JPH0717724A - ガラスゴブの製造方法及び製造装置 - Google Patents

ガラスゴブの製造方法及び製造装置

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JPH0717724A
JPH0717724A JP3182212A JP18221291A JPH0717724A JP H0717724 A JPH0717724 A JP H0717724A JP 3182212 A JP3182212 A JP 3182212A JP 18221291 A JP18221291 A JP 18221291A JP H0717724 A JPH0717724 A JP H0717724A
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glass gob
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正明 春原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、レンズやプリズム等の高精度な光
学ガラス素子のリヒ−トプレス用素材のガラスゴブに関
するもので、表面に欠陥のないガラスゴブをエッチング
及び研磨工程無しに製造する。 【構成】 溶融ガラスを受ける受け皿には、熱伝導率の
異なる少なくとも2種類以上の材料により構成された受
け皿3を使用する。例えば、溶融ガラスの移載中心部に
熱伝導率の良い材料3bを構成し、溶融ガラスの移載外
周部に熱伝導率の悪い材料3aを構成した受け皿3上に
溶融ガラスを落し込み、受け皿上で冷却してガラスゴブ
1を作製する。前記ガラスゴブの製造方法によれば、ガ
ラスゴブ1の受け皿に接する面の表面欠陥が除去され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズやプリズム等の
高精度な光学ガラス素子のリヒ−トプレス用素材のガラ
スゴブの製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学ガラスレンズは光学機器のレ
ンズ構成の簡略化とレンズ部分の軽量化の両方を同時に
達成し得る非球面化の方向にある。この非球面レンズの
製造にあたっては、従来の光学レンズの製造方法である
ガラスのブロック、ロッド、板等から素材を切り出した
後、研削、研磨する方法、あるいは、製造しようとする
レンズに近い形状の型で溶融ガラスを予めプレスし、こ
のガラス成形体を研削、研磨する方法といった研磨法で
は、加工及び量産化が困難である。
【0003】そこで、金型を用いた非球面レンズの成形
法が有望視されている。金型を用いた成形方法には、溶
融ガラスを直接プレスし高精度の光学ガラス素子を得る
ダイレクトプレス方法と成形に用いる予備成形体のガラ
スゴブをプレスし高精度の光学ガラス素子を得るリヒー
トプレス方法がある。前者の方法によれば、非常に安価
な光学ガラス素子を製造することが可能であるが、高温
の溶融ガラスを取り扱うことから成形ガラスの高精度化
が困難なことやプレス型のライフが短くなる等の技術的
な問題も多く実用化が困難である。
【0004】後者の方法によれば、ダイレクトプレス方
法による課題は改善されるが、ガラスゴブを製造するた
めの工程が増えるためコストは割高となる。このリヒー
トプレス用のガラスゴブを製造する工程の簡略化が光学
ガラス素子を製造するにあたって重要な課題である。
【0005】ガラスゴブを簡単に形成する方法として、
溶融ガラスを、受け皿上に落し込みその状態で放置して
形状を成す方法によれば、非常に安価なリヒートプレス
用のガラスゴブを製造できる。(例えば、特開平2−3
4525号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図5は、溶融ガラスを
受け皿上に落し込みその状態で放置して形状を成す、上
記従来例の製造方法を表わす断面図である。図5では、
ガラス溶融炉より供給された溶融ガラスを受け皿3で受
けた状態を示す。このときに形成されるガラスゴブ1
は、受け皿3と接した接触面と、溶融ガラスの表面張力
により形成された自由面を持つ。
【0007】このガラスゴブ1は、高温の溶融ガラスを
直接受け皿3に受けるためにガラスが受け皿3と接する
接触面に急冷によるしわが発生する。特に、接触面の中
心部に窪みとなって現われる収縮跡2(表面欠陥)は、
