JPH1037772A - 過給機付内燃機関の吸気弁制御装置および制御方法 - Google Patents

過給機付内燃機関の吸気弁制御装置および制御方法

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JPH1037772A
JPH1037772A JP8194232A JP19423296A JPH1037772A JP H1037772 A JPH1037772 A JP H1037772A JP 8194232 A JP8194232 A JP 8194232A JP 19423296 A JP19423296 A JP 19423296A JP H1037772 A JPH1037772 A JP H1037772A
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信 中村
Shunichi Aoyama
俊一 青山
Shinichi Takemura
信一 竹村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過給圧に応じてバルブリフト特性を最適なも
のとし、充填効率を高めてトルクを向上させる。 【解決手段】 過給機を備えた内燃機関において、吸気
弁側に可変動弁機構を設け、過給圧に応じてバルブリフ
ト特性を制御する。高過給圧時には、図4の(イ)の特
性とする。リフト開始から最大リフトまでの上り作動角
αAが最大リフトからリフト終了点までの下り作動角βA
よりも大きく、従って、作動角比M(=α/β)は1よ
りも大である。これにより過給圧による新気の押し込み
効果が利用できる。低過給圧時には、(ロ)の特性とす
る。この場合、リフト開始から最大リフトまでの上り作
動角αBが最大リフトからリフト終了点までの下り作動
角βBよりも小さくなり、従って、作動角比Mは1より
も小となる。これにより、バルブリフトの立ち上がりが
早くなり、充填効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、4サイクル内燃
機関に関し、特に、過給機と可変動弁機構とを具備した
過給機付内燃機関の吸気弁制御装置および制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のトルクを高める方法として、
従来から吸気系に過給機を設けることが知られている。
この過給機としては、機関出力によって駆動される機械
式過給機(いわゆるスーパーチャージャ)や、排気ガス
によって駆動されるターボチャージャ等があり、吸気弁
上流側の圧力を高めることによりシリンダ内に新気を押
し込み、その体積効率を高めるようになっている。
【0003】一方、内燃機関の吸気弁の開閉時期を可変
制御する可変動弁機構は従来から種々の形式のものが提
案されており、一部で既に実用に供されている。例え
ば、カムシャフトと該カムシャフトを駆動するクランク
シャフトとの間の位相関係を相対的にずらすことによっ
て、吸気弁の開閉時期を同方向へ変化させるものや、異
なるカムプロフィールを有する2つのカムに従動する2
つのロッカアームを設け、吸気弁が実際に連動するロッ
カアームを選択的に切り換えることによって、バルブリ
フト特性を2種類に切り換えるようにした装置などが実
用されている。また、特開平6−185321号公報に
は、不等速軸継手の原理を応用して、円筒状カムシャフ
トを不等速回転させることでバルブリフト特性を連続的
に可変制御し得るようにした可変動弁機構が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実用されている過給機
付内燃機関の多くは、固定的な特性の動弁機構と組合わ
されており、吸気弁のバルブリフト曲線は、過給圧の高
低に拘わらず一定である。そのため、内燃機関の出力等
の性能を必ずしも十分には高めていない。また、上述し
た可変動弁機構にあっても、一般に、低速低負荷域でリ
フト量を小さく、高速高負荷域でリフト量を大きくする
程度の制御がなされているに過ぎず、過給圧と関連した
