JPH0717718A - 二酸化ウラン粉末を製造する方法 - Google Patents
二酸化ウラン粉末を製造する方法Info
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- JPH0717718A JPH0717718A JP16205893A JP16205893A JPH0717718A JP H0717718 A JPH0717718 A JP H0717718A JP 16205893 A JP16205893 A JP 16205893A JP 16205893 A JP16205893 A JP 16205893A JP H0717718 A JPH0717718 A JP H0717718A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 UO2F2粒子から多量の廃液の発生を伴うこ
となく比較的容易に高活性なUO2粉末を得る。このU
O2粉末から通常の成形加工の方法で容易に原子炉燃料
に適した大粒径ペレットを製造可能にする。 【構成】 UO2F2粒子を室温で加湿雰囲気に曝してU
O2F2水和物の粒子に変換し、このUO2F2水和物粒子
を過酸化水素水と所定のH2O2/Uモル比であってかつ
所定のH2O/Uモル比で反応させて過酸化ウラン水和
物の粒子に変換し、過酸化ウラン水和物粒子を含む前記
変換工程で生成されたスラリーにアンモニア水を添加し
てスラリー中の遊離のフッ酸を中和し、このスラリーか
ら過酸化ウラン水和物粒子をろ過回収した後乾燥し、こ
の乾燥した過酸化ウラン水和物粒子を焙焼還元してUO
2粉末に変換する。
となく比較的容易に高活性なUO2粉末を得る。このU
O2粉末から通常の成形加工の方法で容易に原子炉燃料
に適した大粒径ペレットを製造可能にする。 【構成】 UO2F2粒子を室温で加湿雰囲気に曝してU
O2F2水和物の粒子に変換し、このUO2F2水和物粒子
を過酸化水素水と所定のH2O2/Uモル比であってかつ
所定のH2O/Uモル比で反応させて過酸化ウラン水和
物の粒子に変換し、過酸化ウラン水和物粒子を含む前記
変換工程で生成されたスラリーにアンモニア水を添加し
てスラリー中の遊離のフッ酸を中和し、このスラリーか
ら過酸化ウラン水和物粒子をろ過回収した後乾燥し、こ
の乾燥した過酸化ウラン水和物粒子を焙焼還元してUO
2粉末に変換する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉燃料を製造するに
適した二酸化ウラン(UO2)粉末を製造する方法に関
する。更に詳しくは、結晶粒径の大きな核燃料ペレット
の原料となる活性度の高いUO2粉末をフッ化ウラニル
(UO2F2)から製造する方法に関するものである。
適した二酸化ウラン(UO2)粉末を製造する方法に関
する。更に詳しくは、結晶粒径の大きな核燃料ペレット
の原料となる活性度の高いUO2粉末をフッ化ウラニル
(UO2F2)から製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、特開昭62−297215
号公報及び特開昭63−45127号公報に開示するよ
うに、UO2F2粉末を出発物質として大粒径ペレットの
原料となる高活性粉末を製造する方法を提案した。これ
らの方法は、先ずUO2F2粉末を水に溶解させ、次にア
ンモニア水と反応させてADU(重ウラン酸アンモニウ
ム)を生成する湿式のADU法を基本とし、ADUの沈
澱生成の条件をコントロールすることによりUO2ペレ
ットの結晶粒径を10〜100μmの任意の大きさに制
御できる特長がある。しかしながら、これらの方法は湿
式のADU法を基本とするため多量の廃液が発生し、廃
液処理に比較的多大のコストがかかる問題点があった。
号公報及び特開昭63−45127号公報に開示するよ
うに、UO2F2粉末を出発物質として大粒径ペレットの
原料となる高活性粉末を製造する方法を提案した。これ
らの方法は、先ずUO2F2粉末を水に溶解させ、次にア
ンモニア水と反応させてADU(重ウラン酸アンモニウ
ム)を生成する湿式のADU法を基本とし、ADUの沈
澱生成の条件をコントロールすることによりUO2ペレ
ットの結晶粒径を10〜100μmの任意の大きさに制
御できる特長がある。しかしながら、これらの方法は湿
式のADU法を基本とするため多量の廃液が発生し、廃
液処理に比較的多大のコストがかかる問題点があった。
【0003】一方、UO2F2粒子に少量のアンモニア水
を反応させてADU粒子とし、このADU粒子を焙焼還
元してUO2粉末に変換する方法が開示されている(特
開昭61−281019号)。この方法における主要な
