JPH07178865A - コンクリート体及びその製造方法 - Google Patents

コンクリート体及びその製造方法

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JPH07178865A
JPH07178865A JP32513793A JP32513793A JPH07178865A JP H07178865 A JPH07178865 A JP H07178865A JP 32513793 A JP32513793 A JP 32513793A JP 32513793 A JP32513793 A JP 32513793A JP H07178865 A JPH07178865 A JP H07178865A
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JP
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layer
gel coat
concrete body
resin
acid
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JP32513793A
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English (en)
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Katsuo Kagaya
勝男 加賀谷
Toshio Kanai
俊夫 金井
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面から(A)ゲルコート樹脂層及び/また
は(B)熱硬化性繊維強化樹脂組成物(FRP)層、
(C)(a)スルホン酸金属塩基を含有する不飽和ポリエ
ステル、(b)重合性単量体、(c) 無機充填剤、(d)水とか
らなるプライマー組成物層を有することを特徴とするコ
ンクリート体。 【効果】 プライマー組成物により、ゲルコート樹脂層
及び/又はFRP層とコンクリート層との密着性、耐水
性に優れ、かつ表面平滑性に優れたコンクリート体が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲルコート樹脂層
(A)及び/または繊維強化樹脂組成物層(以下FRP
層と略す)(B)、特定プライマー組成物層(C)を有
するコンクリート体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、FRPは、その優れた性能か
ら各種分野で用いられている。しかし、セメントコンク
リート体を基材として不飽和ポリエステル樹脂組成物や
そのFRP材料を設ける場合、不飽和ポリエステル樹脂
組成物をセメントコンクリート体に塗布すると、そのア
ルカリ性により界面の密着性が十分ではなかった。
【0003】そこでウレタン樹脂や、ポリビニール系異
種の高分子接着剤を該コンクリートに塗布したり(特開
昭48−123456号公報)、ジシクロペンタジエン
系不飽和ポリエステル樹脂組成物を塗布して、FRP材
料を設けること(特開平4−198076号公報)が提
案されている。
【0004】しかし、こうしたコンクリート体の表面に
直接こうした樹脂層を設ける手法は、コンクリート体と
の密着性が十分でなく、また、接着剤層等の表面層を設
けたものは、やや改善効果は見られるものの、やはり表
面層とコンクリートとの界面で充分な密着性が得られて
ないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、表面樹脂層とコンクリート体との密着性、
耐水性に優れ、更にピンホールのない優れた表面平滑性
を有する樹脂層を有するコンクリート体を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、コンクリート体の表面にゲルコート樹脂
層を形成させるにあたり、該ゲルコート樹脂層とコンク
リート層との密着性向上を目的とした特定プライマー組
成物層を設けることにより、前記課題を解決できること
を見いだし本発明を完成させるに到った。
【0007】即ち、本発明は、表面から(A)ゲルコー
ト樹脂層及び/又は(B)熱硬化性繊維強化樹脂組成物
層、(C)(a)スルホン酸金属塩基を有する不飽和ポリ
エステル(b)重合性単量体、(c) 無機充填剤、(d)水とか
らなるプライマー組成物層を有することを特徴とするコ
ンクリート体、更に、繊維強化樹脂組成物(B)が、不
飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂から選ばれ
る熱硬化性樹脂であること、更に型に対して、ゲルコー
ト樹脂層(A)及び/又は繊維強化樹脂組成物層(B)
を設け、次に(a)スルホン酸金属塩基を有する不飽和ポ
リエステル 、(b)重合性単量体、(c) 無機充填材、(d)
水とからなるプライマー組成物層(C)を設け、最後に
コンクリート体層(D)を設けることを特徴とするコン
クリート体の製造方法を提供するものである。
【0008】(構成)本発明においてゲルコート樹脂層
(A)に用いられるゲルコート樹脂とは、通常FRP製
の成形型や浴槽に用いられている市販の型用ゲルコート
樹脂であれば良く、特に限定されるものではないが、こ
うした分野の高耐久性樹脂が好ましい。この高耐久性樹
脂とは、例えば不飽和ポリエステル樹脂系、ビニルエス
テル樹脂系が好ましく挙げられる。そして何れも高耐久
性樹脂と重合性単量体とをベースとして所望の顔料によ
る着色、チキソ付与剤によるチクソトロピー性を付与
し、硬化剤、硬化促進剤を配合したものである。さらに
難燃剤、紫外線安定剤等の添加剤を入れても良い。特に
耐候性を向上させる添加剤である紫外線吸収剤として
は、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノ
アクリレート系化合物が挙げられ、紫外線安定剤として
は、ヒンダートアミン系が挙げられ適宜選択され使用さ
れる。
【0009】これらの樹脂、硬化剤、及び硬化促進剤と
は、後記するFRP層(B)のものと同様のものであ
る。
【0010】ゲルコート樹脂層(A)の形成方法として
は、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー工
法、塗り工法、注型法、遠心成形法等が好ましいものと
して挙げられるが、中でもスプレー工法が塗膜の均一性
に優れる点から好ましい。ゲルコート樹脂層(A)は、