リヒートプレス後にも気泡あるいは穴として残留するた
め光学ガラス素子の性能が低下するという問題があっ
た。
【0008】このガラスゴブ1の接触面の中心部に発生
する表面欠陥2は、ガラスゴブが半球状で中心部肉厚が
大きいため、肉厚の薄い外周から冷却が進み、中心部は
外周に比べ冷却が遅く、ガラスゴブの中心部に熱収縮が
集中するために発生するものである。
【0009】すなわち従来のガラスゴブ成形方法を用い
て、光学ガラス素子の性能に影響を与えるガラスゴブの
接触面の中心部に発生する窪み状の欠陥を除去するに
は、冷却後に更に表面の研磨叉はエッチング処理を行な
う必要があり、製造コストを充分に抑えることが出来な
いのである。
【0010】本発明は上記課題に鑑み、低コストで高精
度なガラスゴブが製造できるガラスゴブの製造方法及び
製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】リヒートプレス用素材の
ガラスゴブを次のようにして製造する。
【0012】先ず、溶融ガラスを受ける受け皿には、熱
伝導率の異なる少なくとも2種類以上の材料により構成
された受け皿を使用する。例えば、その受け皿の材料の
構成方法を、溶融ガラスの移載中心部に熱伝導率の良い
材料を構成し、溶融ガラスの移載外周部に熱伝導率の悪
い材料を構成した受け皿とする。この様な受け皿上に溶
融ガラスを落し込み、受け皿上で冷却してガラスゴブを
作製する。
【0013】
【作 用】受け皿で受けた溶融ガラスには、受け皿に接
する接触面と、受け皿には接触しない自由面とが形成さ
れる。
【0014】この内、自由面には表面張力が作用して、
この面は極めて滑らかな鏡面に形成される。受け皿との
接触面は、受け皿の構成材料を熱伝導率の違う2種類以
上の材料で構成するため、ガラスの冷却速度は肉厚の違
うガラスゴブの中心部と外周部で差が減少し、ガラスの
接触面の中心部に発生する熱収縮に起因する窪み状の欠
陥を防止することが可能となりガラスゴブの接触面もう
ねりの小さい良好なガラス面を得ることができる。
【0015】また、こうして得られたガラスゴブの表面
は極めて良好な鏡面であるので、このガラスゴブをガラ
ス素子の成形に用いれば、極めて高精度のガラス素子を
プレスのみの加工で得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0017】(実施例1)図1は、本発明の一実施例の
ガラスゴブの製造方法を説明する断面図である。図1で
は、ガラス溶融炉より供給された高温の溶融ガラスを熱
伝導率の異なる2種類の構成材料3a、3bでできた受
け皿3で受けた状態を示す。この受け皿3の材料構成
は、溶融ガラスが受け皿上に落し込まれる中心部に熱伝
導性の良い構成材料3bを構成し、ガラスゴブ1の外周
が接する面に中心部の構成材料3bより熱伝導性の悪い
構成材料3aを構成したものである。
【0018】この受け皿3により、ガラスゴブ1の中心
部は、熱伝導性の良い構成材料3b上に載置されるため
熱を奪われ易く冷却速度は速くなるが、ガラスゴブ1の
外周部は、中心部の構成材料3bより熱伝導性の悪い構
成材料3a上に載置されるため熱を奪われ難く冷却速度
は遅くなる。これにより、ガラスゴブの肉厚の違いによ
る冷却ばらつきは緩和され熱収縮の集中が軽減される。
【0019】この方法により、形成されるガラスゴブ1
の接触面の中心部にできる窪み状の表面欠陥は除去する
ことができ、極めて良好な鏡面を有するガラスゴブ1が
形成される。
【0020】具体的には、受け皿3の中心部の構成材料
に熱伝導率0.19cal/cm・sec・℃のタング
ステンカーバイト(WC)を、外周部の構成材料に熱伝
導率0.039cal/cm・sec・℃のステンレス
鋼を選定し平型に加工した。
【0021】溶融ガラスは、ジルコニア(ZrO2)8
重量パ−セント、酸化ランタン(La23)30重量パ
−セント、酸化ホウ素(B23)42重量パ−セント、
酸化カルシウム(CaO)10重量パ−セント、残部が
微量成分からなるランタン系ガラスを使用した。
【0022】図4は、ガラスゴブの製造装置の構成図で
ある。上記組成のガラスを1400℃で溶融したあと、
950℃に保持したノズル10から約1グラムの溶融ガ
ラス9を予め400℃に加熱された受け皿3に供給す
る。その後、冷却ステージにおいてガラスを軟化点より
低い温度に冷却してからガラスゴブ1を吸着部材16に
より装置内から取り出す。
【0023】本実施例では、表面粗さ(RMS)が0.