反応は次式で示される。 UO2F2 + 3NH4OH → 1/2(NH4)2U2O7 + 2NH4F + 3/2H2O (1) 1/2(NH4)2U2O7 + H2 → UO2 + NH3 + 3/2H2O (2) この方法では上記湿式のADU法のようにUO2F2を一
度溶液にして扱う場合に比べて、廃液の発生量を格段に
少なくできる。
を反応させてADU粒子とし、このADU粒子を焙焼還
元してUO2粉末に変換する方法が開示されている(特
開昭61−281019号)。この方法における主要な
反応は次式で示される。 UO2F2 + 3NH4OH → 1/2(NH4)2U2O7 + 2NH4F + 3/2H2O (1) 1/2(NH4)2U2O7 + H2 → UO2 + NH3 + 3/2H2O (2) この方法では上記湿式のADU法のようにUO2F2を一
度溶液にして扱う場合に比べて、廃液の発生量を格段に
少なくできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭61−
281019号公報に示される方法では、UO2粉末製
品の性能コントロールは比較的難しく、20μm以上の
結晶粒径を有するような焼結ペレットの原料となるUO
2粉末を製造するにはUO2F2粒子の粒度やアンモニア
水との反応方法を比較的狭い条件に設定する必要があ
り、製造の自由度が小さい欠点があった。これは、UO
2F2粒子がADUに変換される過程において、上記(1)
式の反応の他に副反応として以下の反応が生じているた
めと考えられる。 UO2F2 + 3NH4F → (NH4)3UO2F5 (3) (NH4)3UO2F5 + 3NH4OH → 1/2(NH4)2U2O7 + 5NH4F + 3/2H2O (4) 上記(3)式で生成される(NH4)3UO2F5(フッ化ウ
ラニルアンモニウム)は塊状で比表面積の小さな結晶性
の物質であり、上記(4)式におけるADU化の速度が非
常に小さく、得られるUO2粉末は不活性なものになり
やすい。
281019号公報に示される方法では、UO2粉末製
品の性能コントロールは比較的難しく、20μm以上の
結晶粒径を有するような焼結ペレットの原料となるUO
2粉末を製造するにはUO2F2粒子の粒度やアンモニア
水との反応方法を比較的狭い条件に設定する必要があ
り、製造の自由度が小さい欠点があった。これは、UO
2F2粒子がADUに変換される過程において、上記(1)
式の反応の他に副反応として以下の反応が生じているた
めと考えられる。 UO2F2 + 3NH4F → (NH4)3UO2F5 (3) (NH4)3UO2F5 + 3NH4OH → 1/2(NH4)2U2O7 + 5NH4F + 3/2H2O (4) 上記(3)式で生成される(NH4)3UO2F5(フッ化ウ
ラニルアンモニウム)は塊状で比表面積の小さな結晶性
の物質であり、上記(4)式におけるADU化の速度が非
常に小さく、得られるUO2粉末は不活性なものになり
やすい。
【0005】本発明の目的は、UO2F2粒子から多量の
廃液の発生を伴うことなく比較的容易に大粒径ペレット
の原料となる高活性なUO2粉末を製造する方法を提供
することにある。
廃液の発生を伴うことなく比較的容易に大粒径ペレット
の原料となる高活性なUO2粉末を製造する方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のUO2粉末の製造方法は、UO2F2粒子を
室温で加湿雰囲気に曝すことによりUO2F2水和物の粒
子に変換し、このUO2F2水和物粒子を過酸化水素水と
所定のH2O2/Uモル比であってかつ所定のH2O/U
モル比で反応させることにより過酸化ウラン水和物の粒
子に変換し、過酸化ウラン水和物粒子を含む前記変換工
程で生成されたスラリーにアンモニア水を添加すること
によりスラリー中の遊離のフッ酸を中和し、このスラリ
ーから過酸化ウラン水和物粒子をろ過回収した後乾燥
し、この乾燥した過酸化ウラン水和物粒子を焙焼還元す
ることによりUO2粉末に変換する方法である。
に、本発明のUO2粉末の製造方法は、UO2F2粒子を
室温で加湿雰囲気に曝すことによりUO2F2水和物の粒
子に変換し、このUO2F2水和物粒子を過酸化水素水と
所定のH2O2/Uモル比であってかつ所定のH2O/U
モル比で反応させることにより過酸化ウラン水和物の粒
子に変換し、過酸化ウラン水和物粒子を含む前記変換工
程で生成されたスラリーにアンモニア水を添加すること
によりスラリー中の遊離のフッ酸を中和し、このスラリ
ーから過酸化ウラン水和物粒子をろ過回収した後乾燥
し、この乾燥した過酸化ウラン水和物粒子を焙焼還元す
ることによりUO2粉末に変換する方法である。
【0007】本発明の基本的な考え方は、UO2F2粒子
を凝集粒子形状の骨格を保ったまま、一次粒子が非常に
小さく活性のある過酸化ウラン水和物粒子に変換すると
