JPH07180514A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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JPH07180514A
JPH07180514A JP5325686A JP32568693A JPH07180514A JP H07180514 A JPH07180514 A JP H07180514A JP 5325686 A JP5325686 A JP 5325686A JP 32568693 A JP32568693 A JP 32568693A JP H07180514 A JPH07180514 A JP H07180514A
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variable valve
load region
valve
operating
opening
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Makoto Nakamura
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機関の運転運転状態に応じて吸気弁のバルブ
タイミングを適宜設定することにより、低負荷時の燃費
向上と高負荷時の出力向上を図る。 【構成】 可変動弁装置は、駆動軸2とカムシャフト3
とを揺動可能な環状ディスク10を介して連結してなる
第1の可変動弁機構1と、内筒45と外筒47との相対
回転により駆動軸2とクランクシャフトとの間に位相差
を発生させる第2の可変動弁機構43とから構成され、
各可変動弁機構1,43はコントローラ42を介して制
御される。第1の可変動弁機構1によって吸気弁の作動
角が大作動角から小作動角まで略連続的に切り換えられ
る一方、第2の可変動弁機構43によって吸気弁の作動
中心角が調整される。そして、コントローラ42は、機
関の運転状態を判断し、この運転状態に応じて各可変動
弁機構1,43を作動させ、所定のバルブタイミングを
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の運転状態
に応じて吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可変に制
御する可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可
変に制御する内燃機関の可変動弁装置は、従来から種々
の形式のものが提供されているが、その一つとして例え
ば特公平5−43847号に記載されているものがあ
る。この公報記載の可変動弁装置は、作動角およびリフ
ト量の大きい高速カムと作動角およびリフト量の小さい
低速カムとを選択的に切り替える開閉作動特性変更機構
と、クランクシャフトとカムとの位相角を変化させる位
相調整機構との2つの可変動弁機構から構成されてい
る。
【0003】ここで、内燃機関には、低負荷領域での燃
費の向上と、高負荷領域での出力の向上という要求があ
るが、この相反する要求を満たすためには、吸気弁の開
閉時期を以下のように調整すればよいことが知られてい
る。
【0004】まず、低負荷領域では、吸気弁の開時期を
遅らせて排気弁とのバルブオーバラップをなくし、燃焼
室内に残留する排気ガス(燃焼ガス)の量を低減するこ
とにより燃費を向上できる。また、吸気弁の閉時期を圧
縮行程の中頃まで遅らせることにより、ポンピングロス
を低減し、燃費を向上できる。
【0005】次に、低回転高負荷領域では、吸気弁の開
時期を進ませて適度なオーバラップを確保し、排気効率
を高めることにより出力向上を図ることができる。ま
た、吸気弁の閉時期を進ませることによって低回転での
充填効率が高まり、出力を向上することができる。
【0006】さらに、高回転高負荷領域では、吸気弁の
開時期を進ませてオーバラップを大きくし、排気効率を
高めることにより出力向上を図ることができる。また、
吸気弁の閉時期を遅らせることによって高回転での充填
効率が高まり、出力を向上することができる。
【0007】さて、前記公報に記載された従来の装置に
よって、上述した各運転領域に最適な吸気弁の開閉時期
特性を得るには、図14に示す如く、運転条件に応じて
バルブタイミングを切り替えればよい。
【0008】すなわち、低負荷領域にあるときは、開閉
作動特性変更機構によって作動角の大きい高速カムを選
択するとともに、位相調整機構によって開閉時期の全体
を遅らせることにより、実線で示すバルブタイミングI
1に設定する。これにより、開時期が遅れてバルブオー
バラップが小さくなる一方、閉時期が遅れてポンピング
ロスが低減する。
【0009】また、低回転高負荷領域にあるときは、開
閉作動特性変更機構によって作動角の小さい低速カムを
選択するとともに、位相調整機構によって開閉時期の全
体を進ませることにより、一点鎖線で示すバルブタイミ
ングI2に設定する。これにより、開時期が早まって適
度なバルブオーバラップを得ることができる一方、閉時
期が早まって充填効率が高まる。
【0010】さらに、高回転高負荷領域にあるときは、
開閉作動特性変更機構により作動角の大きい高速カムを
選択するとともに、位相調整機構によって開閉時期の全
体を進ませることにより、点線で示すバルブタイミング
3に設定すればよい。これにより、開時期が大幅に早
まってオーバラップが増大する一方、閉時期が遅れて充
填効率が向上する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置では、開閉作動特性変更機構と位相調整機構と
を用いることにより、運転条件に応じて吸気弁のバルブ
タイミングを適宜切り替えることができるものの、実際
