JPH07180597A - 過給機付エンジンの大気圧検出装置 - Google Patents

過給機付エンジンの大気圧検出装置

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JPH07180597A
JPH07180597A JP32813993A JP32813993A JPH07180597A JP H07180597 A JPH07180597 A JP H07180597A JP 32813993 A JP32813993 A JP 32813993A JP 32813993 A JP32813993 A JP 32813993A JP H07180597 A JPH07180597 A JP H07180597A
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JP
Japan
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atmospheric pressure
supercharger
engine
intake air
air amount
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JP32813993A
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English (en)
Inventor
Kouichi Satoya
浩一 里屋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】過給機付エンジンの大気圧検出装置において、
過給機が何らかの原因で故障して作動しない場合におい
ても、大気圧の誤検出を極力小さくする。 【構成】エンジン1の吸気通路に、空気を過給するスー
パーチャージャ2が設けられている。スロットル開度セ
ンサ9、エアフローメータ6が吸気通路3に設けられて
いる。さらにエンジン回転数センサ28が備えられてい
る。ECU22により、スロットル開度センサ9により
検出されたスロットルバルブの開度TAと、エンジン回
転数センサ28により検出されたエンジン回転数NEと
に基づいて吸入空気量が予測演算される。さらに予測吸
入空気量と、エアフローメータ6により検出された吸入
空気量GNとに基づいて、前回演算された大気圧を補正
して新たな大気圧が演算される。スーパーチャージャ2
が動作条件にあるときに大気圧の演算が禁止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は過給機を備えたエンジ
ン制御装置に係り、詳しくは、吸気センサの信号から大
気圧を検出する大気圧検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの制御装置において、コストを
低減するために、専用の大気圧センサを設ける代わり
に、吸気管内の吸気管圧力センサの信号を代用して大気
圧を検出する方式の装置が知られている。この吸気管圧
力センサにより求められた大気圧に基づいて、燃料噴射
制御を行ったり、点火時期制御等における大気圧補正が
行われたりしている。
【0003】ところが、この装置を、過給機が備えられ
たエンジンに応用する場合、吸気管内は過給機により過
給されるため、吸気管圧力センサの信号は実際の大気圧
とは極めて異なる値を示すことになる。従って、吸気管
圧力センサの信号を代用して大気圧を検出する装置は過
給機が備えられたエンジンには適用できないという問題
があった。
【0004】この問題を解決するために、従来、吸気管
圧力センサにより検出した吸気管圧力に対して、過給機
による過給圧を補正することにより、吸気管圧力を大気
圧として代用する装置が提案されている。例えば、特開
平3−164551号に開示された過給機を備えるエン
ジンの制御装置においては、スロットルバルブの開度が
所定値以上のときに、エンジン回転数及び前回演算され
た大気圧とから過給圧が演算される。そして、吸気管圧
力センサで検出される吸気管圧力から前記過給圧を引く
ことにより、大気圧が演算されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、吸気管圧力が安定するスロットル開度が比較的
大きい条件のときに吸気管圧力が検出される。すなわ
ち、過給機がほぼ常時作動している領域で検出が行われ
ることになる。従って、過給機が何らかの原因で故障し