表面平滑性を要求されない用途ではプライマー組成物層
(C)上に直接形成され、特に表面平滑性を要求される
用途に於いては、プライマー組成物層(C)上のFRP
層(B)を介して形成される。
【0011】また、このゲルコート樹脂層(A)の厚さ
は特に限定されるものではないが、成形体の表面平滑性
に優れる点、および、プライマー組成物層(C)との密
着性に優れる点から0.5〜2mmであることが好まし
い。
【0012】本発明におけるFRP層(B)に用いられ
る樹脂組成物とは、基本的に熱硬化性樹脂と繊維強化材
とからなるもので特に限定されるものではないが、好ま
しくは、熱硬化性樹脂、繊維強化材、硬化剤、硬化促進
剤、充填剤、低収縮剤からなるものである。
【0013】熱硬化性樹脂とは、重合性単量体に熱硬化
性樹脂を溶解したもので、例えば不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート、不飽
和ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート)
等が挙げられる。
【0014】本発明で用いられる不飽和ポリエステル
は、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価ア
ルコ−ル類との縮合反応で得られるもので、好ましくは
数平均分子量500〜5000の範囲のものである。
【0015】不飽和ポリエステルを調整するにあたって
使用されるα,β−不飽和二塩基酸としては、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸として
は、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−
ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジア
ルキルエステル等を挙げることができる。
【0016】多価アルコ−ル類としては、例えばエチレ
ングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレング
リコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ
−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ
−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3
−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビ
スフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ
−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの
付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グ
リセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパン
ジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3
−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサン
グリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パ
ラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−
ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカ
リングリコ−ル等を挙げることができる。
【0017】本発明で用いられるエポキシ(メタ)アク
リレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ナフタレン型エポキ
シ樹脂のジ(メタ)アクリレート等を挙げることができ
る。
【0018】本発明で用いられるポリエーテルウレタン
(メタ)アクリレートとしては、例えばポリプロピレン
グリコール(好ましくは数平均分子量約500〜900
程度)とトリレンジイソシアネート(TDI)を1対2
のモル比で反応させたポリイソシアネートと2−ヒドロ
キシエチルメタアクリレートとを1対2のモル比で反応
させたもの等を挙げることができる。
【0019】本発明の不飽和ポリエステルアクリレート
としては、不飽和ポリエステルの末端に(メタ)アクリ
ル化合物を反応した不飽和ポリエステル(メタ)アクリ
レートである。(メタ)アクリル化合物としては、不飽
和グリシジル化合物、アクリル酸またはメタアクリル酸
の如き各種の不飽和一塩基酸、及びそのグリシジルエス
テル類、例えばば、グリシジルアクリレートまたはグリ
シジルメタクリレートなどである。好ましくは、グリシ
ジルアクリレートの使用が望ましい。
【0020】かかる樹脂の数平均分子量としては、好ま
しくは1,000〜5,000である。
【0021】繊維強化材としては、例えばガラス繊維、
カーボン繊維、アラミド、アミド、ビニロン、ポリエス
テル、フェノール等の有機繊維、金属繊維、又はセラミ
ック繊維等が使用できるし、或いはそれらの適切なる組
み合わせ、つまり2種以上の組み合わせでも良い。好ま
しくはガラス繊維で、チョップドストランドマット、ガ
ラスロ-ビングクロス等である。
【0022】硬化剤としては、ジアシルパーオキサイド
系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド
系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイ
ド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル
系、パーカーボネート系等公知のものが使用され、特に
代表的なものを例示すればアゾビスイソブチロニトリル
に代表されるアゾ化合物;或いはtert−ブチルパー
ベンゾエート、tert−パーオクトエート、ベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、又はジクミルパーオキサイドの如き各種の有機過酸
化物等であって、混合条件、硬化時間によって適宜選択
される。
【0023】硬化剤の添加量は、好ましくは熱硬化性樹
脂と重合性単量体の合計量100重量部に対して、0.