の運転条件の変動に速やかに対応するのが困難であり、
運転性の低下等を招くおそれがある。
【0012】すなわち、通常の運転状態としては、例え
ば定常運転状態からアクセルを踏み込んだ場合等、低負
荷領域から低回転高負荷領域あるいは低負荷領域から高
回転高負荷領域に運転条件が移行する場合が多い。
【0013】ここで、図14に示す如く、低負荷領域か
ら高回転高負荷領域に移行する場合には、位相調整機構
のみを作動させて吸気弁の開閉時期を進ませることによ
り、低負荷時のバルブタイミングI1から高回転高負荷
時のバルブタイミングI3に切り替えることができる。
【0014】しかし、運転条件が低負荷領域から低回転
高負荷領域に移行する場合には、開閉作動特性変更機構
により作動角を小さくするとともに、位相調整機構によ
り開閉時期を進ませなければ、低負荷時のバルブタイミ
ングI1から低回転高負荷時のバルブタイミングI2に切
り替えることができない。
【0015】すなわち、この場合には、両機構の作動を
必要とするため、位相調整機構を最初に作動させてバル
ブタイミングをI3に移し、その後に開閉作動特性変更
機構を作動させてバルブタイミングI2に到達するか、
あるいはこれとは逆に、最初に開閉作動特性変更機構を
作動させて図14中に二点鎖線で示す中間のバルブタイ
ミングI4に移し、その後に位相調整機構を作動させて
バルブタイミングI2に達するかしなければならない。
【0016】従って、かかる2段階の調整を行う過程
で、必然的に吸気弁のバルブタイミングが好ましいタイ
ミングからずれてしまい、この間、運転性能が悪化する
可能性がある。
【0017】また、両機構を同時に作動させようとして
も、両機構の作動速度を一致させるのは事実上困難であ
る。さらに、仮に同時作動が実現したとしても、両機構
にそれぞれ所定の作動油圧を同時に供給しなければなら
ないため、オイルポンプの容量を大きくする必要を生
じ、コスト増大等を招来する。
【0018】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、駆動
軸とカムシャフトとの間に回転位相差を与える第1の可
変動弁機構と、クランクシャフトに対する駆動軸の位相
角を変化させる第2の可変動弁機構とを用いることによ
り、機関の運転状態に応じたバルブタイミングを容易に
実現し、運転性の向上等を図ることとした。すなわち、
本発明に係る内燃機関の可変動弁装置は、機関の回転に
同期して回転する駆動軸と、この駆動軸と同軸上に配設
され、かつ吸排気弁を駆動するカムを外周に有するカム
シャフトと、このカムシャフトの端部に設けられ、かつ
半径方向に沿って係合溝が形成された一方のフランジ部
と、この一方のフランジ部に対向するように前記駆動軸
側に設けられ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成され
た他方のフランジ部と、前記両フランジ部の間に揺動自
在に配設された環状ディスクと、この環状ディスクの両
側部に互いに反対方向に突設されて、前記両フランジ部
の各係合溝内に夫々係合するピンと、前記環状ディスク
を機関運転状態に応じて揺動させる駆動機構とを備えた
第1の可変動弁機構と、機関のクランクシャフトに対す
る前記駆動軸の位相角を変化させる第2の可変動弁機構
とを備えて構成されている。
【0019】また、請求項2の構成では、請求項1の構
成において、機関が低負荷領域にあるときは前記第1の
可変動弁機構を介して吸気弁の作動角を大きくするとと
もに、前記第2の可変動弁機構を介して吸気弁の開閉時
期を遅らせる第1の制御と、機関が低回転高負荷領域に
あるときは前記第1の可変動弁機構を介して吸気弁の作
動角を小さくし、かつ吸気弁の開時期を進ませるととも
に、前記第2の可変動弁機構を介して吸気弁の開閉時期
を遅らせる第2の制御と、機関が高回転高負荷領域にあ
るときは前記第1の可変動弁機構を介して吸気弁の作動
角を大きくするとともに、前記第2の可変動弁機構を介
して吸気弁の開閉時期を進ませる第3の制御と、を行う
制御手段を備えたことを特徴としている。
【0020】さらに、請求項3の構成では、請求項2の
構成に加えて、前記制御手段は、機関が前記低負荷領域
と前記低回転高負荷領域との間の中間領域にあるとき
に、吸気弁の作動角を前記第1の可変動弁機構を介して
低負荷領域での作動角と低回転高負荷領域での作動角と
の中間の大きさにする第4の制御を行うことを特徴とし
ている。
【0021】また、請求項4の構成では、請求項2の構
成に加えて、前記制御手段は、機関が前記低負荷領域と
前記高回転高負荷領域との中間領域にあるときに、吸気
弁の開閉時期を前記第2の可変動弁機構を介して低負荷
領域での開閉時期と高回転高負荷領域での開閉時期との
中間の位相にする第5の制御を行うことを特徴としてい
る。
【0022】さらに、請求項5の構成では、請求項2の
構成において、前記制御手段は、機関の運転条件が前記
低負荷領域と前記低回転高負荷領域との間を移動する際
に、吸気弁の作動角を前記第1の可変動弁機構を介して
低負荷領域での作動角と低回転高負荷領域での作動角と
の間で略連続的に変化させるように構成したことを特徴
としている。
【0023】また、請求項6の構成では、請求項2の構
成において、前記制御手段は、機関の運転条件が前記低
負荷領域と前記高回転高負荷領域との間を移動する際
に、吸気弁の開閉時期を前記第2の可変動弁機構を介し
て低負荷領域での開閉時期と高回転高負荷領域での開閉
時期との間で略連続的に変化させるように構成したこと
を特徴としている。
【0024】
【作用】第1の可変動弁機構の環状ディスクの中心が駆
動軸の中心と合致している制御状態では、カムシャフト
は駆動軸に同期して等速で、すなわち位相差なしで回転
するため、カムのプロフィルに沿って吸排気弁が開閉す