て作動しない場合においても、エンジン回転数等から過
給圧が演算され、吸気管圧力から過給圧が引かれて大気
圧が演算される。このように、実際に過給機が作動して
いないにもかかわらず、過給圧が減算され、大気圧に大
きな誤差を含む状態が発生するという虞がある。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、過給機が何らかの原因で故
障して作動しない場合においても、大気圧の誤検出を極
力小さくできる過給機付エンジンの大気圧検出装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明においては、図1に示すように、エンジン
M1の吸気通路M2に設けられ、同吸気通路M2に吸入
される空気を過給する過給機M3と、前記吸気通路M2
に設けられたスロットルバルブの開度を検出するスロッ
トル開度検出手段M4と、前記吸気通路M2に設けら
れ、同吸気通路M2に吸入される空気の量を検出する吸
入空気量検出手段M5と、前記エンジンM1の回転数を
検出する回転数検出手段M6と、前記スロットル開度検
出手段M4により検出されたスロットルバルブの開度
と、回転数検出手段M6により検出されたエンジンM1
の回転数とに基づいて吸入空気量を予測演算する予測演
算手段M7と、前記予測演算手段M7により演算された
予測吸入空気量と、前記吸入空気量検出手段M5により
検出された吸入空気量とに基づいて、前回演算された大
気圧を補正して新たな大気圧を演算する大気圧演算手段
M8と、前記過給機M3が動作条件にあるときに、前記
大気圧演算手段M8の実行を禁止する大気圧演算禁止手
段M9とからなることをその要旨としている。
【0008】また、第2の発明においては、図2に示す
ように、エンジンM1の吸気通路M2に設けられ、同吸
気通路M2に吸入される空気を過給する過給機M3と、
前記吸気通路M2に設けられたスロットルバルブの開度
を検出するスロットル開度検出手段M4と、前記吸気通
路M2に設けられ、同吸気通路M2に吸入される空気の
量を検出する吸入空気量検出手段M5と、前記エンジン
M1の回転数を検出する回転数検出手段M6と、前記ス
ロットル開度検出手段M4により検出されたスロットル
バルブの開度と、回転数検出手段により検出されたエン
ジンの回転数とに基づいて吸入空気量を予測演算する予
測演算手段M7と、前記予測演算手段M7により演算さ
れた予測吸入空気量と、前記吸入空気量検出手段M5に
より検出された吸入空気量とに基づいて前回演算された
を補正して新たな大気圧を演算する大気圧演算手段M8
とを備えた過給機付エンジンの大気圧検出装置であっ
て、前記大気圧演算手段M8はエンジンM1が前記過給
機M3の作動条件にあるときに求められる第1の大気圧
値と、前記過給機M3の非作動条件にあるときに求めら
れる第2の大気圧値との平均値により大気圧を演算する
ことをその要旨としている。
【0009】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、予測演算手段
M7により、スロットルバルブの開度とエンジンM1の
回転数とに基づいて吸入空気量が予測演算される。大気
圧演算手段M8により、前記予測吸入空気量と実際の吸
入空気量とに基づいて、前回演算された大気圧を補正し
て新たな大気圧が演算される。過給機M3が動作条件に
あるときには、大気圧演算禁止手段M9により大気圧の
演算が禁止される。
【0010】上記第2の発明の構成によれば、予測演算
手段M7により、スロットルバルブの開度とエンジンM
1の回転数とに基づいて吸入空気量が予測演算される。
大気圧演算手段M8により、前記予測吸入空気量と実際
の吸入空気量とに基づいて、前回演算された大気圧を補
正して新たな大気圧が演算される。大気圧演算手段M8
により、エンジンM1が前記過給機M3の作動条件にあ
るときに求められる第1の大気圧値と、前記過給機M3
の非作動条件にあるときに求められる第2の大気圧値と
の平均値から大気圧が演算される。
【0011】
【実施例】以下、本発明における大気圧検出装置の第1
実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】図3は、本実施例の大気圧検出装置が搭載
されたエンジンを説明する概略構成図であり、エンジン
1は過給機としてスーパーチャージャ2を備えたガソリ
ンエンジンである。このエンジン1は空気をエンジン1
の各気筒に供給する吸気通路3及び排気ガスを排出する