005μm以下の鏡面状態であり、光学顕微鏡観察した
結果、表面に異物付着、傷、といった欠陥が存在しない
ガラスゴブが得られた。
【0024】なお、図4に示す装置内は受け皿とガラス
との融着等を防止するために、適当な非酸化性雰囲気と
なされるのが通常であるが、本実施例では、装置内を窒
素ガス20リットル/分、トリクロロトリフルオロエタン
(C2Cl33)ガス1リットル/分の割合で混合したハロ
ゲン化炭化水素雰囲気とした。
【0025】(実施例2)受け皿3の中心部の構成材料
に熱伝導率0.17cal/cm・sec・℃の白金
を、外周部の構成材料に熱伝導率0.03cal/cm
・sec・℃の窒化珪素を選定し平型に加工した。
【0026】溶融ガラスは、酸化珪素(SiO2)65
重量パ−セント、酸化カリウム(K2O)9重量パ−セ
ント、酸化ホウ素(B23)10重量パ−セント、酸化
ナトリウム(Na2O)10重量パ−セント、残部が微
量成分からなるホウケイ酸ガラスを用いた。
【0027】このガラスを、図4と同一の機能を有する
製造装置を用いて、1350℃で溶融したあと、920
℃に保持したノズル10から約1グラムの溶融ガラス9
を予め350℃に加熱された受け皿3に供給する。その
後、冷却ステージにおいてガラスを軟化点より低い温度
に冷却してからガラスゴブ1を吸着部材16により装置
内から取り出す。
【0028】本実施例によって得られたガラスゴブ1に
おいて、表面粗さ(RMS)は0.005μm以下の鏡
面状態であり、光学顕微鏡観察した結果、表面に異物付
着、傷、といった欠陥は認められなかった。
【0029】なお、本実施例では装置内の雰囲気はアル
ゴンガス20リットル/分、エチレン(C24)1リットル/分
の割合で混合した炭化水素雰囲気とした。
【0030】(実施例3)図2は、本発明の一実施例の
ガラスゴブの製造方法を説明するための断面図である。
図2では、ガラス溶融炉より供給された高温の溶融ガラ
スを熱伝導率の異なる3種類の構成材料3a、3b、3
cでできた受け皿3で受けた状態を示す。この受け皿3
の材料構成は、溶融ガラスが受け皿上に落し込まれる中
心部に熱伝導性の良い構成材料3bを構成し、ガラスゴ
ブ1の外周が接する面に中心部の構成材料3bより熱伝
導性の悪い構成材料3aを構成し、前記構成材料の中間
に、中心部の構成材料3bより熱伝導性が悪く、外周部
の構成材料3aより熱伝導性が良い構成材料3cを構成
したものである。
【0031】このように細かく熱伝導率の違う材料によ
り構成された受け皿3は主として重量が大きなガラスゴ
ブを作製する場合に有効である。ガラス重量が大きくな
れば、ガラスゴブの厚みが大きくなり受け皿3に接する
面積も増加し、中心部は冷却され難くなる。そのため、
中心部と外周部の構成材料の熱伝導率に落差を設け対処
する方法が用いられるが、構成材料の境界部上のガラス
表面に熱分布の不均衡によるしわ、うねりが発生し悪け
れば割れが起こる。この様な課題を解決するために、受
け皿3は、中心部と外周部の構成材料の中間の熱伝導性
を持つ構成材料3cを具備している。
【0032】本実施例によれば、形成されるガラスゴブ
1の接触面の中心部にできる窪み状の表面欠陥2は除去
できることは勿論であるが重量が大きなガラスゴブにつ
いても、極めて良好な鏡面を有するガラスゴブ1が形成
される。
【0033】なお、受け皿の中心部と外周部の構成材料
の中間の熱伝導性を持つ構成材料3cは、ガラスゴブの
大きさに応じて何種類使用しても差し支えない。
【0034】具体的には、受け皿3の中心部の構成材料
に熱伝導率0.28cal/cm・sec・℃のカーボ
ンを、外周部の構成材料に熱伝導率0.039cal/
cm・sec・℃のステンレス鋼を、中心部と外周部の
中間の構成材料に熱伝導率0.15cal/cm・se
c・℃の炭化珪素を選定し平型に加工した。