る。これに対し、駆動機構によって環状ディスクが一方
へ揺動した状態では、環状ディスクの中心が駆動軸の中
心から偏心するため、駆動軸とカムシャフトとが不等速
で連動するようになり、回転中に位相差を生じる結果、
カムのプロフィルを位相差により遅進させたような特性
でもって吸排気弁が開閉する。一方、第2の可変動弁機
構は、機関のクランクシャフトに対する駆動軸の位相角
を変化させることができる。
【0025】従って、これら第1の可変動弁機構と第2
の可変動弁機構とにより、作動角と開閉時期とを適宜調
整することができ、機関の運転状態に応じた種々のバル
ブタイミングを実現することが可能となる。これに加え
て、前記環状ディスクと駆動軸との偏心量および前記ク
ランクシャフトと駆動軸との位相角変化量を連続的に変
化させることにより、一のバルブタイミングから他のバ
ルブタイミングに変更する際に、このタイミングを連続
的に変化させることも可能となる。
【0026】また、請求項2の構成によれば、吸気弁の
作動角を大きくするとともに開閉時期を遅らせる第1の
制御によってオーバラップを小さくしつつ閉時期を遅ら
せることができ、吸気弁の開時期を進めつつ作動角を小
さくするとともに開閉時期を遅らせる第2の制御によっ
て適度のオーバラップを形成しつつ第1の制御よりも閉
時期を早めることができ、吸気弁の作動角を大きくする
とともに開閉時期を進ませる第3の制御によって大きな
オーバラップを形成しつつ閉時期を比較的遅らせること
ができる。また、機関が低負荷領域と低回転高負荷領域
との間を移行する場合には、作動角と開閉時期の双方を
同時に調整しうる第1の可変動弁機構のみを作動させる
ことによって、それぞれの領域に適したバルブタイミン
グを得ることができる。
【0027】さらに、請求項3の構成によれば、機関が
低負荷領域と低回転高負荷領域との間を移行する際に、
吸気弁の作動角が中間の値を経るため、移行時のトルク
ショックを低減することができる。
【0028】また、請求項4の構成によれば、機関が低
負荷領域と高回転高負荷領域との間を移行する際に、吸
気弁の開閉時期が中間の位相を経るため、移行時のトル
クショックを低減することができる。
【0029】さらに、請求項5の構成によれば、機関が
低負荷領域と低回転高負荷領域との間を移行する際に、
吸気弁の作動角を略連続的に変化させるため、移行時の
トルクショックを低減することができる。
【0030】また、請求項6の構成によれば、機関が低
負荷領域と高回転高負荷領域との間を移行する際に、吸
気弁の開閉時期を略連続的に変化させるため、移行時の
トルクショックを低減することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置
の実施例を図1〜図13に基づいて説明する。
【0032】まず、図1は第1の実施例の全体構成を示
す構成説明図であって、この可変動弁装置は、後述する
第1の可変動弁機構1と第2の可変動弁機構43とを主
体として構成され、これら各可変動弁機構1,43へ供
給される作動油圧はコントローラ42によって制御され
ている。
【0033】初めに、第1の可変動弁機構1について図
2の拡大断面図を参照しつつ説明すると、機関の前後方
向に延設された中空状の駆動軸2にはクランクシャフト
からスプロケット(いずれも図示せず)を介して回転力
が伝達され、その外周には各気筒毎に分割されたカムシ
ャフト3が一定の隙間を介して駆動軸2の中心Xと同軸
に配設されている。
【0034】また、カムシャフト3は、図示せぬシリン
ダヘッド上端部のカム軸受に回転自在に支持されている
と共に、図3,図4に示す如く、外周の所定位置に、吸
気弁4をバルブスプリング5のばね力に抗してバルブリ
フター6により開作動させる複数のカム7…が一体に設
けられている。
【0035】さらに、カムシャフト3は、上述したよう
に複数個に分割形成されているが、その一方の分割端部
に、フランジ部8が設けられている。また、この複数に
分割されたカムシャフト3の端部間に、それぞれスリー
ブ9と環状ディスク10が配置されている。前記フラン
ジ部8は、図5にも示す如く、中空部から半径方向に沿
った細長い矩形状の係合溝11が形成されていると共
に、環状ディスク10の一方の表面に摺接するフランジ
面8aを有している。
【0036】前記スリーブ9は、小径な一端部がカムシ
ャフト3の他方の分割端部内に回転自在に挿入されてい
る共に、駆動軸2の外周に嵌合しており、かつ直径方向
に貫通した連結ピン12を介して該駆動軸2に連結固定
されている。また、スリーブ9の他端部に設けられたフ
ランジ部13は、カムシャフト3側のフランジ部8と対
向して位置し、かつ図6にも示す如く、半径方向に沿っ
た細長い矩形状の係合溝14が形成されていると共に、
外周面に環状ディスク10の他方の表面に摺接するフラ
ンジ面9aを有している。前記係合溝14は、カムシャ
フト3側フランジ部8の係合溝11と180°異なる反
対側に配置されている。
【0037】前記環状ディスク10は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト3の内径と略同径に形成さ
れ、駆動軸2の外周面との間に環状の隙間部Sが形成さ
れていると共に、小巾の外周部10aが環状のベアリン
グメタル15を介して制御環16の内周面に回転自在に
保持されている。また、互いに180°異なる直径線上
の対向位置にそれぞれ保持孔10b,10cが貫通して
形成されており、該各保持孔10b,10cには、各係
合溝11,14に係合する一対のピン17,18が嵌合
配置されている。
【0038】これら各ピン17,18は、互いにカムシ
ャフト3の軸方向へ逆向きに突出しており、円筒面から
なる基部が保持孔10b,10c内に回転自在に嵌合支
持されていると共に、環状ディスク10の表面から突出