制御はなされていない。
【0005】本発明の目的は、可変動弁機構を備えた過
給機付内燃機関において、過給圧に応じて吸気弁の開閉
時期を一層最適に可変制御し、過給による機関の性能向
上を最大限に確保することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に係る吸気弁制御装置および請
求項6に係る吸気弁制御方法は、吸気系に過給機を有
し、かつ吸気弁の開閉時期を制御信号により制御可能な
可変動弁機構を備えた内燃機関において、吸気弁のバル
ブリフト曲線におけるリフト開始から最大リフトまでの
上り作動角と最大リフトからリフト終了点までの下り作
動角の作動角比(=上り作動角/下り作動角)が、低過
給圧時に高過給圧時よりも小さくなるように吸気弁開閉
時期を可変制御することを特徴としている。
【0007】すなわち、過給圧が高いと、吸気行程後期
の下死点後、つまりピストンが上昇し始めてからであっ
ても、その高い過給圧により、ピストン上昇に打ち勝っ
て新気がシリンダ内に押し込まれる。一方、過給圧が低
いと、この吸気行程後期の新気押し込み効果は薄れる。
【0008】従って、高過給圧時には、吸気弁のバルブ
リフト曲線におけるリフト開始から最大リフトまでの上
り作動角と最大リフトからリフト終了点までの下り作動
角の作動角比(=上り作動角/下り作動角)を相対的に
大きくし、最大リフトを遅らせる、つまり下死点に近づ
けることにより、上述した吸気行程後期の新気押し込み
効果を利用して、充填効率を高め、トルク向上が図れ
る。
【0009】そして、上述した吸気行程後期の新気押し
込み効果が薄れる低過給圧時には、吸気弁のバルブリフ
ト曲線におけるリフト開始から最大リフトまでの上り作
動角と最大リフトからリフト終了点までの下り作動角の
作動角比(=上り作動角/下り作動角)を相対的に小さ
くし、バルブリフト曲線の立ち上がりを早めることによ
り、やはり充填効率が高く得られる。
【0010】要するに、上記作動角比を、低過給圧時に
相対的に小さく、高過給圧時に相対的に大きくなるよう
に吸気弁開閉時期を可変制御すれば、バルブリフト曲線
が常に一定である場合に比べて、トルク向上が図れる。
【0011】例えば、請求項2あるいは請求項7におい
ては、低過給圧時の作動角比が1より小さく、高過給圧
時の作動角比が1より大きく制御される。これにより、
双方で確実にトルクが向上する。
【0012】また請求項3においては、高過給圧時の吸
気弁閉時期が低過給圧時の吸気弁閉時期よりも遅くなる
ように吸気弁開閉時期が可変制御される。
【0013】一般に知られているように、高過給圧時は
充填効率が高いためノッキングが発生しやすい。ここ
で、吸気弁閉時期を遅くすると、吸気弁が閉じてからピ
ストンが上死点に至るまでの圧縮ストロークが短くなる
ため、上死点付近での混合気温度が相対的に低くなる。
そのため、ノッキングが発生しにくくなり、結果として
ノッキングによるトルク低下を回避できる。また、この
ようにノッキングが発生しにくくなった余裕分だけ圧縮
比を高めるようにすれば、燃費向上も実現できる。
【0014】また請求項4においては、高過給圧時の吸
気弁開時期が低過給圧時の吸気弁開時期と略同一となっ
ている。
【0015】すなわち、高過給圧時には、排気マニホル
ド内の排気ガス圧は高くなっており、特に、ターボチャ
ージャの場合には、一層顕著である。このような条件の
下でバルブオーバーラップが大きいと、排気ガスがシリ
ンダ内に逆流し、耐ノック性の悪化や新気充填効率の低
下などによってトルクが低下してしまう。請求項4によ
れば、過給圧が高くなってもバルブオーバーラップが比
較的小さな一定値に保たれるため、排気ガスの逆流を防
止でき、耐ノック性や充填効率が向上する。
【0016】また、高過給圧状態からの急減速時に吸気
弁開閉時期の切換が遅れ、高過給圧時の開閉時期のまま
であったとしても、バルブオーバーラップが小さいこと
から、機関の運転の不安定化あるいは停止を招くことが
ない。
【0017】上記のような吸気弁開閉時期の可変制御を