1〜5重量部である。上記硬化剤は、2種以上組み合わ
せて使用しても良い。
【0024】硬化促進剤としては、金属石鹸類が特に代
表的なものであり、具体的にはナフテン酸コバルト、オ
クテン酸コバルト、ナフテン酸銅、及びナフテン酸バリ
ュウム等が特に代表的なものとして挙げられる。;金属
キレート化合物類としてはバナジルアセチルアセテー
ト、コバルトアセチルアセテート又は、鉄アセチルアセ
トネート等である。又、アミン類として特に代表的なも
のを例示すれば、ジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン、ジメチルパラトルイジン、エチルメタトルイジン、
トリエタノールアミン、メタトルイジン、ジエチルトリ
アミン、ピリジン、フェニルモルフォリン、ピペリジ
ン、ジエタノールアニリン等が挙げられる。これらの中
でもアミン類の使用が望ましい。尚、該硬化促進剤は予
め、樹脂組成物に添加しておいても良いし、或いは使用
時添加しても良い。
【0025】硬化促進剤の添加量は、熱硬化性樹脂と重
合性単量体の合計量100重量部に対して好ましくは
0.1〜5重量部使用する。本発明においてはアミン系
促進剤が好ましい。なお、硬化促進剤は、予め樹脂に添
加しておいても良いし、使用時に添加しても良い。
【0026】充填材とは、具体的には、炭酸カルシウム
粉、クレー、アルミナ粉、ケイ石粉、タルク、硫酸バリ
ウム、シリカパウダー、ガラス粉、ガラスビ−ズ、マイ
カ、水酸化アルミニウム、又はセルロース粉の如き公知
慣用の各種充填材が挙げられる。
【0027】低収縮剤としては、熱可塑性樹脂が適切で
あり、具体例としては、メチルメタクリレートエチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレートの如き、各種のアクリル酸な
いしはメタクリル酸の低級アルキルエスル類;またはス
チレン、塩化ビニルまたは酢酸ビニルの如き、各種のビ
ニル系単量体類の単独重合体類ないしは共重合体類など
であり、
【0028】例えば、ゲルコート層の表面平滑性を向上
せしめるために用いる場合、不飽和酸含有率の高い不飽
和ポリエステル樹脂と、低収縮剤である例えば酢酸ビニ
ル重合体、飽和ポリエステル等の熱可塑性樹脂、及び充
填剤として炭酸カルシウム等からなる低収縮型樹脂コン
パウンドとチョップドストランドガラスマットの組み合
わせとすることが好ましい。
【0029】また、このFRP層(B)の厚さは、特に
限定されるものではないが、表面平滑性の点、およびプ
ライマー組成物層(C)との密着性に優れる点から0.
5〜5mmであることが好ましい。
【0030】本発明に用いられるプライマー組成物層
(C)とは、ゲルコート樹脂層(A)又はFRP層
(B)、及びコンクリート体層(D)の双方に強力な接
着力を有するもので、(a)スルホン酸金属塩基を含有す
る不飽和ポリエステル、(b)重合性単量体、(c)無機充填
剤、(d)水とからなる組成物である。
【0031】(a)スルホン酸金属塩基を含有する不飽和
ポリエステル及び(b)重合性単量体は、ゲルコート樹脂
層(A)又はFRP層(B)との親和性を、また(c)無
機充填材と(d)水はコンクリート層(D)との親和性を
向上させるものであり、これによりゲルコート樹脂層
(A)とコンクリート体層との密着性が極めて優れたも
のとなり、実用上優れた耐久性を有するゲルコート付き
コンクリート体を提供できる。
【0032】本発明の(C)中の(a)スルホン酸金属塩
基を含有する不飽和ポリエステルは、必要とする接着力
が維持できる範囲で、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂、ビニルウレタンアクリレート等の他の樹
脂と混合して用いても良い。
【0033】ここで用いるスルホン酸金属塩基を含有す
る不飽和ポリエステル(a)とは、特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、α,β−エチレン性不飽和二
塩基酸若しくはその酸無水物と、又は、芳香族飽和二塩
基酸若しくはその酸無水物と、アルコール類との重縮合
反応によって製造され、場合によっては酸成分として脂
肪族ないしは、脂環式の飽和二塩基酸を併用してもよ
い。
【0034】α,β−エチレン性不飽和二塩基酸又はそ
れらの酸無水物として特に代表的なものとしては、(無
水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、或いはそれらのエステル類等であり、また、芳香族
飽和二塩基酸又はそれらの酸無水物として特に代表的な