ころにある。UO2F2粒子を速やかに過酸化ウラン水和
物に変換するにはUO2F2を直接過酸化水素水と反応さ
せるよりも、UO2F2を一度水和物の状態にしておくの
が効果的である。
を凝集粒子形状の骨格を保ったまま、一次粒子が非常に
小さく活性のある過酸化ウラン水和物粒子に変換すると
ころにある。UO2F2粒子を速やかに過酸化ウラン水和
物に変換するにはUO2F2を直接過酸化水素水と反応さ
せるよりも、UO2F2を一度水和物の状態にしておくの
が効果的である。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明の出発原
料であるUO2F2粒子は例えば流動層反応装置にUF6
ガスと水蒸気を吹込んでこのUF6を変換することによ
り製造される。製造されたUO2F2粒子は大気圧下、室
温で加湿雰囲気に曝すことによりUO2F2水和物の粒子
に容易に変換する。変換速度を高めるために、加湿雰囲
気は相対湿度を80%以上にすることが好ましい。この
反応を以下に示す。 UO2F2 + nH2O → UO2F2・nH2O (5) UO2F2水和物粒子はUO2F2粒子の形状の骨格を保っ
たまま膨潤した状態となる。
料であるUO2F2粒子は例えば流動層反応装置にUF6
ガスと水蒸気を吹込んでこのUF6を変換することによ
り製造される。製造されたUO2F2粒子は大気圧下、室
温で加湿雰囲気に曝すことによりUO2F2水和物の粒子
に容易に変換する。変換速度を高めるために、加湿雰囲
気は相対湿度を80%以上にすることが好ましい。この
反応を以下に示す。 UO2F2 + nH2O → UO2F2・nH2O (5) UO2F2水和物粒子はUO2F2粒子の形状の骨格を保っ
たまま膨潤した状態となる。
【0009】次にUO2F2水和物粒子を過酸化水素水と
反応させると、次式に示すように速やかに過酸化ウラン
水和物に変換する。 UO2F2・nH2O + H2O2 + (n'-n)H2O → UO4・n'H2O + 2HF (6) この反応条件はH202/Uモル比が1〜8であって、か
つH2O/Uモル比が3〜9の条件にすることが好まし
い。H202/Uモル比は2〜4であることがより好まし
い。H202/Uモル比が1未満であると、過酸化ウラン
水和物の生成速度が低下し、過酸化ウラン水和物粒子の
中心部に未反応のUO2F2水和物が残るおそれがある。
一方8を越えると過酸化水素水のロスが多くなる上に、
廃液が増えるため好ましくない。H2O/Uモル比が3
未満であると、UO2F2水和物が十分に過酸化ウラン水
和物に変換しなくなり好ましくない。一方9を越える
と、UO2F2水和物が過酸化ウラン水和物に変換する際
に一部のUO2F2水和物は水に溶解して微粉が発生する
原因となりやすい。著しい場合は過酸化ウラン水和物粒
子の凝集状態が崩れて全て微粉の状態となりやすい。微
粉が多くなるとろ過・乾燥及びそれに続く粉末の取扱い
が著しく困難になり好ましくない。
反応させると、次式に示すように速やかに過酸化ウラン
水和物に変換する。 UO2F2・nH2O + H2O2 + (n'-n)H2O → UO4・n'H2O + 2HF (6) この反応条件はH202/Uモル比が1〜8であって、か
つH2O/Uモル比が3〜9の条件にすることが好まし
い。H202/Uモル比は2〜4であることがより好まし
い。H202/Uモル比が1未満であると、過酸化ウラン
水和物の生成速度が低下し、過酸化ウラン水和物粒子の
中心部に未反応のUO2F2水和物が残るおそれがある。
一方8を越えると過酸化水素水のロスが多くなる上に、
廃液が増えるため好ましくない。H2O/Uモル比が3
未満であると、UO2F2水和物が十分に過酸化ウラン水
和物に変換しなくなり好ましくない。一方9を越える
と、UO2F2水和物が過酸化ウラン水和物に変換する際
に一部のUO2F2水和物は水に溶解して微粉が発生する
原因となりやすい。著しい場合は過酸化ウラン水和物粒
子の凝集状態が崩れて全て微粉の状態となりやすい。微
粉が多くなるとろ過・乾燥及びそれに続く粉末の取扱い
が著しく困難になり好ましくない。
【0010】
【作用】UO2F2粒子を室温で加湿した大気中に曝す
と、大気中の水分を吸収してUO2F2水和物の粒子に変
換する。このUO2F2水和物粒子を過酸化水素水と所定
のH2O2/Uモル比であってかつ所定のH2O/Uモル
比で反応させると、粒子形状を保ったまま過酸化ウラン
水和物粒子に変換する。最終的に得られたUO2粉末
は、小さな一次粒子からなるため、このUO2粉末から
通常の成形加工法で容易に大粒径ペレットを得ることが
できる。
と、大気中の水分を吸収してUO2F2水和物の粒子に変
換する。このUO2F2水和物粒子を過酸化水素水と所定
のH2O2/Uモル比であってかつ所定のH2O/Uモル