排気通路4を備えている。吸気通路3の入口には、空気
を濾材で濾過して清浄な状態でエンジン1に供給するエ
アクリーナ5が設けられている。エアクリーナ5に隣接
した吸気通路3にはエンジン1に吸入される空気量GN
を検出するエアフローメータ6が配設されている。エア
フローメータ6の下流側には、スロットルボディ7が設
けられ、同スロットルボディ7の内部には図示しないア
クセルペダルの操作に連動して開閉されるスロットルバ
ルブ8が設けられている。このスロットルバルブ8が開
閉されることにより、エンジン1への吸気量が調節され
る。スロットルバルブ8の近傍には、スロットル開度T
Aを検出するスロットル開度センサ9が設けられてい
る。
【0013】スロットルボディ7とエンジン1との間の
吸気通路3には、スーパーチャージャ2、インタークー
ラ10、サージタンク11がそれぞれ配設されている。
スーパーチャージャ2はエンジン1のクランクプーリ1
2と電磁クラッチ13を介して連結され、エンジン1の
駆動力により回転される。この回転により、スーパーチ
ャージャ2は大気圧以上の高密度の吸気を気筒内に送り
込むことできる。このため、燃焼時の平均有効圧力が高
くなり、エンジン回転数を変化させることなく出力を高
めることが可能である。
【0014】吸気通路3には、スーパーチャージャ2の
上流側と下流側とを連通するバイパス14が設けられ、
同バイパス14の中間部にはダイヤフラム室(図示しな
い)を有するエアバイパスバルブ15が配設されてい
る。ダイヤフラム室と吸気通路3との間にはVSV(バ
キュームスイッチングバルブ)16が接続され、VSV
16の切り換えにより、負圧あるいは大気圧がダイヤフ
ラム室に作用されるようになっている。このダイヤフラ
ム室に負圧が作用されるとエアバイパスバルブ15が開
いてバイパス14が開放され、大気圧が導入されるとバ
イパス14は閉じられる。
【0015】通常軽負荷の状態では、スーパーチャージ
ャ2はOFFの状態にあり、エアバイパスバルブ15は
バイパス14を開放し、大部分の吸入空気はバイパス1
4を通りエンジン側に供給される。また、急加速時に、
スーパーチャージャ2がONされると、エアバイパスバ
ルブ15によりバイパス14は閉じられ、過給が行われ
る。さらに、エンジン回転数が所定値以上に上昇する
と、バイパス14が開放され、過給圧の一部がスーパー
チャージャ2の上流側にバイパスされる。このようにし
て、スーパーチャージャ2による過給圧が制御される。
【0016】前記電磁クラッチ13は、後述する電子制
御装置(ECU)22から送られる信号によりON/O
FFし、スーパーチャージャ2の作動を制御する。ま
た、スーパーチャージャ2で過給された高温の吸入空気
は前記インタークーラ10により冷却された後、吸気脈
動を防止するサージタンク11に送られる。サージタン
ク11には吸気の温度を検出する吸気温センサ18が設
けられている。サージタンク11に溜められた吸入空気
は、インテークマニホルド19からエンジン1の各気筒
に供給される。インテークマニホルド19には、エンジ
ン1の各気筒毎に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(イン
ジェクタ)20がそれぞれ設けられている。
【0017】一方、排気通路4の出口側には排気を浄化
するための三元触媒を内蔵する触媒コンバータ21が設
けられている。前記燃料噴射弁20から噴射される燃料
は、エンジン1の各気筒に送られた吸入空気と混合燃焼
され、エンジン1に駆動力を発生させた後、排気ガスと
して排気通路から触媒コンバータ21を介して外部へ排
出される。
【0018】次に、前記エアフローメータ6、スロット
ル開度センサ9の信号を入力して燃料噴射量あるいは点
火時期を演算制御するECU22について説明する。E
CU22は前述のような種々の制御を実行するセントラ
ル・プロセッシング・ユニット(CPU)23を備えて
いる。このCPU23には、エンジン1を制御するため
のプログラムあるいはマップ等のデータを記憶した読み
出し専用のリードオンリメモリ(ROM)24及び演算
途中のデータを一時記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)25がバス26によってそれぞれ接続されて
いる。さらに、CPU23には前記センサの信号を入力
したり、アクチュエータに駆動信号を出力する入出力回
路(I/O)27が接続されている。このI/O27に
はエアフローメータ6、吸気温センサ18、エンジン回