する先端部には、図5及び図6に示す如く、各係合溝1
1,14の対向内面11a,11b、14a,14bと
当接する2面巾状の平面部17a,17b、18a,1
8bがそれぞれ形成されている。
【0039】また、各ピン17,18の軸方向への位置
決めは、突出方向については、ピン17,18の円筒面
と前記平面部17a,17b、18a,18bとの間に
生じる段部17c,18cとフランジ面8a,9aとの
当接により、また後退方向については、前記保持孔10
b,10cを貫通したピン17,18の基端面17d,
18dとフランジ面9a,9aとの当接により、それぞ
れ行われる。
【0040】前記制御環16は、略円環状をなすととも
に、図3に示す如く、外周の一部にボス部16aを有
し、該ボス部16aを貫通した揺動軸19を支点とし
て、駆動軸2の軸方向と直交する面に沿って上下に揺動
自在に構成されている。またボス部16aと反対側の外
周面にはレバー部16bが半径方向に沿って突設されて
おり、このレバー部16bを後述の駆動機構28が操作
することにより制御環16の揺動位置が制御されるよう
になっている。
【0041】また、前記揺動軸19内部には、図3及び
図7に示す如く、機関のオイルギャラリから潤滑油が圧
送される潤滑油通路20が設けられており、ここから給
油孔21,22,23を介してベアリングメタル15と
環状ディスク10との摺動面を潤滑している。環状ディ
スク10の外周面には、前記給油孔22と連通する油溝
24が形成されており、環状ディスク10の全周に潤滑
油が行きわたるようになっている。また、この油溝24
からは、図2に示す如く、各ピン17,18の保持孔1
0b,10cへ向けて給油孔25が形成されている。こ
れらの潤滑機構により、環状ディスク10と制御環16
との間、および環状ディスク10とピン17,18との
間が強制潤滑される。
【0042】また、図2に示す如く、駆動軸2およびカ
ムシャフト3の上方に、その軸方向に沿って、給油パイ
プ26が配置されており、この給油パイプ26に、各フ
ランジ部8,13と環状ディスク10との境界付近に向
けてそれぞれ給油孔27が開口形成されている。この給
油パイプ26には、やはり機関潤滑油が圧送されるよう
になっており、給油孔27から供給される潤滑油によっ
て各ピン17,18と係合溝11,14との間が潤滑さ
れる。
【0043】制御環16を揺動させる駆動機構28は、
図3に示す如く、シリンダヘッドの所定部位に互いに対
向して形成された第1,第2シリンダ29,30と、各
シリンダ29,30内に出没自在に嵌合した油圧ピスト
ン31及びリテーナ32と、図1に示す如く、前記第1
シリンダ29内に画成される油圧室29aに油圧を給排
して油圧ピストン31を進退させる油圧回路33とを備
えている。前記油圧ピストン31及びリテーナ32は、
互いに対向し、かつ両者の先端の間で、前記レバー部1
6bの円弧状先端部を上下方向から挾持するようになっ
ている。
【0044】ここで、前記第2シリンダ30内に設けら
れたリテーナ32は、略有底円筒状に形成され、第2シ
リンダ30内に配設されたコイルスプリング34のばね
力で突出方向に付勢されている。また、前記油圧ピスト
ン31は、第1シリンダ29の底面に当接することによ
り後退位置が規制されるようになっており、該底面に当
接した最大後退位置において、環状ディスク10の回転
中心Yと駆動軸2の中心Xとが同心状態となるように設
定されている。
【0045】前記油圧回路33は、一端部が機関のオイ
ルパン35内に、他端部が油圧室29aにそれぞれ連通
した油通路36と、該油通路36のオイルパン35側に
設けられたオイルポンプ37と、該オイルポンプ37の
下流側に設けられた3ポート2位置型の電磁弁38とか
ら主として構成されている。なお、この油圧回路33
は、一般に機関潤滑系統を利用して構成され、オイルポ
ンプ37等を機関潤滑系統と共用したものとなる。
【0046】また、39は機関のクランク角を検出する
クランク角センサ、40は吸入空気量を検出するエアフ
ローメータ、41は機関の冷却水温を検出する水温セン
サをそれぞれ示し、これら各センサ39,40,41は
コントローラ42に接続されている。
【0047】機関を集中制御する制御手段としてのコン
トローラ42は、マイクロコンピュータシステムとして
構成され、後述の如く、各センサ39,40,41から
の検出信号に基づいて機関の運転状態を判別し、この運
転状態に応じて前記電磁弁38及び後述する他の電磁弁
54に制御信号を出力し、これらを切り換えるようにな
っている。
【0048】ここで、このコントローラ42は、各電磁
弁38、54を切り換える際に、その中間段階でデュー
テイ制御を行うようになっている。すなわち、例えばO
N信号からOFF信号に切り換える場合には、出力10
0%の状態から所定の短時間内に徐々にON時間の比率
を下げていき、これとは逆に、OFF信号からON信号
に切り換える場合には、出力0%の状態から所定の短時
間内に徐々にON時間の比率を上げていく。これによ
り、各電磁弁38,54を介して供給される作動油の圧
力は階段状に、略連続的に変化するようになっている。
【0049】次に、図8に基づき第2の可変動弁機構4
3について説明する。
【0050】まず、図8は第2の可変動弁機構43の詳
細を拡大して示す断面図であって、この第1の可変動弁
機構43は、後述のスリーブ44,内筒45,外筒4
7,ピストン48等から構成されている。
【0051】すなわち、スリーブ44は、カムシャフト
3の前端に回動可能に挿入され、駆動軸2に連結ピン1
2を介して固定されている。このスリーブ44の前端に
は、内筒45が取付ボルト46を介して固着され、この
内筒45の外周側にはカムプーリ47aが一体的に形成
されたカップ状の外筒47が例えば約10°程度相対回
転可能に嵌合されている。