比で反応させると、粒子形状を保ったまま過酸化ウラン
水和物粒子に変換する。最終的に得られたUO2粉末
は、小さな一次粒子からなるため、このUO2粉末から
通常の成形加工法で容易に大粒径ペレットを得ることが
できる。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を詳しく説明する。以下
の実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。 <実施例1>先ず流動層反応装置にUF6ガスと水蒸気
を吹込んでUO2F2粒子を製造した。このUO2F2粒子
を室温で約80%の湿潤大気中に放置することにより水
和を行った。得られた生成物はX線回折装置で調べたと
ころUO2F2・1.5H2Oであった。次にこの水和物
粒子を過酸化水素水中にH2O2/Uモル比が2でH2O
/Uモル比が3となるように撹拌しながら速やかに添加
し、続いてpHが10を越えるまでアンモニア水を添加
した。得られたスラリーをろ過し、沈澱物を乾燥して粉
末状にした。この粉末状の生成物をX線回折装置で調べ
たところUO4・4H2Oであることを確認した。更に過
酸化ウラン水和物を水素と水蒸気の混合気流中650℃
で焙焼還元してUO2粉末を得た。
の実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。 <実施例1>先ず流動層反応装置にUF6ガスと水蒸気
を吹込んでUO2F2粒子を製造した。このUO2F2粒子
を室温で約80%の湿潤大気中に放置することにより水
和を行った。得られた生成物はX線回折装置で調べたと
ころUO2F2・1.5H2Oであった。次にこの水和物
粒子を過酸化水素水中にH2O2/Uモル比が2でH2O
/Uモル比が3となるように撹拌しながら速やかに添加
し、続いてpHが10を越えるまでアンモニア水を添加
した。得られたスラリーをろ過し、沈澱物を乾燥して粉
末状にした。この粉末状の生成物をX線回折装置で調べ
たところUO4・4H2Oであることを確認した。更に過
酸化ウラン水和物を水素と水蒸気の混合気流中650℃
で焙焼還元してUO2粉末を得た。
【0012】<実施例2>H2O/Uモル比を9にした
以外は実施例1と同様にしてUO2粉末を得た。
以外は実施例1と同様にしてUO2粉末を得た。
【0013】<比較例1>H2O/Uモル比を2にした
以外は実施例1と同様にしてUO2粉末を得た。
以外は実施例1と同様にしてUO2粉末を得た。
【0014】<比較例2>H2O/Uモル比を10にし
た以外は実施例1と同様にしてUO2粉末を得た。
た以外は実施例1と同様にしてUO2粉末を得た。
【0015】<測定及び評価>実施例1、実施例2、比
較例1及び比較例2の各スラリーをろ過するときの沈澱
物の沈降速度を測定し、各スラリーのろ過性を調べた。
また実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の各U
O2粉末の比表面積をBET法により測定した。更にこ
れらのUO2粉末をそれぞれ型内面に予め潤滑剤を塗布
した所定の金型に入れ、4t/cm2の成形圧で成形し
た後、水素雰囲気中で1750℃、4時間焼結してペレ
ットとした。焼結したペレットを切断した後、その断面
を研磨・エッチングして光学顕微鏡で組織を観察し平均
結晶粒径を求めた。これらの結果をUO2F2粒子を過酸
化ウラン水和物に変換する際の条件とともに表1に示
す。
較例1及び比較例2の各スラリーをろ過するときの沈澱
物の沈降速度を測定し、各スラリーのろ過性を調べた。
また実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の各U
O2粉末の比表面積をBET法により測定した。更にこ
れらのUO2粉末をそれぞれ型内面に予め潤滑剤を塗布
した所定の金型に入れ、4t/cm2の成形圧で成形し
た後、水素雰囲気中で1750℃、4時間焼結してペレ
ットとした。焼結したペレットを切断した後、その断面
を研磨・エッチングして光学顕微鏡で組織を観察し平均
結晶粒径を求めた。これらの結果をUO2F2粒子を過酸
化ウラン水和物に変換する際の条件とともに表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明かなように、実施例1及び実施
例2では沈降速度は比較的大きく沈澱スラリーはろ過性
に富み、しかもUO2粉末の比表面積、焼結ペレットの
結晶粒径を見る限り、いずれも比較的良好な大粒径ペレ
ット化の特性を示していることが判る。これに対して、
比較例1では沈降速度は大きいが、UO2粉末の比表面
積、焼結ペレットの結晶粒径は小さく、また比較例2で
はUO2粉末の比表面積、焼結ペレットの結晶粒径は大
きいが、沈降速度は小さいという欠点を有していること