実現するために、請求項5に係る吸気弁制御装置は、上
記可変動弁機構として、機関の回転に同期して回転する
駆動軸と、この駆動軸と同軸上に配設され、かつ吸気弁
を駆動するカムを外周に有するカムシャフトと、このカ
ムシャフトの端部に設けられ、かつ半径方向に沿って係
合溝が形成された一方のフランジ部と、この一方のフラ
ンジ部に対向するように上記駆動軸側に設けられ、かつ
半径方向に沿って係合溝が形成された他方のフランジ部
と、上記両フランジ部の間に揺動自在に配設された環状
ディスクと、この環状ディスクの両側部に互いに反対方
向に突設されて、上記両フランジ部の各係合溝内に夫々
係合するピンと、上記環状ディスクを機関運転状態に応
じて揺動させる駆動機構とを備えている。
【0018】この構成においては、環状ディスクの回転
中心が駆動軸およびカムシャフトの中心と同心状態にあ
る場合には、駆動軸とカムシャフトとが等速回転し、ま
た環状ディスクが偏心位置にある場合には、両者が不等
速回転する。従って、上記環状ディスクの位置に応じ
て、吸気弁のバルブリフト特性が連続的に変化し、吸気
弁の開閉時期と作動角とが変化する。なお、駆動軸とカ
ムシャフトとの位相が常に一致する同位相点をバルブリ
フト開始時期と一致させておけば、請求項4のように、
吸気弁開時期が常に一定となる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低過給
圧時および高過給圧時の双方で最適なバルブリフト曲線
となり、それぞれの運転条件において充填効率を高めて
トルクを向上させることができる。
【0020】また、請求項3によれば、高過給圧による
ノッキングを防止でき、それだけ圧縮比を高めることが
可能となる。
【0021】そして請求項4によれば、高過給圧時にお
ける排気ガスの逆流を防止でき、耐ノック性能や充填効
率の上で一層有利となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1は、この発明に係る内燃機関の一実施
例を示すもので、シリンダブロック1に複数のシリンダ
2が直列に配置されているともに、各シリンダ2内にピ
ストン3が摺動可能に嵌合している。シリンダ2頂部を
覆うシリンダヘッド4には、吸気弁5によって開閉され
る吸気ポート6と、排気弁7によって開閉される排気ポ
ート8とが形成され、かつ点火栓9が装着されている。
上記吸気ポート6に接続される吸気通路の上流側には、
ターボチャージャもしくはスーパーチャージャ等の図示
せぬ過給機が介装されている。特に、この過給機として
は、過給圧を可変制御し得る形式のものが用いられてい
る。
【0024】排気弁7は、排気側カムシャフト10によ
って固定的なバルブタイミングでもって開閉されるよう
になっている。これに対し、吸気弁5は、可変動弁機構
11によって、その開閉時期を可変制御できる構成とな
っている。
【0025】12は、上記吸気弁5のバルブタイミング
を機関運転条件、特に過給圧に応じて制御するマイクロ
コンピュータシステムからなるコントロールユニットで
あって、このコントロールユニット12には、過給圧を
示す信号が入力され、この検出信号に基づいて、可変動
弁機構11の油圧制御弁13に制御信号を出力してい
る。なお、過給圧は、図示せぬ過給圧センサを吸気系に
設けて直接検出するようにしてもよく、あるいは、回転
数信号と吸入空気量信号とから間接的に推定するように
してもよい。
【0026】上記可変動弁機構11は、特開平6−18
5321号公報や米国特許第5,365,896号明細
書等において開示されているように、不等速軸継手の原
理を応用して各気筒の円筒状カムシャフト22を不等速
回転させることでバルブリフト特性を連続的に可変制御
し得るようにしたものである。
【0027】この機構自体は公知であるので、図1およ
び図2を参照して簡単に説明すると、図において、21
は図外の機関クランク軸からタイミングチェーン14
(図2参照)を介して回転力が伝達される駆動軸、22
は該駆動軸21の外周に回転自在に嵌合した中空円筒状
のカムシャフトである。このカムシャフト22は、各気