【0052】また、内筒45と外筒47との間にはリン
グ状のピストン48が設けられ、このピストン48はヘ
リカル状の螺条を介して内筒45の外周面と外筒47の
外周面とにそれぞれ噛合している。
【0053】さらに、ピストン48は、リターンスプリ
ング49により前方に向けて常時付勢されており、この
ばね力に対抗すべく、ピストン48の前面と外筒47の
蓋部裏面との間には油圧室50が画成されている。そし
て、この油圧室50は、取付ボルト46内の油通路51
とスリーブ44内まで形成された油通路52を介して図
1に示す如く、第2の可変動弁機構43用の油圧回路5
3中の電磁弁54に接続されている。そして、この油圧
回路53は、コントローラ42の制御信号に応じて第2
の可変動弁機構43に作動油圧を供給するようになって
いる。
【0054】次に、第1の可変動弁機構1の作用につい
て図9を参照しつつ説明する。
【0055】まず、コントローラ42から電磁弁38に
OFF信号を出力すると、この電磁弁38を介して油通
路36とオイルパン35とが接続される。このため、油
圧室29a内の油圧が解放され、油圧ピストン31がバ
ルブスプリング5及びコイルスプリング34のばね力で
第1シリンダ29の底面に当接する最大後退位置まで後
退する。
【0056】従って、制御環16つまり環状ディスク1
0の回転中心Yと駆動軸2の中心Xが合致する。つまり
図3中に実線で示すような状態となる。この場合は、環
状ディスク10と駆動軸2との間に回転位相差が生じ
ず、また、カムシャフト3の中心と環状ディスク10の
中心Yも合致するため、両者3,10間の回転位相差も
生じない。
【0057】そのため、駆動軸2,環状ディスク10お
よびカムシャフト3の3者は、ピン17,18を介して
等速で同期回転する。この結果、図9(A)中の実線に
示すようなカムプロフィルに沿ったバルブリフト特性が
得られる。また、このときには、ピン17,18と係合
溝11,14との間で実質的に滑りが生じない。
【0058】一方、コントローラ42から電磁弁38に
ON信号を出力すると、電磁弁38が切り換わり、オイ
ルポンプ37からの作動油が油通路36を介して油圧室
29aに供給され、油圧室29aの内圧が上昇する。
【0059】この圧力上昇に伴い、油圧ピストン31が
図3中の一点鎖線で示す如く、コイルスプリング34の
ばね力に抗してレバー部16bを所定位置まで押し上げ
るため、制御環16が揺動軸19を支点として上方へ揺
動し、環状ディスク10の中心Yが図3中のY′として
示すように駆動軸2の中心Xから偏心する。
【0060】この状態では、スリーブ9の係合溝14と
ピン18との摺動位置、ならびに、カムシャフト3の係
合溝11とピン17との摺動位置が、いずれも駆動軸2
の1回転毎に移動し、環状ディスク10の角速度が変化
する不等速回転になる。
【0061】特に、一方の係止溝14とピン18の摺動
位置が駆動軸2の中心Xに接近する角度領域では、他方
の係止溝11とピン17の摺動位置が中心Xから離れる
関係になる。この場合は、環状ディスク10は、駆動軸
2に対して角速度が小さくなり、さらに環状ディスク1
0に対しカムシャフト3の角速度も小さくなる。したが
って、カムシャフト3の角速度は、駆動軸2に対して2
重に減速された状態になる。
【0062】逆に、一方の係止溝14とピン18の摺動
位置が駆動軸2の中心Xから離間する角度領域では、他
方の係止溝11とピン17の摺動位置が中心Xに接近す
る関係になる。この場合は、環状ディスク10は、駆動
軸2に対して角速度が大きくなり、さらに環状ディスク
10に対しカムシャフト3の角速度も大きくなる。した
がって、カムシャフト3の角速度は、駆動軸2に対して
2重に増速された状態になる。
【0063】これにより、図9(B)中に一点鎖線で示
す如く、駆動軸2とカムシャフト3との間で比較的大き
な位相差が与えられる。また、回転位相差の最大,最小
点の途中に同位相点(P点)が存在する。なお、図9
(B)の特性図では、カムシャフト3が相対的に進む方
向の位相差を正に、相対的に遅れる方向の位相差を負に
してある。
【0064】そして、カムシャフト3が相対的に遅れ側
となる領域に位置する吸気弁4の開弁時期は、前記位相
差に伴って遅れることになる。逆に、カムシャフト3が
相対的に進み側となる領域に位置する吸気弁4の閉弁時
期は、位相差に伴って進むことになる。従って、図9
(A)中に一点鎖線で示すようなバルブリフト特性が得
られ、その作動角は小さくなる。
【0065】ここで、図9に示す如く、上述した同軸時
のリフト開始点Q1は、同位相点Pの直後となるように
設定されている。これにより、偏心時のリフト開始点Q
2は同軸時のリフト開始点Q1よりも回転位相差δ1だけ
早くなる一方、偏心時のリフト終点R2は同軸時のリフ
ト終点R1よりも回転位相差δ2だけ早くなっている。
【0066】次に、第2の可変動弁機構43の作用につ
いて説明する。
【0067】まず、コントローラ42が他の電磁弁54
にOFF信号を出力すると、油圧室50とオイルパン3
5とが接続される。これにより、油圧室50内の圧力が
解放され、ピストン48が軸方向に移動しないため、内
筒45と外筒47とは相対回転せず、駆動軸2の位相角
とクランクシャフトの位相角とが一致する。ここで、駆
動軸2とクランクシャフトとの間に位相差が生じない場
合に、吸気弁4の開閉時期が全体として遅れるように設
定されている。
【0068】一方、コントローラ42から電磁弁54に
ON信号を出力すると、該電磁弁54が切り換わり、オ
イルポンプ37からの作動油が油通路52等を介して油
圧室50内に供給される。これにより、ピストン48が
軸方向に移動し、この軸方向の運動が内筒45と外筒4
7との相対回転運動に変換される。このため、駆動軸2
とクランクシャフトとの位相角に差異が生じ、図11中