【0035】そして、図4と同一機能の製造装置を用い
てガラスゴブを作製した。用いた溶融ガラスは、ジルコ
ニア(ZrO2)8重量パ−セント、酸化ランタン(L
2 3)30重量パ−セント、酸化ホウ素(B23)4
2重量パ−セント、酸化カルシウム(CaO)10重量
パ−セント、残部が微量成分からなるランタン系ガラス
である。このガラスを1400℃で溶融したあと、95
0℃に保持したノズル10から約5グラムの溶融ガラス
9を予め300℃に加熱された受け皿3に供給する。そ
の後、冷却ステージにおいてガラスを軟化点より低い温
度に冷却してからガラスゴブ1を吸着部材16により装
置内から取り出す。
【0036】本実施例によって得られたガラスゴブ1に
おいて、表面粗さ(RMS)は0.005μm以下の鏡
面状態であり、光学顕微鏡観察した結果、表面に異物付
着、傷、といった欠陥は認められなかった。
【0037】なお、本実施例では、図4に示す装置内の
雰囲気はアルゴンガス20リットル/分、エチレン(C
24)1リットル/分の割合で混合した炭化水素雰囲気とし
た。
【0038】(実施例4)図3は、本発明の一実施例の
ガラスゴブの製造方法を説明するための断面図である。
図3では、ガラス溶融炉より供給された高温の溶融ガラ
スを図に示す3つの構成材料3a、3b、3zでできた
受け皿3で受けた状態を示す。
【0039】この受け皿3の材料構成は、溶融ガラスの
接触する層は熱伝導率が均一な単一の構成材料3zを構
成し、前記材料の下部層は、ガラスゴブ1の移載中心部
に熱伝導性の良い構成材料3bを構成し、ガラスゴブ1
の移載外周部に熱伝導性の悪い構成材料3aを構成し
た、前記2層構造からなるものである。
【0040】図1のような構成からなる受け皿3で、高
温の溶融ガラスを連続して受けてガラスゴブ1を作製し
ていく場合、溶融ガラスと接する面が当然熱により劣化
する。この時、受け皿を研磨修理するかあるいは新しい
受け皿に交換しなければならないが、図1や図2のよう
な溶融ガラスが接する面が異種の材料で構成された受け
皿3を、研磨再生する場合では、材料の加工性の違いか
ら境界面に段差が発生するため分解して材料別に加工す
るなどの手間が生じることや、異種の材料で構成された
受け皿はコスト高であることなど、ガラスゴブ量産化に
対して課題を含んでいる。図3に示す2層構造からなる
受け皿3では、この様な課題が解決される。
【0041】図3に示す受け皿3では、溶融ガラスを受
ける面は、熱伝導率が均一な単一の構成材料3zを構成
しているため溶融ガラス受け面が劣化しても単一な材料
のため加工が容易なことや溶融ガラス受け面の構成材料
3zのみ交換すれば良く交換部材のコストも安くなるメ
リットがある。また、溶融ガラス受け面の構成材料3z
の下部層に図1、図2のような材料構成とするため欠陥
の無いガラスゴブを作製できる。
【0042】本実施例によれば、形成されるガラスゴブ
1の接触面の中心部にできる窪み状の欠陥が除去できる
ことは勿論であるが、受け皿の修正が容易なことや交換
部材のコストが安くなることから、ガラスゴブ1の製造
コストも安くできる。
【0043】なお、本実施例記載の受け皿3の、溶融ガ
ラスを受ける面の構成材料3zは、溶融ガラスの温度、
ガラス組成、あるいはガラスゴブの形状にあった耐熱性
や熱伝導率の材料が選定され、またその材料の重ね枚数
や材質を限定するものではない。例えば、耐熱性に優
れ、溶融ガラスと濡れ性が悪く、離型性のよい貴金属、
タングステン、タンタル、レニウム、ハフニウムの単体
あるいはそれらの合金でできた薄膜により形成したもの
でもよい。
【0044】具体的には、受け皿3は、溶融ガラスの接
触する層の構成材料3zに熱伝導率0.28cal/c
m・sec・℃のカーボンを、前記材料の下部層は、ガ
ラスゴブ1の移載中心部の構成材料3aに熱伝導率0.