転数センサ28、及び図示しない車速センサ等のセンサ
が接続されている。車速センサからは車速信号SPDが
CPU23に入力される。エンジン回転数センサ28か
らはエンジン回転数NEが入力される。さらに、I/O
27には燃料噴射弁20、VSV16、電磁クラッチ1
3等のアクチュエータが接続されている。そして、CP
U23は前記エアフローメータ6、スロットル開度セン
サ9の信号をI/O27を介して入力し、演算を行う。
さらにCPU23はI/O27を介してVSV16、燃
料噴射弁20に対し演算結果に基づく出力信号を出力
し、制御を行う。
【0019】続いて、上記のように構成されたエンジン
1の大気圧検出装置における大気圧検出処理動作につい
て説明する。大気圧の変化に対する燃料噴射量の補正、
あるいは、点火時期制御等のため、演算により擬似的に
求められる大気圧PAが使用されている。すなわち、前
回演算によって求められた大気圧PAi-1 に大気圧補正
係数KPAi を掛けることにより新たな大気圧PAi
求められる。ここで、大気圧の初期値は760mmHg
であり、大気圧補正係数KPAi は、前回の演算結果を
記憶しておいて、一定周期毎により適切な値に修正する
学習制御によって求められる。すなわち、所定の実行条
件が全て満たされたとき、エアフローメータ6で検出さ
れた実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量GNTA
との差に基づいて、前回演算された大気圧補正係数KP
i-1 を補正することにより大気圧補正係数KPAi
更新される。この更新は次式によって実行される。
【0020】GNTA−GN≧αならば、 KPAi =KPAi-1 −β GNTA−GN<−αならば、 KPAi =KPAi-1 +β 上記以外の場合においてKPAi は更新されない。
【0021】ここで、大気圧補正係数KPAi の初期値
は1.00である。また、予測吸入空気量GNTAは、
定常時の吸入空気量であり、エンジン回転数NEとスロ
ットル開度TAとによって決まる大気圧補正前の予測吸
入空気量GNTABに、大気圧補正係数KPAi を掛け
たものである。実際には次式によって表される。
【0022】 GNTA=GNTAB*KPAi *FTHA ここで、FTHAは吸気温補正係数であり、この吸気温
補正係数FTHAは吸気温センサ18からの吸気温度に
よって決められる。
【0023】以下、上述した大気圧検出処理動作を図4
に示すフローチャートに従ってより詳細に説明する。こ
のフローチャートはROM24内のプログラムによりC
PU23の制御のもとに進行する。なお、この処理動作
は一定周期(本実施例では65ミリ秒)毎に行われる。
【0024】さて、ステップ100において、次に示す
実行条件が全て成立しているか否かが判断される。実行
条件は; (1)NE≧A(rpm) (2)NE<B(rpm) なお、A<Bであ
る。
【0025】(3)SPD≧C(km/h) Cは低
速走行時の速度である。 (4)ΔGNTA≦m(g/rev) (5)GNTAB≧n(g/rev) である。ここで、ΔGNTAは予測吸入空気量GNTA
と前回演算された予測吸入空気量との差であり、ΔGN
TAが所定値mより小さいということは吸入空気量の変
化が小さいこと、すなわち、スロットルバルブ8の作動
状態が安定していることを示す。
【0026】上記実行条件が全て成立する場合にのみス
テップ101に進む。成立していない場合は、一旦処理
を終了して、一定周期後の次の処理まで待機する。ステ
ップ101においては、スーパーチャージャ2がOFF
している(YSMC=0)か否かが判断される。スーパ
ーチャージャ2がOFFしている(YSMC=0)条件
は、エンジン回転数NEとスロットル開度TAとによっ
て決まる。スーパーチャージャ2がOFFの条件にある
場合、大気圧補正係数KPAi を補正するか否かの判断
を行う次のステップに進む。すなわち、図6のXで示す
条件の領域においてのみ大気圧補正係数KPAi が新た
な値に更新される。
【0027】まず、ステップ102において、エアフロ
ーメータ6で検出された実際の吸入空気量GNと、予測
吸入空気量GNTAとの差が設定値α以上か否かが判断
される。実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量GN
TAとの差が設定値α以上であれば、ステップ103に
おいて前回演算された大気圧補正係数KPAi-1 から設
定値βが引かれ、新たな大気圧補正係数KPAi が求め