ものを例示すれば(無水)フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、エンドメ
チレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化フタル
酸、ヘット酸、或いはそれらのエステル類等であり単独
でも二種以上の併用でも良いことは勿論である。
【0035】さらには脂肪族ないしは脂環式二塩酸とし
て特に代表的なものは、蓚酸、マロン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、或いはそれらのエステル類等
であり、それぞれ単独使用でも良いことは勿論である。
【0036】他方、前記したアルコール類として特に代
表的なもののみ例示すれば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2−メチルプロパン1,3−ジオール、ネ
オペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA
等があり、単独使用でも2種以上の併用でもよいことは
勿論である。そのほかにも、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイドの如き各種の酸化物もまた同様に使用
できる。
【0037】又、アルコール類と酸成分との一部とし
て、ポリエチレンテレフタレート等の重縮合物とか、或
いはジシクロペンタジエン又はその誘導体も使用でき
る。
【0038】また、不飽和ポリエステルにスルホン酸金
属塩基を導入させる原料は、二塩基酸類または多価アル
コール類(二塩基酸の場合はその縮合可能誘導体でも良
い)であり、例えばスルホイソフタル酸、スルホテレフ
タル酸、スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸(またはこれらの誘導体)のナトリウ
ム塩及び下記構造式(化1、化2)のもの:
【0039】
【化1】
【0040】
【化2】
【0041】等が挙げられる。
【0042】本発明の、不飽和ポリエステルにスルホン
酸塩基を導入させる原料は、不飽和ポリエステル固形分
中に0.1重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜
5重量%用いられる。20重量%を越えると不飽和ポリ
エステルの製造が困難となり、また、樹脂の耐熱性が著
しく低下する。一方、0.1重量%より少ないと十分な
水との混合性、親水性を得ることができないので好まし
くない。
【0043】上述した(a)と(b)とを樹脂組成物とするに
は、例えば(a)スルホン酸金属塩基を含有する不飽和ポ
リエステルの30〜80重量部を、(b)重合性単量体の
70〜20重量部に溶解せしめることによって得られ
る。
【0044】本発明に用いられる前記重合性単量体(b)
として特に代表的なものを例示すれば、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、メ
チル(メタ)アクリレートの如き各種のビニル化合物;
或いはジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジア
リルサクシネート又はトリアリルシアヌレートの如きア
リル化合物をはじめとする不飽和ポリエステルと架橋可
能なるビニルモノマー乃至はビニルオリゴマー等であ
り、これらは単独使用でも二種類以上の併用でもよい
が、一般的にはスチレンの使用が推奨される。
【0045】上述した熱硬化性樹脂組成物は、必要によ
り、更に硬化剤、硬化促進剤、低収縮剤、揺変性付与
剤、界面活性剤又は増粘剤等が添加されるが、就中、硬
化剤及び硬化促進剤の添加は特に有用である。
【0046】硬化剤としては、前記のものが使用条件に
より適宜選択される。勿論、該硬化剤は二種以上を組み
合わせて使用しても良いし、添加量も通常使用されるよ
うな量で良い。好ましくは前記(a)スルホン酸金属塩基
を含有する不飽和ポリエステルと、(b)重合性単量体と
の合計量100重量部からなる熱硬化性樹脂組成物10
0重量部に対して、通常0.3〜5重量部なる範囲内で
用いることが出来る。又、該硬化剤は予め前記熱硬化性
樹脂組成物に添加しておいてもよいし、或いは使用時添
加しても良い。
【0047】硬化促進剤としては、前記のものが使用で
きる。これらの中でもアミン類の使用が望ましい。尚、
該硬化促進剤は予め、熱硬化性樹脂組成物に添加してお
いても良いし、或いは使用時添加しても良い。
【0048】該硬化促進剤の添加量としては、前記、熱
硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.05〜3