の実線波形と点線波形に示す如く、吸気弁4の作動中心
角自体が移動し、開時期と閉時期とが共に早まったり遅
くなったりする。
【0069】次に、可変動弁装置全体の作用について図
10及び図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0070】まず、コントローラ42は、図10に示す
ような動作切換マップを有し、このマップに基づいて吸
気弁4のバルブタイミングが制御される。この動作切換
マップは、低負荷領域A,低回転高負荷領域B,高回転
高負荷領域Cの3つの領域に分かれている。
【0071】そして、コントローラ42は、各センサ3
9,40,41の検出信号に基づいて機関の回転数,ト
ルクを検出し、機関の運転状態が各領域A,B,Cのう
ちいずれの領域にあるかを判断した後、各領域A,B,
Cに応じて各電磁弁38,54に制御信号を出力し、各
可変動弁機構1,43を作動させる。
【0072】まず、機関が低負荷領域Aにある場合に
は、コントローラ42は、電磁弁38にOFF信号を出
力し、環状ディスク10の中心Yと駆動軸2の中心Xと
を一致せしめ、回転位相差を零とし、吸気弁4の作動角
を同軸時の大作動角αに設定する。一方、コントローラ
42は、他の電磁弁54にもOFF信号を出力して、駆
動軸2とクランクシャフトとの間の位相差が生じないよ
うにして作動中心角を遅れ側に設定し、これにより、図
11中の実線波形に示す如く低負荷時のバルブタイミン
グaを得る。従って、吸気弁4の開時期と閉時期とが共
に大きく遅れ、オーバラップが小さいか、あるいは発生
しなくなる。
【0073】次に、機関の負荷が上昇して低回転高負荷
領域Bに入った場合には、コントローラ42は、第2の
可変動弁機構43を低負荷領域Aの場合に保持したま
ま、電磁弁38にのみON信号を出力して制御環16を
揺動せしめ、環状ディスク10を駆動軸2に対して偏心
させ、吸気弁4の作動角を偏心時の小作動角βに切り換
える。これにより、吸気弁4の作動角が狭まりつつ開時
期及び閉時期が共に早まり、図11中の一点鎖線波形に
示す如く、低回転高負荷時のバルブタイミングbを得
る。従って、オーバラップが適度に生じる一方、閉時期
が大きく早まる。ここで、上述のように、第1の可変動
弁機構1によって作動角を大作動角αから小作動角βに
切り換える際には、デューテイ制御が行われるため、吸
気弁4の作動角は実質状連続的に切り換えられる。
【0074】さらに、機関が高回転高負荷領域Cに入っ
た場合は、コントローラ42は、他の電磁弁54にON
信号を出力して駆動軸2とクランクシャフトとの間に位
相差を発生させ、吸気弁4の作動中心角を早める。一
方、コントローラ42は、第1の可変動弁機構1の電磁
弁38にOFF信号を出力し、環状ディスク10と駆動
軸2との関係を同軸に戻し、作動角を大作動角αに切り
換える。これにより、開時期が大きく早まる一方、閉時
期が低負荷時と低回転高負荷時との略中間に位置するよ
うになり、図11中の点線波形に示す如く、高回転高負
荷時のバルブタイミングcを得る。ここで、上述のよう
に、作動角,作動中心角を切り換える際には、デューテ
イ制御が行われるため、これら作動角,作動中心角は、
ミクロ的には階段状に、マクロ的には滑らかに連続的に
変化していく。
【0075】以上の結果をまとめると、下記表1のよう
になる。
【0076】
【表1】
【0077】このように本実施例によれば、駆動軸2と
カムシャフト3とを揺動可能な環状ディスク10で連結
してなる第1の可変動弁機構1と、内筒45と外筒47
との相対回転によって駆動軸2とクランクシャフトとの
位相角を変化させる第2の可変動弁機構43とから可変
動弁装置を構成したため、各可変動弁機構1,43に供
給する作動油を制御することにより、第1の可変動弁機
構1によって吸気弁4の作動角及び開閉時期を変化させ
ることができ、第2の可変動弁機構43によって吸気弁
4の作動中心角を変化させることができる。この結果、
機関の運転状態に応じた種々のバルブタイミングを容易
に得ることができる。
【0078】また、前記表1及び図11に示す如く、機
関の運転状態に応じて各可変動弁機構1,43を作動さ
せ、低負荷時のバルブタイミングa,低回転高負荷時の
バルブタイミングb,高回転高負荷時のバルブタイミン
グcを得る構成としたため、低負荷時では燃費を向上す
ることができ、高負荷時には出力を増大させることがで
きる。
【0079】すなわち、低負荷領域Aでは、吸気弁4の
閉時期が上死点(TDC)と下死点(BDC)との中頃
まで大きく遅れるため、一度燃焼室内に吸い込まれた混
合気が再度吸気管内に戻されて吸入量が低下し、ポンピ
ングロスが大幅に低減して燃費が向上する。一方、吸気
弁4の開時期が遅くなってバルブオーバラップが小さい
か、あるいは生じないため、燃焼室内の残留ガスを少な
くして燃焼状態を安定化することができ、これにより、
燃費が向上する。
【0080】また、低回転高負荷領域Bでは、吸気弁4
の開時期が低負荷時よりも早まって適度なオーバラップ
が生じ、排気効率が上がって出力が増大する。一方、吸
気弁4の閉時期が大幅に早まるため、低回転での混合気
充填効率が高まり、これによっても出力が増大する。
【0081】さらに、高回転高負荷領域Cでは、吸気弁
4の閉時期が比較的遅くなるため、高回転時の充填効率
が高まる一方、吸気弁4の開時期が大幅に早まってバル
ブオーバラップが増大するため、排気効率も高まる。従
って、この場合には、出力が向上する。
【0082】一方、本実施例では、環状ディスク10の
揺動方向とカム7との位置関係等の調整によって、作動
角と開閉時期の双方を調整可能な第1の可変動弁機構1
を用いる構成のため、この第1の可変動弁機構1のみを
作動させることにより、低回転時のバルブタイミングa
と低回転高負荷時のバルブタイミングbとを速やかに切