られる。このステップ103の後、処理は終了される。
【0028】ステップ102において、実際の吸入空気
量GNと、予測吸入空気量GNTAとの差が設定値αよ
り小さい場合は、さらにステップ104に進む。ステッ
プ104では実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量
GNTAとの差が設定値−α以下か否かが判断される。
実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量GNTAとの
差が設定値−α以下であればステップ105に進む。ス
テップ105において、前回演算された大気圧補正係数
KPAi-1 に設定値βが加えられ、新たなる大気圧補正
係数KPAi が求められた後、処理は終了される。
【0029】一方、ステップ104において、実際の吸
入空気量GNと、予測吸入空気量GNTAとの差が設定
値−αより大きければ処理を終了し、大気圧補正係数K
PA i は前回演算された値に継続して保持される。この
一連の動作により大気圧補正係数KPAi が求められ
る。さらに、前回演算によって求められた大気圧PAi-
1 に大気圧補正係数KPAi を掛けることにより新たな
大気圧PAi が求められる。
【0030】以上詳述したように、大気圧補正係数KP
i は図6に示すスーパーチャージャ2が作動しない条
件の領域にのみにおいて演算されるため、何らかの原因
でスーパーチャージャ2が故障により作動しない場合に
も、誤った大気圧PAを演算することはない。
【0031】次に、大気圧PAを求める大気圧検出装置
の第2実施例について説明する。なお、以下には前記第
1実施例と異なる大気圧検出処理動作についてのみ説明
する。
【0032】大気圧PAは、スーパーチャージャ2の作
動している状態と、作動していない状態の領域で求めら
れる2つの大気圧補正係数から演算される。図6に示す
スロットル開度TAと吸入空気量GNとの関係を示す特
性図において、領域Xではスーパーチャージャ2は作動
せず、領域Yではスーパーチャージャ2は作動する。こ
の2つの領域X,Yにおいて、それぞれ第1、第2大気
圧補正係数KPA1i,KPA2i が求められる。この
第1、第2大気圧補正係数KPA1i ,KPA2i の2
つの平均を演算することにより所望の大気圧補正係数K
PAi が得られる。
【0033】上記大気圧検出処理動作を、図5に示すフ
ローチャートに基づいてさらに詳述する。さて、ステッ
プ200において、第1実施例と同じ実行条件が全て成
立しているか否かが判断される。実行条件が全て成立す
る場合にのみステップ201に進み、成立していない場
合は、一旦処理を終了して、一定周期後の次の処理まで
待機する。
【0034】次に、ステップ201において、スーパー
チャージャ2がOFFしている(YSMC=0)か否か
が判断される。スーパーチャージャ2がOFFの条件に
ある場合には、第1大気圧補正係数KPA1i を補正す
るか否かの判断を行うステップ202に進む。ステップ
202において、実際の吸入空気量GNと、予測吸入空
気量GNTAとの差が設定値α以上か否かが判断され
る。実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量GNTA
との差が設定値α以上であれば、ステップ203におい
て、前回演算された第1大気圧補正係数KPA1i-1
ら設定値βが引かれ、新たな第1大気圧補正係数KPA
i が求められる。この演算の後ステップ211に進
む。ステップ211では、更新された第1大気圧補正係
数KPA1iとRAM25に記憶されている以前の処理
で求められた第2大気圧補正係数KPA2i との平均が
演算される。この時、スーパチャージャ2が作動される
迄は、第2大気圧補正係数KPA2i は更新されていな
いので、初期値である1.00が使用される。この演算
により新たなる大気圧補正係数KPAi が求められた
後、処理は終了される。
【0035】前述のステップ202において、実際の吸
入空気量GNと、予測吸入空気量GNTAとの差が設定
値αより小さい場合は、ステップ204に進む。ステッ
プ204では実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量
GNTAとの差が設定値−α以下か否かが判断される。
実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量GNTAとの