重量部なる範囲内が適切である。
【0049】本発明において、プライマー組成物層
(C)に用いられる無機充填材(c)としては、特に限定
されるものではないが好ましくはセメント類と称される
もので、CaO及びSiO2 を主成分とするものが、コ
ンクリートとの密着性に優れる点から好ましい。具体的
に例示すると、例えば、CaOが45〜75重量%、S
iO2 が15〜30重量%で、且つその残りが、例えば
Al23、Fe23、MgO、又はSO3 等を含有する
形のものなどが挙げられる。この組成を満たすものもの
の中で特に代表的なものであり、かつ、好ましいものと
してポルトランドセメントが挙げられる。
【0050】このポルトランドセメントとしては各種の
ものが使用でき、例えば、早強−、超早強−、又は中庸
熱ポルトランドセメント、或いは耐硫酸塩等が挙げられ
る。その他に高炉セメント、シリカセメント、又はフラ
イアッシュセメントの如き、各種の混合セメントも勿論
使用出来る。更に、白色セメント、アルミナセメント、
オイルウェルセメント、コロイドセメント、急硬化セメ
ント、高硫酸塩スラグセメント、地熱セメント、膨張性
セメントの如き、各種特殊セメントも又使用出来る。
【0051】又、この組成物(c)に通常セメントに使
用されるような減水剤等の添加剤を含んでいても良いこ
とは勿論である。
【0052】更には上述のポルトランドセメント以外の
(c)無機充填材も本発明の密着性を損なわない範囲で含
むことが可能であり、具体的には炭酸カルシウム粉、ク
レー、アルミナ粉、ケイ石粉、タルク、硫酸バリウム、
シリカパウダー、ガラス粉、ガラスビ−ズ、マイカ、水
酸化アルミニウム、又はセルロース糸の如き公知慣用の
各種充填材が挙げられる。同様に本発明の密着性を損な
わない範囲で骨材も含んでも良く、骨材としては、硅
砂、川砂、砂利、寒水石、大理石屑又は砕石の如き、公
知慣用の各種の骨材が挙げられる。該充填材ないしは骨
材等は要求性能に応じて、単独でも或いは組み合わせで
も使用する事が出来る。又、前記充填材及び骨材の中空
軽量体も使用できることは勿論である。
【0053】本発明に用いられるプライマー組成物層
(C)を構成する(d)水は、未養生のセメントコンクリ
ート又はモルタル中に存在する水分を利用しても良い
し、混合時に添加水として添加しても良い。
【0054】本発明で用いるプライマー組成物層(C)
を構成する各種の成分の好ましい割合としては、特に限
定されるものではないが、前記した如き(a)スルホン酸
金属塩基を含有する不飽和ポリエステル及び(b)重合性
単量体からなる熱硬化性樹脂組成物の5〜40重量部
と、(c)充填材の10〜85重量部と、(d)水の1〜25
重量部で、これらの各成分の合計が100重量部となる
範囲が、前記、熱硬化性樹脂組成物と充填材との分散性
に優れる点、適切な粘度で流動性に優れ、密着性が向上
する点から好ましい。
【0055】本発明におけるプライマー組成物層(C)
の形成方法は、特に限定されるものではないが、塗り工
法、注型法、遠心成形法等がとくに好ましい。何れの方
法も、上述した様に予め準備された型に塗装されたゲル
コート樹脂層(A)の背面(上面)にFRP層(B)を
設け、更にFRP層(B)の背面(上面)に、該プライ
マー組成物層(C)を適宜成形法で厚み0.2〜10m
m形成し、該プライマー組成物層(C)の流動性が失わ
れないまでに、所謂ゲル化する前にセメントコンクリー
ト(D)を流し込み室温で硬化させる方法が、FRP層
(B)とコンクリート体(D)との密着性がより向上さ
れる点から好ましい。
【0056】本発明に用いられるコンクリート体のコン
クリート体層(D)は、上述したポルトランドセメント
と(c)充填材(前記骨材も含む)と(d)水とから基本的に
なる組成物を用いる事が、プライマー組成物層(C)と
の密着性が著しく向上する点から好ましい。減水材等の
添加剤、或いは充填材、骨材及びそれらの中空軽量体、
更には各種繊維強化材も前記内容に基づいて用いる事が
出来る。
【0057】これらの方法によるゲルコート層(A)
は、特に表面平滑性を必要としない場合直接コンクリー
ト体(D)上のプライマー組成物層(C)上に施工して
もよいが、表面平滑性の向上の為には、予め準備された
型にゲルコート樹脂層(A)を塗工し、更にその上にプ
ライマー組成物層(C)を設けた後、コンクリート層
(D)を設けて、一体とする手法が好ましい。又、より
コンクリート成形体の表面滑性を向上せしめるためとゲ
ルコート樹脂層(A)の補強と表面平滑性との目的で、
該ゲルコート樹脂層(A)の背面にFRP層(B)を設
けることができる。
【0058】本発明のコンクリート体の用途は、特に限
定されるものではないがコンクリートの使用されている
