前後における重量変化率を求めた。本
項目における記号は以下の通りである。 ◎:重量変化率5%未満 ○:重量変化率5%以上10%未満 △:重量変化率10%以上20%未満 ×:重量変化率20%以上 (5)耐クラッキング性:得られた磁気フィルムを鋭利
なカッターナイフでカットし、その断面付近を電子顕微
鏡(日本電子製)を用いて、磁性層へのクラックの入り
方を観察した。本項目における記号は以下の通りであ
る。 ◎:図1に示すように、磁性層断面1及び磁性層表面2
にクラックのない状態 ○:図2に示すように、磁性層断面1から微細なクラッ
ク4が入っている状態 △:図3に示すように、磁性層断面1及び磁性層表面2
に微細なクラック4が入っている状態 ×:図4に示すように、磁性層断面1及び磁性層表面2
にやや大きいクラック4が入っている状態 (6)耐剥離性:得られた磁気フィルムの磁性面に幅1
8mmのポリアセテート粘着テープを貼り、JIS K
6301に準じて測定した。但し、引張速度は30mm
/min.である。本項目における記号は以下の通りで
ある。 ○:粘着テープの粘着層がはがれ、磁性面に貼りついて
いる状態 △:磁性層の一部がポリエチレンテレフタレートフィル
ムからはがれ、粘着テープに一部磁性層が貼りついてい
る状態 ×:磁性層全てがポリエチレンテレフタレートフィルム
からはがれ、粘着テープに磁性層全てが貼りついている
状態
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】
【0034】実施例1〜14の磁気フィルムは、比較例
1〜7の磁気フィルムに較べて、各性能に優れており、
特に耐クラッキング性が優れているので、磁性粉の粉落
ち等がなく、電磁変換特性を含めた磁気記録特性に優れ
ていることが分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体はスリッテングの
際の耐クラッキング性、電磁変換特性、耐久性、耐剥離
性、塗膜表面特性に優れており、高記録密度、信頼性を
要求されるビデオテープ、オーディオテープ、コンピュ
ーターテープ、フロッピーディスク、磁気カード等とし
て有用である。更に本発明における結合剤成分のポリウ
レタン樹脂は、フィルムラミネート用接着剤、インキバ
インダー、プラスチック等の表面処理剤、その他の接着
剤、コーティング剤としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カットした磁気フィルムの断面付近の電子顕
微鏡による耐クラッキング性判定基準の模式図である。
【図2】 カットした磁気フィルムの断面付近の電子顕
微鏡による耐クラッキング性判定基準の模式図である。
【図3】 カットした磁気フィルムの断面付近の電子顕
微鏡による耐クラッキング性判定基準の模式図である。
【図4】 カットした磁気フィルムの断面付近の電子顕
微鏡による耐クラッキング性判定基準の模式図である。
【符号の説明】
1 磁性層断面 2 磁性層表面 3 ベースフィルム 4 クラック

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性粉と結合剤を主体
    とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、 前記結合剤の成分として、アルキル基を側鎖に有する低
    分子ジオールと脂肪族系ジカルボン酸からなる脂肪族系
    ポリエステルジオール(A)10〜50重量%とガラス
    転移点が−3℃以上の芳香族系ポリエステルジオール
    (B)90〜50重量%との混合ポリエステルジオール
    と、ポリウレタン樹脂の製造原料の固形分に対して0.
    05〜1.0重量%のトリオールを含む鎖延長剤と、有
    機ジイソシアネートとを反応させて得られる、損失弾性
    率の最大値を示す温度が20〜60℃のポリウレタン樹
    脂を含有することを特徴とする前記磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に磁性粉と結合剤を主体
    とする磁性層が硬化・形成されてなる磁気記録媒体にお
    いて、 前記結合剤の成分として、アルキル基を側鎖に有する低
    分子ジオールと脂肪族系ジカルボン酸からなる脂肪族系
    ポリエステルジオール(A)10〜50重量%とガラス
    転移点が−3℃以上の芳香族系ポリエステルジオール
    (B)90〜50重量%との混合ポリエステルジオール
    と、ポリウレタン樹脂の製造原料の固形分に対して0.
    05〜1.0重量%のトリオールを含む鎖延長剤と、有
    機ジイソシアネートとを反応させて得られる損失弾性率
    の最大値を示す温度が20〜60℃のポリウレタン樹
    脂、及び硬化剤を含有することを特徴とする前記磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ポリウレタン樹脂がスルホン酸金属
    塩基及び/又はカルボキシル基をポリマー当たり0.0
    01〜0.2mmol/g含有する請求項1又は2に記
    載の磁気記録媒体。
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