り換えることができる。
【0083】すなわち、図9(A)に示す如く、第1の
可変動弁機構1によって作動角が小作動角βになった場
合に、そのリフト開始点Q2が同軸時(大作動角α時)
のリフト開始点Q1よりも早くなるように設定されてい
るため、単一の可変動弁機構1の操作によって、吸気弁
4の閉時期を大きく早めると共に開時期をも比較的早め
ることができる。
【0084】従って、実際の運転状態において頻繁に切
り換わる低負荷領域Aと低回転高負荷領域Bとの間で、
バルブタイミングa,bを安定して速やかに切り換える
ことができ、オイルポンプ37の容量を過大に大きくす
る必要がなく、燃費が一層向上する。これに対し、従来
技術で述べた公報記載の装置によれば、高速カムと低速
カムとの2種類を選択可能であるものの、作動角及びリ
フト量のみしか調整できず、開閉時期の調整が本質的に
不可能であるため、カムの切換のみで低負荷領域Aと低
回転高負荷領域Bとの間の移行を行うことができず、ク
ランクシャフトと駆動軸2の位相角調整をも必要とす
る。ところが、本実施例では、第1の可変動弁機構1の
み作動させればよいので、その構成が簡素であり、安定
したバルブタイミング制御を行うことができる。
【0085】なお、低負荷領域Aと高回転高負荷領域C
との間を移行する場合は、表1に示す如く、第2の可変
動弁機構43によって吸気弁4の作動中心角のみを調整
すれば足りるため、上記同様の効果、すなわち、所定の
バルブタイミングを安定して確実に得ることができる。
【0086】また、本実施例では、各可変動弁機構1,
43を切り換える際に、デューテイ制御を行って略滑ら
かに作動油の圧力を変化させる構成としたため、バルブ
タイミングを切り換える際のトルクショックを大幅に低
減することができ、運転性を向上することができる。
【0087】次に、図12に基づいて本発明の第2の実
施例を説明する。なお、本実施例では、上述した第1の
実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0088】すなわち、図12は本実施例による動作切
換マップであって、低負荷領域Aと低回転高負荷領域B
との間には第1の中間領域Dが配置され、低負荷領域A
と高回転高負荷領域Cとの間には第2の中間領域Eが配
置されている。
【0089】そして、この第1の中間領域Dでは、第1
の可変動弁機構1の電磁弁38に対する移行時のデュー
テイ制御のON時間比率を、0〜100%の間の任意の
値である中間値M1%(但し、下限の0%,上限の10
0%は除き、例えば20〜80%程度の範囲で、好まし
くは40〜60%程度の範囲で設定される)とすること
により、低負荷時の大作動角αと低回転高負荷時の小作
動角βとの間の中間作動角γ(図示せず)を発生させ、
両領域A,B間を段階的に移行させるようになってい
る。
【0090】一方、前記第2の中間領域Eでは、第2の
可変動弁機構43の電磁弁54に対する移行時のデュー
テイ制御のON時間比率を、0〜100%の間の任意の
値である中間値のM2%(但し、前記M1と同様に、例え
ば20〜80%程度の範囲で、好ましくは40〜60%
程度の範囲で設定される)とすることにより、低負荷時
の遅い作動中心角と高回転高負荷時の速い作動中心角と
の間の中間作動中心角を発生させ、両領域A,C間を段
階的に移行させるようになっている。
【0091】このように構成される本実施例でも、上述
した第1の実施例とほぼ同様の効果を得ることができ
る。これに加えて、特に、本実施例では、バルブタイミ
ングを切り換える際に、デューテイ制御を3段階で行う
構成のため、厳密には移行時の滑らかさにやや欠けるも
のの、実際上の不具合はなく、却って、基本的効果を維
持しつつ制御を一層簡素化することができる。
【0092】次に、図13は本発明の第3の実施例を示
している。なお、本実施例では、前記第1の実施例で述
べた構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。
【0093】すなわち、本実施例は、カム7のプロフィ
ルに対するピン17,18の位相を第1の実施例に比べ
て180°異ならせたものであり、これにより、環状デ
ィスク10が駆動軸2に対し偏心状態にあるときに作動
角が広がるように構成されている。なお、カム7とピン
17,18との位相関係を変えずに、偏心方向を逆方向
としても、同様に作動角が広がるようになる。そして、
この実施例では、同軸時(小作動角β時)のリフト開始
点Q1を、駆動軸2に対するカムシャフト3の位相差が
正から負に変わるときの同位相点Pの直後に設定してい
る。
【0094】このように構成される本実施例でも上述し
た第1の実施例とほぼ同一の効果を得ることができる。
【0095】なお、前記各実施例では、吸気弁4の駆動
にのみ適用する場合を例示したが、本発明はこれに限ら
ず、排気弁にも適用することができる。
【0096】また、前記各実施例では、各電磁弁38,
54へ印加する電圧をデューテイ制御することにより、
作動油圧を略連続的に、あるいは中間値M1,M2を得る
ものとして述べたが、これに替えて、例えば油圧回路中
に可変絞りを設ける等の他の手段を用いてもよい。
【0097】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
に係る内燃機関の可変動弁装置によれば、駆動軸とカム
シャフトとを揺動可能な環状ディスクで連結してなる第
1の可変動弁機構と、駆動軸とクランクシャフトとの位
相角を変化させる第2の可変動弁機構とから可変動弁装
置を構成したため、各可変動弁機構に供給する作動油を
制御することにより、機関の運転状態に応じた種々のバ
ルブタイミングを容易に得ることができる。
【0098】また、請求項2の構成によれば、機関の運
転状態に応じたバルブタイミングを設定することがで