用途にFRP、ゲルコートを使用する場合に使用され
る。具体的には、成形用型、土木建築材及び建築小物
(管、柱、壁材、床材、屋根材、天井材、タイル、電
柱、ブロック、護岸ブロック、下水蓋、歩道れんが、ベ
ンチ)、住設機器(浴槽、洗面台、流し台、キッチンカ
ウンター、椅子、机、天板)、容器(箱)、または置物
(人形、像)として用いることができ、これらの用途に
より必要により着色・意匠を付与することができる。
【0059】例えば、本発明のコンクリート体を型とし
て使用する場合、コンクリート体からなる凸型或いは凹
型のどちらか一方を用いて減圧下に成形しても良い。所
謂真空成形用型に用いてもよいが、コンクリート体の下
凹型と上凸型とからなり、両型が閉じられた際に形成さ
れる成形空間に、強化材を挿入及び/又は液状の熱硬化
性樹脂材料を注入して硬化させる、所謂レジントランス
ファー成形用の型としても有用である。
【0060】以下に、本発明を実施例により、一層、具
体的に説明する。但し、本発明はこれらの諸例のみに限
定されるものではない。以下において「%及び部」とあ
るのは特に断りの無い限り全て「重量%及び重量部」を
意味するものとする。
【0061】
【実施例】
実施例1ー1 成形物のFRP製反転型(以下反転型と略記)を準備
し、これを凸型ゲルコート付きコンクリート体の反転型
として用いた。
【0062】次に反転型の凹面にディクスター社製離型
剤「フレコートFRP」を均一に塗布して木綿布で軽く
拭き取った。
【0063】次いで、型用ビニルエステル系ゲルコート
剤(昭和高分子(株)製ビニルエステル系「リポキシ
GM−5B210−青」)に対して6%ナフテン酸コバ
ルトを0.3%添加して均一になるよう攪拌後、55%
メチルエチルケトンパーオキサイドを1.2%添加して
良く攪拌混合後、反転型にスプレーガンでゲルコート膜
厚1mmになるように塗布して、室温で3時間硬化さ
せ、反転型凹面上にゲルコート樹脂層(A)を形成し
た。
【0064】次に、前記ゲルコート樹脂層(A)の背面
に、大日本インキ化学工業(株)製スチレンモノマー4
0%含有ビニルエステル樹脂組成物「ディックライトU
E−3505」100部、ジメチルアニリン0.1部、
50%ベンゾイルパーオキサイド2部添加混合した樹脂
を用いて、日東紡績(株)製ガラス繊維「チョップスト
ランドマットMC−450」2プライをハンドレイアッ
プ法でFRP層(B)を形成した。
【0065】次に、大日本インキ化学工業(株)製スチ
レンモノマー45%含有5(ナトリウムスルホ)イソフ
タル酸変性不飽和ポリエステル樹脂組成物「ポリライト
TP−522」100部、ジメチルアニリン0.1部、
50%ベンゾイルパーオキサイド2部、4号硅砂240
部、6号硅砂240部、ポルトランドセメント66.7
部、及び水20部を攪拌混合してプライマー樹脂組成物
を調製し、前記、FRP層(B)の背面に2mmなる厚
みが得られるような量を投入して均一にコテ塗りし、プ
ライマー組成物層(C)を形成した。
【0066】次にコテ塗りしたプライマー組成物層
(C)が室温でゲル化するまでの約15分以内に第1表
に示すセメントコンクリートを打設し、速やかに振動機
にて5分間脱泡してコンクリート層(D)を形成した。
【0067】しかる後、70℃で4時間蒸気養生を行っ
た。蒸気養生を終了したのち除冷してから反転型から脱
型して、凸型のゲルコート付きコンクリート体(1ー1)
を得た。
【0068】実施例1−2〜1−3 実施例1と同様の材料を使用し表2の構成のコンクリー
ト体(1−2)、同(1−3)を作成した。
【0069】次いで、「ゲルコート層/FRP層/プラ
イマー組成物層/コンクリート層の各層間の評価」を行
いその結果を表2に示した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】 [ 評価基準 ] 1)密着性:JIS−K−5400「デュポン衝撃試
験」に準ずる 撃ち型の寸法:球径10mm、重りの重量:1Kg 重りの高さ:500mm 2)耐水密着性:「100℃×2hr加熱後、水中浸漬
5分」を1サイクルとし、欠陥が発生するまでのサイク
ル数で表す 3)表面平滑性:目視 ○:凹凸少ない、△:凹凸やや有り、×:凹凸多い
【0072】実施例2 箱型成形品を準備し、これを凹型ゲルコート付きコンク
リート体(2)の反転型とした。
【0073】次に、反転型の凸面にディクスター社製離
型剤「フレコートFRP」を均一に塗布して木綿布で軽
く拭き取った。その他ゲルコート樹脂層(A)、FRP
層(B)、プライマー樹脂組成物層(C)、コンクリー
ト体層(D)及び、蒸気養成工程は実施例1と同様の方
法で行った。実施例1−1同様に凹型ゲルコート付きコ