筒毎に分割して構成されている。
【0028】上記カムシャフト22は、シリンダヘッド
4上端部のカム軸受に回転自在に支持されていると共
に、外周に、各気筒一対の吸気弁5を開作動させる一対
のカム26が形成されている。また、カムシャフト22
は、上述したように複数個に分割形成されているが、そ
の一方の分割端部に、第1フランジ部27が設けられて
いる。また、この複数に分割されたカムシャフト22の
端部間に、それぞれスリーブ28と環状ディスク29が
配置されている。上記第1フランジ部27には、半径方
向に沿った細長い係合溝が形成されている。
【0029】上記スリーブ28は、駆動軸21に固定さ
れているものであって、該スリーブ28に、上記第1フ
ランジ部27に対向する第2フランジ部32が形成され
ている。この第2フランジ部32には、やはり半径方向
に沿った細長い係合溝が形成されている。
【0030】両フランジ部27,32の間に位置する上
記環状ディスク29は、略ドーナツ板状を呈し、駆動軸
21の外周面との間に環状の間隙を有するとともに、デ
ィスクハウジング34の内周面に回転自在に保持されて
いる。また、互いに180°異なる直径線上の対向位置
にそれぞれ反対側へ突出する一対のピン36,37を有
し、各ピン36,37が各係合溝に係合している。
【0031】ディスクハウジング34は、略三角形をな
し、その円形の開口部内に環状ディスク29が保持され
ているとともに、三角形の頂部となる2カ所に、それぞ
れ第1カム嵌合孔38および第2カム嵌合孔39が貫通
形成されている。
【0032】そして、上記第1カム嵌合孔38および第
2カム嵌合孔39内には、それぞれ第1偏心カム41お
よび第2偏心カム43の円形カム部41a,43aが回
動自在に嵌合している。
【0033】上記第2偏心カム43は、図1に示すよう
に、互いに所定量偏心している円柱状の軸部43bと円
形カム部43aとからなり、両者が回転可能に嵌合され
て一体化されている。なお、円形カム部43aは、スナ
ップリング30により抜け止めされている。上記軸部4
3bは、図2に示すように、フレーム33の隔壁部に圧
入固定されている。
【0034】また上記第1偏心カム41は、機関前後方
向に沿って複数気筒に亙って連続した制御カム軸42
と、該カム軸42に各気筒に対応して固設された複数個
の円形カム部41aとからなり、両者が所定量偏心して
いる。なお、各気筒の円形カム部41aは、それぞれカ
ム軸42の所定の角度位置において偏心している。上記
制御カム軸42は、上記フレーム33にカムブラケット
35を介して回転自在に保持されている。内燃機関の一
端部に位置する上記制御カム軸42の一端には、駆動機
構として回転型の油圧アクチュエータ46が取り付けら
れている。また、内燃機関の前部に位置する制御カム軸
42の他端には、該制御カム軸42の回転位置つまり円
形カム部41aの位相を検出する回転型のポテンショメ
ータ47が取り付けられている。
【0035】上記の可変動弁機構11においては、第1
偏心カム41を介して環状ディスク29の偏心位置を可
変制御することにより、カムシャフト22が不等速回転
し、駆動軸21との間で、その偏心量に応じた位相差が
生じる。例えば、図3の(A)に示すように、環状ディ
スク29の中心Yと駆動軸21の中心Xとが一致してい
る状態では、カムシャフト22が駆動軸21と等速で同
期回転するため、図4の(B)の実線(イ)に示すよう
なカムプロフィールに沿ったバルブリフト特性が得られ
る。これに対し、図3の(B)に示すように、環状ディ
スク29の中心Yが一方へ偏心した状態では、図4
(A)の一点鎖線に示すように偏心量に応じた位相差が
生じ、これに伴って図4(B)に一点鎖線(ロ)で示す
ようなバルブリフト特性が得られる。
【0036】なお、図4の上部には、偏心状態にある場
合のカムシャフト22等の回転位置を併せて図示してあ
り、それぞれ矢印で対応関係を示してあるように、駆動
軸21の回転位置が、0°のとき、90°のとき、18
0°のとき、および270°のときの位相関係を示して
いる。