が判る。
例2では沈降速度は比較的大きく沈澱スラリーはろ過性
に富み、しかもUO2粉末の比表面積、焼結ペレットの
結晶粒径を見る限り、いずれも比較的良好な大粒径ペレ
ット化の特性を示していることが判る。これに対して、
比較例1では沈降速度は大きいが、UO2粉末の比表面
積、焼結ペレットの結晶粒径は小さく、また比較例2で
はUO2粉末の比表面積、焼結ペレットの結晶粒径は大
きいが、沈降速度は小さいという欠点を有していること
が判る。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、U
O2F2粒子を水に溶解しないため廃液の発生量が多くな
く、またUO2F2を一度水和物の状態にしてこの水和物
粒子を過酸化水素水と所定のH2O2/Uモル比であって
かつ所定のH2O/Uモル比で反応させて過酸化ウラン
水和物の粒子に変換し、この変換工程で生成されたスラ
リーにアンモニア水を添加してスラリー中の遊離のフッ
酸を中和することにより、一次粒子が小さく高活性で流
動性に優れ、後続工程でのハンドリングが容易なUO2
粉末が得られる。このUO2粉末を用いれば通常の成形
加工の方法で容易に原子炉燃料に適した大粒径ペレット
を製造することができる。
O2F2粒子を水に溶解しないため廃液の発生量が多くな
く、またUO2F2を一度水和物の状態にしてこの水和物
粒子を過酸化水素水と所定のH2O2/Uモル比であって
かつ所定のH2O/Uモル比で反応させて過酸化ウラン
水和物の粒子に変換し、この変換工程で生成されたスラ
リーにアンモニア水を添加してスラリー中の遊離のフッ
酸を中和することにより、一次粒子が小さく高活性で流
動性に優れ、後続工程でのハンドリングが容易なUO2
粉末が得られる。このUO2粉末を用いれば通常の成形
加工の方法で容易に原子炉燃料に適した大粒径ペレット
を製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 フッ化ウラニル(UO2F2)の粒子を原
料として二酸化ウラン(UO2)粉末を製造する方法に
おいて、 前記UO2F2粒子を室温で加湿雰囲気に曝すことにより
UO2F2水和物の粒子に変換する工程と、 前記UO2F2水和物粒子を過酸化水素水と所定のH2O2
/Uモル比であってかつ所定のH2O/Uモル比で反応
させることにより過酸化ウラン水和物の粒子に変換する
工程と、 前記過酸化ウラン水和物を含む前記変換工程で生成され
たスラリーにアンモニア水を添加することによりスラリ
ー中の遊離のフッ酸を中和する工程と、 前記スラリーから過酸化ウラン水和物粒子をろ過回収し
た後乾燥する工程と、 前記乾燥した過酸化ウラン水和物粒子を焙焼還元するこ
とによりUO2粉末に変換する工程とを含むことを特徴
とする二酸化ウラン粉末を製造する方法。 - 【請求項2】 所定のH2O2/Uモル比が1〜8であっ
て、所定のH2O/Uモル比が3〜9である請求項1記
載の二酸化ウラン粉末を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16205893A JPH0717718A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 二酸化ウラン粉末を製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16205893A JPH0717718A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 二酸化ウラン粉末を製造する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717718A true JPH0717718A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15747298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16205893A Withdrawn JPH0717718A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 二酸化ウラン粉末を製造する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717718A (ja) |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16205893A patent/JPH0717718A/ja not_active Withdrawn
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