ンクリート体(2)を得た。
【0074】次いで、実施例1−1の凸型のゲルコート
付きコンクリート体(1)と組み合わせて、以下に記載
の「コンクリート体の表面平滑性の評価」を行った。
【0075】実施例3 実施例1と同様の方法で反転型凹面上にゲルコート樹脂
層(A)を形成した。次に、日東紡績(株)製ガラス繊
維「チョップドストランドマットMC−450」2プラ
イをハンドレイアップ法で積層した。積層に用いた樹脂
は大日本インキ化学工業(株)製スチレンモノマー30
%含有不飽和ポリエステル樹脂組成物「ポリライトPC
−106C」80部、スチレンモノマー70%含有熱可
塑性樹脂組成物(低収縮剤)「ポリライトPC−94
1」20部、日東粉化工業(株)製炭酸カルシウム「N
S−200」60部、日本油脂(株)製「パーキュア
A」2.4部を攪拌混合して、低収縮型熱硬化性組成物
を調製して用いた。
【0076】次に、大日本インキ化学工業(株)製スチ
レンモノマー45%含有する、5−(ナトリウムスル
ホ)イソフタル酸変性不飽和ポリエステル樹脂組成物
「ポリライトTP−522」100部、ジメチルアニリ
ン0.1部、50%ベンゾイルパーオキサイド2部、4
号硅砂240部、6号硅砂240部、ポルトランドセメ
ント66.7部、及び水20部を攪拌混合してプライマ
ー組成物を調製し、前記FRP層(B)の背面に2mm
なる厚みが得られるような量を投入して均一にコテ塗り
し、プライマー組成物層(C)を形成した。
【0077】次にコテ塗りしたプライマー組成物層
(C)が室温でゲル化するまでの約15分以内に第1表
に示すセメントコンクリートを打設し、速やかに振動機
にて5分間脱泡して、コンクリート体層(D)を形成し
た。しかる後、70℃で4時間蒸気養生を行った。蒸気
養生を終了したのち除冷してから反転型から脱型して、
凸型のゲルコート付きコンクリート体(3)を得た。
【0078】次いで、以下に記載の「ゲルコート層/F
RP層/プライマー組成物層/コンクリート層の各層間
の密着性評価」を行った。
【0079】実施例4 実施例2と同様の方法で凸型反転型を準備し、凸面上に
実施例1−1と同様の方法で(A)ゲルコート樹脂層
(A)を形成した。次いで、実施例3と同様の方法で
(B)FRP層(低収縮タイプ)、(C)プライマー組
成物層、(D)コンクリート体層を施工した。その他は
実施例1−1と同様にして凹型ゲルコート付きコンクリ
ート体(4)を得た。
【0080】次に、実施例3の凸型のゲルコート付きコ
ンクリート体(3)と組み合わせて、以下に記載の「コ
ンクリート体の表面平滑性の評価」を行った。
【0081】比較例1 実施例1−1のプライマー組成物層(C)を除いた他
は、全て実施例1−1と同様の方法で作製した凸型ゲル
コート付きコンクリート体(5)を得た。
【0082】次いで、以下に記載の「ゲルコート層/F
RP層/プライマー組成物層/コンクリート層の各層間
の密着性評価」を行った。
【0083】比較例2 次いで、実施例2のプライマー組成物層(C)を除いた
他は、全て実施例1−1と同様の方法で作製した凸型ゲ
ルコート付きコンクリート体(6)を得た。
【0084】比較例1の凸型のゲルコート付きコンクリ
ート体(5)と組み合わせて、以下に記載の「コンクリ
ート体の表面平滑性の評価」を行った。
【0085】比較例3 実施例1−1の5−(ナトリウムスルホ)イソフタル酸
変性不飽和ポリエステル樹脂組成物「ポリライトTP−
522」を大日本インキ化学工業(株)製スチレンモノ
マー35%含有オルソフタル酸系不飽和ポリエステル樹
脂組成物「ポリライトFG−151」に置き換えた他
は、全て実施例1−1と同様の方法で作製した凸型ゲル
コート付きコンクリート体(7)を得た。
【0086】次いで、以下に記載の「ゲルコート層/F
RP層/プライマー組成物層/コンクリート層の各層間
の密着性評価」を行った。 比較例4 実施例1−1の5−(ナトリウムスルホ)イソフタル酸
変性不飽和ポリエステル樹脂組成物「ポリライトTP−
522」を大日本インキ化学工業(株)製スチレンモノ
マー35%含有オルソフタル酸系不飽和ポリエステル樹
脂組成物「ポリライトFG−151」に置き代えた他
は、全て実施例1−1と同様の方法で作製した凹型ゲル
コート付きコンクリート体(8)を得た。
【0087】「コンクリート体の表面平滑性の評価」実
施例1−1で得られた凸型コンクリート体(1−1)
と、実施例2で得られた凹型コンクリート体(2)との
組み合わせ、実施例3で得られた凸型コンクリート体
(3)と実施例4で得られた凹型コンクリート体(4)
との組み合わせ、比較例1で得られた凸型コンクリート
体(5)と比較例2で得られた凹型コンクリート体