【0037】図4(A)では、カムシャフト22が相対
的に進む方向の位相差を正に、相対的に遅れる方向の位
相差を負にしてあるが、図示するように、駆動軸21が
1回転する間に、正方向の位相差と負方向の位相差とが
生じ、その途中に、同位相点(P点)が存在する。そし
て、この実施例では、カムリフトの開始点が上記同位相
点に一致しているとともに、カムリフト期間全体が、位
相差が正となる期間に含まれている。特に、カムリフト
の開始点となる同位相点は、当該気筒の上死点に一致し
ている。従って、図3の(B)のように環状ディスク2
9の中心が偏心すると、開時期が変化しないのに対し、
閉時期ならびにバルブリフトの最大リフト時期が早まる
ようになり、バルブ作動角が狭まる。
【0038】ここで、各タイミングでの位相差は、図4
の(A)のようにそれぞれ異なっているので、同心時の
バルブリフト曲線と偏心時のバルブリフト曲線とは、相
似形とはならない。詳細には、リフト開始から最大リフ
トまでの上り作動角αと最大リフトからリフト終了点ま
での下り作動角βの作動角比M(=α/β)に着目した
ときに、同心時には、図示するように、リフト開始から
最大リフトまでの上り作動角αAが最大リフトからリフ
ト終了点までの下り作動角βAよりも大きく、従って、
作動角比Mは1よりも大である。これに対し、最大偏心
時には、図示するように、リフト開始から最大リフトま
での上り作動角αBが最大リフトからリフト終了点まで
の下り作動角βBよりも小さくなり、従って、作動角比
Mは1よりも小となる。
【0039】そして、上記のバルブリフト特性は、過給
圧に応じて制御されるのであり、低過給圧時には、最大
偏心状態に制御されて図4の(ロ)の特性となり、高過
給圧時には、同心状態に制御されて図4の(イ)の特性
となる。また、中間過給圧のときには、両者の中間の特
性に制御される。
【0040】次の表1は、過給圧とバルブリフト特性と
の関係をまとめて示したものである。
【0041】
【表1】
【0042】このように、上記の実施例においては、低
過給圧時に作動角比Mが相対的に小さく、高過給圧時に
作動角比Mが相対的に大きくなる。すなわち、過給圧が
高いと、吸気行程後期の下死点後、つまりピストン3が
上昇し始めてからであっても、その高い過給圧により、
ピストン3上昇に打ち勝って新気がシリンダ2内に押し
込まれる。一方、過給圧が低いと、この吸気行程後期の
新気押し込み効果は薄れる。
【0043】従って、高過給圧時に、最大リフトを遅ら
せて下死点に近づけることにより、上述した吸気行程後
期の新気押し込み効果が有効利用でき、充填効率が高く
なって、トルク向上が図れる。また過給圧による吸気行
程後期の新気押し込み効果が薄れる低過給圧時には、バ
ルブリフト曲線の立ち上がりを早めることにより、やは
り充填効率が高く得られる。
【0044】また、高過給圧時の吸気弁閉時期は、低過
給圧時の吸気弁閉時期よりも遅くなる。これにより、吸
気弁5が閉じてからピストン3が上死点に至るまでの圧
縮ストロークが短くなるため、上死点付近での混合気温
度が相対的に低くなる。そのため、高過給圧時に問題と
なるノッキングが発生しにくくなる。
【0045】さらに、上記実施例では、高過給圧時の吸
気弁開時期が低過給圧時の吸気弁開時期と同一となって
いる。特に、この開時期はほぼ上死点であり、バルブオ
ーバーラップが常に小さなものとなっている。すなわ
ち、高過給圧時には、排気マニホルド内の排気ガス圧は
高くなっており、特に、ターボチャージャの場合には、
一層顕著である。このような条件の下でバルブオーバー
ラップが大きいと、排気ガスがシリンダ内に逆流し、耐
ノック性の悪化や新気充填効率の低下などによってトル
クが低下してしまう。上記実施例では、過給圧が高くな
ってもバルブオーバーラップが小さく保たれるため、排
気ガスの逆流を防止でき、耐ノック性や充填効率が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る内燃機関の一実施例を示す構成
説明図。
【図2】その可変動弁機構の構成を示す要部の斜視図。