き、低負荷状態では燃費を向上でき、高負荷状態では出
力を向上することができる。さらに、低負荷領域と低回
転高負荷領域との間を移行する場合には、作動角と開閉
時期の双方を同時に調整しうる第1の可変動弁機構のみ
を作動させれば良いため、安定して速やかにバルブタイ
ミングを設定することができる。
【0099】さらに、請求項3〜請求項6の構成によれ
ば、移行時のトルクショックを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る内燃機関の可変動
弁装置の全体構成を示す構成説明図。
【図2】第1の可変動弁機構の要部を示す一部破断図。
【図3】図2中のA−A線に沿った断面図。
【図4】第1の可変動弁装置の要部を示す平面図。
【図5】図4中のB−B線に沿った断面図。
【図6】図4中のC−C線に沿った断面図。
【図7】図3中のD−D線に沿った断面図。
【図8】第2の可変動弁機構の要部を示す断面図。
【図9】駆動軸とカムシャフトとの回転位相差特性及び
バルブリフト特性を対比して示す特性図。
【図10】機関の運転状態に応じて制御動作を切り換え
るためのマップを示す説明図。
【図11】機関の運転状態に応じた吸気弁のバルブタイ
ミングと排気弁のバルブタイミングとの関係を示す特性
図。
【図12】本発明の第2の実施例に係る動作切換マップ
を示す説明図。
【図13】本発明の第3の実施例に係る駆動軸とカムシ
ャフトとの回転位相差及びバルブリフト特性を対比して
示す特性図。
【図14】従来技術による排気弁と吸気弁のバルブタイ
ミングを示す特性図。
【符号の説明】
1…第1の可変動弁装置 2…駆動軸 3…カムシャフト 4…吸気弁 8,13…フランジ部 10…環状ディスク 11,14…係合溝 17,18…ピン 28…駆動機構 42…コントローラ 43…第2の可変動弁機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、この駆動軸と同軸上に配設され、かつ吸排気弁を駆
    動するカムを外周に有するカムシャフトと、このカムシ
    ャフトの端部に設けられ、かつ半径方向に沿って係合溝
    が形成された一方のフランジ部と、この一方のフランジ
    部に対向するように前記駆動軸側に設けられ、かつ半径
    方向に沿って係合溝が形成された他方のフランジ部と、
    前記両フランジ部の間に揺動自在に配設された環状ディ
    スクと、この環状ディスクの両側部に互いに反対方向に
    突設されて、前記両フランジ部の各係合溝内に夫々係合
    するピンと、前記環状ディスクを機関運転状態に応じて
    揺動させる駆動機構とを備えた第1の可変動弁機構と、 機関のクランクシャフトに対する前記駆動軸の位相角を
    変化させる第2の可変動弁機構と、 を備えて構成された内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】 機関が低負荷領域にあるときは前記第1
    の可変動弁機構を介して吸気弁の作動角を大きくすると
    ともに、前記第2の可変動弁機構を介して吸気弁の開閉
    時期を遅らせる第1の制御と、 機関が低回転高負荷領域にあるときは前記第1の可変動
    弁機構を介して吸気弁の作動角を小さくし、かつ吸気弁
    の開時期を進ませるとともに、前記第2の可変動弁機構
    を介して吸気弁の開閉時期を遅らせる第2の制御と、 機関が高回転高負荷領域にあるときは前記第1の可変動
    弁機構を介して吸気弁の作動角を大きくするとともに、
    前記第2の可変動弁機構を介して吸気弁の開閉時期を進
    ませる第3の制御と、 を行う制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記
    載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、機関が前記低負荷領域
    と前記低回転高負荷領域との間の中間領域にあるとき
    に、吸気弁の作動角を前記第1の可変動弁機構を介して
    低負荷領域での作動角と低回転高負荷領域での作動角と
    の中間の大きさにする第4の制御を行うことを特徴とす
    る請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、機関が前記低負荷領域
    と前記高回転高負荷領域との中間領域にあるときに、吸
    気弁の開閉時期を前記第2の可変動弁機構を介して低負
    荷領域での開閉時期と高回転高負荷領域での開閉時期と
    の中間の位相にする第5の制御を行うことを特徴とする
    請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、機関の運転条件が前記
    低負荷領域と前記低回転高負荷領域との間を移動する際
    に、吸気弁の作動角を前記第1の可変動弁機構を介して
    低負荷領域での作動角と低回転高負荷領域での作動角と
    の間で略連続的に変化させるように構成したことを特徴
    とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、機関の運転条件が前記
    低負荷領域と前記高回転高負荷領域との間を移動する際
    に、吸気弁の開閉時期を前記第2の可変動弁機構を介し
    て低負荷領域での開閉時期と高回転高負荷領域での開閉
    時期との間で略連続的に変化させるように構成したこと
    を特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装
    置。
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