(6)とのを組み合わせて及び、比較例3で得られた凸
型コンクリート体(7)と、比較例4で得られた凹型コ
ンクリート体(8)とを組み合わせて以下の要領でゲル
コート付きコンクリート体の表面平滑性の評価を行っ
た。
【0088】前記凹型状コンクリート体に大日本インキ
化学工業(株)製ゲルコート「ポリトンホワイトGX−
16738C」を厚み300ミクロン均一になるようス
プレー塗装して30分硬化させた。
【0089】次にコンクリート体のゲルコート面の上に
成形物のガラス含有率が30%となるよう調製されたプ
リフォームガラス繊維を乗せ、コンクリート体凸上型と
同凹下型を10Kg/cm2の圧力で閉じた。次に、ビ
ーナスガスマー社製スタンダードRTM注入機を用いて
大日本インキ化学工業(株)製不飽和ポリエステル樹脂
「ポリライトPC−670」を凸型注入孔から注入して
硬化させ、1時間後に型を開けて成形物を取り出し、箱
状FRP成形物を夫々得た。
【0090】このFRP成形物の表面平滑度の測定、及
びゲルコート付きコンクリート体表面のピンホールの発
生状態を観察し、コンクリート体の表面精度を評価し
た。結果を第3表に示した。尚、評価方法は、FRP成
形物の表面平滑度を東京精密社製表面粗さ測定機「サー
フコム550A」を用いて測定し、コンクリート体の表
面のピンホールの発生状態を目視にて評価したものであ
る。
【0091】
【表3】
【0092】「ゲルコート樹脂層とコンクリート体との
密着性評価」実施例1、3、比較例5、7で得たコンク
リート体を50mm角、厚み30mmで5枚切り出し、
接着面積20×20mmの面引っ張り用治具をエポキシ
樹脂で接着して一昼夜放置した。次に、インストロン試
験機を用い、引っ張り速度2mm/秒で面引っ張りテス
トを行いゲルコート樹脂層(A)とコンクリート体
(D)との密着性を評価した。同時に破壊状態を目視で
観察した。結果を第4表に示した。
【0093】
【表4】
【0094】
【発明の効果】本発明は、特定のプライマー組成物
(C)を用いることにより、ゲルコート樹脂層(A)及
び/又はFRP層(B)とコンクリート層(D)との密
着性が極めて優れ、かつ耐水性に優れるために、土木建
築関連用途のコンクリート体を提供できる。また、本発
明のコンクリート体は、ピンホールのない優れた表面平
滑性を有する成形品を得ることができ、着色・模様、意
匠性も付与できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面から(A)ゲルコート樹脂層及び/
    または (B)熱硬化性繊維強化樹脂組成物層、 (C)(a)スルホン酸金属塩基を含有する不飽和ポリエ
    ステル、(b)重合性単量体、(c) 無機充填剤、(d)水とか
    らなるプライマー組成物層を有することを特徴とするコ
    ンクリート体。
  2. 【請求項2】 (A)ゲルコート樹脂層が、不飽和ポリ
    エステル樹脂、ビニルエステル樹脂から選ばれる熱硬化
    性樹脂であることを特徴とする請求項1のコンクリート
    体。
  3. 【請求項3】 繊維強化樹脂組成物(B)が、不飽和ポ
    リエステル樹脂、ビニルエステル樹脂から選ばれる熱硬
    化性樹脂であることを特徴とする請求項1のコンクリー
    ト体。
  4. 【請求項4】 繊維強化樹脂組成物(B)が、低収縮剤
    を含有するものである請求項1のコンクリート体。
  5. 【請求項5】 型に対して、ゲルコート樹脂層(A)及
    び/又は繊維強化樹脂組成物層(B)を設け、次に(a)
    スルホン酸金属塩基を有する不飽和ポリエステル 、(b)
    重合性単量体、(c) 無機充填材、(d)水とからなるプラ
    イマー組成物層(C)を設け、最後にコンクリート体層
    (D)を設けることを特徴とするコンクリート体の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064338A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Matsushita Electric Works Ltd 人造大理石製造用樹脂組成物
KR20200066053A (ko) * 2018-11-30 2020-06-09 롯데케미칼 주식회사 콘크리트 혼화제 및 이의 제조방법
JP2020111947A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 デンカ株式会社 コンクリート構造物補修用樹脂組成物

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