差が設定値−α以下であればステップ205に進む。ス
テップ205において前回演算された第1大気圧補正係
数KPA1i-1 に設定値βが加えられ、新たなる第1大
気圧補正係数KPA1i が求められる。この演算の後ス
テップ211に進み、前述と同様に新たな大気圧補正係
数KPAi が求められた後、処理は終了される。
【0036】ステップ204において予測吸入空気量G
NTAとの差が設定値−αより大きければ処理は終了さ
れ、大気圧補正係数KPAi は前回演算された値に継続
して保持される。
【0037】一方、ステップ201において、スーパー
チャージャ2がONの条件の場合には、ステップ206
に進み、前記バイパス14が閉じているか否かが判断さ
れる。この判断は、VSV16への出力信号に基づいて
行われる。そして、バイパス14が開いている場合は処
理は終了され、バイパス14が全閉の場合においての
み、第2大気圧補正係数KPA2i を補正するか否かの
判断を行うステップ207に進む。このため、バイパス
14が開放されている時には第2大気圧補正係数KPA
i-1 の更新が禁止されることになる。従って、過給圧
の一部がスーパーチャージャ2の上流側にバイパスされ
ることによる誤差を排除することができる。
【0038】次に、ステップ207において、実際の吸
入空気量GNと、予測吸入空気量GNTAとの差が設定
値α以上か否かが判断される。実際の吸入空気量GN
と、予測吸入空気量GNTAとの差が設定値α以上であ
れば、ステップ208において前回演算された第2大気
圧補正係数KPA2i-1 から設定値βが引かれ、新たな
第2大気圧補正係数KPA2i が求められる。この演算
の後ステップ211に進む。ステップ211では、RA
M25に記憶されている第1大気圧補正係数KPA1i
と更新された第2大気圧補正係数KPA2i との平均が
演算され、この平均値を新たなる大気圧補正係数KPA
i として更新し、処理は終了される。
【0039】また、ステップ207において、実際の吸
入空気量GNと、予測吸入空気量GNTAとの差が設定
値αより小さいと判断された場合は、ステップ209に
進む。ステップ209では実際の吸入空気量GNと、予
測吸入空気量GNTAとの差が設定値−α以下か否かが
判断される。実際の吸入空気量GNと、予測吸入空気量
GNTAとの差が設定値−α以下であれば、ステップ2
10に進む。ステップ210において前回演算された第
2大気圧補正係数KPA2i-1 に設定値βが加えられ、
新たなる第2大気圧補正係数KPA2i が求められる。
この演算の後ステップ211に進み、前述と同様に新た
な大気圧補正係数KPAi が求められ、処理は終了され
る。
【0040】ステップ209において予測吸入空気量G
NTAとの差が設定値−αより大きければ処理は終了さ
れ、大気圧補正係数KPAi は前回演算された値に継続
して保持される。この一連の動作により大気圧補正係数
KPAi が求められる。さらに、前回演算によって求め
られた大気圧PAi-1 に大気圧補正係数KPAi を掛け
ることにより新たな大気圧PAi が求められる。
【0041】以上詳述したように、大気圧補正係数KP
i は、図6に示すスーパーチャージャ2がOFFして
いる条件の領域Xで検出された第1大気圧補正係数KP
A1 i とスーパーチャージャ2がONしている条件の領
域Yで検出された第2大気圧補正係数KPA2i との平
均値として求められる。従って、大気圧補正係数KPA
i の検出精度が向上されるとともに、何らかの原因でス
ーパーチャージャ2が故障して作動しない場合でも大気
圧PAの誤差を小さくすることができる。
【0042】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、過給機としてスーパーチャージ
ャ2を備えたエンジン1に大気圧検出装置を適用した
が、ターボチャージャを備えたエンジンに適用してもよ
い。
【0043】(2)前記第2実施例では、大気圧補正係
数KPAi は、スーパーチャージャ2がOFFしている
条件の領域Xで検出された第1大気圧補正係数KPA1
i とスーパーチャージャ2がONしている条件の領域Y
で検出された第2大気圧補正係数KPA2i との平均値
として求められる。しかしながら、スーパーチャージャ
の故障時の誤差をより小さくするために、次に示す処理
動作を行ってもよい。すなわち、第1大気圧補正係数K
PA1i と第2大気圧補正係数KPA2i との差が所定
値以上の場合、スーパーチャージャが故障したと判断し