【図3】この可変動弁機構の作動を示す説明図であっ
て、(A)は同心状態、(B)は偏心状態の様子を示す
説明図。
【図4】この可変動弁機構における駆動軸とカムシャフ
トとの回転位相差およびバルブリフト特性を対比して示
す特性図。
【符号の説明】
2…シリンダ 5…吸気弁 11…可変動弁機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/02 320 F02D 41/02 320 43/00 301 43/00 301Z 301R (72)発明者 野原 常靖 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気系に過給機を有し、かつ吸気弁の開
    閉時期を制御信号により制御可能な可変動弁機構を備え
    た内燃機関において、吸気弁のバルブリフト曲線におけ
    るリフト開始から最大リフトまでの上り作動角と最大リ
    フトからリフト終了点までの下り作動角の作動角比(=
    上り作動角/下り作動角)が、低過給圧時に高過給圧時
    よりも小さくなるように吸気弁開閉時期を可変制御する
    ことを特徴とする過給機付内燃機関の吸気弁制御装置。
  2. 【請求項2】 低過給圧時の作動角比が1より小さく、
    高過給圧時の作動角比が1より大きく制御されることを
    特徴とする請求項1記載の過給機付内燃機関の吸気弁制
    御装置。
  3. 【請求項3】 高過給圧時の吸気弁閉時期が低過給圧時
    の吸気弁閉時期よりも遅くなることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の過給機付内燃機関の吸気弁制
    御装置。
  4. 【請求項4】 高過給圧時の吸気弁開時期が低過給圧時
    の吸気弁開時期と略同一であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の過給機付内燃機関の吸気弁制
    御装置。
  5. 【請求項5】 上記可変動弁機構は、機関の回転に同期
    して回転する駆動軸と、この駆動軸と同軸上に配設さ
    れ、かつ吸気弁を駆動するカムを外周に有するカムシャ
    フトと、このカムシャフトの端部に設けられ、かつ半径
    方向に沿って係合溝が形成された一方のフランジ部と、
    この一方のフランジ部に対向するように上記駆動軸側に
    設けられ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成された他
    方のフランジ部と、上記両フランジ部の間に揺動自在に
    配設された環状ディスクと、この環状ディスクの両側部
    に互いに反対方向に突設されて、上記両フランジ部の各
    係合溝内に夫々係合するピンと、上記環状ディスクを機
    関運転状態に応じて揺動させる駆動機構とを備え、上記
    環状ディスクの位置に応じて吸気弁の開閉時期と作動角
    とが変化するものであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の過給機付内燃機関の吸気弁制御装
    置。
  6. 【請求項6】 吸気系に過給機を有し、かつ吸気弁の開
    閉時期を制御信号により制御可能な可変動弁機構を備え
    た内燃機関において、吸気弁のバルブリフト曲線におけ
    るリフト開始から最大リフトまでの上り作動角と最大リ
    フトからリフト終了点までの下り作動角の作動角比(=
    上り作動角/下り作動角)が、低過給圧時に高過給圧時
    よりも小さくなるように吸気弁開閉時期を可変制御する
    ことを特徴とする過給機付内燃機関の吸気弁制御方法。
  7. 【請求項7】 低過給圧時の作動角比を1より小さく、
    高過給圧時の作動角比を1より大きく制御することを特
    徴とする請求項6記載の過給機付内燃機関の吸気弁制御
    方法。
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