03cal/cm・sec・℃の窒化珪素を、ガラスゴ
ブ1の移載外周部の構成材料3bに熱伝導率0.13c
al/cm・sec・℃のタンタルを選定し平型に加工
した。
【0045】溶融ガラスは、酸化珪素(SiO2)30
重量パ−セント、酸化バリウム(BaO)50重量パ−
セント、酸化ホウ素(B23)15重量パ−セント、残
部が微量成分からなるホウケイ酸バリウムガラスを用い
た。
【0046】このガラスを図4と同一機能の製造装置を
用いてガラスゴブを作製した。1250℃で溶融したあ
と、900℃に保持したノズル10から約3グラムの溶
融ガラス9を予め300℃に加熱された受け皿3に供給
する。その後、冷却ステージにおいてガラスを軟化点よ
り低い温度に冷却してからガラスゴブ1を吸着部材16
により装置内から取り出す。
【0047】本実施例によって得られたガラスゴブ1に
おいて、表面粗さ(RMS)は0.005μm以下の鏡
面状態であり、光学顕微鏡観察した結果、表面に異物付
着、傷、といった欠陥は認められなかった。なお、成形
機内は窒素ガス20リットル/分、水素ガス2リットル/分の割
合で混合した雰囲気とした。
【0048】以上、本発明の実施例を詳細に説明した
が、各実施例記載の受け皿3の材質・形状は、溶融ガラ
スの温度、ガラス組成、あるいはガラスゴブの形状を考
慮し決められるもので、上記記載内容に限定するもので
はない。例えば、溶融ガラスを直接受ける受け皿は、セ
ラミック、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アル
ミ、窒化クロム、等の各種材料の組合せでも使用でき
る。
【0049】光学ガラスと受け皿とが反応あるいは融着
しない非酸化性雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム等
の不活性ガス、およびこれらの不活性ガスに水素、ある
いは一酸化炭素、二酸化炭素の炭素酸化物、メタン、エ
タン、エチレン、トルエン等の炭化水素類、トリクロロ
エチレン、トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン
化炭化水素類、エチレングリコ−ル、グリセリン等のア
ルコ−ル類、F−113、F−11等のフルオロカ−ボ
ン類を適宜混合したものである。
【0050】なお、本発明は、各実施例に記載の光学ガ
ラスの組成、ガラスゴブの形状、ガラス溶融炉や受け皿
の加熱の方法・条件等に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、表面に欠陥のないリヒ
ートプレス用のガラスゴブをエッチング及び研磨工程無
しに大量生産することが可能となり、生産性の向上と製
造コストの低減に著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラスゴブの製造方法の一実施例にお
けるゴブ作製工程の説明図
【図2】本発明のガラスゴブの製造方法の他の実施例に
おけるゴブ作製工程の説明図
【図3】本発明のガラスゴブの製造方法の更に他の実施
例におけるゴブ作製工程の説明図
【図4】本発明のガラスゴブの製造方法の更に他の実施
例におけるゴブ作製工程の説明図
【図5】従来のガラスゴブの製造方法におけるゴブ作製
工程の説明図
【符号の説明】
1 ガラスゴブ 2 表面欠陥 3 受け皿 3a 受け皿の構成材料 3b 受け皿の構成材料 3c 受け皿の構成材料 3z 受け皿の構成材料 10 溶融ガラス 11 ガラス溶融炉 12 ヒ−タ 13 予熱ヒ−タ 14 ガス入口 15 コンベア 16 吸着部材 17 取り出し口
フロントページの続き (72)発明者 中村 正二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 春原 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川田 紀行 東京都千代田区内神田3丁目15番10号 株 式会社住田光学ガラス内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導率の異なる少なくとも2種類以上
    の材料により構成された受け皿で溶融ガラスを受けて、
    前記受け皿上で冷却しガラスゴブを作製することを特徴
    とするガラスゴブの製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融ガラスの移載中心部に熱伝導率の良
    い材料を構成し、溶融ガラスの移載外周部に熱伝導率の
    悪い材料を構成した受け皿を使用する請求項1記載のガ
    ラスゴブの製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融ガラスの接触する面は熱伝導率が均
    一な単一の材料で構成し、前記材料の下部層は溶融ガラ
    スの移載中心部に熱伝導率の良い材料を構成し溶融ガラ
    スの移載外周部に熱伝導率の悪い材料を構成した、層構
    造からなる受け皿を使用する請求項1記載のガラスゴブ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 受け皿を予熱し溶融ガラスを受ける請求
    項1記載のガラスゴブの製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも、熱伝導率の異なる少なくと
    も2種類以上の材料により構成された受け皿を予熱する
    手段と、前記受け皿で溶融ガラスを受ける手段と、前記
    受け皿上で冷却しガラスゴブを作製する手段とを備えた
    ことを特徴とするガラスゴブの製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018013253A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 日本電気硝子株式会社 バーナノズルおよびスルーポートバーナ
JP2018168067A (ja) * 2018-08-10 2018-11-01 東洋ガラス株式会社 底型、底型を使用して製造されたガラス容器、及び底型を使用したガラス容器の製造方法

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