て、両者の平均値を演算して大気圧補正係数KPAi
する代わりに、第1大気圧補正係数KPA1i を大気圧
補正係数KPAi とする。このような構成によれば、正
常時は両者の平均値を取るため、大気圧補正係数KPA
i の検出精度が向上されるとともに、スーパーチャージ
ャ2が故障した場合にも、大気圧PAの誤差をさらに小
さくすることができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、過給機が何らかの原因で故障して作動しない場合に
おいても、大気圧の誤検出を極力小さくできる過給機付
エンジンの大気圧検出装置を提供することができるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の基本的な概念構成を説明する概念
構成図である。
【図2】第2の発明の基本的な概念構成を説明する概念
構成図である。
【図3】この発明を具体化した一実施例におけるガソリ
ンエンジンの大気圧検出装置を示す概略構成図である。
【図4】第1実施例において大気圧検出処理動作を示す
フローチャートである。
【図5】第2実施例において大気圧検出処理動作を示す
フローチャートである。
【図6】スロットル開度と吸入空気量との関係を示す特
性図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…(過給機である)スーパーチャージ
ャ、3…吸気通路、6…(吸入空気量検出手段である)
エアフローメータ、8…スロットルバルブ、9…(スロ
ットル開度検出手段である)スロットル開度センサ、2
2…(予測演算手段、大気圧演算手段、大気圧演算禁止
手段を構成する)ECU、28…(回転数検出手段であ
る)エンジン回転数センサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸気通路に設けられ、同吸気
    通路に吸入される空気を過給する過給機と、 前記吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度を検
    出するスロットル開度検出手段と、 前記吸気通路に設けられ、吸気圧力を検出する吸気圧力
    検出手段と、 前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、 前記スロットル開度検出手段により検出されたスロット
    ルバルブの開度と、回転数検出手段により検出されたエ
    ンジンの回転数とに基づいて吸入空気量を予測演算する
    予測演算手段と、 前記予測演算手段により演算された予測吸入空気量と、
    前記吸入空気量検出手段により検出された吸入空気量と
    に基づいて大気圧を演算する大気圧演算手段と、 前記過給機が動作条件にあるときに、前記大気圧演算手
    段の実行を禁止する大気圧演算禁止手段とからなること
    を特徴とする過給機付エンジンの大気圧検出装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの吸気通路に設けられ、同吸気
    通路に吸入される空気を過給する過給機と、 前記吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度を検
    出するスロットル開度検出手段と、 前記吸気通路に設けられ、同吸気通路に吸入される空気
    の量を検出する吸入空気量検出手段と、 前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、 前記スロットル開度検出手段により検出されたスロット
    ルバルブの開度と、回転数検出手段により検出されたエ
    ンジンの回転数とに基づいて吸入空気量を予測演算する
    予測演算手段と、 前記予測演算手段により演算された予測吸入空気量と、
    前記吸入空気量検出手段により検出された吸入空気量と
    に基づいて大気圧を演算する大気圧演算手段とを備えた
    過給機付エンジンの大気圧検出装置であって、 前記大気圧演算手段はエンジンが前記過給機の作動条件
    にあるときに求められる第1の大気圧値と、前記過給機
    の非作動条件にあるときに求められる第2の大気圧値と
    の平均値により大気圧を演算することを特徴とする過給
    機付エンジンの大気圧検出装置。
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